【課題を解決するための手段】
【0006】
周囲と比較して暖められた空気は上昇し、レインコート地に降りかかる雨水は足元へと流れ落ちる自然の力を利用する。
【0007】
日本古民家の屋根にみられる煙を排出する構造に着目し発案に至る。
【0008】
レインコートに換気口を設けるには、ひとつながりの形状では困難であり、袖と胴体部分を独立する構造に変更して着用し、肩口の重ねしろに出来る隙間を換気口として活用することで課題を解決する。
【0009】
比較的安価な材料を用いて確実な防水性能と充分な換気性能を両立出来る。
【0010】
[0008]より市販の簡易レインコートLサイズ1着とLLサイズ1着の計2着を加工して組み合わせることで実現出来る。
【0011】
サイズの違いには換気口を容易に設置できると同時に、レインコートが体にまとわりつくことを緩和する効果が期待出来る。
【0012】
[0009]に記述のレインコートは説明を明解にするため、袖部分と胴体部分を独立して使用する。
【0013】
Lサイズのレインコートを袖部分として使用する。
【0014】
LLサイズのレインコートを胴体部分として使用する。
【0015】
[0013]よりLサイズのレインコートはフードを切除する。
【0016】
[0015]に換気口の機能の維持向上を主な目的として逆U字形状の形状保持材を装着する(
図1)。
【0017】
[0016]の装着方法は、接合、接着、嵌合、溶着、スナップ留め又はこれに類する手段を用いるが、全て目的の趣旨に沿ったものとする。
【0018】
[0016]の材料は素材に体を傷付けない柔らかさがありながらも、形状を保持できる剛性を備えた市販の軟質プラスチック及び塩化ビニール等で作られた水撒きホースを用いる。
【0019】
[0016]の直径は20ミリメートル程で長さは体の動きの妨げとならないことを旨とする。
【0020】
[0016]には自然な着用体型に資するため、破線構造またはこれに類する適当なスリットを開ける。
【0021】
[0016]を装着する位置は、肩上部における動作の妨げとならないことを旨とする。
【0022】
[0016][0021]は肩上部に片側に2箇所で100ミリメートル程度間隔を空けて逆U字の両端を下向きにする(
図1)。
【0023】
[0016]はレインコート地を表面と裏面から挟む形で着用時のレインコートの形状に合わせる。
【0024】
[0016]は1つの逆U字形状に対し表裏計2本の形状保持材が必要となり、前見頃と後見頃の肩上断面はレインコート地を挟んで8の字になる(
図2 A−B断面)。
【0025】
[0013][0015]よりレインコートの両脇の下部表側に肩口より流入する雨水を受ける漏斗の役目をする開口部と、開口部に接続して左右の体側面に足元方向へ雨水を流す水路を併設する(
図1−E)。
【0026】
[0025]の素材は、レインコート地と同等の性能を有するものを使用する。
【0027】
[0025]はレインコート表面を流れる雨水の処理を主なる目的とするので、開口部の下側はやわらかい芯材などを補助に用いて雨水が流れ込む様にやや立体的に加工する。
【0028】
[0025]は人体を真横から見て袖の取付部分の幅よりも広く液体を受け流す時の横から見た漏斗の形に似せた開口部を設ける。
【0029】
[0025]の装着には、レインコート地と密着する工法を用いる。
【0030】
[0025]の水路の幅は、後述の胴体部分に通気加工を施すので機能の妨げにならない範囲でなるべく細い形状となるようにして裾までの長さとする。
【0031】
Lサイズのレインコートの袖に続く胴体部分には、Lサイズのレインコートが負担する機能の妨げとならない限界までの範囲で穴をあけるなど、これに類する方法で最大限の通気を確保する(
図4−F)。
【0032】
[0031]は袖の取付部分より体の中心に向けて繋がる約60ミリメートル程は、雨水を受け流す部分に該当するので、これにはレインコート地に防水機能を残しておく(
図4−G)。
【0033】
[0014]より、LLサイズのレインコートは、袖の部分を脇の下から袖口方向に袖の上腕上部へ角度をつけて、上広がりで切除する。
【0034】
[0033]の角度は、袖の胴への取付部を基準として30度程度が防水性及び一般的なレインコートの外観を保つ上で有効である。
【0035】
[0015]に対して着用時の形態をなす時に、接触が起こり得る位置に1本を含む複数本の形状保持材をレインコート地の裏面に装着する(
図3)。
【0036】
[0035]にて使用する材料は[0017]に準する。
【0037】
[0035]の装着方法は、[0016]に準ずる。
【0038】
[0035]を装着する位置は、レインコート地の逆U字形状を確保し換気口の機能の維持向上に資する目的を有する。
【0039】
[0035]の位置は首元から袖方向に逆U字形状の形状保持材と直角に積み重なる様に装着する。
【0040】
[0035]の長さは切除した袖部分の端より30ミリメートル短い程度が形状保持材を濡らさずに保つことが期待できる(
図3−ロ)。
【0041】
[0035]は間隔を50ミリメートル程空ける。
【0042】
[0033]より、強い雨や風で斜めに降る雨等の荒天時は、切除で袖の取付部に設けた開口部のレインコート地の裏側に雨粒や霧状の雨水が回り込むので水切りを装着し伝い流れる雨水を開口部より排出する(
図4−ハ)。
【0043】
[0042]の素材は突起形状を保持するのに有効であり、体に傷をつけない柔らかい軟質ビニール及び塩化ビニール系の形状復元力のある厚手のシート等から応用のものでよい。
【0044】
[0042]の形状は、装着した時に、体の中心より外に広がる三角形状で袖を切除した開口部より下端が下向きに突出する。
【0045】
[0042]を装着する位置は1辺のみをレインコートの裏側に開口部の半分より下側に幅の細い方を斜め上に向けて装着する。
【0046】
[0042]は密着する方法で装着する。
【0047】
[0042]は片側の前見頃と後見頃のそれぞれに1箇所ずつ装着する。