【解決手段】ホイールローダ(1)は、原動機(18)と、該原動機(18)が収容される空間を開閉可能に覆うと共に、外気を空間に取り入れる通気口(23a)を有するボンネット(23)と、当該空間に収容され、原動機(18)と第1吸気管(34)を通じて接続されるエアクリーナ(33)と、当該空間に収容され、エアクリーナ(33)と第2吸気管(32)を通じて接続されるプレクリーナ(31)とを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1に記載の構成では、プレクリーナが、外部に露出するように、ボンネットの上面に取り付けられている。そのため、プレクリーナの吸気音が、プレクリーナの前方で作業するオペレータにとって騒音となる問題がある。また、外部に露出したプレクリーナの吸気音は、オペレータに限らず、作業機の周囲に対しての騒音ともなる。
【0006】
また、ボンネットの上面に取り付けられたプレクリーナは、オペレータの後方の視界を遮るため、オペレータの後方視認性および後方視界性を低下させるという問題もある。さらに、外部に露出したプレクリーナは、空気中に含まれる異物を直接吸い込むため、異物の吸い込み量が必然的に多くなる。したがって、性能維持のために、メンテナンスを頻繁に行わなければならないという問題もある。
【0007】
本発明の一態様は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、プレクリーナの吸気音による騒音の低減、オペレータの後方視認性および後方視界性の向上、およびプレクリーナのメンテナンスインターバルの延長を実現する作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る作業機は、原動機と、該原動機が収容される空間を開閉可能に覆うと共に、外気を前記空間に取り入れる通気口を有するボンネットと、前記空間に収容され、前記原動機と第1吸気管を通じて接続されるエアクリーナと、前記空間に収容され、前記エアクリーナと第2吸気管を通じて接続されるプレクリーナと、を備える。
【0009】
上記構成によれば、プレクリーナがボンネットによって覆われる空間に収容されている。したがって、プレクリーナの吸気音をボンネットにより遮って低減させることができる。これにより、オペレータおよび作業機の周囲に対して、プレクリーナの吸気による騒音を低減することができる。また、プレクリーナは、ボンネットによって覆われる空間の空気を吸入するため、外気を直接吸い込む構成よりもプレクリーナ内部に吸込まれる異物の量を低減することができる。これにより、プレクリーナの寿命を延ばすことができ、また、メンテナンスインターバルを延長することもできる。さらに、プレクリーナによる遮りを無くしてオペレータの後方の視界を良好にできる。これにより、オペレータの後方視認性および後方視界性を向上させることができる。
【0010】
本発明の一態様に係る作業機では、前記ボンネットによって覆われる前記空間を、前記原動機が配設される第1空間と前記通気口を介して外部と連通する第2空間とに仕切る仕切り部を備え、前記プレクリーナは、前記第2空間に配置されている構成とすることもできる。上記構成によれば、プレクリーナは、原動機が設置されている第1空間とは仕切り部で仕切られた第2空間に配置されている。そのため、プレクリーナは、原動機の放射熱により温まった空気を吸入することなく、外気の温度に近い第2空間の空気を吸入することができる。これにより、原動機に温度の低い空気を供給することが可能となり、原動機から効率よく動力を得ることができる。
【0011】
本発明の一態様に係る作業機では、前記第2空間には、冷却器が配置され、前記冷却器と前記原動機との間に設けられたシュラウドを備え、前記仕切り部は、前記シュラウドの上方において、前記第1空間と前記第2空間とを仕切る仕切り構造体を備え、前記プレクリーナは、前記仕切り構造体に固定されている構成とすることもできる。上記構成によれば、第2空間の上部の、従来空いていたデッドスペースを利用してプレクリーナを配設することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る作業機では、前記エアクリーナは、前記第1空間に配置されている構成とすることもできる。上記構成によれば、第1空間及び第2空間の限られたスペースを有効に利用してエアクリーナ及びプレクリーナを配置することができる。
【0013】
本発明の一態様に係る作業機では、前記プレクリーナは、当該プレクリーナの吸入口が前記通気口との対向面とは異なる面に設置されている構成とすることもできる。上記構成によれば、雨天時および洗車時に、通気口を通ってボンネットによって覆われる空間に水が侵入してプレクリーナにかかることがあっても、プレクリーナの内部に水が浸入することを防ぐことができる。これにより、水を吸入することによる原動機の不具合を防ぐことができる。
【0014】
本発明の一態様に係る作業機では、前記プレクリーナは、当該プレクリーナの全部または一部が前記通気口の正面より見て前記通気口の上縁部よりも上方に配置されている構成とすることもできる。上記構成によれば、通気口を通ってボンネットによって覆われる空間に侵入した水が、吸入口側に回り込むことを抑制して、プレクリーナの内部に水が浸入することをより一層効果的に防ぐことができる。
【0015】
本発明の一態様に係る作業機では、前記プレクリーナは、前記ボンネットが全開された状態で前記空間の外部に露出する位置に配置されている構成とすることもできる。上記構成によれば、ボンネットが全開された状態で、プレクリーナが露出するので、プレクリーナの脱着、清掃およびメンテナンス等を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、プレクリーナの吸気音による騒音の低減し、オペレータの後方視認性および後方視界性を向上させ、プレクリーナのメンテナンスインターバルを延長することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔実施形態1〕
(1.ホイールローダ1の概略構成)
図1は、ホイールローダ1の構成を示す側面図である。ホイールローダ1はアーティキュレート式の作業機であり、走行機体1Aと、作業装置1B(フロント作業装置)とが設けられている。走行機体1Aは、前部機体2と後部機体3とから構成されている。以下においては、走行機体1Aに対して作業装置1Bの位置する側を前方、その反対側を後方、前方に向かって左側を左方、右側を右方として説明する。
【0019】
前部機体2には左右一対の前輪5が設けられ、後部機体3には左右一対の後輪6が設けられている。後部機体3の前端側には連結部材4が前後方向の軸心回りに所定範囲回転自在に設けられ、この連結部材4に前部機体2の後端側が上下方向の軸心回りに左右揺動自在に連結されている。連結部材4と前部機体2とにわたって油圧シリンダからなるステアリングシリンダ7が設けられ、このステアリングシリンダ7を伸縮させることにより、後部機体3に対して前部機体2が左右に揺動してホイールローダ1が左右に旋回可能である。
【0020】
作業装置1Bは、左右一対のリフトアーム9とバケット10とを有する。左右のリフトアーム9は、その基端側が前部機体2に設けた支持フレーム11に左右方向の軸心回りに回転自在に支持されていて、上下揺動可能である。バケット10は、左右のリフトアーム9の先端側に左右方向の軸心回りに揺動自在に枢支連結されている。左右のリフトアーム9はリフトシリンダ12によって駆動され、バケット10はバケットシリンダ13によって駆動される。これらリフトシリンダ12及びバケットシリンダ13は油圧シリンダによって構成されている。また、バケット10は着脱自在に設けられていて、バケット10の代わりに、スイーパー、モアー、ブレーカ等のアタッチメントをリフトアーム9の先端側に取り付け可能である。
【0021】
後部機体3には、運転部19と原動部20とが、設けられている。運転部19は、後部機体3の前部に、原動部20は後部機体3の後部に設けられている。運転部19は、運転席14と、運転席保護装置としての4柱式のキャノピ15と、前記ステアリングシリンダ7を操作するステアリングホイール16と、作業装置1Bを操作する作業装置用操作レバー17とを備える。なお、運転部19は、上記のようなキャノピ型に限定されず、キャビン型でもよい。
【0022】
(2.原動部20の構成)
図2は、ホイールローダ1の後部に位置する原動部20の構成を示す右斜め後方より見た斜視図であり、ボンネット23を開けた状態である。
図2に示すように、原動部20は、原動機18と、冷却ファン25と、ラジエータ(冷却器)22と、燃焼空気を原動機18に供給する吸気構造30とを備える。原動部20は、その周囲を、開閉可能に設けられたボンネット23によって覆われている。ボンネット23は、機体フレーム21に対して、左右方向の軸心回りに所定範囲回転自在に接続されている。
【0023】
ボンネット23の右側面には、ボンネット23によって覆われる空間に外気を取り込むための通気口23aが設けられている。通気口23aは、例えば、ボンネット23の右側面に設けた開口あるいは切欠部にパンチングメタルあるいは防塵ネット等を設けることで構成することができる。通気口23aを介してボンネット23によって覆われる空間に外気が取り込まれる。
【0024】
原動機18は、ボンネット23によって覆われる空間に、機体フレーム21に支持される形で搭載されている。原動機18は、その動力によってモータ(図示せず)を駆動させ、当該モータから出力される回転動力により、前輪5および後輪6を駆動させる(
図1参照)。走行機体1Aは、モータの回転動力が前輪5および後輪6に伝達されることで走行する。また、原動機18は、その動力によって油圧ポンプを駆動させ、各油圧アクチュエータ(ステアリングシリンダ7、リフトシリンダ12、バケットシリンダ13等)に作動油を供給する。作業装置1Bは、各油圧アクチュエータに作動油が供給されることで動作する。原動機18は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、LPGエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジンおよび電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
【0025】
ラジエータ22は、ボンネット23によって覆われる空間において、原動機18の右側方に配置される。原動機18の冷却水路とラジエータ22とは、循環ポンプ(図示せず)を介装した冷却水配管で接続されている。原動機18は、ラジエータ22と原動機18とを循環する冷却水で冷却される。ラジエータ22は、原動機18からの冷却水を冷却して原動機18へ戻すように構成されている。
【0026】
冷却ファン25は、原動機18の側部であって、原動機18とラジエータ22との間に配置されている。冷却ファン25の駆動により、通気口23aより外気が吸い込まれて気流が生じ、該気流によって、原動機18およびラジエータ22が冷却される。
【0027】
原動機18が配置される原動機室(第1空間)24Aと、ラジエータ22等が配置される外気室(第2空間)24Bとは、仕切り部39にて仕切られている。仕切り部39は、機体フレーム21に接続された脚部21a、該脚部21aの上部とラジエータ22上面との間に配され、ラジエータ22の上方の空間を塞ぐ仕切り構造体40、原動機18とラジエータ22の間に配設されているシュラウド27等にて構成されている。仕切り構造体40には、第2吸気管32を通すための穴40a(
図3参照)が形成されている。ボンネット23が閉じた状態でボンネット23と仕切り部39との隙間を確実に密閉するために、ボンネット23の内面には、仕切り部39に対応する位置にシール材が設けられている。
【0028】
(3.吸気構造30およびプレクリーナ31の設置)
図3は、ボンネット23によって覆われる空間に位置する原動機18および吸気構造30を右斜め後方より見た斜視図である。なお、
図3においてラジエータ22、シュラウド27等は省略されている。
図4は、吸気構造30におけるプレクリーナ31の配設部位を左斜め後方より見た斜視図である。なお、
図4において仕切り部39および第2吸気管32の一部が断面を呈している。
図5は、後部機体3の構成を示す右側面図であり、ボンネット23を閉じた状態である。
図6は、後部機体3の構成を示す右側面図であり、ボンネット23を開けた状態である。
【0029】
図3に示すように、吸気構造30は、プレクリーナ31と、第2吸気管32と、エアクリーナ33と、第1吸気管34とを備える。エアクリーナ33は、原動機18の吸気側で空気中に含まれる異物(砂塵やゴミ)を分離する。プレクリーナ31は、エアクリーナ33に先立って空気中に含まれる異物を除去する。プレクリーナ31は、第2吸気管32を介してエアクリーナ33と接続されている。エアクリーナ33は、第1吸気管34を介して原動機18の吸気入口に接続されている。プレクリーナ31、第2吸気管32、エアクリーナ33、第1吸気管34、および原動機18の吸気入口は、それぞれの差込口にフランジを設けて溶接する、あるいは、差込口の周りをバンドで締めることにより接続されている。
【0030】
吸気構造30を構成するこれらの部品のうち、第2吸気管32と、エアクリーナ33とは、ボンネット23によって覆われる空間の原動機室24Aに配置され、原動機18の上部に配設されている。エアクリーナ33は、機体フレーム21(
図2参照)に支持されている。
【0031】
これに対し、プレクリーナ31は、ボンネット23によって覆われる空間の外気室24Bに配置されている。プレクリーナ31は、仕切り構造体40に支持されており、詳細には、仕切り構造体40に形成された穴40aにパイプ部分を嵌め込んだ形で装着固定されている。第1吸気管34は、仕切り構造体40に形成された穴40aを通して原動機室24Aと外気室24Bとに渡って配設されている。
【0032】
図4に示すように、プレクリーナ31は、吸入口31aを有し、該吸入口31aから空気を吸入する。プレクリーナ31としては、例えば、固定翼を用いた遠心分離により空気中の異物を除去する遠心分離式のプレクリーナを用いることができる。遠心分離式のプレクリーナ31は、プレクリーナ31内部の固定翼により生成される旋回流を利用して、吸入口31aから導入される空気から空気中の異物を分離する。
【0033】
プレクリーナ31によって清浄化された空気は、第2吸気管32を通り、エアクリーナ33(
図3参照)に供給される。エアクリーナ33に供給された空気は、エアクリーナ33内のフィルタによってさらに清浄化された後、第1吸気管34を通って燃焼空気として原動機18に供給される。
【0034】
図4に示すように、本実施形態においてプレクリーナ31は、外気室24Bに面する右側の通気口23aと吸入口31aとが向き合わないように、吸入口31aを左側に向けて設置されている。換言すると、プレクリーナ31は、吸入口31aが、外気室24Bと外部とを連通する通気口23aがある側とは反対側に向くように設置されている。これにより、プレクリーナ31は、プレクリーナ31と仕切り構造体40との間の空気を吸入口31aより吸入する。
図4中、吸入口31aより吸い込まれる空気の流れを矢印Yにて示している。
【0035】
また、
図5、
図6に示すように、本実施形態では、ボンネット23は閉じた状態において後方に向かうほど下方に傾斜する形状になっており、仕切り構造体40はボンネット23の形状に応じて後方へ向かうほど高さが低くなっている。また、プレクリーナ31は、仕切り構造体40における比較的高さのある前部に取り付けられている。そして、
図5に示すように、ボンネット23を閉めた状態で、右側面より見て上部側がボンネット23に隠れ、下部側が通気口23aより見える位置に配設されている。さらに、
図6に示すように、本実施形態においてプレクリーナ31は、ボンネット23を全開した状態でプレクリーナ31の全体が外部に露出する位置に設けられている。
【0036】
(4.効果)
上記構成においては、
図2〜
図5に示したように、プレクリーナ31は、ボンネット23によって覆われる空間に設置されている。このような構成とすることで、プレクリーナ31の吸気音をボンネット23により遮って低減させることができる。これにより、プレクリーナ31をボンネット外部に設置した構成と比べて、オペレータおよびホイールローダ1の周囲に対して、プレクリーナ31の吸気による騒音を低減することができる。
【0037】
また、プレクリーナ31をボンネット23の外部に設置した構成では、プレクリーナ31は、直接外気を吸い込むため、外気に含まれる異物を多く吸い込むこととなる。プレクリーナ31をボンネット23によって覆われる空間に設置したことで、プレクリーナ31は、ボンネット23によって覆われる空間の空気を吸入するため、外気を直接吸い込む構成よりもプレクリーナ31内部に吸込まれる異物の量を低減することができる。これにより、プレクリーナ31の寿命を延ばすことができ、また、メンテナンスインターバルを延長することもできる。
【0038】
また、プレクリーナ31をボンネット23によって覆われる空間に設置することで、
図7に仮想線で示すようにプレクリーナ31がボンネット23の上部に設置されている構成と比べて、オペレータの後方の視界を良好にできる。これにより、オペレータの後方視認性および後方視界性を向上させることができる。なお、
図7は、運転席14よりボンネット23のある後方を視認した場合の見え方を示す説明図である。
図7において参照符号38にて示す部材は、排気口である。
【0039】
また、ホイールローダ1の作業時、原動機18の放射熱により、原動機室24A内部の空気は温められる。そのため、仕切り部39が設けられなかった場合や、プレクリーナ31が原動機室24Aに配置された場合、プレクリーナ31は、原動機18の放射熱により温まった空気を吸入することとなり、原動機18の効率が低下する。
【0040】
これは、一般的に、気体の密度は温度が低いほど高くなるため、原動機18に供給される空気(燃焼空気)の温度が高いと空気の密度が低くなり、原動機18が効率よく動力を得ることができないためである。つまり、プレクリーナ31が吸い込む空気の温度は低いことが好ましい。
【0041】
本実施形態においては、
図2、
図3に示したように、プレクリーナ31は、原動機18が設置されている原動機室24Aとは仕切り部39で仕切られた外気室24Bに配置されている。そのため、プレクリーナ31は、原動機18の放射熱により温まった空気を吸入することなく、外気の温度に近い外気室24Bの空気を吸入することができる。これにより、原動機18に温度の低い空気(燃焼空気)を供給することが可能となり、原動機18は効率よく動力を得ることができる。
【0042】
また、本実施形態においては、
図3、
図6に示したように、シュラウド27の上方において、原動機室24Aと外気室24Bとを仕切る仕切り構造体40にプレクリーナ31が固定されている。これにより、外気室24Bの上部の、従来空いていたデッドスペースを利用してプレクリーナ31を配設することができる。
【0043】
また、上記構成では、
図3に示したように、エアクリーナ33は、原動機室24Aに配置されている。これにより、原動機室24A及び外気室24Bの限られたスペースを有効に利用してエアクリーナ33及びプレクリーナ31を配置することができる。
【0044】
また、上記構成では、
図4に示したように、プレクリーナ31は、吸入口31aが、通気口23aとの対向面とは異なる面に設置されている。雨天時および洗車時に、通気口23aを通ってボンネット23によって覆われる空間に水が侵入してプレクリーナ31にかかる可能性があるが、上記構成により、プレクリーナ31の内部に水が浸入することを防ぐことができる。これにより、水を吸入することによる原動機18の不具合を防ぐことができる。
【0045】
また、本実施形態においては、
図5に示したように、プレクリーナ31の一部が、右側面(通気口23aの正面)より見て通気口23aの上縁部よりも上方に配置されている。これにより、通気口23aを通ってボンネット23によって覆われる空間に侵入した水が吸入口31a側に回り込むことが抑制され、プレクリーナ31の内部に水が浸入することをより一層効果的に防ぐことができる。なお、本実施形態では、プレクリーナ31の一部が右側面より見て通気口23aの上縁部よりも上方に配置されている構成について説明したが、これに限らず、プレクリーナ31の全体が右側面より見て通気口23aの上縁部よりも上方に配置される構成であってもよい。
【0046】
さらに、
図6に示すように、本実施形態においてプレクリーナ31は、ボンネット23を全開した状態でプレクリーナ31が露出する位置に設けられている。これにより、プレクリーナ31の脱着、清掃およびメンテナンス等を容易に行うことができる。特に、本実施形態では、プレクリーナ31は、ボンネット23を全開した状態でプレクリーナ31の全体が露出する位置に設けられており、且つプレクリーナ31を仕切り構造体40に形成した穴40aに挿し込むように取り付けている。そのため、プレクリーナ31を簡単に挿抜することができる。
【0047】
プレクリーナ31をボンネット23の上面に取り付けた場合、地面から1m80cm程度の位置に配置されるため作業性に劣る。これに対し、本実施形態では、プレクリーナ31をボンネット23によって覆われる空間に取り付けているので、
図6に示す地面からの高さ(h)を1m60cm程度とすることができ、作業性を向上させることができる。なお、上記実施形態では、外気室24Bを原動機室24Aの右側に設けていたが、外気室24Bを原動機室24Aの左側に設けてもよい。
【0048】
なお、本実施形態では、本発明を作業機の一形態であるホイールローダに適用した実施例について説明したが、本発明の適用対象はこれに限らず、例えば、バックホー、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の建設機械や、トラクタ、コンバイン等の農業機械など、他の形態の作業機に適用することもできる。
【0049】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。