【解決手段】油圧ホースの中継構造は、油圧ホース同士を接続する複数の中継アダプタと、複数の中継アダプタが固定されるブラケットと、を備え、複数の中継アダプタは、軸心方向が互いに平行となるように間隔を隔てて配置されると共に軸心方向に互いに位置ずれして配置され、ブラケットは、板材で形成されており、且つ複数の中継アダプタの各々に対応して設けられた複数の固定板部を有し、各固定板部の板面にそれぞれの前記固定板部に対応する前記中継アダプタが固定されている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図1に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2には、オペレータ(運転者)が着座する運転席6が搭載されている。
【0010】
本実施形態においては、作業機1の運転席6に着座したオペレータの前側に向かう方向(
図1の矢印A1方向)を前方、オペレータの後側に向かう方向(
図1の矢印A2方向)を後方、
図1のK1方向を前後方向として説明する。また、オペレータの左側に向かう方向(
図1の手前側)を左方、オペレータの右側に向かう方向(
図1の奥側)を右方として説明する。
【0011】
また、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向(
図3の矢印K2方向)として説明する。機体2の幅方向(機体幅方向K2)の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。つまり、機体外方は、機体2の幅方向の中心から機体幅方向K2に離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。つまり、機体内方は、機体幅方向K2において機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
【0012】
図1に示すように、走行装置3は、走行フレーム9と、走行フレーム9の左部及び右部に設けられた走行機構10とを有する。走行機構10は、油圧モータで駆動されるクローラ式の走行機構によって構成されている。走行装置3の前部には、油圧シリンダによって上げ下げ可能なドーザ装置7が装着されている。
図1に示すように、作業装置4は、機体2の前部に設けられ、ブーム15と、アーム16と、バケット(作業具)17とを有する。ブーム15の基部は、スイングブラケット14に横軸心(機体幅方向K2に延伸する軸心)回りに回動自在(上下に揺動自在)に枢着されている。スイングブラケット14は、機体2の前部に設けられた支持ブラケット18に縦軸心(上下方向に延伸する軸心)回りに回動可能に支持されている。アーム16は、ブーム15の先端側に横軸心回りに回動自在(前後或いは上下に揺動自在)に枢着されている。バケット17は、アーム16の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。作業機1は、バケット17に代えて或いは加えて、油圧アクチュエータにより駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。この他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
【0013】
スイングブラケット14は、油圧シリンダの伸縮によって揺動する。ブーム15は、ブームシリンダC3の伸縮によって揺動する。アーム16は、アームシリンダC4の伸縮によって揺動する。バケット17は、バケットシリンダ(作業具シリンダ)C5の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作する。ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
【0014】
図1に示すように、機体2は、走行フレーム9(走行装置3)上に旋回ベアリング8を介して縦軸心回りに回転可能(左及び右に旋回可能)に支持されている。
図2に示すように、機体2は、骨格となる旋回フレーム41を有している。旋回フレーム41は、機体2の底部を構成する旋回基板42に、補強リブ43、支持ブラケット18、機体2に搭載される機器類(タンク類を含む)やその他の部品等を取り付けるためのブラケットやステー等を固定して構成されている。
【0015】
図1、
図2に示すように、機体2には、運転席6を含む運転部23が搭載されている。運転部23は、機体2の中央から一側部(左側)寄りに配置されている。
図2に示すように、機体2の前部には、機体2の床面(機体2上部の床面)を形成するフロアステップ52が設けられている。このフロアステップ52によって旋回フレーム41の前部の左側が覆われる。フロアステップ52の後部に運転部23が搭載されている。
【0016】
図2に示すように、運転部23の後方には、機体2の後部に搭載された原動機E1を収容する原動機室E2を形成するボンネット22が設けられている。原動機E1は、例えば、ディーゼルエンジンであって、作業機1に装備された油圧モータ、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータを駆動させる作動油(圧油)を吐出する油圧ポンプP1を駆動する。な
お、原動機E1は、ガソリンエンジン、又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
【0017】
ボンネット22は、原動機E1の前方(上部前方)を覆う隔壁部材(隔壁板)22Aと、原動機E1の上方及び後方を覆う開閉可能なボンネット後部22Bと、ボンネット後部22Bの上部前方側に配置された固定ボンネット22Cとを有する。ボンネット22内には、ボンネット22を支持する支持フレーム11が設けられている。この支持フレーム11は、機体2(旋回フレーム41)に立設されている。隔壁部材22Aは、原動機室E2と、原動機室E2の上部前方とを隔てる部材である。隔壁部材22Aの前方に運転席6が配置されている。つまり、隔壁部材22Aは、原動機室E2と運転席6の配置側(原動機室E2よりも運転席6側の領域)とを隔てる部材である。
【0018】
図1に示すように、運転部23の一側方(左側方)には、手摺26と外装カバー27とが設けられている。
図3に示すように、旋回基板42(旋回フレーム41)の右部の前後方向K1略中央部には、油圧ポンプP1に供給する作動油が貯留された作動油タンク106が配置されている。作動油タンク106の前面側にコントロールバルブV1が取り付けられている。コントロールバルブV1は、作業機1に装備された各油圧アクチュエータに対する作動油の流れを制御する各制御弁V2を集約したバルブユニットである。コントロールバルブV1及び作動油タンク106の前方に、バッテリ107が配置されている。バッテリ107は、作業機1に装備された電装品に電力を供給する蓄電池である。
【0019】
図3、
図4に示すように、バッテリ107は、旋回フレーム41に取り付けられたバッテリ台108に取り付けられている。バッテリ台108の側方(右側方)には、セレクタバルブ109が配置されている。セレクタバルブ109は、作動油の経路を切り換える切換バルブである。バッテリ台108の後部には、油圧ホースを中継する中継構造体110が取り付けられている。
【0020】
図5、
図6に示すように、バッテリ台108は、バッテリ107が搭載される載置台111と、バッテリ107の前部の移動を規制する規制部材112と、バッテリ107の後部を固定するバッテリストッパ113とを有している。
図7に示すように、載置台111は、一枚の板材を折曲することにより形成されており、載置壁111aと、縦支持壁111bと、取付壁111cとを有する。載置壁111aには、バッテリ107がクッション材114を介して載置される。縦支持壁111bは、載置壁111aの右端部から下方に延設されている。取付壁111cは、縦支持壁111bの下端部から機体外方に延設されていて旋回基板42にボルト固定されている。載置壁111aの左部の前部は、支持ブラケット18から突出する支持壁18aにボルト固定される。載置壁111aの左部の後部は、旋回基板42に立設された支持部材115にボルト固定される。
【0021】
図6に示すように、規制部材112は、板材からなり、載置壁111aの上面の前部側に配置され且つ溶接等によって載置壁111aに固定されている。規制部材112は、載置壁111aに立設され且つ機体幅方向K2に延伸する主板部112aと、主板部112aの一端部(左端部)から後方に延びる第1側板部112bと、主板部112aの他端部(右端部)から後方に延びる第2側板部112cとを有する。主板部112aは、主要部位である第1規制部112aaと、主板部112aを構成する板材を切り起こして形成された第2規制部112abを有する。
【0022】
図8に示すように、第1規制部112aaは、バッテリ107の正面下部にクッション材116を介して当接してバッテリ107の前方移動を規制する。第2規制部112abは、バッテリ107の正面下部に形成された係合部(前係合部)117に上方から係合してバッテリ107の前部の上方移動を規制する。第1側板部112bは、バッテリ107の前部の左方移動を規制する。第2側板部112cは、バッテリ107の前部の右方移動を規制する。
【0023】
図9に示すように、載置壁111aは、後部に、バッテリストッパ113が取り付けられるストッパ取付部118を有している。ストッパ取付部118は、載置壁111aの機
体幅方向K2の略中央部に形成された一対のボルト挿通穴118aを有している。ボルト挿通穴118aは、機体幅方向K2に間隔を開けて且つ載置壁111aを貫通して形成されている。ストッパ取付部118の下面には、各ボルト挿通穴118aに対応する一対のナット部材118bが固定されている(
図8参照)。ナット部材118bは、ボルト挿通穴118aと同心状に配置されている。
【0024】
図9に示すように、バッテリストッパ113は、メインプレート119と、メインプレート119の左部に固定された第1サイドプレート120と、メインプレート119の右部に固定された第2サイドプレート121とを有している。メインプレート119は、第1壁部119aと、第2壁部119bと、第3壁部119cとを有している。
図8に示すように、第1壁部119aは、ストッパ取付部118の上面に重ね合わされて、第1壁部119a、ボルト挿通穴118aを挿通してナット部材118bにねじ込まれるボルト(固定具)122によって取り付けられる。第2壁部119bは、第1壁部119aの前端から前方に向かうにつれて上方に移行する傾斜状に形成されている。第2壁部119bは、バッテリ107の背面下部に形成された係合部(後係合部)123に上方から係合してバッテリ107後部の上方移動を規制する。第3壁部119cは、第2壁部119bの前端から上方に向けて延出している。第3壁部119cは、バッテリ107の背面下部にクッション材124を介して当接し、バッテリ107の後方移動を規制する。
【0025】
図6に示すように、セレクタバルブ109は、バッテリ台108の縦支持壁111bに取付ブラケット126を介して取り付けられている。
図10に示すように、セレクタバルブ109は、第1ポート127a〜第7ポート127gを有している。第1ポート127a及び第2ポート127bは、セレクタバルブ109に対して作動油を供給及び排出するためのポートであって、油圧管路(第1油圧管路)128及び(第2油圧管路)129によってコントロールバルブV1のうちの1つの制御弁V2aに接続されている。具体的には、第1油圧管路128は、制御弁V2aと第1ポート127aとに接続され、第2油圧管路129は、制御弁V2aと第2ポート127bとに接続されている。なお、油圧管路は、作動油を流通させる流路を形成し、油圧ホース、鋼管、継手部材等を含む。
【0026】
第3ポート127c及び第4ポート127dは、油圧管路(第3油圧管路)130及び油圧管路(第4油圧管路)131を介してアーム16に取り付けられた油圧取出し部(第1供給部)135に接続されている。第3油圧管路130は、第3ポート127cと、油圧取出し部135に設けられた一対の接続管136うちの一方の接続管(第1接続管)136aとを接続している。第4油圧管路131は、第4ポート127dと、一対の接続管136うちの他方の接続管(第2接続管)136bとを接続している。油圧取出し部135は、例えば、バケット17に代えて或いは加えて装着される他の作業具に対して油圧を取り出すことができる。
【0027】
第5ポート127e及び第6ポート127fは、油圧管路(第5油圧管路)132及び油圧管路(第6油圧管路)133を介して作業具とは異なる別のアタッチメント(第2供給部)137に接続される。別のアタッチメント137としては、例えば、アーム16の先端側に取り付けられて作業具を着脱可能に装着する装着具であって、取り付けた作業具を油圧アクチュエータによって左及び右にチルト(姿勢変更)させることができる装着具である。装着具は、油圧クイックカプラーを内蔵していて、作業具の脱着を運転席6で遠隔操作によって行うことができる。
【0028】
第7ポート127gは、油圧管路(第7油圧管路)134を介して作動油タンク106に連通している。第7ポート127gは、セレクタバルブ109のドレン油を作動油タンク106に戻すドレンポートである。
図10に示すように、セレクタバルブ109は、ソレノイド138を有し、該ソレノイド138を励磁又は消磁することで、制御弁V2aからの作動油を、油圧取出し部135へ流すか、別のアタッチメント137に流すかを切り換える。
【0029】
図9に示すように、中継構造体110は、複数の中継アダプタ139と、複数の中継アダプタ139が固定されるブラケット140とを有している。複数の中継アダプタ139
は、油圧ホース141同士を接続する継手である。具体的には、複数の中継アダプタ139は、
図10、
図11に示すように、第1中継アダプタ139Aと、第2中継アダプタ139Bとを含む。第1中継アダプタ139Aは、第3油圧管路130の構成部材であり、第3油圧管路130を構成する油圧ホース141同士を接続する。詳しくは、第3油圧管路130は、第1中継アダプタ139Aと、該第1中継アダプタ139Aとセレクタバルブ109との間に配策される第1の油圧ホース141Aと、第1中継アダプタ139Aと油圧取出し部135との間に配策される第2の油圧ホース141Bとを含む。第1の油圧ホース141Aは、一端側が第1中継アダプタ139Aの一端側に接続され、他端側が第3ポート127cに接続される。第2の油圧ホース141Bは、一端側が第1中継アダプタ139Aの他端側に接続され、他端側が第1接続管136aに接続される。
【0030】
第2中継アダプタ139Bは、第4油圧管路131の構成部材であり、第4油圧管路131を構成する油圧ホース141同士を接続する。詳しくは、第4油圧管路131は、第2中継アダプタ139Bと、該第2中継アダプタ139Bとセレクタバルブ109との間に配策される第3の油圧ホース141Cと、第2中継アダプタ139Bと油圧取出し部135との間に配策される第4の油圧ホース141Dとを含む。第3の油圧ホース141Cは、一端側が第2中継アダプタ139Bの一端側に接続され、他端側が第4ポート127dに接続される。第4の油圧ホース141Dは、一端側が第2中継アダプタ139Bの他端側に接続され、他端側が第2接続管136bに接続される。
【0031】
第1の油圧ホース141A及び第3の油圧ホース141Cは、中継アダプタ139に接続される油圧ホースのうちの一方の油圧ホースである。第2の油圧ホース141B及び第4の油圧ホース141Dは、中継アダプタ139に接続される油圧ホースのうちの他方の油圧ホースである。
図7、
図8に示すように、複数の中継アダプタ139(第1中継アダプタ139A、第2中継アダプタ139B)は、軸心方向X1が互いに平行となるように間隔を隔てて配置されると共に軸心方向X1に位置ずれして配置されている。また、複数の中継アダプタ139は、軸心方向X1に直交する方向である第1方向X2に位置ずれしている。さらに、複数の中継アダプタ139は、軸心方向X1及び第1方向X2に直交する方向である第2方向X3にも位置ずれしている。
【0032】
本実施形態では、軸心方向X1は機体幅方向K2である。また、第1方向X2は上下方向である。また、第2方向X3は前後方向K1である。したがって、第1中継アダプタ139Aと第2中継アダプタ139Bとは、機体幅方向K2に位置ずれしていると共に、上下方向(第1方向X2)及び前後方向K1(第2方向X3)にも位置ずれしている。具体的には、第1中継アダプタ139Aは、第2中継アダプタ139Bより左方に配置されていると共に第2中継アダプタ139Bより下方に配置され、且つ第2中継アダプタ139Bより後方に配置されている。
【0033】
第1中継アダプタ139Aと第2中継アダプタ139Bとが、機体幅方向K2、上下方向、前後方向K1に異なった位置に配置されることで、中継アダプタ139に対する油圧ホース141の接続作業の作業性を向上させることができる。特に、第1中継アダプタ139Aと第2中継アダプタ139Bとして共通の部品を用いる場合であっても、第1中継アダプタ139Aと第2中継アダプタ139Bとを、機体幅方向K2、上下方向、前後方向K1に異なった位置に配置することで、各中継アダプタと油圧ホースとの接続部の位置を互いにずらすことができ、油圧ホースの着脱作業の作業性を向上させることができる。
【0034】
図9に示すように、ブラケット140は、板材で形成されており、バッテリ台108(所定の部材)に取り付けられる取付板部146と、取付板部146から第1方向X2に沿って延出する基板部147とを有している。
図8に示すように、取付板部146は、バッテリストッパ113の第1壁部119a上に重ね合わされてバッテリストッパ113と共にボルト122によってストッパ取付部118に取り付けられる。つまり、ブラケット140は、固定具(ボルト122)によってバッテリストッパ113と共締め可能である。ブラケット140をバッテリストッパ113と共締めすることで、ブラケット140の取付部分を別途確保する必要がなく、構造の
簡素化を図ることができる。
【0035】
図8に示すように、基板部147は、取付板部146の後部から上方に向けて延出している。
図7に示すように、基板部147の下部147aは、取付板部146の機体幅方向K2の一端から他端にわたる幅に形成されている。基板部147は、上部に、該基板部147の左部から上方に延出する第1延出部147bと、該基板部147の右部から上方に突出する第2延出部147cとを有している。第1延出部147bの突出高さは、第2延出部147cの突出高さより低い。
【0036】
図8に示すように、ブラケット140は、複数の中継アダプタ139(第1中継アダプタ139A、第2中継アダプタ139B)の各々に対応して設けられた複数の固定板部148を有している。複数の固定板部148は、基板部147から第2方向X3に沿って延出する第1固定板部148A及び第2固定板部148Bを含む。具体的には、第1固定板部148Aは、第1延出部147bの上端から後方に延出しており、第2固定板部148Bは、第2延出部147cの上端から後方に延出している。つまり、第1固定板部148Aと第2固定板部148Bとは、互いに軸心方向X1及び第1方向X2に位置ずれしている。また、第1延出部147bは、第2延出部147cよりも後方に長く延出している。
【0037】
第1固定板部148Aの上面(板面)148Aaに第1中継アダプタ139Aが固定され、第2固定板部148Bの上面(板面)148Baに第2中継アダプタ139Bが固定されている。つまり、各固定板部148の板面に各中継アダプタ139が固定されている。また、第2中継アダプタ139Bは、第1中継アダプタ139Aに対して前方(第2方向X3)に位置ずれして第2固定板部148Bに固定されている。第1固定板部148Aと第2固定板部148Bとは、ブラケット140を形成する板材を折曲して形成されている。
【0038】
第1固定板部148Aの板面148Aaに第1中継アダプタ139Aを固定し、第2固定板部148Bの板面148Baに第2中継アダプタ139Bを固定することで、第1中継アダプタ139Aと第2中継アダプタ139Bとを、機体幅方向K2にも上下方向にも前後方向K1にも位置ずれさせることができる。また、中継アダプタ139をブラケット140に容易に固定することができる。
【0039】
なお、第1固定板部148A及び第2固定板部148Bは、基板部147から前方に延出されていてもよい。また、第1固定板部148Aと第2固定板部148Bの延出方向が逆方向であってもよい。
図6、
図8に示すように、中継構造体110は、ブラケット140に固定されたプレート部材149と、プレート部材149に固定されたホースガイド150とを有している。プレート部材149は、上下方向に長いフラットバーによって形成され、ブラケット140の右部で且つ基板部147の前面側に板面が機体幅方向K2を向くように配置されている。プレート部材149は、下端が取付板部146上に固定され、後端が基板部147の下部及び第2延出部147cに固定されている。プレート部材149は、第2延出部147cより上方に突出している。
【0040】
図6、
図8に示すように、ホースガイド150は、プレート部材149の上端に固定されている。詳しくは、ホースガイド150は、棒状部材を折曲してU字状に形成されている。ホースガイド150は、第1部位150aと、第2部位150bと第3部位150cとを有している。第1部位150aは、プレート部材149の上端に前後方向K1に延伸するように固定され、第2部位150bは、第1部位150aの前端から上方に延出され、第3部位150cは、第1部位150aの後端から上方に延出されている。プレート部材149は、ブラケット140の強度向上させると共に、ホースガイド150を取り付ける部材としての役割を具備している。
【0041】
図8、
図11に示すように、ホースガイド150には、複数の油圧ホース(別の油圧ホース)151がガイドされている。ホースガイド150を通る複数の油圧ホース151は、本実施形態では、油圧ホース151A、油圧ホース151B及び油圧ホース151Cの3本である。油圧ホース151Aは、第5油圧管路132を構成する油圧ホースである。
油圧ホース151Bは、第6油圧管路133を構成する油圧ホースである。油圧ホース151Cは、上記したアーム16の先端側に取り付けられる装着具の油圧クイックカプラーに作動油を供給するための油圧ホースである。中継構造体110が、ホースガイド150付きのブラケット140を有することで、中継アダプタ139に接続される油圧ホースとは別の油圧ホースの経路を規制することができる。
【0042】
図12に示すように、本実施形態のバッテリ台108は、上記した取付形式とは異なる形式でバッテリ107を固定することができる。
図12に示す取付形式では、バッテリ107の後部をバッテリストッパ113で固定するのではなく、バッテリ107をロッド部材152及び押さえ板154によって上面側から押さえて固定する。この場合、
図6に示すように、ブラケット140は、単独でバッテリ台108(ストッパ取付部118)に取り付けられる。なお、
図12では、載置壁111aと取付板部146との間にプレート153を挟んでいるが、取付板部146を直接的に載置壁111aに取り付けてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、中継構造体110をバッテリ台108に取り付ける構成について説明したが、中継構造体110の取付対象はバッテリ台に限らず、他の部材であってもよい。
本実施形態の油圧ホースの中継構造は、油圧ホース141同士を接続する複数の中継アダプタ139と、複数の中継アダプタ139が固定されるブラケット140と、を備え、複数の中継アダプタ139は、軸心方向X1が互いに平行となるように間隔を隔てて配置されると共に軸心方向X1に互いに位置ずれして配置され、
ブラケット140は、板材で形成されており、且つ複数の中継アダプタ139の各々に対応して設けられた複数の固定板部148を有し、各固定板部148の板面148Aa、148Baにそれぞれの固定板部148に対応する中継アダプタ139が固定されている。
【0044】
この構成によれば、複数の中継アダプタ139を軸心方向X1に互いに位置ずれさせることにより、油圧ホース141の組み付けの作業性を向上させることができる。また、中継アダプタ139を固定板部148の板面に固定することで、中継アダプタ139を容易に固定することができる。
また、ブラケット140は、所定の部材(バッテリ台108)に取り付けられる取付板部146と、取付板部146から軸心方向X1に直交する方向である第1方向X2に沿って延出する基板部147とを有し、複数の固定板部148は、基板部147から軸心方向X1及び第1方向X2に直交する方向である第2方向X3に沿って延出する第1固定板部148A及び第2固定板部148Bを含み、第1固定板部148Aと第2固定板部148Bとは、互いに軸心方向X1及び第1方向X2に位置ずれしており、複数の中継アダプタ139は、第1固定板部148Aに固定される第1中継アダプタ139Aと、第1中継アダプタ139Aに対して第2方向X2に位置ずれして第2固定板部148Bに固定される第2中継アダプタ139Bとを含む。
【0045】
この構成によれば、複数の中継アダプタ139を、軸心方向X1、第1方向X2及び第2方向に位置ずれして配置することができる。
また、ブラケット140に固定されたプレート部材149と、プレート部材149に固定されていて中継アダプタ139に接続される油圧ホース141とは異なる別の油圧ホース151をガイドするホースガイド150とを備えている。
【0046】
この構成によれば、別の油圧ホース151の経路を規制することができる。
本実施形態の油圧ホースの中継構造は、作業機に備えられていてもよい。
本実施形態の作業機は、バッテリ107が取り付けられるバッテリ台108を備え、ブラケット140は、バッテリ台108に取り付けられている。
この構成によれば、ブラケット140の取付部材としてバッテリ台108を利用することでブラケット140の取付構造の簡素化を図ることができる。
【0047】
また、作業機は、バッテリ台108に固定具(ボルト122)によって取り付けられてバッテリ107の移動規制を行うバッテリストッパ113を備え、ブラケット140は、固定具122によってバッテリストッパ113と共締め可能である。
この構成によれば、さらにブラケット140の取付構造の簡素化を図ることができる。
また、作業機は、作動油を制御する制御弁V2aと、制御弁V2aからの作動油を、中継アダプタ139に接続される油圧ホース141を介して第1供給部(油圧取出し部135)に流すか、油圧ホース141とは異なる別の油圧ホース151を介して第1供給部135とは異なる第2供給部(別のアタッチメント137)に流すかを切り換えるセレクタバルブ109と、を備え、セレクタバルブ109は、バッテリ台108に取り付けられている。
【0048】
この構成によれば、セレクタバルブ109の取付部材としてバッテリ台108を利用することでセレクタバルブ109の取付構造の簡素化を図ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。