特開2021-195921(P2021-195921A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-195921(P2021-195921A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】電動ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/58 20060101AFI20211129BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20211129BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20211129BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20211129BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20211129BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
   F04D29/58 D
   F04D29/42 F
   F04D29/00 B
   H02K7/14 B
   H02K11/33
   H02K9/19 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-103699(P2020-103699)
(22)【出願日】2020年6月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】池田 満
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 真介
(72)【発明者】
【氏名】服部 修二
【テーマコード(参考)】
3H130
5H607
5H609
5H611
【Fターム(参考)】
3H130AA03
3H130AB22
3H130AB46
3H130AC16
3H130BA33A
3H130BA33C
3H130BA33D
3H130BA33E
3H130BA33G
3H130BA33H
3H130BA35A
3H130BA35C
3H130BA35D
3H130BA35E
3H130BA35G
3H130BA35H
3H130BA66A
3H130BA66C
3H130BA66D
3H130BA66E
3H130BA66G
3H130BA66H
3H130CA13
3H130CA21
3H130CB06
3H130DA03X
3H130EA07A
3H130EA07H
3H130EB01A
3H130EB02C
3H130EB02G
3H130EC02A
3H130EC12A
5H607AA02
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB13
5H607CC05
5H607CC07
5H607DD03
5H607DD08
5H607FF08
5H609BB03
5H609BB14
5H609PP16
5H609QQ04
5H609QQ12
5H609RR01
5H609RR31
5H609RR42
5H609RR63
5H611AA09
5H611BB01
5H611BB07
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】
【課題】ポンプロータの部位からハウジングの内部に流れる流体によって基板の放熱を可能にする高効率な電動ポンプを構成する。
【解決手段】底部12と反対側の開口部を有する有底筒状のハウジング10と、ハウジング10に収容され永久磁石を有するモータロータ1と、ハウジング10に形成された界磁コイル15と、モータロータ1の駆動力で回転するポンプロータ2と、ハウジング10の底部12の外側に配置され、界磁コイル15に供給する電流を制御する制御基板35とを備えている。底部12が、ハウジング10より熱伝導率が高い熱伝導壁13を有し、ハウジング10のうちモータロータ1が収容された空間に、流体を開口部から流入させて熱伝導壁13の内面に接触させた後に開口部から流出させる流路が形成され、制御基板35が、熱伝導壁13の外面に沿う位置に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、前記底部と反対側にある開口部とを有する有底筒状のハウジングと、
前記ハウジングに回転自在に収容され永久磁石を有するモータロータと、
前記永久磁石に磁界を作用させるため前記ハウジングと一体形成された界磁コイルと、
前記ハウジングの前記開口部の外側に配置され、前記モータロータの駆動力によって回転することで流体を送るポンプロータと、
前記ハウジングの前記底部の外側に配置され、前記界磁コイルに供給する電流を制御する制御基板とを備え、
前記底部が、前記ハウジングより熱伝導率が高い材料で成る熱伝導壁を有し、
前記ハウジングのうち前記モータロータが収容された空間に、前記流体を前記開口部から流入させて前記熱伝導壁の内面に接触させた後に前記開口部から流出させる流路が形成され、
前記制御基板が、前記熱伝導壁の外面に沿う位置に配置されている電動ポンプ。
【請求項2】
前記制御基板と前記熱伝導壁との間に、可撓性で熱伝導が可能な放熱シートを介在させている請求項1に記載の電動ポンプ。
【請求項3】
前記モータロータを回転自在に支持するシャフトの端部を支持する支持部が、前記熱伝導壁に一体形成されている請求項1又は2に記載の電動ポンプ。
【請求項4】
前記モータロータを回転自在に支持するシャフトが、前記熱伝導壁に一体的に形成されている請求項1又は2に記載の電動ポンプ。
【請求項5】
前記熱伝導壁の前記内面のうち、少なくとも前記流体が接触する領域に凹凸部を形成している請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動ポンプ。
【請求項6】
前記制御基板と、前記熱伝導壁の互いに対向する面とが何れも平坦で互いに平行する姿勢であり、前記制御基板と前記熱伝導壁との間に前記放熱シートが挟み込まれている請求項2に記載の電動ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ポンプとして、ハウジングに巻線を有する環状のステータを備え、このステータの内部空間に永久磁石を有する回転自在のロータを配置し、ロータで駆動されるポンプロータ(文献ではインペラ)を備え、界磁コイルに供給する電流を制御する制御基板(文献では駆動回路基板)をハウジングに備えたものが存在する(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1の電動ポンプ(文献では流体ポンプ装置)では、ステータの内部に有底筒状のキャンを備え、このキャンの内側に回転自在にロータを配置している。また、ステータの端部(ロータの回転軸芯に沿う方向でポンプロータと反対側の位置)に制御基板を配置し、この制御基板のパワートランジスタと、キャンの底部との間に放熱シートを挟み込んでいる。この構成において放熱シートは、熱伝導率が高く、弾性を有した素材が用いられている。
【0004】
この特許文献1の電動ポンプでは、ポンプロータ側からの液体が、ロータとキャンの隙間に入り込めるように構成され、キャンの底部に対して、パワートランジスタの熱が放熱シートを介して伝えられることで、液体により放熱が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−193683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるように、ポンプロータからの液体の一部が内部に流れるキャンを備え、このキャンの底部に放熱シートを介して電力トランジスタの熱を伝える構成は、例えば、空気の対流を利用した放熱と比較して良好な放熱を可能にするものである。
【0007】
しかしながら、特許文献1の構成は、ステータとロータとの間にキャンを配置するための間隙を確保するために高い精度を必要とし、キャンを配置するために間隙を大きくしたため、ステータの巻線からロータに作用する磁束密度を低下させ電動モータの性能の低下を招くるものであった。
【0008】
このような理由から、ポンプロータからハウジングの内部に流れる流体によって基板の放熱を可能にする有効性を活かした高効率の電動ポンプが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電動ポンプの特徴構成は、底部と、前記底部と反対側にある開口部とを有する有底筒状のハウジングと、前記ハウジングに回転自在に収容され永久磁石を有するモータロータと、前記永久磁石に磁界を作用させるため前記ハウジングと一体形成された界磁コイルと、前記ハウジングの前記開口部の外側に配置され、前記モータロータの駆動力によって回転することで流体を送るポンプロータと、前記ハウジングの前記底部の外側に配置され、前記界磁コイルに供給する電流を制御する制御基板とを備え、前記底部が、前記ハウジングより熱伝導率が高い材料で成る熱伝導壁を有し、前記ハウジングのうち前記モータロータが収容された空間に、前記流体を前記開口部から流入させて前記熱伝導壁の内面に接触させた後に前記開口部から流出させる流路が形成され、前記制御基板が、前記熱伝導壁の外面に沿う位置に配置されている点にある。
【0010】
この特徴構成によると、ハウジングの底部の熱伝導壁を、例えば、金属板等の熱伝導率が高い材料で形成し、この熱伝導壁に沿って制御基板を配置することで、輻射や空気の対流により制御基板の熱を熱伝導壁に伝えることも可能となる。そして、ハウジングの開口部からの流体を熱伝導壁に接触させるように流すことにより、この熱伝導壁の熱を流体で奪い、結果として、制御基板の放熱を可能にする。また、この構成では、ハウジングの内周とモータロータの外周との間隙に部材が配置されないため、ハウジングの内周とモータロータの外周との間隙を小さくして電動モータの性能を高く維持できる。
従って、ポンプロータからハウジングの内部に流れる流体によって制御基板の放熱を可能にする有効性を活かした高効率の電動ポンプが構成された。
【0011】
上記構成に加えた構成として、前記制御基板と前記熱伝導壁との間に、可撓性で熱伝導が可能な放熱シートを介在させても良い。
【0012】
これによると、基板の熱を、放熱シートを介して熱伝導壁に伝えることにより高い放熱効果を得ることができる。例えば、基板と熱伝導壁との間に空間が形成されるものでは熱の輻射や、空気の対流によって放熱を行うことになるが、放熱シートを用いることで熱伝導により制御基板の熱を熱伝導壁に伝える放熱を可能にする。また、放熱シートが可撓性であるため、基板に多少の突起が形成されていても、基板に対して広い面で接触させて熱伝導を行わせることが可能となる。
【0013】
上記構成に加えた構成として、前記モータロータを回転自在に支持するシャフトの端部を支持する支持部が、前記熱伝導壁に一体形成されても良い。
【0014】
これによると、シャフトの端部が、熱伝導壁に一体形成された支持部に支持されることによりシャフトの姿勢を安定させ、モータロータを安定して回転させることができる。
【0015】
上記構成に加えた構成として、前記モータロータを回転自在に支持するシャフトが、前記熱伝導壁に一体的に形成されても良い。
【0016】
これによると、シャフトを熱伝導壁に一体形成することにより、シャフトの姿勢が固定され、モータロータを安定して回転させることができる。
【0017】
上記構成に加えた構成として、前記熱伝導壁の前記内面のうち、少なくとも前記流体が接触する領域に凹凸部を形成しても良い。
【0018】
これによると、熱伝導壁の内面のうち流体が接触する領域に凹凸面が形成されることにより、流体が接触する表面積を拡大し、熱伝導壁の放熱を良好に行わせることが可能となる。
【0019】
上記構成に加えた構成として、前記制御基板と、前記熱伝導壁の互いに対向する面とが何れも平坦で互いに平行する姿勢であり、前記制御基板と前記熱伝導壁との間に前記放熱シートが挟み込まれても良い。
【0020】
これによると、制御基板と熱伝導壁との互いに対向する面が、平坦で平行であるため、一定の厚さの放熱シートを用いることが可能となり、構成の単純化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ウォータポンプの断面図である。
図2】流路を示す拡大断面図である。
図3】別実施形態(a)のウォータポンプの断面図である。
図4図3のIV−IV線断面図である。
図5】別実施形態(b)の筒状体とシャフトとの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1には冷却水(流体の一例)をエンジン(図示せず)とラジエータ(図示せず)との間で循環させるウォータポンプP(電動ポンプの一例)を示している。
【0023】
図1に示すように、ウォータポンプPは、有底筒状でモータロータ1を収容するメインハウジング10と、ポンプロータ2を収容するポンプハウジング20と、制御基板35を収容する制御ハウジング30とを軸芯Xに沿う方向沿って連結したハウジング構造を有している。
【0024】
このウォータポンプPは、モータロータ1とポンプロータ2とが樹脂によって一体的に形成され、モータロータ1の駆動に伴いポンプロータ2が軸芯Xを中心に回転する。この構成のため、ポンプロータ2の駆動回転によりポンプハウジング20の吸入筒21から冷却水を吸引し、吸引した冷却水を吐出筒22から送り出す。また、このウォータポンプPは、モータロータ1を駆動する際に制御基板35の電力制御素子35aで発生する熱を、メインハウジング10のモータロータ空間10Sに流入した冷却水で放熱する放熱構成を備えている。
【0025】
〔メインハウジング〕
メインハウジング10(ハウジングの一例)は、軸芯Xを中心に筒状となる壁部11と、軸芯Xに対し直交する姿勢となる底部12を備えている。このメインハウジング10は、壁部11と底部12とで取り囲まれる領域にモータロータ空間10Sが形成され、このモータロータ空間10Sは、底部12と反対側に開口部が形成されている。壁部11は樹脂で形成され、底部12は、アルミニウム材のように熱伝導率が樹脂より高い板状材料で成る熱伝導壁13を、インサートや、接着の技術により壁部11の底面に固定した構造を有している。
【0026】
壁部11は、その内周側にステータとして、コア15aに導線15bを巻回した界磁コイル15を配置し、インサート成形の技術により一体形成している。更に、熱伝導壁13の内面(図1図2で上側の面)には、支持部16を備えており、この支持部16に対し軸芯Xと同軸芯でシャフト17の端部が支持されている。
【0027】
尚、支持部16とシャフト17とは金属で形成されている。支持部16は、熱伝導壁13に一体形成されるものであって良く、ナット等を用いて固定されるものでも良い。
【0028】
図1図2に示すように、モータロータ1とポンプロータ2との回転中心部分に対し、低摺動抵抗の素材で成る筒状体3を備えており、この筒状体3を、シャフト17に対し回転自在に外嵌することでモータロータ1とポンプロータ2とがシャフト17に回転自在に支持されている。モータロータ1は、外周に複数の永久磁石4を固定している。モータロータ1とポンプロータ2は、筒状体3の長手方向に沿う姿勢でモータロータ1からポンプロータ2に亘る領域に導水孔5が形成されている。
【0029】
特に、導水孔5は、モータロータ1のうち、熱伝導壁13に近接する位置から、ポンプロータ2のうちインペラ2cが形成された位置に亘って貫通している。このような構成からポンプロータ2が回転した場合には、インペラ2cの部位が負圧になるため、図2に矢印で流れを示すように、モータロータ空間10Sの冷却水が導水孔5から流出するとともに、メインハウジング10の開口部から冷却水がモータロータ空間10Sに流入する。尚、導水孔5が、複数形成されても良い。
【0030】
ウォータポンプPは、ポンプロータ2のディスク部2aの外周と、メインハウジング10の開口部との間に冷却水の通過を可能にする間隙が形成されている。また、この間隙と、モータロータ空間10Sのうちモータロータ1の外周側と壁部11の内周側との間隙と、導水孔5とで冷却水がポンプロータ2に環流する流路が構成されている。このウォータポンプPでは、複数の永久磁石4を備えたモータロータ1と、メインハウジング10の壁部11に備えた界磁コイル15とにより三相モータ型のブラシレスDCモータが構成されている。
【0031】
〔ポンプハウジング〕
ポンプハウジング20は、ポンプロータ2を収容するように軸芯Xを中心に円形となるポンプ空間20Sが形成されると共に、軸芯Xと同軸芯で形成されポンプ空間20Sに連通する吸入筒21と、ポンプ空間20Sに対して接線方向に連通する吐出筒22とを備えている。
【0032】
ポンプハウジング20は、ポンプフランジ部24を、メインハウジング10に連結することで、メインハウジング10と一体化されている。
【0033】
ポンプロータ2は、軸芯Xに直交する姿勢の円板状となるディスク部2aと、このディスク部2aに対向する位置のシュラウド2bと、ディスク部2a及びシュラウド2bの間に形成される複数のインペラ2cを備えており、ディスク部2aの直径を、メインハウジング10の内径より僅かに大きい値に設定している。
【0034】
〔制御ハウジング〕
制御ハウジング30は、全体的に椀状となるケース状部31の開口部位にケースフランジ部32を一体的に形成した樹脂の成形物であり、このケース状部31の内部に基板収容空間30Sが形成される。この制御ハウジング30は、ケースフランジ部32をメインハウジング10に連結することにより、メインハウジング10と一体化し、制御ハウジング30の基板収容空間30Sが密封状態に維持される。
【0035】
制御ハウジング30は、基板収容空間30Sに制御基板35を収容している。制御基板35は界磁コイル15に供給する電力を制御する電力制御素子35aを一方の基板面に備えている。
【0036】
この制御基板35は、電力制御素子35a等を備えていない他方の基板面を、熱伝導壁13に沿う姿勢で配置されている。つまり、他方の基板面は平坦であり、これに対向する熱伝導壁13の外面(図1図2で下側の面)も平坦であり、これらを互いに平行となる姿勢で配置することにより、これらの間に一定厚の放熱シート36の挟み込みを可能にしている。
【0037】
放熱シート36は、柔軟に変形し得る可撓性で、高熱伝導率の樹脂材をシート状に成形したものである。この放熱シート36を、制御基板35と熱伝導壁13との間に挟み込むことにより、これらの間に間隙を作ることなく、密着する面を介して高熱伝導を可能にしている。特に、放熱シート36は、メインハウジング10を形成する樹脂より熱伝導率が高い性質を有しており、制御基板35の熱を、放熱シート36を介して熱伝導壁13に伝える。
【0038】
〔放熱構成〕
図1図2に示すように、制御基板35の電力制御素子等で発生する熱を、メインハウジング10のモータロータ空間10Sに取り込んだ冷却水で冷却する放熱構成が、熱伝導壁13と、放熱シート36と、熱伝導壁13に冷却水を送る流路とで構成されている。
【0039】
つまり、熱伝導壁13は、メインハウジング10のモータロータ空間10Sと、制御ハウジング30の基板収容空間30Sとの境界位置に配置されている。これにより、熱伝導壁13の内面がモータロータ空間10Sに露出し、熱伝導壁13の外面が基板収容空間30Sに向かう側に配置される。また、可撓性で熱伝導を可能にする放熱シート36が、熱伝導壁13の外面と、制御基板35との間に挟み込まれ、熱伝導壁13の外面と、制御基板35とに対して放熱シート36が広い面で接触して、制御基板35で発生する熱の効果的な伝導が実現される。
【0040】
更に、熱伝導壁13は、モータロータ空間10Sに露出する内面に複数の凹凸部13aを形成することで冷却水との接触面積の拡大を実現している。尚、凹凸部13aは単純な凹凸面に限るものはなく、例えば、熱伝導壁13の内面から突出する多数の突起を備える構造や、軸芯Xに沿う方向視で直線状や、波状等に形成されるフィンとして形成される構造であっても良い。
【0041】
このような構成から、ポンプロータ2の回転に伴い、ポンプロータ2のインペラ2cの領域が負圧になり、図2に示すように、導水孔5は、モータロータ空間10Sの冷却水を、インペラ2cの方向に流す。このように、ポンプロータ2からの冷却水が、メインハウジング10のモータロータ空間10Sの壁部11の内周側と、モータロータ1の外周側との間隙の流路に流れることにより熱伝導壁13の凹凸部13aに接触し、熱伝導壁13の熱を奪って導水孔5からポンプロータ2に環流されることにより、熱伝導壁13による制御基板35の放熱が可能となる。このように、本実施形態においては、ポンプロータ2からメインハウジング10の内部に流れる冷却水によって制御基板35の放熱を可能にする有効性を活かした高効率のウォータポンプPが構成された。
【0042】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
【0043】
(a)図3図4に示すように、中央に円形の孔部が形成された熱伝導壁13を用い、この熱伝導壁13を壁部11に対して固定するようにインサート成形により底部12を形成してメインハウジング10を構成する。また、このメインハウジング10は、成形時に熱伝導壁13の中央の孔部に支持部16を配置し、この支持部16を保持するために、支持部16とメインハウジング10とを繋ぐように軸芯Xを中心とする放射状のリブとなる複数のフレーム部12aを、熱伝導壁13の外面に沿って形成している。
【0044】
この別実施形態(a)においても、放熱シート36が熱伝導壁13の外面と制御基板35との間に挟み込まれることになる。実施形態で説明したように、放熱シート36は可撓性であるため、熱伝導壁13の外側に複数のフレーム部12aが存在しても、複数のフレーム部12aの間に放熱シート36が入り込み、熱伝導壁13の外面に接触することになり良好な熱伝導を実現する。
【0045】
特に、この別実施形態(a)は、メインハウジング10の成形時に、熱伝導壁13をインサートするため、別途熱伝導壁13を取り付ける工程が不要になる。また、支持部16もインサートされるため、支持部16を別途熱伝導壁13に備えるための工程が不要となる。
【0046】
(b)図5に示すように、筒状体3の内周に、長手方向(軸芯Xに沿う方向)複数の溝3aを形成する。このように形成される溝3aは、冷却水の流動を可能にするものである。このように溝3aを、導水孔5に替えて、あるいは、導水孔5と共に形成することにより、実施形態の導水孔5と同様にポンプロータ2の回転に伴い、熱伝導壁13に近い位置から、インペラ2cに向かう冷却水の流れを可能にする。
【0047】
(c)熱伝導壁13と、シャフト17とを一体形成する。その一例として、金属製の熱伝導壁13に対して金属製のシャフト17を固定する形態で形成する構成が考えられる。このように、熱伝導壁13にシャフト17を一体形成することにより、軸芯Xの位置が決まり、モータロータ1の回転姿勢を安定させることができる。
【0048】
(d)電力制御素子35aが熱伝導壁13の外側と対向するように制御基板35の姿勢を設定し、電力制御素子35aと、熱伝導壁13との間に放熱シート36を挟むように構成する。このように構成したものでは、電力制御素子35aの熱を直接的に放熱できる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、流体を送る電動ポンプに利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 モータロータ
2 ポンプロータ
10 メインハウジング(ハウジング)
12 底部
13 熱伝導壁
13a 凹凸部
15 界磁コイル
16 支持部
17 シャフト
35 制御基板
36 放熱シート
図1
図2
図3
図4
図5