特開2021-195947(P2021-195947A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-195947低落差水路を利用したコンベア水車による発電装置
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  • 特開2021195947-低落差水路を利用したコンベア水車による発電装置 図000003
  • 特開2021195947-低落差水路を利用したコンベア水車による発電装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-195947(P2021-195947A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】低落差水路を利用したコンベア水車による発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 9/00 20060101AFI20211129BHJP
   F03B 17/06 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
   F03B9/00
   F03B17/06
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2021-37825(P2021-37825)
(22)【出願日】2021年1月18日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3228396号
【原出願日】2020年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】520241129
【氏名又は名称】黄炳日
(72)【発明者】
【氏名】黄炳日
【テーマコード(参考)】
3H072
3H074
【Fターム(参考)】
3H072AA14
3H072AA26
3H072BB01
3H072BB07
3H072CC65
3H074AA08
3H074AA12
3H074BB15
3H074CC10
(57)【要約】
【課題】 水路の幅の影響を受け難く、河川工事が不要で、回転トルクが大きく、効率よく低落差流水エネルギーを機械エネルギーに変換でき、不純物の影響を受け難く、時間帯を問わずに常に安定した回転が得られ、ビジネス電力供給も可能な小水力発電装置を提供する。
【解決手段】 小水力発電装置は、用水路または河川にコンベア水車を固定する固定架台1と、下部の両端と中心の上端部に二等辺三角形のように設置される回転ローラー2、3、4と、三つの回転ローラーを取り囲んで回転するベルトコンベア5と、ベルトコンベア5の表面に複数枚取り付けられた水受け板6を有し、水受け板6は、ベルトコンベア5の表面の片方だけに開閉可能であり、直角以上には開かないよう固定され、水の流れに向かって力を受けるように設置され、水受け板6で受けた力で、コンベア5を回転させ発電に繋ぐ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用水路または河川にコンベア水車を固定するための固定架台を設け、下部の両端と中心の上端部に二等辺三角形のようにそれぞれ回転ローラーを設け、その三つのローラーを取り囲んで回転できるようにベルトコンベアを設置し、そのベルトコンベアの表面に片方だけに開閉可能な水受け板を複数枚取り付け、その水受け板は直角以上には開かないように固定し、水の流れに向かって力を受けるように設置し、その受けた力で水の流れるエネルギーを機械的エネルギーに変換させ、コンベアを回転させ発電に繋ぐ水力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水路、または河川の水の流れるエネルギーをコンベア水車で回転エネルギーに変換させ、発電に繋ぐものである。
【背景技術】
【0002】
水力発電と言えばまず目に浮かぶのは大きいなダムとそのダムによって生じる水の位置エネルギーを利用した発電所になるだろう。
二酸化炭素を排出しない水力発電はクリーンエネルギーとして世界中で人気があるが、ダムを利用した場合それなりの地理的位置環境や充分な水の量と大掛かりな土木工事などが必要である。
そこで最近注目されるのが低落差水路を利用した発電システムである。
流水は大きいなエネルギーを育んでおり設備利用率も太陽光、風力に比べたらかなり高いものと言われている。
本発明は用水路、河川などの水の流れるエネルギーを充分に利用することによって小水力発電に繋ぐことを目指したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2019−173597
【特許文献2】特開2010−096043
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
用水路または河川を利用した発電は昔からあったものの規模が小さく、採算性が厳しく、維持管理に手間がかかるなどの理由により、ビジネスとしての普及は“いまいち”の状態である。
今までの低落差発電は従来の水車のようなものが多く、設置するのに用水路を跨いで固定するか、あるいは河川工事をして一定の傾斜をつけて固定(螺旋型)したりするのが一般的である。そのため、幅が広い河川などには設置しにくく、利用率も低い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は固定架台を直接水流の中に設置するため水路の幅の影響を受け難く、河川工事も要らない。水の流れの力をそのまま複数の受け板で受けることにより通常の水車より長い直線運動でコンベアを動かすため回転トルクが大きく、効率よく低落差流水エネルギーを機械エネルギーに変換させることができる。
また、回転トルクが大きいため不純物の影響を受け難く時間帯を問わずに常に安定した回転が得られ、ビジネス電力供給にも繋ぐことが可能になる。
【発明の効果】
【0005】
用水路、河川など低落差で水が流れる所だったらどこでも設置可能な装置であり、季節、昼夜、風などの影響が少なく、常に低コストで効率よく電力の供給を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明のコンベア水車の発電装置の正面図である。
図2】コンベア水車の斜視図である。
図3】複数のコンベア水車を連結した状態のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の発電システムを図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0008】
図1は本発明の発電のための単独の動力装置のイメージ図である。
まず河川または用水路に固定架台(1)を設置する。その固定架台の下部両端に回転ローラー(2)と(3)を取り付ける。真ん中の垂直固定サポートの上端部に回転ローラー(4)を固定し、そのローラー(4)は常に水面より上の位置に出る高さにする。
【0009】
ベルトコンベア(5)の表面に複数の受け板(6)を固定し回転ローラー(2)、(3)、(4)を取り囲んで回転できるように設置する。コンベアが回転するとき表面に取り付けた受け板(6)はローラー(2)を通る時に水流によって順次に展開する(コンベアに対して開き角度が90度超えないようにする)。
【0010】
水受け板の力によってコンベア全体が回転し、三つのローラーも同時に回転する。
上部回転ローラー(4)に同軸歯車(7)を設置し発電機に繋いで発電する。
【実施例】
【0011】
図1のように水の流れが回転ローラー(2)から(3)の方向に流れる時、コンベアに取り付けた受け板はそれぞれ展開状態になり、水の流れる力を該同方向に推進する機械力に転換しコンベアを(2)から(3)の方向に動かす。その時、コンベアがローラーを回転させる回転力はそれぞれ(2)と(3)の間で展開した受け板の推進力の合計に近いものになる。
【0012】
上記で得られた回転エネルギーを発電タービンに繋いて発電したらその発電効率は従来の水車よりかなりの高いものになると思う。
【0013】
本発明の設備の大きいさと規模は状況によって変化可能であり、水流の深さと河川の幅などにより臨機応変でサイズ変更も可能である。また場合によっては複数台をローラーチェーンなどで連結した状態で(図3参照)さらに大きい力で発電することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明の設備はシンプルで設置し易く、回転力が大きいため季節、昼夜、落差の影響を受け難く、常に安定したエネルギー供給が可能にする。
【符号の説明】
【0015】
(1) 固定架台
(2) 回転ローラー
(3) 回転ローラー
(4) 上部回転ローラー
(5) ベルトコンベア
(6) 受け板
(7) 歯車
図1
図2
図3