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特開2021-195952排気コレクタ変換システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-195952(P2021-195952A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】排気コレクタ変換システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20211129BHJP
   F01D 25/30 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
   F02C7/00 B
   F02C7/00 D
   F01D25/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2021-92219(P2021-92219)
(22)【出願日】2021年6月1日
(31)【優先権主張番号】P.434311
(32)【優先日】2020年6月15日
(33)【優先権主張国】PL
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ホルヘ・マリオ・ロチン・マカド
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン・スコット・ワートン
(72)【発明者】
【氏名】アシシュ・アグラワル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・アンソニー・アコスタ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド・プラタ・コントレラス
(72)【発明者】
【氏名】ミロスロウ・パウェル・バビウシュ
(72)【発明者】
【氏名】フランク・オシエル・メッツァ・クロウスキ
(57)【要約】
【課題】トンネルとタービンフレームとの間の接合面を変えることによって、より大きなタービンエンジン用に設計された特定の排気システム(例えば、排気コレクタ)を別のタービンエンジンと共に使用することを可能にするトンネルを備えたシステムを提供する。
【解決手段】システムは、ガスタービン(12)の排気コレクタ(30)内に取り付けるように構成された排気コレクタトンネル(32)を備える。排気コレクタトンネル(32)は、ガスタービン(12)のタービンシャフト(17,19)の周りに延びるように構成されたトンネル壁(33)を有する。トンネル壁(33)は、排気コレクタトンネル(32)の長さの少なくとも一部に沿って可変の直径(98)を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン(12)の排気コレクタ(30)内に取り付けるように構成された排気コレクタトンネル(32)を備えるシステム(10)であって、前記排気コレクタトンネル(32)は、前記ガスタービン(12)のタービンシャフト(17,19)の周りに延びるように構成されたトンネル壁(33)を備えており、前記トンネル壁(33)は、前記排気コレクタトンネル(32)の長さの少なくとも一部に沿って可変の直径(98)を有する、
システム(10)。
【請求項2】
前記可変の直径(98)は、前記排気コレクタ(30)の改造が前記ガスタービン(12)の形状への適合を可能にするように構成されている、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記排気コレクタトンネル(32)は、別の排気コレクタトンネル(32)に取って代わって前記排気コレクタ(30)と前記ガスタービン(12)との接続を可能にするように構成されており、前記別の排気コレクタトンネル(32)は、前記ガスタービン(12)に接続するように構成されていない、請求項2に記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記排気コレクタトンネル(32)は、排気ディフューザ(36)内に延びるように構成された第1の端部(76)と、前記排気コレクタ(30)の末広がり部(60)に連結するように構成された第2の端部(79)とを備え、前記末広がり部(60)は、前記排気ディフューザ(36)の下流側に配置されている、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記末広がり部(60)は、デフレクタ部を備えている、請求項4に記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記排気ディフューザ(36)と、前記末広がり部(60)とを有する前記排気コレクタ(30)を備える、請求項4に記載のシステム(10)。
【請求項7】
前記排気コレクタ(30)に連結するように構成された前記ガスタービン(12)を備える、請求項6に記載のシステム(10)。
【請求項8】
排気ディフューザ(36)を備え、前記排気コレクタトンネル(32)は、前記排気ディフューザ(36)内に少なくとも部分的に延び、前記排気コレクタトンネル(32)は、前記排気ディフューザ(36)に直結されていない、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項9】
前記可変の直径(98)は、テーパ状壁部分(102)を備えている、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項10】
前記テーパ状壁部分(102)は、前記排気コレクタトンネル(32)の長手方向軸(44)に対して実質的に一定の角度(104)を有する、請求項9に記載のシステム(10)。
【請求項11】
前記テーパ状壁部分(102)は、前記排気コレクタトンネル(32)の長手方向軸(44)に対して可変の角度(104)を有する、請求項9に記載のシステム(10)。
【請求項12】
前記テーパ状壁部分(102)は、前記排気コレクタトンネル(32)の長さの少なくとも50%に沿って延びている、請求項9に記載のシステム(10)。
【請求項13】
前記可変の直径(98)は、段付き壁部分(108)を備えている、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項14】
ガスタービン(12)の排気コレクタ(30)内に排気コレクタトンネル(32)を取り付けるステップを含む方法(200、300)であって、前記排気コレクタトンネル(32)は、前記ガスタービン(12)のタービンシャフト(17,19)の周りに延びるように構成されたトンネル壁(33)を備え、前記トンネル壁(33)は、前記排気コレクタトンネル(32)の長さの少なくとも一部に沿って可変の直径(98)を有する、
方法(200、300)。
【請求項15】
前記排気コレクタトンネル(32)を取り付ける前に、前記排気コレクタ(30)から別の排気コレクタトンネル(32)を取り外すステップを含み、前記別の排気コレクタトンネル(32)は、前記ガスタービン(12)とは異なる別のガスタービン(12)に適合するように構成されている、
請求項14に記載の方法(200、300)。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の主題は、タービンシステムに関し、より詳細には、排気コレクタを備えたタービンシステムのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合サイクル発電プラントなどの発電プラントは、ガスタービンエンジンを導入していることが多い。ガスタービンエンジンは、燃料を燃焼させて高温の燃焼ガスを生成し、高温の燃焼ガスは、タービン内を流れて負荷、例えば、発電機を駆動する。排気ガスは、高速かつ高温で、タービンを出て排気コレクタに入る。残念なことに、排気コレクタは、一般に、1種類のタービンエンジンにしか使用できない。
【発明の概要】
【0003】
出願時の特許請求の範囲に記載の主題に対して、範囲が等しい特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求の範囲に記載の主題の範囲を限定することを意図するものではなく、むしろ、本主題の可能な形態の概要を提供することを意図しているにすぎない。実際、本主題は、以下に記載する実施形態と同様であっても異なっていてもよい様々な形態を包含することができる。
【0004】
第1の実施形態では、システムは、ガスタービンの排気コレクタ内に取り付けるように構成された排気コレクタトンネルを備えている。排気コレクタトンネルは、ガスタービンのタービンシャフトの周りに延びるように構成されたトンネル壁を有する。トンネル壁は、排気コレクタトンネルの長さの少なくとも一部に沿って可変の直径を有する。
【0005】
第2の実施形態では、システムは、ガスタービンに連結するように構成された排気コレクタを備えている。排気コレクタは、排気コレクタフレームと、排気コレクタフレーム内に配置された排気ディフューザと、排気ディフューザより下流側の排気コレクタフレーム内に配置された末広がり部と、排気ディフューザと末広がり部との間の排気コレクタフレーム内に配置された排気コレクタトンネルとを備えている。排気コレクタトンネルは、ガスタービンのタービンシャフトの周りに延びるように構成されたトンネル壁を有する。トンネル壁は、排気コレクタトンネルの長さの少なくとも一部に沿って可変の直径を有する。
【0006】
第3の実施形態では、方法は、ガスタービンの排気コレクタ内に排気コレクタトンネルを取り付けるステップを含む。排気コレクタトンネルは、ガスタービンのタービンシャフトの周りに延びるように構成されたトンネル壁を有する。トンネル壁は、排気コレクタトンネルの長さの少なくとも一部に沿って可変の直径を有する。
【0007】
本主題のこれらの、ならびに他の特徴、態様、および利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読めば、さらによく理解されよう。添付の図面では、全ての図面を通して、類似する符号は類似する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】複数の異なるトンネル、ディフューザ、シール、およびマウントを用いて変更(例えば、改造)可能な排気コレクタアセンブリを有するガスタービン発電プラントの一実施形態の図である。
図2図1の排気コレクタアセンブリの一実施形態の断面図であり、排気コレクタアセンブリを改造するために使用可能なトンネル(例えば、直径一定のトンネル)を有する改造キットを示す。
図3】タービン接続アセンブリの一実施形態を示す、図2の排気コレクタアセンブリの部分断面図である。
図4】ディフューザ接続アセンブリの一実施形態を示す、図2の排気コレクタアセンブリの部分断面図である。
図5図1の排気コレクタアセンブリの一実施形態の断面図であり、排気コレクタアセンブリを改造するために使用可能なトンネル(例えば、直径が可変のトンネル)を有する改造キットを示す。
図6】タービン接続アセンブリの一実施形態を示す、図5の排気コレクタアセンブリの部分断面図である。
図7】ディフューザ接続アセンブリの一実施形態を示す、図5の排気コレクタアセンブリの部分断面図である。
図8図1の排気コレクタアセンブリの一実施形態の断面図であり、排気コレクタアセンブリを改造するために使用可能なトンネル(例えば、段付きトンネル)を有する改造キットを示す。
図9図2ないし図8の改造キットのうちの1つを用いた改造に備えて排気コレクタアセンブリの一部を取り外す方法のフローチャートである。
図10図2ないし図8の改造キットのうちの1つを取り付けて図1の排気コレクタアセンブリを変更する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本主題の1つまたは複数の具体的な実施形態を以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供しようと努めているが、実際の実施態様の全ての特徴を本明細書中で記載しきれない場合がある。エンジニアリングまたは設計プロジェクトのように、実際の実施態様の開発においては、開発者の具体的な目標を達成するために、実施態様ごとに異なる可能性があるシステム関連およびビジネス関連の制約の順守など、実施態様に特有の数多くの決定を行わなければならないことを理解されたい。さらに、このような開発への取組みは、複雑で時間がかかるものであるかもしれないが、それでも、本開示の利益を得る当業者にとっては、設計、製作、および製造の日常的な仕事であることを理解されたい。
【0010】
本主題の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a、an)」、「この(the)」、および「前記(said)」は、その要素が1つまたは複数存在するという意味であることを意図している。「備える」、「含む」、および「有する」という用語は、包含的であって、列挙された要素以外のさらなる要素も存在しうるという意味であることを意図している。
【0011】
開示の実施形態は、ガスタービンエンジンシステムの排気コレクタと共に使用される改造キットを備えている。改造キットは、それぞれ異なるサイズと接合面を有する1つまたは複数のディフューザと、連結構造(例えば、ボルト、ブラケット)と1つまたは複数の拡大シールアセンブリ(例えば、周方向溝、周方向シールセグメント、ボルトなど)との組み合わせを介して排気コレクタの末広がり部(例えば、円錐状部、デフレクタ部)およびタービンフレームに連結されたトンネルとを備えている。トンネルは、ガスタービンエンジンのディフューザ部と同心になるようにディフューザ部を通り抜けていてもよい。すなわち、トンネル(例えば、ボア)は、断熱されて排気コレクタフレームに連結されており、コレクタ室内を延びて、排気ディフューザを通り抜け、ガスタービンエンジンに連結されていてもよい。トンネルは、リンク機構(例えば、ガスタービンシャフトと負荷のシャフトとの軸継手)を取り囲み、リンク機構を高温ガスから断熱することができる。トンネルは、ガスタービンエンジンの改造部品であっても当初の部品であってもよい。例えば、開示の実施形態は、排気コレクタトンネルを備えた改造キットを備えており、排気コレクタトンネルは、このトンネルをガスタービンエンジンに連結するために使用される、排気コレクタトンネルとガスタービンフレームとの間の接合面を変えることによって、より大きなタービンエンジン用に設計された特定の排気システム(例えば、排気コレクタ)をそれとは別のタービンエンジンと共に使用することを可能にしている。
【0012】
改造キットは、1つまたは複数のシールキャリアを使用して排気ガスの漏れを低減する。トンネルは、ガスタービンエンジンから排気コレクタの末広がり部(例えば、円錐状部、デフレクタ部)まで移行するように設計された形状を有する。ガスタービンエンジンの一部の実施形態の場合、トンネルの形状は、ガスタービンエンジンから末広がり部まで円筒形(例えば、直線的な環状壁)であってもよい。しかしながら、ガスタービンエンジンの他の実施形態の場合には、トンネルの形状は、ガスタービンエンジンから末広がり部まで可変(例えば、直径が可変の環状壁)であってもよい。例えば、トンネルの環状壁は、ガスタービンエンジンから末広がり部まで徐々に拡大または縮小していてもよい。トンネルの環状壁は、円錐台状、湾曲環状、段付き環状(例えば、直径が複数段の環状壁)、またはそれらの組み合わせであってもよい。その結果、改造キットにより、ガスタービンエンジン発電プラントの排気コレクタエンクロージャまたは他のパッケージエンクロージャに対する複雑な変更を必要とせずに、より大きなガスタービンエンジン用に設計された排気コレクタを他の型のガスタービンエンジン(例えば、より小さいエンジン)で使用すること、またはその逆が可能になる。例えば、改造キットは、既存の排気コレクタとガスタービンフレームとの間にトンネルを直接取り付けることを可能にしてもよい。目下のところ、ガスタービンエンジン用に改造キットが考えられているが、開示の実施形態は改造キットに限定されない。
【0013】
ここで図面に目を向け、最初に図1を参照すると、ガスタービンエンジン発電プラント10の図が示されている。ガスタービンエンジン12(またはガスタービン)、例えば、航空転用ガスタービンエンジンが、排気コレクタアセンブリ14に連結されている。この図はまた、リンク機構18(例えば、回転継手または軸継手)を介してタービンエンジン12に連結された発電機16を示している。ガスタービンエンジン12、排気コレクタアセンブリ14、および発電機16は、滑りプラットフォーム20にしっかりと取り付けられていてもよい。吸気および濾過システム22によって、燃焼用の清浄な空気が供給されてもよい。空気は、ガスタービンエンジン12の圧縮機部で圧縮され、液体燃料または天然ガスなどの気体燃料と混合される。次いで、混合気は、ガスタービンエンジン12の燃焼室で燃焼される。その後、混合気の燃焼によって生じた高温の加圧ガスが、ガスタービンエンジン12内の複数のタービンブレードを通過する。高温の加圧ガスは、タービンブレードを回転させ、リンク機構18を回転させる。リンク機構18の回転は、図示のように、発電機16などの負荷を駆動することができる。
【0014】
一実施形態では、高温ガスは、ガスタービンエンジン12を軸方向に出て、ガスタービンエンジン12の下流の排気コレクタアセンブリ14に入る。ガスタービンエンジン12は、高温ガス中のエネルギーの一部を回転運動に変換する。しかしながら、一部の有用なエネルギーが依然として高温排気ガス中に残っている可能性がある。したがって、排気コレクタアセンブリ14は、例えば、熱回収蒸気発生器(HRSG)によって、さらなる使用のために高温排気ガスを捕捉して送ることができる。HRSGは、高温排気ガスを使用して、発電プラント10内の蒸気発生器および/または他の機器で使用する蒸気を生成することができる。排気コレクタアセンブリ14内に出る高温ガスは、高速で流れており、高温を含むことができる。以下の図2ないし図10に関してより詳細に説明する実施形態を使用することにより、第1のガスタービンエンジン(例えば、第1の出力タービン)用に設計された排気コレクタアセンブリ14を、第2のガスタービンエンジン(例えば、第2の出力タービン)と共に使用することができる。第1および第2のガスタービンエンジンは、型番、物理的サイズ、出力、およびタービン出口または排気コレクタとの接続部の形状が異なっていてもよい。しかしながら、開示の実施形態は、所望のガスタービンエンジンと共に使用するために排気コレクタアセンブリ14を適合させ、または改造することによってこれらの違いに対処する。
【0015】
図2は、ガスタービンシステム10の排気コレクタ30の一実施形態の斜視図を示しており、排気コレクタ30は、トンネル32(例えば、排気コレクタトンネルまたはシャフト連結トンネル)に連結されている。トンネル32の特徴の説明を明確にするため、ガスタービンシステム10のうち、タービン12、リンク機構18、吸気および濾過システム22の全体は、図2には示されていない。排気コレクタ30など、ガスタービンエンジンシステム10の構成要素は、1つまたは複数のフレーム34内に配置されていてもよい。排気コレクタ30は、流入軸(すなわち、タービン軸38)に対してタービン12の下流にあるディフューザ36に連結されている。ディフューザ36は、タービン12の(例えば、排気流路の外側境界を画定する)外壁と連結するように構成され、トンネル32は、タービン12の(例えば、排気流路の内側境界を画定する)内壁と連結するように構成されている。
【0016】
図示の排気ディフューザ36は、ガスタービンエンジン12から排気コレクタ30に向かう排気流の下流方向42に徐々に直径が増す環状壁40を有する。環状壁40は、排気流の下流方向42に向かって長手方向軸44から離れるように広がる末広がりの、または拡張する環状壁として説明することができる。環状壁40は、直線的に拡張していても(例えば、円錐台状の壁であっても)および/または曲線的に拡張していていも(例えば、湾曲環状壁または釣鐘状壁であっても)よい。ディフューザ36の小径側端部46は、ガスタービンエンジン12(図示の部分)に連結されている。ディフューザ36は、ガスタービンエンジン12から流出した排気ガスの軸流を拡散させる(例えば、広げて減速させる)。排気コレクタ30は、ディフューザ36からコレクタ室37への流入軸に沿った排気流を受け取る。
【0017】
排気コレクタ30は、右壁48、上壁50、左壁52、底壁54、後壁56、および前壁58を備えた排気コレクタフレーム34(例えば、エンクロージャ)内に配置されている。末広がり部60(例えば、末広環状壁または末広がり壁)は、左壁52から排気コレクタ30内に軸方向に突出していてもよい。末広がり部60は、長手方向軸44に対して角度が一定または実質的に一定(例えば、デフレクタ部または円錐台状壁)および/または角度が可変(例えば、釣鐘状などの湾曲環状壁)であってもよい。例えば、その角度は、20度から70度程度、30度から60度程度、40度から50度程度であってもよい。末広がり部60は、例えば、ガス流が同じ軸方向で左壁52に直接衝突しないように、ガス流の一部を放射状に分散させるために使用することができる。図示のように、末広がり部60は、長手方向軸44に沿って下流方向42に向かって広がり、それにより、排気流を軸方向62から半径方向64に徐々に方向転換させる。
【0018】
トンネル32は、断熱されて末広がり部60に連結されており、排気コレクタ30内を延びて、ディフューザ36を通り抜け、タービンフレーム66(図3を参照)を介してガスタービンエンジン12に連結されていてもよい。断熱されたトンネル32は、同じ材料または異なる材料からなる1つまたは複数の壁または層を有する環状壁33を備えていてもよい。例えば、環状壁33は、内側環状壁68と、外側環状壁70と、内側環状壁68と外側環状壁70との間の1つまたは複数の絶縁体層69とを備えていてもよい。トンネル32は、例えば、ディフューザ36の内側中空領域のほぼ軸心において、長手方向軸44と同軸であってもよい。トンネル32は、一端でディフューザ開口部72を通り抜け、タービンフレーム66と連結していてもよい。トンネル32は、リンク機構18(例えば、シャフト17とシャフト19との軸継手)を取り囲み、リンク機構18を高温ガスから断熱してもよい。シャフト17は、ガスタービンエンジン12に連結され、シャフト19は、負荷、例えば、発電機16に連結されていてもよい。
【0019】
トンネル32は、末広がり部60およびディフューザ開口部72に取り外し可能に連結されていてもよい。トンネル32を取り外すことにより、トンネル32を他のトンネル(図5および図8を参照)に取り替えることができ、その結果、トンネル32とタービン12との間の接合面74が変わる。接合面74を変えることにより、様々なトンネル32によって、排気コレクタ30の末広がり部60をガスタービンエンジン12に後付けすることで、排気コレクタ30を多数のガスタービンエンジンと共に使用することが可能になる。例えば、同じ末広がり部60を様々な異なるガスタービンエンジン12用に排気コレクタ30内で使用することができると共に、トンネル32は、同じ末広がり部60から様々なガスタービンエンジン12の様々な形状に移行するように形状が変化する。実際、適切なトンネル32を選択することにより、特定のガスタービンエンジン12が排気コレクタ30の使用に適するように、トンネル32とガスタービンエンジン12との間の接合面を拡大させたり(例えば、直径を大きくしたり)、縮小させたり(例えば、直径を小さくしたり)することができる。したがって、ガスタービンエンジン12の形状(例えば、より大きい直径またはより小さい直径)に応じて、トンネル32の環状壁33が様々な形状を有していてもよい。
【0020】
上述したように、トンネル32の環状壁33は、ガスタービンエンジン12から末広がり部60への流れの方向42に直径が一定(例えば、円筒壁)または直径が可変(例えば、先細りまたは末広がりの環状壁)であってもよい。例えば、直径が可変の環状壁33には、直線的に変化する環状壁(例えば、円錐台状の壁)、曲線的に変化する環状壁(例えば、湾曲状の環状壁)、または段階的に変化する環状壁(例えば、それぞれ異なる直径の複数の段を有する環状壁)も含まれる。特定の用途に応じて、環状壁33は、互いに様々な組み合わせで前述の形状のいずれか1つまたは複数を有していてもよい。図示の実施形態では、トンネル32は、一定または実質的に一定の直径(例えば、1パーセント未満の狂いがある直径)を有する実質的に直線または均一な形状(例えば、円筒壁33)を有し、長手方向軸44と同軸に配置されている。トンネル32は、末広がり部60およびタービンフレーム66に取り外し可能に連結されている。末広がり部60では、トンネル32の第1の端部76が、一組のトンネルフランジ78(例えば、周方向に間隔を置いて配置されたフランジおよび/または環状フランジ)を介して末広がり部60に固定されている。トンネルフランジ78は、末広がり部60にボルト止めされており、適切な数の締結具、例えば、ねじ付きボルト75を介してこれらの構成要素を互いに固定するために使用されている。トンネル32は、ディフューザ36を通り抜けており、トンネル32の第2の端部79が、タービン接続アセンブリ77を介してタービンフレーム66に固定されている。図3に、タービン接続アセンブリ77の部分断面図を示す。タービン接続アセンブリ77は、一組のタービンフレームフランジ80(例えば、周方向に間隔を置いて配置されたフランジおよび/または環状フランジ)を備えていてもよい。トンネル32の第2の端部79は、タービンフレーム66にボルト止めされており、トンネル32の第2の端部79をタービンフレーム66に固定するために使用されている。トンネル32の第2の端部79は、第1のシール溝86(例えば、周方向シール溝または環状シール溝)内の開口部に配置された第1のシール82(例えば、周方向シールまたは環状シール)を備えていてもよい。シール82には、長手方向軸44の周りに周方向に配置されて360度の構造(例えば、環状シール)を形成する、1つまたは複数のセグメント84(例えば、周方向シールセグメント)も含まれる。シール82は、第1のシール溝86の開口部内で自由に動くことができるように、溝端部で連結が切り離されていてもよい。シール82は、高温排気ガスの漏れを低減し、高温排気ガスがトンネル32に入る可能性を低下させることができる。
【0021】
ディフューザ36は、ディフューザ接続アセンブリ89を介して排気コレクタフレーム34に連結されている。図4にディフューザ接続アセンブリ89の部分断面図を示す。ディフューザ接続アセンブリ89は、一組の排気エンクロージャフランジ88(例えば、周方向に間隔を置いて配置されたフランジおよび/または環状フランジ)を備えていてもよい。排気エンクロージャフランジ88は、複数の締結具(例えば、ねじ付きボルト75)を介して排気コレクタフレーム34に締結されており、これらの構成要素を互いに固定するために使用されている。排気エンクロージャフランジ88は、第2のシール溝90(例えば、周方向シール溝または環状シール溝)を備えていてもよい。ディフューザ36の外面41に沿って配置された1つまたは複数の第2のシールセグメント92(例えば、周方向シールセグメント)が、高温排気ガスの漏れを低減するために第2のシールセグメント92に(例えば、ねじ付きボルトを介して)締結されてもよい。第2のシールセグメント92は、ディフューザ36の周りに周方向に配置されて、360度の構造(例えば、環状シール)を形成してもよい。ディフューザ36は、一組の外側ディフューザフランジ95(例えば、周方向に間隔を置いて配置されたフランジおよび/または環状フランジ)を介して排気エンクロージャフランジ88の上流側でタービンフレーム66にも連結されていてもよい。外側ディフューザフランジ95は、複数の締結具(例えば、ねじ付きボルト75)を介して外側タービンフランジ接続部96に締結されており、これらの構成要素が互いに固定されている。
【0022】
上述したように、トンネル32は、ディフューザ36を通り抜けている。図示の実施形態では、トンネル32とディフューザ36は、径方向の支柱、継手、または他の支持構造を介して互いに直結されてはいない。径方向の支柱、継手、および他の支持構造がないことにより、トンネル32を排気コレクタフレーム34からより容易に取り外すことが可能になる。さらに、ディフューザ36に対するトンネル32の相対的なサイズによって、トンネル32をより容易に取り外し可能にしてもよい。一実施形態では、トンネル32の直径98(例えば、内径または外径)は、14から54インチ、20から48インチ、24から44インチ、またはそれらの間の特定の直径など、任意の適切なサイズであってもよく、ディフューザ36の直径100(例えば、内径または外径)は、34から136インチ、48から122インチ、60から110インチ、またはそれらの間の特定の直径など、任意の適切なサイズであってもよい。
【0023】
図5は、図1および図2のガスタービンシステム10の排気コレクタ30の断面図であり、排気コレクタ30は、トンネル32の別の実施形態によって変更(例えば、改造)されている。排気コレクタフレーム34および末広がり部60の構成要素は、図2に基づいて上述したものと実質的に同じであり、したがって、これらの構成要素については繰り返し説明しない。図示の実施形態では、トンネル32は、トンネル32の第1の端部76からトンネル32の第2の端部79まで環状壁33に沿ってテーパ形状102を有している。テーパ形状102の角度104は、環状壁33に沿って約2度から40度、3度から35度、4度から30度、または5度から25度であってもよい。特定の実施形態では、角度104は、1度、2度または3度の最小角度よりも大きくても、10度、15度、20度、25度または30度の最大角度よりも小さくても、またはこれら最小角度と最大角度の任意の組み合わせであってもよい。角度104は、第1の端部76と第2の端部79との間の長さの一部または全体(例えば、長さの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%)に沿って一定または実質的に一定(例えば、1度未満の狂い)であってもよい。角度104が一定または実質的に一定である場合、トンネル32の環状壁33は、テーパ状環状壁(または環状壁33の全長よりも短い場合はテーパ状環状壁部分)として説明することができる。上記に代わり、または上記に加えて、角度104は、第1の端部76と第2の端部76との間の長さの一部または全体(例えば、長さの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%)に沿って可変であってもよい(例えば、少なくとも2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度または10度曲線的に変化してもよい)。例えば、角度104が曲線的に変化する場合、トンネル32の環状壁33は、湾曲環状壁(または環状壁33の全長よりも短い場合は湾曲環状壁部分)として説明することができる。環状壁33は、壁68、70の予想される高応力領域の能力を向上させることによって、トンネル32に沿って応力を低減および/または拡散させることができる。トンネル32の第1の端部76は、図2に基づいて上述したように、末広がり部60に連結されていてもよい。すなわち、トンネル32の第1の端部76は、一組のトンネルフランジ78(例えば、周方向に間隔を置いて配置されたフランジおよび/または環状フランジ)を介して末広がり部60に連結されていてもよい。
【0024】
図6は、図5のテーパ状トンネル32または図3および図8に示すトンネル32と共に使用可能なタービン接続アセンブリ77の別の実施形態の部分断面図である。図示の実施形態では、テーパ状トンネル32の第2の端部79が、1つまたは複数の締結具(例えば、ねじ付きボルト75)を介してタービンフレームブラケット80に連結されていてもよい。トンネル32の第2の端部79とタービンフレームブラケット80とによって、シール82(例えば、環状シールまたは周方向に分割されたシール)を受け入れるための第1のシール溝86(例えば、環状シール溝)が形成されていてもよい。例えば、シール82には、タービンフレームブラケット80の力によって部分的に定位置に保持される複数の周方向シールセグメントも含まれる。
【0025】
図7は、図5のテーパ状トンネル32または図3および図8に示すトンネル32と共に使用可能なディフューザ接続アセンブリ89の別の実施形態の部分断面図である。ディフューザ接続アセンブリ89は、ディフューザ36の外面41に(例えば、溶接接続により)接続されたリップ93を備えていてもよい。リップ93(例えば、環状リップ)は、ディフューザ36の外面41の周りに周方向に延びている。リップ93もまた、ディフューザ36の外面41の周りに周方向に配置されたシールセグメント92を備えていてもよい。ディフューザ接続アセンブリ89は、シールセグメント92を受け入れる溝90(例えば、環状シール溝)を形成するように、少なくとも2つのディフューザブラケット94(例えば、周方向に間隔を置いて配置されたブラケットおよび/または環状ブラケット)を備えている。ディフューザブラケット94は、締結具、例えば、ねじ付きボルト75を介して互いに連結されていてもよい。ディフューザブラケット94は、排気エンクロージャフランジ88にも連結されていてもよい。
【0026】
再び図5を参照すると、トンネル32の第1の端部76の直径98(例えば、内径または外径)は、トンネル32の第2の端部79の直径106(例えば、内径または外径)とはサイズが異なる(例えば、より大きい)。したがって、トンネル32の環状壁33は、第1の端部76と第2の端部79との間で直径が可変になっている。テーパ状トンネル32により、トンネル32の第2の端部79とタービンフレーム66との間の接合面を変えることが可能になる。例えば、第2の端部79の直径106(例えば、内径または外径)に対する第1の端部76の直径98(例えば、内径または外径)の比は、少なくとも1.05以上、1.1以上、1.15以上、1.2以上、1.25以上、1.3以上、1.45以上、または1.5以上など、1より大きい。テーパ状トンネル32により、末広がり部60(例えば、図2と同じ末広がり部)を別のガスタービンエンジン12(例えば、低出力タービンまたは他の適切なタービンエンジン)の別のディフューザ36と共に使用することが可能になる。例えば、直径106および角度104は、別のガスタービンエンジン12および/または別のディフューザ36との改造を可能にするように特に選択されてもよい。したがって、第2の端部79における直径106(例えば、内径または外径)に対するディフューザ36の直径100(例えば、内径または外径)の比は、例えば、1.5以上、1.75以上、2以上、2.25以上、2.5以上、2.75以上、または3以上であってもよい。
【0027】
図示の実施形態では、トンネル32の第1の端部76の直径98(例えば、内径または外径)は、12から50インチ、18から44インチ、22から40インチ、またはそれらの間の特定の直径など、任意の適切なサイズであってもよく、トンネル32の第2の端部79の直径106(例えば、内径または外径)は、8から48インチ、14から42インチ、20から38インチ、またはそれらの間の特定の直径など、任意の適切なサイズであってもよい。図示の実施形態では、ディフューザ36の直径100(例えば、内径または外径)は、34から136インチ、48から122インチ、60から110インチ、またはそれらの間の特定の直径など、任意の適切なサイズであってもよい。上述したように、トンネル32とディフューザ36とは、径方向支柱、継手、または他の支持構造を介して互いに直結されておらず、それにより、トンネル32を排気コレクタフレーム34からより容易に取り外すことができる。
【0028】
図8は、図1図2、および図5のガスタービンシステム10の排気コレクタ30の断面図であり、排気コレクタ30は、トンネル32の別の実施形態によって修正(例えば、改造)されている。排気コレクタフレーム34および末広がり部60の構成要素は、図2および図5に基づいて上述したものと実質的に同じであり、したがって、これらの構成要素については繰り返し説明しない。図示の実施形態では、図8の排気コレクタ30は、図9に示すようなタービン接続アセンブリ77と、図10に示すようなディフューザ接続アセンブリ89を有している。しかしながら、一部の実施形態では、図8の排気コレクタ30は、図3に示すようなタービン接続アセンブリ77および/または図4に示すようなディフューザ接続アセンブリ89を有していてもよい。
【0029】
図示の実施形態では、トンネル32は、トンネル32の第1の端部76とトンネル32の第2の端部79との間の環状壁33に沿って段部108(例えば、段付き壁部分などの環状段または急峻な直径変化)を有している。段部108は、トンネル32の環状壁33の隣り合う壁部107と壁部109との間で移行している。図8は段部108を1つだけ示しているが、トンネル32の実施形態において、隣り合う壁部107と壁部109との間の段部108の数はいくらであってもよい(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上の環状段であってもよい)。隣り合う壁部107および/または壁部109は、円筒状またはテーパ状であってもよい。図示の段部108など、各段部108は、環状壁33の直径を、壁部107から壁部109までいくらかの寸法またはパーセンテージだけ変化(例えば、減少)させてもよい。例えば、各段部108は、環状壁33の直径110(例えば、内径または外径)を、段部108の直前の環状壁33(例えば、壁部107における)の直径に対して少なくとも1インチ、2インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、7インチ、8インチ、9インチ、10インチもしくはそれ以上、または少なくとも1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、6パーセント、7パーセント、8パーセント、9パーセント、10パーセントもしくはそれ以上減少させてもよい。一部の実施形態では、段部108は、第2の端部79の直径106と同じになるように直径110を減少させてもよいし、または段部108は、壁部107の角度104が約1度以下、2度以下、3度以下、4度以下、5度以下、6度以下、7度以下、8度以下、9度以下または10度以下になるように直径110を減少させてもよい。また、段部108は、長手方向軸44に対して、15度から90度、20度から75度、30度から60度、または40度から50度など、角度111(例えば、鋭角)を有していてもよい。一部の実施形態では、段部108の角度111は、同様に長手方向軸44に対して測定される末広がり部60の角度61と実質的に同じであってもよい。しかしながら、段部108の角度111は、小さい直径110側に急激に移行するようなより大きい角度など、末広がり部60の角度61と異なっていてもよい。
【0030】
図5に示す実施形態と同様に、トンネル32の第1の端部76の直径98(例えば、内径または外径)は、トンネル32の第2の端部79の直径106(例えば、内径または外径)よりも大きい。したがって、段部108により、トンネル32の第2の端部79とフレーム66との間の接合面を変えることが可能になる。図示の実施形態では、トンネル32の第1の端部76は、12から50インチ、18から44インチ、22から40インチ、またはそれらの間の任意の特定の直径などの直径98(例えば、内径または外径)を有している。最初の段部108では、トンネル径が縮小され、8から48インチ、14から42インチ、20から38インチ、またはそれらの間の任意の特定の直径などのトンネル径110を有している。トンネル32の第2の端部79の内径106は、10から46インチ、16から40インチ、22から36インチ、またはそれらの間の任意の特定の直径である。図示のトンネル32(例えば、段付きトンネル)は、末広がり部60と、別のガスタービンエンジン12の別のディフューザ36との間に配置されている。図示の実施形態では、第2のディフューザ36の直径100(例えば、内径または外径)は、34から136インチ、48から122インチ、60から110インチ、またはそれらの間の特定の直径など、任意の適切なサイズであってもよい。
【0031】
図9は、本明細書に開示の実施形態に従って、図2ないし図8の改造キットのうちの1つを使用した改造に備えて排気コレクタアセンブリ14の一部(例えば、第1のトンネル32および第1のディフューザ36)を取り外す方法200を示す。方法200は、出力タービン12とトンネル32との係合を解除するステップ(ブロック202)を含む。方法200は、パッケージのエンクロージャ30の後壁56を取り外すステップ(ブロック204)を含む。排気エンクロージャ30の後壁56を取り外すことにより、トンネル32とディフューザ36を排気エンクロージャ30から取り外すことが可能になる。方法200は、トンネル32を末広がり部60(例えば、デフレクタ部)との連結から切り離すステップ(ブロック206)を含む。トンネル32の連結を切り離すステップは、トンネル32の第1の端部76の末広がり部60(例えば、デフレクタ部)へのボルト締めを解除するステップを含んでいてもよい。方法200は、トンネル32のシール82の係合を解除するステップを含む。シール82の係合を解除するステップは、トンネル32の第2の端部79からタービンフレーム80を取り外すステップを含んでいてもよい。方法200は、取り付けられているトンネル32を排気コレクタ30から軸38に沿って取り外すステップ(ブロック208)を含む。方法200は、タービン12からディフューザ36の連結を切り離すステップ(ブロック210)を含む。ディフューザ36の連結を切り離すステップは、ディフューザブラケット94を排気エンクロージャフランジ88から取り外すステップを含んでいてもよい。本方法は、ディフューザシール92の係合を解除するステップ(ブロック212)を含む。方法200は、取り付けられているディフューザ36を軸38に沿って取り外すステップを含む。
【0032】
図10は、本明細書に開示の実施形態に従って、図2ないし図8の改造キットのうちの1つを取り付けて(例えば、図9の方法200を実行した後に、別の交換用トンネル32および別の交換用ディフューザ36を取り付けて)図1の排気コレクタアセンブリ14を変更する方法300を示す。方法300は、交換用ディフューザ36を排気エンクロージャ30内に取り付けるステップ(ブロック302)を含んでいてもよい。方法300は、交換用ディフューザ36をタービンフレーム66に、1つまたは複数のボルトおよびフランジ接続部またはブラケットを介してボルト締めすることで、ディフューザ36の小径側端部46をタービンフレーム66に固定することによって、交換用ディフューザ36を定位置に連結させるステップ(ブロック304)をさらに含む。方法300は、交換用ディフューザ36の交換用シール92を係合させるステップ(ブロック306)を含む。方法300は、交換用トンネル32を取り付けるステップ(ブロック308)を含む。方法300は、トンネル32の第1の端部76を末広がり部60(例えば、デフレクタ部)に連結するステップ(ブロック310)を含む。トンネル32の第1の端部76を末広がり部60(例えば、デフレクタ部)に連結するステップは、末広がり部60においてトンネル32の第1の端部76を1つまたは複数のトンネルフランジ78にボルト締めするステップを含んでいてもよい。方法300は、トンネル32の反対側の第2の端部79においてシール82を係合させるステップ(ブロック312)を含む。トンネル32が取り付けられると、方法300は、排気エンクロージャ30の後壁56を元の場所に戻すステップ(ブロック314)を含む。前述の方法200および300は、排気コレクタアセンブリ14が任意の所望のガスタービンエンジン12と共に使用すること(例えば、排気コレクタアセンブリ14への接続時にそれぞれ異なる寸法を有するそれぞれ異なるサイズ同士、型同士、種類同士の間で取り替えること)ができるように、排気コレクタアセンブリ14を変更(例えば、改造)して図1ないし図8に示す実施形態間で切り替えるために使用することができる。
【0033】
本発明の技術的効果には、トンネルとタービンフレームとの間の接合面を変えることによって、より大きなタービンエンジン用に設計された特定の排気システム(例えば、排気コレクタ)を別のタービンエンジンと共に使用することを可能にするトンネルを備えた改造キットが使用可能であることも含まれる。改造キットは、それぞれ異なるサイズと接合面とを有する1つまたは複数のディフューザと、トンネルと、排気ガスの漏れを低減するための1つまたは複数のシールアセンブリとを備えている。トンネルは、排気コレクタとタービンフレームとの間を適合させるように、直線状、テーパ状、湾曲状、段状、または他の適切な形状の壁を有していてもよい。その結果、改造キットにより、ガスタービンエンジン発電プラントの様々な構成要素のための排気コレクタフレームまたは他のエンクロージャを大幅に変更する必要なく、より大きなガスタービンエンジン用に設計された排気コレクタを他の型のガスタービンエンジンで使用することが可能になる。
【0034】
本明細書は、例を使用して、特許請求の範囲に記載の主題を最良の形態を含めて開示すると共に、あらゆる装置またはシステムの作製および使用ならびにあらゆる関連の方法の実行を含む、当該主題の実施を当業者にとって可能にする。本主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義されており、当業者が想到する他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない同等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であるものとする。
【符号の説明】
【0035】
10 ガスタービンエンジン発電プラント、ガスタービンエンジンシステム
12 ガスタービンエンジン、出力タービン
14 排気コレクタアセンブリ
16 発電機
17 シャフト
18 リンク機構
19 シャフト
20 滑りプラットフォーム
22 吸気および濾過システム
30 排気コレクタ、排気エンクロージャ
32 トンネル
33 環状壁、円筒壁
34 排気コレクタフレーム
36 ディフューザ
37 コレクタ室
38 タービン軸
40 環状壁
41 ディフューザの外面
42 方向
44 長手方向軸
46 ディフューザの小径側端部
48 右壁
50 上壁
52 左壁
54 底壁
56 後壁
58 前壁
60 末広がり部
61 末広がり部の角度
62 軸方向
64 半径方向
66 タービンフレーム
68 内側環状壁
69 絶縁体層
70 外側環状壁
72 ディフューザ開口部
74 接合面
75 ねじ付きボルト
76 トンネルの第1の端部
77 タービン接続アセンブリ
78 トンネルフランジ
79 トンネルの第2の端部
80 タービンフレームブラケット、タービンフレームフランジ
82 第1のシール
84 セグメント
86 第1のシール溝
88 排気エンクロージャフランジ
89 ディフューザ接続アセンブリ
90 第2のシール溝
92 第2のシールセグメント、ディフューザシール、交換用シール
93 リップ
94 ディフューザブラケット
95 外側ディフューザフランジ
96 外側タービンフランジ接続部
98 直径
100 直径
102 テーパ形状
104 角度
106 直径、内径
107 壁部
108 段部
109 壁部
110 直径、トンネル径
111 角度
200 方法
300 方法


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】
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2021195952000002.pdf
2021195952000003.pdf
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