【解決手段】収容部110と、収容部の内部の第1空間に光を照射する光源部120と、収容部の内部において、光源部の光が照射されない位置で、かつ、収容部の内部へと透過した紫外線が照射される位置に配置されており、第1空間に浮遊している煙の粒子によって散乱された光源部の光の散乱光と、収容部の内部へと透過した紫外線とを受光する検出部130と、検出部が出力する検出信号に基づいて、経路を通過して第1空間に入り込んだ外気に煙が含まれているか否かと、外部の紫外線の照射量が予め定められた基準値を超えているか否かとのうち、少なくとも一方を判定する制御部とを備える。
前記制御部は、前記検出信号の前記パターンと同期しない直流成分が第2閾値以上になっていることに応じて、外部の紫外線の照射量が前記基準値を超えていることを判定する、請求項2に記載の検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<検出装置10の外観>
図1は、本実施形態に係る検出装置10の外観を示す。
図1において、直交する3つの軸をX軸、Y軸、Z軸として示す。検出装置10は、外気中の煙を検出する機能と紫外線を検出する機能とを有する。検出装置10は、携帯可能に構成されていることが望ましい。検出装置10は、本体12と、穴部14と、入力部16と、取付部18とを備える。
【0016】
本体12は、樹脂、金属等で形成されている筐体である。本体12には、内部に外気を通過させるための穴部14が複数設けられている。言い換えると、穴部14は、外気が本体12の内部に入る入口として機能し、また、外気が本体12の外部へと出ていく出口としても機能する。例えば、検出装置10が室内に取り付けられ、室内の火災等により煙が発生した場合、煙は穴部14から本体12の内部へと入り込む。そして、検出装置10は、本体12の内部に入り込んだ煙を検出する。検出装置10による煙の検出については後述する。
【0017】
穴部14は、本体12の複数の面に形成されていることが望ましい。また、複数の穴部14の一部は、本体12の内部で発生する警報音等を外部へと伝えるための出力口として機能してもよい。警報音等については後述する。
図1において、警報音の出力口を兼用する穴部14を、穴部14aとした。
【0018】
入力部16は、外部の光を本体12の内部に入力させる。入力部16は、本体12に形成されている開口である。入力部16は、一例として、直径dの円形状を有する。また、入力部16には、紫外線とは異なる波長の光を低減させるフィルタ等が設けられていてもよい。例えば、検出装置10が屋外に持ち運ばれた場合、地上に降り注ぐ紫外線が入力部16から本体12の内部へと入り込む。そして、検出装置10は、本体12の内部に入り込んだ紫外線を検出する。検出装置10による紫外線の検出については後述する。
【0019】
取付部18は、検出装置10を固定するための部位である。取付部18は、一例として、板状の材料が折れ曲がったかぎ型の形状を有し、本体12からスライド可能に設けられている。この場合、取付部18が有する1つの面と本体12の1つの面とが、板状の物または布等に挟んで固定できるように形成されていることが望ましい。
【0020】
図2は、本実施形態に係る取付部18の一例を示す。取付部18は、
図2に矢印で示す方向にスライド可能に本体12に設けられている。これにより、検出装置10のユーザは、検出装置10を設置する物の厚みに対応する長さだけ取付部18を本体12から引き出すことで、検出装置10を設置できる。このような取付部18の構成は一例であり、これに限定されることはない。取付部18は、例えば、ストラップ、クリップ、磁石、吸着盤等を有してもよい。
【0021】
図3は、本実施形態に係る検出装置10を扉に設置した例を示す。例えば、検出装置10を屋内で煙検知器として動作させる場合、検出装置10のユーザは、取付部18を用いて検出装置10を扉の上部に取り付ける。このような取付部18により、ユーザは、扉の上部に取付部18を掛けるだけで、部屋の上方に簡便に設置することができる。また、取付部18がかぎ型の形状を有するので、扉の開閉に干渉することなく検出装置10を設置できる。なお、検出装置10は、棚、窓、机等に取り付けられてもよい。これに代えて、検出装置10は、棚、机等の上に置かれた状態で動作してもよい。
【0022】
図4は、本実施形態に係る検出装置10を鞄に取り付けた例を示す。例えば、検出装置10を屋外に持ち出して動作させる場合、検出装置10のユーザは、取付部18を用いて検出装置10を鞄、バッグ等に取り付ける。このように、ユーザは、取付部18を鞄の縁の厚みの分だけ引き出すことにより、容易に鞄の縁に検出装置10を取り付けて屋外に持ち出すことができる。このような検出装置10の詳細について次に説明する。
【0023】
<検出装置10の内部構成例>
図5は、本実施形態に係る検出装置10の内部の構成例を示す。
図5は、
図1と同様に、直交する3つの軸をX軸、Y軸、Z軸として示す。
図5(a)は、
図1においてYZ平面と略平行な面による検出装置10の断面図の一例を示す。また、
図5(b)は、
図5(a)のB−B線を通り、XY平面と略平行な面による検出装置10の断面図の一例を示す。なお、
図5(a)は、
図5(b)のA−A線を通り、YZ平面と略平行な面による検出装置10の断面図の一例である。検出装置10は、収容部110と、光源部120と、検出部130と、警報部140と、電源部150と、回路基板160と、制御部170を更に備える。
【0024】
収容部110は、光源部120、検出部130といった光学部品を収容している。収容部110は、少なくとも一部が紫外線を内部に透過させる材料で形成されている。例えば、収容部110の一部または全部は、紫外線透過樹脂で形成されており、入力部16から入り込んだ紫外線を透過させる。紫外線透過樹脂は、例えば、無機黒色顔料を含む材料、色ガラスフィルタ等で形成されている。
図5は、収容部110の全部が紫外線透過樹脂で形成されている例を示す。
【0025】
また、収容部110は、紫外線とは異なる波長の光を低減させる材料で形成されていることが望ましい。収容部110は、例えば、可視光、赤外光等を低減させる。収容部110は、一例として、赤外光に対して暗箱として機能する。また、収容部110は、外気を内部へ通過させるための経路を有する。収容部110は、第1板部111、第2板部112、および遮光板113を有する。
【0026】
第1板部111および第2板部112は対向し、XY面と略平行に配置されている。遮光板113は、第1板部111および第2板部112の間に複数設けられている。第1板部111、第2板部112、および遮光板113は、紫外線を透過させ、少なくとも赤外線を低減させて遮光する材料で形成されている。複数の遮光板113は、外部からの赤外光を遮光し、外気を収容部110の内部を通過させるための経路を形成している。このような複数の遮光板113は、ラビリンス構造として既知であり、例えば、特許文献1等に記載されているので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0027】
収容部110は、更に、防虫網114で囲われていてもよい。防虫網114は、例えば、金網、複数の貫通孔が形成されている金属または樹脂成型品等であり、外気を通過させつつ、虫等が収容部110の内部に侵入することを防止する。
【0028】
光源部120は、収容部110の内部の第1空間に光を照射する。光源部120は、例えば、赤外光を照射するLED等の発光素子である。
【0029】
検出部130は、収容部110の内部において、光源部120の光が照射されない位置に配置されている。言い換えると、検出部130は、収容部110の内部に煙が入り込んでいない場合、光源部120が光を照射しても、光源部120からの光を受光しないような位置に設けられている。また、検出部130は、収容部110に収容されているので、検出装置10の外部で可視光、赤外光が照射されていても、このような外部の光をほとんど受光しない。
【0030】
検出部130は、第1空間に浮遊している煙の粒子によって散乱された光源部120の光の散乱光を受光する。このように、検出部130は、収容部110の内部に煙が入り込んだ場合に、煙の粒子に散乱された光を受光するので、煙検知器として機能する。
【0031】
また、検出部130は、収容部110の内部へと透過した紫外線が照射される位置に配置されている。これにより、検出部130は、収容部110の内部へと透過した紫外線を受光する。検出部130が検出可能な光の周波数帯域は、赤外光および紫外線を含む。これにより、検出部130は、紫外線検出器としても機能する。検出部130は、例えば、フォトダイオード等の受光素子である。
【0032】
警報部140は、外部への警報を発生させる。警報部140は、例えば、スピーカを有し、予め定められた警報音を発生させる。警報部140は、煙を検知したことに応じて煙検出の警報音を発生させてよく、また、基準値を超えた紫外線の照射量を検知したことに応じて紫外線検出の警報音を発生させてもよい。
【0033】
また、警報部140は、表示部等を有し、煙、紫外線を検知したことを文字、図形、光等を用いてユーザ等への警報を表示してもよい。この場合、警報部140は、振動等を発生させてもよい。また、警報部140は、煙、紫外線を検出した結果を外部に通知してもよい。この場合、警報部140は、ネットワークを経由して、ユーザの携帯電話、サーバ等の予め登録された通知先に通知することが望ましい。
【0034】
電源部150は、検出装置10の回路、回路素子等に電源を供給する。電源部150は、マンガン電池等の一次電池であってもよく、これに代えて、リチウムイオン電池等の二次電池であってもよい。
【0035】
回路基板160には、回路、回路素子等が設けられている。回路基板160には、例えば、光源部120、検出部130、警報部140、および電源部150が実装されている。また、回路基板160上には、収容部110が設けられている。また、回路基板160には、検出装置10の各部を制御して検出動作させる制御部170(不図示)が設けられている。
【0036】
制御部170は、検出部130が出力する検出信号に基づいて、収容部110の経路を通過して第1空間に入り込んだ外気に煙が含まれているか否かと、外部の紫外線の照射量が予め定められた基準値を超えているか否かとのうち、少なくとも一方を判定する。制御部170は、例えば、CPU等のコンピュータであってもよい。この場合、回路基板160には記憶部が更に設けられていることが望ましい。
【0037】
記憶部は、例えば、コンピュータが制御部170として動作する場合、制御部170として機能するためのOS(Operating System)、およびプログラムの情報を格納する。また、記憶部は、当該プログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。例えば、コンピュータは、記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって、制御部170として機能する。
【0038】
記憶部は、例えば、コンピュータ等のBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、および作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む。また、記憶部は、HDD(Hard Disk Drive)および/またはSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでもよい。このような制御部170による制御動作について、次に説明する。
【0039】
<回路基板160のブロック図の例>
図6は、本実施形態に係る回路基板160に設けられている回路のブロック図の一例を示す。回路基板160には、光源部120、検出部130、警報部140、電源部150、制御部170、第1増幅器210、第2増幅器220、切換部230、警報駆動回路240が実装されている。
【0040】
第1増幅器210および第2増幅器220は、検出部130が出力する検出信号を増幅する。第1増幅器210は、検出信号のうち散乱光を検出した成分を判定するための第1増幅率が予め設定されている。言い換えると、第1増幅器210は、煙を検知する場合に用いられる増幅器として回路基板160に設けられている。
【0041】
第2増幅器220は、検出信号のうち収容部110の内部へと透過した紫外線を検出した成分を判定するための第2増幅率が予め設定されている。言い換えると、第1増幅器210は、紫外線を検知する場合に用いられる増幅器として回路基板160に設けられている。第1増幅器210および第2増幅器220は、切換部230を介して増幅した検出信号を制御部170にそれぞれ供給する。
【0042】
切換部230は、制御部170の指示に応じて、第1増幅器210および第2増幅器220のいずれか一方を制御部170に接続する。制御部170は、例えば、検出信号の信号レベルの変化に基づいて、切換部230の接続状態を切り換えるように切換部230を制御する。切換部230は、例えば、2入力1出力のスイッチである。
【0043】
警報駆動回路240は、制御部170の指示に応じて、警報部140を駆動する。警報駆動回路240は、制御部170による煙の検知および紫外線の検知のそれぞれに対応する警報を発するように、警報部140を駆動する。なお、
図6に示す警報部140は、スピーカ141と表示灯142を含む例を示す。
【0044】
制御部170は、例えば、光源部120、切換部230、および警報駆動回路240を制御して、煙および紫外線を検知する。このような制御部170による制御動作を、タイミングチャートを用いて次に説明する。
【0045】
<タイミングチャートの例>
図7は、本実施形態に係る制御部170の制御動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示す。
図7の横軸は時間を示し、縦軸は信号レベルを示す。制御部170は、光源部120を制御して予め定められたパターンで光源部120を発光させる。制御部170は、例えば、略一定の周期で光源部120からパルス光を第1空間に照射させる。
図7の「光源部の出力」が示すタイミングチャートは、予め定められた周期で光源部120がパルス光を照射する例を示す。予め定められた周期は、例えば、略2秒から略8秒までの間でよく、一例として、略5秒である。
【0046】
検出部130の検出信号には、暗電流、漏洩した迷光成分等によるノイズが含まれている。
図7の「検出信号」が示すタイミングチャートには、このようなノイズの信号レベルの例を外光ノイズとして示す。制御部170が光源部120をパルス制御してパルス発光すると、第1空間に煙が入り込んで散乱光が生じた場合、散乱光に対応する検出信号もパルス形状の信号となる。
【0047】
したがって、制御部170は、光源部120の発光に用いた予め定められたパターンに対応する信号を検出信号が含む場合、煙が入り込んだことによる散乱光が発生していることを判断できる。制御部170は、例えば、光源部120の発光タイミングと検出信号の信号レベルの変化タイミングとを比較して、同様のタイミングで同様に変化したことに応じて、煙による散乱光が発生していることを判断する。このように、制御部170は、検出信号に直流成分とは異なる成分が含まれていることに応じて、第1増幅器210を制御部170に接続する指示を切換部230に供給する。これにより、制御部170は、第1増幅器210が増幅した検出信号を取得できる。
【0048】
そして、制御部170は、検出信号の信号レベルが第1閾値以上になっていることに応じて、第1空間に入り込んだ外気に煙が含まれていることを判定する。
図7において、時刻t1から検出信号のパルスのピーク値が第1閾値以上となっている例を示す。なお、制御部170は、ピーク値が第1閾値以上となった1番目のパルスのタイミングにおいて、煙を検知したことを判定してもよく、ピーク値が第1閾値以上となった2番目以降のパルスのタイミングで煙を検知したことを判定してもよい。
【0049】
検出信号には、パルス状のノイズが重畳してしまうことがある。そこで、制御部170は、連続する複数のパルスのピーク値が第1閾値以上となっていることに応じて、煙の検知を判定することで、このようなノイズの影響を低減できる。
図7は、制御部170が、連続する2つパルスのピーク値が第1閾値以上となっていることに応じて、煙の検知を判定した例を示す。
【0050】
制御部170は、第1空間に入り込んだ外気に煙が含まれていることを判定した結果として第1信号を警報駆動回路240に出力する。警報駆動回路240は、第1信号に対応する警報を警報部140に発生させるための駆動信号を警報部140に供給する。これにより、警報部140は、
図7の「煙検出」のタイミングチャートが示すように、煙を検知したことに対応する警報を発生することができる。例えば、スピーカ141は、火災警報の音声を発生する。また、表示灯142は、火災発生を光で知らせる。また、警報部140は、外部の通知先等に火災発生を通知してもよい。
【0051】
一方、収容部110の内部に紫外線が透過した場合、検出部130の検出信号の直流成分が増加する。したがって、制御部170は、検出信号に含まれている直流成分が閾値を超えた場合、紫外線が収容部110の内部に入射していることを判断できる。そこで、制御部170は、検出信号に含まれている直流成分が第3閾値以上である場合に第2増幅器220を制御部170に接続する指示を切換部230に供給する。これにより、制御部170は、第2増幅器220が増幅した検出信号を取得できる。
【0052】
そして、制御部170は、検出信号の直流成分が第2閾値以上になっていることに応じて、外部の紫外線の照射量が基準値を超えていることを判定する。
図7において、時刻t2から検出信号のパターンと同期しない直流成分が第2閾値以上となっている例を示す。なお、第2閾値は、例えば、地上に降り注ぐ紫外線の照射量が基準値となった場合に、収容部110の内部に入射する紫外線の量を測定することにより、予め設定されていることが望ましい。
【0053】
制御部170は、外部の紫外線の照射量が予め定められた基準値を超えていることを判定した結果として第2信号を警報駆動回路240に出力する。警報駆動回路240は、第2信号に対応する警報を警報部140に発生させるための駆動信号を警報部140に供給する。これにより、警報部140は、
図7の「紫外線出」のタイミングチャートが示すように、紫外線を検知したことに対応する警報を発生することができる。例えば、スピーカ141は、紫外線が基準値以上であることを音声で発生する。また、表示灯142は、紫外線が基準値以上であることを光で知らせる。また、警報部140は、外部の通知先等に紫外線が基準値以上であることを通知してもよい。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る検出装置10は、共通の検出部130を用いて、煙と紫外線とを検出するので、本体12を容易に携帯できる程度に小型化することができる。したがって、旅行した場合の宿泊先に検出装置10を携帯し、火災報知機として容易に設置することができる。また、日中の外出先に、紫外線検出器として検出装置10を携帯することもできる。これにより、皮膚がん、感染症にかかりやすくなるというリスクを低減することができる。
【0055】
以上の本実施形態に係る検出装置10において、制御部170が切換部230を制御して、煙および紫外線のいずれかの検出対象に対応して適切な増幅率で増幅された検出信号を取得する例を説明したが、これに限定されることはない。例えば、切換部230は、手動で切り換え可能なスイッチであってよく、ユーザが用途に応じて切り換えてもよい。
【0056】
これに代えて、制御部170は、第1増幅器210および第2増幅器220がそれぞれ出力した2つの検出信号を取得してもよい。この場合、制御部170は、例えば、取得した2つの検出信号のうち、検出信号に直流成分とは異なる成分が含まれていることに応じて、第1増幅器210が出力する増幅信号を検出信号として用いる。また、制御部170は、取得した2つの検出信号のうち、検出信号に含まれている直流成分が増加していることに応じて第2増幅器220が出力する増幅信号を検出信号として用いる。
【0057】
これにより、検出装置10は、切換部230を用いなくても、検出対象に対応して適切な増幅率で増幅された検出信号を選択することができる。したがって、この場合、切換部230はなくてもよい。また、検出部130による散乱光の検出信号の信号レベルと紫外線の検出信号の信号レベルとが共通のダイナミックレンジで十分に観測できる場合、増幅器は1つでもよい。
【0058】
以上の本実施形態に係る検出装置10において、火災による煙の発生から煙の検出までの時間は、なるべく短くなるように設計されていることが望ましい。したがって、例えば、切換部230を用いて2つの増幅器と制御部170との接続を切り換える場合、初期設定として第1増幅器210と制御部170とが接続されていることが望ましい。また、制御部170が検出信号に含まれている成分に基づいて用いる検出信号を選択する場合、制御部170は、第1増幅器210が出力する検出信号を用いて選択すべき検出信号を判断することが望ましい。これにより、制御部170は、散乱光の発生を判断した後、直ちに信号レベルと第1閾値との比較動作に移行することができる。
【0059】
以上の本実施形態に係る検出装置10において、収容部110が紫外線を透過させる材料で形成されている例を説明したが、これに限定されることはない。収容部110の一部が紫外線を透過させる材料で形成されていてもよい。このような収容部110を有する検出装置10について次に説明する。
【0060】
<検出装置10の変形例>
図8は、本実施形態に係る検出装置10の変形例を示す。
図8は、変形例の検出装置10の内部の構成例を示し、外観の構成は
図1に示す外観と同様である。また、本変形例の検出装置10において、
図4に示された本実施形態に係る検出装置10の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。変形例の検出装置10において、収容部110は、開口部115とフィルタ部116とを更に備える。
【0061】
収容部110は、
図4で説明したように、対向する第1板部111および第2板部112と、第1板部111および第2板部112の間に設けられている複数の遮光板113とを有する。検出部130は、第2板部112に対向し、第1板部111へと散乱された散乱光を検出するように設けられている。例えば、第1板部111には、検出部130が設けられており、第2板部112には、検出部130に対向する位置に開口部115が形成されている。言い換えると、第2板部112には、外部から検出部130に向かって紫外線が入射する光軸を含む領域に開口部115が設けられている。開口部115は、一例として、第2板部112を貫通する円形の貫通孔である。
【0062】
そして、開口部115には、紫外線を内部に透過させる材料で形成されたフィルタ部116が設けられている。フィルタ部116は、紫外線透過フィルタである。また、フィルタ部116は、赤外線と可視光とが通過することを低減させるフィルタである。そして、第1板部111、第2板部112、および複数の遮光板113は、外部からの光を遮光し、外気を収容部110の内部の第1空間を通過させるための経路を形成している。
【0063】
このように、変形例の収容部110は、紫外線が収容部110の内部に入射する面積を一部の領域に制限し、収容部110の他の部分は検出部130が感度を有する帯域の外光を遮光するように形成されている。これにより、収容部110の内部に入り込む迷光成分を低減させつつ、検出装置10が検出する煙と紫外線を収容部110の内部に入り込ませることができる。したがって、変形例の検出装置10は、検出部130のS/Nを向上させることができる。
【0064】
以上の本実施形態に係る検出装置10において、光源部120は、赤外光を照射する例を説明したが、これに限定されることはない。光源部120は、可視光、紫外光等を照射してもよい。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。