特開2021-196273(P2021-196273A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-196273(P2021-196273A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】電圧検出回路
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20211129BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20211129BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
   G01R19/00 BZHV
   H01M10/48 P
   H02J7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-103065(P2020-103065)
(22)【出願日】2020年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】若杉 康高
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 康剛
【テーマコード(参考)】
2G035
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G035AA00
2G035AA12
2G035AB03
2G035AD02
2G035AD10
2G035AD11
2G035AD19
2G035AD20
2G035AD39
2G035AD43
2G035AD65
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB02
5G503CA11
5G503FA06
5H030AA09
5H030AS08
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
【課題】測定対象の電圧を絶縁測定する電圧検出回路において、測定対象からの動作電源の供給を不要とし、測定精度を確保したまま小型化、低コスト化する。
【解決手段】測定対象の電圧を分圧する分圧回路(110)と、分圧回路によって分圧された電圧を増幅するバッファ回路(120)と、バッファ回路の出力信号をディジタル変換する演算部(130)と、演算部の出力信号を絶縁伝送するフォトカプラ(140)と、トランス(180)と、を備え、バッファ回路および演算部は、トランスを介して絶縁伝送された電力で動作する電圧検出回路(100)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の電圧を分圧する分圧回路と、
前記分圧回路によって分圧された電圧を増幅するバッファ回路と、
前記バッファ回路の出力信号をディジタル変換する演算部と、
前記演算部の出力信号を絶縁伝送するフォトカプラと、
トランスと、を備え、
前記バッファ回路および前記演算部は、前記トランスを介して絶縁伝送された電力で動作することを特徴とする電圧検出回路。
【請求項2】
前記バッファ回路が非反転増幅回路で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電圧検出回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象の電圧を絶縁測定する電圧検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動源としてエンジンと電気モータとを備えるハイブリッド車や、電気自動車のような車両においては、車体上に搭載したバッテリを充電し、バッテリから供給される電気エネルギーを利用して推進力を発生する。一般に、バッテリは、リチウムイオン充電池やニッケル水素充電池などの二次電池が多数直列に接続されて構成されており、200V以上の高電圧が取り出せるようになっている。
【0003】
バッテリ関連の電源回路は、高電圧を扱う高電圧回路として構成されており、安全性確保ため、バッテリを含む高電圧回路は接地の基準電位点となる車体から電気的に絶縁された非接地構成となっている。車体側に配置された電圧測定回路を用いてバッテリの電圧を測定する場合も、絶縁を確保する必要があり、このための技術が、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されている。
【0004】
図3(a)は、特許文献1に記載された電圧検出回路の構成を示す図である。本図の例では、絶縁素子を用いずに、絶縁抵抗でバッテリBatと電圧測定回路とを絶縁して、バッテリBatの電圧を測定する。すなわち、バッテリBatの電圧を抵抗R11、抵抗R12、抵抗R13、抵抗R14からなる分圧抵抗DRで分圧し、分圧された電圧をバッファBf1、バッファBf2を介して差動増幅回路に入力し、電圧測定を行なっている。ここで、抵抗R11と抵抗R14に高抵抗が用いられている。
【0005】
図3(b)は、特許文献2に記載された電圧検出回路の構成を示す図である。本図の例では、フォトカプラFc11、Fc12、Fc13およびコンデンサC1、C2を用いてバッテリBatと電圧測定回路とを直流的に絶縁して、バッテリBatの電圧を測定する。すなわち、分圧抵抗R16に生じた電圧を、バッテリBatの電圧で動作するバッファBf3およびコンデンサC1、C2を介して差動増幅回路に入力し、電圧測定を行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−236711号公報
【特許文献2】特開2008−64519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図3(a)に示した回路では、所望の絶縁抵抗を確保するためには大量の抵抗を使用しなければならず、大きな搭載スペースが必要となる。また、測定精度を確保するためには高精度の抵抗を多数使用する必要があるため、コスト的に不利となる。
【0008】
図3(b)に示した回路では、フォトカプラおよびコンデンサにより直流的に絶縁が確保されているが、バッテリBatが計測回路の動作電源を供給しており、走行に直接的には関係のない回路に電源を供給することで航続距離に影響を与えてしまう。
【0009】
また、いずれの回路においても分圧電圧を受けるバッファとしてボルテージフォロワ回路が用いられているが、サージ等の過電圧が印加された場合、バッファに過大な電圧が加わり、素子破壊を招くおそれがある。一方で、過電圧に対応するため、分圧抵抗によりバッファに入力する電圧を低下させると、平常時のバッファの出力も低下し、後段の測定精度が悪化することになる。
【0010】
そこで、本発明は、測定対象の電圧を絶縁測定する電圧検出回路において、測定対象からの動作電源の供給を不要とし、測定精度を確保したまま小型化、低コスト化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である電圧検出回路は、測定対象の電圧を分圧する分圧回路と、前記分圧回路によって分圧された電圧を増幅するバッファ回路と、前記バッファ回路の出力信号をディジタル変換する演算部と、前記演算部の出力信号を絶縁伝送するフォトカプラと、トランスと、を備え、前記バッファ回路および前記演算部は、前記トランスを介して絶縁伝送された電力で動作することを特徴とする。
ここで、前記バッファ回路が非反転増幅回路で構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電圧を絶縁測定する電圧検出回路において、測定対象からの動作電源の供給を不要とし、測定精度を確保したまま小型化、低コスト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の絶縁型電圧検出回路の構成を示す図である。
図2】入力電圧に対する出力電圧を従来のボルテージフォロワと本実施形態の増幅回路とで比較した図である。
図3】従来の絶縁型電圧検出回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電圧検出回路100の構成を示す図である。本図の例で、電圧検出回路100は、リチウムイオン充電池等の二次電池が多数直列に接続されて構成されたバッテリ200の電圧を、絶縁を確保したまま測定する。
【0015】
本図に示すように電圧検出回路100は、分圧回路110、非反転増幅回路120、演算部130、フォトカプラ140、第1LDO(Low Dropout)160、トランス駆動部170、トランス180、第2LDO190を備えている。
【0016】
これらのうち、分圧回路110、非反転増幅回路120、演算部130、第2LDO190がバッテリ側接地系であり、第1LDO160、トランス駆動部170が車体側接地系となっており、フォトカプラ140、トランス180を介して信号、電力のやり取りを行なうことで両系の絶縁を確保している。
【0017】
分圧回路110は、抵抗R1と抵抗R2が直列に接続して構成され、測定対象であるバッテリ200の電圧を分圧する。本実施形態では抵抗R1>>抵抗R2とするが、分圧回路110で絶縁を確保する必要はないため、特許文献1に示された絶縁抵抗ほどの高抵抗値は要求されない。このため、抵抗のための大きな搭載スペースが不要であり、電圧検出回路100の小型化、低コスト化を実現することができる。
【0018】
非反転増幅回路120は、オペアンプOPと、オペアンプOPの出力端子と反転入力端子とを接続する抵抗R3と、オペアンプOPの反転入力端子と接地とを接続する抵抗R4とを備えて構成される。オペアンプOPの非反転入力端子には分圧回路110の抵抗R2に生じる電圧が入力される。オペアンプOPの非反転入力端子は高インピーダンスであり、非反転増幅回路120は、バッファとしても機能する。
【0019】
非反転増幅回路120では、1+R3/R4の増幅率が得られるが、本実施形態では、例えば、抵抗R3と抵抗R4とを同じ値とし、増幅率を2倍とする。この場合、バッテリ200の電圧を抵抗R1と抵抗R2とで分圧し、抵抗R2に生じる電圧の2倍の値が非反転増幅回路120から出力されることになる。
【0020】
演算部130は、非反転増幅回路120の出力値に対してAD変換等の演算を行なう。一般に、AD変換等の演算の実行精度は、入力値がフルスケールに近い値ほど高くなる。演算部130の演算結果は、フォトカプラ140を介して車体側接地系にDATA信号として絶縁伝送される。
【0021】
本実施形態において、演算部130、非反転増幅回路120の動作電源は、車体側接地系から供給される。すなわち、車体側接地系の電圧Vcは、第1LDO160で安定化され、トランス駆動部170で交流に変換される。この電力がトランス180によりバッテリ側接地系に絶縁伝送され、第2LDO190で安定化されて演算部130、非反転増幅回路120に直流の動作電源として供給される。本実施形態では、動作電源は、例えば、5Vであるとする。
【0022】
このように、本実施形態では、バッテリ側接地系の動作電源に、測定対象であるバッテリ200の電圧が用いられないため、航続距離に影響を与えることを防ぐことができる。
【0023】
また、本実施形態では、分圧した電圧を受けるバッファとして、非反転増幅回路120を用いている。ここでは、非反転増幅回路の増幅率を2倍としているため、分圧の結果抵抗R2に生じる電圧を1/2としても、従来と同じ出力値を確保することができる。このため、後段の演算部130での測定精度が低下しないことになる。一方で、耐性可能な入力電圧は2倍となる。すなわち、測定精度を確保したまま耐圧性を高めることができる。
【0024】
図2は、オペアンプが10Vの入力電圧で素子破壊が起こると仮定し、非反転増幅回路120の増幅率を2倍としたときの、分圧回路110への印加電圧に対するバッファへの入力電圧Vinと出力電圧Voutを、従来のボルテージフォロワ回路と本実施形態の増幅回路とで比較した表である。ボルテージフォロワ回路では印加電圧に対する分圧比を1/100とし、増幅回路では印加電圧に対する分圧比を1/200としている。
【0025】
本図の例では、サージ電圧等により1000Vの高電圧が分圧回路110に印加された場合、ボルテージフォロワ回路では、オペアンプに10V印加され素子破壊を招いているのに対し、増幅回路では、素子破壊に至らず、出力電圧が動作電源電圧の5Vに制限されている。
【0026】
一方で、500V以下の正常な印加電圧では、ボルテージフォロワ回路と増幅回路とで出力電圧は同じになるため、後段の演算部130での測定精度を確保することができる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の電圧検出回路100によれば、車体側からトランス180を介して非反転増幅回路120および演算部130に電力を供給するため、測定対象からの動作電源の供給を不要としている。また、分圧抵抗で絶縁を確保する必要がないのに加え、バッファとして非反転増幅回路120を用いているため、電圧検出回路100を、測定精度を確保したまま小型化、低コスト化することができる。
【符号の説明】
【0028】
100 電圧検出回路
110 分圧回路
120 非反転増幅回路
130 演算部
140 フォトカプラ
160 第1LDO
170 トランス駆動部
180 トランス
190 第2LDO
200 バッテリ
図1
図2
図3