【解決手段】本実施形態では(1)分岐区分と個人識別データ又は所属識別データと制御情報を含む画面設定マスタから、分岐区分1及び操作中の個人の個人識別データと紐付く制御情報を取得できるか判定し、(2)できない場合、個人識別データと所属識別データと優先順位コードを含むオペレータマスタから、操作中の個人と紐付く所属識別データ及び優先順位コードを取得し、(3)優先順位コードと優先順位パターンを含むコントロールマスタから、前記取得した優先順位コードと紐付く優先順位パターンで最も高い優先順位の分岐区分を取得し、(4)前記(1)で制御情報を取得できた場合、当該取得できた制御情報に従った表示をし、前記(1)で制御情報を取得できなかった場合、前記(3)で取得した分岐区分に基づいて取得した制御情報に従った表示をする。
前記制御内容取得手段で前記制御内容識別データを取得できなかった場合、前記制御単位取得手段が、前記優先順位設定マスタから、前記取得した優先順位パターンにおいて次に高い優先順位が付された前記制御単位識別データを取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の画面表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る画面表示制御装置、画面表示制御方法および画面表示制御プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
近年、ユーザごとに表示項目の選択や配列を画面制御情報として設定および記憶することにより、ユーザごとの業務要件に対する利便性を提供することが可能であるが、表示項目選択や配列変更は各ユーザが各々行う必要がある。ユーザごとに個別設定できることは非常に有益であると考えられるが、表示必要内容は、会社、業務または部署ごとに類似性が高いと思われるので、同様の手間を多くのユーザが実行しなければならないことは非効率的である。このため、予め想定し用意した設定パターンを自動的に判断し適用することで、より効率化を図ることができると考えられるが、従来においては、この自動化を実現できていなかった。
【0016】
そこで、本実施形態においては、例えば、ユーザがシステムを利用開始するにあたり、入力、帳票および照会等の画面制御についての利便性を考慮し、優先順位付け(部門や使用頻度の高いメンバー等)により、内部的に判断し、初期情報を提供できるようにした。このため、例えば、システムに触れるメンバーの入れ替わりが激しい業界において初めてシステムに触れるメンバーが、システムの設定が整っている状態から操作をスタートできるようになる。また、本実施形態においては、例えば、初期制御情報に対するユーザ個別の変更も可能とし、変更された情報についてはユーザ個別の画面制御情報として保存を行えるようにした。そして、本実施形態においては、例えば、個別に変更された任意の画面制御情報の複写や初期化も可能とした。
【0017】
前段落で説明した初期情報の提供は、例えば、
(1)入力処理、印刷処理および照会処理における条件入力項目について、当該入力項目の初期値表示設定およびスキップ設定を画面制御情報として管理することや、
(2)照会処理における表示項目について、当該表示項目の選択・配列設定、表示幅設定および明細表示順設定を画面制御情報として管理すること
等によって行うことができる。これらの設定は、様々な単位により行うことが可能であり、例えば、担当業務単位、担当職制単位、担当部門単位、担当事業所単位および担当会社単位等により行うことが可能である。本実施形態は、これらの単位のうちどれを優先するかを設定可能である点(参照優先順位の制御が可能である点)に特徴がある。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0018】
[2.構成]
本実施形態に係る画面表示制御装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、画面表示制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
画面表示制御装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、画面表示制御装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0020】
画面表示制御装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。画面表示制御装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、画面表示制御装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、画面表示制御装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106は、例えば、表示制御設定マスタとしての初期画面設定マスタ106aと、個人情報設定マスタとしてのオペレータマスタ106bと、優先順位設定マスタとしての優先順位コントロールマスタ106cと、を備えている。なお、各マスタにおける項目の一例は、
図2に示すとおりである。
【0025】
初期画面設定マスタ106aは、
図4に示すように、例えば、画面の表示を制御する単位である制御単位を識別するための制御単位識別データ(分岐区分)と、個人を識別するための個人識別データ(ユーザID)または前記個人の所属を識別するための所属識別データ(部門コードおよび事業所コード)と、起動プログラムを識別するためのプログラム識別データ(プログラムID)と、前記画面の前記表示の前記制御の内容を識別するための制御内容識別データ(画面制御情報)と、等を含む。
【0026】
前記制御単位識別データ(分岐区分)は、大まかに、個人の単位を意味する分岐区分「1:ユーザID」と所属の単位を意味する分岐区分とに分けられる。所属の単位を意味する分岐区分としては、例えば、担当業務の単位を意味する分岐区分、担当職制の単位を意味する分岐区分、担当部門の単位を意味する分岐区分「2:部門ID」、担当事業所の単位を意味する分岐区分「3:事業所ID」および担当会社の単位を意味する分岐区分等が挙げられる。初期画面設定マスタ106aにおいては、前記分岐区分が「1」の場合のみ、特定のユーザを設定可能である。
【0027】
前記所属識別データは、前記個人の所属を識別する情報であれば如何なるものであってもよいが、例えば、前記個人が所属する業務を識別するための業務識別データ(業務ID)、前記ユーザが所属する職制を識別するための職制識別データ(職制ID)、前記個人が所属する部門を識別するための部門識別データ(部門ID)、前記個人が所属する事業所を識別するための事業所識別データ(事業所ID)および前記個人が所属する会社を識別するための会社識別データ(会社ID)等が挙げられる。
【0028】
前記起動プログラムは、画面の表示を伴うプログラムであれば如何なるものであってもよいが、例えば、受注入力のプログラムおよび売上入力のプログラム等が挙げられる。
【0029】
前記制御内容識別データ(画面制御情報)とは、例えば、入力処理、印刷処理および照会処理等における条件入力項目についての初期値表示設定およびスキップ設定等を意味し、または、照会処理等における表示項目についての選択・配列設定、表示幅設定および明細表示順設定等を意味する。
【0030】
オペレータマスタ106bは、
図5に示すように、例えば、前記個人識別データ(ユーザIDおよび名称)と、前記所属識別データ(事業所および部門)と、複数の前記制御単位に対する優先順位の付し方に関するパターンである優先順位パターンを識別するための優先順位パターン識別データ(優先順位コード)と、等を含む。当該優先順位コードの詳細については、以下の優先順位コントロールマスタ106cの説明箇所において説明する。
【0031】
優先順位コントロールマスタ106cは、
図6に示すように、例えば、前記優先順位パターン識別データ(優先順位コード)と、前記優先順位がそれぞれ付された複数の前記制御単位識別データ(分岐区分)を含む前記優先順位パターンと、等を含む。
【0032】
優先順位コントロールマスタ106cにおける設定の意味を
図6に沿って説明する。
図6の例では、「『分岐区分=1:ユーザID』に対して優先順位1、『分岐区分=2:部門ID』に対して優先順位2、『分岐区分=3:事業所ID』に対して優先順位3」という前記優先順位パターンは、前記優先順位コード「01」により定義されている。このため、あるユーザについての優先順位コードが「01」の場合には、ユーザ個人単位で設定された画面表示を最も優先して行い、できない場合には部門単位で設定された画面表示を次に優先して行い、更にできない場合には事業所単位で設定された画面表示を行うということとなる。これに対して、
図6の例では、「『分岐区分=3:事業所ID』に対して優先順位1、『分岐区分=2:部門ID』に対して優先順位2、『分岐区分=1:ユーザID』に対しては優先順位3」という前記優先順位パターンは、前記優先順位コード「02」により定義されている。このため、あるユーザについての優先順位コードが「02」の場合には、事業所単位で設定された画面表示を最も優先して行い、できない場合には部門単位で設定された画面表示を次に優先して行い、更にできない場合にはユーザ個人単位で設定された画面表示を行うということとなる。
【0033】
制御部102は、画面表示制御装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0034】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)画面の表示を制御する単位である制御単位を識別するための制御単位識別データと、個人を識別するための個人識別データまたは前記個人の所属を識別するための所属識別データと、前記画面の前記表示の前記制御の内容を識別するための制御内容識別データと、を含む表示制御設定マスタから、個人の単位を意味する前記制御単位識別データおよび操作中の前記個人の前記個人識別データと紐付く制御内容識別データを取得できるかできないかを判定する判定手段としての判定部102aと、(2)前記判定手段で取得できないと判定した場合、前記個人識別データと、前記所属識別データと、複数の前記制御単位に対する優先順位の付し方に関するパターンである優先順位パターンを識別するための優先順位パターン識別データと、を含む個人情報設定マスタから、前記操作中の前記個人についての前記個人識別データと紐付く所属識別データおよび優先順位パターン識別データを取得する優先順位パターン等取得手段としての優先順位パターン等取得部102bと、(3)前記優先順位パターン識別データと、前記優先順位がそれぞれ付された複数の前記制御単位識別データを含む前記優先順位パターンと、を含む優先順位設定マスタから、前記優先順位パターン等取得手段で取得した優先順位パターン識別データと紐付く優先順位パターンを取得し、当該取得した優先順位パターンにおいて最も高い優先順位が付された前記制御単位識別データを取得する制御単位取得手段としての制御単位取得部102cと、(4)前記判定手段で取得できると判定した場合には、前記表示制御設定マスタから、前記紐付く制御内容識別データを取得し、前記制御単位取得手段で取得した前記制御単位識別データが前記個人の単位を意味するものである場合には、前記表示制御設定マスタから、当該取得した個人の単位を意味する制御単位識別データと紐付く制御内容識別データを取得し、前記制御単位取得手段で取得した前記制御単位識別データが前記所属の単位を意味するものである場合には、前記表示制御設定マスタから、当該取得した所属の単位を意味する制御単位識別データおよび前記優先順位パターン等取得手段で取得した前記所属識別データと紐付く前記制御内容識別データを取得する制御内容取得手段としての制御内容取得部102dと、(5)前記制御内容取得手段で取得した前記制御内容識別データで特定される制御内容に従った前記画面の前記表示を実行する表示実行手段としての表示実行部102eと、を備えている。
【0035】
判定部102aは、前記制御単位識別データ(分岐区分)と、前記個人識別データ(ユーザID)または前記所属識別データ(部門コードまたは事業所コード)と、前記制御内容識別データ(画面制御情報)と、を含む初期画面設定マスタ106aから、個人の単位を意味する前記制御単位識別データ(分岐区分「1」)および操作中の前記個人の前記個人識別データ(ユーザID)と紐付く制御内容識別データ(画面制御情報)を取得できるかできないかを判定する。
【0036】
優先順位パターン等取得部102bは、判定部102aで取得できないと判定した場合、前記個人識別データ(ユーザID)と、前記所属識別データ(部門コードまたは事業所コード)と、前記優先順位パターン識別データ(優先順位コード)と、を含むオペレータマスタ106bから、前記操作中の前記個人についての前記個人識別データ(ユーザID)と紐付く所属識別データ(部門コードまたは事業所コード)および優先順位パターン識別データ(優先順位コード)を取得する。
【0037】
制御単位取得部102cは、前記優先順位パターン識別データ(優先順位コード)と、前記優先順位がそれぞれ付された複数の前記制御単位識別データ(分岐区分)を含む前記優先順位パターンと、を含む優先順位コントロールマスタ106cから、優先順位パターン等取得部102bで取得した優先順位パターン識別データ(優先順位コード)と紐付く前記優先順位パターンを取得し、当該取得した優先順位パターンにおいて最も高い優先順位が付された前記制御単位識別データ(分岐区分)を取得する。
【0038】
制御内容取得部102dは、判定部102aで取得できると判定した場合には、初期画面設定マスタ106aから、前記紐付く制御内容識別データ(画面制御情報)を取得する。また、制御内容取得部102dは、判定部102aで取得できないと判定し、かつ、制御単位取得部102cで取得した制御単位識別データ(分岐区分)が前記個人の単位を意味するもの(分岐区分「1」)である場合には、初期画面設定マスタ106aから、当該取得した個人の単位を意味する制御単位識別データ(分岐区分「1」)と紐付く制御内容識別データ(画面制御情報)を取得する。そして、制御内容取得部102dは、判定部102aで取得できないと判定し、かつ、制御単位取得部102cで取得した前記制御単位識別データ(分岐区分)が前記所属の単位を意味するもの(分岐区分「2」または「3」)である場合には、初期画面設定マスタ106aから、当該取得した所属の単位を意味する制御単位識別データ(分岐区分「2」または「3」)および優先順位パターン等取得部102bで取得した前記所属識別データ(部門コードまたは事業所コード)と紐付く前記制御内容識別データ(画面制御情報)を取得する。
【0039】
なお、制御内容取得部102dで前記制御内容識別データ(画面制御情報)を取得できなかった場合、制御単位取得部102cは、優先順位コントロールマスタ106cから、前記取得した優先順位パターンにおいて次に高い優先順位が付された前記制御単位識別データ(分岐区分)を取得し、続けて、制御内容取得部102dは、当該取得した分岐区分を用いて前段落で説明した処理を実行する。このようにして、制御単位取得部102cは、より高い優先順位が付された前記制御単位識別データ(分岐区分)から順に前記制御単位識別データ(分岐区分)を取得する処理を、制御内容取得部102dが前記制御内容識別データ(画面制御情報)を取得できるまで繰り返す。
【0040】
表示実行部102eは、制御内容取得部102dで取得した前記制御内容識別データ(画面制御情報)で特定される制御内容に従った前記画面の前記表示を実行する。
【0041】
[3.処理の詳細]
本項目では、本実施形態に係る処理の詳細を説明する。処理フローの概要としては、
図3に示すように、画面起動後、個人情報設定ありの場合には、個人情報設定に基づいた初期表示が行われる。これに対して、
図3に示すように、個人情報設定なしの場合には、ユーザの事業所や部門によって初期提供する画面設定を自動的に判断した上で、初期表示が行われる。なお、個人情報設定なしの場合には、他ユーザの設定を選択することも可能である。
【0042】
本実施形態に係る初期表示は、以下の(0)〜(5)のフローに沿って実行される。
(0)判定部102aが、初期画面設定マスタ106aを、「分岐区分:1、ID:自オペレータID、プログラムID:起動プログラム」で参照し、前記画面制御情報を取得できた場合、当該画面制御情報の内容に基づいた初期表示が行われる(個人設定情報の参照)。これに対して、判定部102aが、前記画面制御情報を取得できなかった場合、「個人情報設定なし」として、以下の(1)〜(5)に示す手順で前記画面制御情報の取得が行われる。
(1)優先順位パターン等取得部102bが、オペレータマスタ106bに登録されている優先順位コードを取得し、続けて、制御単位取得部102cが、優先順位コントロールマスタ106cを参照する。
(2)制御単位取得部102cが、(2)で取得した前記優先順位コードから、優先順位が最も高い分岐区分を取得する。
(3)制御内容取得部102dが、(3)で取得した前記分岐区分より、初期画面設定マスタ106aを参照し、前記画面制御情報を取得する。表示実行部102eは、当該取得した画面制御情報に基づいて初期表示を実行する。
(4)制御内容取得部102dが(3)で前記画面制御情報を取得できない場合、(2)に戻り、制御単位取得部102cが、優先順位コントロールマスタ106cを参照して、優先順位が次に高い分岐区分を取得する。
(5)以上の処理を繰返し、制御内容取得部102dが前記前記画面制御情報を一件も取得できない場合には、表示実行部102eは、プログラムで用意された制御に従い初期表示を実行する。
【0043】
なお、本実施形態においては、初期表示とは別に、初期画面設定の複写および初期画面設定の初期化も行うことができる。
【0044】
前記初期画面設定の複写とは、初期画面表示後に、特定のユーザ・部門・事業所の設定を複写することを可能とする機能である。画面に別途用意する(画面上のコントロールまたはファンクションボタン割当等)、「初期画面情報複写ボタン(以下、「複写ボタン」という。)」の押下により、複写元分岐区分およびIDの入力を行うサブ画面を表示する。入力された分岐区分およびIDにより、初期画面設定マスタ106aを参照し、前記画面制御情報を取得する。
【0045】
前記初期画面設定の初期化とは、初期画面表示後に、画面初期化を可能とする機能である。初期化ボタンの押下により、「個人設定情報なし」扱いで、
図3に示すフローを実行する。「初期化ボタン」は「複写ボタン」と兼用し、複写入力画面に配置しても良い。
【0046】
初期表示の説明に戻り、以下、本実施形態に係る初期表示の具体例として、ユーザID100、200、300および400の4人のユーザについての画面の初期表示がどのように行われるかを、項目立てて説明する。なお、初期画面設定マスタ106aは
図4に示す内容で、オペレータマスタ106bは
図5に示す内容で、優先順位コントロールマスタ106cは
図6に示す内容で設定されているものと仮定して、説明を進める。
【0047】
[3−1.ユーザID:100のユーザの場合]
最初に、ユーザID:100のユーザ(山田さん)についての画面の初期表示について、
図4〜
図7を用いて説明する。
【0048】
まず、判定部102aは、
図4の初期画面設定マスタ106aを参照し、分岐区分「1」かつユーザID「100」のレコードは存在しないため、画面制御情報を取得できないと判定する。このため、「個人情報設定なし」のフローへと進む。
【0049】
次に、優先順位パターン等取得部102bは、
図5のオペレータマスタ106bから、ユーザID「100」と紐付く情報として、事業所コード「2」、部門コード「211」および優先順位コード「01」を取得する。
【0050】
次に、制御単位取得部102cは、
図6の優先順位コントロールマスタ106cの優先順位コード「01」において、最も高い優先順位「1」が付された分岐区分である「1」を取得する。
【0051】
次に、制御内容取得部102dは、
図4の初期画面設定マスタ106aから、分岐区分「1」と紐付く画面制御情報「A」を取得する。
【0052】
最後に、表示実行部102eは、画面制御情報「A」に従った初期表示を実行する。
図7に、当該初期表示の画面を示す。
図7からわかるように、画面制御情報「A」は、デフォルトに対応するため、初期表示される内容は限られている。
【0053】
[3−2.ユーザID:200のユーザの場合]
次に、ユーザID:200のユーザ(鈴木さん)についての画面の初期表示について、
図4〜
図6を用いて説明する。
【0054】
まず、判定部102aは、
図4の初期画面設定マスタ106aを参照し、分岐区分「1」かつユーザID「200」のレコードは存在しないため、画面制御情報を取得できないと判定する。このため、「個人情報設定なし」のフローへと進む。
【0055】
次に、優先順位パターン等取得部102bは、
図5のオペレータマスタ106bから、ユーザID「200」と紐付く情報として、事業所コード「2」、部門コード「212」および優先順位コード「02」を取得する。
【0056】
次に、制御単位取得部102cは、
図6の優先順位コントロールマスタ106cの優先順位コード「02」において、最も高い優先順位「1」が付された分岐区分である「3」を取得する。
【0057】
次に、制御内容取得部102dは、
図4の初期画面設定マスタ106aから、分岐区分「3」および事業所コード「2」と紐付く画面制御情報「C−1」を取得する。
【0058】
最後に、表示実行部102eは、画面制御情報「C−1」に従った初期表示を実行する。
【0059】
[3−3.ユーザID:300のユーザの場合]
次に、ユーザID:300のユーザ(佐藤さん)についての画面の初期表示について、
図4〜
図6および
図8を用いて説明する。
【0060】
まず、判定部102aは、
図4の初期画面設定マスタ106aを参照し、分岐区分「1」かつユーザID「300」のレコードは存在しないため、画面制御情報を取得できないと判定する。このため、「個人情報設定なし」のフローへと進む。
【0061】
次に、優先順位パターン等取得部102bは、
図5のオペレータマスタ106bから、ユーザID「300」と紐付く情報として、事業所コード「3」、部門コード「311」および優先順位コード「02」を取得する。
【0062】
次に、制御単位取得部102cは、
図6の優先順位コントロールマスタ106cの優先順位コード「02」において、最も高い優先順位「1」が付された分岐区分である「3」を取得する。
【0063】
次に、制御内容取得部102dは、
図4の初期画面設定マスタ106aから、分岐区分「3」および事業所コード「3」と紐付く画面制御情報を取得しようとするが、このような画面制御情報は存在しないため、画面制御情報を取得できない。
【0064】
この場合、制御単位取得部102cは、
図6の優先順位コントロールマスタ106cの優先順位コード「02」において、次に高い優先順位「2」が付された分岐区分である「2」を取得する。
【0065】
次に、制御内容取得部102dは、
図4の初期画面設定マスタ106aから、分岐区分「2」および部門コード「311」と紐付く画面制御情報「B−2」を取得する。
【0066】
最後に、表示実行部102eは、画面制御情報「B−2」に従った初期表示を実行する。
図8に、当該初期表示の画面を示す。
図8からわかるように、画面制御情報「B−2」は、分岐区分「2:部門」に対応するため、詳細な内容を初期表示することができる。
【0067】
[3−4.ユーザID:400のユーザの場合]
最後に、ユーザID:400のユーザ(田中さん)についての画面の初期表示について、
図4〜
図6を用いて説明する。
【0068】
まず、判定部102aは、
図4の初期画面設定マスタ106aを参照し、分岐区分「1」およびユーザID「400」のレコードが存在するため、画面制御情報を取得できると判定する。このため、「個人情報設定あり」のフローへと進む。判定部102aは、
図4の初期画面設定マスタ106aから、分岐区分「1」およびユーザID「400」と紐付く画面制御情報「A−1」を取得する。
【0069】
次に、表示実行部102eは、画面制御情報「A−1」に従った初期表示を実行する。
【0070】
[4.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る画面表示制御装置100によれば、各ユーザに応じた適切な単位(例えば、個人単位、部門単位および事業所単位等)で画面の表示を制御することができる。
【0071】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0072】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0073】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0074】
また、画面表示制御装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0075】
例えば、画面表示制御装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて画面表示制御装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0076】
また、このコンピュータプログラムは、画面表示制御装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0077】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0078】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0079】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0080】
また、画面表示制御装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、画面表示制御装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0081】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。