【解決手段】本実施形態によれば、1)受注情報テーブルから所定の受注店(例:「東京輸送課」)に紐付くレコードを取得し、2)取得したレコード中の受注番号を用いて輸送予定データテーブルから当該受注番号に紐付くレコードを取得し、3)2)で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて営業所予定原価情報テーブルから当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得し、4)2)で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて輸送実績データテーブルから当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得し、5)4)で取得したレコード中の輸送実績番号を用いて営業所原価情報テーブルから当該輸送実績番号に紐付くレコードを取得し、6)取得した各レコードの情報を進捗確認画面に出力する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る進捗管理装置の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.構成]
本実施形態に係る進捗管理装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、進捗管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
進捗管理装置100は、パーソナルコンピュータ(PC)201〜208とネットワーク300を介して通信可能に接続されている。進捗管理装置100は、例えば、ネットワーク300に接続されている各PCからのリクエストに応じて、PCによる各種入力画面上での情報の入力を受け付け、受け付けた情報を記憶部106内にある各種テーブルで管理する。ここで、PC201は、物流会社(本発明の組織集団に相当)を構成する、荷主から荷受人までの荷物の輸送作業の受注を行う受注店(本発明の受注担当組織に相当)で使用されるものである。PC202〜208は、物流会社を構成する、受注した輸送作業を分担して行う各営業所であって分担された部分輸送作業を自営業所または外注で行うもの(本発明の作業担当組織に相当)で使用されるものである。なお、PCの台数は、
図1に示した8台に限定されるものではない。
【0020】
進捗管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、進捗管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型進捗管理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型進捗管理装置を基に構築したものであってもよい。
【0021】
進捗管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。進捗管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、進捗管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、進捗管理装置100とPC201〜208とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0025】
記憶部106には、受注情報テーブル106a、請求情報テーブル106b、受注店設定原価情報テーブル106c、輸送予定データテーブル106d、営業所予定原価情報テーブル106e、輸送実績データテーブル106fおよび営業所原価情報テーブル106gなどが格納される。
【0026】
図2は、受注情報テーブル106aの一例を示す図である。受注情報テーブル106aは、本発明の受注管理データに相当するものである。受注情報テーブル106aは、受注識別情報(例えば受注番号など)と、受注店識別情報(例えば受注店の名称など)と、を含む。
【0027】
図3は、請求情報テーブル106bの一例を示す図である。請求情報テーブル106bは、受注識別情報と、受注店識別情報と、請求項目情報(例えば請求項目の名称など)と、受注店が請求先(例えば荷主など)に請求する請求金額と、を含む。
【0028】
図4は、受注店設定原価情報テーブル106cの一例を示す図である。受注店設定原価情報テーブル106cは、受注識別情報と、受注店識別情報または営業所識別情報(例えば営業所の名称など)と、原価項目情報(例えば原価項目の名称など)と、受注店において受注に伴う原価または社内原価として認識される原価金額と、を含む。
【0029】
図5は、輸送予定データテーブル106dの一例を示す図である。輸送予定データテーブル106dは、本発明の第一作業管理データに相当するものである。輸送予定データテーブル106dは、実施予定の部分輸送作業に割り当てられた輸送予定識別情報(例えば輸送予定番号など)と、営業所識別情報と、受注識別情報と、を含む。
【0030】
図6は、営業所予定原価情報テーブル106eの一例を示す図である。営業所予定原価情報テーブル106eは、本発明の第一原価管理データに相当するものである。営業所予定原価情報テーブル106eは、輸送予定識別情報と、営業所において部分輸送作業に伴う原価として認識される予定の原価金額(予定原価金額)と、を含む。
【0031】
図7は、輸送実績データテーブル106fの一例を示す図である。輸送実績データテーブル106fは、本発明の第二作業管理データに相当するものである。輸送実績データテーブル106fは、実施済みの部分輸送作業に割り当てられた輸送実績識別情報(例えば輸送実績番号など)と、輸送予定識別情報と、を含む。
【0032】
図8は、営業所原価情報テーブル106gの一例を示す図である。営業所原価情報テーブル106gは、本発明の第二原価管理データに相当するものである。営業所原価情報テーブル106gは、輸送実績識別情報と、営業所において部分輸送作業に伴う原価として認識された結果の原価金額(実際原価金額)と、を含む。
【0033】
図1に戻り、制御部102は、進捗管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0034】
制御部102は、機能概念的に、本発明の受注取得手段、予定作業取得手段、第一原価取得手段、実施作業取得手段および第二原価取得手段を含む取得部102aと、本発明の出力実行手段に相当する出力実行部102bなどを備える。
【0035】
取得部102aは、例えば「出力装置114に表示されている進捗確認画面に含まれる、進捗確認対象の受注担当組織を設定させるための領域(図示せず)に、受注担当組織が設定された場合」に(具体的には当該設定がなされたことを契機に)、以下の[11]から[15]の処理を実行する。
【0036】
[11]受注情報テーブル106aから、所定の受注担当組織(設定された受注担当組織)に紐付く受注識別情報を取得する。
[12][11]の処理で受注識別情報が取得できた場合、輸送予定データテーブル106dから、当該取得できた受注識別情報に紐付く実施予定の部分輸送作業を取得する(当該取得できた受注識別情報に紐付く作業担当組織をさらに取得してもよい)。
[13][12]の処理で実施予定の部分輸送作業が取得できた場合、営業所予定原価情報テーブル106eから、当該取得できた実施予定の部分輸送作業に紐付く第一の原価金額を取得する
※1。
[14][12]の処理で実施予定の部分輸送作業が取得できた場合、輸送実績データテーブル106fから、当該取得できた実施予定の部分輸送作業に紐付く実施済みの部分輸送作業を取得する
※1。
[15][14]の処理で実施済みの部分輸送作業が取得できた場合、営業所原価情報テーブル106gから、当該取得できた実施済みの部分輸送作業に紐付く第二の原価金額を取得する。
※1:[13]の処理と[14]の処理の実行順序は任意。
【0037】
取得部102aは、例えば「出力装置114に表示されている進捗確認画面に含まれる、進捗確認対象の作業担当組織を設定させるための領域(図示せず)に、作業担当組織が設定された場合」に(具体的には当該設定がなされたことを契機に)、以下の[21]から[24]の処理を実行する。
【0038】
[21]輸送予定データテーブル106dから、所定の作業担当組織(設定された作業担当組織)に紐付く実施予定の部分輸送作業を取得する(当該所定の作業担当組織に紐付く受注識別情報をさらに取得してもよい
※2)。
[22][21]の処理で実施予定の部分輸送作業が取得できた場合、営業所予定原価情報テーブル106eから、当該取得できた実施予定の部分輸送作業に紐付く第一の原価金額を取得する
※3。
[23][21]の処理で実施予定の部分輸送作業が取得できた場合、輸送実績データテーブル106fから、当該取得できた実施予定の部分輸送作業に紐付く実施済みの部分輸送作業を取得する
※3。
[24][23]の処理で実施済みの部分輸送作業が取得できた場合、営業所原価情報テーブル106gから、当該取得できた実施済みの部分輸送作業に紐付く第二の原価金額を取得する。
※2:[21]の処理において受注識別情報がさらに取得できた場合、受注情報テーブル106aから、当該取得できた受注識別情報に紐付く受注担当組織をさらに取得してもよい。
※3:[22]の処理と[23]の処理の実行順序は任意。
【0039】
出力実行部102bは、取得部102aで取得できた情報を、出力装置114に表示されている進捗確認画面に出力する。
【0040】
制御部102を構成する各処理部が実行する処理の具体例については、以下に詳細に説明する。
【0041】
[2.処理の具体例]
ここでは、進捗管理装置100で実行される処理の具体例について、以下の[2−2]および[2−3]ならびに[2−5]および[2−6]にて詳細に説明する。なお、以下の[2−2]および[2−3]の説明に入る前に、当該説明の前提となる事項について、以下の[2−1]にて詳細に説明し、以下の[2−5]および[2−6]の説明に入る前に、当該説明の前提となる事項について、以下の[2−4]にて詳細に説明する。
【0042】
[2−1.前提事項1]
本具体例の説明では、4種類の荷物A、B、C、Dをそれぞれ輸送する輸送作業について、当該輸送作業の受注を東京輸送課が行い、実際の輸送作業は東京営業所、北関東営業所、宮城営業所、第2東京営業所、栃木営業所、南関東営業所、および神奈川営業所の7つの営業所へ社内委託する場合を考える。各荷物について、輸送する順序は、以下の通りである。また、荷物Aは東京輸送課にて梱包作業が行われるものとする。使用するコンピュータは、東京輸送課がPC201、東京営業所がPC202、北関東営業所がPC203、宮城営業所がPC204、第2東京営業所がPC205、栃木営業所がPC206、南関東営業所がPC207、神奈川営業所がPC208であり、東京輸送課や各営業所で行われるデータ入力や進捗確認は、これらのコンピュータを用いて行われる。
・荷物A:(1)東京営業所、(2)北関東営業所、(3)宮城営業所
・荷物B:(1)東京営業所、(2)第2東京営業所、(3)栃木営業所
・荷物C:(1)南関東営業所、(2)神奈川営業所
・荷物D:(1)南関東営業所
【0043】
受注を行った東京輸送課は、受注情報テーブル106a、請求情報テーブル106b、受注店設定原価情報テーブル106cおよび輸送予定データテーブル106dのそれぞれにデータを入力する。本具体例の説明では、データが
図2から
図5で示すように入力されたものとする。
【0044】
[2−2.受注入力が行われた時点における東京輸送課視点での進捗確認の具体例(
図9,11)]
ここでは、受注入力が行われた時点において東京輸送課視点で進捗を確認する場合に進捗管理装置100で実行される処理の具体例について説明する。なお、本説明では、進捗確認対象である「東京輸送課」という情報が、例えば進捗確認画面が表示されているPC201から取得されているものとする。
【0045】
まず、取得部102aは、「東京輸送課」という情報を用いて、受注情報テーブル106aから、当該情報に紐付くレコードを取得する(ステップSA1)。本説明では、以下の4つのレコードが取得される。
・受注番号「JU001」,受注店「東京輸送課」
・受注番号「JU002」,受注店「東京輸送課」
・受注番号「JU003」,受注店「東京輸送課」
・受注番号「JU004」,受注店「東京輸送課」
【0046】
つぎに、取得部102aは、ステップSA1で取得したレコード中の受注番号を用いて、輸送予定データテーブル106dから、当該受注番号に紐付くレコードを取得する(ステップSA2)。本説明では、以下の9つのレコードが取得される。
・輸送予定番号「HA0011」,営業所「東京営業所」,受注番号「JU001」
・輸送予定番号「HA0012」,営業所「北関東営業所」,受注番号「JU001」
・輸送予定番号「HA0013」,営業所「宮城営業所」,受注番号「JU001」
・輸送予定番号「HA0021」,営業所「東京営業所」,受注番号「JU002」
・輸送予定番号「HA0022」,営業所「第2東京営業所」,受注番号「JU002」
・輸送予定番号「HA0023」,営業所「栃木営業所」,受注番号「JU002」
・輸送予定番号「HA0031」,営業所「南関東営業所」,受注番号「JU003」
・輸送予定番号「HA0032」,営業所「神奈川営業所」,受注番号「JU003」
・輸送予定番号「HA0041」,営業所「南関東営業所」,受注番号「JU004」
【0047】
つぎに、取得部102aは、ステップSA2で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて、営業所予定原価情報テーブル106eから、当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得する(ステップSA3)。本説明では、営業所予定原価情報テーブル106eに当該輸送予定番号に紐付くレコードが存在しない(登録されていない)ことを前提としているため、ステップSA3ではレコードは取得されない。
【0048】
つぎに、取得部102aは、ステップSA2で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて、輸送実績データテーブル106fから、当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得する(ステップSA4)。本説明では、輸送実績データテーブル106fに当該輸送予定番号に紐付くレコードが存在しない(登録されていない)ことを前提としているため、ステップSA4ではレコードは取得されない。
【0049】
つぎに、取得部102aは、ステップSA4で取得したレコード中の輸送実績番号を用いて、営業所原価情報テーブル106gから、当該輸送実績番号に紐付くレコードを取得する(ステップSA5)。本説明では、ステップSA4でレコードが取得されないことを前提としているため、ステップSA5でもレコードは取得されない。
【0050】
つぎに、出力実行部102bは、各ステップで取得できた各レコード等を用いて、進捗確認画面MA(
図11)に情報を出力する(ステップSA6)。具体的には、出力実行部102bは、取得できたレコードを結合した計9つのレコードの情報を、
図11に示すように出力する。
【0051】
以上の処理の結果、進捗確認画面MAから、作業予定金額が入力されていないので、東京輸送課は、どの営業所でも輸送作業に未着手であると判断できる。
【0052】
[2−3.受注入力が行われた時点における東京営業所視点での進捗確認の具体例(
図10,12)]
ここでは、受注入力が行われた時点において東京営業所視点で進捗を確認する場合に進捗管理装置100で実行される処理の具体例について説明する。なお、本説明では、進捗確認対象である「東京営業所」という情報が、例えば進捗確認画面が表示されているPC202から取得されているものとする。
【0053】
まず、取得部102aは、「東京営業所」という情報を用いて、輸送予定データテーブル106dから、当該情報に紐付くレコードを取得する(ステップSB1)。本説明では、以下の2つのレコードが取得される。
・輸送予定番号「HA0011」,営業所「東京営業所」,受注番号「JU001」
・輸送予定番号「HA0021」,営業所「東京営業所」,受注番号「JU002」
【0054】
つぎに、取得部102aは、ステップSB1で取得したレコード中の受注番号を用いて、受注情報テーブル106aから、当該受注番号に紐付くレコードを取得する(ステップSB2)。本説明では、以下の2つのレコードが取得される。
・受注番号「JU001」,受注店「東京輸送課」
・受注番号「JU002」,受注店「東京輸送課」
【0055】
つぎに、取得部102aは、ステップSB1で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて、営業所予定原価情報テーブル106eから、当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得する(ステップSB3)。本説明では、営業所予定原価情報テーブル106eに当該輸送予定番号に紐付くレコードが存在しない(登録されていない)ことを前提としているため、ステップSB3ではレコードは取得されない。
【0056】
つぎに、取得部102aは、ステップSB1で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて、輸送実績データテーブル106fから、当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得する(ステップSB4)。本説明では、輸送実績データテーブル106fに当該輸送予定番号に紐付くレコードが存在しない(登録されていない)ことを前提としているため、ステップSB4ではレコードは取得されない。
【0057】
つぎに、取得部102aは、ステップSB4で取得したレコード中の輸送実績番号を用いて、営業所原価情報テーブル106gから、当該輸送実績番号に紐付くレコードを取得する(ステップSB5)。本説明では、ステップSB4でレコードが取得されないことを前提としているため、ステップSB5でもレコードは取得されない。
【0058】
つぎに、出力実行部102bは、各ステップで取得できた各レコード等を用いて、進捗確認画面MB(
図12)に情報を出力する(ステップSB6)。具体的には、出力実行部102bは、取得できたレコードを結合した計2つのレコードの情報を、
図12に示すように出力する。
【0059】
以上の処理の結果、進捗確認画面MBから、作業予定金額が入力されていないので、東京営業所は、入力されていない作業予定金額と同じ行にある輸送作業が未着手であり、その手配が必要であると判断できる。
【0060】
[2−4.前提事項2]
つぎに、データを入力し終えた東京輸送課から社内委託を受けた各営業所は、輸送作業を行い、営業所予定原価情報テーブル106e、輸送実績データテーブル106fおよび営業所原価情報テーブル106gのそれぞれにデータを入力する。本具体例の説明では、データが
図6から
図8で示すように入力されたものとする。なお、営業所予定原価情報テーブル106eに入力された金額は、各営業所での部分輸送作業で予定される原価金額であり、営業所原価情報テーブル106gに入力された原価金額が、各営業所での部分輸送作業で実際にかかった原価金額である。
【0061】
[2−5.各営業所の輸送作業が途中の時点における東京輸送課視点での進捗確認の具体例(
図9,13)]
ここでは、各営業所の輸送作業が途中の時点において東京輸送課視点で進捗を確認する場合に進捗管理装置100で実行される処理の具体例について説明する。なお、本説明では、進捗確認対象である「東京輸送課」という情報が、例えば進捗確認画面が表示されているPC201から取得されているものとする。
【0062】
まず、取得部102aは、「東京輸送課」という情報を用いて、受注情報テーブル106aから、当該情報に紐付くレコードを取得する(ステップSA1)。本説明では、以下の4つのレコードが取得される。
・受注番号「JU001」,受注店「東京輸送課」
・受注番号「JU002」,受注店「東京輸送課」
・受注番号「JU003」,受注店「東京輸送課」
・受注番号「JU004」,受注店「東京輸送課」
【0063】
つぎに、取得部102aは、ステップSA1で取得したレコード中の受注番号を用いて、輸送予定データテーブル106dから、当該受注番号に紐付くレコードを取得する(ステップSA2)。本説明では、以下の9つのレコードが取得される。
・輸送予定番号「HA0011」,営業所「東京営業所」,受注番号「JU001」
・輸送予定番号「HA0012」,営業所「北関東営業所」,受注番号「JU001」
・輸送予定番号「HA0013」,営業所「宮城営業所」,受注番号「JU001」
・輸送予定番号「HA0021」,営業所「東京営業所」,受注番号「JU002」
・輸送予定番号「HA0022」,営業所「第2東京営業所」,受注番号「JU002」
・輸送予定番号「HA0023」,営業所「栃木営業所」,受注番号「JU002」
・輸送予定番号「HA0031」,営業所「南関東営業所」,受注番号「JU003」
・輸送予定番号「HA0032」,営業所「神奈川営業所」,受注番号「JU003」
・輸送予定番号「HA0041」,営業所「南関東営業所」,受注番号「JU004」
【0064】
つぎに、取得部102aは、ステップSA2で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて、営業所予定原価情報テーブル106eから、当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得する(ステップSA3)。本説明では、以下の7つのレコードが取得される。また、本説明では、輸送予定番号「HA0031」に紐付くレコードと輸送予定番号「HA0032」に紐付くレコードが営業所予定原価情報テーブル106eに存在しない(登録されていない)ことを前提としているため、ステップSA3ではこれら各輸送予定番号に紐付くレコードは取得されない。
・輸送予定番号「HA0011」,原価金額「7,000円」
・輸送予定番号「HA0012」,原価金額「13,000円」
・輸送予定番号「HA0013」,原価金額「9,000円」
・輸送予定番号「HA0021」,原価金額「3,000円」
・輸送予定番号「HA0022」,原価金額「3,000円」
・輸送予定番号「HA0023」,原価金額「12,000円」
・輸送予定番号「HA0041」,原価金額「3,000円」
【0065】
つぎに、取得部102aは、ステップSA2で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて、輸送実績データテーブル106fから、当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得する(ステップSA4)。本説明では、以下の6つのレコードが取得される。また、本説明では、輸送予定番号「HA0013」に紐付くレコードと輸送予定番号「HA0031」に紐付くレコードと輸送予定番号「HA0032」に紐付くレコードが輸送実績データテーブル106fに存在しない(登録されていない)ことを前提としているため、ステップSA4ではこれら各輸送予定番号に紐付くレコードは取得されない。
・輸送実績番号「ZH0011」,輸送予定番号「HA0011」
・輸送実績番号「ZH0012」,輸送予定番号「HA0012」
・輸送実績番号「ZH0021」,輸送予定番号「HA0021」
・輸送実績番号「ZH0022」,輸送予定番号「HA0022」
・輸送実績番号「ZH0023」,輸送予定番号「HA0023」
・輸送実績番号「ZH0041」,輸送予定番号「HA0041」
【0066】
つぎに、取得部102aは、ステップSA4で取得したレコード中の輸送実績番号を用いて、営業所原価情報テーブル106gから、当該輸送実績番号に紐付くレコードを取得する(ステップSA5)。本説明では、以下の6つのレコードが取得される。
・輸送実績番号「ZH0011」,原価金額「7,000円」
・輸送実績番号「ZH0012」,原価金額「13,000円」
・輸送実績番号「ZH0021」,原価金額「3,000円」
・輸送実績番号「ZH0022」,原価金額「3,000円」
・輸送実績番号「ZH0023」,原価金額「12,000円」
・輸送実績番号「ZH0041」,原価金額「3,000円」
【0067】
つぎに、出力実行部102bは、各ステップ取得した各レコード等を用いて、進捗確認画面MC(
図13)に情報を出力する(ステップSA6)。具体的には、出力実行部102bは、取得できたレコードを結合した計9つのレコードの情報を、
図13に示すように出力する。
【0068】
以上の処理の結果、進捗確認画面MCの作業予定金額、輸送実績番号、原価金額の入力箇所から、東京輸送課は、輸送作業の進捗状況が以下の状況であると判断できる。
・荷物Aの輸送作業:(1)東京営業所、(2)北関東営業所では完了し、(3)宮城営業所では着手済みだが完了はしていない。
・荷物Bの輸送作業:(1)東京営業所、(2)第2東京営業所、(3)栃木営業所の全てで完了している。
・荷物Cの輸送作業:(1)南関東営業所、(2)神奈川営業所ともに未着手。
・荷物Dの輸送作業:(1)南関東営業所で完了している。
【0069】
[2−6.各営業所の輸送作業が途中の時点における東京営業所視点での進捗確認の具体例(
図10,14)]
ここでは、各営業所の輸送作業が途中の時点において東京営業所視点で進捗を確認する場合に進捗管理装置100で実行される処理の具体例について説明する。なお、本説明では、進捗確認対象である「東京営業所」という情報が、例えば進捗確認画面が表示されているPC202から取得されているものとする。
【0070】
まず、取得部102aは、「東京営業所」という情報を用いて、輸送予定データテーブル106dから、当該情報に紐付くレコードを取得する(ステップSB1)。本説明では、以下の2つのレコードが取得される。
・輸送予定番号「HA0011」,営業所「東京営業所」,受注番号「JU001」
・輸送予定番号「HA0021」,営業所「東京営業所」,受注番号「JU002」
【0071】
つぎに、取得部102aは、ステップSB1で取得したレコード中の受注番号を用いて、受注情報テーブル106aから、当該受注番号に紐付くレコードを取得する(ステップSB2)。本説明では、以下の2つのレコードが取得される。
・受注番号「JU001」,受注店「東京輸送課」
・受注番号「JU002」,受注店「東京輸送課」
【0072】
つぎに、取得部102aは、ステップSB1で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて、営業所予定原価情報テーブル106eから、当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得する(ステップSB3)。本説明では、以下の2つのレコードが取得される。
・輸送予定番号「HA0011」,原価金額「7,000円」
・輸送予定番号「HA0021」,原価金額「3,000円」
【0073】
つぎに、取得部102aは、ステップSB1で取得したレコード中の輸送予定番号を用いて、輸送実績データテーブル106fから、当該輸送予定番号に紐付くレコードを取得する(ステップSB4)。本説明では、以下の2つのレコードが取得される。
・輸送実績番号「ZH0011」,輸送予定番号「HA0011」
・輸送実績番号「ZH0021」,輸送予定番号「HA0021」
【0074】
つぎに、取得部102aは、ステップSB4で取得したレコード中の輸送実績番号を用いて、営業所原価情報テーブル106gから、当該輸送実績番号に紐付くレコードを取得する(ステップSB5)。本説明では、以下の2つのレコードが取得される。
・輸送実績番号「ZH0011」,原価金額「7,000円」
・輸送実績番号「ZH0021」,原価金額「3,000円」
【0075】
つぎに、出力実行部102bは、各ステップで取得できた各レコード等を用いて、進捗確認画面MD(
図14)に情報を出力する(ステップSB7)。具体的には、出力実行部102bは、取得できたレコードを結合した計2つのレコードの情報を、
図14に示すように出力する。
【0076】
以上の処理の結果、進捗確認画面MDから、作業予定金額、輸送実績番号、原価金額が全て入力されているので、東京営業所は、自分たちが担当する輸送作業は全て完了していると判断できる。
【0077】
[2−7.まとめ]
以上の処理から、輸送作業に伴う原価金額の入力状況を基軸として各事業所の輸送工程の進捗確認を行うことができる。具体的には、受注店単位や作業店単位といった目線から、受注情報と社内委託作業の情報を組み合わせて可視化することで、その作業予定金額や原価金額(下払金額)の入力状況を基軸として作業進捗を把握できる。なお、進捗の確認を行う時点は、本具体例に示した時点に限らず、他の時点で行ってもよい。また、進捗の確認は東京輸送課や東京営業所に限らず、他の営業所で行ってもよい。さらに、東京輸送課や各営業所を統括する本社においても、検索機能等を用いて
図11から
図14のような各組織の進捗確認画面を随時表示できるようにしてもよい。
【0078】
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0079】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0080】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0081】
また、進捗管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0082】
例えば、進捗管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて進捗管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0083】
また、このコンピュータプログラムは、進捗管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0084】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0085】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0086】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0087】
また、進捗管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、進捗管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0088】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。