【解決手段】情報処理装置は、消費者を識別するための第1データ、及び、購買行動に対して供与される情報を特定するための第2データ、を含むコードを取得する。情報処理装置は、取得したコードから第1データと第2データとを取得する。情報処理装置は、取得した第1データで識別される消費者に対し、当該第1データとともに取得した第2データで特定される情報を供与する。
前記第2取得手段で取得した前記第1データで識別される消費者が購入した商品のなかに、当該第1データとともに前記第2取得手段で取得した前記第2データで特定される商品が含まれていない場合に報知する報知手段、
をさらに具備する請求項4記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、情報処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態では、対面式のPOS端末を情報処理装置の一例とする。
【0010】
[第1の実施形態]
始めに、第1の実施形態について、
図1乃至
図13を用いて説明する。
図1は、情報処理装置としてのPOS端末10を含む情報処理システム100の概略構成図である。情報処理システム100は、POS端末10と、販促サーバ20と、第1の通信ネットワーク31とを含む。情報処理システム100は、第1の通信ネットワーク31に、POS端末10と販促サーバ20とを接続している。第1の通信ネットワーク31に接続されるPOS端末10の台数は、特に限定されるものではない。複数台のPOS端末10が第1の通信ネットワーク31に接続されてもよい。第1の通信ネットワーク31は、例えばLAN(Local Area Network)である。第1の通信ネットワーク31は、イントラネット、WAN(Wide Area Network)等の広域ネットワークを含んでいてもよい。
【0011】
POS端末10は、消費者が購入する商品の販売データを登録処理して商取引の決済金額を算出する機能と、その決済金額に対する消費者の代金支払いを処理して商取引を決済する機能と、を有する。POS端末10は、典型的には、店舗のレジ(会計場)に設置されている。
【0012】
販促サーバ20は、POS端末10を介して消費者に販促サービスを提供することに特化したサーバ用コンピュータである。販促サービスは、ポイント付与サービスを含む。ポイント付与サービスは、ポイント会員として登録した消費者に、買上金額に応じたポイントを付与するサービスである。消費者は、付与されたポイントを溜めることができる。消費者は、溜まったポイントを例えば代金の支払いに利用することができる。
【0013】
販促サービスは、クーポン発行サービスも含む。クーポン発行サービスは、ポイント会員として登録した消費者に、商品の特典に係るクーポンを発行するサービスである。消費者は、クーポンに対応した商品を値引又は割引後の価格で購入することができる。クーポンは、消費者の購買行動に対して当該消費者に供与される情報の一例である。
【0014】
販促サーバ20は、例えば店舗又は本部の事務所に設置されている。販促サーバ20は、店舗又は本部と契約をした販促サービスの運営会社に設置されていてもよい。販促サーバ20は、クラウドコンピューティングとして販促サービスを提供するものであってもよい。
【0015】
販促サーバ20は、汎用の通信端末40が利用可能な第2の通信ネットワーク32にも接続している。第2の通信ネットワーク32は、例えばインターネットである。第2の通信ネットワーク32は、電話通信網又は移動体通信網を含んでもよい。あるいは第2の通信ネットワーク32は、これらの組み合わせであってもよい。
【0016】
通信端末40は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型通信機器である。通信端末40は、POS端末10が稼働している店舗のポイント会員である消費者がユーザとなる。ポイント会員になりたい消費者は、通信端末40に専用のアプリケーションプログラムをインストールする。以下では、このアプリケーションプログラムを会員アプリPと称する。会員アプリPをインストールした消費者は、先ず、会員アプリPを起動して会員登録を行う。会員登録を行うことにより、消費者に対して固有の会員コードが割り当てられる。会員登録を終えた消費者の通信端末40では、表示デバイスに二次元コード体系の販促コード51が表示される場合がある。販促コード51は、会員コードの情報を含む。販促コード51は、会員コード以外の情報も含む。その詳細については後述する。POS端末10は、販促コード51を読取可能なスキャナ60を備えている。
【0017】
販促サーバ20は、クーポンデータベース71と会員データベース72とを管理する。クーポンデータベース71は、クーポン毎に生成されるクーポンレコード711(
図2を参照)の集合体である。
【0018】
図2は、クーポンレコード711の主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように、クーポンレコード711は、クーポンコード、対象商品コード、値割引情報、クーポン画像、使用制限回数、有効期限等を含む。
【0019】
クーポンコードは、各種のクーポンを個々に識別するためにクーポン毎に設定された一意のコードである。対象商品コードは、クーポンコードによって識別されるクーポンによって値引又は割引される商品の商品コードである。値割引情報は、そのクーポンによって値引される金額(値引額)若しくは割引率である。クーポン画像は、そのクーポンの対象となる商品の画像と、値引額又は割引率を示すテキストとからなる画像データである。使用制限回数は、1ユーザに対して許容される当該クーポンの使用回数である。例えば1回しか使用できないクーポンは、使用制限回数を“1”とする。例えば3回まで使用可能なクーポンは、使用制限回数を“3”とする。なお、無制限で利用できるクーポンは、使用制限回数を“0”とする。有効期限は、そのクーポンが有効な期間を特定するデータである。例えば有効期限は、有効期間の開始日と終了日とを表すデータによって構成される。例えば有効期限は、有効期間の最終日を表すデータだけであってもよい。例えば有効期限は、開始日と有効期間とを表すデータによって構成されていてもよい。
【0020】
会員データベース72は、会員レコード721(
図3を参照)の集合体である。
図3は、会員レコード721の主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように、会員レコード721は、会員コード、プログラムコード、累計ポイント、使用クーポン集計データ等を含む。
【0021】
会員コードは、ポイント会員として登録した消費者毎に割り当てられた一意のコードである。プログラムコードは、その消費者が通信端末40にインストールした会員アプリPの識別コードである。累計ポイントは、その消費者に付与されたサービスポイントの累計値である。使用クーポン集計データは、その消費者が使用したクーポンのクーポンコードと使用回数との対データの集合である。
【0022】
図4は、販促サーバ20の要部回路構成を示すブロック図である。販促サーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24、第1通信インターフェース(I/F)25及び第2通信インターフェース26を含む。販促サーバ20は、プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24、第1通信インターフェース25及び第2通信インターフェース26とを、システムバス27で接続する。システムバス27は、アドレスバス、データバス等を含む。販促サーバ20は、プロセッサ21とメインメモリ22及び補助記憶デバイス23とをシステムバス27で接続することによって、コンピュータを構成している。
【0023】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、販促サーバ20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0024】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。またメインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0025】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス23としては、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ21での処理によって生成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0026】
メインメモリ22又は補助記憶デバイス23が記憶するアプリケーションプログラムは、後述する制御プログラムを含む。制御プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールすることができる。記録媒体は、CD−ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0027】
時計24は、販促サーバ20の時刻情報源として機能する。プロセッサ21は、時計24によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時刻を計時する。
【0028】
第1通信インターフェース25は、第1の通信ネットワーク31を介して接続されたPOS端末10との間でデータ通信を行うための回路である。
【0029】
第2通信インターフェース26は、第2の通信ネットワーク32を介して接続された通信端末40との間でデータ通信を行うための回路である。
【0030】
図5は、POS端末10の要部回路構成を示すブロック図である。POS端末10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、時計14、通信インターフェース15、キーボード16、ディスプレイ17、プリンタ18及びスキャナインターフェース19を含む。POS端末10は、プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、時計14、通信インターフェース15、キーボード16、ディスプレイ17、プリンタ18及びスキャナインターフェース19とを、システムバス110で接続する。システムバス110は、アドレスバス、データバス等を含む。POS端末10は、プロセッサ11と、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13とをシステムバス110で接続することによって、コンピュータを構成している。
【0031】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、POS端末10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0032】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。またメインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0033】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13としては、例えばEEPROM、HDD又はSSD等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ11での処理によって生成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス13は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0034】
メインメモリ12又は補助記憶デバイス13が記憶するアプリケーションプログラムは、後述する制御プログラムを含む。制御プログラムをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13にインストールすることができる。記録媒体は、CD−ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0035】
時計14は、POS端末10の時刻情報源として機能する。プロセッサ11は、時計14によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時刻を計時する。
【0036】
通信インターフェース15は、第1の通信ネットワーク31を介して接続された販促サーバ20との間でデータ通信を行うための回路である。
【0037】
キーボード16は、点数、金額、商品コード等の数値を置数するための置数キーの他、乗算キー、小計キー、締めキー等の種々のファンクションキーを配設した入力デバイスである。小計キーは、商取引の小計出力を指示するためのキーである。締めキーは、商取引の登録締めを指示するためのキーである。締めキーは、決済方法別に用意されている。すなわち現金決済用の締めキー、ポイント決済用の締めキー、クレジット決済用の締めキー、電子マネー決済用の締めキー、コード決済用の締めキー等がキーボード16に配設されている。
【0038】
ディスプレイ17は、POS端末10で登録された商品の名称(商品名)、価格、合計金額、釣銭額等を表示するための出力デバイスである。ディスプレイ17は、POS端末10を操作する店員用と消費者用の2種類ある。なお、入力デバイスと出力デバイスとを兼用したタッチパネルを、キーボード16及びディスプレイ17の代わりに適用してもよい。
【0039】
プリンタ18は、所定のレシート用紙に商取引の明細を表すレシートデータを印字出力するための出力デバイスである。レシートデータが印字されたレシート用紙は、カッタにより切断されて、紙レシートとして発行される。
【0040】
スキャナインターフェース19は、スキャナ60との通信用である。スキャナ60は、商品に付されたバーコード又は二次元コードの読み取りに供せられる。各商品には、その商品固有の商品コードを示すバーコード又は二次元コードが付されている。スキャナ60は、消費者が所有する通信端末40のタッチパネルに表示される販促コード51の読み取りにも供せられる。スキャナ60は、店員操作用のハンディタイプのものである。スキャナ60は、消費者が自ら通信端末40のタッチパネルに表示された販促コード51を翳して読み取らせるセルフタイプのものを含んでいてもよい。
【0041】
図6及び
図11は、販促サーバ20のプロセッサ21が制御プログラムに従い実行する情報処理の手順を示す流れ図である。また、
図7乃至
図10は、POS端末10のプロセッサ11が制御プログラムに従い実行する情報処理の手順を示す流れ図である。以下、これらの流れ図を用いて、販促サーバ20とPOS端末10の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順等は特に限定されるものではない。
【0042】
図6は、販促サーバ20のプロセッサ21が実行する販促コード作成処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ21は、ACT201としてクーポン閲覧コマンドを待ち受けている。
【0043】
クーポン閲覧コマンドは、会員登録済の消費者が所有する通信端末40から出力される。例えば、消費者が通信端末40を操作して会員アプリPを起動すると、通信端末40のタッチパネルにメニュー画面が表示される。そこで消費者は、メニュー画面からクーポン閲覧メニューを選択する。そうすると、通信端末40から販促サーバ20に宛ててクーポン閲覧コマンドが出力される。クーポン閲覧コマンドは、第2の通信ネットワーク32を介して販促サーバ20へと送信される。クーポン閲覧コマンドには、通信端末40のユーザである会員の会員コードが含まれている。クーポン閲覧コマンドには、通信端末40にインストールされた会員アプリPのプログラムコードが含まれていてもよい。
【0044】
販促サーバ20のプロセッサ21は、第2通信インターフェース26を介してクーポン閲覧コマンドを受信すると、ACT201においてYESと判定し、ACT202へと進む。プロセッサ21は、ACT202としてクーポン閲覧コマンドから会員コードを取得する。プロセッサ21は、クーポン閲覧コマンドからプログラムコードを取得してもよい。
【0045】
プロセッサ21は、ACT203としてクーポンリストを作成する。具体的にはプロセッサ21は、先ず、時計24によって計時されている現在日付でクーポンデータベース71を検索して、現在日付が有効期限内のクーポンレコード711を抽出する。次いで、プロセッサ21は、ACT202の処理で取得した会員コード又はプログラムコードで会員データベース72を検索して、当該会員コード又はプログラムコードを含む会員レコード721から使用クーポン集計データを取得する。そしてプロセッサ21は、クーポンデータベース71から抽出したクーポンレコード711の中から、使用回数が使用制限回数を超えているクーポンレコード711を取り除く。プロセッサ21は、残ったクーポンレコード711のクーポンコードとクーポン画像とによってクーポンリストを作成する。
【0046】
こうして、クーポンリストを作成したプロセッサ21は、ACT204としてそのクーポンリストのデータをクーポン閲覧コマンド送信元の通信端末40へと出力する。これにより、クーポンリストのデータが第2の通信ネットワーク32を介して通信端末40へと送信され、通信端末40のタッチパネルにクーポンリストが表示される。
【0047】
そこで消費者は、クーポンリストの中から買物で使用したいクーポンを選択する。消費者は1以上のクーポンを選択することができる。クーポンを選択し終えると、消費者はコード作成を指示する。クーポンリストには、クーポン画像とともにコード作成ボタンが表示されている。クーポンを選択し終えた消費者は、コード作成ボタンにタッチして、コード作成を指示する。コード作成ボタンがタッチされると、通信端末40から販促サーバ20に宛ててコード作成コマンドが出力される。コード作成コマンドは、第2の通信ネットワーク32を介して販促サーバ20へと送信される。コード作成コマンドには、会員コードとともに、消費者が選択したクーポンのクーポンコードが含まれている。
【0048】
クーポンリストの出力を制御した販促サーバ20のプロセッサ21は、ACT205としてコード作成コマンドを待ち受ける。プロセッサ21は、クーポンリスト出力先の通信端末40からコード作成コマンドを受信すると、ACT205においてYESと判定し、ACT206へと進む。プロセッサ21は、ACT206としてコード作成コマンドから会員コードを取得する。またプロセッサ21は、ACT207としてコード作成コマンドからクーポンコードを取得する。このとき、コード作成コマンドに2以上のクーポンコードが含まれている場合には、プロセッサ21は、そのすべてのクーポンコードを取得する。なお、消費者がクーポンを1つも選択しない場合もあり得る。その場合には、プロセッサ21は、クーポンコードを取得しない。
【0049】
プロセッサ21は、ACT208として販促コード51を作成する。販促コード51は、二次元コード体系のコードである。販促コード51の一例を
図12に示す。
図12に示される販促コード51は、クーポンリストから対象商品コードAで特定される商品のクーポンCPaと対象商品コードBで特定される商品のクーポンCPbとを選択した消費者に対して作成される販促コードである。図示するように販促コード51には、会員コードと、クーポンCPaの対象商品コードA及び値割引情報Aと、クーポンCPbの対象商品コードB及び値割引情報Bとを含む。
【0050】
因みに3種類以上のクーポンを選択した消費者に対しては、会員コードとともに、その3種類以上のクーポンの対象商品コードと値割引情報とを含む販促コード51が作成される。また、1種類のクーポンを選択した消費者に対しては、会員コードとともに、その1種類のクーポンの対象商品コードと値割引情報とを含む販促コード51が作成される。また、クーポンを選択しなかった消費者に対しては、会員コードだけを含む販促コード51が作成される。
【0051】
販促コード51を作成し終えたプロセッサ21は、ACT209としてその販促コード51を含むデータをコード作成コマンド送信元の通信端末40に宛てて出力する。これにより、販促コード51を含むデータは、第2の通信ネットワーク32を介してコード作成コマンド送信元の通信端末40へと送信される。その結果、通信端末40のタッチパネルに販促コード51が表示されるので、販促コード51を確認した消費者は、店舗で買物を行う。そして買物を終えたならばレジに出向き、購入する商品とともに販促コード51を店員に提示して会計を行う。
【0052】
なお、販促コード51の作成を指示するタイミングは、消費者が買物を開始する前に限定されるものではない。例えば買物の途中で消費者がクーポンリストを確認し、所望するクーポンを選択して販促コード51の作成を指示してもよい。例えばPOS端末10での買上商品登録中に消費者がクーポンリストを確認し、所望するクーポンを選択して販促コード51の作成を指示してもよい。要は、登録締めが宣言される前であれば、販促コード51の作成を指示することができる。
【0053】
図7は、POS端末10のプロセッサ11が実行する会計処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ11は、会計処理を開始すると、ACT101として第1フラグFaと第2フラグFbとを“0”にリセットする。第1フラグFaは、会員取引か否かを識別するための1ビットデータである。第2フラグFbは、1商取引の買上商品登録中か否かを識別するための1ビットデータである。第1フラグFa及び第2フラグFbは、メインメモリ12に記憶されている。
【0054】
プロセッサ11は、ACT102として第1フラグFaがリセットされているか否かを確認する。当初、第1フラグFaはリセットされているので、プロセッサ11は、ACT2においてYESと判定し、ACT103へと進む。プロセッサ11は、ACT103として販促コード51を読み取ったか否かを確認する。販促コード51を読み取っていない場合、プロセッサ11は、ACT103においてNOと判定し、ACT104へと進む。プロセッサ11は、ACT104として商品登録が行われたか否かを確認する。商品登録が行われていない場合、プロセッサ11は、ACT104においてNOと判定し、ACT105へと進む。プロセッサ11は、ACT105として小計出力が指示されたか否かを確認する。小計出力が指示されていない場合、プロセッサ11は、ACT105においてNOと判定し、ACT102へと戻る。ここにプロセッサ11は、第1フラグFaがリセットされている場合には、ACT103乃至ACT105において、販促コード51が読み取られるか、商品登録が行われるか、小計指示が入力されるのを待ち受ける。
【0055】
販促コード51を作成済の消費者は、店員に販促コード51を提示する。店員は、消費者から提示された販促コード51をスキャナ60で読み取る。あるいは消費者は、スキャナ60を利用して自ら販促コード51を読み取らせる。
【0056】
プロセッサ11は、ACT103乃至ACT105の待ち受け状態において、販促コード51が読み取られたことを確認すると、ACT103においてYESと判定し、ACT106へと進む。プロセッサ11は、ACT106として販促前処理を実行する。販促前処理の詳細については後述するが、この販促前処理において、第1フラグFaが“1”にセットされる場合がある。
【0057】
プロセッサ11は、販促前処理を終えると、ACT102へと戻る。ここで、第1フラグFaが“1”にセットされていた場合、プロセッサ11は、ACT102においてNOと判定し、ACT104へと進む。ここにプロセッサ11は、第1フラグFaがセットされている場合には、ACT104及びACT105において、商品登録が行われるか、小計指示が入力されるのを待ち受ける。
【0058】
店員は、消費者の買上商品に付されているバーコードをスキャナ60で読み取る。商品にバーコードが付されていない場合には、店員は、キーボードを操作して商品コードを入力する。
【0059】
プロセッサ11は、スキャナ60によって商品のバーコードが読み取られるか、キーボード16を介して商品コードが入力されると、商品登録が行われたと認識する。プロセッサ11は、ACT103乃至ACT105の待ち受け状態又はACT104及びACT105の待ち受け状態において、商品登録が行われたと認識すると、ACT104においてYESと判定し、ACT107へと進む。
【0060】
プロセッサ11は、ACT107として第2フラグFbがリセットされているか否かを確認する。当初、第2フラグFbはリセットされているので、プロセッサ11は、ACT107においてYESと判定し、ACT108へと進む。プロセッサ11は、ACT108として第2フラグFbを“1”にセットする。
【0061】
その後、プロセッサ11は、ACT109として商品販売登録処理を実行する。すなわちプロセッサ11は、商品登録の際に入力された商品コードで識別される商品の単価、商品名等の商品データを商品マスタから取得する。そしてプロセッサ11は、単価と販売点数とから販売点数分の価格、すなわち販売金額を算出する。販売点数は、商品登録の前にキーボード16を介して乗数が入力されている場合にはその乗数であり、乗数が入力されていない場合には“1”である。プロセッサ11は、商品販売データを作成する。商品販売データは、商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額等を含む。プロセッサ11は、商品販売データを取引メモリに登録する。取引メモリは、メインメモリ12に形成されている。取引メモリは、例えば第1フラグFa及び第2フラグFbがリセットされるタイミングでクリアされる。取引メモリは、後述する取引データ送信処理の後でクリアされてもよい。
商品登録処理を終えたプロセッサ11は、ACT102へと戻る。したがって、次の商品登録の際には、第2フラグFbがセットされているので、プロセッサ11は、ACT107においてNOと判定する。プロセッサ11は、ACT108の処理をスキップしてACT109へと進む。すなわちプロセッサ11は、商品販売登録処理を実行する。以後、商品登録が行われる毎にプロセッサ11は、商品販売登録処理を繰り返し実行する。
【0062】
店員は、消費者の買上商品を登録し終えると、小計キーを入力する。
プロセッサ11は、小計キーが入力されると、小計出力が指示されたと認識する。プロセッサ11は、ACT103乃至ACT105の待ち受け状態又はACT104及びACT105の待ち受け状態において、小計出力が指示されたと認識すると、ACT105においてYESと判定し、ACT110へと進む。
【0063】
プロセッサ11は、ACT110として第2フラグFbがセットされているか否かを確認する。商品登録が行われていないにも関わらず小計出力が指示された場合、第2フラグFbはセットされていない。この場合、プロセッサ11は、ACT110においてNOと判定し、ACT102へと戻る。
【0064】
プロセッサ11は、第2フラグFbがセットされていた場合には、ACT110においてYESと判定し、ACT111へと進む。プロセッサ11は、ACT111として小計処理を実行する。小計処理は、決済金額となる小計金額を出力する処理を含む。小計処理の詳細については、後述する。
【0065】
プロセッサ11は、小計処理を終えると、ACT112として決済金額に対する支払いを処理するための決済処理を実行する。決済処理は、現金支払いによる決済処理、クレジットカード支払いによる決済処理、ポイント支払いによる決済処理、電子マネー支払いによる支払い処理、コード決済による決済処理等がある。これらの決済処理については周知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0066】
プロセッサ11は、決済処理を終えると、ACT113としてレシートの発行を制御する。すなわちプロセッサ11は、取引メモリに登録された商品販売データ及び決済金額に対する支払いの処理データ等を基にレシートデータを作成する。レシートデータは、プリンタに出力されて紙レシートとして発行される。あるいはレシートデータは、レシートサーバに送信されて、電子レシートとして発行される。電子レシートは、消費者がレシートサーバにアクセスすることにより、通信端末40等で閲覧することができる。
【0067】
レシートを発行し終えると、プロセッサ11は、ACT114として第1フラグFaがセットされているか否かを確認する。第1フラグFaがセットされていない場合、プロセッサ11は、ACT114においてNOと判定し、この処理を終了する。
【0068】
プロセッサ11は、第1フラグFaがセットされている場合には、ACT114においてYESと判定し、ACT115へと進む。プロセッサ11は、ACT115として販促処理データを販促サーバ20へと送信するように制御する。この制御により、通信インターフェース15から第1の通信ネットワーク31を介して販促処理データが送信され、販促サーバ20で受信される。販促処理データの詳細及び販促処理データを受信した販促サーバ20の動作については、後述する。
【0069】
図8は、小計処理の要部手順を示す流れ図である。前述したように、小計処理は、第2フラグFbがセットされている状態で小計出力が指示されると実行される。
【0070】
プロセッサ11は、小計処理に入ると、ACT121として第1フラグFaがセットされているか否かを確認する。第1フラグFaがセットされていない場合、プロセッサ11は、ACT121においてNOと判定し、ACT122へと進む。プロセッサ11は、ACT122として小計金額を出力する。すなわちプロセッサ11は、取引メモリに登録された商品販売データの販売金額を合算して小計金額を算出し、ディスプレイ17に表示出力する。
【0071】
小計金額を出力し終えると、プロセッサ11は、ACT123として販促コード51が読み取られたか否かを確認する。販促コード51が読み取られていない場合、プロセッサ11は、ACT123においてNOと判定し、ACT124へと進む。プロセッサ11は、ACT124として登録締めが宣言されたか否かを確認する。登録締めが宣言されていない場合、プロセッサ11は、ACT124においてNOと判定し、ACT123へと戻る。ここにプロセッサ11は、ACT123及びACT124において、販促コードが読み取られるか、登録締めが宣言されるのを待ち受ける。
【0072】
ACT123及びACT124の待ち受け状態において、いずれかの締めキーの入力により登録締めが宣言されると、プロセッサ11は、ACT124においてYESと判定し、この小計処理を抜ける。すなわちプロセッサ11は、
図7のACT112へと進み、決済処理を実行する。
【0073】
ACT123及びACT124の待ち受け状態において、スキャナ60を介して販促コード51が読み取られると、プロセッサ11は、ACT123においてYESと判定し、ACT125へと進む。プロセッサ11は、ACT125として後述する販促前処理を実行する。そして、販促前処理を終えると、プロセッサ11は、ACT126へと進む。
【0074】
一方、第1フラグFaが既にセットされていた場合には、プロセッサ11は、ACT121においてYESと判定し、ACT122乃至ACT125の処理をスキップして、ACT126へと進む。
【0075】
このように、第1フラグFaがセットされた状態、すなわち小計指示の前に販促コード51が読み取られていた場合には、プロセッサ11は、直ちにACT126へと進む。これに対し、第1フラグFaがリセットされた状態、すなわち販促コード51が読み取られることなく小計指示が行われた場合には、小計金額出力後に販促コード51が読み取られると、プロセッサ11は、ACT126へと進む。プロセッサ11は、ACT126として販促処理を実行する。販促処理の詳細については後述する。
【0076】
プロセッサ11は、販促処理を終えると、ACT127として、小計金額を出力する。すなわちプロセッサ11は、小計指示の前に販促コード51が読み取られていた場合には、販促処理実行後に小計金額を出力する。プロセッサ11は、販促コード51が読み取られることなく小計指示が行われ、その後に販促コード51が読み取られた場合には、販促処理によって買上商品の販売金額が変わる場合があり得るので、小計金額を再度出力する。
【0077】
小計金額を出力し終えると、プロセッサ11は、ACT128として登録締めが宣言されるのを待ち受ける。そして登録締めが宣言されると、プロセッサ11は、
図7のACT112へと進み、決済処理を実行する。
【0078】
図9は、販促前処理の要部手順を示す流れ図である。前述したように、販促前処理は、スキャナ60によって販促コード51が読み取られると実行される。
【0079】
プロセッサ11は、販促前処理に入ると、ACT131としてその販促コード51から会員コードを取得する。そしてプロセッサ11は、その会員コードの認証を行う。具体的にはプロセッサ11は、販促サーバ20に会員コードの有効性を問い合わせる。販促サーバ20のプロセッサ21は、会員データベース72を検索して、当該会員コードが有効であるか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、会員コードが有効であるか否かを示す情報を問合せ元のPOS端末10へと返信する。
【0080】
会員コードの認証を行ったプロセッサ11は、ACT133としてその会員コードが有効であるか否かを判定する。会員コードが無効であった場合、プロセッサ11は、ACT133としてNOと判定し、販促前処理を終了する。したがって、この場合には、第1フラグFaは“0”にリセットされたままである。
【0081】
一方、会員コードが有効であった場合には、プロセッサ11は、ACT133においてYESと判定し、ACT134へと進む。プロセッサ11は、ACT134としてその会員コードを販促処理メモリにおいて記憶する。販促処理メモリは、メインメモリ12に形成されている。
【0082】
会員コードを記憶し終えたプロセッサ11は、ACT135として販促コード51からクーポンデータを取得する。クーポンデータは、対象商品コードと値割引情報との対データである。
図12に示すように2種類のクーポンデータを含む販促コード51を読み取った場合には、プロセッサ11は、これら2種類のクーポンデータを取得する。そしてプロセッサ11は、ACT136としてそのクーポンデータを販促処理メモリにおいて記憶する。その後、プロセッサ11は、ACT137として第1フラグFaを“1”にセットして、販促前処理を終了する。
【0083】
このように、販促前処理の実行により、販促コード51から取得された会員コードが有効である場合には、その会員コードが販促処理メモリにおいて記憶される。また、その販促コード51からクーポンデータが取得された場合には、そのクーポンデータも販促処理メモリにおいて記憶される。
【0084】
ここに、プロセッサ11は、スキャナ60と協働してACT103の処理を実行することにより、第1取得手段を構成する。すなわちプロセッサ11は、消費者を識別するための第1データ、つまりは会員コードと、購買行動に対して供与される情報を特定するための第2データ、つまりはクーポンデータとを含む販促コード51を、スキャナ60を介して取得する。またプロセッサ11は、販促前処理を実行することにより、第2取得手段を構成する。すなわちプロセッサ11は、スキャナ60によって読み取られた販促コード51から、第1データ、つまりは会員コードと、第2データ、つまりはクーポンデータとを取得する。
【0085】
図10は、販促処理の要部手順を示す流れ図である。前述したように販促処理は、第1フラグFaがセットされている状態、つまりは販促前処理を終えた状態で小計出力が指示されると実行される。
【0086】
プロセッサ11は、ACT141として販促処理メモリで記憶しているクーポンデータの総数をカウンタNの初期値とする。カウンタNは、例えばメインメモリ12に形成されている。プロセッサ11は、ACT142としてカウンタNが“0”であるか否か確認する。カウンタNが“0”でない場合、プロセッサ11は、ACT142においてNOと判定し、ACT143へと進む。プロセッサ11は、ACT143として販促処理メモリから未処理のクーポンデータを1つ選択する。
【0087】
プロセッサ11は、ACT144としてその選択したクーポンデータの対象商品コードで識別される商品が買上げられているか否かを確認する。具体的にはプロセッサ11は、当該対象商品コードを含む商品販売データが取引メモリに登録されているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当する商品販売データが登録されている場合には買上有りと認識する。
【0088】
プロセッサ11は、買上有りと認識した場合、ACT144においてYESと判定し、ACT145へと進む。プロセッサ11は、ACT145として値割引処理を実行する。具体的にはプロセッサ11は、該当する商品販売データに含まれる単価をクーポンデータの値割引情報で値引若しくは割引する。そしてプロセッサ11は、値引若しくは割引された単価で販売金額を算出し直す。
【0089】
値割引処理を終えると、プロセッサ11は、ACT146としてそのクーポンデータを使用済とする。例えばプロセッサ11は、クーポンデータに使用済であることを示すフラグを付加する。その後、プロセッサ11は、ACT148へと進む。
【0090】
一方、プロセッサ11は、買上無しと認識した場合には、ACT144においてNOと判定し、ACT147へと進む。プロセッサ11は、ACT147としてそのクーポンデータを未使用とする。例えばプロセッサ11は、クーポンデータに未使用であることを示すフラグを付加する。その後、プロセッサ11は、ACT148へと進む。
【0091】
このように、プロセッサ11は、ACT143において選択したクーポンデータに使用済又は未使用であることを示すフラグを付加したならば、ACT148へと進む。プロセッサ11は、ACT148としてカウンタNを“1”だけカウントダウンする。そしてプロセッサ11は、ACT142へと戻る。
【0092】
しかしてプロセッサ11は、カウンタNが“0”になるまで、ACT143乃至ACT148の処理を繰り返し実行する。その結果、販促処理メモリに記憶された各クーポンデータには、それぞれ処理済又は未使用を示すフラグが付加される。
【0093】
プロセッサ11は、カウンタNが“0”であることを確認すると、ACT142においてYESと判定し、ACT149へと進む。プロセッサ11は、ACT149として未使用のフラグが付加されたクーポンデータが存在するか否かを確認する。未使用のフラグが付加されたクーポンデータが存在しない場合、プロセッサ11は、ACT149においてNOと判定し、ACT152へと進む。
【0094】
一方、未使用のフラグが付加されたクーポンデータが存在する場合には、プロセッサ11は、ACT149においてYESと判定し、ACT150へと進む。プロセッサ11は、ACT150としてクーポンが未使用であることを消費者に通知するための画像80(
図13を参照)をディスプレイ17に表示させる。ディスプレイ17は、店員用であってもよいし、消費者用であってもよい。
【0095】
図13は、未使用であることを消費者に通知するための画像80の一例である。図示するように画像80には、未使用のクーポンが存在するが決済を進めてよいか否かを消費者に通知するメッセージMとともに、「はい」ボタン81と、「いいえ」ボタン82とが表示される。店員用のディスプレイ17に画像80が表示された場合、店員は未使用のクーポンがあるが決済を進めてよいか消費者に尋ねる。そして、消費者が決済を進めてよいと答えた場合には、店員は「はい」ボタン81を入力する。消費者が決済を行わないと答えた場合には、店員は「いいえ」ボタン82を入力する。また、消費者用のディスプレイ17に画像80が表示された場合には、消費者は自ら「はい」ボタン81又は「いいえ」ボタン82を入力する。
【0096】
画像80を表示させたプロセッサ11は、ACT151として決済するか否かを確認する。「はい」ボタン81が入力された場合、プロセッサ11は、決済すると認識する。プロセッサ11は、ACT151においてYESと判定し、ACT152へと進む。
【0097】
このように、未使用のクーポンデータが存在しない場合、あるいは未使用のクーポンデータが存在するが、決済を進めてよい旨の入力があった場合には、プロセッサ11は、ACT152へと進む。プロセッサ11は、ACT152として取引メモリに登録された商品販売データを基に、買上ポイントを算出する。例えば各商品販売データの販売金額を合算した合計金額を基準金額で除算し、その商の整数を買上ポイントとする。
【0098】
買上ポイントを算出し終えると、プロセッサ11は、ACT153として販促処理データを作成する。販促処理データは、会員コードと、使用済のフラグが付加されたクーポンデータと、買上ポイントとを含む。販促処理データを作成したプロセッサ11は、
図8のACT127へと進む。
【0099】
一方、「いいえ」ボタン82が入力された場合には、プロセッサ11は、決済しないと認識する。プロセッサ11は、ACT151においてNOと判定し、ACT154へと進む。プロセッサ11は、ACT154として商取引の一括取消処理を実行する。そしてプロセッサ11は、この処理を終了する。この場合、小計処理は途中で終了することとなる。
【0100】
ここにプロセッサ11は、ACT145の処理を実行することにより、供与手段を構成する。すなわちプロセッサ11は、第2取得手段で取得した第1データ、つまりは会員コードで識別される消費者に対し、当該第1データとともに第2取得手段で取得した第2データ、つまりはクーポンデータで特定される値引又は割引の情報を供与する。
【0101】
またプロセッサ11は、ACT150の処理を事項することにより、報知手段を構成する。すなわちプロセッサ11は、第2取得手段で取得した第1データ、つまりは会員コードで識別される消費者が購入した商品のなかに、当該第1データとともに第2取得手段で取得した第2データ、つまりはクーポンデータで特定される商品が含まれていない場合に、画像80の表示によって報知する。
【0102】
図11は、販促サーバ20のプロセッサ21が実行する販促処理データ受信処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ21は、ACT211として販促処理データを待ち受けている。プロセッサ21は、第2通信インターフェース26を介して販促処理データを受信すると、ACT212としてその販促処理データから会員コードを取得する。またプロセッサ21は、ACT213としてその販促処理データに使用済のフラグが付加されたクーポンデータが存在するか否かを確認する。
【0103】
クーポンデータが存在する場合、プロセッサ21は、ACT214としてその使用済クーポンデータのクーポンコードを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT215として当該会員コードを含む会員レコード721の使用クーポン集計データを更新する。すなわちプロセッサ21は、使用済クーポンデータのクーポンコードが使用クーポン集計データに含まれているか否かを確認する。当該クーポンコードが含まれている場合、プロセッサ21は、そのクーポンコードと対になった使用回数を“1”だけ増加する。当該クーポンコードが使用クーポン集計データに含まれていない場合には、プロセッサ21は、当該クーポンコードと使用回数を“1”とする対データを使用クーポン集計データに追加する。
【0104】
こうして、使用クーポン集計データを更新し終えたプロセッサ21は、ACT216へと進む。一方、販促処理データに使用済のフラグが付加されたクーポンデータが存在しない場合には、プロセッサ21は、ACT213においてNOと判定し、ACT214及びACT215の処理をスキップして、ACT216へと進む。プロセッサ21は、ACT216として、ACT212の処理で取得した会員コードを含む会員レコード721の累計ポイントに、販促処理データに含まれる買上ポイントを加算する。以上で、プロセッサ21は、販促処理データ受信処理を終了する。
【0105】
以上詳述したように、消費者の通信端末40に表示された販促コード51をPOS端末10のスキャナ60で読み取ることによって、POS端末10のプロセッサ11は、会員コードとクーポンデータとを一括して取得することができる。そしてプロセッサ11は、会員コードで識別される消費者に対し、クーポンデータによる値引又は割引、さらにはポイントの追加付与等の特典を供与することができる。
【0106】
したがって、会員である消費者がその会員の特典であるクーポンを利用する場合において、従来は、通信端末40を用いて会員コードを提示する操作とクーポンを提示する操作とが要求されたが、本実施形態では、販促コード51を提示するだけでよい。したがって、消費者が操作を煩雑に感じることはない。また、店員の操作も簡略化されるので、負担に感じることはない。
【0107】
また、本実施形態では、消費者が購入した商品のなかにクーポンデータで特定される商品が含まれていない場合、画像80によって未使用のクーポンデータがあることを報知している。そして、消費者が決済を進めてよい場合には、画像80の「はい」ボタン81を入力することで決済処理が実行される。一方、消費者が決済を取り止める場合には、画像80の「いいえ」ボタン82を入力することで一括取消の処理が実行される。
【0108】
このように本実施形態によれば、消費者が購入した商品のなかにクーポンデータで特定される商品が含まれていない場合にその旨を消費者に報知して、決済を進めるか取り止めるかを容易に選択することができる。
【0109】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、
図14乃至
図17を用いて説明する。
図14は、第2の実施形態における会員レコード722のデータ構造を示す模式図である。会員レコード722は、第1の実施形態の会員レコード721に対して、顧客ランクのデータを追加したものである。顧客ランクは、消費者を店舗の利用状況に応じてランク分けしたものである。
【0110】
そして第2の実施形態では、販促サーバ20が、
図15に示すデータ構造のデータテーブル73を有している。データテーブル73は、顧客ランクと関連付けて来店ポイントを設定したものである。本実施形態では、顧客ランクの値が小さくなればなるほど、上位の消費者とする。そして、顧客ランクが上位になればなるほど、来店ポイントが大きくなるようにデータテーブル73を形成している。
【0111】
図16は、第2の実施形態において、販促サーバ20のプロセッサ21が実行する販促コード作成処理の要部手順を示す流れ図である。
図6に示した第1の実施形態の同処理と共通する処理ステップには、同一符号を付している。すなわち第2の実施形態の販促コード作成処理が第1の実施形態の同処理と異なる点は、ACT207としてコード作成コマンドからクーポンコードを取得した処理の後である。
【0112】
プロセッサ21は、ACT221として来店ポイントを取得する。すなわちプロセッサ21は、ACT202で取得した会員コードで会員データベース72を検索して、当該会員コードを含む会員レコード722を検出する。そしてプロセッサ21は、当該会員レコード722に含まれている顧客ランクでデータテーブル73を参照して、当該顧客ランクに関連付けられた来店ポイントを取得する。
【0113】
プロセッサ21は、ACT222として販促コード52を作成する。販促コード52は、二次元コード体系のコードである。販促コード52の一例を
図17に示す。
図17に示される販促コード52は、クーポンリストから対象商品コードAで特定される商品のクーポンCPaと対象商品コードBで特定される商品のクーポンCPbとを選択した消費者に対して作成される販促コードである。図示するように販促コード51には、会員コードと、クーポンCPaの対象商品コードA及び値割引情報Aと、クーポンCPbの対象商品コードB及び値割引情報Bと、当該消費者の顧客ランクに関連付けられた来店ポイントとを含む。
【0114】
販促コード52を作成し終えたプロセッサ21は、ACT223としてその販促コード52を含むデータをコード作成コマンド送信元の通信端末40に宛てて出力する。これにより、販促コード52を含むデータは、第2の通信ネットワーク32を介してコード作成コマンド送信元の通信端末40へと送信される。その結果、通信端末40のタッチパネルに販促コード52が表示されるので、販促コード52を確認した消費者は、店舗で買物を行う。そして買物を終えたならばレジに出向き、購入する商品とともに販促コード52を店員に提示して会計を行う。
【0115】
さて、第2の実施形態において、POS端末10の基本的な動作は第1の実施形態と同様である。ただしプロセッサ11は、
図10のACT152において買上ポイントを算出する際に、販促コード52に含まれている来店ポイントを買上ポイントに加算する。
【0116】
このように第2の実施形態においては、購買行動に対して供与される情報としてサービスポイントである来店ポイントを販促コード52に追加している。そして、この販促コード52をスキャナ60で読み取ることによって、プロセッサ11は、購買行動を行った消費者に対して来店ポイントを供与することができる。
【0117】
したがって、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0118】
以上、情報処理装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0119】
前記実施形態では、購買行動に対して供与される情報として、1つの商品に対して値引又は割引の特典を供与するクーポンデータを例示した。当該情報は、複数の商品に対して共通の値引又は割引の特典を供与するクーポンデータであってもよい。
【0120】
図18は、かかるクーポンデータを採用した場合の販促コード53の一例である。販促コード58は、クーポンリストから対象商品コードAで特定される商品又は対象商品コードBで特定される商品又は対象商品コードCで特定される商品のクーポンCPcを選択した消費者に対して作成される販促コードである。図示するように販促コード53には、会員コードと、対象商品コードC、対象商品コードD及び対象商品コードEと、各商品共通の値割引情報CDEとを含んでいる。
また、購買行動に対して供与される情報は、店舗から供与される情報に限らない。商品の製造メーカ、自治体等から供与されるクーポンデータ等であってもよい。
【0121】
前記実施形態では、販促サーバ50において、販促コード51〜53を作成する場合を例示した。他の実施形態としては、販促コードの作成に必要な情報を通信端末40が販促サーバ50から取得して、通信端末40が会員アプリPに従い販促コード51〜53を作成してもよい。
【0122】
前記実施形態では、対面式のPOS端末を情報処理装置の一例とした。他の実施形態としては、消費者自身が買上商品の登録と決済とを行うようにしたセルフ式のPOS端末を情報処理装置の一例としてもよい。あるいは店員が買上商品の登録を登録装置で行い、消費者が決済を決済装置で行うようにしたセミセルフ式のチェックアウトシステムにおいても、登録装置又は決済装置を情報処理装置の一例とすることができる。さらには、近年、ショッピングカートに設けられたスキャナとタブレット端末とを使用して消費者が買上商品の登録を行うシステムが実用化されている。あるいは、消費者が携帯するスマートフォンのカメラ機能を利用して、買上商品の登録を行うシステムも提案されている。このようなシステムに対しても、情報処理装置としての機能を適用することは可能である。
【0123】
前記実施形態では、未使用のクーポンデータがあることを画像80によって報知した。報知手段は、画像による報知に限定されるものではない。例えば音声によって未使用のクーポンデータがあることを報知してもよい。
【0124】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。