【課題】棚卸の情報(商品毎の前日在庫数および商品毎の当日在庫数)を利用することで、簡便かつ正確に、商品毎の当日の売上数を算出することができる商品別売上数算出装置、商品別売上数算出方法および商品別売上数算出プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)商品コードと前日在庫数とを含む棚卸データから、日次締入力画面に入力された商品コードと紐付く前日在庫数を取得し、(2)前記取得した前日在庫数から、前記日次締入力画面に入力された当日在庫数を差し引くことにより、前記入力された商品コードで特定される商品の当日の売上数を算出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、小売業等の分野においては、商品毎の売上数を正確に把握することが、経営分析の観点等から重要である。しかしながら、例えば、百貨店内の店舗は、POS(Point Of Sales)を導入したレジを使用しても、当該レジでは品種単位での売上数管理しか行えなかったため、結局、商品毎の売上数は店舗の担当者が手作業で計算しており、非常に作業負荷が大きいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、棚卸の情報(商品毎の前日在庫数および商品毎の当日在庫数)を利用することで、簡便かつ正確に、商品毎の当日の売上数を算出することができる商品別売上数算出装置、商品別売上数算出方法および商品別売上数算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る商品別売上数算出装置は、制御部を備える商品別売上数算出装置であって、前記制御部が、商品識別データと前日終了時点での商品毎の在庫数である前日在庫数とを含む棚卸データから、画面に入力された商品識別データと紐付く前日在庫数を取得する数量取得手段と、前記数量取得手段で取得した前日在庫数から、前記入力された商品識別データで特定される商品についての当日終了時点での在庫数であって前記画面に入力されたものである当日在庫数を差し引くことにより、前記入力された商品識別データで特定される商品の当日の売上数である当日商品別売上数を算出する売上数算出手段と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る商品別売上数算出装置は、前記数量取得手段が、前記商品識別データと前記商品毎の当日の入荷数である当日入荷数とを含む入荷データから、前記画面に入力された商品識別データと紐付く当日入荷数を更に取得し、前記売上数算出手段が、前記数量取得手段で取得した前日在庫数に前記数量取得手段で取得した当日入荷数を足した値から、前記当日在庫数を差し引くことにより、前記当日商品別売上数を算出すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る商品別売上数算出装置は、前記数量取得手段が、前記商品識別データと前記商品毎の当日の移動数である当日移動数とを含む移動データから、前記画面に入力された商品識別データと紐付く当日移動数を更に取得し、前記売上数算出手段が、前記数量取得手段で取得した数量の合計に、前記数量取得手段で取得した当日移動数を足した値から、前記当日在庫数を差し引くことにより、前記当日商品別売上数を算出すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る商品別売上数算出装置は、前記売上数算出手段が、前記数量取得手段で取得した数量の合計に、前記入力された商品識別データで特定される商品についての当日の製造数であって前記画面に入力されたものである当日製造数を足した値から、前記当日在庫数を差し引くことにより、前記当日商品別売上数を算出すること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る商品別売上数算出装置は、前記制御部は、前記商品識別データと前記商品毎の単価とを含む単価マスタから、前記画面に入力された商品識別データと紐付く単価を取得する単価取得手段と、前記売上数算出手段で算出した当日商品別売上数に前記単価取得手段で取得した単価を乗じることにより、前記入力された商品識別データで特定される商品の当日の売上額である当日商品別売上額を算出する売上額算出手段と、を更に備えること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る商品別売上数算出装置は、前記制御部が、前記画面に入力された当日の売上合計額と、前記売上額算出手段で算出した当日商品別売上額の合計額と、の差額を算出する差額算出手段を更に備えること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る商品別売上数算出方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される商品別売上数算出方法であって、前記制御部で実行される、商品識別データと前日終了時点での商品毎の在庫数である前日在庫数とを含む棚卸データから、画面に入力された商品識別データと紐付く前日在庫数を取得する数量取得ステップと、前記数量取得ステップで取得した前日在庫数から、前記入力された商品識別データで特定される商品についての当日終了時点での在庫数であって前記画面に入力されたものである当日在庫数を差し引くことにより、前記入力された商品識別データで特定される商品の当日の売上数である当日商品別売上数を算出する売上数算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る商品別売上数算出プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための商品別売上数算出プログラムであって、前記制御部に実行させるための、商品識別データと前日終了時点での商品毎の在庫数である前日在庫数とを含む棚卸データから、画面に入力された商品識別データと紐付く前日在庫数を取得する数量取得ステップと、前記数量取得ステップで取得した前日在庫数から、前記入力された商品識別データで特定される商品についての当日終了時点での在庫数であって前記画面に入力されたものである当日在庫数を差し引くことにより、前記入力された商品識別データで特定される商品の当日の売上数である当日商品別売上数を算出する売上数算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、棚卸の情報(商品毎の前日在庫数および商品毎の当日在庫数)を利用することで、簡便かつ正確に、商品毎の当日の売上数を算出することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る商品別売上数算出装置、商品別売上数算出方法および商品別売上数算出プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0017】
[1.構成]
本実施形態に係る商品別売上数算出装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、商品別売上数算出装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
商品別売上数算出装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、商品別売上数算出装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
商品別売上数算出装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。商品別売上数算出装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、商品別売上数算出装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、商品別売上数算出装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0023】
記憶部106は、例えば、単価マスタ106aと、棚卸データ106bと、入荷データ106cと、移動データ106dと、売上データ106eと、を備えている。なお、マスタおよびデータの関連は、
図5に示すとおりである。
【0024】
単価マスタ106aは、
図4および
図5に示すように、例えば、商品識別データ(商品コードおよび商品名)と、前記商品毎の単価(売上本体単価)と、適用開始日および適用終了日と、等を含む。
【0025】
棚卸データ106bは、図示しないが、例えば、店舗識別データと、売上日と、前記商品識別データと、前日終了時点での商品毎の在庫数である前日在庫数と、等を含む。棚卸データ106b中の前記前日在庫数は、日々蓄積されていく。例えば、2/26に店舗日次締入力を行う際には、2/25終了時点での在庫数が前記前日在庫数として棚卸データ106bに格納されている。そして、2/26の店舗日次締入力が終了すると、2/26終了時点での在庫数が前記前日在庫数として新たに格納されることで、棚卸データ106bはデータ更新される。このため、2/27に店舗日次締入力を行う際には、2/26終了時点での在庫数が前記前日在庫数として棚卸データ106bに格納されている。
【0026】
入荷データ106cは、図示しないが、例えば、入荷日と、前記商品識別データと、前記商品毎の当日の入荷数である当日入荷数と、等を含む。
【0027】
移動データ106dは、図示しないが、例えば、移動日と、前記商品識別データと、前記商品毎の当日の移動数である当日移動数と、等を含む。なお、当該当日移動数は、他店舗への移動数(つまり移動出庫数)であってもよいし、他店舗からの移動数(つまり移動入庫数)であってもよい。
【0028】
売上データ106eは、
図6に示すように、例えば、前記商品識別データ(商品)と、後述する売上数算出部102cで算出した当日の商品別売上数(売上数)と、前記単価と、後述する売上額算出部102dで算出した当日の商品別売上額(売上金額)と、等を含む。
【0029】
制御部102は、商品別売上数算出装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0030】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記商品識別データと前記商品毎の単価とを含む単価マスタから、前記画面に入力された商品識別データと紐付く単価を取得する単価取得手段としての単価取得部102aと、(2)商品識別データと前日終了時点での商品毎の在庫数である前日在庫数とを含む棚卸データから、画面に入力された商品識別データと紐付く前日在庫数を取得する数量取得手段としての数量取得部102bと、(3)前記数量取得手段で取得した前日在庫数から、前記入力された商品識別データで特定される商品についての当日終了時点での在庫数であって前記画面に入力されたものである当日在庫数を差し引くことにより、前記入力された商品識別データで特定される商品の当日の売上数である当日商品別売上数を算出する売上数算出手段としての売上数算出部102cと、(4)前記売上数算出手段で算出した当日商品別売上数に前記単価取得手段で取得した単価を乗じることにより、前記入力された商品識別データで特定される商品の当日の売上額である当日商品別売上額を算出する売上額算出手段としての売上額算出部102dと、(5)前記画面に入力された当日の売上合計額と、前記売上額算出手段で算出した当日商品別売上額の合計額と、の差額を算出する差額算出手段としての差額算出部102eと、を備えている。
【0031】
単価取得部102aは、前記商品識別データと前記単価とを含む単価マスタ106aから、店舗での日次締入力の業務を行うための
図3の画面(以下、「日次締入力画面」という。)に入力された商品識別データと紐付く単価を取得する。
【0032】
数量取得部102bは、前記商品識別データと前記前日在庫数とを含む棚卸データ106bから、前記日次締入力画面に入力された商品識別データと紐付く前日在庫数を取得する。また、数量取得部102bは、前記商品識別データと前記当日入荷数とを含む入荷データ106cから、前記日次締入力画面に入力された商品識別データと紐付く当日入荷数を取得してもよい。そして、数量取得部102bは、前記商品識別データと前記当日移動数とを含む移動データ106dから、前記日次締入力画面に入力された商品識別データと紐付く当日移動数を取得してもよい。
【0033】
売上数算出部102cは、数量取得部102bで取得した前日在庫数から、当日在庫数(前記日次締入力画面に入力された商品識別データで特定される商品についての当日終了時点での在庫数であって前記日次締入力画面に入力されたもの)を差し引くことにより、前記日次締入力画面に入力された商品識別データで特定される商品の当日の売上数である当日商品別売上数を算出する。つまり、本段落で説明した前記当日商品別売上数の算出式は、簡単にいうと、「前記前日在庫数−前記当日在庫数」である。
【0034】
売上数算出部102cは、数量取得部102bで前記当日入荷数を取得した場合、数量取得部102bで取得した前日在庫数に数量取得部102bで取得した当日入荷数を足した値から、前記当日在庫数を差し引くことにより、前記当日商品別売上数を算出してもよい。つまり、本段落で説明した前記当日商品別売上数の算出式は、簡単にいうと、「前記前日在庫数+前記当日入荷数−前記当日在庫数」である。
【0035】
売上数算出部102cは、数量取得部102bで前記当日移動数を取得した場合、数量取得部102bで取得した数量の合計に数量取得部102bで取得した当日移動数を足した値から、前記当日在庫数を差し引くことにより、前記当日商品別売上数を算出してもよい。つまり、本段落で説明した前記当日商品別売上数の算出式は、簡単にいうと、「前記前日在庫数+前記当日移動数−前記当日在庫数」または「前記前日在庫数+前記当日入荷数+前記当日移動数−前記当日在庫数」である。
【0036】
売上数算出部102cは、数量取得部102bで取得した数量の合計に、当日製造数(前記日次締入力画面に入力された商品識別データで特定される商品についての当日の製造数であって前記日次締入力画面に入力されたもの)を足した値から、前記当日在庫数を差し引くことにより、前記当日商品別売上数を算出してもよい。つまり、本段落で説明した前記当日商品別売上数の算出の式は、簡単にいうと、「前記前日在庫数+前記当日製造数−前記当日在庫数」、「前記前日在庫数+前記当日入荷数+前記当日製造数−前記当日在庫数」、「前記前日在庫数+前記当日移動数+前記当日製造数−前記当日在庫数」または「前記前日在庫数+前記当日入荷数+前記当日移動数+前記当日製造数−前記当日在庫数」である。
【0037】
売上額算出部102dは、売上数算出部102cで算出した当日商品別売上数に単価取得部102aで取得した単価を乗じることにより、前記日次締入力画面に入力された商品識別データで特定される商品の当日の売上額である当日商品別売上額を算出する。
【0038】
差額算出部102eは、前記日次締入力画面に入力された売上合計額と、売上数額出部102dで算出した当日商品別売上額の合計額と、の差額を算出する。
【0039】
[2.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。なお、
図3の日次締入力画面において、ドット状のハッチングを付した文字や数値は自動表示される情報であることを意味し、白塗りで示した数値はオペレータが入力する情報であることを意味する。当該入力する情報の入力順序は、以下の説明における入力順序に限定されない。
【0040】
図3の日次締入力画面から、ヘッダ部に、店舗コード「100」、基準日「2020/02/26」、入力スタッフコード「100」および売上日「2020/02/26」がオペレータによって入力され、また、明細部に、商品コード「SH001、SO002およびSH003」がオペレータによって入力されたとする。以下、説明の便宜上、3つの商品のうち、商品コード「SH001」の商品「○×チョコ(2個)」についての売上数および売上金額の算出の仕方を具体的に説明する。
【0041】
単価取得部102aは、単価マスタ106a(
図4に示すものであるとする)から、前記入力された商品コード「SH001」と紐付く単価として、500円を取得し、
図3の日次締入力画面における商品コード「SH001」の明細の「単価」の列にセットする。
【0042】
また、数量取得部102bは、商品コード「SH001」と前記前日在庫数100とを含む棚卸データ106bから、前記入力された商品コード「SH001」と紐付く前記前日在庫数として、100を取得し、
図3の日次締入力画面における商品コード「SH001」の明細の「前日残数」の列にセットする。また、数量取得部102bは、商品コード「SH001」と前記当日入荷数50とを含む入荷データ106cから、前記入力された商品コード「SH001」と紐付く前記当日入荷数として、50を取得し、
図3の日次締入力画面における商品コード「SH001」の明細の「入荷数」の列にセットする。
【0043】
そして、
図3の日次締入力画面における商品コード「SH001」の明細の「製造数」の列には、前記当日製造数として、「120」がオペレータによって入力される。また、
図3の日次締入力画面における商品コード「SH001」の明細の「当日残数」の列には、前記当日在庫数として、「50」が入力される。
【0044】
以上のセットおよび入力がなされると、売上数算出部102cは、商品コード「SH001」の商品「○×チョコ(2個)」の当日の店頭売上数を、前日残数100+入荷数50+製造数120−当日残数50=220と算出する。続けて、売上額算出部102dは、商品コード「SH001」の商品「○×チョコ(2個)」の当日の店頭売上額を、当該算出した店頭売上数220に、単価取得部102aで取得した単価500円を乗じることにより、110,000円と算出する。
【0045】
同様の計算を行うことにより、詳細な説明は省略するが、
図3に示すように、売上数算出部102cは、商品コード「SH002」の商品「○×チョコ(4個)」の当日の店頭売上数を150と算出し、商品コード「SH003」の商品「○×チョコ(6個)」の当日の店頭売上数を55と算出し、また、売上額算出部102dは、商品コード「SH002」の商品「○×チョコ(4個)」の当日の店頭売上額を150,000円と算出し、商品コード「SH003」の商品「○×チョコ(6個)」の当日の店頭売上額を82,500円と算出する。前記3つの商品についての商品名、当日の店頭売上数、単価および当日の店頭売上額を含む売上データ106eを
図6に示す。また、
図6の売上データ106eに基づいて作成される仕訳の例を
図6に示す。
【0046】
続いて、
図3の日次締入力画面において、レジ金額(税抜)として「341,500円」が入力され、レジ税額として「27,320円」が入力されたとする。差額算出部102eは、当該入力された
図3のレジ金額(税抜)「341,500円」と、前記3つの商品の当日の店頭売上額の合計額に対応する
図3の想定レジ売上合計金額(税抜)「342,500円」と、の差額を、
図3のレジ差額(税抜)「1,000円」として算出する。オペレータは、当該差額が大きい店舗を、廃棄もしくは値引販売が多い店舗であると判断し、経営分析に役立てることが可能である。
【0047】
最後に、補足として、
図3の日次締入力画面中の各項目の意味を説明する。
図3の日次締入力画面において、単価、前日残数、入荷数および移動数は、別プログラムより入力された内容が自動表示されたものである。具体的には、単価は、単価マスタ106aの単価を取得したものであり、前日残数は、前日の日次締処理入力より登録した当日残数を表示したものであり、入荷数は、本社からの入荷分および仕入先からの仕入数の合算を表示したものであり、移動数は、他店舗への移動数(出庫要素のためマイナスの数値)および他店舗からの移動数(入庫要素のためプラスの数値)を表示したものである。また、
図3の日次締入力画面において、製造数は、日次締処理入力より数量計上したものであり、具体的には、店舗厨房での当日の製造実績入力の数量を入力したものである。そして、
図3の日次締入力画面において、店頭売上額は、入力結果による金額計算をしたものであり、具体的には、単価×店頭売上数という計算式で算出した値である。更に、
図3の日次締入力画面において、レジ金額(税抜)は、税抜のレジ金額を入力したものであり、レジ税額は、レジ税額を入力したものであり、想定レジ売上合計金額(税抜)は、店頭売上額の合計を自動表示したものであり、店頭売上税額は、想定レジ売上合計金額(税抜)×消費税率を自動表示したものであり、レジ差額(税抜)は、レジ金額(税抜)と想定レジ売上合計金額(税抜)の差額を自動表示したものであり、レジ差税額は、レジ税額と店頭売上税額の差額を自動表示したものである。
【0048】
[3.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る商品別売上数算出装置100によれば、棚卸の情報(商品毎の前日在庫数および商品毎の当日在庫数)を利用することで、簡便かつ正確に、商品毎の当日の売上数を算出することができる。
【0049】
ここで、従来においては、百貨店店舗では消化仕入の取引となり、POSの導入は百貨店レジとの併用となるため、POSでは導入しづらい点で単品管理できないという問題があった。また、百貨店レジだと、品種単位(ケーキ、ギフト等)での管理が限界であった。そして、商品(例えば、ケーキ)の販売個数の単品での管理は、販売の都度、手動により管理するしかないという問題もあった。
【0050】
そこで、本実施形態においては、例えば、店舗レジから売上実績をとるのではなく、前日残+当日入荷−当日残という計算により、製品売上数を算出できるようにした。つまり、店舗にて日別商品別の残数を棚卸することで、商品別の売上実績を捉えることを可能にした。より具体的には、
図2に示すように、先日残数と製造数と入荷数と移動入荷数の合計から、当日残数を差し引くことで、
図2にハッチングで示す店頭売上を算出できるようにした。
【0051】
このように、商品単品での売上を管理できるようにすることで、例えば、商品毎の売上および売れ筋商品を把握し、商品開発に繋げることができ、また、商品ごとの利益を管理して利益幅が大きい商品について販売促進を行い、利益拡大に繋げることができる。また、例えば、「製品売上数×定価」と「レジ金額」との差額が大きい店舗を、廃棄または値引きによる販売が多い店舗であると判断することができる。
【0052】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0053】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0054】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0055】
また、商品別売上数算出装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0056】
例えば、商品別売上数算出装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて商品別売上数算出装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0057】
また、このコンピュータプログラムは、商品別売上数算出装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0058】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0059】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0060】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0061】
また、商品別売上数算出装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、商品別売上数算出装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0062】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。