【課題】子会社担当者が個社勘定科目で入力した会計データに対して、科目変換後の連結勘定科目を自動付加することにより、連結本体に連結会計データを送信して科目変換を行う前に、照会画面または帳票等で親会社担当者および子会社担当者それぞれの視点で数値の整合性チェックをすることができる連結会計装置、連結会計方法、および、連結会計プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】連結子会社の個社仕訳データを取得し、科目変換マスタおよび入力方法設定マスタに基づいて、個社仕訳データから、連結勘定科目および個社勘定科目、または、連結勘定科目に対応した収集仕訳データを取得し、連結子会社毎の収集仕訳データを表示させる。
前記個社科目名称マスタに設定された前記連結勘定科目および前記個社勘定科目、または、前記連結科目名称マスタに設定された前記連結勘定科目を選択可能とし、且つ、追加調整金額を入力可能とした連結調整入力画面を表示させる連結調整入力表示手段、
を更に備え、
前記収集仕訳取得手段は、
更に、前記個社科目名称マスタに設定された前記連結勘定科目および/もしくは前記個社勘定科目、または、前記連結科目名称マスタに設定された前記連結勘定科目が選択され、且つ、前記追加調整金額が入力された場合、前記連結勘定科目および前記個社勘定科目、または、前記連結勘定科目に対応した追加収集仕訳データを取得し、
前記仕訳表示手段は、
前記連結子会社毎の前記収集仕訳データおよび前記追加収集仕訳データを、前記入力方法設定マスタに基づき調整可能に表示させることを特徴とする請求項6に記載の連結会計装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、子会社担当者が連結会計データを作成する際に、連結科目への変換を行わない場合、親会社担当者が使用する連結会計データに連携するまで、子会社担当者が連結上の数字を確認することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、子会社担当者が個社勘定科目で入力した会計データに対して、科目変換後の連結勘定科目を自動付加することにより、連結本体に連結会計データを送信して科目変換を行う前に、照会画面または帳票等で親会社担当者および子会社担当者それぞれの視点で数値の整合性チェックをすることができる連結会計装置、連結会計方法、および、連結会計プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る連結会計装置は、記憶部と制御部とを備えた連結会計装置であって、を備え、前記記憶部は、親会社の連結勘定科目および連結子会社の個社勘定科目を紐付けて設定した科目変換マスタを記憶する科目変換記憶手段と、前記連結子会社における勘定科目入力方法を設定した入力方法設定マスタを記憶する入力方法設定記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記連結子会社の個社仕訳データを取得する個社仕訳取得手段と、前記科目変換マスタおよび前記入力方法設定マスタに基づいて、前記個社仕訳データから、前記連結勘定科目および前記個社勘定科目、または、前記連結勘定科目に対応した収集仕訳データを取得する収集仕訳取得手段と、前記連結子会社毎の前記収集仕訳データを表示させる仕訳表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る連結会計装置において、前記仕訳表示手段は、前記連結子会社毎の前記収集仕訳データを、前記入力方法設定マスタに基づき調整可能に表示させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る連結会計装置において、前記収集仕訳取得手段は、更に、前記収集仕訳データを調整した調整仕訳データが入力された場合、前記科目変換マスタ、前記入力方法設定マスタおよび前記調整仕訳データに基づいて、前記収集仕訳データを更新することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る連結会計装置において、前記制御部は、前記連結子会社の前記個社仕訳データに基づいて、当該連結子会社の総勘定元帳データを取得する総勘定元帳取得手段、を更に備え、前記仕訳表示手段は、更に、前記連結子会社の前記総勘定元帳データを表示させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る連結会計装置において、前記制御部は、前記収集仕訳データに対する承認指示が入力された場合、当該収集仕訳データを連結仕訳データとして取得する連結仕訳取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る連結会計装置において、前記制御部は、前記科目変換マスタおよび前記入力方法設定マスタに基づいて、前記個社仕訳データの前記収集仕訳データへの変換に用いる、前記連結勘定科目と前記個社勘定科目とを対応付けた個社科目名称マスタ、および/または、前記連結勘定科目を含む連結科目名称マスタを設定するマスタ設定手段、を更に備え、前記収集仕訳取得手段は、前記個社科目名称マスタおよび前記連結科目名称マスタに基づいて、前記個社仕訳データから、前記連結勘定科目および前記個社勘定科目、または、前記連結勘定科目に対応した前記収集仕訳データを取得することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る連結会計装置において、前記個社科目名称マスタに設定された前記連結勘定科目および前記個社勘定科目、または、前記連結科目名称マスタに設定された前記連結勘定科目を選択可能とし、且つ、追加調整金額を入力可能とした連結調整入力画面を表示させる連結調整入力表示手段、を更に備え、前記収集仕訳取得手段は、更に、前記個社科目名称マスタに設定された前記連結勘定科目および/もしくは前記個社勘定科目、または、前記連結科目名称マスタに設定された前記連結勘定科目が選択され、且つ、前記追加調整金額が入力された場合、前記連結勘定科目および前記個社勘定科目、または、前記連結勘定科目に対応した追加収集仕訳データを取得し、前記仕訳表示手段は、前記連結子会社毎の前記収集仕訳データおよび前記追加収集仕訳データを、前記入力方法設定マスタに基づき調整可能に表示させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る連結会計装置において、前記制御部は、前記追加収集仕訳データに対する承認指示が入力された場合、前記追加収集仕訳データおよび前記収集仕訳データを連結仕訳データとして取得する連結仕訳取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る連結会計装置において、前記仕訳表示手段は、前記連結子会社毎の前記連結勘定科目に対応した連結金額および前記個社勘定科目に対応した個社金額、または、前記連結子会社毎の前記連結勘定科目に対応した前記連結金額を含み、且つ、前記入力方法設定マスタに基づいて、前記連結勘定科目、前記個社勘定科目、前記個社金額および/または前記連結金額を調整可能とした連結確認画面を表示させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る連結会計方法は、記憶部と制御部とを備えた連結会計装置に実行させるための連結会計方法であって、前記記憶部は、親会社の連結勘定科目および連結子会社の個社勘定科目を紐付けて設定した科目変換マスタを記憶する科目変換記憶手段と、前記連結子会社における勘定科目入力方法を設定した入力方法設定マスタを記憶する入力方法設定記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記連結子会社の個社仕訳データを取得する個社仕訳取得ステップと、前記科目変換マスタおよび前記入力方法設定マスタに基づいて、前記個社仕訳データから、前記連結勘定科目および前記個社勘定科目、または、前記連結勘定科目に対応した収集仕訳データを取得する収集仕訳取得ステップと、前記連結子会社毎の前記収集仕訳データを表示させる仕訳表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る連結会計プログラムは、記憶部と制御部とを備えた連結会計装置に実行させるための連結会計プログラムであって、前記記憶部は、親会社の連結勘定科目および連結子会社の個社勘定科目を紐付けて設定した科目変換マスタを記憶する科目変換記憶手段と、前記連結子会社における勘定科目入力方法を設定した入力方法設定マスタを記憶する入力方法設定記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記連結子会社の個社仕訳データを取得する個社仕訳取得ステップと、前記科目変換マスタおよび前記入力方法設定マスタに基づいて、前記個社仕訳データから、前記連結勘定科目および前記個社勘定科目、または、前記連結勘定科目に対応した収集仕訳データを取得する収集仕訳取得ステップと、前記連結子会社毎の前記収集仕訳データを表示させる仕訳表示ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、各子会社データ入力時に、連結勘定科目または個社勘定科目どちらで入力するかをマスタ設定での切り替えることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、子会社担当者が自社分の連結パッケージに必要な会計データを入力する際、表示/入力を個社独自の勘定科目で行うか、連結勘定科目で行うかを切り替えることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、子会社担当者が自社の勘定科目しか把握できない場合、子会社担当者が個社科目、連結担当者が連結科目それぞれの視点で確認および調整ができるという効果を奏する。また、本発明によれば、子会社担当者が連結科目を把握しており、子会社の科目の粒度が細かすぎる場合、連結科目のみを表示するように設定することができるという効果を奏する。それにより、本発明によれば、子会社担当者が会計データ入力後、連結担当者が即座に連結科目での金額を確認できるため、連結処理をスムーズに行い、担当者の負荷の分散、および、決算の早期化が可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
まず、
図1から
図5を参照して、本発明の概要を説明する。
図1から
図5は、従来の会計システムの一例を示す図である。
【0021】
会計処理において、グループ企業の親会社が有価証券報告書等の財務諸表の開示を行う際、グループ内企業の財務諸表を合算・内部取引等の調整を行い、連結財務諸表を作成する必要がある。
【0022】
従来から、財務諸表作成処理を行う連結会計システムとしては、大きく2パターンあり、連結会計システムと個社の財務会計システムとが別システムの
図1に示すパターンと、連結会計システムと個社の財務会計システムが同一システムの
図2に示すパターンとがあった。ここで、
図1および
図2のいずれのパターンにおいても、ファイル形式での受け渡し、または、システム内の直接連携の違いはあるが、連結会計システム側で確認および調整が必要という点で共通しており、親会社の連結担当者の業務負荷が高いという課題があったが、世の中の流れとして、単体会計の期末処理が完了してから連結調整および開示までを早期に行いたいというニーズもあり、これまでよりも連結会計処理のスピードが求められるようになっていた。
【0023】
そこで、従来の連結会計システムにおいては、
図1および
図2のプロセスを改善するために、子会社担当者に連結手続きの一部を分担入力させるパターンがあり、連結会計システムと個社の財務会計システムとが別システムで、子会社担当者による入力がある
図3に示すパターンと、連結会計システムと個社の財務会計システムとが同一システムで、子会社担当者による連携・入力がある
図4に示すパターンとがあったが、
図3および
図4のパターンで子会社担当者が連結手続きの一部を行う場合、新たな課題が発生していた。
【0024】
すなわち、
図3および
図4のパターンでは、子会社担当者用が連結会計データを作成する際に、単体会計データと連結会計データとで勘定科目の粒度が異なるため、データ変換を行う必要が生じるという課題が発生していた。また、
図3および
図4のパターンでは、子会社担当者用が連結会計データを作成する際に、連結会計用の勘定科目への変換を行わない場合、親会社担当者が使用する連結会計データに連携するまで、連結上の数字を確認することができないという課題が発生していた。
【0025】
更に、
図3および
図4のパターンでは、子会社担当者が連結会計データを作成する際に、先に連結会計用の勘定科目に変換を行った場合、子会社単体会計システムの帳票等との数字の突合を直接することができず、金額確認に時間がかかるという課題が発生していた。例えば、
図5に示すように、従来は、連結子会社であるA社およびB社の仕訳データを収集し、科目変換マスタを使って個社勘定科目を連結勘定科目に変換して収集仕訳データとして格納していたため、連結担当者は、連結勘定科目で確認できるため問題ないが、A社の担当者が確認・調整する際に、連結勘定科目のみが表示されることで、連結会計データと単体会計データとの比較に時間がかかっていた。
【0026】
このように、従来、連結決算に必要な連結パッケージデータは、親会社担当者が子会社からファイルで受け入れ、または、個社会計システムから直接データを収集し、必要な調整は、親会社が行うことが一般的であったが、親会社の連結決算業務負荷が課題であったため、子会社の会計数値については子会社の担当者に入力をさせたい需要があったが、子会社の勘定科目で表示・入力を行った場合、科目数が多くなることでデータ入力が大変になり、連結勘定科目で表示・入力を行った場合、個社の財務諸表との比較が困難であるため、数値の整合性チェックが煩雑になるといった新たな課題を発生させていた。
【0027】
そこで、本実施形態においては、子会社担当者が連結会計システムの入力・確認を親会社担当者と分担して行う場合に、予め勘定科目の変換を行うかどうか切り替えできるようにすることで、子会社および連結双方の金額確認を容易にする仕組みを提供している。
【0028】
[2.構成]
本実施形態に係る連結会計装置100の構成の一例について、
図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態における連結会計装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
図6に示すように、連結会計装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、連結会計装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0030】
連結会計装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。連結会計装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0031】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、連結会計装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、連結会計装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0032】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、科目変換マスタ106aと入力方法設定マスタ106bと科目属性マスタ106cと会計データベース106dとを備えている。
【0033】
科目変換マスタ106aは、変換前後の勘定科目を紐付けて設定したマスタである。ここで、科目変換マスタ106aは、親会社の連結勘定科目および連結子会社の個社勘定科目が紐付けて設定されていてもよい。また、科目変換マスタ106aは、連結子会社、変換元勘定科目、変換元補助科目、変換元補助内訳科目および/または変換先勘定科目等が紐付けて設定されていてもよい。
【0034】
入力方法設定マスタ106bは、連結子会社における勘定科目入力方法を設定したマスタである。ここで、入力方法設定マスタ106bは、連結子会社、データ種別および/または勘定科目入力方法等が紐付けて設定されていてもよい。
【0035】
科目属性マスタ106cは、データ種別毎に対象勘定科目を設定したマスタである。ここで、科目属性マスタ106cは、損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、変動計算書、会社間取引データ、未実現棚卸資産データ、未実現固定資産データ、償却データおよび/またはキャッシュフロー増減表等毎に対象連結勘定科目が設定されていてもよい。
【0036】
会計データベース106dは、会計データを記憶する。ここで、会計データは、個社仕訳データを含む個社会計データ、連結仕訳データを含む連結会計データ、収集仕訳データ、収集仕訳データを調整した調整仕訳データ、総勘定元帳データ、追加収集仕訳データ、PLデータ、BSデータ、変動計算書データ、会社間取引データ、未実現棚卸資産データ、未実現固定資産データ、償却データおよび/またはキャッシュフロー増減表データ等を含んでいてもよい。ここで、個社仕訳データは、伝票番号、発生日付、貸借区分、事業所識別子、部門識別子、勘定科目、補助科目、補助内訳科目、取引先識別子および/または金額等を含んでいてもよい。また、収集仕訳データおよび追加収集仕訳データは、連結決算期識別子、連結子会社識別子、変換元勘定科目、変換元補助科目、変換元補助内訳科目、変換先勘定科目および/または収集金額等を含んでいてもよい。
【0037】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0038】
制御部102は、連結会計装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、マスタ設定部102aと連結調整入力表示部102bと仕訳取得部102cと総勘定元帳取得部102dと仕訳表示部102eとを備えている。
【0039】
マスタ設定部102aは、マスタを設定する。ここで、マスタ設定部102aは、科目変換マスタ106aおよび入力方法設定マスタ106bに基づいて、個社仕訳データの収集仕訳データへの変換に用いる、連結勘定科目と個社勘定科目とを対応付けた個社科目名称マスタ、および/または、連結勘定科目を含む連結科目名称マスタを設定してもよい。ここで、個社科目名称マスタは、連結子会社、変換元勘定科目、変換元補助科目、変換元補助内訳科目および/または変換先勘定科目等が紐付けて設定されていてもよい。また、連結科目名称マスタは、連結勘定科目が設定されていてもよい。また、マスタ設定部102aは、設定したマスタを記憶部106に登録してもよい。
【0040】
連結調整入力表示部102bは、連結調整入力画面を表示させる。ここで、連結調整入力表示部102bは、個社科目名称マスタに設定された連結勘定科目および個社勘定科目、または、連結科目名称マスタに設定された連結勘定科目を選択可能とし、且つ、追加調整金額を入力可能とした連結調整入力画面を表示させてもよい。
【0041】
仕訳取得部102cは、仕訳データを取得する。ここで、仕訳取得部102cは、連結子会社の個社仕訳データを取得してもよい。また、仕訳取得部102cは、科目変換マスタ106aおよび入力方法設定マスタ106bに基づいて、個社仕訳データから、連結勘定科目および個社勘定科目、または、連結勘定科目に対応した収集仕訳データを取得してもよい。また、仕訳取得部102cは、収集仕訳データを調整した調整仕訳データが入力された場合、科目変換マスタ106a、入力方法設定マスタ106bおよび調整仕訳データに基づいて、収集仕訳データを更新してもよい。また、仕訳取得部102cは、収集仕訳データに対する承認指示が入力された場合、当該収集仕訳データを連結仕訳データとして取得してもよい。また、仕訳取得部102cは、個社科目名称マスタおよび連結科目名称マスタに基づいて、個社仕訳データから、連結勘定科目および個社勘定科目、または、連結勘定科目に対応した収集仕訳データを取得してもよい。また、仕訳取得部102cは、個社科目名称マスタに設定された連結勘定科目および/もしくは個社勘定科目、または、連結科目名称マスタに設定された連結勘定科目が選択され、且つ、追加調整金額が入力された場合、連結勘定科目および個社勘定科目、または、連結勘定科目に対応した追加収集仕訳データを取得してもよい。また、仕訳取得部102cは、追加収集仕訳データおよび/または収集仕訳データに対する承認指示が入力された場合、追加収集仕訳データおよび収集仕訳データを連結仕訳データとして取得してもよい。また、仕訳取得部102cは、仕訳データを会計データベース106dに登録してもよい。
【0042】
総勘定元帳取得部102dは、総勘定元帳データを取得する。ここで、総勘定元帳取得部102dは、連結子会社の個社仕訳データに基づいて、当該連結子会社の総勘定元帳データを取得してもよい。また、総勘定元帳取得部102dは、総勘定元帳データを会計データベース106dに登録してもよい。
【0043】
仕訳表示部102eは、仕訳データを表示させる。ここで、仕訳表示部102eは、連結子会社毎の収集仕訳データを表示させてもよい。また、仕訳表示部102eは、連結子会社毎の収集仕訳データを、入力方法設定マスタ106bに基づき調整可能に表示させてもよい。また、仕訳表示部102eは、連結子会社の総勘定元帳データを表示させてもよい。また、仕訳表示部102eは、連結子会社毎の収集仕訳データおよび追加収集仕訳データを、入力方法設定マスタ106bに基づき調整可能に表示させてもよい。また、仕訳表示部102eは、連結子会社毎の連結勘定科目に対応した連結金額および個社勘定科目に対応した個社金額、または、連結子会社毎の連結勘定科目に対応した連結金額を含み、且つ、入力方法設定マスタ106bに基づいて、連結勘定科目、個社勘定科目、個社金額および/または連結金額を調整可能とした連結確認画面を表示させてもよい。また、仕訳表示部102eは、各種会計データを表示させてもよい。
【0044】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図7から
図10を参照して説明する。
【0045】
[連結会計処理]
ここで、
図7を参照して、本実施形態における連結会計処理の一例について説明する。
図7は、本実施形態における連結会計装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0046】
図7に示すように、仕訳取得部102cは、連結子会社担当者により入力装置112を介して入力された連結子会社の個社仕訳データを取得する(ステップSA−1)。
【0047】
そして、マスタ設定部102aは、科目変換マスタ106aおよび入力方法設定マスタ106bに基づいて、個社仕訳データの収集仕訳データへの変換に用いる、連結勘定科目と個社勘定科目とを対応付けた個社科目名称マスタ、および、連結勘定科目を含む連結科目名称マスタを設定する(ステップSA−2)。
【0048】
そして、仕訳取得部102cは、個社科目名称マスタおよび連結科目名称マスタに基づいて、個社仕訳データから、連結勘定科目および個社勘定科目、または、連結勘定科目に対応した収集仕訳データを取得し、会計データベース106dに登録する(ステップSA−3)。
【0049】
そして、仕訳表示部102eは、連結子会社毎の連結勘定科目に対応した連結金額および個社勘定科目に対応した個社金額、または、連結子会社毎の連結勘定科目に対応した連結金額を含み、且つ、入力方法設定マスタ106bに基づいて、連結勘定科目、個社勘定科目、個社金額および/または連結金額を調整可能とした連結確認画面を出力装置114に表示させる(ステップSA−4)。
【0050】
そして、仕訳取得部102cは、連結子会社担当者または親会社担当者により入力装置112を介して連結確認画面に収集仕訳データを調整した調整仕訳データが入力されたか否かを判定する(ステップSA−5)。
【0051】
そして、仕訳取得部102cは、調整仕訳データが入力されなかったと判定した場合(ステップSA−5:No)、処理をステップSA−7に移行させる。
【0052】
一方、仕訳取得部102cは、調整仕訳データが入力されたと判定した場合(ステップSA−5:Yes)、処理をステップSA−6に移行させる。
【0053】
そして、仕訳取得部102cは、科目変換マスタ106a、入力方法設定マスタ106bおよび調整仕訳データに基づいて、会計データベース106dに記憶された収集仕訳データを更新する(ステップSA−6)。
【0054】
そして、仕訳取得部102cは、親会社担当者により入力装置112を介して収集仕訳データに対する承認指示が入力されたか否かを判定する(ステップSA−7)。
【0055】
そして、仕訳取得部102cは、収集仕訳データに対する承認指示が入力されなかったと判定した場合(ステップSA−7:No)、処理をステップSA−5に移行させる。
【0056】
一方、仕訳取得部102cは、収集仕訳データに対する承認指示が入力されたと判定した場合(ステップSA−7:Yes)、処理をステップSA−8に移行させる。
【0057】
そして、仕訳取得部102cは、収集仕訳データを連結仕訳データとして取得し、連結仕訳データを会計データベース106dに登録し(ステップSA−8)、処理を終了する。
【0058】
ここで、
図8を参照して、本実施形態における連結会計処理の一例について説明する。
図8は、本実施形態における連結会計処理の一例を示す図である。
【0059】
図8に示すように、本実施形態においては、連結子会社であるA社およびB社の個社仕訳データが収集され、科目変換マスタ106aおよび入力方法設定マスタ106bに基づいて、A社の個社仕訳データについて、科目入力方法が個社科目であるため変換元に個社勘定科目が保持され、B社の個社仕訳データについて、科目入力方法が連結科目であるため連結勘定科目単位で合算され、変換先に連結勘定科目のみ保持された収集PL/BLデータが取得される。そのため、
図8に示すように、本実施形態においては、A社の担当者がPL/BSデータを確認・調整する際に、A社のPL/BSデータの入力方法が個社勘定科目であり、連結PL/BS確認画面に個社勘定科目も表示されるため、単体会計データとの比較・調整が可能となる。また、
図8に示すように、本実施形態においては、連結担当者がPL/BSデータを確認・調整する際に、A社およびB社ともに連結PL/BS確認画面に連結勘定科目が表示されるため、子会社担当者の入力に応じてタイムリーに連結数値の把握も可能となる。また、
図8に示すように、本実施形態においては、B社の担当者がPL/BSデータを確認・調整する際に、B社の個社勘定科目の粒度が細かく、PL/BSデータの入力方法が連結勘定科目であり、連結PL/BS確認画面に連結勘定科目も表示されるため、連結担当者と同様に連結勘定科目で確認・調整が可能となる。
【0060】
また、
図9を参照して、本実施形態におけるマスタ設定の一例について説明する。
図9は、本実施形態におけるマスタ設定の一例を示す図である。
【0061】
図9に示すように、本実施形態においては、科目変換マスタ106a、および、会社毎およびデータ種別毎に切り替え可能な入力方法設定マスタ106bに基づいて、A社については、取りうる勘定科目の組み合わせとなる個社科目名称マスタが自動生成され、B社については、勘定科目入力方法が連結勘定科目のため、個社科目名称マスタが生成されず、連結科目名称マスタが自動生成される。
【0062】
また、
図10を参照して、本実施形態における追加入力処理の一例について説明する。
図10は、本実施形態における追加入力処理の一例を示す図である。
【0063】
図10に示すように、本実施形態においては、A社のPL/BSデータの科目入力方法が個社科目であるため、A社担当者により個社科目名称マスタに設定された個社勘定科目が検索されて連結PL/BS調整入力画面に個社勘定科目および追加調整金額が追加入力された場合、対応する追加収集PL/BSデータが取得される。このように、本実施形態においては、会社間の未達取引調整等のように、単体会計上認識されていない科目および調整金額を個社科目名称マスタから選択して調整入力が可能となっている。また、
図10に示すように、本実施形態においては、B社のPL/BSデータの科目入力方法が連結科目であるため、B社担当者により連結科目名称マスタに設定された連結勘定科目が検索されて連結PL/BS調整入力画面に連結勘定科目および追加調整金額が追加入力された場合、対応する追加収集PL/BSデータが取得される。このように、本実施形態においては、単体会計上は認識されていない科目および調整金額を連結科目名称マスタから選択して調整入力が可能となっている。
【0064】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0065】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0066】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0067】
また、連結会計装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0068】
例えば、連結会計装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて連結会計装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0069】
また、このコンピュータプログラムは、連結会計装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0071】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0072】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0073】
また、連結会計装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、連結会計装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0074】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。