【解決手段】本実施の形態に係る単価自動決定装置は、生コンクリートの種別毎に、生コン協同組合と、スライド年度と、特性と、スライド単価を関連づけて登録したマスと、契約情報に基づいたベース単価を取得するベース単価取得手段と、指定される生コンクリートの種別、生コン協同組合、スライド年度、特性に基づいて、前記マスタからスライド単価を取得するスライド単価取得手段と、取得したベース単価に取得したスライド単価を加算して単価を決定する単価決定手段と、を備えている。
前記マスタは、普通コンクリートについて、生コン協同組合と、スライド年度と、前記特性である強度、スランプ、及び骨材と、スライド単価とを関連づけて登録した普通コンクリートマスタを含み、
前記スライド単価取得手段は、普通コンクリートが指定された場合には、指定される生コン協同組合、スライド年度、特性である強度、スランプ、及び骨材に基づいて、前記普通コンクリートマスタからスライド単価を取得することを特徴とする請求項1に記載の単価自動決定装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
従来、生コン業界においては、エリア毎に組織された生コン協同組合が生コンの配合に応じたスライド単価表(売買単価の増減表)を決定し、ベース単価にスライド単価表に基づいた増額分を加算した金額を生コンの価格として決定するのが一般的である。生コンの商流は、一般的に、生コン工場→生コン協同組合→商社(複数段階の場合もある)→購入者(例えば、建築会社等)となる。例えば、商社は、購入者からの依頼を受けて、生コン協同組合から生コンの仕入を行う。
【0017】
生コンは同じ品目であっても、配合によって売仕入単価が上下に変動するため、生コン協同組合が公表しているスライド単価表(売上単価の増減表)を見ながら最終の単価を計算する必要があり、正確な単価を計算するために時間がかかっていた。
【0018】
生コンは1つの契約における取引量が多く、天候や時間帯により価格変動が発生し、注文即出荷となる業界のため、瞬時に契約金額を算出することが売買契約の成立に繋がる。
【0019】
そこで、本実施の形態では、生コン協同組合が発表するスライド単価表をマスタに登録し、マスタを使用して即座に生コン単価を自動決定するシステムを構築した。
【0020】
図1は、本実施の形態の処理イメージを示す図であり、
図1(A)は、普通コンクリートの単価決定を説明するための図であり、
図1(B)は、モルタルの単価決定を説明するための図である。マスタに、生コン協同組合が発表するスライド単価表を登録する。
【0021】
図1(A)を参照して、普通コンクリートの単価決定の例を説明する。
図1(A)において、マスタには、A協同組合の普通コンクリートの基準配合(18−18−20N)のスライド単価表(加算額)が登録されている。縦軸は強度、横軸はスランプを示している。このマスタでは、基準配合18−18−20N(普通コンクリート、強度18−スランプ18)を基準にして、ベース単価への単価の加算・減算額であるスライド単価が規定されている。
【0022】
契約で定まるベース価格を例えば、「¥10,000」とする。出荷した生コンが「強度21−スランプ18」である場合は、「強度21−スランプ18」をキーとして、マスタからスライド単価「¥300」を取得する。そして、ベース金額「¥10,000」+スライド単価「300」=売買金額「¥10,300」を算出する。
【0023】
図1(B)を参照して、モルタルの単価決定の例を説明する。
図1(B)において、マスタには、A協同組合のモルタルのスライド単価表(加算額)が登録されている。縦軸は配合比、横軸は普通/早強を示している。このマスタでは、配合率に応じて、ベース価格への加算額であるスライド単価が規定されている。
【0024】
契約で定まるベース価格を例えば、「¥10,000」とする。出荷した生コンの配合率が「1:3」、「普通」である場合は、配合率「1:3」、「普通」をキーとして、マスタからスライド単価「¥4,000」を取得する。そして、ベース金額「¥10,000」+スライド単価「¥4,000」=売買金額「¥14,000」を算出する。
【0025】
[2.構成]
本実施形態に係る単価自動決定装置の構成の一例について、図面を参照して説明する。
【0026】
図2は、本実施の形態に係る単価自動決定装置の一例を示すブロック図である。単価自動決定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、単価自動決定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0027】
単価自動決定装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。単価自動決定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、単価自動決定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、単価自動決定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。これにより、通信インターフェース部104は、ネットワーク300を介して、サーバ200とデータ通信可能に構成されている。
【0029】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0031】
また、この記憶部106は、普通コンクリートマスタ106a、モルタルマスタ106b、割増単価マスタ106c、及び契約情報ファイル106d等を備えている。普通コンクリートマスタ106a、モルタルマスタ106b、割増単価マスタ106cを総称して、「マスタ」と称する場合がある。普通コンクリートマスタ106a、モルタルマスタ106b、割増単価マスタ106cは、分割や統合して構成してもよい。
【0032】
普通コンクリートマスタ106aは、生コン協同組合が発表する普通コンクリートのスライド価格表を登録するためのマスタであり、生コン協同組合と、スライド年度と、骨材と、強度と、スランプ(SL)と、スライド単価とを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。例えば、普通コンクリートマスタ106aには、生コン協同組合「〇〇〇生コン協同組合」、スライド年度「2018」、骨材「25」、強度「24」、スランプ「21」の場合は、スライド単価「¥650」が登録されている(
図6参照)。
【0033】
モルタルマスタ106bは、生コン協同組合(例えば、神奈川生コンクリート協同組合、千葉中央生コンクリート協同組合、千葉西部生コンクリート協同組合等)が発表するモルタルのスライド価格表を登録するためのマスタであり、生コン協同組合と、スライド年度と、配合比と、普通/強度と、スライド単価とを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。例えば、モルタルマスタ106bには、生コン協同組合「〇〇〇生コン協同組合」、スライド年度「2018」、配合比「1:3(普通)」の場合は、スライド単価「¥4,000」が登録されている(
図9参照)。
【0034】
割増単価マスタ106cは、生コン協同組合が規定する単価の割増項目(割増コード及び/又は割増項目名)についての割増単価を登録するためのマスタであり、生コン協同組合と、割増コードと、割増項目名(例えば、プラント引き取り、杭打ち、夜間割増、休日割増等)と、割増単価とを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。例えば、割増単価マスタ106cには、生コン協同組合「〇〇〇生コン協同組合」及び割増コード「2:杭打ち(割増項目名)」の場合は、割増単価「¥100」が登録されている(
図10参照)。
【0035】
契約情報ファイル106dは、契約情報を格納するためのファイルである。契約情報は、契約番号、取引先、生コンクリートの種別、商品コード、商品名、仕入単価(ベース単価)、売上単価(ベース単価)等のデータを含んでいてもよい。
【0036】
制御部102は、単価自動決定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。ここで、制御部102は、機能概念的に、契約情報登録部102aと、マスタメンテ部102bと、ベース単価取得部102cと、スライド単価取得部102dと、単価決定処理部102eと、画面表示制御部102fとを備えている。
【0037】
契約情報登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、契約情報を契約情報ファイル106dに登録する。
【0038】
マスタメンテ部102bは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面(例えば、普通コンクリートマスタメンテ画面、モルタルマスタメンテ画面、割増単価マスタメンテ画面等)上でのオペレータの操作に応じて、それぞれ生コン協同組合が発表するスライド単価表に基づいたデータ等を、普通コンクリートマスタ106a、モルタルマスタ106b、及び割増単価マスタ106cに登録する。
【0039】
ベース単価取得部102cは、オペレータに操作に基づいて、契約情報に基づいたベース単価を取得する。
【0040】
スライド単価取得部102dは、オペレータの操作に基づいて、生コン協同組合、生コンクリートの種別、特性を指定して、指定した生コン協同組合、生コンクリートの種別、特性をキーとして、マスタからスライド単価を取得する。
【0041】
スライド単価取得部102dは、普通コンクリートが指定された場合には、生コン協同組合、スライド年度、特性である強度、スランプ、及び骨材に基づいて、普通コンクリートマスタ106aからスライド単価を取得することにしてもよい。
【0042】
スライド単価取得部102dは、モルタルが指定された場合には、生コン協同組合、スライド年度、特性である配合比に基づいて、モルタルマスタ106bからスライド単価を取得することにしてもよい。
【0043】
スライド単価取得部102dは、指定される生コン協同組合及び割増項目に基づいて、割増単価マスタ106cから割増単価を取得してもよい。
【0044】
単価決定処理部102eは、取得したベース単価に取得したスライド単価を加算して、単価を決定する。また、単価決定処理部102eは、取得したベース単価に取得した割増単価を加算して単価を決定してもよい。ベース単価及び単価は、仕入と売上のベース単価及び単価を含むことにしてもよい。
【0045】
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、契約情報登録画面、商流契約入力画面、売上仕入入力画面、普通コンクリートマスタメンテ画面、モルタルマスタメンテ画面、割増単価マスタメンテ画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0046】
[3.具体例]
本実施の形態に係る単価自動決定装置100の制御部102の処理の具体例について、
図2〜
図10を参照して説明する。
図3は、単価自動決定装置100の制御部102の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。
【0047】
図3を参照して、単価自動決定装置100の制御部102の全体の処理の流れの概略を説明する。
図3において、契約情報登録部102aは、契約情報登録処理を実行する(ステップS1)。具体的には、契約情報登録処理では、契約情報登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の契約情報登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、契約情報を契約情報ファイル106dに登録する。
【0048】
マスタメンテ部102bは、マスタメンテ処理を実行する(ステップS2)。具体的には、マスタメンテ処理では、マスタメンテ部102bは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面(例えば、普通コンクリートマスタメンテ画面、モルタルマスタメンテ画面、割増単価マスタメンテ画面等)上でのオペレータの操作に応じて、それぞれ生コン協同組合が発表するスライド単価表や割増項目に基づいたデータ等を、普通コンクリートマスタ106a、モルタルマスタ106b、及び割増単価マスタ106cに登録する。
【0049】
ベース単価取得部102cは、ベース単価取得処理を実行する(ステップS3)。具体的には、ベース単価処理では、ベース単価取得部102cは、例えば、モニタ114に表示される商流契約入力画面(
図4参照)上でのオペレータに操作に基づいて、契約情報に基づいたベース単価を取得する。
【0050】
スライド単価取得部102dは、スライド単価取得処理を実行する(ステップS4)。具体的には、スライド単価取得処理では、スライド単価取得部102dは、例えば、モニタ114に表示される売上仕入入力画面(
図4参照)上でのオペレータに操作に基づいて、指定される生コン協同組合、生コンクリートの種別、及び特性をキーとして、マスタからスライド単価を取得する。
【0051】
この場合、スライド単価取得部102dは、普通コンクリートが指定された場合には、生コン協同組合、スライド年度、特性である強度、スランプ、及び骨材等に基づいて、普通コンクリートマスタ106aからスライド単価を取得することにしてもよい。また、スライド単価取得部102dは、モルタルが指定された場合には、生コン協同組合、スライド年度、特性である配合比に基づいて、モルタルマスタ106bからスライド単価を取得することにしてもよい。また、スライド単価取得部102dは、指定される生コン協同組合及び割増項目に基づいて、割増単価マスタ106cから割増単価を取得してもよい。
【0052】
単価決定処理部102eは、単価決定処理を実行する(ステップS5)。具体的には、単価決定処理では、単価決定処理部102eは、取得したベース単価に取得したスライド単価を加算して、単価を決定する。また、単価決定処理部102eは、取得したベース単価に取得した割増単価を加算して単価を決定してもよい。ベース単価及び単価は、仕入と売上のベース単価及び単価を含むことにしてもよい。
【0053】
図4〜
図10の画面表示例(サンプルデータ)を参照して、単価自動決定装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0054】
(具体例1)
図4〜
図6を参照して、具体例1を説明する。具体例1では、普通コンクリートの単価決定について説明する。
図4は、商流契約入力画面の表示例を示す図、
図5は、売上仕入入力画面(初期状態)の表示例を示す図、
図6は、売上仕入入力画面(オペレーション後)の表示例及び普通コンクリートマスタメンテ画面の表示例を示す図である。普通コンクリートマスタメンテ画面で設定されたデータが普通コンクリートマスタ106aに登録される。
【0055】
図4に示す商流契約入力画面は、契約番号、協同組合、スライド年度等の項目を備えている。オペレータは、契約番号、協同組合、スライド年度等の項目のデータを入力する。
図4に示す例では、例えば、契約番号「0000000001」、協同組合「1:〇〇〇生コン協同組合」、スライド年度「2018」等のデータが入力される。不図示の実行ボタンを押すと、
図5に示すような売上仕入入力画面(初期状態)が表示される。
【0056】
図5に示す売上仕入入力画面(初期状態)の例では、商品コード、商品名、品種区分(生コンクリートの種別)、強度/配合率、スランプ(SL)、骨材、割増コード、売上単価(ベース単価)、仕入単価(ベース単価)等の項目が表示される。そして、契約情報ファイル106dを参照して入力された契約番号に対応する商品コード、商品名、売上単価(ベース単価)、仕入単価(ベース単価)が読み出されて初期表示される。
図5に示す例では、
図4の契約番号「0000000001」に対応する商品コード「0001」、商品名「生コンクリート」、売上単価(ベース単価)「¥1,200」、仕入単価(ベース単価)「¥1,000」が表示される。
【0057】
つぎに、
図6に示すように、品種区分、強度/配合率、スランプ(SL)、骨材、割増等のデータを入力する。
【0058】
ここで、品種区分が「1:普通コンクリート」の場合は、普通コンクリートマスタ106aを選択し、協同組合、スライド年度、強度、スランプ(SL)、骨材をキーとして、普通コンクリートマスタ106aからスライド単価を取得する。
【0059】
品種区分が「6:モルタル」の場合は、モルタルマスタ106bを選択し、協同組合、スライド年度、配合率をキーとして、モルタルマスタ106bからスライド単価を取得する。
【0060】
割増の場合は、割増単価マスタ106cを選択し、協同組合及び割増コードをキーとして、割増単価マスタ106cから割増単価を取得する。
【0061】
取得したスライド単価や割増単価を売上単価(ベース単価)及び仕入単価(ベース単価)にそれぞれ加算して、売上単価や仕入単価を算出して表示する。
【0062】
図6に示す例では、品種区分「1:普通コンクリート」、強度「24」、スランプ(SL)「21」、骨材「25」が入力される(1)。品種区分「1:普通コンクリート」より普通コンクリートマスタ106aを選択し(2)、協同組合「1:〇〇〇生コン協同組合」、スライド年度「2018」、強度「24」、スランプ(SL)「21」、骨材「25」をキーとして、普通コンクリートマスタ106aからスライド単価「¥650」を取得する(3)、(4)。売上単価(ベース単価)「¥1,200」に取得したスライド単価「¥650」を加算して、売上単価「¥1,850」を算出して表示する(5)。また、仕入単価(ベース単価)「¥1,000」にスライド単価「¥650」を加算して仕入単価「¥1,650」を算出して表示する(5)。
【0063】
(具体例2)
図7〜
図9を参照して、具体例2を説明する。具体例2では、モルタルの単価決定について説明する。
図7は、商流契約入力画面の表示例を示す図、
図8は、売上仕入入力画面(初期状態)の表示例を示す図、
図9は、売上仕入入力画面(オペレーション後)の表示例及びモルタルマスタメンテ画面の表示例を示す図である。モルタルマスタメンテ画面で設定されたデータがモルタルマスタ106bに登録される。
【0064】
図7に示す商流契約入力画面の例では、例えば、契約番号「0000000001」、協同組合「1:〇〇〇生コン協同組合」、スライド年度「2018」等のデータが入力される。不図示の実行ボタンを押すと、
図8に示すような売上仕入入力画面(初期状態)が表示される。
【0065】
図8に示す売上仕入入力画面(初期状態)の例では、
図7の契約番号「0000000001」に対応する商品コード「0001」、商品名「生コンクリート」、売上単価(ベース単価)「¥1,200」、仕入単価(ベース単価)「¥1,000」が表示される。
【0066】
つぎに、
図9に示すように、例えば、品種区分「6:モルタル」、配合率「1:3」が入力される。品種区分「6:モルタル」よりモルタルマスタ106bを選択し(1)、協同組合「1:〇〇〇生コン協同組合」、スライド年度「2018」、配合率「1:3」、をキーとして、モルタルマスタ106bからスライド単価「¥4,000」を取得する(2)。売上単価(ベース単価)「¥1,200」に取得したスライド単価「¥4,000」を加算して、売上単価「¥5,200」を算出して表示する(3)。また、仕入単価(ベース単価)「¥1,000」にスライド単価「¥4,000」を加算して仕入単価「¥5,000」を算出して表示する(3)。
【0067】
(具体例3)
図10を参照して、具体例3を説明する。具体例3では、割増単価の決定について説明する。
図10は、売上仕入入力画面(オペレーション後)の表示例及び割増単価マスタメンテ画面の表示例を示す図である。割増単価マスタメンテ画面で設定されたデータが割増単価マスタ106bに登録される。商流契約入力画面の表示例は
図7と同様であるのでその説明は省略する。
【0068】
図7と同様に、商流契約入力画面において、契約番号「0000000001」、協同組合「1:〇〇〇生コン協同組合」等のデータが入力されたものとする。
図9に示すように、例えば、割増コード「2」が入力される。「割増」より割増単価マスタ106cを選択し、協同組合「1:〇〇〇生コン協同組合」及び割増コード「2」キーとして、割増単価マスタ106cからスライド単価「¥100」を取得する(1)。売上単価(ベース単価)「¥1,200」に取得した割増単価「¥100」を加算して、売上単価「¥1,300」を算出して表示する(2)。また、仕入単価(ベース単価)「¥1,000」に割増単価「¥100」を加算して仕入単価「¥1,100」を算出して表示する(2)。
【0069】
なお、割増単価の取得は、
図4〜
図9で説明したスライド単価の取得と組み合わせて実施可能であり、上述で取得したスライド単価に加えて、割増単価をベース価格に加算してもよい。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態によれば、生コンクリートの種別毎に、生コン協同組合と、スライド年度と、特性と、スライド単価を関連づけて登録したマスタと、契約情報に基づいたベース単価を取得するベース単価取得部102cと、指定される生コンクリートの種別、生コン協同組合、スライド年度、特性に基づいて、前記マスタからスライド単価を取得するスライド単価取得部102dと、取得したベース単価に取得したスライド単価を加算して単価を決定する単価決定処理部102eと、を備えているので、生コン協同組合が発表するスライド単価表をマスタに登録し、マスタを使用して即座に生コン単価を自動決定することが可能となる。
【0071】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0072】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0073】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0074】
また、単価自動決定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0075】
例えば、単価自動決定装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて単価自動決定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0076】
また、このコンピュータプログラムは、単価自動決定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0077】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0078】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0079】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0080】
また、単価自動決定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、単価自動決定装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0081】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。