【課題】商品又は役務が課税の対象となるか否かを、商品若しくは役務そのもの、納入先の所在地又は契約先の所在地に応じて判定できる課税有無判定装置等の提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、商品と課税対象区分を含む商品マスタから、契約データ中の商品と紐付く課税対象区分を取得し、(1)取得した課税対象区分が「非課税」の場合、非課税の旨を契約データにセットし、(2)取得した課税対象区分が「課税(納入先)」の場合、納入先と国内外区分を含む納入先マスタから、契約データ中の納入先と紐付く国内外区分を取得し、取得した国内外区分が「国内」の場合、課税の旨を契約データにセットし、(3)取得した課税対象区分が「課税(得意先)」の場合、得意先と国内外区分を含む得意先マスタから、契約データ中の契約先と同じ得意先と紐付く国内外区分を取得し、取得した国内外区分が「国内」の場合、課税の旨を契約データにセットする。
前記商品マスタは、前記商品等識別データおよび前記課税対象区分に加え、会計上の科目を識別するための科目識別データであって前記商品等ごとに設定されたものである商品等毎科目識別データを更に含み、
前記区分取得手段は、前記商品マスタから、前記契約データ中の前記商品等識別データと紐付く課税対象区分および商品等毎科目識別データを取得し、
前記セット手段は、前記商品等毎科目識別データを、前記得意先の所在地が国内であるか国外であるかおよび前記契約データ中の前記商品等が課税の対象となるか否かに応じて、4種類に細分化させたものである国内外・課税非課税毎科目識別データを含む科目マスタから、前記取得した商品等毎科目識別データを細分化させた国内外・課税非課税毎科目識別データのうち、前記契約データ中の前記契約先の所在地が国内であるか国外であるかおよび前記契約データ中の前記商品等が課税の対象となるか否かに応じたものを取得して前記契約データにセットし、
前記制御部は、
前記契約データ中の契約金額を、前記契約データにセットされた前記国内外・課税非課税毎科目識別データが同じであるものごとに集計する集計手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の課税有無判定装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る課税有無判定装置、課税有無判定方法および課税有無判定プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0014】
[1.構成]
本実施形態に係る課税有無判定装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、課税有無判定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
課税有無判定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、課税有無判定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0016】
課税有無判定装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。課税有無判定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0017】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、課税有無判定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、課税有無判定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0018】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0019】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0020】
記憶部106は、例えば、契約データ106aと、商品マスタ106bと、得意先マスタ106cと、納入先マスタ106dと、科目マスタ106eと、仕訳データ106fと、集計結果データ106gと、を備えている。契約データ106aは、プロジェクトデータ106a1(親のデータ)と契約明細データ106a2(子のデータ)からなる。
【0021】
プロジェクトデータ106a1は、
図4および
図5に示すように、例えば、プロジェクトを識別するためのプロジェクト識別データ(プロジェクト番号およびプロジェクト名)と、契約先を識別するための契約先識別データ(契約先)と、等を含む。
【0022】
契約明細データ106a2は、
図4および
図5に示すように、例えば、前記プロジェクト識別データ(プロジェクト番号)と、前記プロジェクト内での契約明細を識別するための契約明細識別データ(契約明細番号および契約明細名)と、前記契約先に提供する商品または役務(以下、「商品等」ということがある。)を識別するための商品等識別データ(商品)と、前記商品等の納入先を識別するための納入先識別データ(納入先)と、前記商品等が課税の対象となるか否かを示す区分(税区分)と、等を含む。契約明細データ106a2は、図示しないが、更に例えば、契約金額と、後述する国内外・課税非課税毎科目識別データ(科目CD)と、等を含んでいてもよい。なお、本実施形態における税は、特に制限されないが、例えば、消費税である。
【0023】
商品マスタ106bは、
図4および
図5に示すように、例えば、前記商品等識別データ(商品CDおよび商品名)と、契約データ106a中の前記商品等が課税の対象となるか否かを判定する際の基準を識別するための区分である課税対象区分(課税対象区分)と、会計上の科目を識別するための科目識別データであって前記商品等ごとに設定されたものである商品等毎科目識別データ(科目CD)と、等を含む。
【0024】
前記課税対象区分(課税対象区分)は、
図4および
図5に示すように、契約データ106a中の前記商品等が課税の対象となるか否かが前記商品等に応じて決定されることを意味する商品基準区分であって契約データ106a中の前記商品等が課税の対象とならないことを意味するもの(課税対象区分:非課税)、契約データ106a中の前記商品等が課税の対象となるか否かが前記納入先の所在地に応じて決定されることを意味する納入先基準区分(課税対象区分:課税(納入先))または契約データ106a中の前記商品等が課税の対象となるか否かが前記契約先の所在地に応じて決定されることを意味する契約先基準区分(課税対象区分:課税(得意先))である。前記納入先基準区分(課税対象区分:課税(納入先))は、例えば、前記役務が機器販売や工事作業等の場合に設定される区分であり、このことは、前記役務が機器販売や工事作業等の場合には、前記役務が提供される場所によって前記役務が課税対象となるか否かが決定されることを意味する。一方で、前記契約先基準区分(課税対象区分:課税(得意先))は、例えば、前記役務が電気通信役務(具体的には、電子書籍の配信や情報提供等)の場合に設定される区分であり、このことは、前記役務が電子書籍の配信や情報提供等の場合には、前記契約先(顧客)の本店の場所によって前記役務が課税対象となるか否かが決定されることを意味する。
【0025】
得意先マスタ106cは、
図4および
図5に示すように、例えば、得意先を識別するための得意先識別データ(得意先CDおよび得意先名)と、前記得意先の所在地が国内であるか国外であるかを識別するための国内外区分(国内外区分)と、等を含む。
【0026】
納入先マスタ106dは、
図4に示すように、例えば、前記納入先識別データ(納入先CDおよび納入先名)と、前記納入先の所在地が国内であるか国外であるかを識別するための国内外区分(国内外区分)と、等を含む。
【0027】
科目マスタ106eは、
図5に示すように、前記商品等毎科目識別データを、前記得意先の所在地が国内であるか国外であるかおよび契約データ106a中の前記商品等が課税の対象となるか否かに応じて、4種類に細分化させたものである国内外・課税非課税毎科目識別データ(科目CD)を含む。4種類の前記国内外・課税非課税毎科目識別データ(科目CD)とは、具体的には、
図5に示すように、(1)前記得意先の所在地が国内であり、かつ、契約データ106aの前記商品等が課税の対象となる場合の科目CDである国内課税科目CD、(2)前記得意先の所在地が国内であり、かつ、契約データ106aの前記商品等が課税の対象とならない場合の科目CDである国内非課税科目CD、(3)前記得意先の所在地が海外であり、かつ、契約データ106aの前記商品等が課税の対象となる場合の科目CDである海外課税科目CD、および、(4)前記得意先の所在地が海外であり、かつ、契約データ106aの前記商品等が課税の対象とならない場合の科目CDである海外非課税科目CDである。つまり、科目マスタ106eにおいては、1つの前記商品等に対して、科目を4つ保持できる。例えば、
図3に示すように、売上商品「情報提供料」については、(1)国内かつ課税の場合には売上科目A、(2)国内かつ非課税の場合には売上科目B、(3)海外かつ課税の場合には売上科目C、および、(4)海外かつ非課税の場合には売上科目D、という様に科目を設定することができる。
【0028】
仕訳データ106fは、契約明細データ106a2中の契約金額を一覧として含む仕訳のデータである。仕訳データ106fは、
図6に示すように、例えば、契約明細データ106a2にセットされた前記国内外・課税非課税毎科目識別データ(科目CD)と、契約明細データ106a2中の契約金額と、を含む。
【0029】
集計結果データ106gは、仕訳データ106f中の契約金額を前記国内外・課税非課税毎科目識別データ(科目CD)ごとに集計した結果のデータである。集計結果データ106gは、
図6に示すように、例えば、前記国内外・課税非課税毎科目識別データ(科目CD)と、仕訳データ106f中の前記契約金額を前記国内外・課税非課税毎科目識別データ(科目CD)ごとに集計した金額(金額)と、前記商品等毎科目識別データごとの分析結果(分析)と、等を含む。
【0030】
制御部102は、課税有無判定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0031】
制御部102は、機能概念的に、例えば、
●契約先を識別するための契約先識別データと前記契約先に提供する商品等を識別するための商品等識別データと前記商品等の納入先を識別するための納入先識別データとを含む契約データと、前記商品等識別データと前記契約データ中の前記商品等が課税の対象となるか否かを判定する際の基準を識別するための区分である課税対象区分とを含む商品マスタと、に基づいて、前記商品マスタから、前記契約データ中の前記商品等識別データと紐付く課税対象区分を取得する区分取得手段としての区分取得部102aと、
●(1)前記区分取得手段で取得した課税対象区分が、前記契約データ中の前記商品等が課税の対象となるか否かが前記商品等に応じて決定されることを意味する商品基準区分であって前記契約データ中の前記商品等が課税の対象とならないことを意味するものである場合、前記契約データ中の前記商品等が課税の対象とならない旨を前記契約データにセットし、(2)前記区分取得手段で取得した課税対象区分が、前記契約データ中の前記商品等が課税の対象となるか否かが前記納入先の所在地に応じて決定されることを意味する納入先基準区分である場合、前記納入先識別データと前記納入先の所在地が国内であるか国外であるかを識別するための国内外区分とを含む納入先マスタから、前記契約データ中の前記納入先識別データと紐付く国内外区分を取得し、当該取得した国内外区分が前記国内であることを意味するものである場合、前記契約データ中の前記商品等が課税の対象となる旨を前記契約データにセットし、当該取得した国内外区分が前記国外であることを意味するものである場合、前記契約データ中の前記商品等が課税の対象とならない旨を前記契約データにセットし、(3)前記区分取得手段で取得した課税対象区分が、前記契約データ中の前記商品等が課税の対象となるか否かが前記契約先の所在地に応じて決定されることを意味する契約先基準区分である場合、得意先を識別するための得意先識別データと前記得意先の所在地が国内であるか国外であるかを識別するための国内外区分とを含む得意先マスタから、前記契約データ中の前記契約先識別データと同じ得意先識別データと紐付く国内外区分を取得し、当該取得した国内外区分が前記国内であることを意味するものである場合、前記契約データ中の前記商品等が課税の対象となる旨を前記契約データにセットし、当該取得した国内外区分が前記国外であることを意味するものである場合、前記契約データ中の前記商品等が課税の対象とならない旨を前記契約データにセットするセット手段としてのセット部102bと、
●前記契約データ中の契約金額を、前記契約データにセットされた前記国内外・課税非課税毎科目識別データが同じであるものごとに集計する集計手段としての集計部102cと、
を備えている。
【0032】
区分取得部102aは、前記契約先と前記商品等と前記納入先とを含む契約データ106aと、前記商品等と前記課税対象区分と前記科目CDとを含む商品マスタ106bと、に基づいて、商品マスタ106bから、契約データ106a中の前記商品等と紐付く課税対象区分を取得する。
【0033】
セット部102bは、区分取得部102aで取得した課税対象区分に応じて、以下の(1)〜(3)のいずれかの処理を実行する。(1)区分取得部102aで取得した課税対象区分が、前記商品基準区分であって契約データ106a中の前記商品等が課税の対象とならないことを意味するもの(課税対象区分:非課税)である場合、契約データ106a中の前記商品等が課税の対象とならない旨を契約データ106aにセットする。(2)区分取得部102aで取得した課税対象区分が、前記納入先基準区分(課税対象区分:課税(納入先))である場合、前記納入先と前記国内外区分とを含む納入先マスタ106dから、契約データ106a中の前記納入先と紐付く国内外区分を取得し、当該取得した国内外区分が前記国内であることを意味するもの(国内外区分:国内)である場合、契約データ106a中の前記商品等が課税の対象となる旨を契約データ106aにセットし、当該取得した国内外区分が前記国外であることを意味するもの(国内外区分:国外)である場合、契約データ106a中の前記商品等が課税の対象とならない旨を契約データ106aにセットする。(3)区分取得部102aで取得した課税対象区分が、前記契約先基準区分(課税対象区分:課税(得意先))である場合、前記得意先と前記国内外区分とを含む得意先マスタ106cから、契約データ106a中の前記契約先と同じ前記得意先と紐付く国内外区分を取得し、当該取得した国内外区分が前記国内であることを意味するもの(国内外区分:国内)である場合、契約データ106a中の前記商品等が課税の対象となる旨を契約データ106aにセットし、当該取得した国内外区分が前記国外であることを意味するもの(国内外区分:国外)である場合、契約データ106a中の前記商品等が課税の対象とならない旨を契約データ106aにセットする。
【0034】
なお、区分取得部102aは、商品マスタ106bから、契約データ106a中の前記商品等と紐付く課税対象区分および科目CDを取得してもよい。この場合、セット部102bは、前記国内外・課税非課税毎科目識別データ(国内課税科目CD、国内非課税科目CD、海外課税科目CDおよび海外非課税科目CDの4種の科目CD)を含む科目マスタ106eから、前記取得した科目CDを細分化させた当該4種の科目CDのうち、契約データ106a中の前記契約先の所在地が国内であるか国外であるかおよび契約データ106a中の前記商品等が課税の対象となるか否かに応じたものを取得して契約データ106aにセットする。
【0035】
集計部102cは、契約データ106a中の前記契約金額を、契約データ106aにセットされた科目CDが同じであるものごとに集計する。
【0036】
[2.処理の概要]
本項目では、本実施形態に係る処理の概要を説明する。本実施形態においては、以下で説明するように、商品マスタ106b、納入先マスタ106dおよび得意先マスタ106cを参照し、自動判断がなされ、契約明細データ106a2に売上税区分が初期セットされる。
【0037】
商品を基準とする判断の場合、
図2の(1)に示すように、契約明細画面(契約明細データ106a2)中の売上商品に基づいて、商品マスタ106bから、課税対象区分として、「0:非課税」、「1:設置先判断」および「2:顧客判断」のいずれかが取得される。「0:非課税」が取得された場合、契約明細画面(契約明細データ106a2)には、「0(対象外または非課税仕入)」がセットされる。
【0038】
設置先(納入先)を基準とする判断の場合、
図2の(2)に示すように、契約明細画面(契約明細データ106a2)中の納入先に基づいて、納入先マスタ106dから、国内外区分として、「0:国内」または「1:国外」が取得される。「0:国内」が取得された場合、課税を意味するため、契約明細画面(契約明細データ106a2)には、「課税」がセットされる。これに対して、「1:国外」が取得された場合、非課税を意味するため、契約明細画面(契約明細データ106a2)には、「0(対象外または非課税仕入)」がセットされる。
【0039】
顧客(契約先)を基準とする判断の場合、
図2の(3)に示すように、プロジェクト登録画面(プロジェクトデータ106a1)中の契約先に基づいて、得意先マスタ106cから、国内外区分として、「0:国内」または「1:国外」が取得される。「0:国内」が取得された場合、課税を意味するため、契約明細画面(契約明細データ106a2)には、「課税」がセットされる。これに対して、「1:国外」が取得された場合、非課税を意味するため、契約明細画面(契約明細データ106a2)には、「0(対象外または非課税仕入)」がセットされる。
【0040】
[3.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。本項目においては、商品基準で課税の有無を判定する場合の処理、納入先基準で課税の有無を判定する場合の処理および契約先基準で課税の有無を判定する場合の処理についてそれぞれ項目立てて説明し、最後に、科目コードを用いた金額集計について説明する。
【0041】
[3−1.商品基準での課税の有無の判定]
本項目[3−1]では、商品基準で課税の有無を判定する場合の処理について説明する。本項目[3−1]では、契約明細データ106a2中の商品は、「S003:□□商品」であり、商品マスタ106bの内容は、
図4に示すとおりであるという前提で説明をする。
【0042】
まず、区分取得部102aは、
図4の商品マスタ106bから、契約明細データ106a2中の商品「S003:□□商品」と紐付く課税対象区分として、「非課税」を取得する。
【0043】
区分取得部102aで取得した課税対象区分「非課税」は、契約明細データ106a2中の商品が課税の対象とならないことを意味するものである。このため、セット部102bは、図示しないが、契約明細データ106a2中の「税区分」の箇所に、「0(対象外または非課税仕入)」をセットする。
【0044】
[3−2.納入先基準での課税の有無の判定]
本項目[3−2]では、納入先基準で課税の有無を判定する場合の処理について説明する。本項目[3−2]では、契約明細データ106a2中の商品は、「S002:△△商品」であり、契約明細データ106a2中の納入先は、「N001:○○本社」であり、商品マスタ106bおよび納入先マスタ106dの内容は、
図4に示すとおりであるという前提で説明をする。
【0045】
まず、区分取得部102aは、
図4の商品マスタ106bから、契約明細データ106a2中の商品「S002:△△商品」と紐付く課税対象区分として、「課税(納入先)」を取得する。
【0046】
区分取得部102aで取得した課税対象区分が「課税(納入先)」である場合、セット部102bは、
図4の納入先マスタ106dから、契約明細データ106a2中の納入先「N001:○○本社」と紐付く国内外区分として、「国内」を取得する。
【0047】
取得した国内外区分が「国内」である場合、セット部102bは、図示しないが、契約明細データ106a2中の「税区分」の箇所に、「課税」をセットする。
【0048】
[3−3.契約先基準での課税の有無の判定]
本項目[3−3]では、契約先基準で課税の有無を判定する場合の処理について説明する。本項目[3−3]では、プロジェクトデータ106a1、契約明細データ106a2、商品マスタ106bおよび得意先マスタ106cの内容は、
図4に示すとおりであるという前提で説明をする。
【0049】
まず、区分取得部102aは、
図4の(1)の矢印で示すように、契約明細データ106a2から商品「S001:○○商品」を取得し、
図4の商品マスタ106bを参照する。区分取得部102aは、
図4の(2)の四角枠に示すように、
図4の商品マスタ106bから、当該取得した商品「S001:○○商品」と紐付く課税対象区分として、「課税(得意先)」を取得する。
【0050】
区分取得部102aで取得した課税対象区分が「課税(得意先)」である場合、セット部102bは、
図4の(3)の四角枠に示すように、
図4のプロジェクトデータ106a1から、契約先「T001:○○会社」を取得する。セット部102bは、
図4の(4)の四角枠に示すように、
図4の得意先マスタ106cから、当該取得した契約先「T001:○○会社」と紐付く国内外区分として、「国内」を取得する。
【0051】
取得した国内外区分が「国内」である場合、セット部102bは、
図4の(5)の四角枠に示すように、
図4の契約明細データ106a2中の「税区分」の箇所に、「課税」をセットする。
【0052】
[3−4.科目コードを用いた金額集計]
本項目[3−4]では、科目コードを用いた金額集計の処理について説明する。本項目[3−4]では、プロジェクトデータ106a1、契約明細データ106a2、商品マスタ106b、得意先マスタ106cおよび科目マスタ106eの内容は、
図5に示すとおりであるという前提で説明をする。
【0053】
まず、区分取得部102aは、
図5の(1)の矢印で示すように、契約明細データ106a2から商品「S001:○○商品」を取得し、
図5の商品マスタ106bを参照する。区分取得部102aは、
図5の(2)の四角枠に示すように、
図5の商品マスタ106bから、当該取得した商品「S001:○○商品」と紐付く情報として、課税対象区分「課税(得意先)」および科目CD「K001」を取得する。
【0054】
区分取得部102aで取得した課税対象区分が「課税(得意先)」である場合、セット部102bは、
図5の(3)の四角枠に示すように、
図5のプロジェクトデータ106a1から、契約先「T001:○○会社」を取得する。セット部102bは、
図5の(4)の四角枠に示すように、
図5の得意先マスタ106cから、当該取得した契約先「T001:○○会社」と紐付く国内外区分として、「国内」を取得する。
【0055】
次に、セット部102bが行う、
図5の科目マスタ106eからの科目CDの取得について説明する。前々段落において区分取得部102aが商品マスタ106bから取得した科目CDは「K001」であるため、セット部102bは、
図5の科目マスタ106eから、「K001」を細分化させた4つの科目CD、すなわち、国内課税科目CD「K011」、国内非課税科目CD「K012」、海外課税科目CD「K013」および海外非課税科目CD「K014」のいずれかを取得することとなる。ここで、商品マスタ106bから取得した課税対象区分が「課税(得意先)」であって、かつ、得意先マスタ106cから取得した国内外区分が「国内」である場合には、[3−3]で説明したように、契約明細データ106a2には「課税」をセットするのが適当であるため、セット部102bは、
図5の(6)の四角枠で示すように、国内課税科目CD「K011」を取得する。そして、セット部102bは、図示しないが、契約明細データ106a2に、当該取得した国内課税科目CD「K011」をセットする。このように、セット部102bは、商品マスタ106bから取得した科目CDおよび得意先マスタ106cから取得した国内外区分に基づいて、科目マスタ106eから、適当な科目CDを取得することができる。
【0056】
なお、本項目[3−4]の前提を、契約明細データ106a2中の商品を「S003:□□商品」に変えたとすると、区分取得部102aが商品マスタ106bから取得する情報は、課税対象区分「非課税」および科目CD「K003」となる。この場合、セット部102bは、
図5の科目マスタ106eから、「K003」を細分化させた4つの科目CD、すなわち、国内課税科目CD「K031」、国内非課税科目CD「K032」、海外課税科目CD「K033」および海外非課税科目CD「K034」のいずれかを取得することとなる。ここで、
図5のプロジェクトデータ106a1中の契約先「T001:○○会社」と紐付く
図5の得意先マスタ106c中の国内外区分は、「国内」であり、また、本段落の冒頭で説明したように区分取得部102aで取得した課税対象区分は「非課税」であるため、セット部102bは、国内非課税科目CD「K032」を取得する。
【0057】
このようにして、セット部102bは、契約明細データ106a2中の商品毎に科目マスタ106eから科目CDを取得し、契約明細データ106a2にセットする処理を繰り返す。このように科目CDがセットされた契約明細データ106a2から、契約金額とセットされた科目CDとが抜き出されることにより生成された仕訳データ106fの一例を、
図6に示す。
【0058】
集計部102cは、
図6の仕訳データ106f中の契約金額を、科目CDが同じであるものごとに集計する。具体的には、集計部102cは、
図6の集計結果データ106gに示すように、国内課税科目CD「K011」については、10,000+15,000=25,000と集計し、国内課税科目CD「K021」については、5,000+8,000=13,000と集計し、国内非課税科目CD「K022」については、8,000+5,000=13,000と集計し、海外課税科目CD「K023」については、9,000+3,000=12,000と集計し、海外非課税科目CD「K024」については、7,000+4,500=11,500と集計し、海外課税科目CD「K033」については、1,000と集計し、海外非課税科目CD「K034」については、1,500と集計する。当該集計結果から、例えば、科目CD「K001」に対応する商品である「S001:○○商品」は、国内課税向けが中心であり、科目CD「K002」に対応する商品である「S002:△△商品」は、国内外・課税非課税問わず市場規模が大きく、科目CD「K003」に対応する商品である「S003:□□商品」は、海外向け中心で市場規模が小さいという分析が可能である。なお、
図6の右下には、集計結果データ106gをグラフ化したものを示している。
【0059】
[4.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る課税有無判定装置100によれば、商品または役務が課税の対象となるか否かを、商品もしくは役務そのもの、納入先の所在地または契約先の所在地に応じて判定することができる。商品または役務そのものに応じた判定が、[3−1]で説明した商品基準での課税の有無の判定に対応し、納入先の所在地に応じた判定が、[3−2]で説明した納入先基準での課税の有無の判定に対応し、契約先の所在地に応じた判定が、[3−3]で説明した契約先基準での課税の有無の判定に対応する。
【0060】
また、本実施形態に係る課税有無判定装置100によれば、[3−4]で説明したように、例えば、提供商品または提供役務が何であるか、得意先が国内か国外か、および、提供商品または提供役務が課税の対象となるか否か、の組合せごとに、契約金額を集計して分析することができる。
【0061】
ここで、国内外に対して商品・役務を提供している企業においては、商品・役務によって、課税取引、非課税取引および不課税取引に分かれることがある。契約明細中の取引が課税取引、非課税取引および不課税取引のどれに該当するかは、契約先の法人の所在地に依存して決定される場合や、商品・役務を提供する場所に依存して決定される場合等、様々であるため、制度を熟知しないオペレータの場合には課税有無の判断をミスするという問題や、また、経理部門等がオペレータの判断をチェックするのも作業負荷が高いという問題があった。
【0062】
そこで、本実施形態においては、例えば、非課税の商品・役務については、一律非課税と判断し、課税対象の商品・役務については、契約先の所在地および商品・役務の提供地に応じて課税または非課税の判断をできるようにした。これにより、例えば、グローバルにサービスを展開する企業等が、税務処理を効率的にかつ正しく行えるようになり、更に、オペレータによる課税有無の判断および経理部門のチェックが不要となった。
【0063】
また、本実施形態においては、例えば、商品・役務の内容、国内外および課税有無の組合せごとに売上科目を保持できるようにすることで、取引の分析をできるようにした。これにより、例えば、課税または非課税の取引が国内外でどの程度行われたかについての売上分析、言い換えると、地理的な要素を考慮した売上分析が可能となった。
【0064】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0065】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0066】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0067】
また、課税有無判定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0068】
例えば、課税有無判定装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて課税有無判定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0069】
また、このコンピュータプログラムは、課税有無判定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0071】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0072】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0073】
また、課税有無判定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、課税有無判定装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0074】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。