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特開2021-196929地域振興電子マネー利用システムおよびキャリア媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-196929(P2021-196929A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】地域振興電子マネー利用システムおよびキャリア媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20211129BHJP
【FI】
   G06Q20/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-103602(P2020-103602)
(22)【出願日】2020年6月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】佃 啓太郎
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA15
(57)【要約】
【課題】キャッシュレス化に対応しても振興の重み付けが可能となる地域振興電子マネー利用システムおよびキャリア媒体を提供する。
【解決手段】いずれも地域振興用の第1種別の電子マネーと第2種別の電子マネーとを記憶可能なキャリア媒体と、店舗に設置され、キャリア媒体と通信して電子マネーを使用した取り引きを行う取引装置と、を有し、取引装置は、第1種別の電子マネーと第2種別の電子マネーとのうち、第1種別の電子マネーのみが取り引きに使用可能とされる第1の取引装置と、第1種別の電子マネーと第2種別の電子マネーとの両方が取り引きに使用可能とされる第2の取引装置と、のいずれかを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
いずれも地域振興用の第1種別の電子マネーと第2種別の電子マネーとを記憶可能なキャリア媒体と、
店舗に設置され、前記キャリア媒体と通信して電子マネーを使用した取り引きを行う取引装置と、
を有し、
前記取引装置は、
前記第1種別の電子マネーと前記第2種別の電子マネーとのうち、前記第1種別の電子マネーのみが取り引きに使用可能とされる第1の取引装置と、
前記第1種別の電子マネーと前記第2種別の電子マネーとの両方が取り引きに使用可能とされる第2の取引装置と、のいずれか
を有する地域振興電子マネー利用システム。
【請求項2】
前記第2の取引装置は、
通信した前記キャリア媒体に前記第1種別の電子マネーと前記第2種別の電子マネーとが記憶されている場合、前記第2種別の電子マネーを優先的に使用することを特徴とする請求項1記載の地域振興電子マネー利用システム。
【請求項3】
前記第2の取引装置は、
通信した前記キャリア媒体の前記第2種別の電子マネーが無くなったときに、前記第1種別の電子マネーが使用可能となることを特徴とする請求項1または2記載の地域振興電子マネー利用システム。
【請求項4】
前記キャリア媒体には、さらに、当該キャリア媒体の発行元の第3種別の電子マネーが記憶可能であり、
前記第1の取引装置および前記第2の取引装置は、
通信した前記キャリア媒体の前記第1種別の電子マネーが無くなったときに、前記第3種別の電子マネーが使用可能となることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項記載の地域振興電子マネー利用システム。
【請求項5】
前記キャリア媒体には、さらに、共通系の第4種別の電子マネーが記憶可能であり、
前記第1の取引装置および前記第2の取引装置は、
通信した前記キャリア媒体の前記第1種別の電子マネーが無くなったときに、前記第4種別の電子マネーが使用可能となることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項記載の地域振興電子マネー利用システム。
【請求項6】
前記第1の取引装置は、
前記第1種別の電子マネーを使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、前記第1種別の電子マネーの取り引き後の残額を印字し、
前記第2の取引装置は、
前記第1種別の電子マネーおよび前記第2種別の電子マネーの少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、取り引きに使用した電子マネーの取り引き後の残額を印字することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項記載の地域振興電子マネー利用システム。
【請求項7】
前記第1の取引装置は、
前記第1種別の電子マネーを使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、当該電子マネーの使用可能地域の地域情報を印字し、
前記第2の取引装置は、
前記第1種別の電子マネーおよび前記第2種別の電子マネーの少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、当該電子マネーの使用可能地域の地域情報を印字することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項記載の地域振興電子マネー利用システム。
【請求項8】
前記第1の取引装置は、
前記第1種別の電子マネーを使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、当該電子マネーの使用期限情報を印字し、
前記第2の取引装置は、
前記第1種別の電子マネーおよび前記第2種別の電子マネーの少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、当該電子マネーの使用期限情報を印字することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項記載の地域振興電子マネー利用システム。
【請求項9】
いずれも地域振興用の第1種別の電子マネーと第2種別の電子マネーとが使用可能に記憶されているキャリア媒体。
【請求項10】
さらに、キャリア媒体の発行元の第3種別の電子マネーが使用可能に記憶されている請求項9記載のキャリア媒体。
【請求項11】
さらに、共通系の第4種別の電子マネーが使用可能に記憶されている請求項9または10記載のキャリア媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域振興電子マネー利用システムおよびキャリア媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
紙で発行されて使用される地域振興券の管理・発行に関する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、地域振興券にあっては、商業規模の大きな大型店に対して、商業規模の小さな中小規模の一般商店の振興を優先的に図る目的で、「一般商店向け地域振興券」と「大型店向け地域振興券」の二種類を発行する自治体がある。すなわち、大型店にあっては、「大型店向け地域振興券」のみが使用可能であり、他方、一般商店においては、「一般商店向け地域振興券」のみならず「大型店向け地域振興券」をも使用可能であって、これにより、地域振興券の利用が大型店に集中することを抑制して、地域の中小規模の一般商店の振興を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6554076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年はキャッシュレス化が推進・推奨され、地域振興券についても、電子マネーでの発行の要望が高まることが予想される。
【0006】
したがって、本発明は、キャッシュレス化に対応しても振興の重み付けが可能となる地域振興電子マネー利用システムおよびキャリア媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の態様は、いずれも地域振興用の第1種別の電子マネーと第2種別の電子マネーとを記憶可能なキャリア媒体と、店舗に設置され、前記キャリア媒体と通信して電子マネーを使用した取り引きを行う取引装置と、を有し、前記取引装置は、前記第1種別の電子マネーと前記第2種別の電子マネーとのうち、前記第1種別の電子マネーのみが取り引きに使用可能とされる第1の取引装置と、前記第1種別の電子マネーと前記第2種別の電子マネーとの両方が取り引きに使用可能とされる第2の取引装置とのいずれか、を有する。
【0008】
本発明に係る第2の態様は、第1の態様において、前記第2の取引装置は、通信した前記キャリア媒体に前記第1種別の電子マネーと前記第2種別の電子マネーとが記憶されている場合、前記第2種別の電子マネーを優先的に使用することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第3の態様は、第1または第2の態様において、前記第2の取引装置は、通信した前記キャリア媒体の前記第2種別の電子マネーが無くなったときに、前記第1種別の電子マネーが使用可能となることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る第4の態様は、第1ないし第3のいずれか一態様において、前記キャリア媒体には、さらに、当該キャリア媒体の発行元の第3種別の電子マネーが記憶可能であり、前記第1の取引装置および前記第2の取引装置は、通信した前記キャリア媒体の前記第1種別の電子マネーが無くなったときに、前記第3種別の電子マネーが使用可能となることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る第5の態様は、第1ないし第4のいずれか一態様において、前記キャリア媒体には、さらに、共通系の第4種別の電子マネーが記憶可能であり、前記第1の取引装置および前記第2の取引装置は、通信した前記キャリア媒体の前記第1種別の電子マネーが無くなったときに、前記第4種別の電子マネーが使用可能となることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る第6の態様は、第1ないし第5のいずれか一態様において、前記第1の取引装置は、前記第1種別の電子マネーを使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、前記第1種別の電子マネーの取り引き後の残額を印字し、前記第2の取引装置は、前記第1種別の電子マネーおよび前記第2種別の電子マネーの少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、取り引きに使用した電子マネーの取り引き後の残額を印字することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る第7の態様は、第1ないし第6のいずれか一態様において、前記第1の取引装置は、前記第1種別の電子マネーを使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、当該電子マネーの使用可能地域の地域情報を印字し、前記第2の取引装置は、前記第1種別の電子マネーおよび前記第2種別の電子マネーの少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、当該電子マネーの使用可能地域の地域情報を印字することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る第8の態様は、第1ないし第7のいずれか一態様において、前記第1の取引装置は、前記第1種別の電子マネーを使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、当該電子マネーの使用期限情報を印字し、前記第2の取引装置は、前記第1種別の電子マネーおよび前記第2種別の電子マネーの少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシートに、少なくとも、当該電子マネーの使用期限情報を印字することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る第9の態様は、いずれも地域振興用の第1種別の電子マネーと第2種別の電子マネーとが使用可能に記憶されている。
【0016】
本発明に係る第10の態様は、第9の態様において、さらに、キャリア媒体の発行元の第3種別の電子マネーが使用可能に記憶されている。
【0017】
本発明に係る第11の態様は、第9または第10の態様において、さらに、共通系の第4種別の電子マネーが使用可能に記憶されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、キャッシュレス化に対応しても振興の重み付けが可能となる地域振興電子マネー利用システムおよびキャリア媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムの第1店舗内構成システム等を概略的に示すブロック図である。
図2】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムの第2店舗内構成システム等を概略的に示すブロック図である。
図3】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムのキャリア媒体を概略的に示すブロック図である。
図4】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムの地域振興電子マネー使用形態を概念的に示すブロック図である。
図5】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムの制御内容を説明するフローチャートである。
図6】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムで印字されたレシートの平面図である。
図7】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムで印字されたレシートの平面図である。
図8】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムで印字されたレシートの平面図である。
図9】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムの変形例5のキャリア媒体を概略的に示すブロック図である。
図10】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムの変形例5の地域振興電子マネー使用形態を概念的に示すブロック図である。
図11】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムの変形例5の制御内容を説明するフローチャートである。
図12】本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムの変形例5で印字されたレシートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る一実施形態の地域振興電子マネー利用システムおよびキャリア媒体を図面を参照して以下に説明する。
【0021】
始めに、本実施形態に係る地域振興電子マネー利用システム10の構成について、図1図3に基づいて説明する。
【0022】
地域振興電子マネー利用システム10は、図1に示すように、複数台の第1POS装置11(取引装置,第1の取引装置)と、複数台の第1現金処理機12と、第1店舗コントローラ13と、第1店舗サーバ14とを有している。複数台の第1POS装置11、複数台の第1現金処理機12、第1店舗コントローラ13および第1店舗サーバ14は、商業規模の大きな大型店の同一店舗に設置されている。複数台の第1現金処理機12は、それぞれが複数台の第1POS装置11のうちの一台と一対一で対応して接続されている。
【0023】
複数台の第1POS装置11、第1店舗コントローラ13および第1店舗サーバ14は、ネットワークを介して通信可能に接続されている。いずれも同一店舗に設置される、複数台の第1POS装置11、複数台の第1現金処理機12、第1店舗コントローラ13および第1店舗サーバ14が、大型店の同一店舗内に構築される第1店舗内構成システム15を構成している。複数台の第1POS装置11は、電子マネーサーバ等の外部サーバ16にインターネット回線17を介して通信可能に接続されている。
【0024】
地域振興電子マネー利用システム10は、図2に示すように、第2POS装置21(取引装置,第2の取引装置)と、第2現金処理機22と、第2店舗コントローラ23と、第2店舗サーバ24とを有している。第2POS装置21、第2現金処理機22、第2店舗コントローラ23および第2店舗サーバ24は、上記した大型店に比べて商業規模が小さな中小の一般商店の同一店舗にいずれも設置されている。
【0025】
第2POS装置21、第2店舗コントローラ23および第2店舗サーバ24は、ネットワークを介して通信可能に接続されている。いずれも同一店舗に設置される、第2POS装置21、第2現金処理機22、第2店舗コントローラ23および第2店舗サーバ24が、一般商店の同一店舗内に構築される第2店舗内構成システム25を構成している。第2POS装置21は、インターネット回線17を介して外部サーバ16に通信可能に接続されている。
【0026】
地域振興電子マネー利用システム10は、図3に示すように、各顧客が携帯するキャリア媒体31を有している。キャリア媒体31は、電子マネーを記憶可能なICカードやスマートフォン、携帯電話等である。キャリア媒体31は、電子マネーを記憶可能な媒体メモリ32を有している。
【0027】
図1に示す第1POS装置11および図2に示す第2POS装置21は、いずれも、図3に示すキャリア媒体31と通信して電子マネーを使用した取り引きを行うものであり、同様の一般的な構成のものである。第1POS装置11および第2POS装置21は、それぞれ、商品のバーコード等の商品識別情報を読み取るスキャナ41を有している。また、第1POS装置11および第2POS装置21は、それぞれ、取り引き情報等を記憶する装置メモリ42を有している。また、第1POS装置11および第2POS装置21は、それぞれ、操作者の操作入力を受け付けるキーボードからなる入力部43を有している。
【0028】
また、第1POS装置11および第2POS装置21は、それぞれ、操作者に向けて表示を行うと共に操作者による操作入力を受け付けるタッチパネルからなる表示操作部44を有している。また、第1POS装置11および第2POS装置21は、それぞれ、用紙に印字を行ってレシートとして発行する印字部45を有している。また、第1POS装置11および第2POS装置21は、それぞれ、キャリア媒体31と通信して電子マネーのやり取りを行うリーダライタ46を有している。また、第1POS装置11および第2POS装置21は、それぞれ、通信を制御する通信制御部47を有している。
【0029】
なお、店舗に設置され、キャリア媒体31と通信して電子マネーを使用した取り引きを行う取引装置としては、店舗店員によって操作される上記のPOS装置に限定されるものではない。POS装置ではなく、顧客が自ら精算する、いわゆるセルフ精算装置であっても良い。すなわち、第1POS装置11にかえて第1セルフ精算装置を設けたり、第2POS装置21にかえて第2セルフ精算装置を設けたりすることが可能である。
【0030】
複数の第1現金処理機12は、それぞれ一台ずつ対応する第1POS装置11に接続されている。第1現金処理機12は、対応して接続された第1POS装置11からの指令に基づいて現金の入出金を行う。第2現金処理機22は、第2POS装置21に接続されている。第2現金処理機22は、接続された第2POS装置21からの指令に基づいて現金の入出金を行う。
【0031】
地域振興電子マネー利用システム10にあっては、第1店舗内構成システム15の第1店舗サーバ14と第1店舗コントローラ13とによって、第1POS装置11にて取り扱いが可能となるICカード等のキャリア媒体31の発行元の企業情報等が設定されるようになっている。第1POS装置11にて取り引きが可能となる電子マネーの種別等についても同様に第1店舗サーバ14と第1店舗コントローラ13とによって設定されるようになっている。また、後述するように、第1POS装置11での地域振興電子マネーの取り扱い条件等の設定も、第1店舗サーバ14と第1店舗コントローラ13とによって可能な構成になっている。
【0032】
地域振興電子マネー利用システム10にあっては、第2店舗内構成システム25の第2店舗サーバ24と第2店舗コントローラ23とによって、第2POS装置21にて取り扱いが可能となるICカード等のキャリア媒体31の発行元の企業情報等が設定されるようになっている。第2POS装置21にて取り引きが可能となる電子マネーの種別等についても同様に第2店舗サーバ24と第2店舗コントローラ23とによって設定されるようになっている。また、後述するように、第2POS装置21での地域振興電子マネーの取り扱い条件等の設定も、第2店舗サーバ24と第2店舗コントローラ23とによって可能な構成になっている。
【0033】
地域振興電子マネー利用システム10にあっては、第1店舗内構成システム15および第2店舗内構成システム25が共に、インターネット回線17を介して、キャリア媒体31の発行元のカード会社等の企業サーバ、電子マネーを取り扱う企業・団体等のサーバ等の外部サーバ16に通信可能に接続されている。
【0034】
図3は、本実施形態に係る地域振興用の電子マネーである地域振興電子マネーを記憶するキャリア媒体31の媒体メモリ32の概略構成を示す。ここでは、キャリア媒体31がICカードである場合を例にとり説明する。
【0035】
キャリア媒体31が、いわゆるハウス型のICカードである場合における媒体メモリ32の記憶領域は、図3の構成で示される。キャリア媒体31は、「一般向け地域振興電子マネー(第2種別の電子マネー)」を記憶する一般向け地域振興電子マネー記憶領域51と、「大型向け地域振興電子マネー(第1種別の電子マネー)」を記憶する大型向け地域振興電子マネー記憶領域52とを有している。言い換えれば、キャリア媒体31は、いずれも地域振興用の電子マネーである「一般向け地域振興電子マネー」と「大型向け地域振興電子マネー」とを記憶可能となっている。さらに言い換えれば、キャリア媒体31は、いずれも地域振興用の「一般向け地域振興電子マネー」と「大型向け地域振興電子マネー」とが使用可能に記憶されている。
【0036】
なお、上記キャリア媒体31の媒体メモリ32の一般向け地域振興電子マネー記憶領域51および大型向け地域振興電子マネー記憶領域52への地域振興電子マネーのチャージにあっては、該当する行政機関、または、該当する行政機関から委託された団体または業者より有効に発行される地域振興電子マネーが、適宜適切にチャージされたものとして、以下説明を続ける。
【0037】
図4は、本実施形態に係る「一般向け地域振興電子マネー」や「大型向け地域振興電子マネー」が使用される際の概念図を示す。
【0038】
図4に示すように、キャリア媒体31の一般向け地域振興電子マネー記憶領域51に記憶された「一般向け地域振興電子マネー」や、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶された「大型向け地域振興電子マネー」は、中小の一般商店に設置される第2POS装置21においては、両方が取り引きに使用可能であり、両方に残高がある場合、「一般向け地域振興電子マネー」が優先的に使用され、その次に、「大型向け地域振興電子マネー」が使用されるようになっている。
【0039】
言い換えれば、第2POS装置21は、「一般向け地域振興電子マネー」と「大型向け地域振興電子マネー」との両方が取り引きに使用可能とされている。第2POS装置21は、通信したキャリア媒体31に「一般向け地域振興電子マネー」と「大型向け地域振興電子マネー」とが、それぞれ残額が存在する状態で記憶されている場合、「一般向け地域振興電子マネー」を優先的に使用する。そして、第2POS装置21は、通信したキャリア媒体31の「一般向け地域振興電子マネー」と「大型向け地域振興電子マネー」とに関して、「一般向け地域振興電子マネー」の残額が無くなったときに限って、「大型向け地域振興電子マネー」が使用可能となる。なお、「一般向け地域振興電子マネー」と「大型向け地域振興電子マネー」とから顧客の選択に応じた一方を使用するようにしても良い。
【0040】
これに対して、大型店に設置される第1POS装置11においては、例え、キャリア媒体31の一般向け地域振興電子マネー記憶領域51に「一般向け地域振興電子マネー」が、その残額が存在する状態で記憶されていたとしても、「一般向け地域振興電子マネー」が使用されることなく、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶された「大型向け地域振興電子マネー」が使用されるようになっている。
【0041】
言い換えれば、第1POS装置11は、「一般向け地域振興電子マネー」と「大型向け地域振興電子マネー」とのうち、「大型向け地域振興電子マネー」のみが取り引きに使用可能とされている。
【0042】
以上のように大型店に設置される第1店舗内構成システム15の第1POS装置11にあっては、大型店に向けた「大型向け地域振興電子マネー」および一般商店に向けた「一般向け地域振興電子マネー」のうち、「大型向け地域振興電子マネー」のみを使用した取り引きが可能であり、他方、一般商店に設置される第2店舗内構成システム25の第2POS装置21にあっては、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」のうち、「一般向け地域振興電子マネー」のみならず「大型向け地域振興電子マネー」をも使用した取り引きが可能である。
【0043】
図5は、大型店において「大型向け地域振興電子マネー」あるいは現金が料金精算に使用される場合の流れと、一般商店において「大型向け地域振興電子マネー」、「一般向け地域振興電子マネー」あるいは現金が料金精算に使用される場合の流れとを示すフローチャートである。
【0044】
まず、大型店において「大型向け地域振興電子マネー」あるいは現金が精算に使用される場合の流れについて説明する。
【0045】
大型店に設置された第1店舗内構成システム15では、第1POS装置11において、そのスキャナ41で読み取った商品識別情報等に基づいて物品の購入などの請求金額が確定すると、これをその表示操作部44に表示させる(ステップSa1)。この表示に対して、この第1POS装置11において、その表示操作部44に支払い方法が選択入力されることになり(ステップSa2)、現金支払いが選択されると(ステップSa2:現金)、この第1POS装置11に対応して接続された第1現金処理機12を用いて、顧客から受け取った現金による現金支払いを行わせる(ステップSa3)。この第1現金処理機12を用いた現金支払いによって、この第1現金処理機12に請求金額分以上の現金が入金され、この第1現金処理機12から必要に応じて釣銭を出金させることで精算が完了すると、この第1POS装置11は、その印字部45でレシートに取り引き内容を印字する(ステップSa4)。このレシートが顧客に手渡されて、取引が終了となる。
【0046】
他方、支払い方法の選択入力に際し(ステップSa2)、電子マネーでの支払いが選択されると(ステップSa2:電子マネー)、第1POS装置11は、そのリーダライタ46へキャリア媒体31がタッチされるのを待機することになり(ステップSa6)、このリーダライタ46へキャリア媒体31がタッチされると(ステップSa6:YES)、設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちのいずれであるかを判定する店舗種別確認を行う(ステップSa7)。この第1POS装置11においては、上記したように設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちの「大型店」であることが事前設定されており、これに基づいて設置店舗が「大型店」であると判定し(ステップSa7:大型)、そのリーダライタ46が、このキャリア媒体31の一般向け地域振興電子マネー記憶領域51および大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている地域振興電子マネー情報から、一般向け地域振興電子マネー記憶領域51に記憶されている「一般向け地域振興電子マネー」に残額があっても、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」の情報のみを吸い上げる(ステップSa8)。
【0047】
次に、この第1POS装置11においては、再び、設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちのいずれであるかを判定する店舗種別確認を行う(ステップSa9)。この第1POS装置11においては、上記したように設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちの「大型店」であることが事前設定されているため、設置店舗が「大型店」であると判定し(ステップSa9:大型)、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52から吸い上げた「大型向け地域振興電子マネー」の残額から請求金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSa10)。
なお、上記ステップSa9は必ずしも必要ではなく、上記ステップSa8のあとは、上記ステップSa10に進むようにしても良い。
【0048】
ここで、この支払い処理では、前記したキャリア媒体31のタッチの一瞬において、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」の残額確認および残額からの減算が行われ請求金額の精算が完了する。精算が完了すると、この第1POS装置11は、その印字部45でレシートに取り引き内容を印字する(ステップSa4)。このレシートが顧客に手渡されて、取り引きが終了となる。
【0049】
なお、請求金額に対し、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」からの支払いをしても、不足金額がある場合は、図5のフローチャートでは記載を省略するが、この第1POS装置11およびこれに接続された第1現金処理機12において現金による、この不足金額の支払い処理が行われて、取引が終了となる。
【0050】
次に、一般商店において、「一般向け地域振興電子マネー」、「大型向け地域振興電子マネー」あるいは現金が精算に使用される場合の流れについて説明する。
【0051】
一般商店に設置された第2店舗内構成システム25では、その第2POS装置21において、そのスキャナ41で読み取った商品識別情報等に基づいて物品の購入などの請求金額が確定すると、これをその表示操作部44に表示させる(ステップSa1)。この表示に対して、この第2POS装置21において、その表示操作部44に支払い方法が選択入力されることになる(ステップSa2)。
【0052】
現金支払いが選択されると(ステップSa2:現金)、この第2POS装置21は、接続された第2現金処理機22を用いて、顧客から受け取った現金による現金支払いを行わせる(ステップSa3)。この第2現金処理機22による現金支払いによって、この第2現金処理機22に請求金額分以上の現金が入金され、この第2現金処理機22から必要に応じて釣銭を出金させることで精算が完了すると、この第2POS装置21は、その印字部45でレシートに取り引き内容を印字する(ステップSa4)。このレシートが顧客に手渡されて、取引が終了となる。
【0053】
他方、支払い方法の選択入力に際し(ステップSa2)、電子マネーでの支払いが選択されると(ステップSa2:電子マネー)、この第2POS装置21は、そのリーダライタ46へキャリア媒体31がタッチされるのを待機することになり(ステップSa6)、このリーダライタ46へキャリア媒体31がタッチされると(ステップSa6:YES)、設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちのいずれであるかを判定する店舗種別確認を行う(ステップSa7)。この第2POS装置21においては、上記したように設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちの「一般商店」であることが事前設定されており、これに基づいて設置店舗が「一般商店」であると判定し(ステップSa7:一般)、そのリーダライタ46が、このキャリア媒体31から、一般向け地域振興電子マネー記憶領域51に記憶されている「一般向け地域振興電子マネー」の情報および大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」の情報の両方を吸い上げる(ステップSa11)。
【0054】
次に、この第2POS装置21においては、再び、設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちのいずれであるかを判定する店舗種別確認を行う(ステップSa9)。この第2POS装置21においては、上記したように設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちの「一般商店」であることが事前設定されているため、設置店舗が「一般商店」であると判定し(ステップSa9:一般)、請求金額に対し、キャリア媒体31から吸い上げた「一般向け地域振興電子マネー」および「大型向け地域振興電子マネー」のうち、まず始めに、「一般向け地域振興電子マネー」の残額から請求金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSa12)。
なお、上記ステップSa9は必ずしも必要ではなく、上記ステップSa11のあとは、上記ステップSa12に進むようにしても良い。
【0055】
そして、請求金額に対して「一般向け地域振興電子マネー」での支払いでは不足があるときには、さらに、「大型向け地域振興電子マネー」の残額から不足金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSa10)。この場合、「一般向け地域振興電子マネー」の残額は0となり、「大型向け地域振興電子マネー」の残額は、不足金額を減算した後の値となる。
【0056】
他方、請求金額に対して「一般向け地域振興電子マネー」での支払いで不足がないときには、「大型向け地域振興電子マネー」の残額からの減算は行わない。この場合、「一般向け地域振興電子マネー」の残額は、請求金額全額の減算後の値となる。
【0057】
ここで、この支払い処理は、前記したキャリア媒体31のタッチの一瞬において、一般向け地域振興電子マネー記憶領域51に記憶されている「小型向け地域振興電子マネー」の残額確認および残額からの減算と大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」の残額確認および残額からの減算とが行われ請求金額の精算が完了する。精算が完了すると、この第2POS装置21は、その印字部45でレシートに取り引き内容を印字する(ステップSa4)。このレシートが顧客に手渡されて、取り引きが終了となる。
【0058】
なお、請求金額に対し、一般向け地域振興電子マネー記憶領域51に記憶されている「一般向け地域振興電子マネー」および大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」の両方からの支払いをもってしても、なお不足がある場合、図5のフローチャートでは記載を省略するが、この第2POS装置21およびこれに接続された第2現金処理機22において現金による、この不足金額の支払い処理が行われて、取引が終了となる。
【0059】
図6は、一般商店に設置された第2POS装置21においてキャリア媒体31の地域振興電子マネーを使用して支払いを行った場合の印字部45によるレシート61への印字例を示す。図6では、購入金額分をすべて「一般向け地域振興電子マネー」から支払った例を示している。
【0060】
この例では、レシート61に、物品別の購入金額「¥123」〜「¥456」と、請求金額であることを示す「お買上合計」の題目およびその金額「¥2,345」と、「一般向け地域振興電子マネー」の支払い金額であることを示す「一般電子マネー支払」の題目およびその金額「¥2,345」と、「一般向け地域振興電子マネー」の支払い後の残額であることを示す「一般電子マネー残額」の題目およびその金額「¥1,234」と、を印字し、これらに加えて、さらに、「大型向け地域振興電子マネー」の残額であることを示す「大型電子マネー残額」の題目およびその金額「¥3,456」を印字するようになっている。
【0061】
図7は、購入金額分の一部を「一般向け地域振興電子マネー」から支払い、「一般向け地域振興電子マネー」の残高がなくなった後、残りの不足金額分を「大型向け地域振興電子マネー」で支払った例を示している。
【0062】
この例では、レシート61に、物品別の購入金額「¥234」〜「¥567」と、請求金額であることを示す「お買上合計」の題目およびその金額「¥3,456」と、「一般向け地域振興電子マネー」の支払い金額であることを示す「一般電子マネー支払」の題目およびその金額「¥1,234」と、「大型一般向け地域振興電子マネー」の支払い金額であることを示す「大型電子マネー支払」の題目およびその金額「¥2,222」と、「一般向け地域振興電子マネー」の残額であることを示す「一般電子マネー残額」の題目およびその金額「¥0」と、「大型向け地域振興電子マネー」の残額であることを示す「大型電子マネー残額」の題目およびその金額「¥4,567」とを印字するようになっている。
【0063】
すなわち、第2POS装置21は、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」の少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシート61に、少なくとも、取り引きに使用した電子マネーの取り引き後の残額を印字する。
【0064】
図8は、大型店に設置された第1POS装置11においてキャリア媒体31の地域振興電子マネーを使用して支払いを行った場合の印字部45によるレシート61への印字例を示す。図8では、購入金額分をすべて「大型向け地域振興電子マネー」から支払った例を示している。
【0065】
この例では、レシート61に、物品別の購入金額「¥321」〜「¥654」と、請求金額であることを示す「お買上合計」の題目およびその金額「¥5,432」と、「大型向け地域振興電子マネー」の支払い金額であることを示す「大型電子マネー支払」の題目およびその金額「¥5,432」と、「大型向け地域振興電子マネー」の支払い後の残額であることを示す「大型電子マネー残額」の題目およびその金額「¥3,210」と、を印字するようになっている。
【0066】
すなわち、第1POS装置11は、「大型向け地域振興電子マネー」を使用した取り引きに際して発行するレシート61に、取り引きに使用した「大型向け地域振興電子マネー」の取り引き後の残額を印字する。
なお、顧客の利便性を考慮し、第1POS装置11での印字に際してであっても、大型店では使用し得ない「一般向け地域振興電子マネー」の残額印字を併せて行うようにしても良い。
【0067】
[変形例1]
ここで、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」は、地域振興の目的から使用可能な地域が特定されるものである。このため、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」のキャリア媒体31への記憶に際しては、それぞれ地域情報と共に記憶される。これに対応して、第1POS装置11および第2POS装置21には、設置される店舗の地域情報が記憶されている。
【0068】
この場合、店舗での使用に際して、第1POS装置11は、自身に記憶された設置店舗の地域情報と同じ地域情報の「大型向け地域振興電子マネー」が、そのリーダライタ46で読み取ったキャリア媒体31に記憶されている場合に、この「大型向け地域振興電子マネー」を支払い用に使用する。
【0069】
また、この場合、店舗での使用に際して、第2POS装置21は、自身に記憶された設置店舗の地域情報と同じ地域情報の「一般向け地域振興電子マネー」が、そのリーダライタ46で読み取ったキャリア媒体31に記憶されている場合に、この「一般向け地域振興電子マネー」を支払い用に使用する。この「一般向け地域振興電子マネー」では不足の場合、第2POS装置21は、自身に記憶された設置店舗の地域情報と同じ地域情報の「大型商向け地域振興電子マネー」が、そのリーダライタ46で読み取ったキャリア媒体31に記憶されている場合に、この「大型商向け地域振興電子マネー」を支払い用に使用する。
【0070】
言い換えれば、店舗での使用に際しては、第1POS装置11は、設置店舗の地域情報に基づいて、「大型向け地域振興電子マネー」の使用の可否を判断し、第2POS装置21は、設置店舗の地域情報に基づいて、「一般向け地域振興電子マネー」および「大型向け地域振興電子マネー」の使用の可否を判断する。
【0071】
[変形例2]
また、一つのキャリア媒体31に、複数の地域に関わる複数の地域振興電子マネーを記憶するようにしても良い。この場合も、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」は、使用可能な地域が特定されるものであるので、キャリア媒体31への記憶に際しては、その地域情報別に記憶される。例えば、A地域用の「大型向け地域振興電子マネー」、このA地域用の「一般向け地域振興電子マネー」、A地域とは異なるB地域用の「大型向け地域振興電子マネー」、このB地域用の「一般向け地域振興電子マネー」等のようにキャリア媒体31に記憶される。
【0072】
この場合、店舗での使用に際して、第1POS装置11は、自身に記憶された設置店舗の地域情報(例えばA地域)と同じ地域情報(例えばA地域)の「大型向け地域振興電子マネー」を、そのリーダライタ46で読み取ったキャリア媒体31の電子マネー情報から自動的に選択して支払い用に使用する。第1POS装置11は、自身に記憶された設置店舗の地域情報(例えばA地域)とは異なる地域情報(例えばB地域)の「大型向け地域振興電子マネー」については支払い用に使用しない。この場合、第1POS装置11は、「大型向け地域振興電子マネー」を使用した取り引きに際して発行するレシートに、さらに、支払いに使用した「大型向け地域振興電子マネー」の使用可能地域の地域情報(例えばA地域)を、その印字部45によって印字する。
【0073】
また、この場合、店舗での使用に際して、第2POS装置21は、自身に記憶された設置店舗の地域情報(例えばA地域)と同じ地域情報(例えばA地域)の「一般向け地域振興電子マネー」を、そのリーダライタ46で読み取ったキャリア媒体31の電子マネー情報から自動的に選択して支払いに使用することになり、自身に記憶された設置店舗の地域情報(例えばA地域)と同じ地域情報(例えばA地域)の「大型向け地域振興電子マネー」を、そのリーダライタ46で読み取ったキャリア媒体31の電子マネー情報から自動的に選択して支払いに使用する。第2POS装置21は、自身に記憶された設置店舗の地域情報(例えばA地域)とは異なる地域情報(例えばB地域)の、「一般向け地域振興電子マネー」および「大型向け地域振興電子マネー」については支払い用に使用しない。この場合、第2POS装置21は、「一般向け地域振興電子マネー」あるいは「大型向け地域振興電子マネー」を使用した取り引きに際して発行するレシートに、さらに、支払いに使用した「一般向け地域振興電子マネー」あるいは「大型向け地域振興電子マネー」の使用可能地域の地域情報(例えばA地域)を、その印字部45によって印字する。
【0074】
言い換えれば、地域振興電子マネーの店舗での使用に際して、第2POS装置21は、設置店舗の地域情報に基づいて、「一般向け地域振興電子マネー」および「大型向け地域振興電子マネー」の使用可能なものを自動的に判断し、第1POS装置11は、設置店舗の地域情報に基づいて、「大型向け地域振興電子マネー」の使用可能なものを自動的に判断する。
【0075】
[変形例3]
加えて、「一般向け地域振興電子マネー」および「大型向け地域振興電子マネー」は、使用期限が特定されるものでもある。このため、店舗での使用に際して、第1POS装置11は、そのリーダライタ46で読み取ったキャリア媒体31の「大型向け地域振興電子マネー」が使用期限内である場合に限り、この「大型向け地域振興電子マネー」を支払い用に使用する。この場合、第1POS装置11は、「大型向け地域振興電子マネー」を使用した取り引きに際して発行するレシートに、さらに、支払いに使用した「大型向け地域振興電子マネー」の使用期限の情報を印字部45によって印字する。
【0076】
また、店舗での使用に際して、第2POS装置21は、そのリーダライタ46で読み取ったキャリア媒体31の「一般向け地域振興電子マネー」が使用期限内である場合に限り、この「一般向け地域振興電子マネー」を支払い用に使用し、そのリーダライタ46で読み取ったキャリア媒体31の「大型向け地域振興電子マネー」が使用期限内である場合に限り、この「大型向け地域振興電子マネー」を支払い用に使用する。この場合、第2POS装置21は、「一般向け地域振興電子マネー」あるいは「大型向け地域振興電子マネー」を使用した取り引きに際して発行するレシートに、さらに、支払いに使用した「一般向け地域振興電子マネー」あるいは「大型向け地域振興電子マネー」の使用期限の情報を印字部45によって印字する。
【0077】
言い換えれば、店舗での使用に際して、第1POS装置11は、日付情報に基づいて、「大型向け地域振興電子マネー」の使用の可否を判断し、第2POS装置21は、日付情報に基づいて、「一般向け地域振興電子マネー」および「大型向け地域振興電子マネー」の使用の可否を判断する。
【0078】
[変形例4]
なお、上記にあっては、地域振興電子マネーの種類を、「一般向け地域振興電子マネー」と「大型向け地域振興電子マネー」とに区別して説明したが、地域振興を目的とした主旨から、それらの区別は、必ずしも文字通りの店舗の規模を示すものでなくても良い。当該地域振興電子マネーが発行される地域事情を鑑みて、少なくとも、第1種別の電子マネーと、これよりも取り扱い店舗数が少ない第2種別の電子マネーとの二種類に区分できるものであれば良い。
【0079】
[変形例5]
地域振興電子マネーを利用可能とする特定地域の場合、当該特定地域でのみ使用可能な電子マネーが発行されている蓋然性が高い。その場合、地域振興電子マネーの使用に際して、残額不足となった場合には、さらに、当該特定地域でのみ使用可能な電子マネー(通常電子マネーと称す)によって不足金額の支払いを可能とする。この通常電子マネーは、例えば、第1POS装置11および第2POS装置21等の取引装置に現金を入金することで、リーダライタ46を用いたキャリア媒体31への現金分のチャージが可能となっている。この通常電子マネーは、例えば、キャリア媒体31の発行元の電子マネーであるキャリア媒体発行元電子マネー(第3種別の電子マネー)となっている。言い換えれば、キャリア媒体31には、このキャリア媒体31の発行元の電子マネーであるキャリア媒体発行元電子マネー(第3種別の電子マネー)が使用可能に記憶されるようになっている。
【0080】
図9は、一般向け地域振興電子マネーと、大型向け地域振興電子マネーと、通常電子マネーとを記憶するキャリア媒体31の媒体メモリ32の概略構成を示す。
【0081】
キャリア媒体31の媒体メモリ32の記憶領域は、図9の構成で示される。キャリア媒体31は、「一般向け地域振興電子マネー」を記憶する一般向け地域振興電子マネー記憶領域51と、「大型向け地域振興電子マネー」を記憶する大型向け地域振興電子マネー記憶領域52と、「通常電子マネー」を記憶する通常電子マネー記憶領域71とを有している。
【0082】
図10は、「一般向け地域振興電子マネー」や「大型向け地域振興電子マネー」、「通常電子マネー」が使用される際の概念図を示す。
【0083】
図10に示すように、第1POS装置11においては、そのリーダライタ46でキャリア媒体31から読み取った電子マネーのうち、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」が優先的に使用され、その次に、通常電子マネー記憶領域71に記憶されている「通常電子マネー」が使用されるようになっている。すなわち、第1POS装置11においては、キャリア媒体31に記憶された「大型向け地域振興電子マネー」を使用した支払いで不足が生じた場合、不足金額分の支払いに同じキャリア媒体31に記憶された「通常電子マネー」を使用するようになっている。
【0084】
第2POS装置21においては、そのリーダライタ46でキャリア媒体31から読み取った電子マネーのうち、一般向け地域振興電子マネー記憶領域51に記憶されている「一般向け地域振興電子マネー」が最も優先的に使用され、その次に、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」が使用され、その次に、通常電子マネー記憶領域71に記憶されている「通常電子マネー」が使用されるようになっている。すなわち、第2POS装置21においては、キャリア媒体31に記憶された「一般向け地域振興電子マネー」を使用した支払いで不足が生じた場合、不足金額分の支払いに同じキャリア媒体31に記憶された「大型向け地域振興電子マネー」を使用し、「大型向け地域振興電子マネー」を使用した支払いでも不足が生じた場合、不足金額分の支払いに同じキャリア媒体31に記憶された「通常電子マネー」を使用するようになっている。
【0085】
図11は、大型店において「大型向け地域振興電子マネー」、「通常電子マネー」あるいは現金が使用される場合の流れと、一般商店において「大型向け地域振興電子マネー」、「一般向け地域振興電子マネー」、「通常電子マネー」あるいは現金が使用される場合の流れとを示すフローチャートである。以下、図5のフローチャートと異なる点を中心に説明する。
【0086】
顧客によっては、キャリア媒体31に地域振興電子マネーを有していても、単に電子マネーでの支払いと申告する場合がある。このような場合には、第1POS装置11あるいは第2POS装置21のリーダライタ46へのキャリア媒体31のタッチ(ステップSa6)で、電子マネー情報の吸い上げと精算とを一瞬で済ますことはできない。すなわち、通常電子マネーと地域振興電子マネーとの二種類が存在することで、いずれの電子マネーでの精算であるかが判断できない。このため、電子マネー情報の吸い上げまでで、精算処理は一旦中断される。
【0087】
例えば、大型店に設置された第1POS装置11において、支払い方法の選択入力に際し(ステップSa2)、電子マネーでの支払いが選択され(ステップSa2:電子マネー)、そのリーダライタ46へキャリア媒体31がタッチされると(ステップSa6:YES)、設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちの「大型店」であると判定し(ステップSa7:大型)、そのリーダライタ46が、このキャリア媒体31の大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」の情報と、通常電子マネー記憶領域71に記憶されている「通常電子マネー」の情報とを吸い上げる(ステップSb8)。
【0088】
次に、この第1POS装置11は、設置店舗が「大型店」であると判定し(ステップSa9:大型)、キャリア媒体31上から吸い上げた電子マネー情報のうち、「大型向け地域振興電子マネー」の残額および「通常電子マネー」の残額を表示操作部44に表示し、地域振興電子マネーを使用するか否かの入力を待機する(ステップSc1)。
なお、上記ステップSa9は必ずしも必要ではなく、上記ステップSb8のあとは、上記ステップSc1に進むようにしても良い。
そして、この第1POS装置11は、その表示操作部44に地域振興電子マネーの使用が選択入力されると(ステップSc1:YES)、そのリーダライタ46へのキャリア媒体31の再度のタッチを待機し(ステップSc2)、タッチされると(ステップSc2:YES)、このリーダライタ46が、このキャリア媒体31の大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」の情報と、通常電子マネー記憶領域71に記憶されている「通常電子マネー」の情報とを再び吸い上げる(ステップSc3)。
【0089】
そして、この第1POS装置11では、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52から吸い上げた「大型向け地域振興電子マネー」の残額から請求金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSa10)。
【0090】
そして、この第1POS装置11は、請求金額に対して「大型向け地域振興電子マネー」での支払いでは不足があるときには、さらに、「通常電子マネー」の残額から不足金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSc4)。この場合、「大型向け地域振興電子マネー」の残額は0となり、「通常電子マネー」の残額は不足金額を減算した後の値となる。このように、第1POS装置11は、通信したキャリア媒体31の「大型向け地域振興電子マネー」が無くなったときに、キャリア媒体発行元電子マネーが使用可能となる。
【0091】
他方、この第1POS装置11は、請求金額に対して「大型向け地域振興電子マネー」での支払いで不足がないときには、「通常電子マネー」の残額からの減算は行わない。この場合、「大型向け地域振興電子マネー」の残額は、請求金額全額の減算後の値となる。
【0092】
この第1POS装置11は、「大型向け地域振興電子マネー」の使用が表示操作部44に選択入力されない場合(ステップSc1:NO)、そのリーダライタ46へのキャリア媒体31の再度のタッチを待機し(ステップSc5)、タッチされると(ステップSc5:YES)、そのリーダライタ46が、このキャリア媒体31の通常電子マネー記憶領域71に記憶されている「通常電子マネー」の情報を吸い上げ(ステップSc6)、「通常電子マネー」の残額から請求金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSc4)。この場合、「通常電子マネー」の残額は、請求金額全額の減算後の値となる。
【0093】
なお、通常電子マネーからの減算をもってしても、なお不足がある場合は、図11のフローチャートでは記載を省略するが、この第1POS装置11およびこれに接続された第1現金処理機12において、現金による不足金額の支払い処理、または現金による通常電子マネーのキャリア媒体31へのチャージ後の不足金額の支払い処理が行われて、取引が終了となる。
【0094】
一般商店に設置された第2POS装置21においては、支払い方法の選択入力に際し(ステップSa2)、電子マネーでの支払いが選択され(ステップSa2:電子マネー)、そのリーダライタ46へキャリア媒体31がタッチされると(ステップSa6:YES)、設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちの「一般商店」であると判定し(ステップSa7:一般)、そのリーダライタ46が、このキャリア媒体31の一般向け地域振興電子マネー記憶領域51に記憶されている「一般向け地域振興電子マネー」の情報と、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」の情報と、通常電子マネー記憶領域71に記憶されている「通常電子マネー」の情報とを吸い上げる(ステップSb11)。
【0095】
次に、この第2POS装置21は、設置店舗が「一般商店」であると判定し(ステップSa9:一般)、キャリア媒体31上から吸い上げた電子マネー情報である「一般向け地域振興電子マネー」の残額、「大型向け地域振興電子マネー」の残額および「通常電子マネー」の残額を表示操作部44に表示し、地域振興電子マネーを使用するか否かの入力を待機する(ステップSc7)。
なお、上記ステップSa9は必ずしも必要ではなく、上記ステップSb11のあとは、上記ステップSc7に進むようにしても良い。
この第2POS装置21は、地域振興電子マネーの使用が、その表示操作部44に選択入力されると(ステップSc7:YES)、そのリーダライタ46へのキャリア媒体31の再度のタッチを待機し(ステップSc8)、タッチされると(ステップSc8:YES)、このリーダライタ46が、このキャリア媒体31の一般向け地域振興電子マネー記憶領域51に記憶されている「一般向け地域振興電子マネー」の情報と、大型向け地域振興電子マネー記憶領域52に記憶されている「大型向け地域振興電子マネー」の情報と、通常電子マネー記憶領域71に記憶されている「通常電子マネー」の情報とを吸い上げる(ステップSc9)。
【0096】
この第2POS装置21は、キャリア媒体31から吸い上げた「一般向け地域振興電子マネー」、「大型向け地域振興電子マネー」および「通常電子マネー」のうち、まず始めに、「一般向け地域振興電子マネー」の残額から請求金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSa12)。
【0097】
そして、この第2POS装置21は、請求金額に対して「一般向け地域振興電子マネー」での支払いでは不足があるときには、さらに、「大型向け地域振興電子マネー」の残額から不足金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSa10)。この場合、「一般向け地域振興電子マネー」の残額は0となり、「大型向け地域振興電子マネー」の残額は不足金額を減算した後の値となる。
【0098】
他方、この第2POS装置21は、請求金額に対して「一般向け地域振興電子マネー」での支払いで不足がないときには、「大型向け地域振興電子マネー」の残額および「通常電子マネー」の残額からの減算は行わない。この場合、「一般向け地域振興電子マネー」の残額は、請求金額全額の減算後の値となる。
【0099】
そして、この第2POS装置21は、請求金額に対して「大型向け地域振興電子マネー」での支払いでも不足があるときには、さらに、「通常電子マネー」の残額から不足金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSc4)。この場合、「一般向け地域振興電子マネー」の残額は0となり、「大型向け地域振興電子マネー」の残額も0となり、「通常電子マネー」の残額は、不足金額を減算した後の値となる。すなわち、第2POS装置21は、通信したキャリア媒体31の「一般向け地域振興電子マネー」および「大型向け地域振興電子マネー」が無くなったときに、キャリア媒体発行元電子マネーが使用可能となる。
【0100】
他方、この第2POS装置21は、請求金額に対して「大型向け地域振興電子マネー」での支払いで不足がないときには、「通常電子マネー」の残額からの減算は行わない。この場合、「大型向け地域振興電子マネー」の残額は、不足金額を減算した後の値となる。
【0101】
この第2POS装置21は、地域振興電子マネーの使用が表示操作部44に選択入力されない場合(ステップSc7:NO)、そのリーダライタ46へのキャリア媒体31の再度のタッチを待機し(ステップSc10)、タッチされると(ステップSc10:YES)、このリーダライタ46が、このキャリア媒体31の通常電子マネー記憶領域71に記憶されている「通常電子マネー」の情報を吸い上げ(ステップSc11)、この「通常電子マネー」の残額から請求金額分の減算がなされ支払いがなされる(ステップSc4)。この場合、「通常電子マネー」の残額は請求金額全額の減算後の値となる。
【0102】
なお、通常電子マネーからの減算をもってしても、なお不足がある場合は、図11のフローチャートでは記載を省略するが、この第2POS装置21およびこれに接続された第2現金処理機22において、現金による不足金額の支払い処理、または現金による通常電子マネーのキャリア媒体31へのチャージ後の不足金額の支払い処理が行われて、取引が終了となる。
【0103】
また、図11のフローチャートでは記載を省略するが、キャリア媒体31に「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」の残額が記憶されていない、または、その記憶の履歴が残っていてもその残額が0のキャリア媒体31の場合に、第1POS装置11および第2POS装置21は、そのリーダライタ46へキャリア媒体31の最初のタッチの瞬間において、直ちに、通常電子マネーからの請求金額全額の減算を行って精算を完了し、レシート印字を行って、取引を終了とする。
【0104】
図12は、一般商店に設置された第2POS装置21においてキャリア媒体31の地域振興電子マネーを使用して支払いを行った場合の印字部45によるレシート61への印字例を示す。図12では、購入金額分をすべて「一般向け地域振興電子マネー」から支払った例を示している。
【0105】
この例では、レシート61に、物品別の購入金額「¥123」〜「¥456」と、請求金額であることを示す「お買上合計」の題目およびその金額「¥2,345」と、「一般向け地域振興電子マネー」の支払い金額であることを示す「一般電子マネー支払」の題目およびその金額「¥2,345」と、「一般向け地域振興電子マネー」の支払い後の残額であることを示す「一般電子マネー残額」の題目およびその金額「¥1,234」と、を印字し、これらに加えて、さらに、「大型向け地域振興電子マネー」の残額であることを示す「大型電子マネー残額」の題目およびその金額「¥3,456」と、「通常電子マネー」の残額であることを示す「通常電子マネー残額」の題目およびその金額「¥2,345」と、を印字するようになっている。
【0106】
なお、変形例5においては、複数地域に関わる地域振興電子マネーの記憶、使用可否、残額印字、使用期限情報印字などについても、上記と同様に行うようになっている。
【0107】
[変形例6]
キャリア媒体31としては、交通系ICカードのように共通系電子マネーと呼ばれるICカードタイプのものや、その他の商業系や買い物系として知られるクレジット系のICカード、さらには、これらの機能がインストールされた携帯電話などの携帯端末タイプのものが含まれる。
【0108】
ここにおいて、これら周知の共通系電子マネーも、基本的には、上記変形例5と同様に、通常電子マネー記憶領域71に記憶されて通常電子マネーと同様に使用される。なお、必要に応じて、媒体メモリ32に、共通系電子マネーを記憶する共通系電子マネー記憶領域を設けても良い。
【0109】
共通系電子マネーをキャリア媒体31に記憶する場合であっても、変形例5と同様な制御となり、いずれの電子マネーを使用するかの選択に際して、共通系電子マネーもその選択肢の一つとなるだけである。言い換えれば、キャリア媒体31は、さらに、共通系電子マネー(第4種別の電子マネー)が記憶可能となり、第1POS装置11は、通信したキャリア媒体31の「大型向け地域振興電子マネー」が無くなったときに、「共通系電子マネー」が使用可能となり、第2POS装置21は、通信したキャリア媒体31の「一般向け地域振興電子マネー」および「大型向け地域振興電子マネー」が無くなったときに、共通系電子マネーが使用可能となる。この場合、キャリア媒体31には、共通系電子マネーが使用可能に記憶される。
【0110】
[変形例7]
地域振興という意味では、それぞれの地域で、店舗種別を二種類に分ける場合においても、様々な条件が加味されるところ、種々の店舗をいずれに区分するかはその地域振興電子マネーを発行および運用する団体等が定めることになる。これに加え、地域振興電子マネーが複数種ある場合にそのいずれを優先的に使用するか等についても、それぞれの地域特性等を鑑みて設定される。
【0111】
すなわち、上記実施形態においては、一般商店での使用の場合には、第2POS装置21が「一般向け地域振興電子マネー」からの支払いを優先し、且つ「大型向け地域振興電子マネー」での支払いも可能である一方、大型店である場合には、第1POS装置11が「一般向け地域振興電子マネー」および「大型向け地域振興電子マネー」のうち「大型向け地域振興電子マネー」のみからの支払いとした。しかしながら、一般商店に設置される第2POS装置21において、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」のうち「大型向け地域振興電子マネー」からの減算すなわち支払いを優先して行い、「大型向け地域振興電子マネー」が無くなった場合に限り、「一般向け地域振興電子マネー」から減算して支払うようにしても良い。これにより、一般商店での「大型向け地域振興電子マネー」の使用が促進され、より多い金額の地域振興電子マネーが一般商店で使用されることになる。
【0112】
あるいは、二種類の地域振興電子マネーを利用可能な一般商店の第2POS装置21において、「一般向け地域振興電子マネー」からの減算か、「大型向け地域振興電子マネー」からの減算かのいずれかを店舗側または顧客によって選択できるようにしても良い。
【0113】
さらには、第2POS装置21において、取引において利用する、すなわち減算する取引金額の大小によって、「一般向け地域振興電子マネー」からの減算を優先して支払うか、「大型向け地域振興電子マネー」からの減算を優先して支払うかのいずれかを、予め設定しておいたり、あるいは、店舗側が条件設定したり、さらには、顧客が条件設定できるようにしても良い。
【0114】
なお、図5のフローチャートおよび図11のフローチャートのいずれにおいても、ステップSa7またはステップSa9を設けて、POS装置の設置店舗が「一般商店」および「大型店」のうちのいずれであるかを判定する店舗種別確認を行うステップとして説明したが、通常、POS装置が店舗に設置された状態では、設置店舗は「一般商店」および「大型店」のうちのいずれに限られるものであるので、このような判断は不要・必須とはならず、予め定められたいずれか一方のステップへ進むことになり、この点も、本発明の範囲に含まれるものである。すなわち、「大型店」に設置される第1POS装置11では、図5のフローチャートにおいて、ステップSa6の次にステップSa8を行い、ステップSa8の次にステップSa10を行う。「一般商店」に設置される第2POS装置21では、図5のフローチャートにおいて、ステップSa6の次にステップSa11を行い、ステップSa11の次にステップSa12を行う。また、「大型店」に設置される第1POS装置11では、図11のフローチャートにおいて、ステップSa6の次にステップSb8を行い、ステップSb8の次にステップSc1を行う。「一般商店」に設置される第2POS装置21では、図11のフローチャートにおいて、ステップSa6の次にステップSb11を行い、ステップSb11の次にステップSc7を行う。
【0115】
地域振興電子マネー利用システム10は、「大型店」においては、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」を記憶可能なキャリア媒体31と、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」のうちの「大型向け地域振興電子マネー」のみが取り引きに使用可能とされる第1POS装置11と、を含んで構成される。また、地域振興電子マネー利用システム10は、「一般商店」においては、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」を記憶可能なキャリア媒体31と、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」の両方が取り引きに使用可能とされる第2POS装置21と、を含んで構成される。
【0116】
以上に述べた実施形態に係る地域振興電子マネー利用システム10は、「大型向け地域振興電子マネー」と「一般向け地域振興電子マネー」とのうち、「大型向け地域振興電子マネー」のみが取り引きに使用可能とされる第1POS装置11と、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」の両方が取り引きに使用可能とされる第2POS装置21とを有する。このため、キャッシュレス化に対応しても、第1POS装置11が設置された店舗(大型店)での利用を制限して、第2POS装置21が設置された店舗(一般商店)での利用を増やすことができる。よって、振興の重み付けが可能となる。
【0117】
また、第2POS装置21は、通信したキャリア媒体31に「大型向け地域振興電子マネー」と「一般向け地域振興電子マネー」とが記憶されている場合、「一般向け地域振興電子マネー」を優先的に使用することになる。よって、「一般向け地域振興電子マネー」の使い残しを抑制することができる。
【0118】
また、第2POS装置21は、通信したキャリア媒体31の「一般向け地域振興電子マネー」が無くなったときに、「大型向け地域振興電子マネー」が使用可能となるため、第2POS装置21が設置された店舗(一般商店)で、より多くの地域振興電子マネーを使用させることができる。
【0119】
また、キャリア媒体31には、さらに、キャリア媒体31の発行元のキャリア媒体発行元電子マネーが記憶可能であり、第1POS装置11および第2POS装置21は、通信したキャリア媒体31の「大型向け地域振興電子マネー」が無くなったときに、キャリア媒体発行元電子マネーが使用可能となるため、「大型向け地域振興電子マネー」での不足金額分をキャリア媒体発行元電子マネーで支払うことができる。
【0120】
また、キャリア媒体31には、さらに、共通系電子マネーが記憶可能であり、第1POS装置11および第2POS装置21は、通信したキャリア媒体31の「大型向け地域振興電子マネー」が無くなったときに、共通系電子マネーが使用可能となるため、「大型向け地域振興電子マネー」での不足金額分を共通系電子マネーで支払うことができる。
【0121】
また、第1POS装置11は、「大型向け地域振興電子マネー」を使用した取り引きに際して発行するレシート61に、少なくとも、「大型向け地域振興電子マネー」の取り引き後の残額を印字し、第2POS装置21は、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」の少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシート61に、少なくとも、取り引きに使用した電子マネーの取り引き後の残額を印字する。よって、レシート61を見れば電子マネーの残額を確認することができる。
【0122】
また、第1POS装置11は、「大型向け地域振興電子マネー」を使用した取り引きに際して発行するレシート61に、少なくとも、当該「大型向け地域振興電子マネー」の使用可能地域の地域情報を印字し、第2POS装置21は、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」の少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシート61に、少なくとも、取り引きに使用した電子マネーの使用可能地域の地域情報を印字する。よって、レシート61を見れば電子マネーの使用可能地域の地域情報を確認することができる。
【0123】
また、第1POS装置11は、「大型向け地域振興電子マネー」を使用した取り引きに際して発行するレシート61に、少なくとも、当該「大型向け地域振興電子マネー」の使用期限情報を印字し、第2POS装置21は、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」の少なくとも一方を使用した取り引きに際して発行するレシート61に、少なくとも、「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」の使用期限情報を印字する。よって、レシート61を見れば電子マネーの使用期限情報を確認することができる。
【0124】
また、キャリア媒体31は、いずれも地域振興用の「大型向け地域振興電子マネー」および「一般向け地域振興電子マネー」が使用可能に記憶されているため、上記地域振興電子マネー利用システム10に用いて好適となる。
【0125】
さらに、キャリア媒体31は、その発行元のキャリア媒体発行元電子マネーが使用可能に記憶されているため、一つのキャリア媒体31で、地域振興電子マネーに加えてキャリア媒体発行元電子マネーに対応可能となる。
【0126】
さらに、キャリア媒体31は、共通系電子マネーが使用可能に記憶されているため、一つのキャリア媒体31で、地域振興電子マネーに加えて共通系電子マネーに対応可能となる。
【符号の説明】
【0127】
10 地域振興電子マネー利用システム
11 第1POS装置(取引装置,第1の取引装置)
21 第2POS装置(取引装置,第2の取引装置)
31 キャリア媒体
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