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特開2021-197077情報処理装置、情報処理装置の制御方法、携帯型装置、プログラム並びにシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-197077(P2021-197077A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、携帯型装置、プログラム並びにシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20211129BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20211129BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20211129BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G01C21/26 P
   G08G1/005
   G08G1/09 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-105397(P2020-105397)
(22)【出願日】2020年6月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100166648
【弁理士】
【氏名又は名称】鎗田 伸宜
(72)【発明者】
【氏名】倉持 俊克
(72)【発明者】
【氏名】小野 惇也
(72)【発明者】
【氏名】石田 傑
(72)【発明者】
【氏名】吉野 真弘
(72)【発明者】
【氏名】丸山 雅紀
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA05
2F129AA08
2F129CC23
2F129DD37
2F129DD70
2F129EE53
2F129FF12
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF47
2F129FF49
2F129HH15
5H181AA06
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181EE05
5H181EE10
5H181FF13
5H181FF33
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】歩行を伴って移動するユーザに対して、ユーザの都合に応じた移動態様を考慮したナビゲーションを提供可能な技術を実現する。
【解決手段】複数のユーザの協調した移動を支援するシステムで用いられる情報処理装置であって、ユーザの目的地の設定と、該目的地までの移動についての該ユーザの移動様態に関する設定とを取得する取得手段と、ユーザの目的地までの移動において他のユーザがユーザと近接する場合に、ユーザの移動態様に関する設定と他のユーザと移動様態を取引するポイントとに基づいて、他のユーザと近接する際のユーザの移動態様を決定する決定手段と、決定されたユーザの移動態様に応じて、ユーザが他のユーザから受け取る又は他のユーザに提供するポイントを処理する処理手段と、決定されたユーザの移動態様に応じて、目的地までの移動においてユーザが存在すべき存在推奨エリアを示す情報を提供する提供手段と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザの協調した移動を支援するシステムで用いられる情報処理装置であって、
ユーザの目的地の設定と、該目的地までの移動についての該ユーザの移動様態に関する設定とを取得する取得手段と、
前記ユーザの目的地までの移動において他のユーザが前記ユーザと近接する場合に、前記ユーザの移動態様に関する設定と前記他のユーザと移動様態を取引するポイントとに基づいて、前記他のユーザと近接する際の前記ユーザの移動態様を決定する決定手段と、
決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記ユーザが前記他のユーザから受け取る又は前記他のユーザに提供するポイントを処理する処理手段と、
決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記目的地までの移動において前記ユーザが存在すべき存在推奨エリアを示す情報を提供する提供手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記移動態様に関する設定は、前記目的地までの移動の所要時間を短縮する移動様態を選択するための設定と、前記所要時間を延長する移動様態を選択するための設定とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記移動態様に関する設定は、前記ユーザの目的地までの移動に費やす体力を温存する移動態様を選択する設定と、前記ユーザの目的地までの移動に費やす体力を温存しない移動態様を選択する設定とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記移動態様は、エレベータに搭乗する移動、エレベータに搭乗しないで歩行する移動、歩道又はエスカレータを優先的に通行する移動、歩道又はエスカレータを通行する際に優先的な通行を行わない移動、電車又はバスにおける着席した状態での移動、電車又はバスにおける起立した状態での移動、のうちの少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記存在推奨エリアを示す情報は、前記ユーザの所有する携帯型装置が前記存在推奨エリアを画像として表示するための情報を含む、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記存在推奨エリアを示す情報は、前記ユーザの所有する携帯型装置が前記存在推奨エリアを音又は振動により通知するための情報を含む、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供手段は、前記音が単音であり、且つ、前記存在推奨エリアの境界に前記ユーザの位置が接近するほど、前記ユーザの所有する携帯型装置から発生される音の間隔が短くなるように、前記携帯型装置に制御信号を送信する、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供手段は、前記振動が単振動であり、且つ、前記存在推奨エリアの境界に前記ユーザの位置が近接するほど、前記ユーザの所有する携帯型装置から発生される振動の間隔が短くなるように、前記携帯型装置に制御信号を送信する、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記提供手段は、前記ユーザの位置が前記存在推奨エリアの外にある場合、前記音が、前記単音より長い間発生される連続音に変更されるように、前記携帯型装置に制御信号を送信する、ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記提供手段は、前記ユーザの位置が前記存在推奨エリアの外にある場合、前記振動が、前記単振動より長い間発生される連続振動で発生されるように、前記携帯型装置に制御信号を送信する、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記決定手段は、決定した前記ユーザの移動態様に応じて、前記他のユーザの移動態様を更新し、
前記処理手段は、前記他のユーザが前記ユーザから受け取る又は前記ユーザに提供するポイントを、更新された前記他のユーザの移動態様に応じて処理する、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
複数のユーザの協調した移動を支援するシステムで情報処理装置と共に用いられる携帯型装置であって、前記情報処理装置は、ユーザの目的地の設定と、該目的地までの移動についての該ユーザの移動様態に関する設定とを取得する取得手段と、前記ユーザの目的地までの移動において他のユーザが前記ユーザと近接する場合に、前記ユーザの移動態様に関する設定と前記他のユーザと移動様態を取引するポイントとに基づいて、前記他のユーザと近接する際の前記ユーザの移動態様を決定する決定手段と、決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記ユーザが前記他のユーザから受け取る又は前記他のユーザに提供するポイントを処理する処理手段と、決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記目的地までの移動において前記ユーザが存在すべき存在推奨エリアを示す情報を提供する提供手段と、を有し、前記携帯型装置は、
前記ユーザの目的地の設定と、前記ユーザの移動態様に関する情報を設定する設定手段と、
前記存在推奨エリアを示す情報を取得し、画像、音、振動の少なくともいずれかを用いて、前記ユーザに前記存在推奨エリアを提示する提示手段と、を有することを特徴とする携帯型装置。
【請求項13】
前記携帯型装置は、地図情報に前記存在推奨エリアを重畳して提示する、ことを特徴とする請求項12に記載の携帯型装置。
【請求項14】
前記携帯型装置は、ヘッドマウント型ディスプレイを備え、前記ユーザの視認可能な視界に前記存在推奨エリアの少なくとも一部を重畳して提示する、ことを特徴とする請求項12に記載の携帯型装置。
【請求項15】
複数のユーザの協調した移動を支援するシステムで用いられる情報処理装置の制御方法であって、
ユーザの目的地の設定と、該目的地までの移動についての該ユーザの移動様態に関する設定とを取得する取得工程と、
前記ユーザの目的地までの移動において他のユーザが前記ユーザと近接する場合に、前記ユーザの移動態様に関する設定と前記他のユーザと移動様態を取引するポイントとに基づいて、前記他のユーザと近接する際の前記ユーザの移動態様を決定する決定工程と、
決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記ユーザが前記他のユーザから受け取る又は前記他のユーザに提供するポイントを処理する処理工程と、
決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記目的地までの移動において前記ユーザが存在すべき存在推奨エリアを示す情報を提供する提供工程と、を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項16】
複数のユーザの協調した移動を支援するシステムであって、前記システムは、情報処理装置とユーザが使用する携帯型装置とを含み、
前記情報処理装置は、
ユーザの目的地の設定と、該目的地までの移動についての該ユーザの移動様態に関する設定とを、前記携帯型装置から取得する取得手段と、
前記ユーザの目的地までの移動において他のユーザが前記ユーザと近接する場合に、前記ユーザの移動態様に関する設定と前記他のユーザと移動様態を取引するポイントとに基づいて、前記他のユーザと近接する際の前記ユーザの移動態様を決定する決定手段と、
決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記ユーザが前記他のユーザから受け取る又は前記他のユーザに提供するポイントを処理する処理手段と、
決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記目的地までの移動において前記ユーザが存在すべき存在推奨エリアを示す情報を提供する提供手段と、を有し、
前記携帯型装置は、
前記ユーザの目的地の設定と、前記ユーザの移動態様に関する情報を設定する設定手段と、
前記存在推奨エリアを示す情報を取得し、画像、音、振動の少なくともいずれかを用いて、前記ユーザに前記存在推奨エリアを提示する提示手段と、を有することを特徴とするシステム。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータを、請求項12から14のいずれか1項に記載の携帯型装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、携帯型装置、プログラム並びにシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが目的地に向かって移動する際に、移動する経路をユーザに提示するナビゲーション技術が知られている。特に、ナビゲーションを用いてユーザが歩行する際に、歩行すべき位置を、ユーザが視認する現実空間に付加情報として表示させる歩行支援装置が知られている(特許文献1)。このような技術により、ユーザが路面の凹凸を把握して安全に歩行することを支援することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−153235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザが目的地に到達する過程では、エレベータの搭乗機会や電車移動時の着席機会を得ることにより、搭乗しない場合よりも早く移動できたり、着席しない場合よりも快適に目的地に到着することができる場合がある。
【0005】
このような移動態様の調整を何らかの対価と引き換えに行うことで、よりユーザの都合に合わせたナビゲーションを提供できる可能性が考えられる。すなわち、対価を支払っても急いで移動したいユーザには移動時間を短縮するナビゲーションを提供し、反対に、より早い移動態様を他のユーザに提供するユーザには、対応したナビゲーションを提供するとともに対価を与えることができる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、歩行を伴って移動するユーザに対して、ユーザの都合に応じた移動態様を考慮したナビゲーションを提供可能な技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
複数のユーザの協調した移動を支援するシステムで用いられる情報処理装置であって、
ユーザの目的地の設定と、該目的地までの移動についての該ユーザの移動様態に関する設定とを取得する取得手段と、
前記ユーザの目的地までの移動において他のユーザが前記ユーザと近接する場合に、前記ユーザの移動態様に関する設定と前記他のユーザと移動様態を取引するポイントとに基づいて、前記他のユーザと近接する際の前記ユーザの移動態様を決定する決定手段と、
決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記ユーザが前記他のユーザから受け取る又は前記他のユーザに提供するポイントを処理する処理手段と、
決定された前記ユーザの移動態様に応じて、前記目的地までの移動において前記ユーザが存在すべき存在推奨エリアを示す情報を提供する提供手段と、を有する情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、歩行を伴って移動するユーザに対して、ユーザの都合に応じた移動態様を考慮したナビゲーションを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る移動支援システムの一例を示す図
図2】本実施形態に係る移動支援システムを利用する際の経路設定用ユーザインタフェースの一例を説明する図
図3】本実施形態に係る通信装置の機能構成例を示すブロック図
図4】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示すブロック図
図5】本実施形態に係る、情報処理装置における存在エリア決定処理の一連の動作を示すフローチャート
図6】本実施形態に係る、情報処理装置における取引条件判定処理の一連の動作を示すフローチャート
図7】本実施形態に係る、移動態様に関する設定と移動態様の対応関係の一例を説明する図
図8】エレベータに搭乗する際のポイントの取引の例を説明する図
図9】乗り物(電車)において座席に座る際のポイントの取引の例を説明する図
図10】エスカレータ/歩道における優先路を利用する際のポイントの取引の例を説明する図
図11】本実施形態に係る存在推奨エリア及び存在推奨エリアに対するユーザの位置に応じた音(振動)の発生例を概念的に説明する図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<移動支援システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る移動支援システム100の構成について説明する。移動支援システム100は、複数のユーザ120のそれぞれが所有する通信装置(携帯型装置)130と情報処理装置140を含む。通信装置130と情報処理装置140とは、例えばインタネットや移動体通信網などのネットワーク110を介して通信する。
【0012】
通信装置130は、ユーザによって設定される目的地や経由地、後述する移動態様に関する設定、及び移動態様に関する取引条件などの設定情報を情報処理装置140に送信する。また、通信装置130は、刻々と変化する通信装置130の位置を情報処理装置140に送信すると共に、情報処理装置140からユーザの存在推奨エリアの情報を受信して、ユーザ120に提示する。存在推奨エリアは、移動態様に関する設定や取引条件に従ってユーザが目的地に到着できるように、目的地までの移動においてユーザが存在すべきエリア(例えば通路におけるユーザの歩行エリアなど)を示し、ユーザの足元に設定されるその位置が刻々と移動することでナビゲーション機能を提供する。なお、以下の例では、通信装置130が例えばスマートフォンなどの携帯型装置である場合を例に説明する。しかし、これに限らず、通信装置130は、ヘッドマウント型ディスプレイを備えるヘッドマウント型デバイス、パーソナルコンピュータ、タブレット端末などの携帯型装置であってもよい。
【0013】
情報処理装置140は、例えばナビゲーション用サーバであり、1つ以上のサーバ装置で構成され、複数の通信装置130からの位置情報を順次取得してユーザデータベースに記録する。また、(不図示の)公共交通機関のサーバから、乗り物(例えば電車やバス)の運行情報を順次取得する。このため、情報処理装置140は、歩行するユーザおよび公共交通機関を用いて移動するユーザの様々な経路の移動状況をほぼリアルタイムに把握することができる。情報処理装置140は、取得した情報を用いて、例えば、ユーザの通行する経路、目的地に到達するのに要する所要時間、目的地に到達するまでに支払う及び受け取るポイントを推定することができる。(図2を参照して後述するが)情報処理装置140は、ユーザからの要求に応じて、目的地までの経路や経路における移動態様に応じたポイントの推定値を通信装置130に送信することができる。ユーザが所望の経路を選択すると、選択された経路をナビゲーションするための存在推奨エリアの情報を通信装置130に送信する。ユーザは、通信装置130が提示する存在推奨エリアに従って移動することにより、選択した経路を移動態様に関する設定に従って目的地に到達することができる。
【0014】
ネットワーク110は、例えばインターネットや携帯電話網などの通信網を含み、情報処理装置140と通信装置130との間の情報を伝送する。但し、ネットワーク110は必須ではなく、例えば、通信装置130と情報処理装置140とが直接無線通信を確立して通信を行ってもよい。
【0015】
図2には、本実施形態の通信装置130における、経路設定用ユーザインタフェースの例を示している。ユーザは、移動支援システム100を利用して目的地に到着するために、例えば通信装置130において、目的地までの経路を決定する。通信装置130は、まず、目的地や所望の移動態様に関する設定を行うためのナビゲーション設定画面131を表示する。ユーザは通信装置130の後述する操作部303を介して目的地を入力し、移動態様に関する設定を選択する。
【0016】
移動態様に関する設定は、ユーザが目的地までどのような移動態様を選択すべきかを示す設定である。すなわち、移動態様に関する設定は、目的地までの移動の所要時間を短縮する移動様態を選択するための設定と、所要時間を延長する移動様態を選択するための設定とを含む。例えば、「急ぐ」(所要時間を短縮する優先通行・搭乗を利用する)、「ゆっくり移動する」(優先通行・搭乗を他のユーザに譲って所要時間を延長する)といった設定を含む。また、移動態様に関する設定は、目的地までの移動に費やす体力を温存する移動態様を選択する設定と、目的地までの移動に費やす体力を温存しない移動態様を選択する設定とを含む。例えば、「体力を温存する」(体力を温存するように座席に座る、或いは、歩行せずにエレベータに搭乗する)、「体力を温存しない」(座席への着席やエレベータ利用を他のユーザに譲って体力は温存しない)などの設定を更に含む。更に、「急ぐ」設定と「体力を温存する」設定とを組み合わせて用いてもよい。
【0017】
図7は、移動態様と、移動態様に関する設定との関係の一例を示している。この例では、例えば、移動態様に関する設定が「急ぐ」に設定されている場合、エレベータに搭乗する移動態様と、歩道・エスカレータを優先的に通行する移動態様とが積極的に選択される。また、「急ぐ」設定では、乗り物において着席するか否かは制御されない。なお、実際に選択されるか否かは、後述するユーザと他のユーザの取引条件に応じて決定される。
【0018】
一方、移動態様に関する設定が「急がない」に設定されている場合、エレベータに搭乗する移動態様と、歩道・エスカレータを優先的に通行する移動態様とは、積極的に選択されず、むしろ他のユーザに譲るように制御される。
【0019】
同様に、移動態様に関する設定が「体力を温存する」設定である場合、エレベータに搭乗する移動態様と、電車又はバスにおいて着席する移動態様とが選択される。一方、「体力を温存しない」設定では、エレベータに搭乗しないで歩行する移動態様や電車又はバスにおいて起立する移動態様が選択される。
【0020】
なお、移動態様は、所定の目的地まで早く到着する列車(例えば快速列車)の搭乗を含んでもよい。例えば、目的地まで早く到着する列車が存在し、且つこの列車の乗員が定員数に達しているような場合に、当該列車に優先的に搭乗するようにしてもよい。更に、移動態様は、タクシーなどの車両への優先的な乗車を含んでもよい。
【0021】
再び図2の例に戻る。ナビゲーション設定を入力した際に、予め、移動態様に関する取引条件が設定されている場合には、通信装置130は、設定された目的地の設定と、移動態様に関する設定と、移動態様に関する取引条件の情報とを情報処理装置140に送信する。なお、以下の説明では、移動態様に関する取引条件を単に「取引条件」と、移動態様に関する取引条件の情報を単に「取引条件の情報」という場合がある。
【0022】
一方、取引条件が設定されていない場合、通信装置130は、取引条件設定画面132を表示する。取引条件設定画面132は、取引条件を設定するための画面であり、例えば、他のユーザに対して、ユーザが所望の移動態様で移動可能になった場合に支払うポイントと、他のユーザの所望の移動態様を受け入れる場合に、他のユーザに対して要求するポイントとを設定することができる。
【0023】
例えば、搭乗すればより早く目的地に到着することができるエレベータに、既に定員分の人が乗ろうとしている場合に、ユーザがエレベータ前に存在する状況があるとする。このとき、「ユーザが優先的な通行・搭乗に支払うポイント」は、目的地に早く到着したい等の理由により、移動時間の短縮のために支払っても構わないポイントを表す。すなわち、エレベータの例では、他のユーザがエレベータ搭乗の機会をユーザに対して譲ってくれるように取引するポイントを表す。反対に、「他のユーザの優先的な通行・搭乗に対して要求するポイント」は、移動時間の延長の代償として受け取りを要求するポイントを表す。すなわち、エレベータの例では、ユーザがエレベータに搭乗することになっている場合に、他のユーザの優先的な搭乗を受け入れてエレベータの搭乗を譲る代償として、取引するポイントを表す。通信装置130は、取引条件設定画面132においてポイントが決定されると、当該ポイントを優先的な通行に関する取引条件の情報として、情報処理装置140に送信する。このとき、目的地の情報も送信される。
【0024】
なお、図2に示す取引条件設定画面132では、移動態様として「エレベータの搭乗」を選択し、選択した移動態様(エレベータの搭乗)に対してポイントを設定する例を示しているが、上述した他の移動態様を選択してもよい。取引条件設定画面132では、これらの移動態様のそれぞれに対して、当該移動態様を得るために支払うポイントと、他のユーザの移動態様の受け入れ(譲る場合)に対して要求するポイントとを設定することができる。なお、本実施形態の例では、移動態様ごとにポイントを設定する場合を例に説明しているが、全ての移動態様に対して共通である一組のポイント(優先通行・搭乗に支払うポイントと他のユーザの優先通行・搭乗に要求するポイント)を設定するようにしてもよい。
【0025】
「優先通行・搭乗に支払うポイント」と「他のユーザの優先通行・搭乗に対して要求するポイント」は、例えば、通貨に換算可能なポイントであるが、いわゆる電子マネーや仮想通貨であってよい。ポイントの額は、例えば、時間あたりの給料に相当する額とすれば、時間の売買を現実的かつ直感的な尺度で表すことができる。すなわち、取引条件設定では、移動時間にどれだけの価値を支払うことができるかを設定することができる。
【0026】
情報処理装置140は、現在の交通状況、他のユーザの目的地までの移動経路や取引条件を考慮して、ユーザ120の経路検索結果を通信装置130に返信する。通信装置130は、受信した経路検索結果を経路検索結果画面133に表示する。経路検索結果画面133の表示には、「経路1」〜「経路4」のように複数の経路の候補が含まれる。各経路には、情報処理装置140によって推定された、到着時刻、所要時間、ポイントの額などが含まれる。ポイントは、目的地に到着するまでに支払う或いは得られるポイントである。目的地までの経路上で、他のユーザの優先的な通行・搭乗を受け入れるほど、より多くのポイントを獲得し、他のユーザより多く優先的に通行・搭乗するほど、より多くの支払いが発生する。表示されるポイントは、経路選択時点で予測されるポイントの額が表示されている。なお、取引条件設定は、経路を設定する場合に限らず、ユーザの移動中に変更されてもよい。
【0027】
ユーザが経路検索結果画面133において所望の経路を選択すると、通信装置130はユーザの選択結果を情報処理装置140に送信する。情報処理装置140は、経路の選択結果を受信すると、当該経路に沿ったナビゲーションを開始する。情報処理装置140は、目的地までのユーザの移動において、ユーザが存在すべき(例えば歩行、着席、立っている)エリアを示す存在推奨エリアの情報を通信装置130に送信する。本実施形態に係る具体的なナビゲーションの方法については、図11等を参照して後述する。
【0028】
<通信装置の構成>
次に、通信装置130の構成例について、図3を参照して説明する。図3に示す構成は、本実施形態の通信装置130の一例としてのスマートフォンを構成する機能ブロックを示している。なお、説明する機能ブロックの各々は、統合されまたは分離されてもよく、また説明する機能が別のブロックで実現されてもよい。また、ハードウェアとして説明するものがソフトウェアで実現されてもよく、その逆であってもよい。
【0029】
通信部301は、例えば通信用回路又は通信用モジュールを含み、例えばLTE等の移動体通信やWiFi通信、ネットワーク110を介して情報処理装置140との間で必要なデータを送受信する。
【0030】
操作部303は、通信装置130の備えるボタンやタッチパネルを含み、表示部305に表示されるナビゲーション設定画面131や取引条件設定画面132等の、各種操作用のGUIに対する操作を行うことができる。
【0031】
センサ部304は、現在位置を特定するためのGPSのほか、通信装置130の使用者を特定するための生体認証用のセンサを含む。
【0032】
表示部305は、例えばLCDやOLED等の表示パネルを含み、表示制御部314の指示に応じて、ナビゲーション設定画面131や取引条件設定画面132等の各種操作用のGUIや、必要に応じてナビゲーション中の方向指示や存在推奨エリアを表示する。通信装置130がヘッドマウント型デバイスである場合、表示部305はヘッドマウント型ディスプレイを含んでよい。
【0033】
記録部306は、例えば半導体メモリ等の不揮発性メモリを含み、地図情報や設定された取引条件の情報、制御部302のCPU310が実行するプログラム等を記憶する。記録部306は、例えばブロックチェーン技術に用いられる分散型台帳のデータも保持する。本実施形態では、情報処理装置140から通知されるポイントのトランザクションが分散型台帳に記録される。例えば、通信装置130は、分散型台帳を管理する1つのノードとして機能し、制御部302が実行するプログラムには、分散型台帳を用いたトランザクションを処理したり、分散型台帳を管理するためのプログラムや、スマートコントラクトのプログラムが含まれてよい。
【0034】
音声・振動出力部307は、例えばスピーカや振動装置を含み、ナビゲーション中の方向指示や存在推奨エリアをユーザが知覚することができるように、表示部305の表示に加えて又は当該表示の代わりに、音や振動を発生させる。
【0035】
制御部302は、中央演算装置であるCPU310及びRAM311を含み、例えば記録部306に記録されたプログラムをCPU310が実行することにより、制御部302内の各機能ブロックや通信装置130内の各部の動作を制御する。
【0036】
取引条件設定部312は、上述の取引条件設定画面132に対するユーザ操作に基づいて、取引条件の情報を設定する。取引条件設定部312は、設定された取引条件の情報を記録部306に記録するとともに、情報処理装置140に通信部301を介して送信する。
【0037】
ナビゲーション情報取得部313は、情報処理装置140から経路検索結果の情報を取得するほか、ユーザの移動中に提示されるべき、ナビゲーション用の方向指示や存在推奨エリアの情報を随時取得する。
【0038】
表示制御部314は、ナビゲーション設定画面131や取引条件設定画面132等の各種操作用のGUIや、ナビゲーション中の方向指示や存在推奨エリアを表示するように、表示部305の表示を制御する。表示制御部314は、例えば、情報処理装置140から受信した経路検索結果の情報に基づいて経路検索結果画面133を表示部305に表示させたり、情報処理装置140から受信した存在推奨エリアを示す情報に基づいて、存在推奨エリアを表示する。
【0039】
通信装置130が例えばスマートフォンである場合、表示制御部314は、ナビゲーション中の方向指示や存在推奨エリアを、地図情報に重畳して提示させてもよい。或いは、通信装置130がヘッドマウント型デバイスであって、ヘッドマウント型ディスプレイを備える場合、ユーザの視認可能な視界にナビゲーション中の方向指示や存在推奨エリアの少なくとも一部を重畳するように提示させてもよい。
【0040】
表示制御部314は、表示部305の表示に加えて又は当該表示の代わりに、ナビゲーション中の方向指示や存在推奨エリアを知覚可能にする音や振動を発生させるように音声・振動出力部307を制御する。ナビゲーション中の方向指示や存在推奨エリアを音や振動で提示することによりユーザは移動方向への視線を維持しながら、方向指示や存在推奨エリアを知覚することができる。
【0041】
更に、通信装置130は、ユーザの移動中に、情報処理装置140によってユーザ間の優先通行・搭乗が新たに制御された場合、優先取得通知(すなわち優先的な通行・搭乗が可能になったことを示す通知)、或いは、通行不可通知(他のユーザの優先的な通行・搭乗を受け入れたことを示す通知)を情報処理装置140から受信する。この場合、表示制御部314は、通線取得通知或いは通行不可通知を受信したことに応じて、受信した通知内容を示す情報を表示部305又は音声・振動出力部307に提示させる。
【0042】
ポイント記録部315は、確定したポイントの情報を情報処理装置140から受信する。ポイント記録部315は、確定したポイントの情報に基づいて、ポイントのトランザクションを分散型台帳に記録する。
【0043】
<情報処理装置の構成>
更に、本実施形態に係る情報処理装置140(ナビゲーション用サーバ)の構成について、図4を参照して説明する。情報処理装置140は、1つ以上のサーバ装置で構成される。なお、説明する機能ブロックの各々は、統合されまたは分離されてもよく、また説明する機能が別のブロックで実現されてもよい。また、ハードウェアとして説明するものがソフトウェアで実現されてもよく、その逆であってもよい。
【0044】
通信部401は、ネットワーク110を介して通信装置130や他の交通用サーバと通信する通信回路を含む。制御部402によって処理された情報を通信装置130等に送信したり、制御部402によって処理される情報を通信装置130等から受信したりする。
【0045】
制御部402は、中央演算装置であるCPU410とRAM411とを含む。制御部402は、記録部403に記憶されたプログラムをRAM411に展開、実行することにより、制御部402内部の各部の動作を制御したり、情報処理装置140の各部の動作を制御したりする。また、制御部402は、図2に示したナビゲーション設定や取引条件に応じて、ユーザの存在推奨エリアを決定する存在エリア決定処理や、存在エリア決定処理を複数の経路候補に適用して、図2に示した経路検索結果を生成するための経路検索処理などを実行する。RAM411は、例えばDRAM等の揮発性の記憶媒体を含み、制御部402がプログラムを実行するためのパラメータや処理結果等を一時的に記憶する。記録部403は、例えば半導体メモリ等の不揮発性の記録媒体を含み、情報処理装置140の動作に必要な設定値やプログラムを記憶する。
【0046】
記録部403は、例えば半導体メモリ等の不揮発性メモリを含み、通信装置130で実行されるアプリケーションプログラム或いは当該プログラムで用いられるデータ等を記憶する。
【0047】
制御部402は、移動態様決定部414やポイント処理部415を制御して、通信装置130からの検索要求の情報に対して、経路検索結果を生成する。例えば、制御部402は、現在地から目的地までの経路コストが少ない所定数の経路候補を決定したうえで、各経路候補を移動する際に所定の距離内に近接ことが予定される他のユーザの取引条件の設定と、ユーザの取引条件の設定とを判定しながら、ユーザの移動態様を決定すると共に、支払うポイントと受け取るポイントを算出(又は処理)する。また、制御部402は、ポイントの支払いや受け取りによって変動する移動時間を算出する。
【0048】
設定情報取得部412は、複数の通信装置130から経路検索のための設定情報(すなわち、目的地や移動態様に関する情報、取引条件の情報等)を受信(取得)して、ユーザデータベースに記録する。
【0049】
交通情報取得部413は、様々な交通機関のサーバ(不図示)から、電車やバス、エレベータ、エスカレータ等の運行状況の情報を順次取得する。運行状況の情報は、例えば、当該電車やエレベータ等のそれぞれの位置情報、駅やターミナル、乗り場を出発する時刻、これらに到着する予定時刻、定員、乗車・搭乗人数などの情報を含んでよい。
【0050】
移動態様決定部414は、ユーザの目的地までの移動において、そのユーザに近接する他のユーザを特定する。ユーザに他のユーザが近接する場合に、ユーザの移動態様に関する設定と他のユーザと移動様態を取引するポイントとに基づいて、他のユーザと近接する際のユーザの移動態様を決定する。
【0051】
ポイント処理部415は、決定されたユーザの移動態様に応じて、ユーザが他のユーザから受け取る又は他のユーザに提供するポイントを処理する。具体的なポイントの処理については後述する。ポイント処理部415は、ユーザ間のポイントの処理が確定した場合、適宜、確定したポイントの情報を通信装置130に送信してよい。
【0052】
ナビゲーション情報生成部416は、決定されたユーザの移動態様に応じて、目的地までの経路におけるユーザの存在推奨エリアを決定する。また、ナビゲーション情報生成部416は、いくつか算出した経路候補を、例えば所要時間順にソートして、検索結果情報として通信装置130に送信する。検索結果情報は、上述の図2の経路検索結果画面133で示したように、経路、到着時間・所要時間、ポイントの情報を含む。
【0053】
更に、ナビゲーション情報生成部416は、ユーザによって経路が選択されると、選択された経路に沿って、決定されている存在推奨エリアを示す情報を通信装置130に提供する。存在推奨エリアを示す情報は、ユーザの所有する通信装置が存在推奨エリアを画像として表示するための情報を含む。また、存在推奨エリアを示す情報は、ユーザの所有する通信装置が存在推奨エリアを音又は振動により通知するための情報を含んでもよい。
【0054】
例えば、図11に示すように、存在推奨エリアは、ユーザ120の足元に広がる円形のエリア1101であってよい。すなわち、存在推奨エリアの情報は、中心位置と半径の長さを含む情報であり、中心位置は、ユーザが移動すべき位置を表し、半径は、中心位置からのユーザ位置のずれを許容する距離を表す。存在推奨エリアの情報は、通信装置130が表示部に当該エリアを表示するために用いる画像データや、存在推奨エリアを音又は振動により通知するための音や振動を指定する情報を含んでよい。存在推奨エリアの情報は、存在推奨エリアと実際のユーザの位置の関係に応じて、当該画像データ、音、振動を通信装置130に変更させるための制御信号を含んでもよい。
【0055】
例えば、通信装置130が音を発生させる場合、ユーザの位置が存在推奨エリアの中心付近である場合には、音を発生させない。ユーザの位置が存在推奨エリア内であって、境界に近づいている場合には、単音の音を発生させる。このとき、存在推奨エリアの境界にユーザの位置が接近するほど、通信装置130から発生される音の間隔が短くなるような制御信号が送信されてよい。同様に、通信装置130が振動を発生させる場合、ユーザの位置が存在推奨エリアの中心付近である場合には、振動を発生させない。ユーザの位置が存在推奨エリア内であって、境界に近づいている場合には、単振動を発生させる。そして、存在推奨エリアの境界にユーザの位置が接近するほど、通信装置130から発生される振動の間隔が短くなるような制御信号が送信されてよい。
【0056】
また、ユーザの位置が存在推奨エリアの外になる場合に、単音または単振動がそれぞれ連続音または連続振動で発生される制御信号が送信されてもよい。
【0057】
<情報処理装置における存在エリア決定処理の一連の動作>
次に、情報処理装置140における存在エリア決定処理の一連の動作について、図5を参照して説明する。なお、本処理は、制御部402のCPU410が記録部403に記録されるプログラムを実行することにより実現される。なお、本処理は、例えば、経路検索処理を実行する際に検索される複数の経路候補のそれぞれに対して行われる。
【0058】
S501において、制御部402は、ユーザの移動が所定の位置(エレベータ付近、電車乗車時の停車駅の位置、エスカレータ付近等)である場合において、ユーザの移動位置に近接する(例えば所定の距離内に存在する)ユーザを処理対象のユーザとして特定する。
【0059】
S502において、制御部402の設定情報取得部412は、ユーザの取引条件の設定と、処理対象のユーザに関連付けられている取引条件の設定を取得する。
【0060】
S503において、移動態様決定部414は、処理対象として特定されたユーザの移動態様が競合するかを判定する。例えば、エレベータに搭乗する移動態様では、エレベータに搭乗するユーザの数が定員以下であり、ユーザが何ら他のユーザとの調整を行わなくてもエレベータに搭乗可能である場合、移動態様決定部414は、ユーザの移動態様が競合していないと判定する。この場合、処理はS509に進む。一方、エレベータに搭乗するユーザの数が定員に達しており、ユーザが何ら他のユーザとの調整を行わなわなければエレベータに搭乗することができない場合、移動態様決定部414は、ユーザの移動態様が競合していると判定する。この場合、処理はS504に進む。
【0061】
S504において、移動態様決定部414は、ユーザの取引条件の設定と他のユーザの取引条件の設定とに基づいて、優先的な通行に関する取引条件が満たされるかを判定する。取引条件判定処理の詳細は、別途後述する。
【0062】
S505において、移動態様決定部414は、S504において取引条件が満たされた場合には、S506に進み、取引条件が満たされなかった場合には、S508に進む。移動態様決定部414は、例えば、後述する判定結果を示すフラグ値を参照して、取引条件が満たされたか否かを判定する。
【0063】
S506において、移動態様決定部414は、ユーザの移動態様を、選択されるべき移動態様に変更する。すなわち、図7に示した例では、移動態様に関する設定が「急ぐ」であるときに、取引条件が満たされた場合、エレベータに搭乗する移動、或いは、歩道・エスカレータを優先的に通行する移動を、経路に応じて選択する。このとき、移動態様決定部414は、優先的な通行を譲った他のユーザの移動態様を、例えば、エレベータに搭乗しないで歩行する移動、或いは、歩道又はエスカレータを通行する際に優先的な通行を行わない移動に変更する。
【0064】
S507において、ポイント処理部415は、取引条件に基づいて支払う又は受け取るポイントを処理する。なお、ポイント処理部415は、ユーザによって経路が選択された場合に、実際に(ユーザの支払う或いは受け取るポイントを確定して)ポイントを処理するようにしてもよい。勿論、ユーザが実際の移動においてエレベータに搭乗できた場合や優先的に通行することができた場合に、ポイントを処理してもよい。
【0065】
S508において、移動態様決定部414は、ユーザの移動態様を、元の移動態様のまま継続する。すなわち、図7に示した例では、移動態様に関する設定が「急ぐ」であるときに、取引条件が満たされない場合、例えば、エレベータに搭乗しないで歩行する移動、或いは、歩道又はエスカレータを通行する際に優先的な通行を行わない移動を行うように制御する。
【0066】
S509において、ナビゲーション情報生成部416は、決定されたユーザの移動態様に応じて、経路におけるユーザの存在推奨エリアを決定する。制御部402は、ユーザの存在推奨エリアを決定すると、その後、本処理を終了する。
【0067】
<取引条件判定処理の一連の動作>
次に、S504における取引条件判定処理の一連の動作について、図6を参照して説明する。なお、本処理は、図5の処理に引き続き、制御部402のCPU410が記録部403に記録されるプログラムを実行することにより実現される。
【0068】
S601において、ポイント処理部415は、ユーザの移動態様の設定が積極利用側の設定(すなわち優先通行・搭乗や着席を利用する設定)であるか、又は、譲る側の設定(優先通行・搭乗や着席を譲るの設定)であるかを判定する。ポイント処理部415は、ユーザの移動態様が移動態様の設定が積極利用側の設定である場合には処理をS602に進め、そうでない場合にはS603に進める。
【0069】
S602において、優先通行・搭乗を譲る際に要求するポイント(要求ポイント)が最低であるユーザを決定する。例えば、各ユーザの取引条件の設定に基づき、要求ポイントが最低であるユーザを決定する。
【0070】
S603において、ポイント処理部415は、優先的な通行・搭乗に支払うポイント(支払ポイント)が最高額であるユーザを決定する。例えば、各ユーザの取引条件の設定に基づき、支払ポイントが最高額であるユーザを決定する。
【0071】
S604において、ポイント処理部415は、S602又はS603で決定したユーザのポイントと、ユーザの取引条件に設定されているポイントとを比較する。ポイント処理部415は、支払ポイントが要求ポイント以上であると判定した場合、S605に進み、そうでない場合にはS606に進む。
【0072】
S605において、ポイント処理部415は、支払ポイントが要求ポイント以上である場合、優先的な通行に関する取引条件を満たすと判定し、判定結果を示すフラグ値を、取引条件OKを表す0に設定する。ポイント処理部415は、その後、呼び出し元に戻る。
【0073】
S606において、ポイント処理部415は、支払ポイントが要求ポイントを下回る場合、優先的な通行に関する取引条件が満たされなかったと判定し、判定結果を示すフラグ値を、取引条件NGを表す0に設定する。ポイント処理部415は、その後、呼び出し元に戻る。
【0074】
<取引条件判定とポイント処理の具体例>
次に、図8から図10を参照して、取引条件判定とポイント処理の具体例について説明する。
【0075】
図8は、移動態様に関する設定が「急ぐ」(積極利用側)に設定されているユーザ803がエレベータ800の前に差し掛かった際のポイントの支払いを示している。この例では、ユーザ801とユーザ802が既にエレベータに搭乗しようとしており、エレベータは定員に達しているものとする。この状況において、ポイント処理部415は、ユーザ801とユーザ802の要求ポイントを比較して、要求ポイントが最低であるユーザ(ユーザ801、要求ポイントは200)を決定する。そして、ユーザ803の支払ポイント(250)がユーザ801の要求ポイント(200)より大きいため、ユーザ803は要求されるポイントを支払って、エレベータに搭乗する。
【0076】
また、図9は、移動態様に関する設定が「体力を温存」(積極利用側)に設定されているユーザ906が電車900に乗り込んだ際のポイントの支払いを示している。この例では、ユーザ905が電車に着席しており、空いている席は存在しないものする。また、この状況において、ポイント処理部415は、着席しているユーザの要求ポイントを比較して、要求ポイントが最低であるユーザはユーザ905であると決定したものとする。このとき、ユーザ906の支払ポイント(250)がユーザ905の要求ポイント(200)より大きいため、ユーザ906は要求されるポイントを支払って、電車の席に着席する。なお、図6の処理に加えて、起立しているユーザ907の支払ポイントが、ユーザ906の支払ポイントより小さいため、ユーザ907がユーザ906より先に着席しないように制御されてよい。
【0077】
更に、図10は、移動態様に関する設定が「急ぐ」(積極利用側)に設定されているユーザ1003が優先的な通行が可能なエスカレータ又は歩道800に差し掛かった際のポイントの支払いを示している。この例では、ユーザ1001が優先路をゆっくりと歩行しており、ユーザ1002は、(通常路に寄って)優先的な通行を行っていないものとする。この状況において、ポイント処理部415は、(移動態様の競合するユーザはユーザ1001のみであるため)要求ポイントが最低であるユーザをユーザ1001であると決定する。そして、ユーザ1003の支払ポイント(250)がユーザ1001の要求ポイント(200)より大きいため、ユーザ1003は要求されるポイントを支払って、優先的な通行を行う。
【0078】
このように、情報処理装置140は、ユーザの移動態様に関する設定と、移動様態を取引するポイントとに基づいて、他のユーザと近接する際のユーザの移動態様を決定するようにした。また、決定した移動態様に応じて、目的地までの移動においてユーザの存在推奨エリアを提供するようにした。ユーザは通信装置において提示される存在推奨エリアに従って移動することで、所望の移動態様で目的地に到着することができる。このようにすることで、歩行を伴って移動するユーザに対して、ユーザの都合に応じた移動態様を考慮したナビゲーションを提供可能になる。また、移動時間の短縮のためにポイントを支払ったり、移動時間の延長の代償としてポイントを受け取ったりすることが可能になる。
【0079】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の情報処理装置(例えば、140)は、
複数のユーザの協調した移動を支援するシステムで用いられる情報処理装置であって、
ユーザの目的地の設定と、該目的地までの移動についての該ユーザの移動様態に関する設定とを取得する取得手段(例えば、412)と、
ユーザの目的地までの移動において他のユーザがユーザと近接する場合に、ユーザの移動態様に関する設定と他のユーザと移動様態を取引するポイントとに基づいて、他のユーザと近接する際のユーザの移動態様を決定する決定手段(例えば、414)と、
決定されたユーザの移動態様に応じて、ユーザが他のユーザから受け取る又は他のユーザに提供するポイントを処理する処理手段(例えば、415)と、
決定されたユーザの移動態様に応じて、目的地までの移動においてユーザが存在すべき存在推奨エリアを示す情報を提供する提供手段(例えば、416)と、を有する。
【0080】
この実施形態によれば、歩行を伴って移動するユーザに対して、ユーザの都合に応じた移動態様を考慮したナビゲーションを提供することが可能になる。
【0081】
2.この実施形態では、
移動態様に関する設定(例えば、図7)は、目的地までの移動の所要時間を短縮する移動様態を選択するための設定と、所要時間を延長する移動様態を選択するための設定とを含む。
【0082】
この実施形態によれば、目的地までの移動に時間的な余裕の有無に応じて、他のユーザとの取引により移動の所要時間を短縮したり延長したりすることができる。
【0083】
3.この実施形態では、
移動態様に関する設定(例えば、図7)は、ユーザの目的地までの移動に費やす体力を温存する移動態様を選択する設定と、ユーザの目的地までの移動に費やす体力を温存しない移動態様を選択する設定とを含む。
【0084】
この実施形態によれば、目的地までの移動に対する体力的な余裕の有無に応じて、他のユーザとの取引により体力を温存したり、体力の温存とは無関係に移動したりすることができる。
【0085】
4.この実施形態では、
移動態様は、エレベータに搭乗する移動、エレベータに搭乗しないで歩行する移動、歩道又はエスカレータを優先的に通行する移動、歩道又はエスカレータを通行する際に優先的な通行を行わない移動、電車又はバスにおける着席した状態での移動、電車又はバスにおける起立した状態での移動、のうちの少なくともいずれかを含む。
【0086】
この実施形態によれば、エレベータ、歩道、エスカレータ、電車、バスなどを用いる移動において、ユーザの都合に応じた移動態様を考慮したナビゲーションを提供することができる。
【0087】
5.この実施形態では、
存在推奨エリアを示す情報(図11)は、ユーザの所有する携帯型装置が存在推奨エリアを画像として表示するための情報を含む。
【0088】
この実施形態によれば、ユーザの都合に応じた移動態様を考慮したナビゲーションを視覚で知覚可能な形態で提供することができる。
【0089】
6.この実施形態では、
存在推奨エリアを示す情報(図11)は、ユーザの所有する携帯型装置が存在推奨エリアを音又は振動により通知するための情報を含む。
【0090】
この実施形態によれば、ユーザは移動方向への視線を維持しながら、方向指示や存在推奨エリアを知覚することができる。
【0091】
7.この実施形態では、
提供手段(例えば、402、416)は、音が単音であり、且つ、存在推奨エリアの境界にユーザの位置が接近するほど、ユーザの所有する携帯型装置から発生される音の間隔が短くなるように、携帯型装置に制御信号を送信する
この実施形態によれば、ユーザは、存在推奨エリアの境界への接近を、音により容易に知覚することができる。
【0092】
8.この実施形態では、
提供手段(例えば、402、416)は、振動が単振動であり、且つ、存在推奨エリアの境界にユーザの位置が近接するほど発生されるユーザの所有する携帯型装置から発生される振動の間隔が短くなるように、携帯型装置に制御信号を送信する。
【0093】
この実施形態によれば、ユーザは、存在推奨エリアの境界への接近を、振動により容易に知覚することができる。
【0094】
9.この実施形態では、
提供手段(例えば、402、416)は、ユーザの位置が存在推奨エリアの外にある場合、音が、単音より長い間発生される連続音に変更されるように、携帯型装置に制御信号を送信する。
【0095】
この実施形態によれば、ユーザは、存在推奨エリアの外へ出た場合を、音の変化により容易に知覚することができる。
【0096】
10.この実施形態では、
提供手段は、ユーザの位置が存在推奨エリアの外にある場合、振動が、単振動より長い間発生される連続振動で発生されるように、携帯型装置に制御信号を送信する。
【0097】
この実施形態によれば、ユーザは、存在推奨エリアの外へ出た場合を、振動の変化により容易に知覚することができる。
【0098】
11.この実施形態では、
決定手段は、決定したユーザの移動態様に応じて、他のユーザの移動態様を更新し、
処理手段は、他のユーザがユーザから受け取る又はユーザに提供するポイントを、更新された他のユーザの移動態様に応じて処理する。
【0099】
この実施形態によれば、他のユーザの移動態様がユーザの移動態様の決定に応じて変化し、ユーザに対するナビゲーションと他のユーザに対するナビゲーションとの衝突を解消することができる。
【0100】
12.上記実施形態における携帯型装置(例えば、130)は、複数のユーザの協調した移動を支援するシステムで情報処理装置と共に用いられる携帯型装置であって、情報処理装置は、ユーザの目的地の設定と、該目的地までの移動についての該ユーザの移動様態に関する設定とを取得する取得手段と、ユーザの目的地までの移動において他のユーザがユーザと近接する場合に、ユーザの移動態様に関する設定と他のユーザと移動様態を取引するポイントとに基づいて、他のユーザと近接する際のユーザの移動態様を決定する決定手段と、決定されたユーザの移動態様に応じて、ユーザが他のユーザから受け取る又は他のユーザに提供するポイントを処理する処理手段と、決定されたユーザの移動態様に応じて、目的地までの移動においてユーザが存在すべき存在推奨エリアを示す情報を提供する提供手段と、を有し、携帯型装置は、
ユーザの目的地の設定と、ユーザの移動態様に関する情報を設定する設定手段(例えば、312)と、
存在推奨エリアを示す情報を取得し(例えば、313)、画像、音、振動の少なくともいずれかを用いて、ユーザに存在推奨エリアを提示する提示手段(例えば、305、307)と、を有する。
【0101】
この実施形態によれば、歩行を伴って移動するユーザに対して、ユーザの都合に応じた移動態様を考慮したナビゲーションを提供可能な携帯型装置を提供可能になる。
【0102】
13.この実施形態では、
携帯型装置は、地図情報に存在推奨エリアを重畳して提示する(例えば、314)。
【0103】
この実施形態によれば、地図情報に対する存在推奨エリアの位置を容易に知覚することができる。
【0104】
14.この実施形態では、
携帯型装置は、ヘッドマウント型ディスプレイ(例えば、305)を備え、ユーザの視認可能な視界に存在推奨エリアの少なくとも一部を重畳して提示する。
【0105】
この実施形態によれば、ユーザは、視界のどの領域までが存在推奨エリアであるかを容易に把握することができる。
【0106】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0107】
130…通信装置、140…情報処理装置、305…表示部、306…音声・振動出力部、412…設定情報取得部、414…移動態様決定部、415…ポイント処理部、416…ナビゲーション情報生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11