【課題】フランチャイジー店についても直営店同様に本部から店舗に商品を出荷した場合において、費用計上、及び在庫管理を行うことにより、直営店と同等の店舗収益性の把握を可能する業務支援装置を提供する。
【解決手段】フランチャイジーである店舗を管理するフランチャイザーである本部の管理業務を支援するための、制御部を備える業務支援装置であって、前記制御部が、前記本部から前記店舗への商品の移動情報に基づいて、前記商品の移動事象毎に、移動した前記商品の移動量とその原価単価に基づく移動商品原価額を費用計上する店舗費用計上手段を備えることを特徴とする業務支援装置。
制御部を備える業務支援装置において実行される、フランチャイジーである店舗を管理するフランチャイザーである本部の管理業務を支援するための業務支援方法であって、
前記本部から前記店舗に移動する商品が、予め、移動事象毎に費用計上する対象商品と、移動事象毎に費用計上しない非対象商品と、に区分され、
前記制御部で実行される、
前記本部から前記店舗への商品の移動情報に基づき、移動した前記商品のうち前記対象商品についてのみ、前記対象商品の移動事象毎に、前記対象商品の移動量とその原価単価に基づく移動商品原価額を費用計上する店舗費用計上ステップを含むことを特徴とする業務支援方法。
制御部を備える業務支援装置に実行させるための、フランチャイジーである店舗を管理するフランチャイザーである本部の管理業務を支援するための業務支援プログラムであって、
前記本部から前記店舗に移動する商品が、予め、移動事象毎に費用計上する対象商品と、移動事象毎に費用計上しない非対象商品と、に区分され、
前記制御部に実行させるための、
前記本部から前記店舗への商品の移動情報に基づき、移動した前記商品のうち前記対象商品についてのみ、前記対象商品の移動事象毎に、前記対象商品の移動量とその原価単価に基づく移動商品原価額を費用計上する店舗費用計上ステップを含むことを特徴とする業務支援プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0015】
[1.構成]
ここでは、本発明の業務支援装置を含む本実施形態に係るPC(パーソナルコンピュータ)100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。なお、本実施形態の構成はあくまでも一例であり、本発明は、本実施形態の構成で実現することに限定されるものではない。また、構成に関する以下の説明において、重複する説明を省略する場合がある。
【0016】
図1は、PC100の構成の一例を示すブロック図である。PC100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108とを備え、各種データ(例えば、記憶部106に記憶される、後述する各データでもよい)を記憶したサーバ200(例えばWebサーバなど)とネットワーク300(例えばインターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)など)を介して通信可能に接続されている。
【0017】
PC100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
なお、PC100は、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型のものであってもよく、また、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型のものであってもよい。
【0019】
制御部102は、PC100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0020】
制御部102は、機能概念的に、本部売上計上部102a、店舗費用計上部102b、店舗売上原価算出部102c等を備えている。
【0021】
本部売上計上部102aは、本部から店舗への商品の移動情報に基づき、移動した前記商品のうち前記対象商品及び前記非対象商品の両方について、商品の移動事象毎に、移動した商品の移動量とその売上単価に基づく移動商品売上額を売上計上する。
【0022】
本部から店舗に移動する商品は、予め、移動毎に費用計上する対象商品と、移動毎に費用計上しない非対象商品と、に区分されている。一実施形態において、対象商品か非対象商品かの区分の情報は、商品毎に、商品マスタに予め登録される。
【0023】
商品マスタには、一実施形態において、商品の識別子、売上単価、原価単価、対象商品か非対象商品かの区分等の商品別情報が含まれ、さらに任意の情報として、商品の名称、製造業者等の情報が含まれ得、商品マスタ記憶部106bに予め格納されている。識別子は、例えば、数字、アルファベット(大文字及び小文字を含む)又はそれらの組み合わせであり得る。
【0024】
移動事象には、移動事象1件あたり複数種の商品を移動する移動事象、或いは移動事象1件あたり1種の商品を移動する移動事象が含まれる。また、移動事象には、移動事象1件あたり対象商品及び非対象商品の両方を移動する移動事象、及び移動事象1件あたり対象商品又は非対象商品の何れか一方を移動する移動事象が含まれる。
【0025】
移動情報には、一実施形態において、移動事象を特定する情報、及び移動した商品に関する情報が含まれる。
【0026】
移動事象を特定する情報は、移動事象毎に作成される情報であり、一実施形態において、移動事象の識別子、移動先の店舗の識別子等の情報が含まれ、さらに任意の情報として、移動日(出庫日)、移動時間(出庫時間);移動元の倉庫の識別子、名称、住所、電話番号、メールアドレス;運搬業者の識別子、名称、住所、電話番号、メールアドレス、運賃;移動元の倉庫の名称、住所、電話番号、メールアドレス;移動先の店舗の名称、住所、電話番号、メールアドレス、店舗形態等の情報が含まれ得る。
【0027】
移動した商品に関する情報は、移動した商品毎に作成される情報であり、一実施形態において、移動した商品の識別子、移動した商品の移動量(個数、質量、体積等)等の情報が含まれ、さらに任意の情報として、移動した商品の名称、製造業者、対象商品か非対象商品かの区分等の情報が含まれ得る。
【0028】
移動情報は、一実施形態において、移動事象ごとに作成されるものであり、移動情報記憶部106cに格納される。
【0029】
本部売上計上部102aは、一実施形態において、移動情報に含まれる移動した商品の識別子に基づいて、商品マスタから移動した商品の売上単価を特定し、売上単価に、移動情報に含まれる移動した商品の移動量を積算して、移動事象毎に、商品の移動商品売上額を売上計上する。
【0030】
本部売上計上部102aは、一実施形態において、移動情報に含まれる移動先の店舗の識別子に基づいて、店舗マスタから移動先の店舗の店舗形態を特定し、移動先の店舗がフランチャイジー(FC店)である場合に限り、商品の移動商品売上額を売上計上する。
【0031】
店舗マスタには、一実施形態において、店舗の識別子、店舗形態の情報等の情報が含まれ、さらに任意の情報として、店舗の名称、住所、電話番号、メールアドレス等の情報が含まれ得、店舗マスタ記憶部106aに予め格納されている。店舗形態の情報は、一実施形態において、店舗毎に登録される。
【0032】
本部売上計上部102aによる売上計上は、一実施形態において、移動商品売上額を含む本部売上情報を本部売上情報記憶部106eに格納することにより行われる。本部売上情報には、一実施形態において、さらに任意の情報として、移動日(出庫日)、移動時間(出庫時間);移動事象の識別子;移動元の倉庫の識別子、名称、住所、電話番号、メールアドレス;移動先の店舗の識別子、名称、住所、電話番号、メールアドレス;移動した商品の識別子、名称、製造業者、対象商品か非対象商品かの区分;移動した商品の売上単価;移動した商品の移動量(個数、質量、体積等)等の情報が含まれ得る。
【0033】
店舗費用計上部102bは、本部から店舗への商品の移動情報に基づき、移動した前記商品のうち前記対象商品についてのみ、対象商品の移動事象毎に、対象商品の移動量とその原価単価に基づく移動商品原価額を費用計上する。
【0034】
店舗費用計上部102bは、一実施形態において、移動情報に含まれる移動した商品の識別子に基づいて、商品マスタにおける対象商品か非対象商品かの区分から、対象商品か非対象商品かを特定し、対象商品の場合には、商品マスタから移動した対象商品のその原価単価を特定し、原価単価に、移動情報に含まれる移動した対象商品の移動量を積算して、移動事象毎に、対象商品の移動商品原価額を費用計上する。
【0035】
店舗費用計上部102bによる費用計上は、一実施形態において、移動商品原価額を含む店舗費用情報を店舗費用情報記憶部106fに格納することにより行われる。店舗費用情報には、一実施形態において、さらに任意の情報として、移動日(出庫日)、移動時間(出庫時間);移動事象の識別子;移動元の倉庫の識別子、名称、住所、電話番号、メールアドレス;移動先の店舗の識別子、名称、住所、電話番号、メールアドレス;移動した商品の識別子、名称、製造業者、対象商品か非対象商品かの区分;移動した商品の原価単価;移動した商品の移動量(個数、質量、体積等)等の情報が含まれ得る。
【0036】
店舗売上原価算出部102cは、第一実施形態において、商品のうち対象商品及び非対象商品の両方について、本部から店舗への商品の移動情報に基づき、所定期間中に移動した商品の移動量とその原価単価に基づく移動商品原価額を合算し、さらに店舗における所定期間の初めの商品の在庫量とその評価単価に基づく期首棚卸高を加算し、さらに店舗における所定期間の末の商品の在庫量とその評価単価に基づく期末棚卸高を減算することにより、所定期間中の商品の売上原価を算出する。
【0037】
所定期間は、所望の会計期間に応じて設定される期間であり、特に限定されるものではないが、例えば、毎年4月1日から3月31日の期間、毎年10月1日から9月30日の期間、毎年1月1日から12月31日の期間等の1年周期の1期間に加えて、毎月1日から月末日の期間、毎月16日から15日の期間等の1月周期の1期間、毎週月曜日から金曜日等の1週周期の1期間、毎日開店から閉店の期間等の1日周期の1期間などであり得る。
【0038】
商品の評価単価は、一実施形態において、各店舗で商品ごとに作成される在庫情報に含まれる。在庫情報には、一実施形態において、棚卸日(時間)、商品の識別子、商品の在庫量(個数、質量、体積等)、商品の評価単価、店舗の識別子等の情報が含まれ、さらに任意の情報として、店舗の名称、住所、電話番号、メールアドレス;商品の名称、製造業者、対象商品か非対象商品かの区分;商品の原価単価等の情報が含まれ得る。在庫情報は、在庫情報記憶部に格納される。
【0039】
商品の評価単価は、その商品の原価単価と同一単価である場合があり、また、異なる単価である場合がある。
【0040】
期首棚卸高は、一実施形態において、在庫情報に含まれる所定期間の期首の在庫量に、在庫情報に含まれる期首の評価単価を積算して算出される。期末棚卸高は、一実施形態において、在庫情報に含まれる所定期間の期末の在庫量に、在庫情報に含まれる期末の評価単価を積算して算出される。
【0041】
店舗売上原価算出部102cは、第一実施形態における一実施形態において、下記(1)〜(4)によって所定期間中の店舗における商品の売上原価を算出する。
(1)移動情報に含まれる商品の識別子に基づいて、商品マスタから商品の原価単価を特定し、原価単価に、移動情報に含まれる商品の移動量を積算して算出される移動商品原価額を、所定期間中に移動した商品すべてについて算出し、それらを合算することにより、期中移動商品原価額(仕入高)を算出すること。
(2)移動情報に含まれる店舗の識別子及び商品の識別子に基づいて、移動情報に対応する店舗の期首の在庫情報を特定し、期首の在庫情報に含まれる所定期間の期首の在庫量に、期首の在庫情報に含まれる評価単価を積算して、店舗における商品の期首棚卸高を算出すること。
(3)移動情報に含まれる店舗の識別子及び商品の識別子に基づいて、移動情報に対応する店舗の期末の在庫情報を特定し、期末の在庫情報に含まれる所定期間の期末の在庫量に、期末の在庫情報に含まれる評価単価を積算して、店舗における商品の期末棚卸高を算出すること。
(4)(1)で算出された期中移動商品原価額に、(2)で算出された期首棚卸高を加算し、(3)で算出された期末棚卸高を減算することにより、所定期間中の店舗における商品の売上原価を算出すること(期中移動商品原価額(仕入高)+期首棚卸高−期末棚卸高=売上原価)。
【0042】
店舗売上原価算出部102cは、第二実施形態において、
(A)商品のうち対象商品については、所定期間中に店舗費用計上部102bが費用計上した移動商品原価額を合算することにより、所定期間中の売上原価を算出し、
(B)商品のうち非対象商品については、本部から店舗への商品の移動情報に基づき、所定期間中に移動した非対象商品の移動量とその原価単価に基づく移動商品原価額を合算し、さらに店舗における所定期間の初めの非対象商品の在庫量とその評価単価に基づく期首棚卸高を加算し、さらに店舗における所定期間の末の非対象商品の在庫量とその評価単価に基づく期末棚卸高を減算することにより、所定期間中の売上原価を算出する。
【0043】
店舗売上原価算出部102cは、第二実施形態の一実施形態において、店舗費用情報のの有無により、対象商品か非対象商品かを区別する。また、店舗売上原価算出部102cは、第二実施形態の一実施形態において、商品マスタにおける対象商品か非対象商品かの区分から、対象商品か非対象商品かを区別する。
【0044】
店舗売上原価算出部102cは、第二実施形態における一実施形態において、商品のうち対象商品については、下記(A1)及び(A2)によって所定期間中の店舗における商品の売上原価を算出し、且つ商品のうち非対象商品については、下記(B1)〜(B4)によって所定期間中の店舗における商品の売上原価を算出する。
(A1)所定期間中に店舗費用計上部102bが費用計上して作成された店舗費用情報をすべて特定すること。
(A2)特定された店舗費用情報に含まれる所定期間中に店舗費用計上部102bが費用計上した移動商品原価額を合算することにより、所定期間中の店舗における対象商品の売上原価を算出すること。
(B1)移動情報に含まれる商品の識別子に基づいて、商品マスタから商品の原価単価を特定し、原価単価に、移動情報に含まれる商品の移動量を積算して算出される移動商品原価額を、所定期間中に移動した商品すべてについて算出し、それらを合算することにより、期中移動商品原価額(仕入高)を算出すること。
(B2)移動情報に含まれる店舗の識別子及び商品の識別子に基づいて、移動情報に対応する店舗の期首の在庫情報を特定し、期首の在庫情報に含まれる所定期間の期首の在庫量に、期首の在庫情報に含まれる評価単価を積算して、店舗における非対象商品の期首棚卸高を算出すること。
(B3)移動情報に含まれる店舗の識別子及び商品の識別子に基づいて、移動情報に対応する店舗の期末の在庫情報を特定し、期末の在庫情報に含まれる所定期間の期末の在庫量に、期末の在庫情報に含まれる評価単価を積算して、店舗における非対象商品の期末棚卸高を算出すること。
(B4)(B1)で算出された期中移動商品原価額に、(B2)で算出された期首棚卸高を加算し、(B3)で算出された期末棚卸高を減算することにより、所定期間中の店舗における非対象商品の売上原価を算出すること。
【0045】
売上原価を含む店舗売上原価情報は、店舗売上原価情報記憶部106gに格納される。
【0046】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、PC100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0047】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0048】
記憶部106は、概念的に、店舗マスタ記憶部106a、商品マスタ記憶部106b、移動情報記憶部106c、店舗在庫情報記憶部106d、本部売上情報記憶部106e、店舗費用情報記憶部106f、店舗売上原価情報記憶部106g等を備えている。
【0049】
店舗マスタ記憶部106aは、店舗マスタを格納する。商品マスタ記憶部106bは、商品マスタを格納する。移動情報記憶部106cは、移動情報を格納する。店舗在庫情報記憶部106dは、店舗在庫情報を格納する。本部売上情報記憶部106eは、本部売上情報を格納する。店舗費用情報記憶部106fは、店舗費用情報を格納する。店舗売上原価情報記憶部106gは、店舗売上原価情報を格納する。
【0050】
入出力インターフェース部108には、入力装置400及び出力装置500が接続されている。出力装置400には、ディスプレイ、プロジェクタ等の表示装置、スピーカ等の音響装置、プリンタ等の印刷装置の他、データファイル形式でダウンロード可能とする装置も含まれる。データファイルファイル形式は、PDF、CSV、文書ファイル、表計算ソフトファイル、テキストファイル等、当分野で公知のファイル形式を採用することができる。入力装置500には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0051】
[2.具体例]
ここでは、具体的な事例を用いて、本発明に係る業務支援装置における本部売上計上S21及び店舗費用計上S22並びに店舗売上原価計上S23に関する処理について
図2を参照して説明する。
【0052】
図2は、本部売上計上S21及び店舗費用計上S22並びに店舗売上原価計上S23に関する処理の流れの一例を示すフロー概略図である。
【0053】
具体的な事例として、2020年3月10日に30個の非対象商品である商品A01、及び30個の対象商品である商品B01を、本部倉庫から店舗Aに出荷移動した場合の事例を用いて説明する。なお、2020年3月における本部倉庫から店舗Aへの商品移動は、2020年3月10日の1回のみである。
【0054】
まず、店舗Aでは、2020年2月29日閉店後3月1日開店前に、店舗端末30が、商品A01及び商品B01について、店舗コードに加えて、商品ごとの商品コード、2020年3月の月初在庫数量、評価単価を含む情報を受け付ける(S31)。
【0055】
具体的に、店舗端末30が、店舗Aにおける商品A01(評価単価@100円)の在庫が10個であり、商品B01(評価単価@200円)の在庫が0である旨の情報を受け付け、これに基づいて商品A01の在庫情報D21及び商品B01の在庫情報D22が作成される(S31)。
【0056】
商品A01の在庫情報D21及び商品B01の在庫情報D22は、店舗在庫情報記憶部106dに格納される。
【0057】
次に、3月10日、商品A01及び商品B01が本部から店舗に移動され、それに伴い、本部端末10が、移動事象番号、移動日、移動元の倉庫コード、移動先の店舗コードに加えて、商品ごとの商品コード、移動数量を含む情報を受け付け、これに基づいて移動情報D10が作成される(S11)。
【0058】
移動情報D10には、商品コード及び移動数量の情報として、商品A01が30個移動された旨の商品A01の移動情報D11、及び商品B01が30個移動された旨の商品B01の移動情報D12が含まれる。
【0059】
移動情報D10は、移動情報記憶部106cに格納される。
【0060】
移動情報D10が作成されると、本部売上計上部102aは、作成された移動情報に基づいて、移動した商品の移動量とその売上単価に基づく移動商品売上額を売上計上し(S21)、店舗費用計上部102bは、移動した商品のうち対象商品についてのみ移動量とその原価単価に基づく移動商品原価額を費用計上する(S22)。
【0061】
具体的に、まず、本部売上計上部102aは、移動情報D10に含まれる商品A01及び商品B01の商品コードに基づいて、商品マスタM01から商品A01及び商品B01の売上単価を特定する。商品マスタM01には、商品コード、売上単価、原価単価、対象商品か非対象商品かの区分等の情報が含まれる。
【0062】
本部売上計上部102aは、商品マスタM01で特定された商品A01の売上単価は@300円であるから、これに、移動情報D10に含まれる商品A01の移動数量30個を積算して、2020年3月10日の商品A01の移動商品売上額9,000円を売上計上する(S21)。
【0063】
同様に、本部売上計上部102aは、商品マスタM01で特定された商品B01の売上単価は@350円であるから、これに、移動情報D10に含まれる商品B01の移動数量30個を積算して、2020年3月10日の商品B01の移動商品売上額10,500円を売上計上する(S21)。
【0064】
本部売上計上部102aによる売上計上は、移動商品売上額に加えて、移動事象番号、移動日、移動元の倉庫コード、移動先の店舗コード、商品ごとの商品コード、売上単価、移動数量を含む本部売上情報D01を本部売上情報記憶部106eに格納することにより行われる。
【0065】
一方、店舗費用計上部102bは、移動情報D10に含まれる商品A01及び商品B01の商品コードに基づいて、商品マスタM01における対象商品か非対象商品かの区分から対象商品か非対象商品かを特定し、対象商品の場合には、その原価単価を特定する。
【0066】
店舗費用計上部102bは、商品マスタM01から、商品B01は対象商品、商品A01は非対称商品であると特定する。したがって、店舗費用計上部102bは、商品B01についてのみ移動商品原価額を費用計上する。
【0067】
店舗費用計上部102bは、商品マスタM01で特定された商品B01の原価単価は@200円であるから、これに、移動情報D10に含まれる商品B01の移動数量30個を積算して、2020年3月10日の商品B01の移動商品原価額6,000円を費用計上する(S22)。
【0068】
店舗費用計上部102bによる費用計上は、移動商品原価額に加えて、移動事象番号、移動日、移動元の倉庫コード、移動先の店舗コード、商品ごとの商品コード、原価単価、移動数量を含む店舗費用情報D02を店舗費用情報記憶部106fに格納することにより行われる。
【0069】
次に、店舗Aでは、2020年3月31日閉店後4月1日開店前に、店舗端末30が、商品A01及び商品B01について、店舗コードに加えて、商品ごとの商品コード、2020年3月の月末在庫数量、評価単価を含む情報を受け付ける(S31)。
【0070】
具体的に、店舗端末30が、店舗Aにおける商品A01(評価単価@100)の在庫が20個であり、商品B01(評価単価@200)の在庫が0である旨の情報を受け付け、これに基づいて商品A01の在庫情報D31及び商品B01の在庫情報D32が作成される(S31)。
【0071】
在庫情報D31及び在庫情報D32は、店舗在庫情報記憶部106dに格納される。
【0072】
店舗売上原価算出部102cは、3月1日から31日までの期間(以下「2020年3月中」という)の店舗Aにおける商品A01及び商品B01の売上原価を算出する(S23)。
【0073】
第一実施形態では、店舗売上原価算出部102cは、非対象商品である商品A01と対象商品である商品B01の両方について、移動情報D11及びD12における移動数量、在庫情報D21及びD22における月初在庫数量及び評価単価、並びに在庫情報D31及びD32における月末在庫数量及び評価単価に基づいて、2020年3月中における店舗Aの各商品の売上原価を算出する(S23)。
【0074】
以下、第一実施形態の売上原価の算出(S23)を詳細に説明する。
【0075】
まず、店舗売上原価算出部102cは、移動情報D11に含まれる商品A01の商品コードに基づいて、商品マスタM01から商品A01の原価単価を特定する。
【0076】
店舗売上原価算出部102cは、商品マスタM01で特定された商品A01の原価単価は@100円であるから、これに、移動情報D11に含まれる商品A01の移動数量30個を積算して、2020年3月中に店舗Aに移動された商品A01の月中移動商品原価額(仕入高)3,000円を算出する。
【0077】
一方、店舗売上原価算出部102cは、移動情報D11に含まれる商品A01の店舗コード及び商品コードに基づいて、店舗Aの対応する月初の在庫情報D21を特定し、商品A01の在庫情報D21に含まれる2020年3月の月初在庫数量10個に、評価単価@100を積算して、店舗Aにおける商品A01の月初棚卸高1,000円を算出する。
【0078】
一方、店舗売上原価算出部102cは、移動情報D11に含まれる商品A01の店舗コード及び商品コードに基づいて、店舗Aの対応する月末の在庫情報D31を特定し、商品A01の在庫情報D31に含まれる2020年3月の月末在庫数量20個に、評価単価@100を積算して、店舗Aにおける商品A01の月末棚卸高2,000円を算出する。
【0079】
店舗売上原価算出部102cは、2020年3月中に店舗Aに移動された商品A01の月中移動商品原価額(仕入高)3,000円に、店舗Aにおける商品A01の月初棚卸高1,000円を加算し、店舗Aにおける商品A01の月末棚卸高2,000円を減算することにより、2020年3月における店舗Aの商品A01の売上原価2,000円を算出する(月中移動商品原価額(仕入高)3,000円+月初棚卸高1,000円−月末棚卸高2,000円=売上原価2,000円)(S23)。
【0080】
同様に、店舗売上原価算出部102cは、移動情報D12に含まれる商品B01の商品コードに基づいて、商品マスタM01から商品B01の原価単価を特定する。
【0081】
店舗売上原価算出部102cは、商品マスタM01で特定された商品B01の原価単価は@200円であるから、これに、移動情報D12に含まれる商品B01の移動数量30個を積算して、2020年3月中に店舗Aに移動された商品B01の月中移動商品原価額(仕入高)6,000円を算出する。
【0082】
一方、店舗売上原価算出部102cは、移動情報D12に含まれる商品B01の店舗コード及び商品コードに基づいて、店舗Aの対応する月初の在庫情報D22を特定し、商品B01の在庫情報D22に含まれる2020年3月の月初在庫数量0個に、評価単価@200を積算して、店舗Aにおける商品B01の月初棚卸高0円を算出する。
【0083】
一方、店舗売上原価算出部102cは、移動情報D12に含まれる商品B01の店舗コード及び商品コードに基づいて、店舗Aの対応する月末の在庫情報D32を特定し、商品B01の在庫情報D32に含まれる2020年3月の月末在庫数量0個に、評価単価@200を積算して、店舗Aにおける商品B01の月末棚卸高0円を算出する。
【0084】
店舗売上原価算出部102cは、2020年3月中に店舗Aに移動された商品B01の月中移動商品原価額(仕入高)6,000円に、店舗Aにおける商品B01の月初棚卸高0円を加算し、店舗Aにおける商品B01の月末棚卸高0円を減算することにより、2020年3月における店舗Aの商品B01の売上原価6,000円を算出する(月中移動商品原価額(仕入高)6,000円+月初棚卸高0円−月末棚卸高0円=売上原価6,000円)(S23)。
【0085】
第二実施形態では、店舗売上原価算出部102cは、対象商品については、店舗費用情報D02における移動商品原価額から、2020年3月における売上原価を算出し、非対象商品については、移動情報D11における移動数量、在庫情報D21における月初在庫数量及び評価単価、並びに在庫情報D31における月末在庫数量及び評価単価に基づいて、2020年3月における売上原価を算出する(S23)。
【0086】
以下、第二実施形態の売上原価の算出(S23)を詳細に説明する。
【0087】
まず、店舗売上原価算出部102cは、2020年3月中に店舗費用計上部102bが商品B01について費用計上して作成された店舗費用情報D02を特定する。なお、商品B01については対象商品であるため、店舗費用情報D02が作成されており、店舗費用情報D02を特定できるが、商品A01については非対象商品であるため、店舗費用情報D02が作成されておらず、商品A01の店舗費用情報D02を特定できず、店舗売上原価算出部102cは、店舗費用情報D02における移動商品原価額からは売上原価を算出しない。
【0088】
2020年3月中の商品移動は2020年3月10日の1回のみであるため、店舗売上原価算出部102cは、2020年3月10日の商品B01の移動商品原価額6,000円を、そのまま、2020年3月中の売上原価6,000円と算出する。
【0089】
一方で、店舗費用情報D02を特定できない非対象商品の商品A01については、第一実施形態同様に、まず、店舗売上原価算出部102cは、移動情報D11に含まれる商品A01の商品コードに基づいて、商品マスタM01から商品A01の原価単価を特定し、2020年3月中に店舗Aに移動された商品A01の月中移動商品原価額(仕入高)3,000円、月初棚卸高1,000円、月末棚卸高2,000円をそれぞれ算出し、2020年3月における店舗Aの商品A01の売上原価2,000円を算出する(S23)。
【0090】
店舗Aの商品A01及び商品B01の売上原価を含む店舗売上原価情報D03は、店舗売上原価情報記憶部106gに格納される。
【0091】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0092】
例えば、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0093】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0094】
また、PC100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0095】
例えば、PC100を構成する各装置が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて各装置に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0096】
また、このコンピュータプログラムは、PC100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0097】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0098】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0099】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0100】
また、PC100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、PC100は、当該PC100に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0101】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。