(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-197479(P2021-197479A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】コモンモードフィルタ
(51)【国際特許分類】
H01F 27/29 20060101AFI20211129BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20211129BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20211129BHJP
H01F 37/00 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
H01F27/29 G
H01F17/04 A
H01F27/28 K
H01F37/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-103915(P2020-103915)
(22)【出願日】2020年6月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(72)【発明者】
【氏名】國塚 光祐
(72)【発明者】
【氏名】東田 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 恵美
【テーマコード(参考)】
5E043
5E070
【Fターム(参考)】
5E043BA01
5E043BA02
5E070AA01
5E070AB03
5E070BA03
5E070CA13
5E070CA14
(57)【要約】
【課題】一対のワイヤを途中で交差させたコモンモードフィルタにおいて、一対のワイヤの対称性をより高める。
【解決手段】コモンモードフィルタ1は、巻芯部13に巻回されたワイヤW1,W2を備える。ワイヤW1,W2は、一方が下層に巻回され他方が上層に巻回されるよう整列してレイヤ巻きされたブロックB1,B3からなるレイヤ巻き部L1と、他方が下層に巻回され一方が上層に巻回されるよう整列してレイヤ巻きされたブロックB2,B4からなるレイヤ巻き部L2とを含み、ブロックB1,B4,B3,B2がこの順に配列されているとともに、隣接するブロック間においてワイヤW1,W2が交差する。このように、レイヤ巻き部L1に属するブロックB1が鍔部11の最も近くに配置され、レイヤ巻き部L2に属するブロックB2が鍔部12の最も近くに配置されていることから、一対のワイヤの対称性をより高めることが可能となる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻芯部と、前記巻芯部の軸方向における一端に設けられた第1の鍔部と、前記巻芯部の前記軸方向における他端に設けられた第2の鍔部とを有するコアと、
前記巻芯部に同方向に巻回された第1及び第2のワイヤと、
前記第1の鍔部に設けられ、前記第1及び第2のワイヤの一端がそれぞれ接続された第1及び第2の端子電極と、
前記第2の鍔部に設けられ、前記第1及び第2のワイヤの他端がそれぞれ接続された第3及び第4の端子電極と、を備え、
前記第1及び第2のワイヤは、前記第1及び第2のワイヤの一方が下層に巻回され他方が上層に巻回されるよう整列してレイヤ巻きされた複数のブロックからなる第1のレイヤ巻き部と、前記第1及び第2のワイヤの前記他方が下層に巻回され前記一方が上層に巻回されるよう整列してレイヤ巻きされた複数のブロックからなる第2のレイヤ巻き部とを含み、
前記第1のレイヤ巻き部を構成する前記ブロックと前記第2のレイヤ巻き部を構成する前記ブロックは、前記軸方向に交互に配列され、
前記第1及び第2のレイヤ巻き部を構成する前記複数のブロックのうち、前記第1のレイヤ巻き部に属する第1ブロックが前記第1の鍔部の最も近くに配置され、且つ、前記第2のレイヤ巻き部に属する第2ブロックが前記第2の鍔部の最も近くに配置され、
前記第1及び第2のワイヤは、前記軸方向に隣接する前記ブロック間において交差することを特徴とするコモンモードフィルタ。
【請求項2】
前記第1ブロックのターン数と前記第2ブロックのターン数の差は1ターン以下であることを特徴とする請求項1に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項3】
前記第1ブロックのターン数と前記第2ブロックのターン数が同じであることを特徴とする請求項2に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項4】
前記第1のレイヤ巻き部は、前記第2ブロックに隣接する第3ブロックをさらに含み、
前記第2のレイヤ巻き部は、前記第1ブロックに隣接する第4ブロックをさらに含み、
前記第3ブロックのターン数と前記第4ブロックのターン数の差は1ターン以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項5】
前記第3ブロックのターン数と前記第4ブロックのターン数が同じであることを特徴とする請求項4に記載のコモンモードフィルタ。
【請求項6】
前記第1乃至第4ブロックのターン数がいずれも同じであることを特徴とする請求項5に記載のコモンモードフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコモンモードフィルタに関し、特に、一対のワイヤが途中で交差するタイプのコモンモードフィルタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コモンモードフィルタは、差動信号線路に重畳するコモンモードノイズを除去するための素子として、携帯電子機器や車載用LANなど、多くの電子機器に幅広く使用されている。近年においては、トロイダル型のコアを用いたコモンモードフィルタに代わって、表面実装が可能なドラム型のコアを用いたコモンモードフィルタが主流である(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたコモンモードフィルタは、一対のワイヤを奇数個のブロックに分けて巻回し、隣接するブロックにおいて一対のワイヤの上下位置を逆転させるとともに、隣接するブロック間において一対のワイヤを交差させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−121791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された巻回方式によれば、一方の鍔部に最も近いブロックにおける一対のワイヤの上下位置と、他方の鍔部に最も近いブロックにおける一対のワイヤの上下位置が一致することから、方向性のないコモンモードフィルタを提供することができるとともに、双方向の差動信号に対して高い信号品質を得ることが可能となる。しかしながら、一対のワイヤの対称性という観点からは、特許文献1に記載の巻回方式では必ずしも十分ではなく、その結果、差動信号成分がコモンモードノイズ成分に変換されるモード変換特性が高周波帯域において悪化するおそれがあった。
【0005】
したがって、本発明は、一対のワイヤを途中で交差させたコモンモードフィルタにおいて、一対のワイヤの対称性をより高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるコモンモードフィルタは、巻芯部、巻芯部の軸方向における一端に設けられた第1の鍔部及び巻芯部の軸方向における他端に設けられた第2の鍔部を有するコアと、巻芯部に同方向に巻回された第1及び第2のワイヤと、第1の鍔部に設けられ第1及び第2のワイヤの一端がそれぞれ接続された第1及び第2の端子電極と、第2の鍔部に設けられ第1及び第2のワイヤの他端がそれぞれ接続された第3及び第4の端子電極とを備え、第1及び第2のワイヤは、第1及び第2のワイヤの一方が下層に巻回され他方が上層に巻回されるよう整列してレイヤ巻きされた複数のブロックからなる第1のレイヤ巻き部と、第1及び第2のワイヤの他方が下層に巻回され一方が上層に巻回されるよう整列してレイヤ巻きされた複数のブロックからなる第2のレイヤ巻き部とを含み、第1のレイヤ巻き部を構成するブロックと第2のレイヤ巻き部を構成するブロックは軸方向に交互に配列され、第1及び第2のレイヤ巻き部を構成する複数のブロックのうち、第1のレイヤ巻き部に属する第1ブロックが第1の鍔部の最も近くに配置され、且つ、第2のレイヤ巻き部に属する第2ブロックが第2の鍔部の最も近くに配置され、第1及び第2のワイヤは軸方向に隣接するブロック間において交差することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、一対のワイヤを複数個のブロックに分けて巻回し、隣接するブロックにおいて一対のワイヤの上下位置を逆転させるとともに、隣接するブロック間において一対のワイヤを交差させていることから、一対のワイヤの対称性が高められるとともに、寄生キャパシタンス成分を低減することが可能となる。しかも、第1のレイヤ巻き部に属する第1ブロックが第1の鍔部の最も近くに配置され、第2のレイヤ巻き部に属する第2ブロックが第2の鍔部の最も近くに配置されていることから、一対のワイヤの対称性をより高めることが可能となる。
【0008】
本発明において、一対のワイヤの対称性をより高めるためには、第1ブロックのターン数と第2ブロックのターン数の差は1ターン以下であることが好ましく、第1ブロックのターン数と第2ブロックのターン数が同じであることがより好ましい。
【0009】
本発明において、第1のレイヤ巻き部は第2ブロックに隣接する第3ブロックをさらに含み、第2のレイヤ巻き部は第1ブロックに隣接する第4ブロックをさらに含み、第3ブロックのターン数と第4ブロックのターン数の差は1ターン以下であっても構わない。これによれば、寄生キャパシタンス成分を低減することが可能となる。ここで、一対のワイヤの対称性をより高めるためには、第3ブロックのターン数と第4ブロックのターン数が同じであることが好ましく、第1乃至第4ブロックのターン数がいずれも同じであることがより好ましい。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明によれば、一対のワイヤを途中で交差させたコモンモードフィルタにおいて、一対のワイヤの対称性をより高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1の外観を示す略斜視図である。
【
図2】
図2は、コモンモードフィルタ1における第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。
【
図3】
図3は、コモンモードフィルタ1における第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な展開図である。
【
図4】
図4は、第1の変形例によるコモンモードフィルタ1Aにおける第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。
【
図5】
図5は、第2の変形例によるコモンモードフィルタ1Bにおける第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。
【
図6】
図6は、第3の変形例によるコモンモードフィルタ1Cにおける第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態によるコモンモードフィルタ2における第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1の外観を示す略斜視図である。
【0014】
図1に示すように、第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1は、ドラム型コア10と、板状コア20と、第1〜第4の端子電極31〜34と、第1及び第2のワイヤW1,W2とを備えている。ドラム型コア10及び板状コア20は、Ni−Zn系フェライトなどの磁性材料によって構成される。また、第1〜第4の端子電極31〜34は、銅などの良導体からなる金具である。第1〜第4の端子電極31〜34は、ドラム型コア10に銀ペーストなどを直接焼き付けたものであっても構わない。
【0015】
ドラム型コア10は、第1の鍔部11と、第2の鍔部12と、これらの間に設けられた巻芯部13と有している。巻芯部13はx方向を軸方向とし、その両端にそれぞれ第1及び第2の鍔部11,12が設けられ、これらが一体化された構造を有している。板状コア20は、鍔部11,12の上面11t,12tに接着されている。鍔部11,12の上面11t,12tはxy平面を構成し、その反対側の面は実装面11b,12bとして用いられる。そして、第1及び第2の端子電極31,32は、第1の鍔部11の実装面11b及び外側面11sに設けられ、第3及び第4の端子電極33,34は、第2の鍔部12の実装面12b及び外側面12sに設けられている。外側面11s,12sは、yz面を構成する。第1〜第4の端子電極31〜34の固定は、接着剤などによって行われる。
【0016】
第1及び第2のワイヤW1,W2は、巻芯部13に同方向に巻回されている。そして、第1のワイヤW1の一端及び他端はそれぞれ第1及び第3の端子電極31,33の継線部31a,33aに継線され、第2のワイヤW2の一端及び他端はそれぞれ第2及び第4の端子電極32,34の継線部32a,34aに継線される。第1及び第2のワイヤW1,W2のターン数は、互いに同じである。第1及び第2の端子電極31,32の継線部31a,32aは実装面11b上に位置し、第3及び第4の端子電極33,34の継線部33a,34aは実装面12b上に位置する。
【0017】
図2は、第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。また、
図3は、第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な展開図である。
【0018】
本実施形態においては巻芯部13のyz断面が略矩形であり、巻芯部13は、
図3に示すように4つの巻回面41〜44を有している。このうち、巻回面41,43はxy面を構成し、巻回面42,44はxz面を構成する。巻回面41,42の境界はエッジE1によって定義され、巻回面42,43の境界はエッジE2によって定義され、巻回面43,44の境界はエッジE3によって定義され、巻回面44,41の境界はエッジE4によって定義される。
【0019】
そして、
図2に示すように、第1及び第2のワイヤW1,W2は、第2のワイヤW2が下層に巻回され第1のワイヤW1が上層に巻回されるよう整列してレイヤ巻きされた2つのブロックB1,B3からなる第1のレイヤ巻き部L1と、第1のワイヤW1が下層に巻回され第2のワイヤW2が上層に巻回されるよう整列してレイヤ巻きされた2つのブロックB2,B4からなる第2のレイヤ巻き部L2を含んでいる。このように、第1及び第2のワイヤW1,W2が全体的にレイヤ巻きされていることから、第1及び第2のワイヤW1,W2のターン数が多い場合であっても、巻芯部13のx方向における長さを短くすることが可能となる。しかも、第1のレイヤ巻き部L1を構成するブロックB1,B3と第2のレイヤ巻き部L2を構成するブロックB2,B4が軸方向に交互に配列されていることから、第1のワイヤW1の長さと第2のワイヤW2の長さをほぼ一致させることが可能となる。
【0020】
ブロックB1〜B4は、第1の鍔部11から第2の鍔部12に向けて、ブロックB1,B4,B3,B2の順に配置されている。つまり、ブロックB1は第1の鍔部11の最も近くに配置され、ブロックB2は第2の鍔部12の最も近くに配置されている。そして、第1及び第2のワイヤW1,W2は、ブロックB1,B4の間において交差する第1の交差部C1と、ブロックB4,B3の間において交差する第2の交差部C2と、ブロックB3,B2の間において交差する第3の交差部C3とを有している。第1及び第2のワイヤW1,W2が交差すると、その前後において第1及び第2のワイヤW1,W2の位置関係が逆転するため、第1のワイヤW1と第2のワイヤW2の対称性がより高められる。
【0021】
図2に示す例では、ブロックB1〜B4がいずれも6ターン構成であり、合計で24ターンである。このため、互いに対称となる位置に配置されたブロックB1とブロックB2の特性がほぼ一致し、且つ、互いに対称となる位置に配置されたブロックB3とブロックB4の特性がほぼ一致する。特に、軸方向における一方の端部に位置するブロックB1と軸方向における他方の端部に位置するブロックB2は、第1及び第2のワイヤW1,W2の上下位置が互いに逆転していることから、第1のワイヤW1と第2のワイヤW2の対称性がよりいっそう高められる。
【0022】
尚、第1及び第2のワイヤW1,W2を整列してレイヤ巻きするためには、下層に位置するワイヤの谷線に沿って上層のワイヤを巻回する必要があり、下層に位置するワイヤのターン数よりも上層に位置するワイヤのターン数が1ターン少なくなる。このため、ブロックB1においては、継線部31aから数えて第1のワイヤW1の第1ターンが例外的に下層に位置し、ブロックB2においては、継線部32aから数えて第2のワイヤW2の第7ターンが例外的に下層に位置し、ブロックB3においては、継線部31aから数えて第1のワイヤW1の第13ターンが例外的に下層に位置し、ブロックB4においては、継線部32aから数えて第2のワイヤW2の第19ターンが例外的に下層に位置している。
【0023】
図3に示すように、第1〜第3の交差部C1〜C3はいずれも巻回面41上に位置している。ここで、第1及び第2のワイヤW1,W2を奇数回交差させると、第1及び第2のワイヤW1,W2の一端側における位置関係と他端側における位置関係が逆転してしまう。しかしながら、本実施形態によるコモンモードフィルタ1においては、他端側から数えた1ターン目において第1及び第2のワイヤW1,W2を巻回面44上の交差部CEにおいて交差させていることから、第1及び第2のワイヤW1,W2の一端側における位置関係と他端側における位置関係は互いに一致する。
【0024】
このように、本実施形態によるコモンモードフィルタ1は、第1及び第2のワイヤW1,W2が4つのブロックB1〜B4を構成し、隣接するブロック間において第1及び第2のワイヤW1,W2が交差するとともに、第1のワイヤW1と第2のワイヤW2の上下位置が逆転している。このため、寄生キャパシタンス成分が低減するとともに、第1のワイヤW1と第2のワイヤW2の対称性が高められる。特に、軸方向における一方の端部に位置するブロックB1と軸方向における他方の端部に位置するブロックB2においては、第1及び第2のワイヤW1,W2の上下位置が互いに逆転していることから、第1のワイヤW1と第2のワイヤW2の対称性をよりいっそう高めることが可能となる。
【0025】
図4は、第1の変形例によるコモンモードフィルタ1Aにおける第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。
【0026】
図4に示すように、第1の変形例によるコモンモードフィルタ1Aは、ブロックB1,B2のターン数が5ターンであり、合計で22ターンである点において、第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第1の変形例によるコモンモードフィルタ1Aが例示するように、合計ターン数(=22)がブロック数(=4)で割り切れない場合であっても、互いに対称となる位置に配置されたブロックB1とブロックB2のターン数、並びに、ブロックB3とブロックB4のターン数を一致させれば、第1のワイヤW1と第2のワイヤW2の対称性を維持することが可能となる。
【0027】
図5は、第2の変形例によるコモンモードフィルタ1Bにおける第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。
【0028】
図5に示すように、第2の変形例によるコモンモードフィルタ1Bは、ブロックB3のターン数が5ターンであり、合計で23ターンである点において、第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第2の変形例によるコモンモードフィルタ1Bが例示するように、合計ターン数(=23)がブロック数(=4)で割り切れず、且つ、奇数であっても、端部に位置するブロックB1とブロックB2のターン数を一致させるとともに、ブロックB3とブロックB4のターン数の差を1ターンとすれば、第1のワイヤW1と第2のワイヤW2の対称性をある程度維持することが可能となる。
【0029】
図6は、第3の変形例によるコモンモードフィルタ1Cにおける第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。
【0030】
図6に示すように、第3の変形例によるコモンモードフィルタ1Cは、ブロックB3のターン数が7ターンであり、合計で25ターンである点において、第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第3の変形例によるコモンモードフィルタ1Cが例示するように、合計ターン数(=25)がブロック数(=4)で割り切れず、且つ、奇数であっても、端部に位置するブロックB1とブロックB2のターン数を一致させるとともに、ブロックB3とブロックB4のターン数の差を1ターンとすれば、第1のワイヤW1と第2のワイヤW2の対称性をある程度維持することが可能となる。
【0031】
第1〜第3の変形例においては、ブロックB1とブロックB2のターン数を一致させているが、本発明においてこの点は必須でなく、ブロックB1のターン数とブロックB2のターン数に差があっても構わない。この場合であっても、高い対称性を維持するためには、ブロックB1のターン数とブロックB2のターン数の差を1ターンとすることが好ましい。
【0032】
図7は、第2の実施形態によるコモンモードフィルタ2における第1及び第2のワイヤW1,W2の巻回レイアウトを説明するための模式的な平面図である。
【0033】
図7に示すように、第2の実施形態によるコモンモードフィルタ2は、第1及び第2のワイヤW1,W2が6つのブロックB1〜B6を構成している点において、第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0034】
本実施形態においては、第1のレイヤ巻き部L1がブロックB1,B3,B5からなり、第2のレイヤ巻き部L2がブロックB2,B4,B6からなる。ブロックB1〜B6は、第1の鍔部11から第2の鍔部12に向けて、ブロックB1,B4,B5,B6,B3,B2の順に配置されている。そして、第1及び第2のワイヤW1,W2は、ブロックB1,B4の間において交差する第1の交差部C1と、ブロックB4,B5の間において交差する第2の交差部C2と、ブロックB5,B6の間において交差する第3の交差部C3と、ブロックB6,B3の間において交差する第4の交差部C4と、ブロックB3,B2の間において交差する第5の交差部C5とを有している。
【0035】
本実施形態によるコモンモードフィルタ2が例示するように、第1及び第2のワイヤW1,W2によって構成されるブロック数は、6個であっても構わない。ブロック数を増やせば寄生キャパシタンス成分が低減することから、高周波帯域における信号特性をよりいっそう高めることが可能となる。第1及び第2のワイヤW1,W2によって構成されるブロック数は、4個以上の偶数である限り特に限定されない。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0037】
1,1A〜1C,2 コモンモードフィルタ
10 ドラム型コア
11,12 鍔部
11b,12b 実装面
11s,12s 外側面
11t,12t 上面
13 巻芯部
20 板状コア
31〜34 端子電極
31a〜34a 継線部
41〜44 巻回面
51,53 始点
52,54 終点
B1〜B6 ブロック
C1〜C5,CE 交差部
E1〜E4 エッジ
L1,L2 レイヤ巻き部
W1,W2 ワイヤ