【解決手段】位置検知システムでは、送信アンテナおよび受信アンテナの少なくとも一方は、第1導線が巻回されて構成される第1巻回部と、第2導線が巻回されて構成される第2巻回部と、を有する多軸アンテナであり、前記第1巻回部の第1巻回軸の軸方向と前記第2巻回部の第2巻回軸の軸方向は、互いに異なる2方向であって、前記第1巻回部と前記第2巻回部は、互いに電気的に接続されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
【0014】
[ワイヤレス電力伝送システム]
本実施形態では、説明の便宜上、ワイヤレスによる電力の伝送をワイヤレス電力伝送と称して説明する。
また、本実施形態では、直流電力に応じた電気信号または交流電力に応じた電気信号を伝送する導体のことを、伝送路と称して説明する。伝送路は、例えば、基板上にプリントされた導体である。なお、伝送路は、このような導体に代えて、導線等であってもよい。
導線は、線状に形成された導体のことである。
【0015】
図1は、一実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1の概略的な構成を示す図である。
図1には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ座標軸を示してある。
本実施形態では、Z軸の方向が高さ方向となっており、Z軸の負から正へ向かう方向が上方に相当する。
また、本実施形態では、地表が、XY平面に平行な面となっている。本実施形態では、説明を簡易化するために、地表が平面であるとみなして説明する。
【0016】
図2は、一実施形態に係る送信アンテナ51および受信アンテナ31〜34の配置の一例を示す図である。
図2には、説明の便宜上、
図1に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
【0017】
以下、
図1および
図2を参照し、ワイヤレス電力伝送システム1の構成について説明する。
ワイヤレス電力伝送システム1は、ワイヤレス送電装置10と、ワイヤレス受電装置20を備える。
【0018】
ワイヤレス送電装置10は、変換回路11と、送電回路12と、送電コイルユニット13と、制御回路14と、送電側通信部15と、位置制御部40を備える。一方、ワイヤレス受電装置20は、受電コイルユニット21と、整流平滑回路22と、保護回路23と、制御回路24と、受電側通信部25と、通信制御部61を備える。そして、ワイヤレス受電装置20は、負荷Vloadと接続可能である。
図1に示した例では、ワイヤレス受電装置20は、負荷Vloadと接続されている。なお、ワイヤレス受電装置20は、負荷Vloadを備える構成であってもよい。
ここで、送電コイルユニットは、例えば、送電パッドと呼ばれてもよい。また、受電コイルユニットは、例えば、受電パッドと呼ばれてもよい。
【0019】
ワイヤレス送電装置10について説明する。
変換回路11は、例えば、外部の商用電源Pと接続され、商用電源Pから入力される交流電圧を所望の直流電圧に変換するAC(Alternating Current)/DC(Direct Current)コンバータである。変換回路11は、送電回路12と接続されている。変換回路11は、当該交流電圧を変換した直流電圧を送電回路12に供給する。
【0020】
なお、変換回路11は、送電回路12に対して直流電圧を出力するものであれば如何なるものであってもよい。例えば、変換回路11は、交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流平滑回路と力率改善を行うPFC(Power Factor Correction)回路とを組み合わせた変換回路であってもよく、当該整流平滑回路とスイッチングコンバータ等のスイッチング回路とを組み合わせた変換回路であってもよく、送電回路12に対して直流電圧を出力する他の変換回路であってもよい。
【0021】
送電回路12は、変換回路11から供給される直流電圧を交流電圧に変換するものである。例えば、送電回路12は、複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路により構成されたインバータを備える。送電回路12は、送電コイルユニット13に接続されている。送電回路12は、送電コイルユニット13が備える送電側共振回路の共振周波数に基づいて駆動周波数が制御された交流電圧を送電コイルユニット13に供給する。
【0022】
送電コイルユニット13は、送電側共振回路として、例えば、送電コイルL1とともに、
図1において図示しないコンデンサを備えたLC共振回路を備える。この場合、送電コイルユニット13は、当該コンデンサの静電容量を調整することにより、送電側共振回路の共振周波数を調整可能である。ワイヤレス送電装置10は、送電側共振回路の共振周波数を、受電コイルユニット21が備える受電側共振回路の共振周波数に近づけ(または、一致させ)、磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送を行う。当該コンデンサは、例えば、送電コイルL1に直列に接続されたコンデンサにより構成されてもよく、送電コイルL1に対して直列に接続されたコンデンサと、送電コイルL1に対して並列に接続されたコンデンサとにより構成されてもよく、他の態様により構成されてもよい。
【0023】
このように送電コイルユニット13の送電側共振回路が備えるコンデンサのうちの少なくとも1つは、コンデンサモジュールによって置き換えることが可能である。その結果、当該送電側共振回路は、小型化、製造コストの抑制、配線構造の簡素化のうちの少なくとも1つを実現することができる。
【0024】
なお、送電コイルユニット13は、LC共振回路に代えて、送電コイルL1を備えた他の共振回路を送電側共振回路として備える構成であってもよい。また、送電コイルユニット13は、送電側共振回路に加えて、他の回路、他の回路素子等を備える構成であってもよい。また、送電コイルユニット13は、送電コイルL1と受電コイルL2との間の磁気的結合を高める磁性体、送電コイルL1が発生させる磁界の外部への漏洩を抑制する電磁気遮蔽体(例えば、金属板等)等を備える構成であってもよい。これらの場合であっても、送電コイルユニット13は、送電側共振回路が備えるコンデンサのうちの少なくとも1つを、コンデンサモジュールによって置き換えることが可能である。
【0025】
送電コイルL1は、例えば、銅、アルミニウム等からなるリッツ線をスパイラル状に巻き回したワイヤレス電力伝送用コイルである。本実施形態の送電コイルL1は、電気自動車EVのフロアの下側と向かい合うように、地面Gの上に設置または地面Gに埋設されている。以下では、一例として、送電コイルL1(すなわち、送電コイルユニット13)が送電回路12とともに地面Gの上に設置されている場合について説明する。
【0026】
制御回路14は、ワイヤレス送電装置10を制御する。制御回路14は、送電側通信部15を制御し、各種の情報をワイヤレス受電装置20との間で送受信させる。例えば、制御回路14は、ワイヤレス受電装置20が受電した電力を示す電力情報を、送電側通信部15によってワイヤレス受電装置20から受信する。なお、当該電力情報の代わりに、電圧を示す電圧情報が用いられてもよく、あるいは、電流を示す電流情報が用いられてもよい。
【0027】
また、制御回路14は、送電側通信部15を介してワイヤレス受電装置20から受信した電力情報に基づいて、送電回路12が送電コイルL1に供給する交流電圧を制御する。
具体的には、制御回路14は、当該電力情報に応じて、ワイヤレス受電装置20に送電する送電電力量を算出する。制御回路14は、算出した送電電力量に応じて、送電回路12が備えるインバータの駆動周波数、当該インバータのデューティ比等を制御する。これにより、制御回路14は、送電回路12が送電コイルL1に供給する交流電圧を制御する。
すなわち、制御回路14は、電力情報に基づくフィードバック制御によって、送電回路12が送電コイルL1に供給する交流電圧を調整する。制御回路14は、例えば、当該交流電圧を調整するためのフィードバック制御として、PID制御を行う。なお、制御回路14は、当該交流電圧を調整するためのフィードバック制御として、PID制御以外の制御を行う構成であってもよい。
【0028】
送電側通信部15は、無線通信、光通信、電磁誘導、音、振動等により信号の送受信を行う通信回路(または、通信装置)である。送電側通信部15は、制御回路14からの信号に応じて、各種の情報をワイヤレス受電装置20との間で送受信する。
【0029】
位置制御部40、および送電コイルユニット13に備えられる受信アンテナ31〜34については後述する。
なお、
図1では、受信アンテナ31〜34のうち、受信アンテナ33〜34については、図示の方向から見て裏側に存在しており、図示を省略してある。
本実施形態では、ワイヤレス電力伝送システム1は、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検出する位置検知システムを含んでいる。本実施形態では、位置検知システムは、通信制御部61および送信アンテナ51と、位置制御部40および受信アンテナ31〜34を含む。
【0030】
ワイヤレス受電装置20について説明する。
受電コイルユニット21は、受電側共振回路として、例えば、受電コイルL2とともに、
図1において図示しないコンデンサを備えたLC共振回路を備える。この場合、受電コイルユニット21は、当該コンデンサの静電容量を調整することにより、受電側共振回路の共振周波数を調整可能である。ワイヤレス受電装置20は、受電側共振回路の共振周波数を送電側共振回路の共振周波数に近づけ(または、一致させ)、磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送を行う。当該コンデンサは、例えば、受電コイルL2に直列に接続されたコンデンサにより構成されてもよく、受電コイルL2に対して直列に接続されたコンデンサと、受電コイルL2に対して並列に接続されたコンデンサとにより構成されてもよく、他の態様により構成されてもよい。
【0031】
このように受電コイルユニット21の受電側共振回路が備えるコンデンサのうちの少なくとも1つは、送電コイルユニット13の送電側共振回路と同様に、コンデンサモジュールによって置き換えることが可能である。その結果、当該受電側共振回路は、小型化、製造コストの抑制、配線構造の簡素化のうちの少なくとも1つを実現することができる。
【0032】
なお、受電コイルユニット21は、LC共振回路に代えて、受電コイルL2を備えた他の共振回路を受電側共振回路として備える構成であってもよい。また、受電コイルユニット21は、受電側共振回路に加えて、他の回路、他の回路素子等を備える構成であってもよい。また、受電コイルユニット21は、送電コイルL1と受電コイルL2との間の磁気的結合を高める磁性体、受電コイルL2が発生させる磁界の外部への漏洩を抑制する電磁気遮蔽体(例えば、金属板等)等を備える構成であってもよい。これらの場合であっても、受電コイルユニット21は、受電側共振回路が備えるコンデンサのうちの少なくとも1つを、コンデンサモジュールによって置き換えることが可能である。
【0033】
整流平滑回路22は、受電コイルユニット21に接続され、受電コイルL2から供給される交流電圧を整流して直流電圧に変換する。整流平滑回路22は、負荷Vloadと接続可能である。
図1に示した例では、整流平滑回路22は、保護回路23を介して負荷Vloadと接続されている。整流平滑回路22が負荷Vloadと接続されている場合、整流平滑回路22は、変換した直流電力を負荷Vloadに供給する。なお、ワイヤレス受電装置20では、整流平滑回路22は、負荷Vloadと接続される場合において、保護回路23に代えて、充電回路を介して負荷Vloadと接続される構成であってもよく、保護回路23に加えて、充電回路を介して負荷Vloadと接続される構成であってもよい。
【0034】
ここで、負荷Vloadは、整流平滑回路22と接続されている場合、整流平滑回路22から直流電圧が供給される。例えば、負荷Vloadは、電気自動車EVに搭載されたバッテリ、電気自動車EVに搭載されたモータ等である。負荷Vloadは、電力の需要状態(貯蔵状態または消費状態)によって、等価抵抗値が時間とともに変わる抵抗負荷である。なお、ワイヤレス受電装置20において、負荷Vloadは、当該バッテリ、当該モータ等に代えて、整流平滑回路22から供給される直流電圧が供給される他の負荷であってもよい。
【0035】
保護回路23は、ワイヤレス受電装置20の状態が、意図しない大きさの電圧または電流が負荷Vloadに供給されてしまう可能性がある状態(例えば、過電圧状態)になった場合において、負荷Vloadに当該電圧または当該電流が供給されることによって不具合が生じてしまうことを抑制し、負荷Vloadを保護する。例えば、保護回路23は、受電コイルL2の端子間を短絡させるスイッチング素子を備える。保護回路23は、制御回路24からの駆動信号に応じて当該スイッチング素子の状態をオンとオフとの間で切り替える。なお、ワイヤレス受電装置20は、保護回路23を備えない構成であってもよい。
【0036】
制御回路24は、ワイヤレス受電装置20を制御する。制御回路24は、受電側通信部25を制御し、各種の情報をワイヤレス送電装置10との間で送受信させる。例えば、制御回路24は、ワイヤレス受電装置20が受電した電力を示す電力情報を、受電側通信部25によってワイヤレス送電装置10に送信する。
【0037】
また、制御回路24は、ワイヤレス受電装置20の状態が、意図しない大きさの電圧または電流が負荷Vloadに供給されてしまう可能性がある状態になった場合において、保護回路23に駆動信号を出力し、負荷Vloadを保護する。
【0038】
受電側通信部25は、無線通信、光通信、電磁誘導、音、振動等により信号の送受信を行う通信回路(または、通信装置)である。受電側通信部25は、制御回路24からの信号に応じて、各種の情報をワイヤレス送電装置10との間で送受信する。
【0039】
通信制御部61、および受電コイルユニット21に備えられる送信アンテナ51については後述する。
【0040】
本実施形態では、ワイヤレス電力伝送システム1において、ワイヤレス電力伝送によって電力がワイヤレス送電装置10からワイヤレス受電装置20に伝送される。より具体的には、ワイヤレス電力伝送システム1では、ワイヤレス送電装置10が備える送電コイルL1から、ワイヤレス受電装置20が備える受電コイルL2へと、ワイヤレス電力伝送によって電力が伝送される。ワイヤレス電力伝送システム1は、例えば、磁界共鳴方式を用いてワイヤレス電力伝送を行う。なお、ワイヤレス電力伝送システム1は、磁界共鳴方式に代えて、他の方式を用いてワイヤレス電力伝送を行う構成であってもよい。
【0041】
本実施形態では、一例として、ワイヤレス電力伝送システム1が、
図1に示したように、電気自動車EVに搭載されたバッテリ(二次電池)に対してワイヤレス電力伝送による充電を行うシステムに適用された場合を示してある。電気自動車EVは、バッテリに充電された電力によりモータを駆動して走行する電動車両(移動体)である。
図1に示した例では、ワイヤレス電力伝送システム1は、充電設備側の地面Gに設置されたワイヤレス送電装置10と、電気自動車EVに搭載されたワイヤレス受電装置20とを備える。なお、ワイヤレス電力伝送システム1は、当該システムに適用される構成に代えて、他の装置、他のシステム等に適用される構成であってもよい。
【0042】
ここで、磁界共鳴方式によるワイヤレス電力伝送では、ワイヤレス電力伝送システム1は、ワイヤレス送電装置10が備える図示しない送電側共振回路(
図1に示した例では、送電コイルユニット13に備えられている。)とワイヤレス受電装置20が備える図示しない受電側共振回路(
図1に示した例では、受電コイルユニット21に備えられている。
)との間の共振周波数を近づけ(または、当該共振周波数を一致させ)、共振周波数付近の高周波電流および電圧を送電コイルユニット13に印加し、電磁的に共振(共鳴)させた受電コイルユニット21に電力をワイヤレスで伝送(供給)する。
【0043】
このため、本実施形態のワイヤレス電力伝送システム1は、充電ケーブルとの接続を行わずに、充電設備側から供給される電力をワイヤレスで電気自動車EVに伝送しながら、電気自動車EVに搭載されたバッテリに対してワイヤレス電力伝送による充電を行うことができる。
【0044】
[ワイヤレス電力伝送システムの位置検知システム]
図2を参照して、送信アンテナ51および受信アンテナ31〜34の配置の一例を説明する。
図2には、送電コイルL1および受信アンテナ31〜34と、受電コイルL2および送信アンテナ51を示してある。
【0045】
本例では、送電コイルL1の面は、XY平面に平行な面(または、ほぼ平行な面)となっている。
送電コイルL1の面は、当該面の中心を通るX軸に平行な線に対して、線対称な形状となっている。同様に、送電コイルL1の面は、当該面の中心を通るY軸に平行な線に対して、線対称な形状となっている。
【0046】
図2には、Z軸に平行な視線で見た場合に、送電コイルL1と受電コイルL2とが重複しない状態を示してある。このような状態は、例えば、電気自動車EVに備えられた受電コイルL2が送電コイルL1の上方に到達する前の状態、あるいは、電気自動車EVに備えられた受電コイルL2が送電コイルL1の上方から移動した後の状態である。
【0047】
4つの受信アンテナ31〜34は、それぞれ、送電コイルユニット13および送電コイルL1の周縁に所定の間隔で配置されている。より具体的には、4つの受信アンテナ31〜34は、それぞれ、送電コイルL1の面が有する4つの角のそれぞれの付近に配置されている。また、4つの受信アンテナ31〜34は、送電コイルL1の面の内側に配置されている。4つの受信アンテナ31〜34は、例えば、送電コイルユニット13の筐体の縁に配置されてもよい。
このように、本実施形態では、4つの受信アンテナ31〜34は、送電コイルL1の面の中心を囲う領域に、当該中心を中心軸とする回転方向に沿って、所定の間隔で配置されている。
【0048】
また、他の構成例として、送信アンテナ51および受信アンテナ31〜34がそれぞれ受電コイルユニット21および送電コイルユニット13に配置される代わりに、送信アンテナ51および受信アンテナ31〜34の一方または両方が、他のところに配置されてもよい。本実施形態の場合、例えば、送信アンテナ51は電気自動車EVの車体上に配置されてもよく、受信アンテナ31〜34は地面上に配置されてもよい。このような配置においても、送電コイルL1と受信アンテナ31〜34との相対的な位置関係が定まり、受電コイルL2と送信アンテナ51との相対的な位置関係が定まる、構成とすることができる。
【0049】
本実施形態では、複数である4つの受信アンテナ31〜34が、それぞれ、異なる位置に配置されている。
このような配置において、送信アンテナ51から送信される信号が複数の受信アンテナ31〜34のそれぞれによって受信されるときにおける複数の電波の強度の組み合わせによって、送信アンテナ51と受信アンテナ31〜34との相対的な位置関係を特定することができる。また、送電コイルL1と受信アンテナ31〜34との相対的な位置関係が定まっており、受電コイルL2と送信アンテナ51との相対的な位置関係が定まっていることにより、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置関係を特定することができる。
【0050】
4つの受信アンテナ31〜34は、送電コイルL1の面の中心を通るX軸に平行な線に対して、線対称の位置および姿勢で配置されている。同様に、4つの受信アンテナ31〜34は、送電コイルL1の面の中心を通るY軸に平行な線に対して、線対称の位置および姿勢で配置されている。
本実施形態では、4つの受信アンテナ31〜34は、それぞれ、後述する多軸アンテナであり、同じ構成を有するアンテナである。
【0051】
本例では、受信アンテナ31〜34は、すべて、送電コイルL1の面(コイル面)と平行な面内において、XYZ座標軸に対して同じ姿勢となるように配置されている。
なお、複数の受信アンテナ31〜34の相対的な位置関係は、様々な配置条件によって決定されてもよい。
【0052】
ここで、隣り合う受信アンテナ31〜34同士の距離が大きい方が、送信アンテナ51と受信アンテナ31〜34との相対位置を把握し易い場合が多い。本実施形態では、例えば、送電コイルユニット13の4角にそれぞれの受信アンテナ31〜34を配置することで、隣り合う受信アンテナ31〜34同士の距離を大きく確保している。
【0053】
ここで、他の構成例として、少なくとも1つの受信アンテナが、送電コイルL1の面(コイル面)と平行な面内において、XYZ座標軸に対して異なる姿勢となるように配置されている構成が用いられてもよい。
【0054】
なお、本例では、受電コイルL2の面は、XY平面に平行な面(または、ほぼ平行な面)となっている。
受電コイルL2の面は、当該面の中心を通るX軸に平行な線に対して、線対称な形状となっている。同様に、受電コイルL2の面は、当該面の中心を通るY軸に平行な線に対して、線対称な形状となっている。
本例では、受電コイルL2の面は、送電コイルL1の面よりも小さく、両者の中心が揃えられて重ねられた場合に送電コイルL1の面に含まれ得るサイズである。
【0055】
1つの送信アンテナ51は、受電コイルL2の面の中心(または、当該中心の付近)に配置されている。
本実施形態では、送信アンテナ51は、後述する多軸アンテナである。
本例では、送信アンテナ51は、受電コイルL2の面(コイル面)と平行な面内において、XYZ座標軸に対して受信アンテナ31〜34と同じ姿勢となるように配置されている。なお、他の構成例として、送信アンテナ51は、他の姿勢で配置されている構成が用いられてもよい。
【0056】
図1および
図2を参照して、位置検知の処理について説明する。
通信制御部61は、送信アンテナ51から電波を発信させる。ここで、当該電波の周波数および強度などは、任意であってもよく、例えば、受信アンテナ31〜34によって当該電波を受信することが可能であればよい。当該電波の周波数としては、LF帯の周波数が好ましい一例であるが、他の周波数であってもよい。また、当該電波の波形は、任意であってもよく、例えば、正弦波の波形などが用いられてもよい。
【0057】
通信制御部61は、例えば、電波信号の発振、当該電波信号の増幅などを行ってもよい。
なお、本実施形態では、通信制御部61は、制御回路24と別体としたが、他の構成例として、通信制御部61が制御回路24と一体で構成されてもよい。また、例えば、通信制御部61と送信アンテナ51とが一体で構成されてもよい。
本実施形態では、実質的に、送信アンテナ51は、受信アンテナ31〜34に対して、電波を送信する。
【0058】
それぞれの受信アンテナ31〜34は、送信アンテナ51から送信される電波を受信する。そして、それぞれの受信アンテナ31〜34は、受信された電波の信号(電波信号)を位置制御部40に有線の回線を介して送信する。
【0059】
位置制御部40は、電波検知部41と、位置検知部42と、記憶部43を備える。
電波検知部41は、それぞれの受信アンテナ31〜34から位置制御部40に送信された電波信号を受信し、当該電波信号に基づいて、それぞれの受信アンテナ31〜34によって受信された電波の強度を検知(検出)する。
なお、電波検知部41は、それぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号について、例えば、増幅などを行ってもよい。
【0060】
位置検知部42は、電波検知部41によって検出されたそれぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度に基づいて、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検知(検出)する。
ここで、本実施形態では、送電コイルL1と受信アンテナ31〜34との相対的な位置は固定されており、受電コイルL2と送信アンテナ51との相対的な位置は固定されている。これらにより、受信アンテナ31〜34と送信アンテナ51との相対的な位置が把握されれば、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置が把握され得る。
【0061】
本実施形態では、それぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度と、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置との関係が、あらかじめ測定などされて、取得されている。
記憶部43は、各種の情報を記憶することが可能であり、本実施形態では、それぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度と、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置との関係を表す情報を記憶している。
【0062】
そして、位置検知部42は、記憶部43に記憶された当該関係を表す情報を参照して、電波検知部41によって検出されたそれぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度に基づいて、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検出する。
他の例として、位置検知部42は、電波検知部41によって検出されたそれぞれの受信アンテナ31〜34から受信される電波信号の強度に基づいて、所定の数式を演算することによって、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検出してもよい。この場合、例えば、当該数式の情報が記憶部43に記憶されてもよい。
ここで、本実施形態では、位置検知部42が、記憶部43に記憶された情報に基づいて、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検出する場合を示すが、他の構成例として、位置検知部42が、インターネット等のネットワークを介して、ワイヤレス送電装置10の外部のサーバー等に記憶された情報を参照して、当該情報に基づいて、送電コイルL1と受電コイルL2との相対的な位置を検出してもよい。
なお、本実施形態では、位置制御部40は、制御回路14と別体としたが、他の構成例として、位置制御部40が制御回路14と一体で構成されてもよい。また、例えば、位置制御部40と受信アンテナ31〜34とが一体で構成されてもよい。
【0063】
ここで、本実施形態では、送信アンテナ51と、受信アンテナ31〜34とで、同じ構成の多軸アンテナが用いられているが、他の構成例として、送信アンテナ51と、受信アンテナ31〜34とで、異なる構成の多軸アンテナが用いられてもよい。
【0064】
[送信アンテナおよび受信アンテナによる情報の通信]
送信アンテナ51と、受信アンテナ31〜34との間で、任意の情報の通信が行われてもよい。
本実施形態では、ワイヤレス受電装置20は、送信アンテナ51を用いて、送信パルス数または送信パルス幅を制御して、自装置(ワイヤレス受電装置20)の固有情報を送信してもよい。この場合、ワイヤレス送電装置10は、受信アンテナ31〜34を用いて、当該固有情報を受信する。
なお、送信パルス数の制御、または、送信パルス幅の制御は、例えば、いずれか一方が行われてもよい。
【0065】
他の構成例として、ワイヤレス送電装置10に送信アンテナが備えられる場合には、ワイヤレス送電装置10は、送信アンテナを用いて、送信パルス数または送信パルス幅を制御して、自装置(ワイヤレス送電装置10)の固有情報を送信してもよい。この場合、ワイヤレス受電装置20は、受信アンテナ31〜34を用いて、当該固有情報を受信する。
なお、送信パルス数の制御、または、送信パルス幅の制御は、例えば、いずれか一方が行われてもよい。
【0066】
ここで、ワイヤレス受電装置20またはワイヤレス送電装置10のうちの一方の装置から他方の装置に送信される固有情報としては、様々な情報が用いられてもよい。当該固有情報としては、例えば、自装置(当該一方の装置)を識別するID(例えば、機器ID)、自装置(当該一方の装置)が備えられる車両に関する車高などの情報、ワイヤレス電力伝送に関する電力規格の情報、あるいは、自装置(当該一方の装置)におけるコイルの形状またはコイルの設置位置などの情報、などのうちの1以上が用いられてもよい。
【0067】
なお、一方の装置から他方の装置に固有情報が送信される構成において、当該他方の装置において当該一方の装置の識別情報(例えば、機器ID)に対応付けて記憶されている情報については、例えば、当該一方の装置から当該他方の装置に送信されなくてもよい。この場合、当該他方の装置では、当該一方の装置から受信された識別情報に基づいて当該情報を特定することが可能である。
【0068】
ここで、当該一方の装置に複数の送信アンテナが備えられる場合には、例えば、これら複数の送信アンテナのうちの1以上の一部の送信アンテナを用いて情報の通信が行われてもよい。
また、当該他方の装置に複数の受信アンテナが備えられる場合には、例えば、これら複数の受信アンテナのうちの1以上の一部の受信アンテナを用いて情報の通信が行われてもよい。
【0069】
[送信アンテナの配置の他の例]
図3は、一実施形態に係る送信アンテナ201〜202の配置の他の例を示す図である。
図3には、説明の便宜上、
図1に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
図3には、送電コイルL1および4つの受信アンテナ31〜34と、受電コイルL2および2つの送信アンテナ201〜202を示してある。
【0070】
ここで、送電コイルL1および4つの受信アンテナ31〜34の構成については、
図1および
図2を用いて説明した構成と同様であり、同じ符号を付してある。
本例では、受電コイルL2および2つの送信アンテナ201〜202は、
図1および
図2に示される受電コイルL2および1つの送信アンテナ51の代わりに用いられる。
【0071】
図3には、Z軸に平行な視線で見た場合に、送電コイルL1と受電コイルL2とが重複しない状態を示してある。このような状態は、例えば、電気自動車EVに備えられた受電コイルL2が送電コイルL1の上方に到達する前の状態、あるいは、電気自動車EVに備えられた受電コイルL2が送電コイルL1の上方から移動した後の状態である。
【0072】
送信アンテナ201〜202について説明する。
本例では、受電コイルユニット(受電コイルユニット21の他の例)に2つの送信アンテナ201〜202が備えられている。
本例では、2つの送信アンテナ201〜202は、それぞれ、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニットの対向する2つの辺のそれぞれに配置されている。
図3の例では、2つの送信アンテナ201〜202は、それぞれ、Z軸に平行な視線で見た場合に、受電コイルユニットが有するY軸に平行な2つの辺のそれぞれに配置されている。
【0073】
本実施形態では、送信アンテナ201〜202は、それぞれ、後述する多軸アンテナであり、同じ構成を有するアンテナである。
本例では、送信アンテナ201〜202は、すべて、受電コイルL2の面(コイル面)と平行な面内において、XYZ座標軸に対して同じ姿勢となるように配置されている。
なお、複数の送信アンテナ201〜202の相対的な位置関係は、様々な配置条件によって決定されてもよい。
本例では、送信アンテナ201〜202が備えられる当該辺の方向(Y軸に平行な方向)が、電気自動車EVの前方と後方とを結ぶ方向と一致するように、電気自動車EVに受電コイルユニットが配置されている。
【0074】
ここで、本実施形態では、送信アンテナ201〜202と、受信アンテナ31〜34とで、同じ構成の多軸アンテナが用いられているが、他の構成例として、送信アンテナ201〜202と、受信アンテナ31〜34とで、異なる構成の多軸アンテナが用いられてもよい。
【0075】
[多軸アンテナ]
以下、実施形態に係る多軸アンテナについて説明する。
【0076】
(第1実施形態)
図4は、一実施形態(第1実施形態)に係る多軸アンテナ401の概略的な構成を示す図である。
図4には、説明の便宜上、
図1〜
図3に示されるのと同様な三次元直交座標軸であるXYZ座標軸を示してある。
【0077】
本実施形態では、
図1〜
図3の例と同様に、説明の便宜上、Z軸の方向が上下方向であるとし、Z軸の正の方向が上の方向であるとし、Z軸の負の方向が下の方向であるとする。また、本実施形態では、説明の便宜上、Y軸の方向が左右方向であるとし、Y軸の正の方向が左の方向であるとし、Y軸の負の方向が右の方向であるとする。また、本実施形態では、説明の便宜上、X軸の方向が奥行方向であるとし、X軸の正の方向が奥の方向であるとし、X軸の負の方向が手前の方向であるとする。
【0078】
多軸アンテナ401は、コア部M1と、導体A1を備える。
本実施形態では、コア部M1は、磁性コアと、絶縁部材と、を備える。当該絶縁部材は、当該磁性コアを覆っている。ここで、コア部M1は、絶縁部材を備えない構成であってもよい。
なお、他の構成例として、コア部M1は、樹脂部材などのボビンであってもよい。また、本実施形態では、コア部M1が物体(磁性コアおよび絶縁部材)であるとして説明するが、コア部M1は空芯(空気の芯)であってもよく、つまり、磁性コア等の物体が無い空間において導体A1が備えられてもよい。
【0079】
コア部M1は、立方体の形状を有する。
図4の例では、当該立方体が有する6つの面のうち、互いに対向する2つの面はYZ平面に平行な面であり、互いに対向する他の2つの面はXZ平面に平行な面であり、互いに対向する2つの面はXY平面に平行な面である。
本実施形態では、コア部M1を構成する磁性コアは立方体の形状であり、絶縁部材は当該立方体の周囲を覆う形状である。
【0080】
本実施形態では、説明の便宜上、コア部M1の中心からそれぞれの面へ向かう方向を内部から外部への方向とし、コア部M1のそれぞれの面から中心へ向かう方向を外部から内部への方向として、説明する。
【0081】
また、磁性コア(本実施形態では、コア部M1の構成要素)は、例えば、1つの磁性体から構成されてもよく、あるいは、複数の磁性体から構成されてもよい。
磁性コアが複数の磁性体から構成される場合、個々の磁性体の形状(サイズを含む。)は任意の形状であってもよく、例えば、すべての磁性体が同じ形状を有してもよく、あるいは、一部の磁性体が異なる形状を有してもよい。
【0082】
磁性コアM1が複数の磁性体を用いて構成される場合、例えば、これら複数の磁性体は、重力方向に向かって積層されてもよい。後述するように、本実施形態では、重力方向の磁界の検出の優先度が低いことから、このような積層の方向が好ましい一例である。つまり、優先度が高い磁界の方向(磁束の流れの方向)が、磁性体が途切れる箇所が存在する複数の磁性体の積層方向とは異なる方向であることが好ましい。積層される複数の磁性体として、例えば、積層方向の厚さが薄い磁性体が用いられてもよい。
【0083】
本実施形態では、導体A1は、線状の形状を有する導線である。具体例として、導体A1は、エナメル線である。
導体A1は、始点411から終点412まで、所定の形状に巻かれている。
ここで、本実施形態では、説明の便宜上、導体A1が始点411から終点412まで巻かれる場合を説明するが、最終的な形状が同じであれば、導体A1がどのように加工されてもよい。
【0084】
ここで、導体A1は、例えば、金属線を用いて構成されている。そして、導体A1は、少なくとも、互いに重なり合う金属部分同士は絶縁される。具体例として、導体A1を構成する金属線として、当該金属線が絶縁被覆された絶縁被覆導体が用いられてもよく、これにより導体A1の全体が絶縁されていてもよい。導体A1を構成する金属線として絶縁被覆導体が用いられる場合には、隣り合う絶縁被覆導体同士が接するように巻回されていてもよい。なお、本実施形態では、絶縁被覆導体同士が接するとは、絶縁被覆導体の導体部分が接することではなく、絶縁部分同士が接することを意味する。
【0085】
また、本実施形態では、好ましい態様として、多軸アンテナ401において、コア部M1の磁性コアと導体A1との間に、絶縁部材が備えられている。例えば、導体A1が絶縁被覆導体であるときであっても、磁性コアの周囲に絶縁部材が備えられることが好ましく、当該絶縁被覆導体の一部の被覆がはがれた場合においても、絶縁の状態を保持することができる。
このように、多軸アンテナ401では、好ましい一例として、本実施形態のように、磁性コアの外表面を覆う絶縁部材を備えてもよい。当該絶縁部材としては、例えば、磁性コアの全体を覆う絶縁部材が用いられることが好ましいが、他の構成例として、磁性コアの一部を覆う絶縁部材が用いられてもよい。
通常、巻線を構成する導体A1と磁性体(本実施形態では、コア部M1の磁性コア)とは直接接触しない方が良い。
【0086】
図4の例では、説明の便宜上、導体A1を、概略的に、第1導線431、第2導線432、第3導線433に区別して説明するが、
図4に示される状態では、これらは一体となっている。第1導線431と第2導線432と第3導線433は、互いに電気的に接続されている。なお、第1導線431と第2導線432と第3導線433は、例えば、第1導線431、第2導線432、第3導線433の順序で直列接続されていてもよく、あるいは、他の順序で接続されていてもよい。
【0087】
同様に、
図4の例では、説明の便宜上、導体A1が巻回されて構成される巻回部を、第1導線431が巻回されて構成される第1巻回部451と、第2導線432が巻回されて構成される第2巻回部452と、第3導線433が巻回されて構成される第3巻回部453に区別して説明するが、
図4に示される状態では、これらは一体となっている。第1巻回部451と第2巻回部452と第3巻回部453は、互いに電気的に接続されている。なお、第1巻回部451と第2巻回部452と第3巻回部453は、例えば、第1巻回部451、第2巻回部452、第3巻回部453の順序で直列接続されていてもよく、あるいは、他の順序で接続されていてもよい。
【0088】
このように、本実施形態では、説明の便宜上、第1導線431、第2導線432、第3導線433を区別して説明する場合があるが、
図4に示される状態では、これらは一体となっており、これらの区切り目は特にない。同様に、本実施形態では、説明の便宜上、第1巻回部451、第2巻回部452、第3巻回部453を区別して説明する場合があるが、
図4に示される状態では、これらは一体となっており、これらの区切り目は特にない。
なお、本実施形態では、第1巻回部451の第1導線431と第2巻回部452の第2導線432と第3巻回部453の第3導線433は、1本の線で連続的につながっているが、他の構成例として、これらのうちの1つ以上の線が別体で構成された後に他の線と電気的に接続されてもよい。また、これらのうちの1つ以上の線のそれぞれとして、2つ以上の別体の線が電気的に接続されて構成された線が用いられてもよい。
【0089】
第1巻回部451の第1導線431、第2巻回部452の第2導線432、および、第3巻回部453の第3導線433は、コア部M1の周囲に巻回されている。
また、本実施形態のように、多軸アンテナ401において、磁性コアの外表面を覆う絶縁部材を備える場合には、第1巻回部451、第2巻回部452および第3巻回部453は、絶縁部材を介して磁性コアに巻回されている。
【0090】
第1巻回部451は、1番目に優先される部分であり、始点411から第1導線431が最初に巻回された部分である。
第1巻回部451は、X軸に平行な軸であってコア部M1の中心を通る軸(
図4の例における第1巻回軸)を中心に、当該軸の周囲にあるコア部M1の4つの面に沿って、第1導線431が巻回された部分である。
【0091】
第2巻回部452は、2番目に優先される部分であり、第1巻回部451の後に第2導線432が巻回された部分である。
第2巻回部452は、Y軸に平行な軸であってコア部M1の中心を通る軸(
図4の例における第2巻回軸)を中心に、当該軸の周囲にあるコア部M1の4つの面に沿って、第2導線432が巻回された部分である。
【0092】
第3巻回部453は、3番目に優先される部分であり、第2巻回部452の後に第3導線433が巻回された部分であり、終点412につながる。
第3巻回部453は、Z軸に平行な軸(重力方向に平行な軸)であってコア部M1の中心を通る軸(
図4の例における第3巻回軸)を中心に、当該軸の周囲にあるコア部M1の4つの面に沿って、第3導線433が巻回された部分である。
【0093】
ここで、第1巻回部451では、第1導線431が複数回、等間隔で巻回されている。当該等間隔は、一部または全部において、ほぼ等間隔であってもよい。
第1巻回部451の最後の部分の第1導線431は、第1巻回部451の巻回の方向から第2巻回部452の巻回の方向に変更されて、第2巻回部452の最初の部分の第2導線432と接続される。
【0094】
第2巻回部452では、第2導線432が複数回、等間隔で巻回されている。当該等間隔は、一部または全部において、ほぼ等間隔であってもよい。
第2巻回部452の最後の部分の第2導線432は、第2巻回部452の巻回の方向から第3巻回部453の巻回の方向に変更されて、第3巻回部453の最初の部分の第3導線433と接続される。
【0095】
第3巻回部453では、第3導線433が複数回、等間隔で巻回されている。当該等間隔は、一部または全部において、ほぼ等間隔であってもよい。
【0096】
なお、多軸アンテナ401において、例えば、第1巻回部451、第2巻回部452および第3巻回部453のうちの1つ以上について、導体A1を巻回するためのガイドが設けられて、当該ガイドを用いて導体A1が巻回されてもよい。また、第1巻回部451、第2巻回部452および第3巻回部453のそれぞれの一部について、このようなガイドが設けられてもよい。
【0097】
ここで、第1巻回部451の第1巻回軸の軸方向と、第2巻回部452の第2巻回軸の軸方向は、交差する異なる2方向である。本実施形態では、これら2方向は、互いに直交する。また、これら2方向は、重力方向と直交する方向である。なお、直交の代わりに、ほぼ直交が用いられてもよい。
また、第3巻回部453の第3巻回軸の軸方向は、第1巻回部451の第1巻回軸の軸方向および第2巻回部452の第2巻回軸の軸方向と交差する異なる方向である。また、第3巻回部453の第3巻回軸の軸方向は、重力方向と平行な方向である。本実施形態では、これら3つの方向は、互いに直交する。すなわち、第3巻回部453の第3巻回軸の軸方向は、第1巻回部451の第1巻回軸の軸方向および第2巻回部452の第2巻回軸の軸方向に対して垂直である。なお、直交(または、垂直)の代わりに、ほぼ直交(または、ほぼ垂直)が用いられてもよい。
このように、第1巻回部451の第1巻回軸の軸方向と、第2巻回部452の第2巻回軸の軸方向と、第3巻回部453の第3巻回軸の軸方向と、は、交差する異なる3方向であって、互いに交差している。
【0098】
なお、本実施形態では、第1巻回部451の第1巻回軸の軸方向と、第2巻回部452の第2巻回軸の軸方向と、第3巻回部453の第3巻回軸の軸方向と、は、互いに交差する構成を示すが、他の構成例として、これら3つの軸方向のうちの任意の1つの軸方向が他の2つの軸方向と交差しない構成が用いられてもよく、あるいは、これら3つの軸方向のすべてが互いに交差しない構成が用いられてもよい。ここで、本実施形態では、一の巻回部の巻回軸の軸方向と他の巻回部の巻回軸の軸方向とが交差しないとは、当該一の巻回部の中心と当該他の巻回部の中心とがずれていることを意味する。
【0099】
導体A1の巻き方の一例として、導体A1を、1番目の方向に5回巻いて、その後、90度で方向を変えて、2番目の方向に5回巻いて、その後、90度で方向を変えて、3番目の方向に5回巻く、といった巻き方がある。これらの巻き数は、それぞれ、他の数であってもよい。
導体A1の巻き方の他の例として、導体A1を、1番目の方向に3本巻いて、その後、方向を変えて、2番目および3番目の方向に巻いた後に、1番目の方向に2本巻く、といった巻き方がある。これらの巻き数は、それぞれ、他の数であってもよい。
【0100】
なお、第1巻回部451、第2巻回部452および第3巻回部453のそれぞれでは、導体A1が同じ位置に重ねて巻かれる回数は任意であってもよく、例えば、一重巻きの部分があってもよく、二重巻きの部分があってもよく、あるいは、三重以上の多重巻きの部分があってもよい。
【0101】
第1巻回部451の第1導線431と第3巻回部453の第3導線433とは、互いに重なり合う部分(第1部分)を有する。そして、当該部分は、多軸アンテナ401の中心から外側に向かって、第1巻回部451の第1導線431、第3巻回部453の第3導線433の順に配置されている。
第1巻回部451の第1導線431が、第3巻回部453の第3導線433よりも内部に配置されることで、第1巻回部451の第1導線431によるアンテナの特性の方が、第3巻回部453の第3導線433によるアンテナの特性よりも、高くなる。このように、本実施形態では、第1巻回部451によるアンテナの特性は、第3巻回部453によるアンテナの特性と比べて、優先されている。
なお、導体A1の全体的な巻き方などに応じて、このような配置は、例えば、第1巻回部451および第3巻回部453の全体のうちの一部(例えば、大部分)に適用されて、他の部分が異なるような構成が用いられてもよい。
【0102】
ここで、通常、磁性コアと導体A1との間に空隙が生じると、当該空隙が無いまたはより小さい場合と比べて、当該空隙が生じた導体A1の部分から構成される巻回部のアンテナ感度が小さくなる。このため、優先すべき巻回部と磁性コアとの間にはできるだけ空隙が生じないように磁性コアの内側に寄った位置に巻回される方が好ましく、例えば、優先すべき巻回部の内側には他の導体が無い(または、あっても少ない)方が好ましい。
【0103】
第2巻回部452の第2導線432と第3巻回部453の第3導線433とは、互いに重なり合う部分(第2部分)を有する。そして、当該部分は、多軸アンテナ401の中心から外側に向かって、第2巻回部452の第2導線432、第3巻回部453の第3導線433の順に配置されている。
第2巻回部452の第2導線432が、第3巻回部453の第3導線433よりも内部に配置されることで、第2巻回部452の第2導線432によるアンテナの特性の方が、第3巻回部453の第3導線433によるアンテナの特性よりも、高くなる。このように、本実施形態では、第2巻回部452によるアンテナの特性は、第3巻回部453によるアンテナの特性と比べて、優先されている。
なお、導体A1の全体的な巻き方などに応じて、このような配置は、例えば、第2巻回部452および第3巻回部453の全体のうちの一部(例えば、大部分)に適用されて、他の部分が異なるような構成が用いられてもよい。
【0104】
第1巻回部451の第1導線431と第2巻回部452の第2導線432とは、互いに重なり合う部分(第3部分)を有する。そして、当該部分は、多軸アンテナ401の中心から外側に向かって、第1巻回部451の第1導線431、第2巻回部452の第2導線432の順に配置されている。
第1巻回部451の第1導線431が、第2巻回部452の第2導線432よりも内部に配置されることで、第1巻回部451の第1導線431によるアンテナの特性の方が、第2巻回部452の第2導線432によるアンテナの特性よりも、高くなる。このように、本実施形態では、第1巻回部451によるアンテナの特性は、第2巻回部452によるアンテナの特性と比べて、優先されている。
なお、導体A1の全体的な巻き方などに応じて、このような配置は、例えば、第1巻回部451および第2巻回部452の全体のうちの一部(例えば、大部分)に適用されて、他の部分が異なるような構成が用いられてもよい。
【0105】
ここで、
図4の例では、コア部M1の6つの面のうち3つの面に設けられた導体A1の外観を示してあるが、他の3つの面の外観についても、概略的には同様である。
【0106】
図5は、一実施形態(第1実施形態)に係る多軸アンテナ401における折り曲げ部471の概略的な構成を示す図である。
図5には、説明の便宜上、
図4と同じXYZ座標軸を、異なる向きで示してある。
【0107】
図5の例では、第1巻回部451の最後の部分の第1導線431と、第2巻回部452の最初の部分の第2導線432とが接続されている部分における折り曲げ部471を示してある。
ここで、
図5の例では、図示を簡易にするために、第3巻回部453については図示を省略してある。
なお、第2巻回部452の最後の部分の第2導線432と、第3巻回部453の最初の部分の第3導線433とが接続されている部分における折り曲げ部についても、例えば、XYZ座標軸の方向は異なるが、
図5に示される折り曲げ部471と同様な折り曲げが行われている。
【0108】
折り曲げ部471では、第1導線431がX軸に平行な軸を中心として巻回されている方向から、第2導線432がY軸に平行な軸を中心として巻回されるように、第1導線431が折り曲げられている。
図5の例では、第1導線431が、Y軸の負方向へ巻かれた後に、Y軸の正方向に少し戻されるように巻かれ、その後、X軸の正方向に巻かれることで、第2導線432の巻回方向にされている。つまり、第1導線431の巻回方向が90度変更されることで、第2導線432の巻回方向とされている。なお、当該90度は、ほぼ90度であってもよい。
【0109】
このように、
図5の例では、導体A1が、1番目の方向で巻かれて、少し行き過ぎたところから、少し戻され、その後、90度で方向が変えられて、2番目の方向に巻かれている。これにより、導体A1が2番目の方向で巻かれるときに、1番目の巻回部分を、コア部M1の外部から内部に向かって被せて押さえる構成となっている。
【0110】
このような構成により、折り曲げ部471では、第1導線431の巻回方向から第2導線432の巻回方向へ変更される箇所で、第2導線432の最初の部分が第1導線431の最後の部分をコア部M1の外部から内部へ押さえ付ける。これにより、多軸アンテナ401では、導体A1の形状の維持を確実にすることができる。
【0111】
ここで、
図5に示される折り曲げ部471は一例であり、
図5の例に限られず、導体A1を第1導線431の巻回方向から第2導線432の巻回方向へ変更して巻回する任意の態様が用いられてもよい。
【0112】
以上のように、本実施形態に係る多軸アンテナ401では、互いに交差する複数の巻回軸の巻回部(第1巻回部451、第2巻回部452および第3巻回部453)を有しており、これら複数の巻回部の全体として、ゼロ点の影響を低減し(好ましくは、ゼロ点をなくし)、アンテナの特性を良好にすることができる。
【0113】
<位置検知システムにおけるアンテナへの多軸アンテナの適用>
多軸アンテナ401は、例えば、送信アンテナとして使用されてもよく、あるいは、受信アンテナとして使用されてもよい。
また、多軸アンテナ401は、例えば、LF帯のアンテナとして構成される。
【0114】
多軸アンテナ401が送信アンテナとして使用される場合、多軸アンテナ401の導体A1の始点411と終点412には、交流電源が接続されている。つまり、交流電源から供給される電力によって、導体A1の始点411から終点412へ電流が流される。これにより、多軸アンテナ401から磁界が発生し、当該磁界によって、受信アンテナへ当該磁界を与えることができる。当該磁界により行われる通信は、例えば、単一の周波数を用いた通信であってもよく、あるいは、複数の周波数(連続した周波数帯または離散的な周波数)を用いた通信であってもよい。
【0115】
多軸アンテナ401が受信アンテナとして使用される場合、送信アンテナから発生した磁界によって、多軸アンテナ401の導体A1の始点411と終点412との間に、電流が流れる。当該磁界により行われる通信は、例えば、単一の周波数を用いた通信であってもよく、あるいは、複数の周波数(連続した周波数帯または離散的な周波数)を用いた通信であってもよい。
【0116】
具体的には、
図2の例では、送信アンテナ51および4つの受信アンテナ31〜34のすべてのアンテナとして、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが用いられている。
なお、他の構成例として、
図2の例において、送信アンテナ51および4つの受信アンテナ31〜34のうちの1つ以上の一部のアンテナとして、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが用いられてもよい。例えば、4つの受信アンテナ31〜34のすべてについて、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが用いられてもよい。
【0117】
また、具体的には、
図3の例では、2つの送信アンテナ201、202および4つの受信アンテナ31〜34のすべてのアンテナとして、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが用いられている。
なお、他の構成例として、
図3の例において、2つの送信アンテナ201、202および4つの受信アンテナ31〜34のうちの1つ以上の一部のアンテナとして、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが用いられてもよい。例えば、2つの送信アンテナ201、202のすべてについて、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが用いられてもよい。また、例えば、2つの送信アンテナ201、202のすべてについて、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが用いられてもよい。
【0118】
このように、位置検知システムに複数のアンテナが備えられる場合、例えば、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが適用されるアンテナの数が多い方が好ましく、一例として、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナがすべてのアンテナに適用される構成が好ましい。
なお、位置検知システムに複数のアンテナが備えられる場合、例えば、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが適用されないアンテナについては、バーアンテナなどの任意のアンテナが用いられてもよい。
【0119】
また、
図2あるいは
図3に示されるアンテナとして、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが用いられる場合、本実施形態のように、
図4に示されるXYZ座標軸と、
図2あるいは
図3に示されるXYZ座標軸とが揃えられる配置が好ましい。
すなわち、車両(本実施形態では、電気自動車EV)の進行方向に平行な方向(Y軸に平行な方向)に対して垂直であり且つ重力方向(Z軸に平行な方向)ではない方向(X軸に平行な方向)の軸(第1巻回軸)を中心として巻回された第1巻回部451が、最も優先されており、送信アンテナと受信アンテナとのワイヤレス通信を効率化する。
また、本実施形態では、第1巻回軸以外の軸であって、重力方向(Z軸に平行な方向)ではない方向(Y軸に平行な方向)の軸(第2巻回軸)を中心として巻回された第2巻回部452が、2番目に優先されている。
【0120】
本実施形態では、送信アンテナまたは受信アンテナとして用いられる多軸アンテナの配置の態様として、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナの巻回部の巻回軸の軸方向が、車両の進行方向に対して直交し且つ重力方向に対して直交する第1巻回部451が最も優先されている。
ここで、本実施形態において第1巻回部451が最も優先されている理由を説明する。すなわち、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1の位置検知システムでは、電気自動車EVからなる車両の幅方向の位置検知が必要となる距離と比べて、当該車両の進行方向の位置検知が必要となる距離が長いため、当該車両の進行方向における電波の強度が確保されることが望ましい。このため、当該位置検知システムでは、巻回部の巻回軸の軸方向が車両の進行方向に対して直交し且つ重力方向に対して直交する第1巻回部451を優先する構成により、当該車両の進行方向に伝搬する電波を強く確保することができ、当該構成が有効である。このことは、例えば、本実施形態に係る電気自動車EV以外の他の車両のワイヤレス電力伝送システムの位置検知システムにおいても同様である。
【0121】
なお、位置検知システムに複数のアンテナが備えられて、これら複数のアンテナのうちの2つ以上のアンテナとして多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナが用いられる場合、これら2つ以上のアンテナについて多軸アンテナの巻き方向が同じになるように配置される構成が好ましい一例である。
このように、位置検知システムの送信側または受信側において、複数の多軸アンテナが備えられる場合には、これら複数の多軸アンテナの配置の方向が一致する構成が好ましい。ただし、これら複数の多軸アンテナのうちの一部の配置が他の配置と異なる場合においても、位置検知システムでは、例えば、それぞれの多軸アンテナの配置の仕方に応じた情報(例えば、演算式など)が設定されることで、位置の検知(例えば、演算式を用いた位置の計算など)が可能である。
【0122】
また、位置検知システムにおいて位置の検知が行われるときに、多軸アンテナの巻き方向に関して基準となる巻き方向が定められている場合には、基準となる巻き方向と同じ巻き方向となるように、多軸アンテナが配置される。つまり、位置検知システムに配置された多軸アンテナによる検知結果と、基準となる巻き方向の多軸アンテナによる検知結果との比較によって、位置の検知が行われる場合には、多軸アンテナの巻き方向と基準となる巻き方向とが一致することが好ましい。
【0123】
なお、本実施形態に係る多軸アンテナ401の構成では、概略的には、第1巻回部451と、第2巻回部452と、第3巻回部453は、対称的な構成であるため、送信アンテナあるいは受信アンテナに適用される場合に、
図4の例に対して対称的な配置が用いられてもよい。
【0124】
また、位置検知システムに複数のアンテナが備えられて、これら複数のアンテナのうちの2つ以上のアンテナとして多軸アンテナが用いられる場合、これら2つ以上のアンテナについて同じ構成を有する多軸アンテナが用いられることが好ましいが、他の構成例として、異なる構成を有する多軸アンテナが含まれてもよい。
【0125】
具体例として、ワイヤレス電力伝送システム1では、送信アンテナを複数備える。そして、複数の送信アンテナは、ワイヤレス送電装置10の送電コイルL1とワイヤレス受電装置20の受電コイルL2とのうちで送信アンテナが備えられる一方のコイルの面(コイル面)と平行な面内において、互いに離間して配置されている。また、これら複数の送信アンテナは、多軸アンテナ(本実施形態では、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナ)であって、導線の巻回方向が互いに同じである。
ここで、本実施形態では、導体が巻回されて構成されるコイルのコイル面とは、当該コイルの巻回軸の軸方向の両端のそれぞれにおいて当該導線と開口部により定まる仮想的な面である。当該開口部は、当該導線によって囲まれる内側の部分を表し、また、当該コイルの巻回軸の軸方向の両端は、当該軸方向において当該導線が存在する2つの端を表す。なお、現実のコイルでは巻回される導体の配置が理想的な配置からずれる可能性があり、その場合、当該コイルのコイル面についても、適宜、理想的な面からずれた面として捉えられてもよい。
【0126】
具体例として、ワイヤレス電力伝送システム1では、受信アンテナを複数備える。そして、複数の受信アンテナは、ワイヤレス送電装置10の送電コイルL1とワイヤレス受電装置20の受電コイルL2とのうちで受信アンテナが備えられる一方のコイルの面(コイル面)と平行な面内において、互いに離間して配置されている。また、これら複数の受信アンテナは、多軸アンテナ(本実施形態では、多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナ)であって、導線の巻回方向が互いに同じである。
【0127】
以上のように、本実施形態に係る多軸アンテナ401では、コア部M1に複数の異なる軸に対して導体A1が巻回されており、全体として、無指向に近いアンテナとなっている。そして、本実施形態に係る多軸アンテナ401では、送信側のアンテナと受信側のアンテナとを用いて位置検知を行う場合に、これら複数のアンテナのうちの1つ以上に適用される。
したがって、本実施形態に係る多軸アンテナ401では、送信側のアンテナと受信側のアンテナとを用いて位置検知を行う場合に、高精度に位置検知することができる。
【0128】
例えば、本実施形態に係る多軸アンテナ401では、単軸のアンテナと比べて、ゼロ点の影響を緩和することが可能であり、スイッチにより複数のアンテナを切り替えるような構成が用いられなくても、位置検知の精度を良好にすることができる。
本実施形態に係る多軸アンテナ401では、例えば、コア部M1に複数の異なる軸に対して導体A1が巻回される構成であり、全体的なアンテナの体積を小さく抑制することが可能である。
【0129】
本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1における位置検知システムでは、ワイヤレス送電装置10の送電コイルL1からワイヤレス受電装置20の受電コイルL2に電力をワイヤレスで伝送する際に、送信アンテナと受信アンテナとの一方または両方として1つ以上の多軸アンテナ(多軸アンテナ401と同様な多軸アンテナ)を用いて、送電側と受電側との相対的な位置の検知を行う。
したがって、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1における位置検知システムでは、送信側のアンテナと受信側のアンテナとを用いて位置検知を行う場合に、多軸アンテナを利用することで、送信側のアンテナによる送信強度の低下あるいは受信側のアンテナによる受信強度の低下を抑制することができる。
【0130】
ここで、本実施形態では、ワイヤレス送電装置10に受信アンテナが備えられ、ワイヤレス受電装置20に送信アンテナが備えられる構成を示したが、他の構成例として、ワイヤレス送電装置10に送信アンテナが備えられ、ワイヤレス受電装置20に受信アンテナが備えられてもよい。また、他の構成例として、これら両方の構成が適用されたワイヤレス送電装置およびワイヤレス受電装置が実施されてもよい。
位置検知システムにおいて、送信アンテナは、1つ備えられてもよく、あるいは、2つ以上備えられてもよい。
位置検知システムにおいて、受信アンテナは、1つ備えられてもよく、あるいは、2つ以上備えられてもよい。
【0131】
<変形例>
図6は、一実施形態(第1実施形態)の変形例に係る多軸アンテナ501の概略的な構成を示す図である。
図6には、説明の便宜上、
図4に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
【0132】
図6には、多軸アンテナ501を構成するコア部M2および導体A2を示してある。
導体A2は、第1導線531が巻回された第1巻回部551、第2導線532が巻回された第2巻回部552、および、第3導線533が巻回された第3巻回部553から構成されている。
また、導体A1は、始点511から終点512まで巻かれている。
【0133】
ここで、変形例に係る多軸アンテナ501の構成は、
図4に示される多軸アンテナ401の構成と比べて、始点511と終点512がコア部M2の同じ面に配置されるように導体A2が巻回されている点が異なっており、他の点については同様である。
すなわち、変形例に係る多軸アンテナ501では、始点511から、第1巻回部551、第2巻回部552、第3巻回部553の順に導体A2が巻かれていくが、最後に、再び、第1巻回部551に導体A2が巻かれて、終点512に到達する。
【0134】
このように、多軸アンテナ501では、導体A2が、1番目の方向から巻き始められて、巻き始めの開始の先端と、巻き終わりの終了の先端とが、同じ面に配置される構成とされてもよい。
変形例に係る多軸アンテナ501は、例えば、導体A2の始点511と終点512の接続先(例えば、送信側の線、または、受信側の線)が同一の面などのように近いところに設けられているような場合に特に有効である。
【0135】
(第2実施形態)
図7は、一実施形態(第2実施形態)に係る多軸アンテナ601の概略的な構成を示す図である。
図7には、説明の便宜上、
図4に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
【0136】
図7には、多軸アンテナ601を構成するコア部M3および導体A3を示してある。
導体A3は、第1導線631が巻回された第1巻回部651と、第2導線632が巻回された第2巻回部652と、から構成されている。
また、導体A3は、始点611から終点612まで巻かれている。
【0137】
ここで、多軸アンテナ601の構成は、
図4に示される多軸アンテナ401の構成と比べて、優先度が最も低い第3巻回部(
図4の例では、第3巻回部453)を備えていない点で異なっており、他の点については同様である。
【0138】
以上のように、本実施形態に係る多軸アンテナ601では、互いに交差する複数の巻回軸の巻回部(第1巻回部651および第2巻回部652)を有しており、これら複数の巻回部の全体として、ゼロ点の影響を低減し(好ましくは、ゼロ点をなくし)、アンテナの特性を良好にすることができる。
【0139】
(第3実施形態)
図8は、一実施形態(第3実施形態)に係る多軸アンテナ701の概略的な構成を示す図である。
図8には、説明の便宜上、
図4に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
【0140】
図8には、多軸アンテナ701を構成するコア部M11および導体A11を示してある。
導体A11は、第1導線731が巻回された第1巻回部751と、第2導線732が巻回された第2巻回部752と、第3導線733が巻回された第3巻回部753と、から構成されている。
また、導体A11は、始点711から終点712まで巻かれている。
【0141】
ここで、多軸アンテナ701の構成は、
図4に示される多軸アンテナ401の構成と比べて、コア部M11の形状が異なり、導体A11が巻回された形状が異なっており、他の点については同様である。
コア部M11は、円柱の形状を有している。
図8の例では、コア部M11の2つの円状の面はXY平面に平行な面であり、円柱の高さ方向はZ軸に平行な方向となっている。
【0142】
第1巻回部751は、2つの円状の面と、円柱の側面にわたって、巻回されている。
第2巻回部752は、2つの円状の面と、円柱の側面にわたって、巻回されている。
第3巻回部753は、円柱の側面の周方向に、巻回されている。
ここで、第1巻回部751はほぼ矩形状に巻回されており、第2巻回部752はほぼ矩形状に巻回されており、第3巻回部753は円状に巻回されている。
【0143】
以上のように、本実施形態に係る多軸アンテナ701では、互いに交差する複数の巻回軸の巻回部(第1巻回部751、第2巻回部752および第3巻回部753)を有しており、これら複数の巻回部の全体として、ゼロ点の影響を低減し(好ましくは、ゼロ点をなくし)、アンテナの特性を良好にすることができる。
【0144】
(第4実施形態)
図9は、一実施形態(第4実施形態)に係る多軸アンテナ801の概略的な構成を示す図である。
図9には、説明の便宜上、
図8に示されるのと同じXYZ座標軸を示してある。
【0145】
図9には、多軸アンテナ801を構成するコア部M12および導体A12を示してある。
導体A12は、第1導線831が巻回された第1巻回部851と、第2導線832が巻回された第2巻回部852と、から構成されている。
また、導体A12は、始点811から終点812まで巻かれている。
【0146】
ここで、多軸アンテナ801の構成は、
図8に示される多軸アンテナ701の構成と比べて、最も優先度が低い第3巻回部(
図8の例では、第3巻回部753)を備えていない点で異なっており、他の点について同様である。
【0147】
以上のように、本実施形態に係る多軸アンテナ801では、互いに交差する複数の巻回軸の巻回部(第1巻回部851および第2巻回部852)を有しており、これら複数の巻回部の全体として、ゼロ点の影響を低減し(好ましくは、ゼロ点をなくし)、アンテナの特性を良好にすることができる。
【0148】
(以上の実施形態について)
以上の実施形態では、多軸アンテナのコア部の形状(例えば、磁性コアあるいはボビンなどの形状)として、立方体の形状、および、円柱の形状が用いられる場合を示したが、他の形状が用いられてもよい。例えば、多軸アンテナのコア部の形状として、立方体以外の直方体の形状、他の多面体の形状、あるいは、球体の形状などが用いられてもよい。
【0149】
<構成例>
一構成例として、ワイヤレス送電装置(
図1の例では、ワイヤレス送電装置10)の送電コイル(
図1の例では、送電コイルL1)からワイヤレス受電装置(
図1の例では、ワイヤレス受電装置20)の受電コイル(
図1の例では、受電コイルL2)に電力をワイヤレスで伝送するワイヤレス電力伝送システム(
図1の例では、ワイヤレス電力伝送システム1)の位置検知システムであって、次のような構成とする。
位置検知システムは、ワイヤレス送電装置とワイヤレス受電装置との一方に備える電波を発信する少なくとも1つの送信アンテナ(
図1〜
図2の例では、送信アンテナ51であり、
図3の例では、送信アンテナ201〜202)と、ワイヤレス送電装置とワイヤレス受電装置との他方に備える電波を受信する少なくとも1つの受信アンテナ(
図1〜
図3の例では、受信アンテナ31〜34)と、受信アンテナによって受信される電波の強度を検知する電波検知部(
図1の例では、電波検知部41)と、電波検知部によって検知された強度に基づいて、送電コイルと受電コイルとの相対位置を検知する位置検知部(
図1の例では、位置検知部42)と、を備える。
送信アンテナおよび受信アンテナの少なくとも一方は、第1導線(
図4〜
図9の例では、第1導線431、531、631、731、831)が巻回されて構成される第1巻回部(
図4〜
図9の例では、第1巻回部451、551、651、751、851)と、第2導線(
図4〜
図9の例では、第2導線432、532、632、732、832)が巻回されて構成される第2巻回部(
図4〜
図9の例では、第2巻回部452、552、652、752、852)と、を有する多軸アンテナ(
図4〜
図9の例では、多軸アンテナ401、501、601、701、801)である。
第1巻回部の第1巻回軸の軸方向と第2巻回部の第2巻回軸の軸方向は、互いに異なる2方向である。
第1巻回部と第2巻回部は、互いに電気的に接続されている。
【0150】
一構成例として、位置検知システムにおいて、多軸アンテナは、磁性コア(
図4〜
図9の例では、コア部M1〜M3、M11〜M12の構成要素)を有する。第1巻回部の第1導線、および、第2巻回部の第2導線は、磁性コアの周囲に巻回されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、磁性コアの外表面を覆う絶縁部材(
図4〜
図9の例では、コア部M1〜M3、M11〜M12の構成要素)をさらに備える。第1巻回部および第2巻回部は、絶縁部材を介して磁性コアに巻回されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、磁性コアは、複数の磁性体から構成されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、第1巻回部の第1巻回軸の軸方向と第2巻回部の第2巻回軸の軸方向は、重力方向と直交する方向である。
【0151】
一構成例として、位置検知システムにおいて、次のような構成とする。
多軸アンテナは、第3導線(
図4〜
図9の例では、第3導線433、533、733)が巻回されて構成される第3巻回部(
図4〜
図9の例では、第3巻回部453、553、753)をさらに備える。
第1巻回部の第1巻回軸の軸方向と、第2巻回部の第2巻回軸の軸方向と、第3巻回部の第3巻回軸の軸方向と、は、互いに異なる3方向である。
第1巻回部と第2巻回部と第3巻回部は、互いに電気的に接続されている。
【0152】
一構成例として、位置検知システムにおいて、第1巻回部の第1導線と第3巻回部の第3導線とは、互いに重なり合う第1部分を有する。第2巻回部の第2導線と第3巻回部の第3導線とは、互いに重なり合う第2部分を有する。第1部分は、多軸アンテナの中心から外側に向かって、第1巻回部の第1導線、第3巻回部の第3導線の順に配置されている。第2部分は、多軸アンテナの中心から外側に向かって、第2巻回部の第2導線、第3巻回部の第3導線の順に配置されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、多軸アンテナは、磁性コアを有し、第1巻回部の第1導線、第2巻回部の第2導線、および、第3巻回部の第3導線は、磁性コアの周囲に巻回されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、磁性コアの外表面を覆う絶縁部材をさらに備え、第1巻回部、第2巻回部および第3巻回部は、絶縁部材を介して磁性コアに巻回されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、第1巻回部と第2巻回部と第3巻回部を有する多軸アンテナで、磁性コアは、複数の磁性体から構成されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、複数の磁性体は、重力方向に向かって積層されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、第1巻回部の第1巻回軸の軸方向と第2巻回部の第2巻回軸の軸方向は、重力方向と直交する方向であって、第3巻回部の第3巻回軸の軸方向は、重力方向と平行である。
【0153】
一構成例として、位置検知システムにおいて、第3巻回部の第3巻回軸の軸方向は、重力方向と平行である。
一構成例として、位置検知システムにおいて、第1巻回部の第1巻回軸の軸方向と第2巻回部の第2巻回軸の軸方向は、重力方向と直交する方向である。
【0154】
一構成例として、位置検知システムにおいて、次のような構成とする。
位置検知システムは、送信アンテナを複数備える。複数の送信アンテナは、ワイヤレス送電装置の送電コイルとワイヤレス受電装置の受電コイルとのうちで送信アンテナが備えられる一方のコイルの面と平行な面内において、互いに離間して配置されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、複数の送信アンテナは、多軸アンテナであって、導線の巻回方向が互いに同じである。
【0155】
一構成例として、位置検知システムにおいて、次のような構成とする。
位置検知システムは、受信アンテナを複数備える。複数の受信アンテナは、ワイヤレス送電装置の送電コイルとワイヤレス受電装置の受電コイルとのうちで受信アンテナが備えられる一方のコイルの面と平行な面内において、互いに離間して配置されている。
一構成例として、位置検知システムにおいて、複数の受信アンテナは、多軸アンテナであって、導線の巻回方向が互いに同じである。
【0156】
一構成例として、位置検知システムにおいて、送信アンテナは、送信パルス数または送信パルス幅を制御して、ワイヤレス送電装置またはワイヤレス受電装置の固有情報を送信する。
【0157】
一構成例として、以上のような位置検知システムを備える、ワイヤレス電力伝送システムである。
【0158】
なお、以上に説明したワイヤレス送電装置10またはワイヤレス受電装置20などの任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)−ROM(Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)であってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0159】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0160】
また、以上に説明したワイヤレス送電装置10またはワイヤレス受電装置20などの任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0161】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0162】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。