特開2021-19987(P2021-19987A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-19987マットレスカバー、並びに、マットレス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-19987(P2021-19987A)
(43)【公開日】2021年2月18日
(54)【発明の名称】マットレスカバー、並びに、マットレス
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/02 20060101AFI20210122BHJP
【FI】
   A47G9/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-139578(P2019-139578)
(22)【出願日】2019年7月30日
(71)【出願人】
【識別番号】501052476
【氏名又は名称】株式会社ライフジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】増本 龍男
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA19
(57)【要約】
【課題】マットレスの表裏のいずれが上面になっても、容易に枕の位置を上面側に変更することができるマットレスカバーを提供すること、及び、このようなマットレスカバーを有するマットレスを提供することである。
【解決手段】枕23を収容する枕収容部24を有し、枕収容部24は連結部25を有し、連結部25は、屈曲又は湾曲が可能であり、枕収容部24は、連結部25を介して、マットレスカバー22におけるマットレス1のいずれかの一辺を被覆する部位と接続されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットレスの表面及び裏面の一部又は全部を同様に被覆するマットレスカバーであって、
枕を収容する枕収容部を有し、
前記枕収容部は連結部を有し、
前記連結部は、屈曲又は湾曲が可能であり、
前記枕収容部は、前記連結部を介して、前記マットレスカバーにおけるマットレスのいずれかの一辺を被覆する部位と接続されていることを特徴とするマットレスカバー。
【請求項2】
前記枕収容部は矩形状であって、矩形の一辺に枕を出し入れする開口を有し、
前記開口の縁の一部又は全部が、前記連結部を介してマットレスカバーに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマットレスカバー。
【請求項3】
前記連結部は紐状であり、複数の前記紐状の連結部を介して枕収容部の複数箇所がマットレスカバーと接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマットレスカバー。
【請求項4】
前記連結部は、枕収容部側とマットレスカバー側に分離可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマットレスカバー。
【請求項5】
硬さが相違する表裏二面を有するマットレスであって、請求項1乃至4のいずれかに記載のマットレスカバーを有することを特徴とするマットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスの特定の位置に枕を配置できるマットレスカバーに関するものである。また、本発明は、このようなマットレスカバーを有するマットレスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
弾力性を有するマットレスを使用すると、使用者は快適に就寝することができる。使用者が就寝する際には、枕が使用されることが多い。マットレス上に枕をそのまま配置すると、就寝者が寝返りしたり、マットレスを載置したベッドが起立することによって、枕がマットレスから落下したり、位置がずれることがある。
そこで、従来、枕の位置がずれないようにするための構成が提案されている。例えば、特許文献1には枕の位置を固定することができる部材が装着された「起倒ベッドの落下防止カバー」の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−29342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された落下防止カバーには、枕ホルダと称する紐状の取付具が設けられている。この枕ホルダは、一端(固定端)が落下防止カバーの特定の位置に固定されており、自由端側にはループが構成されている。そして、枕は、枕ホルダのループ部分に装着される。この状態でベッド(マットレス)が起立すると、固定端である一端が上になり、自由端側のループ(枕)が下になり、枕はループを介して枕ホルダの固定端で支持され、ベッドから落下することが防止される。すなわち、ベッドが起立すると、枕は枕ホルダで吊されたような状態になってベッド上に保持される。
【0005】
また、落下防止カバーには、折込部が設けられており、折込部を折り込むことによって、落下防止カバーがマットレスの上面側から側面を経て下面側に回り込んで略コの字形を呈するようにマットレスを覆う。そして、落下防止カバーにおけるマットレスの上面側を覆う部位と下面側に回り込んだ部位とを連結具で連結することにより、落下防止カバーがマットレスに固定されている。
【0006】
ところで、表面側と裏面側とで使用感が相違するマットレスが存在する。そして、このようなマットレスは、就寝者の好みに応じて表面と裏面のいずれでも使用することができる。例えば、表面側が比較的硬く、裏面側が比較的柔らかいマットレスでは、硬いマットレスを好む就寝者は表面側を上面にして使用し、柔らかいマットレスを好む就寝者は裏面側を上面にして使用する。このように、マットレスには、就寝者の好みに応じて、表裏のいずれかを選択して使用することができるものが存在する。
【0007】
このような表裏で使用感が相違するマットレスに対して、特許文献1に開示されているような落下防止カバーを一旦取り付けると、マットレスを裏返して使用することができない。すなわち、表面側が上面となった状態でマットレスに枕ホルダが配置された場合には、マットレスを裏返すと枕ホルダが下面側へ移動してしまい、就寝者は枕を使用することができなくなる。また、マットレスの下面側の枕ホルダを、上面側に配置するためには、マットレスに取り付けられた落下防止カバーを一度マットレスから取外し、落下防止カバーの上下を入れ替え、再度マットレスに取り付けなければならない。すなわち、落下防止カバーをマットレスから取外し、再度マットレスに取り付けるという煩雑な操作が必要である。
【0008】
そこで本発明は、マットレスの表裏のいずれが上面になっても、容易に枕の位置を上面側に変更することができるマットレスカバーを提供することを目的としている。また、本発明は、このようなマットレスカバーを有するマットレスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、マットレスの表面及び裏面の一部又は全部を同様に被覆するマットレスカバーであって、枕を収容する枕収容部を有し、前記枕収容部は連結部を有し、前記連結部は、屈曲又は湾曲が可能であり、前記枕収容部は、前記連結部を介して、前記マットレスカバーにおけるマットレスのいずれかの一辺を被覆する部位と接続されていることを特徴とするマットレスカバーである。
【0010】
請求項1に記載の発明では、枕を収容する枕収容部を有し、枕収容部は連結部を有し、連結部は、屈曲又は湾曲が可能であり、枕収容部は、連結部を介して、マットレスカバーにおけるマットレスのいずれかの一辺を被覆する部位と接続されているので、マットレスの表面と裏面のいずれの面を上側にしても、連結部が屈曲又は湾曲してマットレスカバー(マットレス)の上面に枕収容部を配置することができる。
すなわち、枕収容部が、マットレスカバーへの取り付け部位を基点に屈曲又は湾曲してマットレスカバー(マットレス)の上面に移動することができる。具体的には、マットレスカバーを装着したマットレスを裏返す際に、連結部を逆方向に屈曲又は湾曲させて枕収容部をマットレスカバー(マットレス)の上面に配置することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記枕収容部は矩形状であって、矩形の一辺に枕を出し入れする開口を有し、前記開口の縁の一部又は全部が、前記連結部を介してマットレスカバーに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマットレスカバーである。
【0012】
請求項2に記載の発明では、枕収容部は矩形状であって、矩形の一辺に枕を出し入れする開口を有し、開口の縁の一部又は全部が、マットレスカバーに接続されているので、枕収容部がマットレスの上面に配置されたとき、開口がマットレスの一辺側に配置される。よって、マットレスを配置したベッドを起立させると、マットレスカバーは開口が下側にはならず、枕収容部内の枕が落下する恐れがない。
【0013】
前記連結部を紐状とし、複数の前記紐状の連結部を介して枕収容部の複数箇所がマットレスカバーと接続されていてもよい(請求項3)。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記連結部は、枕収容部側とマットレスカバー側に分離可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマットレスカバーである。
【0015】
請求項4に記載の発明では、連結部は、枕収容部側とマットレスカバー側に分離可能であるので、枕収容部のみに洗濯やその他のメンテナンスを実施することができる。また、枕収容部を取り外した状態でマットレスを裏返すことができ、裏返った状態でマットレスカバーに枕収容部を再度取り付けることができ、作業性が良好である。
【0016】
請求項5に記載の発明は、硬さが相違する表裏二面を有するマットレスであって、請求項1乃至4のいずれかに記載のマットレスカバーを有することを特徴とするマットレスである。
【0017】
請求項5に記載の発明では、硬さが相違する表裏二面を有するマットレスのいずれの面を使用する場合においても、マットレスの上面を覆うマットレスカバー上に枕収容部を容易に配置することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のマットレスカバーによると、マットレスのいずれの面を上側にしても、容易にマットレスの上面側を覆うマットレスカバー上に枕収容部を配置することができる。また、本発明のマットレスによると、硬さが相違する表裏二面のいずれを使用する場合においても、マットレスの上面側を覆うマットレスカバー上に容易に枕収容部を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るマットレスカバーでマットレス全体が覆われた状態を示す斜視図である。
図2図1の枕収容部に枕を入れる途中の状態を示す部分拡大斜視図である。
図3図1において、枕収容部に枕を収容した状態を示すマットレスカバーで覆われたマットレスの斜視図である。
図4図3において、連結部を変形させて、枕収容部をマットレスの上面を覆うマットレスカバーから退避させた状態を示すマットレスの斜視図である。
図5】マットレスを、図1とは異なるマットレスカバーで覆った状態を示す斜視図である。
図6図5の部分拡大斜視図であり、枕収容部に枕を入れる途中の状態を示す。
図7図5において、枕収容部に枕を収容した状態を示すマットレスカバーで覆われたマットレスの斜視図である。
図8】連結部を変形させて、枕収容部をマットレスの上面を覆うマットレスカバーから退避させた状態を示すマットレスの斜視図である。
図9図1図5とは異なるマットレスカバーでマットレスの表裏の一部を覆った状態を示すマットレスの斜視図であり、(a)は、マットレスの表面を上面とした状態を示しており、(b)は、マットレスの裏面を上面とした状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1図4図9(a)を参照しながら第一実施形態のマットレスカバー2について説明する。図1に示すマットレスカバー2は、就寝者が心地良く感じる肌触りが良好な素材で構成されており、マットレス1の表面及び裏面の全体を同様に覆っており、マットレス1(図9(a))の全体を覆っている。そのため、図1ではマットレス1は完全にマットレスカバー2内に収容されていて、露出した部位がない。
【0021】
マットレスカバー2は、矩形の袋状の部材であり、マットレスカバー2の一対の長辺と一方の短辺には、ファスナー7が設けられている。すなわち、四辺のうちの三辺がファスナー7で開閉することができる。図1では、手前側に見える長辺(側辺2a)にファスナー7が設けられている状態が示されている。ファスナー7を開くと、マットレスカバー2の内外が連通し、マットレスカバー2内にマットレス1を収容することができる。
【0022】
図1図4に示すように、マットレスカバー2におけるファスナー7が設けられていない一辺(短辺2b)は、マットレス1(図9(a))の長手方向の一端を被覆する部位である。短辺2bには、紐状の連結部5a〜5cを介して袋状の枕収容部4が接続されている。
【0023】
枕収容部4は、就寝者が心地良く感じる肌触りが良好な素材で構成されている。枕収容部4は、平面視すると、一対の長辺と一対の短辺を有する矩形状を呈しており、その長辺の一辺には開口6が設けられている。開口6は図2に示すように、枕3を出し入れすることができる大きさを有する。
【0024】
枕収容部4の内部における、底部8(開口6から最も遠い部位)付近には、ストッパ4a、4bが設けられている。ストッパ4a、4bは、具体的には面ファスナーである。ストッパ4a、4bを閉じると、枕3がストッパ4a、4bを越えて枕収容部4の底部8側に移動することができない。また、ストッパ4a、4bを解放すると、枕3は底部8まで移動することができる。すなわち、ストッパ4a、4bによって、枕収容部4内における枕3の位置を設定することができる。ストッパ4a、4bは、マットレス1上における枕3の位置を設定する機能を有する。
【0025】
図1図2等に示すように、ストッパ4a、4bは、細長い面ファスナーであって、底部8側から開口6側へ延びるように配置されている。ストッパ4a、4bを結合する長さが長くなるほど、枕収容部4内への枕3の挿入深さが浅くなる。すなわち、ストッパ4a、4bの結合長さが長くなるほど、枕3は枕収容部4内における開口6側に配置され、結合長さが短くなるほど、枕3は枕収容部4内における底部8側に配置される。これにより、マットレス1における枕3の位置を調整することができる。
【0026】
枕収容部4の開口6の縁の複数箇所には、紐状の連結部5a〜5cの一端が、例えば縫い付けられて固定されている。すなわち、開口6の両端には連結部5a、5cが取り付けられており、開口6の中央部分には連結部5bが取り付けられている。
【0027】
連結部5a〜5cは、布等の柔らかい素材で形成されており、マットレス1(図9(a))の厚み寸法の半分程度、又は厚み寸法の半分以上の長さを有している。また、連結部5a〜5cは、屈曲又は湾曲等の変形が自在である。
【0028】
連結部5a〜5cの他端は、マットレスカバー2におけるマットレス1の長手方向の一端を覆う部位(短辺2b)の厚み方向の中央部分に、例えば縫い付けられて固定されている。すなわち、枕収容部4は、連結部5a〜5cを介してマットレスカバー2に取り付けられている。
【0029】
そして、連結部5a〜5cがマットレスカバー2(マットレス1)の形状に沿うように屈曲又は湾曲することにより、枕収容部4は、マットレスカバー2(マットレス1)の表面9側に移動したり、マットレスカバー2(マットレス1)の裏面10側に移動することができる。
【0030】
図3は、枕3を収容した枕収容部4が、マットレスカバー2の表面9上に配置されている状態を示しており、図4は、枕収容部4が、マットレスカバー2(マットレス1)の表面9と裏面10のいずれからも退避している状態を示している。仮に、図1に示す状態から、マットレス1(マットレスカバー2)を裏返すと、マットレスカバー2の裏面10が上向き状態となり、連結部5a〜5cを逆方向に屈曲させることにより、枕収容部4をマットレスカバー2の裏面10上に配置することができるようになる。
【0031】
すなわち、枕収容部4を備えたマットレスカバー2をマットレス1(図9(a))に装着すると、マットレスカバー2の表面9または裏面10のいずれを上向きにしても、連結部5a〜5cを屈曲又は湾曲させる向きを変えることによって、上向きとなった部位(表面9上又は裏面10上)に容易に枕収容部4を配置することができる。
【0032】
開口6は、マットレス1における上方(就寝者の頭部配置側)に設けられているため、仮にマットレス1をリクライニング可能なベッド上に配置し、ベッドを起立させても、枕収容部4から枕3が落下する恐れはない。
【0033】
次に、図5図8を参照しながら、本発明の第二実施形態のマットレスカバー12について説明する。図5に示すマットレスカバー12は、枕収容部14と連結部15の構造が図1に示すマットレスカバー2の枕収容部4と連結部5a〜5cの構造と相違しているが、マットレスカバー12のその他の構造は、マットレスカバー2と同様である。
【0034】
マットレスカバー12は、矩形の袋状の部材であり、図9(a)に示すマットレス1を収容できる大きさを有している。すなわち、マットレス1の表面及び裏面は、マットレスカバー12によって同様に覆われている。マットレスカバー12の一対の長辺と一方の短辺には、ファスナー17が設けられている。すなわち、四辺のうちの三辺がファスナー17で開閉することができる。図5では、三辺のうちの手前側に見える側辺12aにファスナー17が設けられている状態が示されている。
【0035】
マットレスカバー12におけるファスナー17が設けられていない残りの一辺(短辺12b)には、枕収容部14の連結部15が接続されている。
【0036】
枕収容部14は、一対の長辺と一対の短辺を有する矩形状を呈する袋状の部材である。矩形の短辺の一辺には、開口16が設けられている。すなわち、枕収容部14の外形は、枕収容部4の外形と同様の矩形であるが、開口16の位置が、枕収容部4の開口6の位置と相違している。また、枕収容部14内にはストッパ14a、14bが設けられている。ストッパ14a、14bも、図1に示すストッパ4a、4bと同様の細長い面ファスナーであり、マットレス1における枕13の位置を調整する機能を有する。
【0037】
枕収容部14の長辺の一辺は、連結部15を構成しており、マットレスカバー12における、マットレス1の長手方向の一端を覆う部位である短辺12bの厚み方向の中央部分に、例えば縫い付けられて固定されている。すなわち、枕収容部14は、連結部15を介してマットレスカバー12に取り付けられている。また、枕収容部14は、連結部15を中心に回動してマットレスカバー12の表面19側、又は裏面20側へ移動することができる。
【0038】
図5では、マットレスカバー12の上向きとなった表面19上に枕収容部14が配置されている状態が示されている。図6に示すように、この枕収容部14には、開口16を介して枕13を収容することができる。開口16は、マットレス1の側方に設けられているため、仮にマットレス1をリクライニング可能なベッド上に配置し、ベッドを起立させても、開口16は下向きにはならず、枕収容部14から枕13が落下する恐れはない。
【0039】
連結部15(枕収容部14)は、マットレスカバー12の短辺12bに縫い付けられており、枕収容部14は連結部15を中心に回動することができる。
【0040】
そして、枕収容部14における連結部15付近の部位が、マットレスカバー12(マットレス1)の形状(外形)に沿うように屈曲又は湾曲することにより、枕収容部14は、マットレスカバー12(マットレス1)の表面19側に移動したり、マットレスカバー12(マットレス1)の裏面20側に移動することができる。
【0041】
図7は、枕13を収容した枕収容部14が、マットレスカバー12の表面19上に配置されている状態を示しており、図8は、枕収容部14が、マットレスカバー12(マットレス1)の表面19と裏面20のいずれからも退避している状態を示している。仮に、図7に示す状態から、マットレス1(マットレスカバー12)を裏返すと、マットレスカバー12の裏面20が上向き状態となり、連結部15及び枕収容部14を逆方向に屈曲させることにより、枕収容部14を裏面20上に配置することができるようになる。
【0042】
すなわち、枕収容部14を備えたマットレスカバー12をマットレス1(図9(a))に装着すると、マットレスカバー12の表面19または裏面20のいずれを上向きにしても、連結部15及び枕収容部14を変形させることによって、上向きとなった部位(表面19又は裏面20)に容易に枕収容部14を配置することができる。
【0043】
次に、図9(a)、図9(b)を参照しながら、本発明の第三実施形態のマットレスカバー22について説明する。
【0044】
図9(a)に示すように、マットレスカバー22は、マットレス1の約半分の領域(一部)のみを被覆している。すなわち、マットレスカバー22には開口31が設けられており、開口31からマットレス1の約半分の領域が露出している。また、マットレスカバー22は、マットレス1の表面側及び裏面側の約半分の領域を同様に覆う袋状を呈している。
【0045】
マットレスカバー22の対向する側辺22a、22cにはファスナー27a、27bが設けられている。また、側辺22a、22cと連続する側辺22bには、連結部25の接続片25aが三カ所に設けられている。接続片25aは、細長い布片であり、自由端側の端部には面ファスナー32が設けられている。
【0046】
枕収容部24は、外形が一対の長辺と一対の短辺を有する矩形状であり、その長辺の一辺に開口26が設けられている。開口26と対向する長辺は底部28を構成しており、底部28は閉じている。底部28から開口26側に所定距離離れた箇所には面ファスナーで構成されたストッパ24a、24bが設けられている。ストッパ24a、24bも、図1に示すストッパ4a、4b、及び図6に示すストッパ14a、14bと同様の細長い面ファスナーであり、マットレス1における枕23の位置を調整する機能を有する。
【0047】
また、開口26の縁にはマットレスカバー22側の三カ所の接続片25aに対応する接続片25bが設けられている。接続片25bは、接続片25aの面ファスナー32と結合する面ファスナー33が設けられている。
【0048】
接続片25a、25bが結合することにより、連結部25が構成され、マットレスカバー22に枕収容部24が取り付けられる。すなわち、枕収容部24は、マットレスカバー22に対して着脱が可能である。
【0049】
接続片25a、25bが結合した連結部25の長さは、マットレス1の厚み寸法の半分程度、又はマットレス1の厚み寸法の半分以上である。また、連結部25は、マットレスカバー22に対して自在に屈曲又は湾曲し、マットレスカバー22の表面29や、裏面30のうちの上側になった方(就寝者が触れる側)に枕収容部24を配置することができる。
【0050】
図9(a)、図9(b)に示すように、マットレス1は表裏二面を有し、表面側に硬質層1a(ハード面)、裏面側に軟質層1b(ソフト面)を有する二層構造を呈している。すなわち、マットレス1の表面側と裏面側とでは、異なる素材(クッション材)が採用されている。そして、就寝者の好みに応じて、表裏いずれかの面を上側にしてマットレス1を使用する。
【0051】
すなわち、マットレス1の表面を上面として使用する場合と、裏面を上面として使用する場合があるが、枕収容部24は、連結部25を屈曲又は湾曲させ、マットレス1のいずれの面が上面となっても、速やかにマットレスカバー22の表面29上又は裏面30上に枕収容部24を配置することができる。
【0052】
枕収容部24は、連結部25を分離することによってマットレスカバー22から取り外すことが可能であるため、枕収容部24のみに洗濯等のメンテナンスを行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
1 マットレス
1a 硬質層
1b 軟質層
2 マットレスカバー
3 枕
4 枕収容部
5、15、25 連結部
5a〜5c 紐状連結部
6 枕収容部の開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9