【解決手段】実施の形態に係る被包装物充填システムSは、移送用把持部材22により把持された包装袋100を移送経路に沿って移送する移送装置11と、移送経路に設定される第1充填位置で包装袋100に被包装物を充填する第1充填装置13と、移送経路において第1充填位置の下流側に設定される第2充填位置に移送された包装袋100を移送用把持部材22から持ち替えて把持する計量用把持部材15gを有し、包装袋100の重量を計量する計量装置15と、第2充填位置で計量用把持部材15gにより把持された包装袋100に被包装物を充填する第2充填装置14と、第2充填位置で移送用把持部材22により把持された包装袋100を振動させるタッピング装置16と、を備える。第2充填装置14の吐出口は、第1充填装置13の吐出口よりも小さくなっている。
前記制御装置は、前記包装袋の重量が前記第2の所定量から前記目標量になるまで前記第2充填装置を動作させた後、前記加振装置によって前記包装袋を振動させる、請求項2又は3に記載の被包装物充填システム。
包装袋の移送経路に設定される第1充填位置で被包装物を包装袋に充填する第1充填装置と、前記第1充填位置の下流側に設定される第2充填位置で被包装物を前記包装袋に充填する第2充填装置とを用いて充填を行う段階的充填モード、及び、前記第2充填装置のみを用いて充填を行う単独充填モードのうちのいずれかを設定するモード設定工程と、
前記段階的充填モードに従って前記包装袋の重量が目標量になるまで充填を行うか又は前記単独充填モードに従って前記包装袋の重量が前記目標量になるまで充填を行う充填工程と、を備え、
前記単独充填モードによる充填では、
前記第1充填装置を停止させるとともに、
前記第2充填位置に前記包装袋が移送された際に、前記包装袋の重量を監視しつつ、前記第2充填装置に被包装物の充填を行わせることで、まず前記包装袋の重量が前記目標量よりも小さい第2の所定量になるまで前記第2充填装置を動作させ、次いで、前記包装袋を振動させた後又は振動させながら、前記包装袋の重量が前記目標量になるまで前記第2充填装置を動作させる、被包装物充填方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態について説明する。
【0018】
(包装機構成)
図1は本発明の一実施の形態に係る被包装物充填システムSを組み込んだ包装機10の概略構成を示す斜視図である。
図1に示される包装機10は、包装袋100を把持するとともに移送する移送装置11、移送装置11によって把持された包装袋100の口部101を開口させる袋開口装置12、開口した包装袋100内に被包装物を充填する第1充填装置13及び第2充填装置14、計量装置15、タッピング装置16、包装機10の動作を制御する制御装置60等を備えている。このうちの移送装置11、第1充填装置13、第2充填装置14、計量装置15、タッピング装置16及び制御装置60が本実施の形態に係る被包装物充填システムSを構成する。
【0019】
移送装置11は包装袋100を把持する一対の移送用把持部材22により包装袋100を把持し、一対の移送用把持部材22を間欠的に移動させて複数のステーションSt1〜St10に包装袋100を順次移送し、複数のステーションSt1〜St10の各々において一対の移送用把持部材22及び包装袋100を間欠的に停止させる。図示の移送装置11は、一対の移送用把持部材22のペアを複数有するとともに、各移送用把持部材22のペアを取り付ける二点鎖線で示す円形の回転テーブル20を有し、包装袋100を曲線の移送経路に沿って移送するロータリー移送方式を採用する。包装袋100は一対の移送用把持部材22とともに、回転テーブル20の周りに設定された複数のステーションSt1〜St10を順次巡るようになっている。
【0020】
一対の移送用把持部材22の複数のペア(詳しくは、複数のステーションSt1〜St10と同数の対)は、回転テーブル20の周縁部分に円周方向に等間隔を空けて取り付けられている。なお移送装置11による包装袋100の移送方式は限定されず、例えば包装袋100を直線経路に沿って移送する直線方式や、ロータリー方式及び直線方式が組み合わされた方式を移送装置11において採用してもよい。また移送装置11は連続的に包装袋100を移送する方式でもよい。
【0021】
移送装置11が包装袋100を順次移送する
図1に示す複数のステーションは、第1ステーションSt1〜第10ステーションSt10を含む。
【0022】
第1ステーションSt1では、取り出し吸盤対32を介し、コンベアマガジン31から1枚ずつ取り出された包装袋100が一対の移送用把持部材22に渡され、一対の移送用把持部材22によって包装袋100が把持される。本実施の形態で移送される包装袋100は、正面視で矩形状の袋であり、互いに対向する一対の矩形状のフィルムの周縁を直接的に又は他の部材を介して間接的に接合することで袋状に形成されている。コンベアマガジン31から一対の移送用把持部材22に渡された直後の包装袋100は、その一辺部が接合されておらず、外部に開放する口部101が形成された状態となっている。
【0023】
包装袋100は、口部101が上方を向くように移送用把持部材22によって把持され、この際、一対の移送用把持部材22は、包装袋100において口部101側から下方に延び且つ水平方向で互いに対向する、言い換えると口部101の両側に位置する包装袋100の一対の側縁部(以下、両側縁部と呼ぶ場合がある。)を各別に把持する。
【0024】
ここで本実施の形態における一対の移送用把持部材22は、包装袋100の両側縁部の側方に位置し両側縁部を挟み込むようにして把持しつつ、包装袋100の両側縁部が対向する方向で互いに離接自在に構成される。第1ステーションSt1では、一対の移送用把持部材22が、互いに所定距離だけ離間した基準位置に位置しており、包装袋100が偏平となって且つ口部101が閉じるように包装袋100を把持している。一対の移送用把持部材22は、上記基準位置と、基準位置から互いに接近した接近位置との間で互いに離接自在となっている。なお、包装袋100の形状は特に限定されるものではなく、包装袋100は、例えば円形状や三角形状や台形状等であってもよいし、容器であってもよい。
【0025】
第2ステーションSt2では、一対の移送用把持部材22によって把持されている包装袋100に対し印字器33により製造日等の情報が印字される。
【0026】
第3ステーションSt3では、包装袋100に印字された情報が印字検査器34により検査される。印字検査器34は例えば撮像装置である。
【0027】
第4ステーションSt4では、包装袋100を構成する一対のフィルムの表面それぞれが開口吸盤対35によって吸引され、包装袋100の口部101が開かれる。
【0028】
第5ステーションSt5では、第1充填装置13によって包装袋100内に被包装物が充填される。なお、第5ステーションSt5は本発明でいう第1充填位置に対応する位置である。
【0029】
図2は第1充填装置13の斜視図である。
図1及び
図2に示すように第1充填装置13は、第1タンク45、第1オーガスクリュー46、昇降ホッパー42及び集塵フード43を含む。第1タンク45には例えば粉体、粒体、ペースト等の被包装物(本例では、粉体)が収容されており、第1充填装置13は、第1オーガスクリュー46の回転に応じた量の被包装物を第1タンク45の下端部に設けられた昇降ホッパー42の吐出口42aから吐出するようになっている。第1オーガスクリュー46の回転は、制御装置60の制御下で図示しないサーボモータにより調整される。より詳しくは制御装置60からパルス信号がサーボモータに入力され、サーボモータはパルス信号に基づいて所望の回転位置まで回転する。本実施の形態では第1充填装置13が充填する被包装物の量が一定の量に決められており、基本的に包装袋100が第5ステーションSt5に移送される度に一定のパルス数(以下、基準パルス数と呼ぶ)を規定するパルス信号がサーボモータに入力される。なおオーガ式の充填装置の具体的な構成は公知であり、任意の構成を有するオーガ式の充填装置が第1充填装置13として使用され得る。また第1タンク45には
図2に示す第1補給口71から被包装物が適宜補給される。
【0030】
また包装袋100が第4ステーションSt4から第5ステーションSt5に移送される間、及び、包装袋100が第5ステーションSt5から第6ステーションSt6に移送される間、上述の昇降ホッパー42は上昇位置に配置され、包装袋100と昇降ホッパー42との干渉が防がれている。一方、第5ステーションSt5において包装袋100が停止されると、昇降ホッパー42は下降し、昇降ホッパー42の下端部が口部101を介して包装袋100内に挿入され、昇降ホッパー42の下端部に形成された吐出口42aから被包装物が吐出される。また集塵フード43には図示しない吸引装置が設けられており、当該吸引装置によって集塵フード43内が負圧に保たれ、包装袋100から飛散した被包装物は集塵フード43内で吸引装置によって回収される。
【0031】
第6ステーションSt6では、計量装置15による包装袋100(被包装物を含む)の計量、第2充填装置14による被包装物の充填、及び必要に応じて加振装置としてのタッピング装置16による包装袋100への振動付与が行われる。なお、第6ステーションSt6は本発明でいう第2充填位置に対応する位置である。
【0032】
図3は第2充填装置14、計量装置15及びタッピング装置16の斜視図である。
図1及び
図3に示すように計量装置15は、第6ステーションSt6に移送された包装袋100を一対の移送用把持部材22から持ち替えて把持する一対の計量用把持部材15gを有し、計量用把持部材15gにより把持された被包装物入りの包装袋100の重量を計量する。詳しくは、計量装置15は上述の一対の計量用把持部材15gと、これら計量用把持部材15gを支持する計量器15mとを有し、一対の計量用把持部材15gにより把持された包装袋100の重量が計量器15mに伝わり、計量器15mが包装袋100の重量を計量する。
【0033】
図3に示すように一対の計量用把持部材15gはそれぞれ移送用把持部材22よりも上方に配置され、それぞれ上下方向に揺動自在の一対の爪部151を有する。一対の爪部151は互いに接触するまでに下方に揺動するようになっており、互いに接触した位置で包装袋100を挟む込むことで包装袋100を把持できる。また、一対の爪部151は互いに接触した位置から上方に揺動することで包装袋100を解放する。移送用把持部材22から計量用把持部材15gへの包装袋100の持ち替えを行う際には、計量用把持部材15gが移送用把持部材22により把持された包装袋100の上方から包装袋100の両側縁部に近づいて両側縁部を挟み込む。また本実施の形態における計量装置15は、移送用把持部材22により把持された包装袋100を挟んで回転テーブル20側とは反対の側に配置されたベース15bに支持されている。
【0034】
第2充填装置14は、第6ステーションSt6で計量用把持部材15gにより把持された包装袋100に被包装物を充填するようになっている。すなわち、これにより第2充填装置14が包装袋100に充填した被包装物の重量を常時特定することが可能となる。第2充填装置14はオーガ式の充填装置であり、第2タンク55と、第2オーガスクリュー56とを有する。第2タンク55には、第1タンク45に収容される被包装物と同じ被包装物が収容され、第2タンク55には
図3に示す第2補給口72から被包装物が適宜補給される。そして第2充填装置14は、第2オーガスクリュー56の回転に応じた量の被包装物を第2タンク55の下端部に設けられた吐出口55aから吐出するようになっている。第2オーガスクリュー56の回転は、制御装置60の制御下で、図示しないサーボモータにより調整される。
【0035】
より詳しくは制御装置60からパルス信号がサーボモータに入力され、サーボモータはパルス信号に基づいて所望の回転位置まで回転する。本実施の形態では第2充填装置14が充填すべき被包装物の量が、第1充填装置13により充填された被包装物の量によって変動し得るため、サーボモータに入力されるパルス信号が規定するパルス数は、計量装置15の計量結果に応じて変化し得る。
【0036】
また第2充填装置14の吐出口55aは第1充填装置13の吐出口42aよりも小さくなっている。また第2充填装置14は、包装袋100が第6ステーションSt6に移送された際に第2タンク55の下端部に設けられた吐出口55aが包装袋100の口部101の上方に位置するように2タンク55を配置しており、吐出口55aの位置を固定する。ただし、第2充填装置14も第1充填装置13と同様に昇降ホッパー等を有してもよい。
【0037】
タッピング装置16は、第6ステーションSt6で移送用把持部材22により又は計量用把持部材15gにより把持された包装袋100を振動させるように動作するものであり、本実施の形態では移送用把持部材22により把持された包装袋100を振動させるようになっている。またタッピング装置16は第2充填装置14による被包装物の充填が行われた後に包装袋100を振動させる。したがって、本実施の形態では、計量用把持部材15gにより把持された包装袋100を移送用把持部材22で持ち替えた後に、タッピング装置16が移送用把持部材22により把持された包装袋100を振動させることになる。
【0038】
図3に示すようにタッピング装置16は、包装袋100の底部に下方から接触可能なタッピング部材16aと、タッピング部材16aを上下方向に進退させるアクチュエータ16bとを有する。タッピング装置16は、包装袋100内の被包装物を平坦化することで被包装物があふれ出ること、こぼれ出ることを抑制する。なお、本実施の形態におけるタッピング装置16は包装袋100の底部に外力を付与するものであるが、包装袋100を振動させることが可能であれば外力を付与する位置は特に限られるものではない。
【0039】
ステーションSt6では、計量装置15により包装袋100の重量を計量しつつ第2充填装置14による被包装物の充填を行うことで、包装袋100の重量が目標量になるまで被包装物が充填される。ここで計量装置15は計量結果を制御装置60に常時出力し、第2充填装置14は制御装置60の制御下で動作を制御される。これにより、第2充填装置14は目標量までの被包装物の充填を行うことが可能となる。また本実施の形態では基本的に、包装袋100の重量が上記目標量とこれよりも小さい第1の所定量との間の重量になるまで第1充填装置13で被包装物を充填し、その後、第2充填装置14により目標量まで被包装物が充填される。この際、ステーションSt6ではタッピング装置を動作させない。一方で、第1充填装置13による被包装物の充填で包装袋100の重量が第1の所定量よりも大きくなる場合には、ステーションSt6における第2充填装置14による被包装物の充填の途中でタッピング装置16を動作させる。このような動作の詳細は後述する。
【0040】
本実施の形態では第7ステーションSt7において処理が何も行われない。第8ステーションSt8では、包装袋100のうちシール予定箇所がシール部清掃具85によって清掃され、当該予定箇所から被包装物が取り除かれる。シール部清掃具85の構成は限定されないが、典型的には、包装袋100に対して圧縮空気を吹き付けるエアブローノズルによってシール部清掃具85を構成することが可能である。
【0041】
第9ステーションSt9では、包装袋100の口部101が閉じられて熱板37によって熱圧着される。第10ステーションSt10では、包装袋100のうち熱圧着された箇所が冷却板39により冷却されて口部101がシールされる。そして移送用把持部材22による包装袋100の把持が解放され、包装袋100は落下して排出シュート40に沿って後段に送られる。
【0042】
以上のような各ステーションSt1〜St10で行われる処理は制御装置60によって包装機10内の各装置を制御することで行われる。制御装置60は、移送装置11,袋開口装置12、第1充填装置13、第2充填装置14、計量装置15、タッピング装置16等と電気的に接続される。制御装置60は例えばCPU,ROM,RAM等を備えるコンピュータで構成され、記憶されたプログラムに従って上記各装置の動作を制御してもよい。
【0043】
本実施の形態における制御装置60は、第1充填装置13及び第2充填装置14を用いて充填を行う段階的充填モードと、第2充填装置14のみを用いて充填を行う単独充填モードとを切換えて設定可能である。段階的充填モードと単独充填モードとの切換は、包装機10の操作者が例えば制御装置60に接続された操作手段を操作することにより行うことができる。また第1充填装置13の第1タンク45が空になったことを光学センサ等で検出して、空になったことを検出した際に単独充填モードに自動で設定されるような構成でもよい。
【0044】
段階的充填モードは上述した基本的な充填動作を行うものであり、すなわち、段階的充填モードでは、基本的に、包装袋100の重量が最終的な目標量とこれよりも小さい第1の所定量との間の重量になるまで第1充填装置13がまず被包装物を充填し、その後、包装袋100の重量が目標量になるまで第2充填装置14が被包装物を充填する。ここで、第1充填装置13による被包装物の充填によって包装袋100の重量が第1の所定量よりも大きくなれば、その後の第2充填装置14による被包装物の充填の際にタッピング装置16を動作させない。これに対し、第1充填装置13による被包装物の充填で包装袋100の重量が第1の所定量以下になってしまう場合には、その後の第2充填装置14による被包装物の充填の途中でタッピング装置16を動作させる。
【0045】
詳しくは、段階的充填モードが設定された場合、制御装置60は第6ステーションSt6(第2充填位置)に包装袋100が移送された際に包装袋100の重量を第2充填装置14よる充填を行う前に計量装置15に計量させ、計量された包装袋100の重量が上記第1の所定量よりも大きいか否かを判定する。そして、制御装置60は、包装袋100の重量が第1の所定量よりも大きいと判定される場合に、計量装置15に包装袋100の重量を監視させつつ、第2充填装置14に被包装物の充填を行わせることで、包装袋100の重量が目標量になるまで第2充填装置14を動作させる。これに対し、制御装置60は、包装袋100の重量が第1の所定量以下と判定される場合には、計量装置15に包装袋100の重量を監視させつつ、第2充填装置14に被包装物の充填を行わせることで、まず包装袋100の重量が目標量よりも小さい第2の所定量になるまで第2充填装置14を動作させる。その後、制御装置60はタッピング装置16によって包装袋100を振動させた後、包装袋100の重量が目標量になるまで第2充填装置14を動作させる。
【0046】
以下においては、段階的充填モードにおいてタッピング装置16を動作させずに目標量までの充填を行う動作パターンのことを「通常充填動作」と呼び、タッピング装置16を動作させつつ目標量までの充填を行う動作パターンのことを「加振あり充填動作」と呼ぶ。
【0047】
一方で、単独充填モードが設定された場合には、制御装置60は第1充填装置13を停止させる。また制御装置60は、第6ステーションSt6(第2充填位置)に包装袋100が移送された際に、計量装置15に包装袋100の重量を監視させつつ、第2充填装置14に被包装物の充填を行わせることで、まず包装袋100の重量が第2の所定量になるまで第2充填装置14を動作させる。その後、制御装置60はタッピング装置16によって包装袋100を振動させた後、包装袋100の重量が目標量になるまで第2充填装置14を動作させる。
【0048】
(充填動作)
次に、本実施の形態に係る包装物充填システムの充填動作について
図4、
図5、
図6A、
図6B及び
図7A〜Hを参照しつつ詳細に説明する。
【0049】
図4は、第1充填装置13及び第2充填装置14を用いて段階的充填モードによる充填動作を行う際の処理手順を示すフローチャートである。
図5は、第2充填装置14のみを用いて単独充填モードによる充填動作を行う際の処理手順を示すフローチャートである。
図6A及び
図6Bは、段階的充填モードにおいて「通常充填動作」を行う場合の充填の様子を説明するための図である。
図7A〜Hは、段階的充填モードにおいて「加振あり充填動作」を行う場合の充填の様子を説明するための図である。
【0050】
図4に示す処理では、まずステップS11において制御装置60が自身において段階的充填モード及び単独充填モードのうちのいずれが設定されているかを確認する。本実施の形態では、ステップS11における確認処理が第5ステーションSt5に包装袋100が移送される度に行われ、第1充填装置13による充填動作の前に行われる。ステップS11で段階的充填モードが設定されている場合には処理がステップS12に移行され、単独充填モードが設定されている場合には処理がステップS50に移行される。以下、まずステップS12以降の段階的充填モードに関する処理手順を説明し、ステップS50以降の単独充填モードに関する処理手順は
図5を用いて後述する。
【0051】
<段階的充填モード>
段階的充填モードに移行されると、
図4に示すようにステップS12で制御装置60は、ステップS5に移送された包装袋100に被包装物を充填するべく第1充填装置13を動作させ、充填を開始させる。この際、第1充填装置13が充填する被包装物の量は一定の量に決められており、制御装置60は、この一定の量に対応する基準パルス数を規定するパルス信号を、第1オーガスクリュー46を回転させるためのサーボモータに入力する。上記一定の量は、最終的な被包装物入りの包装袋100の目標の重量である上述した目標量とこれよりも小さい第1の所定量との間の値とされる。上記一定の量は、例えば目標量の80〜90%でもよい。第1の所定量は、第1充填装置13による充填の後の第2充填装置14の充填において、タッピング装置16を動作させるか否かを判定するための閾値である。第1の所定量は、例えば目標量の50〜90%でもよい。
【0052】
次いでステップS13で制御装置60は、第1オーガスクリュー46に接続されたサーボモータから第1オーガスクリュー46の回転位置を示す実パルス数を送出され、実パルス数をカウントし、続いてステップS14において実パルス数と基準パルス数とを比較する。そしてステップS14で実パルス数と基準パルス数とが一致しない場合は、実パルス数のカウント及び実パルス数と基準パルス数との比較が継続される。一方で、実パルス数と基準パルス数とが一致した場合、ステップS15で制御装置60は第1充填装置13の動作を停止させる。
【0053】
次いでステップS16においては包装袋100が第6ステーションSt6に移送され、ステップS17では制御装置60が包装袋100の持ち替え指令を計量装置15及び移送装置11に出力する。ここで、計量装置15は計量用把持部材15gにより包装袋100を把持し、移送用把持部材22は包装袋100を解放する。
【0054】
そしてステップS18で制御装置60は計量装置15に重量チェック指令を出力し、計量装置15は包装袋100の重量を計量して制御装置60に計量結果を送出する。次いでステップS19で制御装置60は、現在の包装袋100の重量が上述した第1の所定量よりも大きいか否かを判定する。ここで包装袋100の重量が第1の所定量よりも大きい場合には、ステップS20から始まる「通常充填動作」が行われ、包装袋100の重量が第1の所定量以下の場合には、ステップS30から始まる「加振あり充填動作」が行われる。
【0055】
<<通常充填動作>>
「通常充填動作」が行われる場合には、ステップS20で制御装置60はまず包装袋100に被包装物を充填するべく第2充填装置14を動作させ、充填を開始させる。そしてステップS21で制御装置60は、第2充填装置14を動作させるのと並行して、計量装置15に重量チェック指令を出力し、計量装置15は包装袋100の重量を計量して制御装置60に計量結果を送出する。次いでステップS22で制御装置60は、包装袋100の重量が目標量と一致する否かを判定する。ここで包装袋100の重量が目標量と一致した場合には、処理がステップS23に移行され、第2充填装置14の動作が停止される。一方で、包装袋100の重量が目標量と一致しない場合には、第2充填装置14の動作が継続され、包装袋100の重量の計量及び計量結果と目標量との比較が繰り返される。
【0056】
そしてステップS23で第2充填装置14の動作が停止された後は、ステップS24で制御装置60が包装袋100の持ち替え戻し指令を計量装置15及び移送装置11に出力する。ここで、計量装置15の計量用把持部材15gは包装袋100を解放し、移送用把持部材22は包装袋100を把持する。そしてステップS25で包装袋100は次工程、すなわち第7ステーションSt7に移送される。
【0057】
図6A及び
図6Bを参照して段階的充填モードにおける通常充填動作の様子を説明する。
図6Aは、ステップS12〜S15による処理で第1充填装置13が包装袋100に被包装物Cを充填した様子を示す。
図6Aに示す包装袋100には、包装袋100の重量が目標量よりも小さく且つ第1の所定量よりも大きくなるように被包装物Cが充填されている。この状態では、包装袋100が第6ステーションSt6に移送され、その重量が計量された際に第1の所定量よりも大きいと判定され(S16〜S19)、包装袋100はステップS20から始まる通常充填動作に従って被包装物を充填される。なお、
図6Aに示す包装袋100内の被包装物Cは平坦状に充填されている。これは、第1充填装置13の吐出口42aが比較的大きいからである。図示の例では、第1充填装置13の吐出口42aの内径寸法が、移送用把持部材22によって開放状態を維持された包装袋100の両側縁間における口部101の寸法の60〜90%程度になっている。
【0058】
図6Bは通常充填動作におけるステップS20〜S23による処理で第2充填装置14が包装袋100に被包装物Cを充填した様子を示している。
図6Aに示す包装袋100には、包装袋100の重量が目標量になるように被包装物Cが充填されている。
図6Bにはタッピング装置16が示されているが、通常充填動作ではタッピング装置16は動作しない。以上のような通常充填動作では、第1充填装置13及び第2充填装置14による2回の充填動作で目標量までの充填が完了する。また第1充填装置13が適正な充填を行うことで第2充填装置14の被包装物の充填量は少なく抑えられるため、第2充填装置14の吐出口55aが比較的小さくても、包装袋100からの被包装物のあふれ出しの心配はない。図示の例では、第2充填装置14の吐出口55aの内径寸法が、移送用把持部材22によって開放状態を維持された包装袋100の両側縁間における口部101の寸法の60%以下程度になっている。
【0059】
<<加振あり充填動作>>
一方で、
図4に戻り「加振あり充填動作」が行われる場合には、ステップS30で制御装置60がまず包装袋100に被包装物を充填するべく第2充填装置14を動作させ、充填を開始させる。そしてステップS31で制御装置60は、第2充填装置14を動作させるのと並行して、計量装置15に重量チェック指令を出力し、計量装置15は包装袋100の重量を計量して制御装置60に計量結果を送出する。
【0060】
次いでステップS32で制御装置60は、包装袋100の重量が目標量よりも小さい第2の所定量と一致する否かを判定する。ここで包装袋100の重量が第2の所定量と一致した場合には、処理がステップS33に移行され、第2充填装置14の動作が停止される。一方で、包装袋100の重量が第2の所定量と一致しない場合には、第2充填装置14の動作が継続され、包装袋100の重量の計量及び計量結果と目標量との比較が繰り返される。
【0061】
なお、第2の所定量は、空の包装袋100に対して第2充填装置14のみによる第2の所定量の被包装物の充填を行った際に包装袋100から被包装物があふれ出ないことが保証される重量の範囲で定められる。第2の所定量は第1の所定量は大きくてもよく、小さくてもよい。
【0062】
そしてステップS33で第2充填装置14の動作が停止された後は、ステップS34で制御装置60が包装袋100の持ち替え戻し指令を計量装置15及び移送装置11に出力する。ここで、計量装置15の計量用把持部材15gは包装袋100を解放し、移送用把持部材22は包装袋100を把持する。
【0063】
そしてステップS35で制御装置60は、タッピング装置16にタッピング開始指令を出力し、タッピング装置16は包装袋100を振動させるべくタッピング部材16aによって包装袋100をタッピングする。タッピング装置16の動作は所定の設定時間の間だけ行われ、ステップS36でタッピング装置16の動作開始から所定の設定時間が経過したことが確認されると、ステップS37で制御装置60はタッピング装置16の動作を停止する。
【0064】
次いでステップS38では制御装置60が包装袋100の持ち替え指令を計量装置15及び移送装置11に出力する。ここで、計量装置15は計量用把持部材15gにより包装袋100を把持し、移送用把持部材22は包装袋100を解放する。
【0065】
その後、ステップS39で制御装置60は、包装袋100の重量が目標量になるまで被包装物を充填するべく第2充填装置14を動作させる。そしてステップS40で制御装置60は、第2充填装置14を動作させるのと並行して、計量装置15に重量チェック指令を出力し、計量装置15は包装袋100の重量を計量して制御装置60に計量結果を送出する。そしてステップS41で制御装置60は、包装袋100の重量が目標量と一致する否かを判定する。ここで包装袋100の重量が目標量と一致した場合には、処理がステップS42に移行され、第2充填装置14の動作が停止される。一方で、包装袋100の重量が目標量と一致しない場合には、第2充填装置14の動作が継続され、包装袋100の重量の計量及び計量結果と目標量との比較が繰り返される。
【0066】
そしてステップS42で第2充填装置14の動作が停止された後は、ステップS43で制御装置60が包装袋100の持ち替え戻し指令を計量装置15及び移送装置11に出力する。ここで、計量装置15の計量用把持部材15gは包装袋100を解放し、移送用把持部材22は包装袋100を把持する。
【0067】
次いでステップS44で制御装置60は、タッピング装置16にタッピング開始指令を出力し、タッピング装置16は包装袋100を振動させるべくタッピング部材16aによって包装袋100をタッピングする。タッピング装置16の動作は所定の設定時間の間だけ行われ、ステップS45でタッピング装置16の動作開始から所定の設定時間が経過したことが確認されると、ステップS46で制御装置60はタッピング装置16の動作を停止する。その後、ステップS47で包装袋100は次工程、すなわち第7ステーションSt7に移送される。
【0068】
図7A〜
図7Hは段階的充填モードにおける加振あり充填動作の様子を説明する図である。
図7Aは、ステップS12〜S15による処理で第1充填装置13が包装袋100に被包装物Cを充填した後の様子を示す。
図7Aに示す包装袋100には、包装袋100に被包装物が充填されていない又はわずかの被包装物しか充填されていない。このような状態では、包装袋100が第6ステーションSt6に移送され、その重量が計量された際に第1の所定量以下と判定されるため(S16〜S19)、包装袋100はステップS30から始まる加振あり充填動作に従って被包装物を充填される。
【0069】
一方で、
図7Bは、加振あり充填動作におけるステップS30〜S33による処理で第2充填装置14が包装袋100に被包装物Cを充填した様子を示している。
図7Bに示す包装袋100には、包装袋100の重量が目標量よりも小さい第2の所定量となるように被包装物Cが充填されている。
図7Bに示す包装袋100に充填された被包装物Cは第2充填装置14の吐出口55aが小さいことで山形状をなすように充填されている。
【0070】
図7Cは、加振あり充填動作におけるステップS34による処理で包装袋100を計量用把持部材15gで把持する状態を移送用把持部材22で把持する状態に戻す様子を示す。その後、ステップS35による処理でタッピング装置16が包装袋100を振動させ、これにより
図7Dに示すように包装袋100に充填された被包装物Cが平坦化される。この際、包装袋100は移送用把持部材22で把持されているため、タッピング装置16による包装袋100の揺れは計量装置15に伝わらず、計量装置15の誤作動が回避される。
【0071】
そして
図7Eは、ステップS38による処理で計量用把持部材15gが移送用把持部材22から包装袋100を持ち替えた様子を示している。また
図7Fは、ステップS39〜S42による処理で第2充填装置14が包装袋100に被包装物Cを充填した様子を示している。
図7Fに示す包装袋100には、包装袋100の重量が目標量になるように被包装物Cが充填されている。そして
図7Gは、ステップS43による処理で包装袋100を計量用把持部材15gで把持する状態を移送用把持部材22で把持する状態に戻す様子を示す。その後、ステップS44による処理でタッピング装置16が包装袋100を振動させ、これにより
図7Hに示すように包装袋100に充填された被包装物Cが平坦化される。この際、包装袋100は移送用把持部材22で把持されているため、タッピング装置16による包装袋100の揺れは計量装置15に伝わらず、計量装置15の誤作動が回避される。
【0072】
以上のような加振あり充填動作では、主に第2充填装置14による充填動作で又は第2充填装置14のみによる充填動作で目標量までの充填が完了するが、第2充填装置14の途中段階でタッピング装置16により包装袋100を振動させることで、第2充填装置14の吐出口55aが小さい場合であっても第2充填装置14による充填途中で被包装物が包装袋100からあふれ出る状況を回避可能となる。
【0073】
<単独充填モード>
続いて、
図5を用いて単独充填モードによる充填動作を説明する。ステップS11からステップS50の段階的充填モードに移行されると、
図5に示すようにステップS51で制御装置60がまず第1充填装置13の動作を停止する。そしてステップS52で包装袋100が第6ステーションSt6に移送される。
【0074】
次いでステップS53で制御装置60は、包装袋100重量が上述した第2の所定量になるように第2充填装置14を動作させる。さらにステップS54で制御装置60は、第2充填装置14を動作させるのと並行して、計量装置15に重量チェック指令を出力し、計量装置15は包装袋100の重量を計量して制御装置60に計量結果を送出する。なお、ステップS53における充填動作は、空の包装袋100に対して行われる。
【0075】
次いでステップS55で制御装置60は、包装袋100の重量が第2の所定量と一致する否かを判定する。ここで包装袋100の重量が第2の所定量と一致した場合には、処理がステップS56に移行され、第2充填装置14の動作が停止される。一方で、包装袋100の重量が第2の所定量と一致しない場合には、第2充填装置14の動作が継続され、包装袋100の重量の計量及び計量結果と目標量との比較が繰り返される。
【0076】
そしてステップS56で第2充填装置14の動作が停止された後は、ステップS57で制御装置60が包装袋100の持ち替え戻し指令を計量装置15及び移送装置11に出力する。ここで、計量装置15の計量用把持部材15gは包装袋100を解放し、移送用把持部材22は包装袋100を把持する。
【0077】
そしてステップS58で制御装置60は、タッピング装置16にタッピング開始指令を出力し、タッピング装置16は包装袋100を振動させるべくタッピング部材16aによって包装袋100をタッピングする。タッピング装置16の動作は所定の設定時間の間だけ行われ、ステップS59でタッピング装置16の動作開始から所定の設定時間が経過したことが確認されると、ステップS60で制御装置60はタッピング装置16の動作を停止する。
【0078】
次いでステップS61では制御装置60が包装袋100の持ち替え指令を計量装置15及び移送装置11に出力する。ここで、計量装置15は計量用把持部材15gにより包装袋100を把持し、移送用把持部材22は包装袋100を解放する。
【0079】
その後、ステップS62で制御装置60は、包装袋100の重量が目標量になるまで被包装物を充填するべく第2充填装置14を動作させる。そしてステップS63で制御装置60は、第2充填装置14を動作させるのと並行して、計量装置15に重量チェック指令を出力し、計量装置15は包装袋100の重量を計量して制御装置60に計量結果を送出する。そしてステップS64で制御装置60は、包装袋100の重量が目標量と一致する否かを判定する。ここで包装袋100の重量が目標量と一致した場合には、処理がステップS65に移行され、第2充填装置14の動作が停止される。一方で、包装袋100の重量が目標量と一致しない場合には、第2充填装置14の動作が継続され、包装袋100の重量の計量及び計量結果と目標量との比較が繰り返される。
【0080】
そしてステップS65で第2充填装置14の動作が停止された後は、ステップS66で制御装置60が包装袋100の持ち替え戻し指令を計量装置15及び移送装置11に出力する。ここで、計量装置15の計量用把持部材15gは包装袋100を解放し、移送用把持部材22は包装袋100を把持する。
【0081】
次いでステップS67で制御装置60は、タッピング装置16にタッピング開始指令を出力し、タッピング装置16は包装袋100を振動させるべくタッピング部材16aによって包装袋100をタッピングする。タッピング装置16の動作は所定の設定時間の間だけ行われ、ステップS68でタッピング装置16の動作開始から所定の設定時間が経過したことが確認されると、ステップS69で制御装置60はタッピング装置16の動作を停止する。その後、ステップS70で包装袋100は次工程、すなわち第7ステーションSt7に移送される。
【0082】
以上のような単独充填モードによる充填動作では、第2充填装置14のみによる充填動作で目標量までの充填が完了するが、第2充填装置14の途中段階でタッピング装置16により包装袋100を振動させることで、第2充填装置14による充填途中で被包装物が包装袋100からあふれ出る状況を回避可能となる。
【0083】
以上に説明した本実施の形態に係る被包装物充填システムSは、移送用把持部材22により把持された包装袋100を移送経路に沿って移送する移送装置11と、移送経路に設定される第5ステーションSt5(第1充填位置)で包装袋100に被包装物を充填する第1充填装置13と、移送経路において第5ステーションSt5の下流側に設定される第6ステーションSt6(第2充填位置)に移送された包装袋100を移送用把持部材22から持ち替えて把持する計量用把持部材15gを有し、計量用把持部材15gにより把持された包装袋100の重量を計量する計量装置15と、第6ステーションSt6で計量用把持部材15gにより把持された包装袋100に被包装物を充填する第2充填装置14と、第6ステーションSt6で移送用把持部材22により把持された包装袋100を振動させるように動作するタッピング装置16と、を備える。また第2充填装置14の吐出口55aは、第1充填装置13の吐出口42aよりも小さくなっている。
【0084】
このような被包装物充填システムSによれば、第2充填装置14による目標量までの被包装物の充填の途中段階で状況に応じてタッピング装置16により包装袋100を振動させることで、第2充填装置14による充填途中で被包装物が包装袋100からあふれ出る状況を回避可能となり、第2充填装置14による被包装物の充填量が多い場合又は第2充填装置14のみによる充填であっても目標量までの適正な充填が可能となる。これにより、被包装物を有効に且つ効率的に包装袋に充填できる。
【0085】
特に本実施の形態では、制御装置60が第6ステーションSt6に移送された包装袋100の重量を第2充填装置14による被包装物の充填を行う前に計量装置15に計量させ、計量された包装袋100の重量が第1の所定量よりも大きいか否かを判定する(S19)。そして制御装置60は、包装袋100の重量が第1の所定量よりも大きいと判定される場合に、計量装置15に包装袋100の重量を監視させつつ、第2充填装置14に被包装物の充填を行わせることで、包装袋100の重量が目標量になるまで第2充填装置14を動作させる。これに対して、包装袋100の重量が第1の所定量以下と判定される場合には、制御装置60は計量装置15に包装袋100の重量を監視させつつ、第2充填装置14に被包装物の充填を行わせることで、まず包装袋100の重量が目標量よりも小さい第2の所定量になるまで第2充填装置14を動作させ、次いで、タッピング装置16によって包装袋100を振動させた後、包装袋100の重量が目標量になるまで第2充填装置14を動作させる。このような構成により、第1タンク45内の被包装物の減少等により第1充填装置13による被包装物の充填量が減少して第2充填装置14の被包装物の充填量が増加した場合に、第2充填装置14の充填途中でタッピング装置16を動作させない動作パターンから第2充填装置14の充填途中でタッピング装置16を動作させる動作パターンへ自動での切換えが可能となる。そのため、利便性を向上させることができる。
【0086】
また本実施の形態では、制御装置60が第1充填装置13及び第2充填装置14を用いて充填を行う段階的充填モードと、第2充填装置14のみを用いて充填を行う単独充填モードとを切換えて設定可能である。そして制御装置60は、単独充填モードが設定された場合、第1充填装置13を停止させるとともに、第6ステーションSt6に包装袋100が移送された際に、計量装置15に包装袋100の重量を監視させつつ第2充填装置14に被包装物の充填を行わせることで、まず包装袋100の重量が第2の所定量になるまで第2充填装置14を動作させ、次いで、タッピング装置16によって包装袋100を振動させた後、包装袋100の重量が目標量になるまで第2充填装置14を動作させる。このように単独充填モードを任意に設定可能であることで、利便性を向上させることができる。
【0087】
また本実施の形態では、タッピング装置16が移送用把持部材22により把持された包装袋100を振動させる。この場合、タッピング装置16による包装袋100の揺れは計量装置15に伝わらず、計量装置15の誤作動が回避される。また計量装置15に振動に対する対策が施されていない場合であっても、充填動作を適正に行うことができる。
【0088】
また本実施の形態では、制御装置60が包装袋100の重量が第2の所定量から目標量になるまで第2充填装置14を動作させた後、タッピング装置16によって包装袋100を振動させる。この場合、被包装物が包装袋100からあふれ出る状況をより効果的に回避できる。
【0089】
以上、本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、上述の実施の形態には各種の変更が加えられてもよい。
【0090】
例えば上述の実施の形態では、タッピング装置16が移送用把持部材22により把持された包装袋100を振動させる。しかしながら、上述の実施の形態の変形例として、
図8A〜
図8Eに示すように、タッピング装置16は計量用把持部材15gにより把持された包装袋100を振動させてもよい。
【0091】
図8Aは、第1充填装置13が包装袋100に被包装物Cを充填した後の様子を示す。
図8Aに示す包装袋100には、包装袋100に被包装物が充填されていない又はわずかの被包装物しか充填されていない。
【0092】
図8Bは、加振あり充填動作又は単独充填モード時において、移送用把持部材22から計量用把持部材15gへの持ち替えが行われた後、第2充填装置14が包装袋100に被包装物Cを充填した様子を示している。
図8Bに示す包装袋100には、包装袋100の重量が目標量よりも小さい第2の所定量となるように被包装物Cが充填されている。
【0093】
図8Cは、計量用把持部材15gで包装袋100を把持したまま、タッピング装置16が包装袋100を振動させる様子を示している。これにより包装袋100に充填された被包装物Cが平坦化される。
【0094】
そして
図8Dは、包装袋100の重量が目標量になるように第2充填装置14が包装袋100に被包装物Cを充填した様子を示している。そして
図8Eは、包装袋100を計量用把持部材15gで把持する状態を移送用把持部材22で把持する状態に戻し、タッピング装置16が包装袋100を振動させた様子を示す。これにより包装袋100に充填された被包装物Cが平坦化される。
【0095】
図8A〜
図8Eに示すように充填動作を行う場合、計量用把持部材15gから移送用把持部材22へ包装袋100を持ち替える作業を一部省略できるため、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0096】
また上述の実施の形態では第1充填装置13及び第2充填装置14がオーガスクリュー式であるが、被包装物の充填量を把握可能な装置であれば特に限られるものではない。
【0097】
また上述の実施の形態では、振動あり充填動作又は単独充填モード時における第2充填装置14による第2の所定量までの被包装物の充填の後に、第2充填装置14の動作を停止して包装袋100をタッピング装置16で振動させ、その後、第2充填装置14を再度動作させる。しかしながら、第2充填装置14による第2の所定量までの被包装物の充填の後に第2充填装置14の動作を停止させずにタッピング装置16を動作させ、タッピング装置16で包装袋100を振動させながら、第2充填装置14による目標量までの被包装物の充填を行ってもよい。