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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-21537(P2021-21537A)
(43)【公開日】2021年2月18日
(54)【発明の名称】二重管組立体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F28D 7/10 20060101AFI20210122BHJP
   F28F 1/40 20060101ALI20210122BHJP
【FI】
   F28D7/10 A
   F28F1/40 H
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-138825(P2019-138825)
(22)【出願日】2019年7月29日
(71)【出願人】
【識別番号】392020598
【氏名又は名称】株式会社オーツカ
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】八代 隆
(72)【発明者】
【氏名】福地 俊夫
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103AA17
3L103AA39
3L103BB38
3L103CC18
3L103CC30
3L103DD04
3L103DD10
3L103DD19
3L103DD38
3L103DD69
3L103DD70
(57)【要約】
【課題】二重管組立体及びその製造方法において、内管の内部にて内側流体を効率的に流し、二重管組立体を容易に作製する。
【解決手段】本発明は、外管12、及びこの外管12の内部を通過する内管13を有する二重管11と、内管13の内部に挿入される捩れ形状の仕切り板14とを含む二重管組立体1及びその製造方法に関する。1つの二重管組立体1においては、二重管11が、直線状に延びる複数の直線部11aと、湾曲するように延びる少なくとも1つの湾曲部11bとを有し、複数の仕切り板14が、少なくとも1つの湾曲部11bを避けるように複数の直線部11aの一部又は全部にそれぞれ配置される。また、製造方法においては、かかる二重管組立体1を製造する。別の1つの二重管組立体1においては、仕切り板14の横断面の各側腹縁14b,14cが、横断面の縦方向の中央から同両端のそれぞれに向かうに従って横断面の横方向の長さを減少させるように形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、
前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板と
を備え、
前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、
前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体であって、
前記二重管が、直線状に延びる複数の直線部と、湾曲するように延びる少なくとも1つの湾曲部とを有し、
複数の前記仕切り板が、前記少なくとも1つの湾曲部を避けるように前記複数の直線部の一部又は全部にそれぞれ配置されている、二重管組立体。
【請求項2】
前記仕切り板の横断面が、前記横断面を細長く延ばした方向である縦方向に直交する横方向の両側にそれぞれ位置する2つの側腹縁を有し、
各側腹縁が、前記横断面の縦方向の中央から同両端のそれぞれに向かうに従って前記横断面の横方向の長さを減少させるように形成されている、請求項1に記載の二重管組立体。
【請求項3】
各側腹縁が円弧形状に形成されている、請求項2に記載の二重管組立体。
【請求項4】
外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、
前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板と
を備え、
前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、
前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体の製造方法であって、
前記内管が直線状に延びた状態で、前記内管の延在方向に移動可能な細長形状の可動部、及び前記可動部の延在方向の先端部に位置すると共に前記仕切り板を離脱可能に支持する支持部を有する冶具を用いて、複数の前記仕切り板を、前記内管の延在方向に互いに間隔を空けた複数の配置位置にて前記内管に対してそれぞれ固定する仕切り板固定ステップと、
前記外管が直線状に延びた状態で、前記外管に前記内管を挿入し、かつ前記内管に対して前記外管を固定する外管固定ステップと、
前記二重管を、前記複数の仕切り板を配置した部分を避けるように曲げることよって、前記二重管に少なくとも1つの湾曲部を形成する湾曲ステップと
を含み、
前記仕切り板固定ステップにて、
前記複数の仕切り板のうち1つの仕切り板を前記支持部によって支持し、前記1つの仕切り板を前記可動部及び前記支持部と一緒に前記内管の内部に挿入し、かつ前記1つの仕切り板を、前記複数の配置位置のうち、前記1つの仕切り板に対応する1つの前記配置位置に位置決めするように前記可動部を移動させる位置決め作業と、
前記内管をその外周から同内周に向かって加締めることによって前記内管に対して前記1つの仕切り板を固定する加締め作業と、
前記支持部を前記1つの仕切り板から離脱させ、かつ前記可動部及び前記支持部を前記内管から抜き取る冶具除去作業と
を含む単独仕切り板固定工程を、前記複数の仕切り板をそれぞれ前記複数の配置位置にて固定するように繰り返す二重管組立体の製造方法。
【請求項5】
前記仕切り板固定ステップにて、前記単独仕切り板固定工程を、前記複数の仕切り板を前記内管の延在方向の一方端部から同他方端部に向かう方向に順に固定するように繰り返し、
前記単独仕切り板固定工程の位置決め作業では、前記1つの仕切り板を前記可動部及び前記支持部と一緒に前記内管の他方端部から前記内管の内部に挿入する請求項4に記載の二重管組立体の製造方法。
【請求項6】
外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、
前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板と
を備え、
前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、
前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体であって、
前記仕切り板の横断面が、前記横断面を細長く延ばした方向である縦方向に直交する横方向の両側にそれぞれ位置する2つの側腹縁を有し、
各側腹縁が、前記横断面の縦方向の中央から同両端のそれぞれに向かうに従って前記横断面の横方向の長さを減少させるように形成されている、二重管組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外管を通過する外側流体と、この外管の内部に配置された内管を通過する内側流体との間における熱交換を可能とする二重管組立体に関する。さらに、本発明は、かかる二重管組立体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種産業分野においては、物体、使用環境の雰囲気等を加熱又は冷却するために熱交換器が用いられることがある。特に、自動車等の車両に搭載される熱交換器には、外管と、この外管の内部に配置される内管とを有し、かつ外管を通過する冷媒である外側流体と内管を通過する冷媒である内側流体との間にて熱交換を可能とするように構成された二重管組立体が設けられることがある。二重管組立体は、多くの場合、高圧高温冷媒が外側流体として外管を通過し、かつ低圧低温冷媒が内側流体として内管を通過するように構成されている。また、二重管組立体のレイアウトの制約上、通常、二重管組立体には湾曲部が形成されている。
【0003】
このような二重管組立体の一例としては、内側流体を撹拌するために、内管の内部に螺旋状の板部材を設けた二重管組立体が挙げられる。そして、この二重管組立体の製造時には、螺旋状に形成された板部材を直線状に延びる内管の内部に挿入し、この内管を直線状に延びる外管に挿入し、かつこれら外管、内管、及び板部材を一緒に曲げることによって二重管組立体に湾曲部が形成される。(例えば、特許文献1を参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/159542号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記二重管組立体の一例のように、外管及び内管に加えて、板部材を有する二重管組立体の曲げ剛性は高くなる。そのため、二重管組立体の湾曲部を形成するために二重管組立体を曲げる加工は難しくなる。また、このような加工においては、板部材の形状精度が低下するおそれあり、さらには、内管の内部にて内側流体を効率的に流すことができないおそれがある。
【0006】
このような実情を鑑みると、二重管組立体においては、内管の内部にて内側流体を効率的に流すことを可能とし、二重管組立体を容易に作製することを可能にすることが望まれる。また、二重管組立体の製造方法においては、内管の内部にて内側流体を効率的に流すことを可能とし、二重管組立体を容易に作製することを可能にすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、一態様に係る二重管組立体は、外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板とを含み、前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体であって、前記二重管が、直線状に延びる複数の直線部と、湾曲するように延びる少なくとも1つの湾曲部とを有し、複数の前記仕切り板が、前記少なくとも1つの湾曲部を避けるように前記複数の直線部の一部又は全部にそれぞれ配置されている。
【0008】
上記課題を解決するために、一態様に係る二重管組立体の製造方法は、外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板とを含み、前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体の製造方法であって、前記内管が直線状に延びた状態で、前記内管の延在方向に移動可能な細長形状の可動部、及び前記可動部の延在方向の先端部に位置すると共に前記仕切り板を離脱可能に支持する支持部を有する冶具を用いて、複数の前記仕切り板を、前記内管の延在方向に互いに間隔を空けた複数の配置位置にて前記内管に対してそれぞれ固定する仕切り板固定ステップと、前記外管が直線状に延びた状態で、前記外管に前記内管を挿入し、かつ前記内管に対して前記外管を固定する外管固定ステップと、前記二重管を、前記複数の仕切り板を配置した部分を避けるように曲げることよって、前記二重管に少なくとも1つの湾曲部を形成する湾曲ステップとを含み、前記仕切り板固定ステップにて、前記複数の仕切り板のうち1つの仕切り板を前記支持部によって支持し、前記1つの仕切り板を前記可動部及び前記支持部と一緒に前記内管の内部に挿入し、かつ前記1つの仕切り板を、前記複数の配置位置のうち、前記1つの仕切り板に対応する1つの前記配置位置に位置決めするように前記可動部を移動させる位置決め作業と、前記内管をその外周から同内周に向かって加締めることによって前記内管に対して前記1つの仕切り板を固定する加締め作業と、前記支持部を前記1つの仕切り板から離脱させ、かつ前記可動部及び前記支持部を前記内管から抜き取る冶具除去作業とを含む単独仕切り板固定工程を、前記複数の仕切り板をそれぞれ前記複数の配置位置にて固定するように繰り返す。
【0009】
上記課題を解決するために、別の一態様に係る二重管組立体は、外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板とを備え、前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体であって、前記仕切り板の横断面が、前記横断面を細長く延ばした方向である縦方向に直交する横方向の両側にそれぞれ位置する2つの側腹縁を有し、各側腹縁が、前記横断面の縦方向の中央から同両端のそれぞれに向かうに従って前記横断面の横方向の長さを減少させるように形成されている。
【発明の効果】
【0010】
一態様及び別の一態様に係る二重管組立体においては、内管の内部にて内側流体を効率的に流すことができ、二重管組立体を容易に作製することができる。また、一態様に係る二重管組立体の製造方法においては、内管の内部にて内側流体を効率的に流すことができ、二重管組立体を容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る二重管組立体を含む熱交換器を、コンデンサの一部を省略した状態で模式的に示す斜視図である。
図2図2は、一実施形態に係る二重管組立体を、その一部を縦断面視した状態で概略的に示す平面図である。
図3図3は、図2のA部拡大図である。
図4図4は、図3のB−B線断面図である。
図5図5は、一実施形態に係る二重管組立体の製造方法において、冶具を用いて仕切り板を内管に位置決めする工程を、内管を縦断面視した状態で模式的に示す側面図である。
図6図6は、一実施形態に係る二重管組立体の製造方法において、加締め装置を用いて内管を加締める工程を、図3のB−B線に沿って断面視した状態で模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施形態に係る二重管組立体及びその製造方法について以下に説明する。なお、本実施形態に係る二重管組立体は、自動車等の車両の熱交換器に適用されている。しかしながら、二重管組立体は、各種産業分野にて利用される熱交換器にも適用することができる。
【0013】
「熱交換器」
最初に、図1を参照して、本実施形態に係る二重管組立体1を設けた熱交換器について説明する。熱交換器は、本実施形態に係る二重管組立体1を有している。かかる二重管組立体1は、外管12及び内管13を有する二重管11を含んでいる。
【0014】
外管12及び内管13には冷媒が流れることができるようになっている。外管12に流入する冷媒(以下、「外側流体」という)、及び内管13に流入する冷媒(以下、「内側流体」という)は、それぞれ、外管12及び内管13を通過する際に互いに熱交換される。外側流体の温度は内側流体の温度よりも高くなっており、かつ外側流体の流れ方向(図1にて矢印F1により示す)は、内側流体の流れ方向(図1にて矢印F2により示す)と実質的に反対側になっている。
【0015】
熱交換器はまた、ガス状の冷媒を圧縮可能とするように構成されるコンプレッサ2と、半液体状の冷媒の液化を促進可能とするように構成されるコンデンサ3と、乾燥剤、ストレーナ等によって冷媒の不純物を取り除くことを可能とし、かつガス状の冷媒及び液状の冷媒を分離可能とするように構成されるレシーバ4と、液状の冷媒を気化可能とするように構成されるエバポレータ5とを備えている。かかる熱交換器においては、コンプレッサ2とコンデンサ3とが第1配管6aによって流体連通し、コンデンサ3とレシーバ4とが第2配管6bによって流体連通し、二重管組立体1の外管12とレシーバ4とが第3配管6cによって流体連通し、外管12とエバポレータ5とが第4配管6dによって流体連通し、二重管組立体1の内管13とエバポレータ5とが第5配管6eによって流体連通し、内管13とコンプレッサ2とが第6配管6fによって流体連通している。
【0016】
このような熱交換器はさらに次のように構成することができる。特に図示はしないが、熱交換器は車両前部に配置される。この場合、コンデンサ3が車両の前端部に配置され、コンプレッサ2及びレシーバ4がコンデンサ3に対して車両後方に配置され、二重管組立体1がコンプレッサ2及びレシーバ4に対して車両後方に配置され、かつエバポレータ5が二重管組立体1に対して車両後方に配置されるとよい。
【0017】
特に図示はしないが、熱交換器は、車両前部のエンジンルームに配置される。二重管組立体1、コンプレッサ2、及びレシーバ4は、エンジンを避けるように配置される。特に、二重管組立体1、コンプレッサ2、及びレシーバ4は、エンジンを避けるようにエンジンルームの車両上下方向の下側領域に配置されると好ましい。
【0018】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、熱交換器は次のように構成することもできる。外側流体の温度が内側流体の温度よりも低くすることができる。この場合、二重管組立体の内管とレシーバとが配管によって流体連通し、内管とエバポレータとが配管によって流体連通し、二重管組立体の外管とエバポレータとが配管によって流体連通し、外管とコンプレッサとが配管によって流体連通することができる。さらに、外側流体の流れ方向は内側流体の流れ方向と実質的に同じにすることができる。
【0019】
「二重管組立体の概略」
図2図4を参照して、二重管組立体1の概略を説明する。図2図4に示すように、二重管組立体1において、内管13は、外管12の延在方向に沿って外管12の内部を通過するように配置される。二重管組立体1は、内管13の延在方向に沿って内管13の内部に挿入される仕切り板14を有する。
【0020】
なお、本願明細書において、「延在方向」は、二重管11、外管12、又は内管13の延びる方向として定義する。そのため、二重管11、外管12、又は内管13が湾曲しながら延びる場合、「延在方向」は、かかる二重管11、外管12、又は内管13に沿って湾曲しながら延びるように定義される。二重管11、外管12、及び内管13の延在方向は略一致しているとよい。
【0021】
図2及び図3に示すように、仕切り板14は、その細長い横断面を内管13の延在方向に沿った仕切り板14の中心軸線14aを中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されている。このような二重管組立体1は、上述のように、外管12を通過する外側流体と、内管13を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている。
【0022】
図2に示すように、二重管11は、直線状に延びる複数の直線部11aと、湾曲するように延びる少なくとも1つの湾曲部11bとを有する。また、複数の仕切り板14は、少なくとも1つの湾曲部11bを避けるように複数の直線部11aの一部又は全部にそれぞれ配置される。
【0023】
ここで、図2においては、二重管組立体1は、2つの仕切り板14を有しており、二重管11は、4つの直線部11aと、3つの湾曲部11bとを有しており、かつ2つの仕切り板14は、3つの湾曲部11bを避けるように、4つの直線部11aのうち2つの直線部11aにそれぞれ配置されている。しかしながら、仕切り板の数と、二重管の直線部及び湾曲部の数と、仕切り板を配置する二重管の直線部の数とは、これに限定されない。
【0024】
図4に示すように、仕切り板14の横断面は、この横断面を細長く延ばした方向である縦方向に直交する横方向の両側にそれぞれ位置する2つの側腹縁14b,14cを有する。各側腹縁14b,14cは、横断面の縦方向の中央から同両端のそれぞれに向かうに従って横断面の横方向の長さを減少させるように形成されている。
【0025】
各側腹縁14b,14cはまた略円弧形状に形成することができる。なお、2つの側腹縁のうち少なくとも一方を、略円弧形状以外の形状に形成することもできる。例えば、2つの側腹縁のうち少なくとも一方を、略くの字形状に形成することもできる。上述のように、このような2つの側腹縁14b,14cを有する各仕切り板14は、少なくとも1つの湾曲部11bを避けるように複数の直線部11aの一部又は全部にそれぞれ配置されると好ましいが、このような2つの側腹縁を有する仕切り板は、二重管の湾曲部に配置することも可能である。
【0026】
「二重管組立体の詳細」
図2図4を参照すると、二重管組立体1の詳細は次のように構成することができる。外管12及び内管13は略円筒形状のパイプ材を用いて作製される。さらに、外管12及び内管13は平滑管とすることができる。仕切り板14は、略帯形状の板材を用いて作製される。外管12、内管13、及び仕切り板14のそれぞれは、金属材料によって作製される。外管12、内管13、及び仕切り板14のそれぞれは、アルミニウム及びその合金、銅及びその合金、ステンレス鋼等の鋼等から選択される金属材料によって作製することができる。なお、外管12、内管13、及び仕切り板14の材料を互いに同じにすることができ、又は外管12、内管13、及び仕切り板14のうち少なくとも1つの材料を、それ以外の材料と異ならせることもできる。
【0027】
図2及び図3に示すように、外管12の内周面と内管13の外周面との間には、外側流体を通過可能とする外側空間15が形成される。内管13の内部には、内側流体を通過可能とする内側空間16が形成される。
【0028】
「二重管の詳細」
図1図3を参照すると、外管12及び内管13を有する二重管11の詳細は次のように構成することができる。図2及び図3に示すように、外管12は、内管13に当接するように外管12の外周から同内周に向かって絞られる2つの取付部12a,12bを有する。2つの取付部12a,12bは、外管12の延在方向の両端部12c,12dにそれぞれ配置することができる。各取付部12a,12bは、内管13の外周面にロウ付けすることができる。
【0029】
図1図3に示すように、外管12はまた、熱交換器の2つの配管にそれぞれ接続される2つの配管接続部12e,12fを有する。2つの配管接続部12e,12fは、外管12における2つの配管接続部12e,12f以外の部分に対して外管12の外周側に膨らむように形成することができる。
【0030】
二重管11の延在方向の一方側に位置する一方側配管接続部12eは、二重管11の延在方向の一方側に位置する一方側取付部12aに対して、二重管11の延在方向の他方側に隣接することができる。一方側配管接続部12eはまた、二重管11の延在方向の一方側に位置する外管12の一方端部12cに対して、二重管11の延在方向の他方側に隣接することができる。二重管11の延在方向の他方側に位置する他方側配管接続部12fは、二重管11の延在方向の他方側に位置する他方側取付部12bに対して、二重管11の延在方向の一方側に隣接することができる。他方側配管接続部12fはまた、二重管11の延在方向の他方側に位置する外管12の他方端部12dに対して、二重管11の延在方向の一方側に隣接することができる。
【0031】
図1に示すように、外側流体の流れ方向を内側流体の流れ方向と実質的に反対側にした二重管組立体1においては、外管12とレシーバ4とが流体連通するように、一方側配管接続部12eが第3配管6cに接続される。外管12とエバポレータ5とが流体連通するように、他方側配管接続部12fが第4配管6dに接続される。内管13とエバポレータ5とが流体連通するように、内管13の延在方向の一方端部13aが第6配管6fに接続される。内管13とコンプレッサ2とが流体連通するように、内管13の延在方向の他方端部13bが第5配管6eに接続される。
【0032】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、二重管組立体の接続は、次のようになっていてもよい。外側流体の流れ方向を内側流体の流れ方向と実質的に同じにする場合、外管とレシーバとが流体連通するように、外管の他方側配管接続部が第3の配管6cに接続される。内管とコンプレッサとが流体連通するように、内管の他方端部が第6配管6fに接続される。外管とエバポレータとが流体連通するように、外管の一方側配管接続部が第4の配管6dに接続される。内管とエバポレータとが流体連通するように、内管の一方端部が第5配管6eに接続される。
【0033】
図2に示すように、内管13の両端部13a,13bは、外管12の両端部12c,12dに対して二重管11の延在方向の外側に位置する。すなわち、内管13の一方端部13aは、外管12の一方端部12cに対して二重管11の延在方向の一方側に位置する。内管13の他方端部13bは、外管12の他方端部12dに対して二重管11の延在方向の他方側に位置する。
【0034】
図2図4に示すように、内管13は、その内周面から突出し、かつ内管13の延在方向に互いに間隔を空けて配置される複数の加締め部13cを有する。仕切り板14は、加締め部13cによって内管13に対して固定される。加締め部13cは、仕切り板14の延在方向の端部14d,14eに対応するように配置することができる。図4に示すように、各加締め部13cは、内管13の周方向に互いに間隔を空けて位置する複数の加締め突起13dを有する。特に、各加締め部13cは、3つ以上の加締め突起13dを有すると好ましい。しかしながら、複数の加締め部のうち少なくとも1つにおける加締め突起を、内管の周方向の全体にて延びるように形成することもできる。
【0035】
図2において、内管13は、4つの加締め部13cを有しており、4つの加締め部13cは、2つの仕切り板14の両端部14d,14eにそれぞれ対応するように配置される。しかしながら、加締め部の数と、加締め部の配置位置とはこれに限定されない。さらに、図2に示すように、内管13の各加締め部13cは、外管12の各取付部12a,12bに対して二重管11の延在方向にズレて配置されている。
【0036】
「仕切り板の詳細」
図2図4を参照すると、仕切り板14の詳細は次のように構成することができる。複数の仕切り板14における延在方向の長さは、互いに略等しくすることができ、又は複数の仕切り板14のうち少なくとも1つにおける延在方向の長さは、それ以外の長さと異なるようにすることができる。仕切り板14の2つの側腹縁14b,14cは、内管13の内周面と間隔を空けて配置される。
【0037】
なお、図2においては、二重管11の延在方向の一方側に位置する一方側の仕切り板14と、二重管11の延在方向の他方側に位置する他方側の仕切り板14とが示されていて、一方側の仕切り板14における延在方向の長さが他方側の仕切り板14における延在方向の長さよりも短くなっている。しかしながら、仕切り板の延在方向の長さはこれに限定されない。
【0038】
捩れ形状の仕切り板14には、横断面の自転の周回数に対応した数の区画が内管13の延在方向に並んで形成される。仕切り板14の複数の区画は、隣接する区画の間隔を一定とするように並んでいるとよい。しかしながら、仕切り板の複数の区画は、隣接する区画の間隔を変化させるように並べることもできる。
【0039】
[熱交換器の動作]
図1図4を参照して、本実施形態に係る二重管組立体1を設けた熱交換器の動作について説明する。図1に示すように、コンプレッサ2によってガス状の冷媒が圧縮され、かかる冷媒が、半液体かつ高圧高温の状態にてコンプレッサ2から第1配管6aを通ってコンデンサ3に送られる。コンデンサ3において、半液体状の冷媒の液化が促進され、かかる冷媒が、コンデンサ3から第2配管6bを通ってレシーバ4に送られる。レシーバ4において、乾燥剤、ストレーナ等によって冷媒の不純物が取り除かれると共に、ガス状の冷媒と液状の冷媒とが分離され、分離された液状の冷媒が、レシーバ4からエバポレータ5に送られる。
【0040】
レシーバ4からエバポレータ5に向かう冷媒は、第3配管6c、二重管組立体1の外管12、第4配管6dの順に通過する。エバポレータ5において、液状の冷媒が、気化すると共に低圧低温の状態となり、かかる冷媒が、エバポレータ5を冷却し、その後、エバポレータ5からコンプレッサ2に再び送られる。エバポレータ5からコンプレッサ2に向かう冷媒は、第5配管6e、二重管組立体1の内管13、第6配管6fの順に通過する。コンプレッサ2に送られた冷媒は、コンプレッサ2によって再び圧縮される。熱交換器においては、このような一連の動作が繰り返される。
【0041】
図2図4に示すように、また、熱交換器の動作において、二重管組立体1の外管12に流入する冷媒、すなわち、外側流体は、外管12の内周面及び内管13の外周面間の外側空間15を延在方向に沿って流れる。二重管組立体1の内管13の内部である内側空間16に流入する冷媒、すなわち、内側流体は、仕切り板14の側腹縁14b,14cに倣って捩れるように流れ、このとき、内側流体の流れは乱流となる。このように流れる外側流体及び内側流体間で熱交換が成されることとなる。
【0042】
「二重管組立体の製造方法」
図2図6を参照して、本実施形態に係る二重管組立体1の製造方法の一例について説明する。最初に、二重管組立体1の製造方法の一例にて用いられる加締め装置100について説明する。図5及び図6に示すように、加締め装置100は、内管13に加締め部13cを形成するように構成されている。図6に示すように、加締め装置100は、加締め部13cの加締め突起13dを形成するように、内管13の外周面に押し付けられる金型101を有する。
【0043】
次に、二重管組立体1の製造方法の一例にて用いられる冶具200について説明する。図5に示すように、冶具200は、略直線状に延びる内管13に沿って延びるように細長形状に形成された可動部201を有する。冶具200はまた、可動部201の延在方向の先端に位置する支持部202を有する。支持部202は、仕切り板14の延在方向の一方又は他方端部14d,14eを離脱可能に支持するように構成される。特に、支持部202は、仕切り板14の延在方向の一方又は他方端部14d,14eを離脱可能に掴むように構成することができる。しかしながら、支持部は、仕切り板の延在方向の一方又は他方端部に当接するように構成することもできる。
【0044】
冶具200は、可動部201を略直線状に延びる内管13に沿って移動可能に支持するように構成されるベース部203を有する。冶具200は、ベース部203と加締め装置100との距離Dを調節可能とするようにベース部203を支持する調節部204を有する。
【0045】
図2図5、及び図6を参照して、このような加締め装置100及び冶具200を用いた二重管組立体1の製造方法の一例を説明する。略帯形状の板材を捩ることによって捩り形状の仕切り板14を作製する(仕切り板作製ステップ)。図5及び図6に示すように、内管13が略直線状に延びた状態で、可動部201及び支持部202を有する冶具200を用いて、複数の仕切り板14を、内管13の延在方向に互いに間隔を空けた複数の配置位置にて内管13に対してそれぞれ固定する(仕切り板固定ステップ)。外管12が直線状に延びた状態で、内管13の延在方向を外管12の延在方向に沿わせながら、内管13を外管12の一方又は他方端部12c,12dから外管12の内部に挿入し、かつ内管13に対して外管12を固定する(外管固定ステップ)。図2に示すように、二重管11を、複数の仕切り板14を配置した部分を避けるように曲げることよって、二重管11に少なくとも1つの湾曲部11bを形成する(湾曲ステップ)。
【0046】
さらに図5及び図6を参照すると、仕切り板固定ステップにおいては、次のような単独仕切り板固定工程を、複数の仕切り板14をそれぞれ複数の配置位置の一部又は全部にて固定するように繰り返す。図5に示すように、複数の仕切り板14のうち1つの仕切り板14を支持部202よって支持し、1つの仕切り板14の延在方向を内管13の延在方向に沿わせながら、1つの仕切り板14を可動部201及び支持部202と一緒に、内管13の一方又は他方端部13a,13bから内管13の内部に挿入し、かつ1つの仕切り板14を、複数の配置位置のうち、この1つの仕切り板14に対応する1つの配置位置に位置決めするように可動部201を移動させる(位置決め作業)。図6に示すように、加締め装置100を用いて、内管13をその外周から同内周に向かって加締め、これによって、内管13に対して1つの仕切り板14を固定する(加締め作業)。支持部202を1つの仕切り板14から離脱させ、かつ可動部201及び支持部202を内管13から抜き去る(冶具除去作業)。
【0047】
単独仕切り板固定工程は、このような位置決め作業、加締め作業、及び冶具除去作業を含む。なお、各単独仕切り板固定工程においては、冶具200の調節部204によって、1つの仕切り板14の配置位置に合わせてベース部203と加締め装置100との距離Dを調節する。
【0048】
さらに図5に示すように、仕切り板固定ステップにおいては、単独仕切り板固定工程を、複数の仕切り板14を内管13の延在方向の一方端部13aから同他方端部13bに向かう方向に順に固定するように繰り返す。かかる単独仕切り板固定工程の位置決め作業1では、支持部202が1つの仕切り板14の他方端部14eを支持した状態で、1つの仕切り板14を可動部201及び支持部202と一緒に内管13の他方端部13bから内管13の内部に挿入する。
【0049】
このとき、内管13の他方端部13bを治具200のベース部203に当接させ、これによって、冶具200を加締め装置100に対して位置決めすることができる。距離Dは、加締め装置100の中心軸線100aと、治具200のベース部203における内管13との当接部203aとの間にて定義することができる。なお、位置決め作業においては、支持部により支持された1つの仕切り板の端部とは反対側に位置する1つの仕切り板の端部に、ストッパを当接させ、これによって、1つの仕切り板を1つの配置位置に位置決めすることもできる。
【0050】
しかしながら、仕切り板固定ステップにおいて、単独仕切り板固定工程を、複数の仕切り板を内管の延在方向一方端部及び他方端部間に位置する基準位置から内管の一方端部及び他方端部のそれぞれに向かう方向に順に固定するように繰り返すこともできる。この場合、単独仕切り板固定工程の位置決め作業では、支持部が1つの仕切り板の一方端部を支持した状態で、内管の基準位置に対して内管の一方端部寄りに位置する一方端部側の1つの仕切り板を可動部及び支持部と一緒に内管の一方端部か記内管の内部に挿入する一方で、支持部が1つの仕切り板の他方端部を支持した状態で、内管の基準位置に対して内管の他方端部寄りに位置する他方端部側の1つの仕切り板を可動部及び支持部と一緒に内管の他方端部から内管の内部に挿入する。
【0051】
以上、本実施形態に係る二重管組立体1においては、外管12及び内管13を有する二重管11が、直線状に延びる複数の直線部11aと、湾曲するように延びる少なくとも1つの湾曲部11bとを有し、複数の捩れ形状の仕切り板14が、少なくとも1つの湾曲部11bを避けるように複数の直線部11aの一部又は全部にそれぞれ配置されている。また、本実施形態に係る製造方法においては、このような二重管組立体1が作製される。
【0052】
そのため、複数の仕切り板14が湾曲部11bに配置されないので、外管12及び内管13を有する二重管11の湾曲部11bの剛性を、かかる湾曲部11bを容易に形成できるように抑えることができる。その結果、二重管組立体1を容易に作製することができる。また、仕切り板14は、湾曲部を形成するように曲げ加工されないので、仕切り板14の形状精度を高めることができる。その結果、このような仕切り板14によって、内管13の内部にて内側流体を効率的に流すことができる。
【0053】
本実施形態に係る二重管組立体1においては、仕切り板14の横断面の各側腹縁14b,14cが、この横断面の縦方向の中央から同両端のそれぞれに向かうに従って横断面の横方向の長さを減少させるように形成されている。このように形成された2つの側腹縁14b,14cを有する仕切り板14においては、その作製時に、仕切り板14の横断面における縦方向の端にバリが発生することを防止できる。特に、円弧形状に形成された2つの側腹縁14b,14cを有する仕切り板14においては、その作製時に、仕切り板14の横断面における縦方向の端にバリが発生することを効率的に防止できる。その結果、仕切り板14の形状精度を高めることができる。このように高い形状精度を有する仕切り板14によって、内管13の内部にて内側流体を効率的に流すことができる。さらには、仕切り板14を内管13の内部に挿入するときに、仕切り板14のバリによって内管13が傷付くことを容易に防止できる。その結果、二重管組立体1を容易に作製することができる。
【0054】
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
【符号の説明】
【0055】
1…二重管組立体、11…二重管、11a…直線部、11b…湾曲部、12…外管、13…内管、13a…一方端部、13b…他方端部、14…仕切り板、14a…中心軸線、14b,14c…側腹縁
200…冶具、201…可動部、202…支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2020年10月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、
前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板と
を備え、
前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、
前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体であって、
前記二重管が、直線状に延びる複数の直線部と、湾曲するように延びる少なくとも1つの湾曲部とを有し、
複数の前記仕切り板が、前記少なくとも1つの湾曲部を避けるように前記複数の直線部の一部又は全部にそれぞれ配置されており、
前記仕切り板の横断面が、前記横断面を細長く延ばした方向である縦方向に直交する横方向の両側にそれぞれ位置する2つの側腹縁を有し、
各側腹縁が、前記横断面の縦方向の中央から同両端のそれぞれに向かうに従って前記横断面の横方向の長さを減少させるように形成されている、二重管組立体。
【請求項2】
各側腹縁が円弧形状に形成されている、請求項に記載の二重管組立体。
【請求項3】
外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、
前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板と
を備え、
前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、
前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体の製造方法であって、
前記内管が直線状に延びた状態で、前記内管の延在方向に移動可能な細長形状の可動部、及び前記可動部の延在方向の先端部に位置すると共に前記仕切り板を離脱可能に支持する支持部を有する冶具を用いて、複数の前記仕切り板を、前記内管の延在方向に互いに間隔を空けた複数の配置位置にて前記内管に対してそれぞれ固定する仕切り板固定ステップと、
前記外管が直線状に延びた状態で、前記外管に前記内管を挿入し、かつ前記内管に対して前記外管を固定する外管固定ステップと、
前記二重管を、前記複数の仕切り板を配置した部分を避けるように曲げることよって、前記二重管に少なくとも1つの湾曲部を形成する湾曲ステップと
を含み、
前記仕切り板固定ステップにて、
前記複数の仕切り板のうち1つの仕切り板を前記支持部によって支持し、前記1つの仕切り板を前記可動部及び前記支持部と一緒に前記内管の内部に挿入し、かつ前記1つの仕切り板を、前記複数の配置位置のうち、前記1つの仕切り板に対応する1つの前記配置位置に位置決めするように前記可動部を移動させる位置決め作業と、
前記内管をその外周から同内周に向かって加締めることによって前記内管に対して前記1つの仕切り板を固定する加締め作業と、
前記支持部を前記1つの仕切り板から離脱させ、かつ前記可動部及び前記支持部を前記内管から抜き取る冶具除去作業と
を含む単独仕切り板固定工程を、前記複数の仕切り板をそれぞれ前記複数の配置位置にて固定するように繰り返す二重管組立体の製造方法。
【請求項4】
前記仕切り板固定ステップにて、前記単独仕切り板固定工程を、前記複数の仕切り板を前記内管の延在方向の一方端部から同他方端部に向かう方向に順に固定するように繰り返し、
前記単独仕切り板固定工程の位置決め作業では、前記1つの仕切り板を前記可動部及び前記支持部と一緒に前記内管の他方端部から前記内管の内部に挿入する請求項に記載の二重管組立体の製造方法。
【請求項5】
外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、
前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板と
を備え、
前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、
前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体であって、
前記仕切り板の横断面が、前記横断面を細長く延ばした方向である縦方向に直交する横方向の両側にそれぞれ位置する2つの側腹縁を有し、
各側腹縁が、前記横断面の縦方向の中央から同両端のそれぞれに向かうに従って前記横断面の横方向の長さを減少させるように形成されている、二重管組立体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、一態様に係る二重管組立体は、外管、及び前記外管の延在方向に沿って前記外管の内部を通過する内管を有する二重管と、前記内管の延在方向に沿って前記内管の内部に挿入される仕切り板とを含み、前記仕切り板が、その細長い横断面を前記内管の延在方向に沿った前記仕切り板の中心軸線を中心に自転させながら延ばすように捩れ形状に形成されており、前記外管を通過する外側流体と前記内管を通過する内側流体との間にて熱交換ができるように構成されている、二重管組立体であって、前記二重管が、直線状に延びる複数の直線部と、湾曲するように延びる少なくとも1つの湾曲部とを有し、複数の前記仕切り板が、前記少なくとも1つの湾曲部を避けるように前記複数の直線部の一部又は全部にそれぞれ配置されており、前記仕切り板の横断面が、前記横断面を細長く延ばした方向である縦方向に直交する横方向の両側にそれぞれ位置する2つの側腹縁を有し、各側腹縁が、前記横断面の縦方向の中央から同両端のそれぞれに向かうに従って前記横断面の横方向の長さを減少させるように形成されている