(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-22338(P2021-22338A)
(43)【公開日】2021年2月18日
(54)【発明の名称】健康管理情報記録装置、健康管理情報記録方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20210122BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-140236(P2019-140236)
(22)【出願日】2019年7月30日
(71)【出願人】
【識別番号】519277690
【氏名又は名称】PTラクーン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100175064
【弁理士】
【氏名又は名称】相澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】岡本 亮爾
(72)【発明者】
【氏名】高橋 豊子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】患者の健康管理情報を容易に外部に出力することが可能な健康管理情報記録装置、健康管理情報記録方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】健康管理情報記録装置100は、患者の身体や生活の状態を示す計測データと、前記計測データの取得日時と、を含む健康管理情報を入力するデータ入力部101と、複数の前記健康管理情報を記憶するデータ記憶部102と、所定期間の前記健康管理情報を抽出し、抽出した前記健康管理情報を含むコードを生成するコード生成部103と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体や生活の状態を示す計測データと、前記計測データの取得日時と、を含む健康管理情報を入力するデータ入力部と、
複数の前記健康管理情報を記憶するデータ記憶部と、
所定期間の前記健康管理情報を抽出し、抽出した前記健康管理情報を含むコードを生成するコード生成部と、を有する
健康管理情報記録装置。
【請求項2】
コンピュータが、
患者の身体や生活の状態を示す計測データと、前記計測データの取得日時と、を含む健康管理情報を入力するデータ入力ステップと、
所定期間の前記健康管理情報を含むコードを生成するコード生成ステップと、を有する
健康管理情報記録方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理情報記録装置、健康管理情報記録方法及びプログラムに関し、特に患者の身体情報の計測データを医師等に簡便に提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の健康管理等を目的に、患者の身体や生活の状態を示す情報(以下、健康管理情報という)を日々記録するための用紙、手帳、アプリケーションプログラム等のツールが種々提供されている。例えば、血圧や脈拍の計測値を計測日時とともに日々記録する血圧手帳をはじめ、体重、体脂肪、食事や運動の内容等の情報を記録させるツールが存在する。患者は、これらのツールを使って自己の身体や生活の状態を記録し、その記録を医師等に見せることで、健康状態の改善等のための的確なアドバイスを受けることが可能となる。
【0003】
従来、身体や生活の状態に関する記録は、手書きされたノートの共有、電子的に入力されたデータの画面表示、及びオンラインデータベースへのアクセス権の付与等の手段によって患者から医師等に提供されてきた。例えば特許文献1には、計測日時と関連付けられた血圧計測結果を、所望の形式で表示することができる血圧測定システムが記載されている。また、特許文献2には、計測機器等が出力した身体計測データを入力して蓄積し、目的に応じた最終データに加工して出力するシステムが記載されている。身体計測データの入出力方法としては、紙やディスプレイなどに出力された文字データをスキャナやカメラによって読み取る方法、バーコードや2次元コードなどに出力された文字データをスキャナやカメラを用いて読み取る方法などが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−172096号公報
【特許文献2】特開2016−110181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示されているような、身体計測データをバーコードや2次元コードなど(以下、単にコードという)に変換して受け渡す手法は、導入コストの低さや運用の容易さの点で大きなメリットを有する。しかしながら、特許文献2は具体的なコードの生成方法を開示していない。また、特許文献2のコードは、1回の身体計測データをエンコードしたものである。よって、身体計測データを幾度にもわたって取得し蓄積するためのシステムがなければ、患者の健康管理に有用なデータ(所定期間における計測値の推移など)を得ることができない。また、患者側も、幾度にもわたってコードを生成しデータを入力する手間が必要である。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、患者の健康管理情報を容易に外部に出力することが可能な健康管理情報記録装置、健康管理情報記録方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態にかかる健康管理情報記録装置は、患者の身体や生活の状態を示す計測データと、前記計測データの取得日時と、を含む健康管理情報を入力するデータ入力部と、複数の前記健康管理情報を記憶するデータ記憶部と、所定期間の前記健康管理情報を抽出し、抽出した前記健康管理情報を含むコードを生成するコード生成部と、を有する。
本発明の一実施形態にかかる健康管理情報記録方法は、コンピュータが、患者の身体や生活の状態を示す計測データと、前記計測データの取得日時と、を含む健康管理情報を入力するデータ入力ステップと、所定期間の前記健康管理情報を含むコードを生成するコード生成ステップと、を有する。
本発明の一実施形態にかかるプログラムは、上記方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、患者の健康管理情報を容易に外部に出力することが可能な健康管理情報記録装置、健康管理情報記録方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】健康管理情報記録装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】健康管理情報記録装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】データ入力部101が提供する血圧の計測データの入力画面の一例である。
【
図4】データ記憶部102が備えるテーブルの一例である。
【
図5】健康管理情報の抽出期間を指定するためにコード生成部103が提供する画面の一例である。
【
図6】コード生成部103が生成する健康管理情報のテキストデータの一例である。
【
図7】コード生成部103が画面表示するコードの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる健康管理情報記録装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。健康管理情報記録装置100は、典型的にはタブレット、スマートフォン等の汎用の端末装置上で、専用アプリケーション(装置にインストールされて動作するネイティブアプリケーション、ネットワーク上のリソースを利用して主にウェブブラウザ上で動作するウェブアプリケーション等を含む)を動作させることで実現される。
【0011】
健康管理情報記録装置100は、CPU11、揮発性メモリ13、不揮発性メモリ14、入出力装置15、バス16を有する。
【0012】
CPU11(Central Processing Unit)は、不揮発性メモリ14に格納されたプログラム(オペレーティングシステム及び専用アプリケーションを含む)をバス16を介して読み出し、プログラムに従った情報処理を実行することにより、健康管理情報記録装置100特有の機能を実現する。
【0013】
不揮発性メモリ14は、健康管理情報記録装置100の電源の状態にかかわらず記憶状態が保持される記憶装置であり、例えばハードディスクやSSD等である。一般に、不揮発性メモリ14に記憶されているプログラムやデータは、プログラム実行時にバス16を介して揮発性メモリ13に展開される。
【0014】
揮発性メモリ13は、不揮発性メモリ14から展開されたプログラムやデータ、一時的な計算データ、入出力装置15を介して入力又は出力されるデータ等が格納される記憶装置である。
【0015】
入出力装置15はディスプレイやプリンタ等を含むデータ出力装置、タッチパネル、キーボード及びポインティングデバイス等を含むデータ入力装置、外部との通信を制御する通信インタフェース等を含む。健康管理情報記録装置100がタブレットやスマートフォンである場合、入出力装置15は、典型的にはディスプレイとタッチパネルが一体化されたタッチパネル式ディスプレイである。この場合、CPU11から出力された表示データはバス16を介してディスプレイに表示され、タッチパネルから入力されたデータはバス16を介してCPU11に渡される。通信インタフェースはCPU11が出力する送信データをバス16を介して取得し外部に送信し、受信した受信データをバス16を介してCPU11に引き渡す。
【0016】
図2は、健康管理情報記録装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。健康管理情報記録装置100は、データ入力部101、データ記憶部102、コード生成部103を有する。
【0017】
データ入力部101は、患者の身体や生活の状態を示す健康管理情報を入力するための機能を提供する。健康管理情報には、例えば血圧、脈拍、体温又は体脂肪率等の計測データが含まれる。
【0018】
図3は、データ入力部101が提供する血圧の計測データの入力画面の一例である。入力画面1010は、計測値を入力するための計測データ入力部1011、計測日時を入力するための計測日時設定部1012、計測値と計測日時とをデータ記憶部102似登録するための登録部1013を有している。
【0019】
入力画面1010の典型的な動作について説明する。ユーザが計測データ入力部1011又は計測日時設定部1012を選択すると、テンキー等の入力インタフェースが表示される。ユーザはテンキー等を使用して血圧の計測値及び計測日時を入力する。なお、計測日時は、現在の日付及び時刻が既定値として自動的に設定されても良い。登録部1013を選択すると、血圧の計測値と計測日時とが対応付けられてデータ記憶部102に格納される。
【0020】
又は、データ入力部101は、公知の健康管理情報の計測装置(例えば血圧計、体重計、体組成計、脈拍計等を含む)が通信手段(例えばBluetooth(登録商標)等の無線通信又は有線通信によるものを含む)を介して出力する計測データを受信し、計測データ入力部1011に設定しても良い。あるいは、計測装置が表示する計測データをカメラ等により認識した文字データを、計測データ入力部1011に設定しても良い。
【0021】
データ記憶部102は、健康管理情報を記憶するデータベースである。
図4は、データ記憶部102が備えるテーブルの一例である。このテーブルは、血圧の計測値と計測日時とを対応付けて格納する。
【0022】
コード生成部103は、健康管理情報をバーコードや2次元コード等のコードに変換して、入出力装置15のディスプレイにコードを表示させる。一例として、
図4に示すような血圧の計測値と計測日時とを対応付けた健康管理情報をコードに変換する場合の処理を以下に示す。
【0023】
コード生成部103は、データ記憶部102に格納されている健康管理情報のうち、所定の期間内に生成された健康管理情報を抽出する。典型的には、コード生成部103は、今月、先月、又はユーザ(患者)が指定した月の健康管理情報を抽出する。従来の手書きの血圧手帳は、月ごとに計測値を記録する形式のものが多いから、この形式は従来の血圧手帳を利用していた患者に馴染みやすい。又は、コード生成部103は、前回のコード出力時以降に生成された健康管理情報を抽出しても良い。この形式は、例えば患者が定期的に通院して医師等に計測値を提供するようなケースに馴染みやすい。あるいは、コード生成部103は、ユーザが指定した任意の期間内に生成された健康管理情報を抽出しても良い。
図5は、健康管理情報の抽出期間を指定するためにコード生成部103がユーザに提供する画面の一例である。
【0024】
コード生成部103は、抽出した健康管理情報をテキストデータに変換する。例えば、
図4に示す健康管理情報は、
図6に示すようにカンマ区切り形式のテキストデータに変換できる。なお、この変換方法は一例にすぎず、計測値と計測日時とを対応付けた複数のデータセットを表現でき、かつコード化できる形式のものであれば、変換後のデータはいかなる形式であっても構わない。
【0025】
コード生成部103は、テキストデータに変換された健康管理情報を、コードに変換する。テキストデータからのコードの生成方法については公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。コード生成部103は、生成したコードをディスプレイに表示する。
図7は、コード生成部103が画面表示するコードの一例を示す図である。
【0026】
医師等は、患者の健康管理情報記録装置100に表示されたコードを公知のコードリーダで読み取ることにより、所定期間の患者の健康管理情報を一度に取得することができる。取得した健康管理情報は、例えば公知の電子カルテシステムが取り込んでもよく、又は特許文献1に示されているようなシステムが取り込んで、所定の期間における血圧等の計測値の推移をグラフィカルに表示しても良い。
【0027】
本実施の形態によれば、健康管理情報記録装置100は、複数の健康管理情報を蓄積し、所定期間における健康管理情報を抽出してコード化する。これにより、患者の健康管理に有用なデータ(所定期間における計測値の推移など)を得るために必要な情報を、少ない手間で簡便に医師等に提供することが可能である。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、処理の主体、順序、アルゴリズム、扱うデータの内容及び構造等を適宜変更することができる。また、任意の構成要素を追加又は省略しても良い。
【0029】
また、本発明の情報処理はハードウェアにより実現されても良く、CPUがコンピュータプログラムを実行することにより実現されても良い。コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)又は一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によりコンピュータに供給され得る。
【符号の説明】
【0030】
100 健康管理情報記録装置
101 データ入力部
102 データ記憶部
103 コード生成部
11 CPU
13 揮発性メモリ
14 不揮発性メモリ
15 入出力装置
16 バス