【解決手段】 対象物3を洗浄する洗浄機10であって、第1側面と第2側面を有する洗浄室19であって、洗浄軸21を有し、洗浄ノズル15が配置され、第1側面に配置される第1クランプ装置51と、第2側面に配置される第2クランプ装置151と、を有する洗浄ステーション97と、乾燥軸121を有し、乾燥ノズル85bが配置され、第1側面に配置される第2クランプ装置151と、第2側面に配置される第1クランプ装置51と、を有する乾燥ステーション95と、を有する洗浄室19と、180度回転対称に配置された2つの領域を有し、一方を洗浄ステーション97に、他方を乾燥ステーション95に割り出す旋回テーブル87と、を有する洗浄機。
旋回テーブルは、前記2つの領域のそれぞれに形成される通過口であって、前記2つの領域が洗浄ステーション及び乾燥ステーションに割り出されたときに、前記リフトテーブルの上方に位置する通過口を更に有する、
請求項1又は2に記載の洗浄機。
前記第1クランプ装置は、前記洗浄軸又は乾燥軸に沿って前記洗浄室に配置される中空の第1ガイドブッシュであって、前記第1スライドシャフトを内部で摺動可能な第1ガイドブッシュを更に有し、
前記第2クランプ装置は、前記洗浄軸又は乾燥軸に沿って前記洗浄室に配置される中空の第2ガイドブッシュであって、前記第2スライドシャフトを内部で摺動可能な第2ガイドブッシュを更に有する、
請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
クランクシャフト等の軸方向に延びる対象物を洗浄テーブル上に設置し、洗浄テーブルと一体として回転すると、洗浄テーブルを回転するときにノズルが退避する必要がある。また、エアブロノズルを対象物に近接させにくい。
【0004】
本発明は、軸方向に延びる対象物を中心軸上でクランプし、端部及び軸部を洗浄でき、短時間に洗浄と乾燥を行う洗浄機及び洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点は、対象物を洗浄する洗浄機であって、
第1側面と前記第1側面に対向する第2側面を有する洗浄室であって、
洗浄軸を有し、洗浄ノズルが配置される洗浄ステーションであって、前記第1側面に配置される第1クランプ装置と、前記第2側面に配置される第2クランプ装置と、を有する洗浄ステーションと、
乾燥軸を有し、乾燥ノズルが配置される乾燥ステーションであって、前記第1側面に配置される前記第2クランプ装置と、前記第2側面に配置される前記第1クランプ装置と、を有する乾燥ステーションと、
を有する洗浄室と、
180度回転対称に配置された2つの領域を有する旋回テーブルであって、前記2つの領域のうちの一方を前記洗浄ステーションに、他方を前記乾燥ステーションに割り出す旋回テーブルと、
前記2つの領域のそれぞれに配置され、ジャーナル受けを有する洗浄テーブルと、
を有し、
前記洗浄ステーションと前記乾燥ステーションの各々は、リフトテーブルを有するリフタであって、前記リフトテーブルが上昇して前記洗浄テーブルを支持する洗浄位置と、前記洗浄テーブルを前記旋回テーブルに載置し、前記旋回テーブルの下方に前記リフトテーブルを退避させる退避位置に昇降するリフタを有し、
前記第1クランプ装置は、
前記洗浄軸又は前記乾燥軸に沿って往復する第1スライドシャフトと、
前記第1スライドシャフト内に前記洗浄軸又は前記乾燥軸を中心に回転可能に支持され、前記対象物に当接する第1クランプシャフトと、
前記第1スライドシャフトを往復させる第1クランプ駆動装置と、
前記第1クランプシャフトを回転するモータと、を有し、
前記第2クランプ装置は、
前記洗浄軸又は前記乾燥軸に沿って往復する第2スライドシャフトと、
前記第2スライドシャフト内に前記洗浄軸又は前記乾燥軸を中心に回転可能に支持され、前記対象物に当接する第2クランプシャフトと、
前記第2スライドシャフトを往復させる第2クランプ駆動装置と、を有する
洗浄機である。
【0006】
本発明の第2の観点は、軸方向に延びる対象物の洗浄方法であって、
前記対象物を前記洗浄テーブルに搬入し、
リフタが下降して、前記洗浄テーブルを旋回テーブルに載置し、
前記旋回テーブルを旋回し、前記対象物を乾燥ステーションから洗浄ステーションへ搬送し、
前記対象物の中心軸が前記洗浄ステーションの洗浄軸に一致するように、リフタが洗浄テーブルを洗浄位置に移動し、
前記対象物の端部を洗浄し、
洗浄室の第1側面から延びる第1クランプシャフトを前記対象物の第1端に当接させ、前記第1側面に対向する前記洗浄室の第2側面から延びる第2クランプシャフトを前記対象物の第2端に当接させることにより、前記対象物をクランプし、
前記リフタが下降して、前記洗浄テーブルを旋回テーブルに載置し、
前記対象物、前記第1クランプシャフト及び前記第2クランプシャフトを一体として回転させ、前記対象物の外周面を洗浄し、
前記リフタが前記洗浄テーブルを前記洗浄位置に移動し、
前記第1クランプシャフトを前記対象物の前記第1端から離間し、前記第2クランプシャフトを前記対象物の前記第2端から離間することにより、前記対象物をアンクランプし、
前記リフタが下降して、前記洗浄テーブルを前記旋回テーブルに載置し、
前記旋回テーブルを旋回し、前記対象物を前記洗浄ステーションから前記乾燥ステーションへ搬送し、
前記対象物の前記中心軸が前記乾燥ステーションの乾燥軸に一致するように、前記リフタが前記洗浄テーブルを乾燥位置に移動し、
前記洗浄室の前記第2側面から延びる第1クランプシャフトを前記対象物の第1端に当接させ、前記洗浄室の前記第1側面から延びる第2クランプシャフトを前記対象物の前記第2端に当接させることにより、前記対象物をクランプし、
前記リフタが前記洗浄テーブルを下降して旋回テーブルに載せ、
前記対象物、前記第1クランプシャフト及び前記第2クランプシャフトを一体として回転させ、前記対象物の外周面を乾燥し、
前記リフタが前記洗浄テーブルを前記乾燥位置に移動し、
前記第1クランプシャフトを前記対象物の前記第1端から離間し、前記第2クランプシャフトを前記対象物の前記第2端から離間することにより、前記対象物をアンクランプし、
前記洗浄テーブルから乾燥後の前記対象物を搬出する
洗浄方法である。
【0007】
洗浄は、高圧ジェットによるバリ取りを含む。
挿入部と受容部とは、例えば、1組のカップリング、円筒ピンと円筒ピンが挿入される円筒穴である。好ましくは円筒ピンの先端は円錐部を有する。円筒ピンに代えてダイヤピンとして良い。好ましくは、挿入部と受容部は、距離的に離れて2つずつ洗浄テーブルとリフタに配置される。
【0008】
ガイド溝がガイドに沿って移動することで、洗浄テーブルが洗浄位置又は乾燥位置に移動したときに、洗浄テーブルの水平方向における位置がずれることを抑制できる。洗浄テーブルが移動する距離のうち、下端から途中の高さまでガイドが配置されて良い。ガイド溝がガイドに制限されることで、旋回テーブルが旋回したときに、洗浄テーブルが旋回テーブルから脱落することを抑制できる。
ガイド溝に代えて、例えば、ガイド穴、ガイドブロックを用いてもよい。ガイドブロックがガイド上を上下方向に移動し、洗浄テーブルが正確に洗浄位置に上昇できる場合、挿入部と受容部は省いても良い。
通過口は、望ましくは、旋回軸から見て外側に開口する。
【0009】
洗浄機は、旋回テーブルに上下方向に延びて配置されたガイドと、洗浄テーブルに配置されたガイドの水平断面形状よりも若干大きいガイド溝と、を有しても良い。
第2挿入部と第2受容部は位置決め部材であり、例えば、円筒ピンと、円筒ピンが挿入される円筒穴である。好ましくは、円筒ピンの先端は円錐部を有する。円筒穴は、円筒ピンに嵌合してよい。円筒ピンに代えて、ダイヤピンとしても良い。
【0010】
リフタが上下するときに、リフトテーブルは、旋回テーブルの通過口を通り抜ける。リフタが上昇するときに、リフトテーブルは旋回テーブルの下方から上方へ通過し、リフトテーブルは洗浄テーブルを載置して、洗浄テーブルを洗浄位置又は乾燥位置まで持ち上げる。リフタが下降するときに、リフトテーブルは洗浄テーブルを旋回テーブルに載置して、旋回テーブルの下方へ退避する。
リフトシリンダは、例えば、エアシリンダ、電動シリンダである。
【0011】
第1クランプ駆動装置および第2クランプ駆動装置は、例えば、エアシリンダ、電動シリンダである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の洗浄機及び洗浄方法によれば、軸方向に延びる対象物を中心軸上でクランプし、端部及び軸部を洗浄でき、短時間に洗浄と乾燥を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示すように、洗浄機10は、洗浄室19、隔壁93、中間シャッタ94、旋回テーブル87、洗浄テーブル31、クランプ装置(第1クランプ装置)51、クランプ装置(第2クランプ装置)151、リフタ71、移動装置14、ノズル15、エアブロ装置85及び制御装置25を有する。洗浄機10は、タレット13、ポンプ18及び空気源83を有しても良い。
【0015】
洗浄室19は、例えば、箱型である。洗浄室19は、前方に乾燥ステーション95を有し、後方に洗浄ステーション97を有する。ノズル15及び移動装置14は、洗浄ステーション97に配置される。
【0016】
旋回テーブル87は、洗浄ステーション97と乾燥ステーション95にわたって配置される。旋回テーブル87は2つの領域87a、87b、及び可動壁88を有する。可動壁88は、旋回テーブル87を2つの領域87a、87bに区画する。旋回テーブル87は、旋回軸36を中心に180度旋回する。旋回軸36は、洗浄ステーション97と乾燥ステーション95の境界上で、上下方向(Z軸方向)に延びる。
【0017】
領域87a、87bは、旋回軸36を中心に180度回転対称に配置される。旋回テーブル87は旋回端で、2つの領域87a,87bの一方を洗浄ステーション97に、他方を乾燥ステーション95に位置決めする。
可動壁88は、平板であり、旋回軸36を通り、旋回テーブル87に垂直な面上で、旋回テーブル87に固定される。旋回テーブル87を位置決めすると、可動壁88は隔壁93と接続する。可動壁88は、旋回テーブル87と一体となって旋回軸36を中心に旋回する。
【0018】
隔壁93は、平板であり、洗浄室19に配置される。隔壁93は、洗浄室19を洗浄ステーション97と乾燥ステーション95に区画する。隔壁93は、旋回軸36を通り、XZ平面に平行に延びる。隔壁93は、搬送口96を有する。旋回テーブル87が旋回するとき、旋回テーブル87、洗浄テーブル31及び対象物3は、搬送口96を通過する。
【0019】
中間シャッタ94は、搬送口96を開閉する。例えば、中間シャッタ94は、上下にスライドするスライド扉である。中間シャッタ94が下降すると、中間シャッタ94は可動壁88と接する。中間シャッタ94が可動壁88と接することにより、搬送口96が閉じられる。
【0020】
搬入口(不図示)は、乾燥ステーション95に配置される。搬入口は、例えば、洗浄機10の前面又は上面に配置される。搬入シャッタ(不図示)は、搬入口を開閉する。搬入シャッタは、例えば、スライド扉である。
【0021】
一組のクランプ装置51、151及びリフタ71は、乾燥ステーション95及び洗浄ステーション97にそれぞれ配置される。乾燥ステーション95において、クランプ装置51は左側面に配置され、クランプ装置151は右側面に配置される。洗浄ステーション97において、クランプ装置51は右側面に配置され、クランプ装置151は左側面に配置される。リフタ71は、洗浄室19の下方に配置される。
【0022】
クランプ装置51は、クランプシャフト59を有する。クランプ装置151は、クランプシャフト159を有する。乾燥ステーション95において、クランプシャフト59、159は、乾燥軸121を中心に回転する。洗浄ステーション97において、クランプシャフト59、159は、洗浄軸21を中心に回転する。例えば、乾燥軸121は、洗浄軸21と同一の高さである。移動装置14は、ノズル15を対象物3に対して相対的に移動する。
【0023】
ポンプ18は、ピストンポンプ、ギヤポンプ、渦巻きポンプ等の液体ポンプである。ポンプ18は、洗浄液タンク(不図示)から供給された洗浄液を、タレット13を介してノズル15へ送る。
移動装置14は、タレット13及びノズル15を、洗浄テーブル31に対して、左右方向(X軸方向)、前後方向(Y軸方向)、上下方向(Z軸方向)へ自在に移動する。
クランプ装置51,151は、洗浄軸21の方向に対象物3をクランプし、洗浄軸21を中心にA軸方向に回転する。
【0024】
タレット13は、移動装置14に設けられる。タレット13は、Z軸方向に延びるノズル回転軸16を有する。タレット13は、複数のノズル15を有しても良い。タレット13は、旋回して、一つのノズル15を割り出す。タレット13は、選択されたノズル15へ洗浄液を供給する。移動装置14又はタレット13は、ノズル回転軸16を中心にノズル15をC軸方向に回転する。タレット13として、例えば、特許第6147623号及び特許5432943号が知られている。
【0025】
ノズル15は、タレット13に設けられる。望ましくは、ノズル15は、ノズル回転軸16を中心として回転でき、又は、回転方向に位置決めできる。ノズル15は、例えば、横形ノズル153、扇形ノズル155である。例えば、
図7Cに示すように、横形ノズル153は、軸体15a及び噴口15bを有する。噴口15bは、軸体15aの先端部に配置され、軸体15aと垂直な軸線22を有する。噴口15bは、軸線22に沿って高圧の噴流20を噴射する。
【0026】
空気源83は、例えば、コンプレッサー、ブロアーである。エアブロ装置85は、エアブロパイプ85a及び複数のエアブロノズル85bを有する。エアブロパイプ85aは、例えば、乾燥ステーション95の前方の下方に配置される。エアブロパイプ85aは、洗浄軸21と平行に延びる。複数のエアブロノズル85bは、エアブロパイプ85aに沿って配置される。エアブロノズル85bは、エアブロパイプ85aから乾燥軸121に向かって延びる。エアブロノズル85bは、エアブロパイプ85aを介して空気源83に接続する。
【0027】
制御装置25は、移動装置14、クランプ装置51、151、リフタ71、旋回テーブル87、ポンプ18及び空気源91を制御する。
【0028】
図2に示すように、本実施形態の対象物3は、例えば、クランクシャフトである。対象物3は、フランジ3f、位相合わせ面3c、ジャーナル(第1ジャーナル)3d、ジャーナル(第2ジャーナル)3e、センター穴3a、位相合わせ穴3b、端部3g、軸部3h及び中心軸3kを有する。対象物3を乾燥ステーション95に設置する際、例えば、フランジ3fは正面(前方)から向かって左端部に、位相合わせ面3cは右端部に位置する(
図7H参照)。第1ジャーナル3dは右端部に位置し、第2ジャーナル3eは左端部に位置する。
センター穴3aは、例えば、円錐状である。センター穴3aは、対象物3の両端に配置される。位相合わせ穴3bは、例えば、フランジ3fに洗浄軸21から離れて配置された円筒穴であり、洗浄軸21に沿って延びる。位相合わせ面3cは、例えば、洗浄軸21に平行に配置された平面である。中心軸3kは、対象物3の回転中心である。
【0029】
以下、領域87bが洗浄ステーション97に位置決めされた状態を想定して、領域87b、洗浄テーブル31、リフタ71、クランプ装置51及びクランプ装置151について説明する。領域87a及び乾燥ステーション95は、領域87b及び洗浄ステーション97と実質的に同じである。
【0030】
図3は、リフタ71が上昇中の洗浄テーブル31を前方斜め下から見た斜視図である。
図3に示すように、旋回テーブル87は、通過口89を有する。旋回テーブル87は、ガイド39、丸ピン(第2挿入部)47を有しても良い。通過口89、ガイド39及び丸ピン47は、領域87bに配置される。
通過口89は、後方に開口した矩形の切欠きである。言い換えると、旋回テーブル87は、中央板87cと、突出部87dを有する。突出部87dは、中央板87cの左右端部から後方に延びる。
【0031】
一組のガイド39は、突出部87dの前後方向における中央部にそれぞれ配置される。ガイド39は、いわゆるラフガイドである。ガイド39は、上下方向に延び、旋回テーブル87上に配置される。ガイド39は、薄い角柱状であり、先端部が外側に傾斜する傾斜面を有する。
一組の丸ピン47は、突出部87dの上面の先端部にそれぞれ配置される。丸ピン47は、円筒部47aとテーパ部47bを有する。テーパ部47bは円錐形であり、円筒部47aの上方に円筒部47aと連続して配置される。
【0032】
図4は、洗浄軸21を通る垂直平面を前方から見た断面図である。
図4に示すように、クランプ装置51は、ガイドブッシュ(第1ガイドブッシュ)52、スライドシャフト(第1スライドシャフト)57、ベアリング58、クランプシャフト(第1クランプシャフト)59、モータ(クランプ軸モータ)67、原動歯車66、従動歯車65、連結プレート62、及びクランプシリンダ(第1クランプ駆動装置)63を有する。望ましくは、クランプ装置51は、カバー69、センターピン61及び位相ピン60を有する。
【0033】
ガイドブッシュ52は、ハウジング53及びブッシュ55を有しても良い。ハウジング53は、例えば、中空円筒状であり、洗浄軸21と同軸に配置される。ハウジング53は、例えば、洗浄室19の側壁を貫通して配置される。
スライドシャフト57は、例えば、中空円筒状であり、洗浄軸21と同軸に配置される。スライドシャフト57は、ブッシュ55に摺動し、左右方向(X軸方向)に往復する。スライドシャフト57は、内部にベアリング58を有する。クランプシャフト59は、円筒状であり、ベアリング58に支持される。クランプシャフト59は、洗浄軸21と同軸に配置される。センターピン61及び位相ピン60は、クランプシャフト59の先端面に配置される。ここで、先端とは対象物3側の端であり、基端とは対象物3と反対側の端である。センターピン61は、円錐状であり、洗浄軸21と同軸に配置される。位相ピン60は、洗浄軸21から離れた位置に、洗浄軸21と平行に配置される。センターピン61及び位相ピン60は、対象物3のセンター穴3a及び位相合わせ穴3bにそれぞれ挿入される。対象物3に挿入されると、センターピン61及び位相ピン60は、センター穴3a及び位相合わせ穴3bに当接する。
【0034】
連結プレート62は、スライドシャフト57の基端部に配置される。
クランプシリンダ63は、ロッド63a及びシリンダ63bを有する。例えば、シリンダ63bは洗浄室19に接続され、ロッド63aは連結プレート62に接続される。クランプシリンダ63は、電動シリンダであり、制御装置25によって数値制御される。クランプシリンダ63が縮むとスライドシャフト57は前進し(左に進み)、クランプシリンダ63が伸びるとスライドシャフト57が後退する(右に進む)。
【0035】
モータ67は、連結プレート62に配置される。モータ67は、出力軸67aを有する。モータ67は、例えば、サーボモータである。
原動歯車66は、出力軸67aに固定される。従動歯車65は、クランプシャフト59に固定され、原動歯車66に噛み合う。原動歯車66および従動歯車65は、例えば、平歯車、はすば歯車である。
望ましくは、クランプシリンダ63、連結プレート62、従動歯車65、原動歯車66、モータ67は、洗浄室19の外部に配置される。
【0036】
カバー69は、安全カバーであり、ガイドブッシュ52、スライドシャフト57、原動歯車66、従動歯車65、連結プレート62、クランプシリンダ63及びモータ67を覆う。
【0037】
クランプ装置151は、ガイドブッシュ(第2ガイドブッシュ)152、スライドシャフト(第2スライドシャフト)157、ベアリング58、連結プレート62、クランプシリンダ(第2クランプ駆動装置)163を有する。望ましくは、クランプ装置151は、カバー69及びセンターピン61を有する。ガイドブッシュ152は、ガイドブッシュ52と同じ構造である。スライドシャフト157は、スライドシャフト57と同じ構造である。センターピン61は、クランプシャフト159の先端(右端)に配置される。クランプシリンダ163は、クランプシリンダ63と同じ構造である。
【0038】
リフタ71は、リフトテーブル49、リフトガイド72、ステム77及びリフトシリンダ81を有する。リフタ71は、カバー74及び連結プレート79を有しても良い。
リフトガイド72は、ハウジング73及びブッシュ75を有し、洗浄室19の下方に配置される。ハウジング73は、中空円筒状であり、上下方向に延びる。ブッシュ75は、ハウジング73の内部に配置される。
【0039】
図5は、リフタ71が下降した状態の洗浄テーブル31を前方斜め下から見た斜視図である。
図5に示すように、リフトテーブル49は、上面に丸ピン(第1挿入部)42を有する。リフトテーブル49は、矩形の平板である。丸ピン42は、円筒部42aとテーパ部42bを有する。テーパ部42bは円錐形であり、円筒部42aの上方に円筒部42aと連続して配置される。平面視で、リフトテーブル49は旋回テーブル87が割り出されたときに、通過口89と重なり、通過口89よりも小さい。
【0040】
ステム77は、例えば、円柱状である。
図4に示すように、ステム77は、ブッシュ75に摺動して、上下方向(Z軸方向)に往復する。ステム77の上方は、リフトテーブル49と接続する。望ましくは、ステム77は、洗浄室19の底面を貫通して配置される。望ましくは、複数のステム77が配置される。
連結プレート79は、ステム77の下方端部を連結する。
【0041】
リフトシリンダ81は、洗浄室19に配置される。リフトシリンダ81は、シリンダ81b及びステム81aを有する。例えば、シリンダ81bは、洗浄室19の底面に配置される。ステム81aの先端は、リフトテーブル49に接続される。例えば、リフトシリンダ81は、電動シリンダであり、制御装置25によって数値制御される。リフトシリンダ81が伸びると洗浄テーブル31は上昇し、リフトシリンダ81が縮むと洗浄テーブル31は下降する。なお、ステム81aは、連結プレート79に接続しても良い。
カバー74は、安全カバーであり、ステム77、リフトガイド72、リフトシリンダ81及び連結プレート79を覆う。
【0042】
図5に示すように、洗浄テーブル31は、天板33、ジャーナルブロック(第1ジャーナルブロック)43及びジャーナルブロック(第2ジャーナルブロック)143を有する。洗浄テーブル31は円筒穴(第1受容部)41、支持台35、円筒穴(第2受容部)48(
図3参照)、ガイド溝37及び位相合わせブロック45を有しても良い。
【0043】
天板33は、矩形状である。リフタ71が下降しているときは、天板33は旋回テーブル87上に載置される。
ジャーナルブロック43は、Vブロックであり、洗浄テーブル31の上面に配置される。ジャーナルブロック43は、その中央部の上方にV面43aを有する。
ジャーナルブロック143は、ジャーナルブロック43と実質的に同一である。
【0044】
位相合わせブロック45は、例えば、ジャーナルブロック43の中央寄りに配置される。位相合わせブロック45は、位相合わせ面45aを有する。位相合わせ面45aは、例えば、XZ平面に平行に、洗浄軸21を挟むように洗浄軸21に向けて配置される。位相合わせ面45aは、対象物3の位相合わせ面3cと当接する。
【0045】
支持台35は、例えば、円柱である。支持台35は、平面視で通過口89の内側に配置され、天板33の下方に延びる。支持台35の下面は、当接面35aである。リフタ71が上昇したときに、当接面35aは、リフトテーブル49に当接する。
【0046】
ガイド溝37は、天板33の左右端に配置される。ガイド溝37は、平面視で矩形であり、上下方向に延びる。ガイド溝37は、ガイド39に一致する位置に、ガイド39と隙間を設けて配置される。リフタ71が上下するときに、ガイド溝37はガイド39にガイドされる。
【0047】
円筒穴41は、洗浄テーブル31の下面に配置される。好ましくは、円筒穴41は、左右端部にそれぞれ配置される。リフタ71が上昇したときに、円筒穴41に丸ピン42が挿入される。このとき、円筒穴41と円筒部42aが嵌合する。
図3に示すように、円筒穴48は、洗浄テーブル31の下面に配置される。好ましくは、円筒穴48は、左右端部にそれぞれ配置される。リフタ71が下降して洗浄テーブル31が旋回テーブル87に下ろされたときに、円筒穴48に丸ピン47が挿入される。このとき、円筒穴48と円筒部47aが当接する。
【0048】
次に、
図6及び
図7A〜
図7Hに従って、洗浄方法を説明する。
図6において、左側に分岐するフローチャートは、洗浄ステーション97による洗浄方法を示し、右側に分岐するフローチャートは、乾燥ステーション95における乾燥方法を示す。
図7Aに示すように、乾燥ステーション95及び洗浄ステーション97において、リフタ71は、対象物3が載った洗浄テーブル31を旋回テーブル87上に下ろす。引き続きリフタ71は、退避位置24まで下降する(S1)。ここで、退避位置24とは、リフトテーブル49が旋回テーブル87の下方に位置し、旋回テーブル87が旋回するときに、リフトテーブル49が旋回テーブル87と干渉しない位置をいう。リフタ71が下降するときに、リフトテーブル49は、通過口89を通過する。退避位置24は、対象物3の種類によらず、同じ位置として良い。例えば、最下端を退避位置24とすることが好ましい。
【0049】
次に、中間シャッタ94を開ける(S2)。これにより、搬送口96が開く。
次に、旋回テーブル87を旋回する。洗浄前の対象物3及び洗浄テーブル31を載せて、乾燥ステーション95にある領域87aは洗浄ステーション97へ移動する。洗浄後の対象物3及び洗浄テーブル31を載せて、洗浄ステーション97にある領域87bは乾燥ステーションへ移動する(S3)。
次に、中間シャッタ94を閉じる(S4)。これにより、洗浄ステーション97は、乾燥ステーション95と分離する。
【0050】
続いて、洗浄ステーション97における洗浄手順を説明する。
図7Bに示すように、リフタ71は、洗浄テーブル31を上昇させる(S11)。リフトテーブル49は通過口89を通過し、洗浄テーブル31を支持する。引き続き、リフトテーブル49は上昇し、洗浄テーブル31が洗浄位置12に到達する。洗浄位置12において、中心軸3kは洗浄軸21に一致する。
【0051】
ポンプ18は、洗浄液をノズル15へ供給する。ノズル15は、洗浄液を噴出する。
図7Cに示すように、移動装置14は、ノズル15をクランプシャフト59、159と対象物3の間に挿入して、噴流を対象物3に衝突させて、対象物3の両端の端部3gを洗浄する(S12)。その後、移動装置14は、ノズル15を上方に退避する。
【0052】
図7Dに示すように、クランプシリンダ63は、スライドシャフト57を前進させる。クランプシャフト59は、対象物3の第1端3mに当接する。センターピン61は、センター穴3aに挿入される。位相ピン60は、位相合わせ穴3bに挿入される。クランプシリンダ63は、クランプシャフト59を第1端3mに押し付ける。制御装置25は、第1端3mの位置に基づき、クランプシャフト59の押し出し量を制御する。
クランプシリンダ163は、スライドシャフト157を前進させる。クランプシャフト159は、対象物3の第2端3nに当接する。クランプシリンダ163は、クランプシャフト159を第2端3nに押し付ける。制御装置25は、第2端3nの位置に基づき、クランプシャフト159の押し出し量を制御する。このように、対象物3は、クランプシャフト59、159にクランプされる(S13)。
【0053】
図7Eに示すように、リフタ71は、洗浄テーブル31を退避位置24に下降する(S14)。このとき、リフタ71は洗浄テーブル31を旋回テーブル87に載置する。
図7Fに示すように、移動装置14はノズル15を移動させ、噴流20を対象物3に衝突させて軸部3hを洗浄する。このとき、制御装置25は、クランプシャフト59、159と一体として、対象物3を適宜回転させ、又は回転方向に位置決めする(S15)。
【0054】
リフタ71は、洗浄テーブル31を洗浄位置まで上昇させる(S16)
クランプシリンダ63、163は、スライドシャフト57、157をそれぞれ後退させる。クランプシャフト59、159は、対象物3と離間する。対象物3はアンクランプされ、洗浄テーブル31に載置される(S17)。
【0055】
続いて、乾燥ステーション95における乾燥、搬出及び搬入の手順を説明する。
リフタ71は、洗浄テーブル31を乾燥位置まで上昇させる(S11)。中心軸3kは、乾燥軸121に一致する。
次いで、クランプ装置51、151は対象物3をクランプする(S13)。リフタ71は下降して、洗浄テーブル31が旋回テーブル87に載置される。リフタ71は、引き続き退避位置まで下降する(S14)。
【0056】
次に、対象物をエアブロする(S25)。
図7Gに示すように、エアブロノズル85bの噴口は、対象物3に向いている。エアブロノズル85bは、圧縮空気又は乾燥空気を噴出する。クランプシャフト59、159は、対象物3を適宜回転させる。
【0057】
リフタ71は、洗浄テーブル31を乾燥位置まで上昇させる(S16)。
クランプ装置51、151は、対象物をアンクランプする(S17)。対象物3は、洗浄テーブル31に載置される。
搬入シャッタが開く(S28)。
【0058】
乾燥ステーション95にある対象物3は、搬送装置又は作業者によって搬出される。次に、制御装置25は、対象物3のジャーナルの径に基づき、洗浄テーブル31の高さを制御する。
搬送装置(不図示)又は作業者によって、対象物3が洗浄テーブル31に搬入される。
図7Hは乾燥軸121を通る垂直面を前方から見た断面図である。
図7Hに示すように、ジャーナル3dがジャーナルブロック43に、ジャーナル3eがジャーナルブロック143に合わせられる。位相合わせ面3cは、位相合わせ面45aと当接し、対象物3の位相が洗浄テーブル31に合わせられる(S29)。
最後に、搬入シャッタが閉じる(S30)。
【0059】
ステップS1、S2は、同時に実行して良い。ステップS4、洗浄ステーション97におけるステップS11及び乾燥ステーション95におけるステップS11は、同時に実行して良い。乾燥ステーション95におけるステップS16とステップS28は、同時に実行して良い。乾燥ステーション95におけるステップS11、S13、S14、S25、S16,S17、S28及びS29は、洗浄ステーション97におけるステップS11〜S17と並行して実行される。
【0060】
本実施形態によれば、洗浄軸21を中心として、対象物3がクランプシャフト59、159にクランプされる。クランプシャフト59、159及び対象物3は、一体となって回転する。洗浄やエアブロを行う際、洗浄テーブル31は、旋回テーブル87に載って下方に退避している。そのため、洗浄テーブル31は、軸部3hの洗浄やエアブロを阻害しない。アンクランプ時は、端部3gが露出しているため、ノズル15が端部3gを洗浄できる。
【0061】
リフトシリンダ81は、数値制御される電動シリンダであるため、ジャーナル3d、3eの直径が異なる対象物3の中心軸3kを洗浄軸21又は乾燥軸121に一致できる。クランプシリンダ63,163は、数値制御される電動シリンダであるため、長さが異なる対象物3に対してクランプシャフト59、159を当接させて、定められた位置で対象物3をクランプできる。
【0062】
リフトテーブル49に丸ピン42が配置され、洗浄テーブル31に円筒穴41が配置されるため、リフトテーブル49は、正確な位置に洗浄テーブル31を載置できる。
ガイド39がガイド溝37をガイドするため、洗浄テーブル31が昇降されるときに、洗浄テーブル31がずれることを抑制できる。
【0063】
旋回テーブル87に丸ピン47が配置され、洗浄テーブル31に円筒穴48が配置されるため、旋回テーブル87は、正確な位置に洗浄テーブル31を載置できる。また、旋回テーブル87が旋回するときに、洗浄テーブル31の位置のずれを抑制できる。
【0064】
対象物3を洗浄テーブル31に設置した状態で端部3gを洗浄し、端部3gの洗浄後に対象物3をクランプするため、クランプシャフト59,159が汚れるのを抑制できる。
対象物3は、洗浄軸21を通ってクランプシャフト59、159で挟んで支持された状態で洗浄される。軸部3hを洗浄する際に、洗浄テーブル31は対象物3から離間しているため、ノズル15は容易に対象物3に接近でき、効率的に対象物3を洗浄できる。クランプされた状態で対象物3と洗浄テーブル31は離間し、対象物3の中心軸3kと洗浄軸21が一致した状態で対象物3を回転させるため、イナーシャを小さくできる。乾燥時においても実質的に同一である。
対象物3をエアブロする際に、洗浄テーブル31は対象物3から離間しているため、エアブロノズル85bは対象物3に接近できる。エアブロノズル85bと対象物3が接近できるため、ブロー効果が高まる。
【0065】
洗浄室19は、洗浄ステーション97と乾燥ステーション95を有し、旋回テーブル87が旋回することによって、一つの対象物3を洗浄ステーション97に、もう一つの対象物3を乾燥ステーション95に搬送できる。洗浄ステーションで一つの対象物3を洗浄する間に、洗浄が終了したもう一つの対象物3をエアブロし、乾燥後の対象物3を搬出し、洗浄前の対象物を搬入できる。このため、サイクルタイムを短縮できる。
【0066】
本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
前記第1クランプ装置は、前記洗浄軸又は乾燥軸に沿って前記洗浄室に配置される中空の第1ガイドブッシュであって、前記第1スライドシャフトを内部で摺動可能な第1ガイドブッシュを更に有し、
前記第2クランプ装置は、前記洗浄軸又は乾燥軸に沿って前記洗浄室に配置される中空の第2ガイドブッシュであって、前記第2スライドシャフトを内部で摺動可能な第2ガイドブッシュを更に有する、
請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄機。