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特開2021-25199地盤改良体の天端整形方法および天端整形バケット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-25199(P2021-25199A)
(43)【公開日】2021年2月22日
(54)【発明の名称】地盤改良体の天端整形方法および天端整形バケット
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/12 20060101AFI20210125BHJP
   E02D 5/34 20060101ALI20210125BHJP
【FI】
   E02D3/12 102
   E02D5/34 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-140508(P2019-140508)
(22)【出願日】2019年7月31日
(11)【特許番号】特許第6770762号(P6770762)
(45)【特許公報発行日】2020年10月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000128599
【氏名又は名称】株式会社オートセット
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 敏明
【テーマコード(参考)】
2D040
2D041
【Fターム(参考)】
2D040AB05
2D040BB01
2D040BD05
2D040CA01
2D040CB03
2D041AA01
2D041BA37
2D041BA52
2D041CA01
2D041CB01
2D041CB06
2D041DA12
(57)【要約】
【課題】地盤改良体の天端整形に関し、従来よりも建設残土・産業廃棄物の少なくすることができる技術を提供する。
【解決手段】本発明の天端整形方法は、バケット底壁と向き合う下側の地盤を平坦に掘削する天端整形バケット10を準備する工程と、地盤改良体100が所定強度を発現する前に、天端整形バケット10で地盤改良体のうち天端105以上の余剰頂部を掘削する工程とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固化材と土壌を攪拌してなる地盤改良体の天端を整形する方法であって、
円形の底壁と、前記底壁に形成される取込口と、前記底壁の外周縁から立ち上がる円筒壁とを有し、前記底壁と向き合う地盤を平坦に掘削する天端整形バケットを準備する工程と、
前記地盤改良体が所定強度を発現する前に、前記天端整形バケットで前記地盤改良体のうち前記天端以上の余剰頂部を掘削する工程とを含む、地盤改良体の天端整形方法。
【請求項2】
前記地盤改良体は、縦列および横列をなすよう複数配列される柱状地盤改良体を多数含み、
前記掘削する工程で、内側に配列される前記柱状地盤改良体から外側に配列される前記柱状地盤改良体に向かって順次掘削する、請求項1に記載の地盤改良体の天端整形方法。
【請求項3】
円形の平坦な底壁と、前記底壁を貫通するように形成される取込口と、前記底壁の外周縁から立ち上がる円筒壁と、前記円筒壁の上部に設けられるオーガ連結部と、前記取込口の縁部に設けられる複数のブレードを備え、
前記ブレードは、地盤改良体の余剰頂部を削り取るためのものであって、前記底壁の中心から前記底壁の外周縁まで間隔を空けて配置され、
前記複数のブレードが前記中心回りに描く軌跡を足し合わせた形状が、前記底壁の形状と重なる、天端整形バケット。
【請求項4】
前記取込口は、前記底壁の周方向に間隔を空けて2個以上設けられる、請求項3に記載の天端整形バケット。
【請求項5】
前記複数のブレードの刃先部は、前記底壁の半径線上に間隔をあけて配列される、請求項4に記載の天端整形バケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソイルセメントコラム等の地盤改良体に関し、特に地盤改良体の頂部を所定の高さ位置に整形する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
橋脚等、フーチングを有する構造物は、下方の地盤に安定して支持されることが必要である。そこでフーチングの施工に先立ち、地盤を強固にすることを目的として、土壌を攪拌しながら固化材を注入して、地盤改良体を造成することが一般的である。地盤改良体とした例えば、特許文献1に記載されるソイルセメントコラムが知られる。特許文献1記載の技術は、柱列状のソイルセメントコラム群において、ソイルセメントコラム群の上端頂部を平坦な天端とし、かかる天端の中央部分を、チェーン式カッターで凹状に切削し、天端の両端部分を山留め部として残すというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−270215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで特許文献1に限ることなくソイルセメントコラムは、必ず所定高さの天端を伴う。平坦な天端にフーチングが施工されるためである。従来は地盤改良機を地上面にセットして、地上面から地中までソイルセメントコラムを複数本造成し、次に地上面から所定高までソイルセメントコラムの余剰頂部が掘削される。かかる掘削作業はバックボー等の建設機械が使用される。
【0005】
掘削されたソイルセメントコラムの余剰頂部は、建設残土であって、産業廃棄物として処理される。産業廃棄物は、極力少ないほうが好ましい。
【0006】
ところが上記従来のような建設機械でソイルセメントコラムの余剰頂部を掘削する作業にあっては、さらに改善すべき点があることを本発明者は見いだした。つまり上側の地上面と、下側の天端を法面で結び、傾斜した法面で土壌の崩壊を防止することから、ソイルセメントコラムの余剰頂部と、この余剰頂部を包囲する土壌が、上辺が長く下辺が短い台形断面で同時に掘削され、互いに混じり合う。固化材を注入されていない天然の土壌が建設残土に混入すると、産業廃棄物の体積が増えてしまい処理上の問題が大きくなる。また既成杭を打ち込む縦孔を掘る掘削バケットは、土砂を掘削するためのものであることから、底壁が円錐形であり、土砂を掘削する爪が大きな間隔を空けて疎らに配置される。このため従来の掘削バケットでは、地盤改良体の天端を円滑に整形することができない。
【0007】
本発明は、上述の実情に鑑み、余剰頂部の掘削・整形に関し、産業廃棄物を従来よりも少なくすることができる地盤改良体の天端整形方法および天端整形バケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため本発明による地盤改良体の天端整形方法は、固化材と土壌を攪拌してなる地盤改良体の天端を整形する方法であって、円形の底壁と、この底壁に形成される取込口と、底壁の外周縁から立ち上がる円筒壁とを有し、底壁と向き合う地盤を平坦に掘削する天端整形バケットを準備する工程と、地盤改良体が所定強度を発現する前に天端整形バケットで地盤改良体のうち天端以上の余剰頂部を掘削する工程とを含む。
【0009】
かかる本発明の天端整形方法によれば、天端以上の余剰頂部を切り取るように掘削することから、地盤改良体ではない周辺土壌が掘削した建設残土に混入し難くなり、産業廃棄物を従来よりも少なくすることができる。また、底壁と向き合う地盤を平坦に掘削する天端整形バケットを準備することから、地盤改良体の天端を水平に整形することができる。天端整形バケットは、掘削機械の回転軸の下端に装着され、円筒壁の中心線を回転中心として自転する。天端整形バケットの底壁を地盤に押し当てながら天端整形バケットを回転させることにより、天端整形バケットは円筒壁の断面形状で地盤を掘削することができる。
【0010】
本発明の一局面として地盤改良体は、縦列および横列をなすよう複数配列される柱状地盤改良体を多数含み、掘削する工程で、内側に配列される柱状地盤改良体から外側に配列される柱状地盤改良体に向かって順次掘削する。かかる局面によれば、余剰頂部を掘り取った後、地盤改良体よりも外側の土壌が整形後の地盤改良体の天端に崩れ落ちないので、天端整形の作業効率が向上する。他の局面として、外側に配列される柱状地盤改良体から内側に配列される柱状地盤改良体に向かって順次掘削してもよい。
【0011】
本発明の天端整形バケットは、円形の平坦な底壁と、底壁を貫通するように形成される取込口と、底壁の外周縁から立ち上がる円筒壁と、円筒壁の上部に設けられるオーガ連結部と、取込口の縁部に設けられる複数のブレードを備え、ブレードは地盤改良体の余剰頂部を削り取るためのものであって底壁の中心から底壁の外周縁まで間隔を空けて配置され、複数のブレードが中心回りに描く軌跡を足し合わせた形状が、底壁の形状と重なる。かかる本発明の天端整形バケットによれば、余剰頂部を上端からムラなく掘り取ることができ、上述した底壁と向き合う地盤を平坦に掘削するバケットを提供することができる。
【0012】
本発明の好ましい局面として取込口は、底壁の周方向に間隔を空けて2個以上設けられる。かかる局面によれば、ブレードで細かく破断した余剰頂部、つまり建設残土、を複数の取込口から天端整形バケットに取り込むことができ、施工効率が向上する。他の局面として取込口は1個のみであってもよい。
【0013】
本発明の一局面として複数のブレードの刃先部は、底壁の半径線上に間隔をあけて配列される。かかる局面によれば、ブレードが地盤改良体の天端を平滑に仕上げることできる。他の局面として、ブレードの配置がこれと異なっていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
このように本発明によれば、地盤改良体の天端を設計天端高に合致するよう水平に整形することができる。しかも建設残土を従来よりも少なくして、産業廃棄物の少ない工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明によって天端を整形される地盤改良体の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の天端整形方法の一実施形態を示す断面図である。
図3】本発明の天端整形バケットの一実施形態を示す断面図である。
図4】同実施形態を示す平面図である。
図5】同実施形態の底壁を取り出して示す側面図である。
図6】同実施形態の底壁を取り出して示す平面図である。
図7】ブレードを取り出して示す側面図および底面図である。
図8】同実施形態の底壁を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明によって天端を整形される地盤改良体の一例を示す斜視図である。図2は、本発明の天端整形方法の一実施形態を示す断面図である。橋脚等のフーチングの建設予定地には、まず図1に示すように、地盤改良体100が造成される。地盤改良体100は、地上面101を走行する図示しない建設車両および地盤改良機によって、元の土壌102に固化材を注入し、土壌と固化材を攪拌してなる。
【0017】
地盤改良体100は、複数本の柱状地盤改良体111,112,113,114・・・を含む。各柱状地盤改良体111・・・は例えばソイルセメントコラムである。各柱状地盤改良体111・・・の外径は、一般的に1000mm以上2000mm以下の範囲に含まれる。本実施形態の柱状地盤改良体111・・・は、縦方向に5本、横方向に4本、間隔をあけて整然と配列する。ただし柱状地盤改良体111・・・の配列はこれに限定されず、1本のみでもよい。地盤改良体100の大きさおよび形状は限定されない。図1に示す実施形態では、隣り合う柱状地盤改良体111,112同士が接近していて互いに重なっていないが、図示しない変形例として、隣り合う柱状地盤改良体同士が重なるよう隣接していてもよい。
【0018】
地盤改良体100は、図2に示すように、設計天端高Hpよりも高く造成される。造成直後から固化材の硬化が始まり、数日〜数十日で所定の設計強度が発現する。設計天端高Hpよりも上側の地盤改良体100を、以下において、余剰頂部103という。固化材が混在しない土壌102と区別する為、余剰頂部103と、残りの地盤改良体100には、それぞれハッチングが施される。なお実際の施工現場では、地盤改良体100と土壌102が同じ色彩であり、肉眼では判別不能である。
【0019】
余剰頂部103は、所定の設計強度が得られる前、例えば造成翌日あるいは造成翌々日に、建設車両90に取り付けられた天端整形バケット10によって、掘り取られる。柱状地盤改良体111の中心と、天端整形バケット10の中心は一致することが好ましいが、いずれにせよ地盤改良体111の円形断面全体が、天端整形バケット10の円形の底壁に重なればよい。
【0020】
建設車両90は、一般的なものでよく、建設車両本体に設けられて上下方向に延びるラダー91と、ラダー91に取り付けられて上下に変位可能な油圧モータ92と、油圧モータ92から下方へ延びて回転するオーガ93を備える。回転軸になるオーガ93の下端には、円筒形状の天端整形バケット10が同軸に取付固定される。ここで附言すると、オーガ93下端に攪拌羽根を連結すれば、柱状地盤改良体111・・・を造成することができる。
【0021】
天端整形バケット10は、上下方向に垂直変位可能であり、回転しながら余剰頂部103を切削・除去する。また天端整形バケット10は、鉛直な円筒壁を備え、下側の地盤を平坦に切削することから、地盤改良体100の天端105を設計天端高Hpに一致させることができる。また天端整形バケット10の外径を、柱状地盤改良体111・・・の外径に対応させることにより、天端整形バケット10周囲の土壌102を掘り取ることがない。したがって掘り取った余剰頂部103からなる不要な建設残土、つまり産業廃棄物、を従来よりも少なくすることができる。
【0022】
複数の柱状地盤改良体111・・・に対する天端整形は、内側の柱状地盤改良体111,112を先に行い、外側の柱状地盤改良体113,114を後で行う。内側から外側に向かって柱状地盤改良体111〜114の天端を順次整形することにより、地上面101の変形と、土壌102が建設残土に混入することを低減することができる。
【0023】
本発明の理解を容易にするため、図2には従来の天端整形方向を仮想線で示す。従来、余剰頂部103はバックホー等の建設機械で掘削されることから、設計天端高Hpと地上面101が法面104で結ばれるよう、台形状に掘削していた。
【0024】
かかる台形の掘削土砂は、産業廃棄物になる余剰頂部103と、産業廃棄物ではない土壌102が混在していたため、膨大な量であり、大量の産業廃棄物が発生していた。
【0025】
次に天端整形バケットにつき説明する。
【0026】
図3は本発明の一実施形態になる天端整形バケットを示す断面図であり、紙面手前のブレードのみ示し、紙面奥のブレードを図略する。図4は、同実施形態を示す平面図である。図5は、同実施形態を示す底面図である。天端整形バケット10は、円形の底壁11と、底壁11を貫通するように形成される取込口12と、底壁11の外周縁から立ち上がる円筒壁13と、円筒壁13の上部に設けられるオーガ連結部14と、取込口12の縁部に設けられる複数のブレード15を備え、鋼材からなる。
【0027】
底壁11は平坦であり、円筒壁13の下端を閉塞する。底壁11の外周縁1箇所には筒部16が設けられ、当該筒部16には回動軸26の中央領域が通される。回動軸26の両端は円筒壁13の下端部と結合する。これにより底壁11は回動軸26を介して円筒壁13の下縁に連結される。これにより底壁11は、回動軸26を中心として下方へ開放可能とされる。底壁11には補剛材24が架設される。補剛材24は底壁11の直径に沿って延び、補剛材24の一端は筒部16と結合し、補剛材24の他端は、筒部16から周方向180°離れて底壁11の他の外周縁1箇所と結合する。
【0028】
円筒壁13の上端には横架材17が架設される。十字に配置される横架材17の交差箇所は、底壁11および円筒壁13の中心と一致する。かかる交差箇所にはオーガ連結部14が立設される。オーガ連結部14には、前述した図2に示すオーガ93の下端が着脱可能に連結される。
【0029】
図3に示すように横架材17には、上下方向に延びるロッド18が取り付けられる。ロッド18の下端には閂19が形成される。閂19は、ロッド18下端からロッド18外径方向に突出する逆T字状の突起であり、通常、底壁11に設けられる係合凹部20と係合して、底壁11が開放しないよう保持する。ロッド18の上端には、ハンドル21が設けられる。ハンドル21は、横架材17よりも上方で、水平方向に延び、ロッド18を回動させる。ロッド18の回動に伴い、閂19は係合凹部20と係合したり、係合解除されたりする。なお閂19は、回動軸26からみて円筒壁13の周方向反対側に配置される。
【0030】
底壁11の上面にはシャッタ22が設けられる。シャッタ22は、底壁11の中心回りに回動可能であり、取込口12を開閉する。例えばシャッタ22は板材からなり、底壁11に重ねて配置される。シャッタ22には回動軸23が立設され、回動軸23は底壁11の中心に沿って延び、底壁11の補剛材24に設けられる筒部25に通される。
【0031】
図6は、底壁を取り出して示す平面図である。図6に示すように本実施形態の取込口12は、回動軸23を中心として放射状に2箇所設けられる。これにより取込口12は、回動軸23回りのシャッタ22の回動によって円滑に開閉される。本実施形態の取込口12は、周方向等間隔に配置される。
【0032】
ブレード15は、余剰頂部103(図2)を削り取るためのものであって、底壁11の中心から底壁11の外周縁まで半径方向に間隔を空けて複数配列される。全てのブレード15は、同じ高さ位置に設けられる。
【0033】
本実施形態では、1の取込口12の縁12dを横切るように第1列のブレード15aが整然と配列される。隣り合うブレード15同士の間隔は、ブレード15自身の幅寸法以下である。また本実施形態では、他の取込口12の縁12dを横切るように第2列のブレード15bが整然と配列される。ブレード15a,15bは同一形状、同一間隔であり、掘削回転方向R(図5)に突出する。底壁11中心にはブレード15fが立設される。ブレード15fは底壁11から下方へ向かって突出し、ブレード15fの刃先が他のブレード15a,15bの刃先と面一となるよう水平に形成される。
【0034】
底壁11の中心Oから各ブレード15bまでの距離は、中心Oから隣り合うブレード15a,15a同士の間隔までの距離に対応する。これにより天端整形バケット10が1回転すると、ブレード15a,15bが底壁11の全ての円面積をなぞるように掘削する。したがって天端整形バケット10は、底壁11と対面する地盤を水平かつ平坦に掘削することができる。
【0035】
図7は、ブレードを取り出して示す側面図および底面図である。各ブレード15の横幅寸法Wbは、一定であり、爪のように先細ではない。水平方向にみて、各ブレード15は、底壁11から斜め下方に突出し、各ブレード15の刃先15eは、先端に向ってエッジを形成する。このため刃先15eからブレード根元に向かって各ブレード15に水平面15cが形成される。全ての水平面15cは、面一に配置され、天端105を水平に仕上げるのに資する。
【0036】
図8は、天端整形バケット10を示す側面図であり、図3とは周方向に90度異なる方向からみた状態を表す。全てのブレード15の刃先15eは、鎖線で示すように、面一となるよう水平に配置される。15cについても同様である。
【0037】
ところで本実施形態の天端整形バケット10は、円形の平坦な底壁11と、底壁11を貫通するように形成される取込口12と、底壁11の外周縁から立ち上がる円筒壁13と、円筒壁13の上部に設けられるオーガ連結部14と、取込口12の縁部に設けられる複数のブレード15を備え、ブレード15は、地盤改良体100の余剰頂部103を削り取るためのものであって、底壁11の中心Oから底壁11の外周縁まで間隔を空けて配列され、複数のブレード15が中心O回りに描く軌跡を足し合わせた形状が、底壁11の形状と重なり、底壁11全体をカバーする。
【0038】
したがってブレード15は各柱状地盤改良体111・・・の円形断面を万遍なく切削して、天端整形バケット10は天端105(図2)を水平に整形することができる。また複数のブレード15が中心O回りに描く軌跡を足し合わせた形状の外径は、円筒壁13の外径と等しい。なお図示しない変形例として、図5に示す最も外径側のブレード15dを、円筒壁13よりもさらに外径へ突出するよう指向させてもよい。これにより複数のブレード15が中心O回りに描く軌跡を足し合わせた形状の外径が、円筒壁13の外径よりも大きくなる。
【0039】
また本実施形態の取込口12は、底壁11の周方向に間隔を空けて2個以上設けられる。これによりブレード15で細かく破断した余剰頂部103を、取込口12から天端整形バケット10内に効率良く取り込むことができる。
【0040】
また本実施形態では、刃先15eを含む刃先部が、底壁11の半径方向に間隔をあけて配列される。これにより余剰頂部103を均等な力できれいに切削することができる。また本実施形態の水平面15cも同様である。なお各ブレード15は、最外径のブレード15dを除き、互いに平行に指向し、底壁11の半径線Lrと直交する。
【0041】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。例えば上述した1の実施形態から一部の構成を抜き出し、上述した他の実施形態から他の一部の構成を抜き出し、これら抜き出された構成を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は土木施工において有利に利用される。
【符号の説明】
【0043】
10 天端整形バケット、 11 底壁、 12 取込口、
13 円筒壁、 14 オーガ連結部、 22 シャッタ、
93 オーガ、 100 地盤改良体、 103 余剰頂部、
111〜 柱状地盤改良体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8