で変調された磁場を発生させる。磁気センサ140は、コイル120に対向して配置され、磁場を検出する。生成部220はコイル120と磁気センサ140との間に配置される被測定物90の劣化度合いを示す劣化情報を生成する。生成部220は具体的には、磁気センサ140の検出信号から周波数f
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
なお、以下に示す説明において、検査装置10の生成部220、記憶部230、およびコイル駆動部210は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。検査装置10の生成部220、記憶部230、およびコイル駆動部210は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現されうる。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0014】
図1は、実施形態に係る検査装置10の構成を例示するブロック図である。検査装置10は、コイル120、磁気センサ140、および生成部220を備える。コイル120は、少なくとも一つの周波数f
mで変調された磁場を発生させる。磁気センサ140は、コイル120に対向して配置され、磁場を検出する。生成部220はコイル120と磁気センサ140との間に配置される被測定物90の劣化度合いを示す劣化情報を生成する。生成部220は具体的には、磁気センサ140の検出信号から周波数f
m成分を検波して検波信号を生成し、検波信号を用いて劣化情報を生成する。以下に詳しく説明する。
【0015】
被測定物90は、強磁性体を含む。強磁性体としては鉄、コバルト、ニッケル等が挙げられる。被測定物90は、たとえば電線の吊り下げ部品である。この場合、被測定物90は鉄を含む。
【0016】
たとえば電車等に送電する電線は、線路に沿って電車の上部に位置する高さで配線される架空電線である。電線から電車にはパンタグラフを介して電力が供給される。電線は具体的にはビーム等から吊り下げ部品によって吊り下げられ、複数のビームの間を渡されている。各ビームは、線路脇に立てられた電柱により支えられている。
【0017】
電線の吊り下げ部品は屋外で風雨にさらされることで劣化する。一方、吊り下げ部品は電線を支えるのに十分な強度を常に備えている必要があり、適切な時期での交換が必要である。ここで、電車の路線に用いられている吊り下げ部品は多数に上る。したがって、定量的な検査を行い、客観的な基準に基づいて交換することが、過不足の無い交換、すなわちコスト削減のために重要である。
【0018】
本実施形態に係る検査装置10では、コイル120と磁気センサ140との間に被測定物90がある状態で、コイル120からの磁場を磁気センサ140で検出する。ここで、コイル120から磁気センサ140に向かう磁力線は、たとえば被測定物90の錆具合に依存して変化する。具体的には、錆の程度が小さいほど、コイル120からの磁場が被測定物90に引き付けられる結果、磁気センサ140に入る磁力線が多くなる。一方、錆の程度が大きいほど、コイル120からの磁場が発散する結果、磁気センサ140に入る磁力線が少なくなる。したがって、磁気センサ140の検出結果に基づいて、被測定物90の劣化具合を知ることができる。測定時において被測定物90は、コイル120と磁気センサ140の間の中央に配置されることが好ましい。
【0019】
また、本実施形態に係る検査装置10では、コイル120が周波数f
mで変調された磁場を発生させ、生成部220が周波数f
m成分を検波して劣化情報を生成することにより、S/N比が高い測定をすることができる。たとえば交流電流が流れる電線の近傍で測定する場合、磁気センサ140が検出する磁場には電線に流れる電流に起因した磁場が混ざる。そのような状況でも、本実施形態に係る検査装置10および検査方法によれば、周波数f
m成分をコイル120からの磁場として抽出することで、その他の磁場の影響を抑えた信頼性の高い測定結果を得ることができる。
【0020】
したがって、本実施形態に係る検査装置10を用いることで、劣化具合の定量的な測定が可能となる。また、被測定物90が電線の吊り下げ部品である場合、測定は、電線に電流が流れた状態で、被測定物90の導電部に非接触で行うことができる。なお、被測定物90の導電部は少なくとも一部が絶縁体で覆われていてもよい。この場合、導電部が絶縁体の内部に隠れて目視しにくいことから、本実施形態に係る検査装置10および検査方法がより効果的に用いられる。
【0021】
検査装置10の構成について
図1を参照して詳しく説明する。本実施形態において、検査装置10はさらにコイル駆動部210を備える。コイル駆動部210はたとえば交流信号を発生させ、コイル120に入力する。コイル120は、軸が磁気センサ140に向くように配置されている。そしてコイル120はコイル駆動部210からの駆動信号により、周波数f
mで変調された磁場を発生させる。周波数f
mは一つであってもよいし、複数であってもよい。周波数f
mは一つである場合、コイル120は、周波数f
mの交流磁場である。なお、周波数f
mが複数である場合については後述する。
【0022】
磁気センサ140は、たとえばTMR(Tunnel Magneto Resistance)素子等の磁気センサである。磁気センサ140はコイル120が発生した磁場の少なくとも一部を測定する。磁気センサ140で測定される磁場には、さらにコイル120以外からの磁場が含まれてもよい。コイル120と磁気センサ140との距離は特に限定されないが、たとえば1cm以上10cm以下である。コイル120と磁気センサ140との距離は固定されていてもよいし、被測定物90に応じて可変であってもよい。磁気センサ140の検出信号は磁気センサ140が受けた磁場の強さを示す。検出信号は磁気センサ140から生成部220に入力される。
【0023】
生成部220は、磁気センサ140の検出信号から周波数f
m成分を検波し、検波信号を生成する。検波信号は周波数f
m成分の大きさを示す信号である。そして生成部220は検波信号を用いて劣化情報を生成する。たとえば生成部220は検波信号に基づき、周波数f
m成分の大きさを示す数値を劣化情報として生成し、出力する。具体的には検波信号の信号値を劣化情報とすることができる。劣化情報はたとえば、被測定物90の錆の進行具合や強度に対応する情報である。出力された劣化情報は、検査装置10に備えられた表示部240に表示される。
【0024】
周波数f
mは、電線92に流れる電流の周波数f
wの4倍以上であることが好ましい。そうすれば、電線92に流れる電流に起因する磁場の影響がより抑制された測定結果が得られる。周波数f
mは特に限定されないが、たとえば10Hz以上100kHz以下である。
【0025】
また、生成部220は検波信号の大きさに基づいて被測定物90の引張強度を導出してもよい。この場合、生成部220は劣化情報として被測定物90の引張強度等を示す数値を生成し、出力する。具体的には生成部220は次のように引張強度を導出する。検査装置10は記憶部230をさらに備えており、記憶部230には予め周波数f
m成分の大きさと引張強度との対応を示す情報(数式、表、グラフ等)が保持されている。周波数f
m成分の大きさと引張強度との対応を示す情報は、事前実験等により取得し、記憶部230に記憶させることができる。生成部220は、周波数f
m成分の大きさと引張強度との対応を示す情報を記憶部230から読み出し、この情報と生成された検波信号とを用いて引張強度を導出する。
【0026】
生成部220が被測定物90の引張強度を導出することで、被測定物90の劣化具合がより分かりやすくなる。たとえば被測定物90が電線の吊り下げ部品である場合、吊り下げ部品の交換時期をより判断しやすくなる。
【0027】
コイル120が複数の周波数f
mで変調された磁場を発生させる場合について、以下に説明する。周波数f
mが複数である場合、コイル120からは複数の周波数f
mの交流磁場が順に発生してもよいし、複数の周波数f
mの交流磁場が重ね合わされた磁場が発生してもよい。複数の周波数f
mの交流磁場がコイル120から順に発生する場合、生成部220は磁気センサ140の検出信号から複数の周波数f
m成分を順に検波して各周波数f
mに対する検波信号を生成する。一方、複数の周波数f
mの交流磁場が重ね合わされた磁場がコイル120から発生する場合、生成部220は磁気センサ140の検出信号を複数の周波数f
mで検波して各周波数f
mに対する検波信号を生成する。
【0028】
そして生成部220は、複数の周波数f
mに対する検波信号を平均化して、劣化情報を生成する。
【0029】
図2は、本実施形態に係る検査装置10の構造を例示する図である。検査装置10は、シャフト180、コイル支持部122、およびセンサ支持部142をさらに備える。コイル支持部122は、シャフト180の一端181側に取り付けられ、コイル120を支持している。センサ支持部142は、シャフト180の一端181側に取り付けられ、磁気センサ140を支持している。そして、コイル支持部122およびセンサ支持部142のシャフト180に対する角度は可変である。以下に詳しく説明する。
【0030】
シャフト180は、一方向に延びた棒状または管状の部材である。シャフト180の一端181側にはコイル120および磁気センサ140が備えられており、シャフト180の他端182側には持ち手190が設けられている。なお、他端182は一端181とは反対側の端である。測定者は、持ち手190を持ち、一端181側にある被測定物90を測定する。検査装置10がシャフト180を備えることにより、高い位置や測定者から離れた位置にある被測定物90の測定が容易になる。
【0031】
シャフト180の長さはたとえば100cm以上1000cm以下であり、太さはたとえば1cm以上10cm以下である。シャフト180は伸縮可能に構成されていてもよい。シャフト180はたとえば金属または樹脂である。シャフト180が金属または樹脂であることにより、屋外や高所での測定においてもシャフト180が強風に耐えられる。
【0032】
コイル支持部122およびセンサ支持部142はたとえば、それぞれ棒状、または一方向に長い板状の部材である。
【0033】
シャフト180、コイル支持部122、センサ支持部142、および後述する連結部130は、それぞれ少なくとも表面が絶縁性であることが好ましい。そうすれば、それらが万が一電線等に接触した場合であっても、電気系統への影響を避けられる。
【0034】
被測定物90が高圧電線等の吊り下げ部品94である場合、測定者の感電を防ぐため、シャフト180の被測定物90側の一端181と持ち手190とは完全に絶縁されていることが好ましい。また、同様の目的で、シャフト180は絶縁体であることが好ましい。
【0035】
また、本実施形態において、シャフト180の一端181とは反対側の他端182側には、コイル支持部122およびセンサ支持部142の、シャフト180に対する角度を操作する操作部170が設けられている。操作部170はたとえば、コイル支持部122およびセンサ支持部142のシャフト180に対する角度を変化させるモータの操作スイッチである。コイル支持部122およびセンサ支持部142とシャフト180との関係について以下に詳しく説明する。
【0036】
本図の例において、コイル支持部122とセンサ支持部142とは、連結部130で連結されている。連結部130は、一端にコイル支持部122、他端にセンサ支持部142が取り付けられた棒状、または一方向に長い板状の部材である。そして、連結部130の中央にはシャフト180の一端181が取り付けられている。コイル支持部122には、一端側に連結部130が、他端側にコイル120が取り付けられている。また、センサ支持部142には、一端側に連結部130が、他端側に磁気センサ140が取り付けられている。
【0037】
図3(a)および
図3(b)はそれぞれ、実施形態に係る検査装置10の第1の状態と第2の状態を示す図である。
図3(a)および
図3(b)は、検査装置10の一端181付近を拡大して示している。
図3(a)は第1の状態、
図3(b)は第2の状態を示しており、第1の状態と第2の状態とは操作部170に対する操作により切り替え可能である。具体的には第1の状態と第2の状態とでは、角度αが異なっている。角度αはシャフト180の長さ方向と、連結部130の長さ方向とのなす角である。または角度αは、シャフト180の長さ方向と、コイル120から磁気センサ140に向かう方向とのなす角である。連結部130はシャフト180に対し、第1回転軸161を基準に回転可能に取り付けられている。このことにより、角度αが可変であり、すなわちコイル支持部122およびセンサ支持部142のシャフト180に対する角度が可変である。また、コイル120の向きに注目すると、第1の状態と第2の状態とで、シャフト180の長さ方向とコイル120の軸とのなす角が互いに異なる。
【0038】
図4(a)および
図4(b)はそれぞれ、実施形態に係る検査装置10の第3の状態と第4の状態を示す図である。
図4(a)は、
図3(a)の検査装置10を左側から見た状態に相当する。
図4(a)は第3の状態、
図4(b)は第4の状態を示しており、第3の状態と第4の状態とは操作部170での操作により切り替え可能である。具体的には第3の状態と第4の状態とでは、角度βが異なっている。角度βはシャフト180の長さ方向と、コイル支持部122およびセンサ支持部142の長さ方向とのなす角である。コイル支持部122およびセンサ支持部142は連結部130に対し、第2回転軸162を基準に回転可能に取り付けられている。このことにより、角度βが可変であり、すなわちコイル支持部122およびセンサ支持部142のシャフト180に対する角度が可変である。
【0039】
コイル支持部122およびセンサ支持部142のシャフト180に対する角度が可変であることにより、様々な状態の被測定物90に対してコイル120および磁気センサ140をアプローチさせることができる。
【0040】
なお、以上に説明した角度αおよび角度βは、互いに独立に操作可能である。また、検査装置10は、角度αと角度βのいずれか一方のみが可変であるように構成されていてもよい。
【0041】
図5(a)および
図5(b)は、測定中における吊り下げ部品94および検査装置10の状態の第1例を示す図である。
図5(a)は正面図であり、
図5(b)は
図5(a)の検査装置10等を左側から見た状態に相当する。
図5(a)および
図5(b)はシャフト180の一端181近傍を拡大して示しており、測定者はこれらの図中、下側で検査装置10を操作している。吊り下げ部品94の一端は碍子96に取り付けられており、他端側には電線92が吊り下げられている。詳しくは、吊り下げ部品94の他端側には貫通孔が設けられており、この貫通孔に電線92が通っている。測定者は、吊り下げ部品94のうち碍子96と電線92との間の部分を測定する。
図5(a)および
図5(b)の例において、吊り下げ部品94は水平方向に延びている。測定者はシャフト180の他端182にある持ち手190を持って、コイル120および磁気センサ140を、碍子96と電線92との間に差し込み、コイル120および磁気センサ140が吊り下げ部品94を挟むようにする。そうすれば、離れた位置にある吊り下げ部品94の所望の部分を容易に測定できる。
【0042】
図6(a)および
図6(b)は、測定中における吊り下げ部品94および検査装置10の状態の第2例を示す図である。
図6(a)は正面図であり、
図6(b)は
図6(a)の検査装置10等を左側から見た状態に相当する。
図6(a)および
図6(b)はシャフト180の一端181近傍を拡大して示しており、測定者はこれらの図中、下側で検査装置10を操作している。
図6(a)および
図6(b)の例において、吊り下げ部品94は鉛直方向に延びている。測定者は角度βを90°にした状態で、コイル120および磁気センサ140を碍子96と電線92との間に差し込み、コイル120および磁気センサ140が吊り下げ部品94を挟むようにする。そうすれば、離れた位置にある吊り下げ部品94の所望の部分を容易に測定できる。
【0043】
図7は、検査装置10の変形例を示す図である。本変形例において、シャフト180の一端181側には、カメラ150が配置されている。カメラ150は、コイル120、磁気センサ140およびその近傍を撮像する。たとえばシャフト180の他端182側にいる測定者は、カメラ150で撮影された画像(静止画または動画)をリアルタイムで見ることができる。検査装置10がカメラ150を備えることにより、測定者は、直接目視することが困難な被測定物90に対してもコイル120および磁気センサ140をアプローチさせることができる。
【0044】
図8は、本実施形態に係る検査方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る検査方法は、磁場発生ステップS10、検出ステップS20および生成ステップS30を含む。磁場発生ステップS10では、少なくとも一つの周波数f
mで変調された磁場をコイル120から発生させる。検出ステップS20では、コイル120に対向して配置された磁気センサ140で、磁場を検出する。生成ステップS30では、コイル120と磁気センサ140との間に配置された被測定物90の劣化度合いを示す劣化情報を生成する。生成ステップS30では具体的には、磁気センサ140の検出信号から周波数f
m成分を検波して検波信号を生成し、検波信号を用いて劣化情報を生成する。
【0045】
測定者は、ひとつの被測定物90に対し、コイル120および磁気センサ140の配置を変えて複数の測定を行ってもよい。たとえば複数の測定の結果を平均化することにより、劣化具合をより正確に測定できる。
【0046】
本検査方法は、たとえば上述したような検査装置10を用いて実現される。
【0047】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態に係る検査装置10によれば、被測定物90の劣化具合を定量的に測定できる。
【0048】
たとえば被測定物90が電線92の吊り下げ部品94である場合、定量的な検査を行った上で客観的基準に基づいた交換が可能となり、コストの削減につながる。
【0049】
(実施例)
図9は実施例に係る検査装置10の構成を例示するブロック図である。本実施例に係る検査装置10は、以下に説明する点を除いて実施形態に係る検査装置10と同様である。本実施例に係る検査装置10について以下に詳しく説明する。
【0050】
本実施例に係る検査装置10は測定装置100および端末400を含む。測定装置100では被測定物90に対して測定が行われる。端末400と測定装置100とは無線通信を行う。検査装置10のユーザーは、端末400を操作することにより測定装置100を用いた被測定物90の検査を行える。また、検査装置10のユーザーは、測定装置100から端末400に測定結果を取得することができる。さらに、ユーザーは、端末400を用いて測定装置100を操作してもよい。
【0051】
図10は、実施例に係る測定装置100の構成を例示する図である。また、
図11は、
図10のAの部分を拡大した図である。
図10および
図11には、被測定物90としての吊り下げ部品94と、吊り下げ部品94に接続された碍子96とが合わせて描かれている。測定装置100は、シャフト180、調整部、および測定部を含む。調整部は少なくとも角度調整機構および位置調整機構を含む。測定部は、少なくともコイル120および磁気センサ140を含み、磁場の生成および検出を行う。調整部および測定部は、シャフト180の一端に、ネジ313および固定具314によって固定されている。具体的には、第2角度調整部312のガイドに固定具314を通してはめ込み、固定すべき状態でネジ313を締めることにより、調整部および測定部は、シャフト180に固定されている。シャフト180の他端は実施形態で説明した持ち手190として機能する。
【0052】
図10の例においてシャフト180は伸縮棒である。
図10および
図11の例において調整部は、位置調整部308、カメラ支持部309、カメラ150、第1角度調整部311、および第2角度調整部312を含む。本図の例において、測定部は回路303a、回路303b、支持部302、回路305、および電池306を含む。さらに回路303aはコイル120および磁気センサ140の少なくとも一方を含む。回路303bはコイル120および磁気センサ140の少なくとも一方を含む。くわえて、回路305には発振器および位相検波回路が含まれる。回路303a、回路303b、回路305により、実施形態で説明したコイル駆動部210および生成部220が実現される。回路303aと回路305とはケーブル304aで電気的に接続されている。また、回路303bと回路305とはケーブル304bで電気的に接続されている。回路305と電池306とはケーブル307で電気的に接続されており、電池306からの電力が回路305、回路303a、および回路303bに供給される。回路303aおよび回路303bの構成については詳しく後述する。
【0053】
支持部302は、回路303aおよび回路303bを互いに対向した状態で支持し、被測定物90に対してコイル120および磁気センサ140を固定するための部分である。支持部302は実施形態で説明したコイル支持部122、センサ支持部142、および連結部130を一体化したものに相当する。被測定物90に対する支持部302の位置を調整することにより、回路303aおよび回路303bの被測定物90に対する位置を調整できる。したがって、コイル120および磁気センサ140を所望の位置に配置した状態で測定を行える。具体的には、被測定物90が一方向を除いて支持部302で取り囲まれている状態で測定が行われる。
【0054】
図10および
図11の例において、支持部302は位置調整部308に接続されており、位置調整部308を介して第1角度調整部311、および第2角度調整部312にさらに接続されている。位置調整部308は支持部302と第1角度調整部311との距離を調整可能とする。位置調整部308により、支持部302と第1角度調整部311とは任意の距離で固定される。また、第1角度調整部311および第2角度調整部312により、シャフト180に対する支持部302の角度が調整可能である。カメラ150はカメラ支持部309によって第1角度調整部311へ固定されており、測定装置100のユーザーはカメラ150で撮影された画像を確認しながら被測定物90に対して支持部302を適切に配置できる。カメラ150の位置も支持部302の位置と同時に、位置調整部308によって調整される。
【0055】
図12は、実施例に係る測定装置100の他の状態を例示する図である。また、
図13は、
図12のBの部分を拡大した図である。
図12および
図13の例において、碍子96はシャフト180に対して傾いている。すなわち、
図10および
図11の例において、吊り下げ部品94の吊り下げ方向はシャフト180の長軸と平行であったのに対し、
図12および
図13の例において、吊り下げ部品94の吊り下げ方向は、シャフト180の長軸に対して傾いている。本実施例に係る測定装置100では、第1角度調整部311および第2角度調整部312を用いて第2角度調整部312の角度を調整することにより、このような傾いた被測定物90に対しても容易に測定が行える。
【0056】
図14は、第1角度調整部311および第2角度調整部312の構造を例示する斜視図である。
図15は、第1角度調整部311および第2角度調整部312の構造を例示する正面図である。第1角度調整部311および第2角度調整部312には互いにはめ合わせ可能な凹凸が設けられている。第1角度調整部311と第2角度調整部312とは、ネジ316およびナット317によって、所望の角度関係で固定される。
【0057】
本実施例において、回路305のカメラ150側の面にはカメラ150で撮影可能な表示部240が設けられている。回路305で生成された劣化情報は表示部240に表示され、表示部240の表示内容がカメラ150で撮影される。またカメラ150は表示部240と同時に被測定物90を撮影できる。カメラ150で得られた画像は無線通信で端末400に送られる。
【0058】
本実施例において、シャフト180は絶縁体であり、たとえば樹脂からなる。そして、シャフト180の一端と他端とは完全に絶縁されている。すなわちシャフト180の一端と他端との間には、配線や電気ケーブル等は設けられておらず、電気的な経路がない。測定装置100における測定は、電池を電源として行われる。また、測定装置100で得られた情報は無線通信で端末400へ取り出すことができる。このような構成により、被測定物90が高電圧や高電流の電線の吊り下げ部品94である場合でも、測定者の感電を防ぐことができる。
【0059】
図16は、実施例に係るコイル120および磁気センサ140の配置の一例を示す図である。実施例において、検査装置10は複数のコイル120および複数の磁気センサ140を含む。そして、複数のコイル120は互いに異なる周波数で変調された磁場を発生させる。各コイル120には対を成す磁気センサ140が設けられる。すなわち、周波数f
mk(kは正の整数)で変調された磁場を発生させるコイル120と対を成す磁気センサ140の検出信号からは、周波数f
mk成分が検波されて検波信号が生成される。本実施例に係る検査装置10には、このようなコイル120と磁気センサ140との対が複数含まれる。複数のコイル120および複数の磁気センサ140を用いることにより、コイル120と磁気センサ140の間の、より広い範囲の検査が可能となる。特に、対を成すコイル120と磁気センサ140とが対角に配置されることにより、被測定物90を介した磁場の検出が効果的に行われる。
【0060】
本図の例において、複数のコイル120および複数の磁気センサ140は、第1の線301aおよび第2の線301b上に配置されている。第1の線301aおよび第2の線301bは測定時に被測定物90をはさむように配置される。本図の例において第1の線301aおよび第2の線301bは直線である。また、第1の線301a上および第2の線301b上のそれぞれには、コイル120と磁気センサ140とが交互に配置されている。そして、対を成すコイル120および磁気センサ140の一方は、第1の線301a上に位置し、他方は第2の線301b上に位置する。より詳しくは、対を成すコイル120と磁気センサ140とは被測定物90をはさんで対角に位置するように配置されている。
【0061】
図17は、実施例に係るコイル120および磁気センサ140と支持部302との関係を例示する図である。支持部302に固定された回路303aおよび回路303bのそれぞれには磁気センサ140とコイル120とが交互に配されている。すなわち
図16の例において、第1の線301a上に位置するコイル120および磁気センサ140が回路303aに含まれ、第2の線301b上に位置するコイル120および磁気センサ140が回路303bに含まれる。コイル120aと磁気センサ140bとは対を成し、コイル120bと磁気センサ140aとは対を成している。回路303aおよび回路303bはそれぞれ、複数のコイル120、複数の磁気センサ140、コイル120を駆動するための回路、および磁気センサ140から磁場の検出信号を生成するための回路を含む。そして、周波数f
mkの交流電流が一つのコイル120に流され、そのコイル120の対角に位置する磁気センサ140の検出信号が周波数f
mkで検波される。複数のコイル120および複数の磁気センサ140による測定は、互いに異なる周波数f
m1〜f
mn(nは正の整数であり、k≦n)によって同時に行われる。生成部220は、複数の磁気センサ140により得られた複数の検波信号の信号値の平均を、劣化情報として生成する。
【0062】
図18(a)および
図18(b)は、実施例に係るコイル120および磁気センサ140の配置の第1の変形例を示す図である。本変形例に係る検査装置10は、以下に説明する点を除いて
図16を参照して説明した検査装置10と同じである。本変形例においても、複数のコイル120および複数の磁気センサ140は、第1の線301aおよび第2の線301b上に配置されている。ただし、本変形例では、複数のコイル120のすべてが、第1の線301a上に配置され、複数の磁気センサ140のすべてが第2の線301b上に配置されている。
【0063】
本変形例において、対を成すコイル120と磁気センサ140との配置関係は特に限定されない。
図18(a)の例では対を成すコイル120と磁気センサ140とは対角に位置する。
図18(b)の例では、対を成すコイル120と磁気センサ140とを結ぶ複数の線が平行となるように、複数のコイル120および複数の磁気センサ140が並んでいる。
【0064】
本変形例において、回路303aは複数のコイル120、およびコイル120を駆動するための回路を含む。回路303bは複数の磁気センサ140、および磁気センサ140から磁場の検出信号を生成するための回路を含む。
【0065】
図19(a)および
図19(b)は、実施例に係るコイル120および磁気センサ140の配置の第2の変形例を示す図である。本変形例に係る検査装置10は、以下に説明する点を除いて
図16を参照して説明した検査装置10と同じである。本変形例においても、複数のコイル120および複数の磁気センサ140は、第1の線301aおよび第2の線301b上に配置されている。ただし、本変形例では、第1の線301aおよび第2の線301bは曲線である。具体的には、第1の線301aおよび第2の線301bは被測定物90を取り囲む円の円周上に配置される。
【0066】
図19(a)の例において、第1の線301a上および第2の線301b上のぞれぞれには、コイル120と磁気センサ140とが交互に配置されている。そして、対を成すコイル120および磁気センサ140の一方は、第1の線301a上に位置し、他方は第2の線301b上に位置する。より詳しくは、対を成すコイル120と磁気センサ140とは被測定物90をはさんで対角に位置するように配置されている。本図の例において、回路303aおよび回路303bはそれぞれ、複数のコイル120、複数の磁気センサ140、コイル120を駆動するための回路、および磁気センサ140から磁場の検出信号を生成するための回路を含む。
【0067】
図19(b)の例において、複数のコイル120のすべてが第1の線301a上に配置され、複数の磁気センサ140のすべてが第2の線301b上に配置されている。
図19(b)の例において、対を成すコイル120と磁気センサ140との配置関係は特に限定されない。すなわち、対を成すコイル120と磁気センサ140とは対角に位置していてもよいし、対を成すコイル120と磁気センサ140とを結ぶ複数の線が平行となるように、複数のコイル120および複数の磁気センサ140が並んでいてもよい。本図の例において、回路303aは複数のコイル120、およびコイル120を駆動するための回路を含む。回路303bは複数の磁気センサ140、および磁気センサ140から磁場の検出信号を生成するための回路を含む。
【0068】
なお、
図16、および
図18(a)から
図19(b)は、コイル120および磁気センサ140がそれぞれ7個である例、すなわちn=7の例を示しているが、コイル120および磁気センサ140の数はこの例に限定されない。また、コイル120の数と磁気センサ140の数とは必ずしも同じである必要はない。変調および検波のための周波数f
mに関して、一つのコイル120に対し二つ以上の磁気センサ140が対応していてもよいし、二つの以上のコイル120に対し一つの磁気センサ140が対応していてもよい。
【0069】
図20は、端末400を実現するための計算機1000を例示する図である。計算機1000は任意の計算機である。例えば計算機1000は、SoC(System On Chip)、Personal Computer(PC)、サーバマシン、タブレット端末、又はスマートフォンなどである。計算機1000は、端末400を実現するために設計された専用の計算機であってもよいし、汎用の計算機であってもよい。
【0070】
計算機1000は、バス1020、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120を有する。バス1020は、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1040などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ1040は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ1060は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス1080は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0071】
入出力インタフェース1100は、計算機1000と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース1100には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0072】
ネットワークインタフェース1120は、計算機1000をネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えば LAN(Local Area Network)や WAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1120がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。ただし、端末400は少なくとも測定装置100とは無線接続されることが好ましい。
【0073】
ストレージデバイス1080は、端末400の機能を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、このプログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、プログラムモジュールに対応する機能を実現する。記憶部230は、ストレージデバイス1080を用いて実現される。ただし、記憶部230はクラウド等、外部の記憶装置であってもよい。
【0074】
図21は、実施例に係る検査装置10の動作を例示するフローチャートである。
図22(a)から
図22(c)は、実施例に係る端末400の表示内容を例示する図である。
図22(a)から
図22(c)の例において、端末400はスマートフォンであり、ディスプレイと入力部を兼ねたタッチパネルを搭載している。
【0075】
ステップS101では、検査装置10のユーザーがコイル120および磁気センサ140を被測定物90に対して配置する。具体的には、第1角度調整部311および第2角度調整部312にて角度調整を行い、シャフト180を用いて被測定物90に支持部302を装着する。このとき、測定装置100は測定可能な状態、すなわち電源ONの状態にしておく。
【0076】
ステップS201では、コイル120による磁場の発生および磁気センサ140による磁場の検出が行われる。具体的には、回路305の発振器からの変調信号は、回路303aおよび回路303bの少なくとも一方を介してコイル120に入力される。そして、コイル120から発生する磁場が磁気センサ140で検出される。次いで、ステップS202において、磁気センサ140の出力信号が回路303aおよび回路303bの少なくとも一方を介して回路305の位相検波回路に入力され、上記した通り周波数f
mk(k=1〜n)の成分の振幅値の平均値が劣化情報として得られる。得られた劣化情報が表示部240に表示される。
【0077】
ステップS102においてユーザーは、測定装置100から情報を取得するためのアプリケーションを端末400で起動させる。すると、ステップS203において、端末400に第1の表示内容420が表示される。第1の表示内容420は、測定に関する測定情報を表示する測定情報表示部425、カメラ150で撮影された画像を表示する画像表示部424、データの保存ボタン426、他の画面への遷移ボタン(第1の遷移ボタン422および第2の遷移ボタン428)が含まれる。測定情報にはたとえば、劣化情報、測定位置を示す情報、測定日時を示す情報が含まれる。
【0078】
ここでユーザーが新たな測定情報を得ようとする場合、ユーザーは第1の表示内容420のうち、第1の遷移ボタン422をタップする(ステップS103)。すると、端末400に第2の表示内容421が表示される(ステップS204)。第2の表示内容421には、カメラ150で撮影されている画像がリアルタイムで映し出されている。また、第2の表示内容421は撮影ボタン423を含む。ここで、ユーザーが撮影ボタン423をタップすると(ステップS104)、ステップS205において、その時の測定情報が生成される。測定情報に含まれる劣化情報はたとえばカメラ150で得られた画像中の表示部240に表示された数値を画像認識することで得られる。測定位置を示す情報はカメラ150または端末400に備えられたGPS(Global Positioning System)装置により得られる。測定日時を示す情報は、カメラ150または端末400に備えられた時計により得られる。また、ステップS205では、端末400の表示内容が第1の表示内容420に戻る。戻った第1の表示内容420の測定情報表示部425には生成された測定情報が表示され、画像表示部424には撮影ボタン423がタップされた時点の画像が表示される。なお、測定情報表示部425の表示内容は、文字でもよいし、図やグラフ等が含まれてもよい。
【0079】
なお、直接目視しにくい被測定物90を検査する場合、ユーザーはカメラ150で撮影された画像を端末400で見ながら被測定物90に対するコイル120および磁気センサ140の配置を行ってもよい。すなわち、ユーザーは、ステップS101の前にアプリケーションを起動し、第1の表示内容420の第1の遷移ボタン422をタップして第2の表示内容421を端末400に表示させてもよい。
【0080】
ステップS205に次ぐステップS206において、劣化情報が所定の条件を満たすか否かの判定が行われる。たとえば、劣化情報があらかじめ定められた基準値以下である場合(ステップS206のN)、端末400の画面に警告が表示される(ステップS207)。一方、劣化情報があらかじめ定められた基準値を超える場合(ステップS206のY)、端末400の画面に警告は表示されない。
【0081】
ユーザーは、第1の表示内容420に表示された情報を保存したい場合、第1の表示内容420の保存ボタン426をタップする(ステップS105)。すると、画像表示部424に表示されていた画像、および測定情報表示部425に表示されていた測定情報が記憶部230に保存される(ステップS208)。ユーザーは、撮影(すなわち測定情報の取得)および保存を必要に応じて繰り返し行うことができる。
【0082】
また、ユーザーは、保存された情報を確認したい場合、第1の表示内容420の第2の遷移ボタン428をタップする(ステップS106)。すると、端末400に第3の表示内容427が表示される(ステップS209)。第3の表示内容427では、地図上に測定位置を示すピン429が表示されるとともに、各ピン429に対応する測定情報430が表示される。
【0083】
なお、検査装置10の動作は本例に限定されず、ユーザーは必要なタイミングや順序で、測定、保存、確認等の操作を行うことができる。
【0084】
図23(a)および
図23(b)は、実施例に係る検査装置10で被測定物90とした吊り下げ部品94の写真である。
図23(b)の吊り下げ部品94は
図23(a)の吊り下げ部品94よりも腐食が進んでいる。また、
図23(c)および
図23(d)は、それぞれ
図23(a)および
図23(b)の吊り下げ部品94を被測定物90とした場合に、実施例に係る検査装置10のカメラ150で得られた画像である。
【0085】
図23(c)および
図23(d)に示されている通り、腐食具合に応じた数値が表示部240に表示される。なお、腐食具合が大きいほど小さな数値が表示される。
【0086】
本実施例によれば、実施形態と同様の作用および効果が得られる。くわえて、端末400をユーザーインタフェースとして、容易に測定を進めることができる。
【0087】
以上、図面を参照して本発明の実施形態および実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0088】
上記の実施形態および実施例の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。ただし、以下には限られない。
1−1. 少なくとも一つの周波数f
mで変調された磁場を発生させるコイルと、
前記コイルに対向して配置され、磁場を検出する磁気センサと、
前記コイルと前記磁気センサとの間に配置される被測定物の劣化度合いを示す劣化情報を生成する生成部とを備え、
前記生成部は、前記磁気センサの検出信号から周波数f
m成分を検波して検波信号を生成し、前記検波信号を用いて前記劣化情報を生成する検査装置。
1−2. 1−1.に記載の検査装置において、
周波数f
mは、10Hz以上100kHz以下である検査装置。
1−3. 1−1.または1−2.に記載の検査装置において、
前記被測定物は、強磁性体を含む検査装置。
1−4. 1−3.に記載の検査装置において、
前記被測定物は鉄を含む検査装置。
1−5. 1−1.から1−4.のいずれか一つに記載の検査装置において、
前記被測定物は、電線の吊り下げ部品である検査装置。
1−6. 1−5.に記載の検査装置において、
周波数f
mは、前記電線に流れる電流の周波数f
wの4倍以上である検査装置。
1−7. 1−1.から1−6.のいずれか一つに記載の検査装置において、
前記生成部は、複数の周波数f
mに対する前記検波信号を平均化して、前記劣化情報を生成する検査装置。
1−8. 1−7.に記載の検査装置において、
前記コイルを複数備え、
前記複数のコイルは互いに異なる周波数f
mで変調された磁場を発生させる検査装置。
1−9. 1−1.から1−8.のいずれか一つに記載の検査装置において、
前記生成部は、前記検波信号の大きさに基づいて前記被測定物の引張強度を導出する検査装置。
1−10. 1−1.から1−9.のいずれか一つに記載の検査装置において、
前記コイルと前記磁気センサとの距離は1cm以上10cm以下である検査装置。
1−11. 1−1.から1−10.のいずれか一つに記載の検査装置において、
シャフトと、
前記シャフトの一端側に取り付けられ、前記コイルを支持するコイル支持部と、
前記シャフトの前記一端側に取り付けられ、前記磁気センサを支持するセンサ支持部と、
をさらに備え、
前記コイル支持部および前記センサ支持部の前記シャフトに対する角度が可変である検査装置。
1−12. 1−11.に記載の検査装置において、
前記シャフトの前記一端とは反対側の他端側には、前記角度を操作する操作部が設けられている検査装置。
1−13. 1−11.または1−12.に記載の検査装置において、
前記シャフトの前記一端側には、カメラが配置されている検査装置。
2−1. 少なくとも一つの周波数f
mで変調された磁場をコイルから発生させる磁場発生ステップと、
前記コイルに対向して配置された磁気センサで、磁場を検出する検出ステップと、
前記コイルと前記磁気センサとの間に配置された被測定物の劣化度合いを示す劣化情報を生成する生成ステップとを含み、
前記生成ステップでは、前記磁気センサの検出信号から周波数f
m成分を検波して検波信号を生成し、前記検波信号を用いて前記劣化情報を生成する検査方法。
2−2. 2−1.に記載の検査方法において、
周波数f
mは、10Hz以上100kHz以下である検査方法。
2−3. 2−1.または2−2.に記載の検査方法において、
前記被測定物は、強磁性体を含む検査方法。
2−4. 2−3.に記載の検査方法において、
前記被測定物は鉄を含む検査方法。
2−5. 2−1.から2−4.のいずれか一つに記載の検査方法において、
前記被測定物は、電線の吊り下げ部品である検査方法。
2−6. 2−5.に記載の検査方法において、
周波数f
mは、前記電線に流れる電流の周波数f
wの4倍以上である検査方法。
2−7. 2−1.から2−6.のいずれか一つに記載の検査方法において、
前記生成ステップでは、複数の周波数f
mに対する前記検波信号を平均化して、前記劣化情報を生成する検査方法。
2−8. 2−7.に記載の検査方法において、
前記磁場発生ステップでは、複数の前記コイルから互いに異なる周波数f
mで変調された磁場を発生させる検査方法。
2−9. 2−1.から2−8.のいずれか一つに記載の検査方法において、
前記生成ステップでは、前記検波信号の大きさに基づいて前記被測定物の引張強度を導出する検査方法。
2−10. 2−1.から2−9.のいずれか一つに記載の検査方法において、
前記コイルと前記磁気センサとの距離は1cm以上10cm以下である検査方法。