特開2021-25933(P2021-25933A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-25933変位出力装置および電動アクチュエータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-25933(P2021-25933A)
(43)【公開日】2021年2月22日
(54)【発明の名称】変位出力装置および電動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20210125BHJP
   H02K 11/21 20160101ALI20210125BHJP
   H02P 29/00 20160101ALI20210125BHJP
【FI】
   G01D5/12 B
   H02K11/21
   H02P29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-145243(P2019-145243)
(22)【出願日】2019年8月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】成田 浩昭
【テーマコード(参考)】
2F077
5H501
5H611
【Fターム(参考)】
2F077AA43
2F077CC02
2F077EE02
2F077TT06
2F077TT26
2F077TT33
5H501AA30
5H501BB04
5H501DD04
5H501DD07
5H501DD08
5H501GG02
5H501HA08
5H501HB16
5H501JJ03
5H501JJ16
5H501JJ17
5H501JJ23
5H501JJ24
5H501LL23
5H501LL36
5H501PP02
5H611AA01
5H611BB01
5H611PP05
5H611QQ03
(57)【要約】
【課題】変位出力装置の配置に制約を受けないようにして、電動アクチュエータの小型化と低コスト化を可能とする。
【解決手段】変位出力装置(70)は、モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構と、前記出力機構の機械的変位を検出するセンサと、前記センサの出力に基づいて前記モータの回転を制御する制御部とを備えた電動アクチュエータの前記出力機構の変位に応じた信号を出力する変位出力装置(70)であって、基準電位に接続される第1端子(W)と、前記第1端子に対して任意の入力電圧が印加される第2端子(B)と、前記入力電圧に対して前記出力機構の変位に応じた出力電圧を出力する第3端子(R)と、前記センサの出力に基づいて前記出力機構の変位の割合を算出する演算処理部(73)と、前記入力電圧に対して、前記演算処理部によって算出された前記割合に応じた電圧を生成して前記出力電圧として前記第3端子に出力する出力回路(75)とを有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構と、前記出力機構の機械的な変位を検出するセンサと、前記センサの出力に基づいて前記モータの回転を制御する制御部とを備えた電動アクチュエータの前記出力機構の変位に応じた信号を出力する変位出力装置であって、
基準電位に接続される第1端子と、
前記第1端子に対して任意の入力電圧が印加される第2端子と、
前記入力電圧に対して前記出力機構の変位に応じた出力電圧を出力する第3端子と、
前記センサの出力に基づいて前記出力機構の変位の割合を算出する演算処理部と、
前記入力電圧に対して、前記演算処理部によって算出された前記割合に応じた電圧を生成して前記出力電圧として前記第3端子に出力する出力回路と
を有する変位出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載された変位出力装置において、
前記第2端子に印加された前記入力電圧の大きさをアナログ/デジタル変換して前記演算処理部に入力するアナログ/デジタル変換回路をさらに備え、
前記演算処理部は、前記センサの出力と前記アナログ/デジタル変換回路から入力される前記入力電圧の大きさとから前記出力電圧の大きさを算出し、
前記出力回路は、
前記演算処理部によって算出された前記出力電圧の大きさをデジタル/アナログ変換するデジタル/アナログ変換回路と、
前記デジタル/アナログ変換回路によって変換された大きさの電圧を生成して前記出力電圧として出力するアナログ出力回路とを含む、
変位出力装置。
【請求項3】
請求項2に記載された変位出力装置において、
前記アナログ/デジタル変換回路と前記演算処理部とを電気的に絶縁する第1のフォトカプラと、
前記デジタル/アナログ変換回路と前記演算処理部とを電気的に絶縁する第2のフォトカプラと
を有する、
変位出力装置。
【請求項4】
請求項1に記載された変位出力装置において、
前記出力機構の変位の割合に応じて変調された変調デジタル信号を出力する第1変調回路と、
前記変調デジタル信号によって前記第2端子に印加された電圧を変調する第2変調回路と
をさらに備え、
前記出力回路は、
前記第2変調回路から出力される電圧を平滑して出力するアナログ出力回路を含む、
変位出力装置。
【請求項5】
請求項4に記載された変位出力装置において、
前記第2変調回路は、前記演算処理部と前記アナログ出力回路とを電気的に絶縁するフォトカプラを含む、
変位出力装置。
【請求項6】
モータと、
前記モータに電流を供給する駆動回路と、
前記モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構と、
前記出力機構の機械的な変位を検出するセンサと、
前記センサの出力に基づいて前記モータの回転を制御する制御部と、
基準電位に接続される第1端子と、前記基準電位に対して任意の入力電圧を印加する第2端子と、前記入力電圧に対して前記出力機構の変位に応じた出力電圧を出力する第3端子とを有する変位出力装置と
を備え、
前記変位出力装置は、
請求項1〜5のいずれか一項に記載された変位出力装置である、
電動アクチュエータ。
【請求項7】
請求項6に記載された電動アクチュエータにおいて、
演算処理回路と、記憶装置と、インターフェースとを備えた演算処理装置を備え、
前記演算処理装置は、前記制御部と前記変位出力装置の前記演算処理部として動作するように構成されている、
電動アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変位出力装置および電動アクチュエータに関し、特に電動アクチュエータの出力機構の機械的な変位に応じた信号を出力する変位出力装置および変位出力装置を備えた電動アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構を備えた電動アクチュエータにおいては、出力機構と機械的に連結されたポテンショメータによって、出力機構の変位に応じた信号を外部に出力している。ポテンショメータは、原理的には、図12に示すように、抵抗体と、この抵抗体の上を摺動することができる可動電極(ブラシ)とから構成される可変抵抗器であり、抵抗体の両端(B,W)に電圧をかけ、可動電極の位置に応じて分圧された電圧を、可動電極に接続された端子Rから出力する。例えば、回転角度を検出するロータリーポテンショメータの場合、ポテンショメータの可動電極は、電動アクチュエータの出力軸と機械的に連結されて、出力軸の回転とともに抵抗体の上を摺動する。
【0003】
例えば、特許文献1には、電動アクチュエータのギア減速機構を収容する筐体の外部にポテンショメータを装着し、ポテンショメータに出力軸の回転を伝達することが記載されている。また、特許文献2には、アクチュエータの出力軸の一端にポテンショメータを装着することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−35251号公報
【特許文献2】特開2011−200025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポテンショメータは、抵抗体に対して可動電極を摺動させる構造から、ある程度の大きさを必要とする。また、変位出力装置として、電動アクチュエータの伝達系内にポテンショメータを設ける場合は、ポテンショメータを出力軸に機械的に連結しなければならず、そのため、ポテンショメータの配置には大きな制約があった。したがって、ポテンショメータを設けることが、電動アクチュエータの小型化と低コスト化とを妨げる原因となっていた。
また、ポテンショメータを出力軸等に連結するためにクリアランスが設けられるが、このクリアランスが誤差の原因となっていた。また、可動電極が抵抗体上を摺動することで、経年変化による信頼性の低下は避けられない。
【0006】
さらに、ポテンショメータは、抵抗体の両端に印加される電圧は規格化されていないために、出力機構の変位が同じでも、ポテンショメータの抵抗体に印加する電圧の大きさによって、ポテンショメータの可動電極から出力される電圧の大きさは、アプリケーションごとに異なることもあった。
【0007】
そこで、本発明は、変位出力装置の配置に制約を受けないようにして、電動アクチュエータの小型化、低コスト化、信頼性の向上および各種の信号処理を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る変位出力装置は、モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構と、前記出力機構の機械的な変位を検出するセンサと、前記センサの出力に基づいて前記モータの回転を制御する制御部とを備えた電動アクチュエータの前記出力機構の変位に応じた信号を出力する変位出力装置(70)であって、基準電位に接続される第1端子(W)と、前記第1端子に対して任意の入力電圧が印加される第2端子(B)と、前記入力電圧に対して前記出力機構の変位に応じた出力電圧を出力する第3端子(R)と、前記センサの出力に基づいて前記出力機構の変位の割合を算出する演算処理部(73)と、前記入力電圧に対して、前記演算処理部によって算出された前記割合に応じた電圧を生成して前記出力電圧として前記第3端子に出力する出力回路(75)とを有する。
【0009】
本発明の一実施の形態に係る変位出力装置においては、前記第2端子に印加された前記入力電圧の大きさをアナログ/デジタル変換して前記演算処理部に入力するアナログ/デジタル変換回路(72)をさらに備え、前記演算処理部(73)は、前記センサの出力と前記アナログ/デジタル変換回路から入力される前記入力電圧の大きさとから前記出力電圧の大きさを算出し、前記出力回路は、前記演算処理部によって算出された前記出力電圧の大きさをデジタル/アナログ変換するデジタル/アナログ変換回路(74)と、前記デジタル/アナログ変換回路によって変換された大きさの電圧を生成して前記出力電圧として出力するアナログ出力回路(75)とを含む。
【0010】
本発明の一実施の形態に係る変位出力装置においては、前記アナログ/デジタル変換回路(72)と前記演算処理部(73)とを電気的に絶縁する第1のフォトカプラ(78)と、前記デジタル/アナログ変換回路と前記演算処理部とを電気的に絶縁する第2のフォトカプラ(79)とを有する。
【0011】
本発明の一実施の形態に係る変位出力装置においては、前記出力機構の変位の割合に応じて変調された変調デジタル信号を出力する第1変調回路(701)と、前記変調デジタル信号によって前記第2端子に印加された電圧を変調する第2変調回路(740)とをさらに備え、前記出力回路は、前記第2変調回路から出力される電圧を平滑して出力するアナログ出力回路(750)を含む。
【0012】
本発明の一実施の形態に係る変位出力装置においては、前記第2変調回路は、前記演算処理部と前記アナログ出力回路とを電気的に絶縁するフォトカプラ(770)を含む。
【0013】
また、本発明に係る電動アクチュエータは、モータ(10)と、前記モータに電流を供給する駆動回路(60)と、前記モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構(30)と、前記出力機構の機械的な変位を検出するセンサ(40)と、前記センサの出力に基づいて前記モータの回転を制御する制御部(50)と、基準電位に接続される第1端子(W)と、前記基準電位に対して任意の入力電圧を印加する第2端子(B)と、前記入力電圧に対して前記出力機構の変位に応じた出力電圧を出力する第3端子(R)とを有する変位出力装置(70)とを備え、前記変位出力装置は、上述した変位出力装置である。
【0014】
本発明の一実施の形態に係る電動アクチュエータにおいては、演算処理回路(511)と、記憶装置(512)と、インターフェースとを備えた演算処理装置(510)を備え、前記演算処理装置は、前記制御部(50)と前記変位出力装置の演算処理部(73)として動作するように構成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、変位出力装置の配置に制約を受けないようにして、電動アクチュエータの小型化、低コスト化、信頼性の向上および各種の信号処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータの構成を示す図である。
図2図2は、第1の実施の形態に係る電動アクチュエータのハードウェア構成を示す図である。
図3図3は、第1の実施の形態に係る電動アクチュエータの変位出力装置の動作を説明するフローチャートである。
図4A図4Aは、出力側の開度と出力電圧の大きさとの関係(正動作)を説明する図である。
図4B図4Bは、出力側の開度と出力電圧の大きさとの関係(逆動作)を説明する図である。
図4C図4Cは、出力側の開度と出力電圧の大きさとの関係(オフセットとゲイン)を説明する図である。
図4D図4Dは、出力側の開度と出力電圧の大きさとの関係(折れ線)を説明する図である。
図5図5は、第1の実施の形態に係る電動アクチュエータの変位装置の構成例を示す図である。
図6図6は、第1の実施の形態に係る電動アクチュエータの変位装置の他の構成例を示す図である。
図7図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アクチュエータの構成を示す図である。
図8図8は、第2の実施の形態に係る電動アクチュエータの変位出力装置の動作を説明するフローチャートである。
図9A図9Aは、出力側の開度とデューティ比との関係(正動作)を説明する図である。
図9B図9Bは、出力側の開度とデューティ比との関係(逆動作)を説明する図である。
図9C図9Cは、出力側の開度とデューティ比との関係(オフセットとゲイン)を説明する図である。
図9D図9Dは、出力側の開度とデューティ比との関係(折れ線)を説明する図である。
図10図10は、第2の実施の形態に係る電動アクチュエータの変位装置の構成例を示す図である。
図11図11は、第2の実施の形態に係る電動アクチュエータの変位装置の他の構成例を示す図である。
図12図12は、ポテンショメータの原理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1に本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータ100の構成を示す。
電動アクチュエータ100は、モータ10と、モータ10の回転を伝達する伝達機構となる減速機20と、減速機20を介して伝達されるモータ10の回転に応じて軸線周りに回動する回転軸30と、回転軸30の回転角度を検出する角度センサ40と、モータ10の回転を制御する制御部50と、制御部50からの制御信号に基づいてモータ10を回転させる駆動回路60と、回転軸30の位置に応じた信号を出力する変位出力装置70とを備えている。
【0019】
このうち、モータ10には、例えば、同期モータや、ブラシレス直流モータ、ステッピングモータ等を用いることができるが、これら以外の動力源を用いてもよい。
【0020】
減速機20は、典型的には、互いに組み合わされた複数のギアから構成される。ギヤとともに、またはギヤに代えて、チェーンやベルトを組み合わせた機構であってもよい。本実施の形態においては、減速機20は、モータ10の回転を所定の減速比Gで減速して回転軸30に伝達するものとする。
【0021】
回転軸30は、一端が減速機20の出力軸に連結された剛性の高い金属等から形成された棒状の部材であり、モータ10の回転に応じて機械的に変位する出力機構を構成する。図示はしないが、回転軸30の他端は、バルブの弁体その他、操作対象要素に連結される。
【0022】
本実施の形態に係る電動アクチュエータ100においては、出力機構である回転軸30の機械的な変位は、軸線周りの回転角度である。角度センサ40は、この回転軸30の回転角度を検出するデバイスである。本実施の形態において、角度センサ40としては、可変抵抗器から成るポテンショメータを用いるものとするが、これに代えて、回転軸30の回動範囲内に、任意の基準位置から互いに異なる複数の回転角度に対応する位置にそれぞれ設けられた位置センサを備えた角度位置センサや、回転軸30の絶対的な角度位置に対応したコード信号を出力するアブソリュート型のロータリエンコーダなどの絶対的位置センサや、回転軸30の回転角度に対応してパルスを出力する、相対的位置センサであるインクリメンタル型のロータリエンコーダなどを用いてもよい。
【0023】
制御部50は、図示しない上位装置から与えられる目標角度θspと角度センサ40によって検出される回転軸30の回転角度θptとの偏差に応じて操作量を決定し、駆動回路60を動作させることによってモータ10の回転を制御する。より具体的には、制御部50は、目標角度θspと角度センサ40によって検出される回転軸30の回転角度θptとの偏差に応じて操作量OAを決定し、駆動回路60にこの操作量OAに応じた駆動信号Dvを与える。例えば、一般的な比例制御(P制御)の場合は、OA=α(θsp−θpt)(ただし、αは比例定数)よって算出される。制御部50は、このようにして求められた操作量OAに基づいて駆動信号Dvを生成して駆動回路60に対して出力する。
【0024】
なお、上述した比例制御は、モータ10または回転軸30の回転角度の制御の一例にすぎず、本発明においては、例えば、PD制御、PID制御の他、ニューラルネットワークモデルその他のモデルを用いたモデル制御など、どのような制御手法を用いていてもよい。
【0025】
駆動回路60は、例えば、複数のMOSFETを備え、制御部50からの駆動信号DvによってMOSFETやトランジスタなどのスイッチングデバイスを適宜オン/オフすることによって、モータ10の巻線に電流を供給してモータ10を回転させることができる。
【0026】
変位出力装置70は、従来の電動アクチュエータにおいて変位出力装置として設けられていたポテンショメータに代わり、回転軸30の位置に応じた信号を出力する装置である。本実施の形態に係る電動アクチュエータ100において、変位出力装置70は、従来のポテンショメータと同様に、基準電位に接続される第1端子Wと、この第1端子に対して任意の入力電圧が印加される第2端子Bと、この入力電圧に対して回転軸30の位置に応じた電圧、より詳しくは、回転軸30の最大回転角度に対する現在の回転角度に応じた電圧を出力する第3端子Rとを備えている。本実施の形態において、この第1端子Wは、接地(GND)レベルとする。
【0027】
変位出力装置70は、さらに、角度センサ40によって検出される回転軸30の回転角度θptに基づいて、回転軸30の最大回転角度に対する現在の回転角度に応じた割合Θ[%](以下、この割合Θを単に「開度Θ」ということがある。)を算出する演算処理部73と、この演算処理部73の出力をデジタル/アナログ変換してアナログ出力回路75に入力するデジタル/アナログ変換回路(以下、「D/A変換回路」という。)74と、第2端子Bに入力された入力電圧に対して、演算処理部73によって算出された割合に応じた出力電圧を生成して第3端子Rに出力するアナログ出力回路75を備えている。
【0028】
本実施の形態において、演算処理部73は、より具体的には、角度センサ40の出力の大きさVaと第2端子Bに入力される入力電圧の大きさVwとから第3端子Wから出力すべき出力電圧の大きさVo を算出するように構成されている。
【0029】
なお、変位出力装置70は、第2端子Bに印加される入力電圧を演算処理部73に入力するためのアナログ入力回路71とアナログ/デジタル変換回路(以下、「A/D変換回路」という。)72を備えている。また、角度センサ40の出力を演算処理部73に入力するためのアナログ入力回路76とA/D変換回路77とを備えている。
【0030】
図2に、上述した電動アクチュエータ100のハードウェア構成の一例を示す。この例においては、制御基板500に、演算処理装置510と、この演算処理装置510に電源を供給する電源回路520と、アナログ信号を入力または出力するアナログ入力回路71、76およびアナログ出力回路75が設けられている。演算処理装置510は、例えば、演算処理回路(CPU)511、記憶装置(メモリ)512、A/D変換回路72、77、D/A変換回路74、各種インターフェース回路513、514を備え、これらがバス518を介して通信可能に構成されている。
【0031】
演算処理装置510は、メモリ512に記憶されたコンピュータ・プログラムにしたがってCPU511が各種情報処理を実行することによって、上述した制御部50として、インターフェース回路513を介して与えられる目標角度θspと角度センサ40によって検出される回転軸30の回転角度θptとの偏差に応じて駆動回路60を動作させ、モータ10の回転を制御するとともに、変位出力装置70の演算処理部73として、アナログ出力回路75から出力すべき出力電圧の大きさを算出する。
なお、メモリ512には、プログラムの他、回転軸30の最大回転角度の大きさを記憶しておいてもよい。
【0032】
なお、アナログ入力回路71、76は、外部からのアナログ入力信号をその後段のA/D変換回路72、77に入力できるように、増幅、レベルシフト、波形成型したり、ノイズを除去したりする回路であり、抵抗やトランジスタとから構成される公知のアナログ入力回路を適宜用いればよい。
また、アナログ出力回路75は、演算処理部73によって算出された大きさVo の電圧を、例えば、電源回路520から供給される電圧Vccや、第2端子Bに供給される電圧Vbから生成して出力する回路であり、増幅回路を含む公知のアナログ出力回路を適宜用いればよい。
【0033】
[変位出力装置70の動作]
変位出力装置70による変位出力の手順は、図3に示すように、まず、回転軸30の機械的な変位、すなわち、回転角度を角度センサ40により検出してその出力を取得する(ステップS10)。回転角度を取得したら、その回転角度の最大回転角度に対する割合、すなわち出力側の開度Θ[%]に変換する(ステップS20)。そして、第2端子Bに印加されている電圧Vb の大きさを測定し(ステップS30)、第2端子Bに印加されている電圧Vb の大きさにステップS20で算出した開度Θ[%]割合を乗じることによって、第3端子Rから出力させるべきアナログ出力電圧の大きさを計算し(ステップS40)、その大きさの電圧をアナログ出力回路75から出力させる(ステップS50)。
【0034】
上述したステップS40において、出力側の開度Θ[%]から第3端子Rから出力させるべきアナログ出力電圧Vo の大きさを算出する信号処理は、図4Aに示すように、原点を通り正の傾きを有する正動作となる。このときの出力側の開度Θ[%]とアナログ出力電圧Vo との関係は、次の式により表すことができる。
【0035】
Vo = Vb ・Θ/100
【0036】
なお、上記の例では、演算処理部73による、出力側の開度Θ[%]から第3端子Rから出力させるべきアナログ出力電圧Vo の大きさを算出する処理を、図4Aに示すような正動作としたが、本発明において、第2端子Bに印加されている入力電圧Vb の大きさに対して出力側の開度Θ[%]に応じた出力電圧Vo を生成するにあたっては、上述した正動作の他にも、例えば、図4B図4Dに示すような様々な関係を用いることができる。
【0037】
図4Bは、いわゆる逆動作である。出力側の開度Θ[%]とアナログ出力電圧Vo との関係は、次の式により表すことができる。
【0038】
Vo = Vb ・(100−Θ)/100
【0039】
図4Cは、オフセットVostとゲインGを用いる例である。出力の開度Θ[%]とアナログ出力電圧Vo との関係は、次の式により表すことができる。
【0040】
Vo = Vb ・G・Θ/100+Vost
【0041】
図4Dは、範囲によってゲインGが変化する例(折れ線)である。
【0042】
第2端子Bに印加されている入力電圧Vb の大きさに対して出力側の開度Θ[%]に応じた出力電圧Vo を算出する際の信号処理については、上述したように、正動作を基本にして、逆動作、オフセット、ゲインおよび折れ線などが考えられ、また、これらを組み合わせても良いし、さらには上記の関係に限定されるものではない。
【0043】
上述したように、変位出力装置70においては、角度センサ40の出力に基づいて回転軸30の回転角度に応じた電圧を第3端子Rから出力するので、従来の技術に見られるように、機械的な構造を有するポテンショメータを電動アクチュエータの伝達系内に設ける必要はない。また、角度センサ40で検出した回転軸30の回転角度の最大回転角度に対する割合を算出し、この割合と第2端子Bに印加される入力電圧の大きさとに基づいて第3端子Rから出力する出力電圧Vo の大きさを算出するので、第2端子Bに印加される入力電圧の大きさにかかわらず、回転軸30の回転角度を電圧の大きさの比で表すことができる。
【0044】
[第1の実施の形態に係る変位出力装置の構成例1]
図5に本実施の形態の構成例1に係る変位出力装置70Aの構成を示す。
この構成例1に係る変位出力装置70Aは、アナログ信号を扱う回路とデジタル信号を扱う回路とを絶縁分離するとともに、アナログ入力回路71およびアナログ出力回路75の基準電圧として、電動アクチュエータ100内において電源回路520が生成する絶縁された電圧Vcc1 を利用し、さらに内部電圧Vccも生成する。
具体的には、図5に示すように、A/D変換回路72と演算処理部73とは、第1のフォトカプラ78によって電気的に絶縁されている。第1のフォトカプラ78の出力は、SPI/I2Cなどに準拠したインターフェース回路517を介して演算処理部73に入力される。また、演算処理部73とD/A変換回路74とは、第2のフォトカプラ79によって絶縁分離されている。演算処理部73の出力は、SPI/I2Cなどに準拠したインターフェース回路515を介してフォトカプラ79に入力される。
【0045】
[第1の実施の形態に係る変位出力装置の構成例2]
図6に本実施の形態の構成例2に係る変位出力装置70Bの構成を示す。
この構成例2に係る変位出力装置70Bは、アナログ信号を扱う回路とデジタル信号を扱う回路とをフォトカプラによって絶縁分離する点では、上述した構成例1に係る変位出力装置70Aと共通する一方、アナログ入力回路71およびアナログ出力回路75の基準電圧として、第2端子Bに外部から与えられた電圧Vbを利用するようにしてもよい。
【0046】
[第2の実施の形態]
次に本発明の第2の実施の形態に係る電動アクチュエータ100Aについて図7図11を参照して説明する。なお、上述した第1の実施の形態に係る電動アクチュエータ100と共通する構成要素については同一の符号を付して示し、その詳細な説明は省略する。
【0047】
上述した第1の実施の形態においては、変位出力装置70の演算処理部73は、角度センサ40の出力の大きさVaと第2端子Bに入力される入力電圧の大きさVwとから第3端子Wから出力すべき出力電圧Vo の大きさを算出するように構成されていたのに対し、第2の実施の形態においては、変位出力装置700は、入力される信号に応じて変調された変調デジタル信号を出力する第1変調回路701と、第1変調回路701から出力される変調デジタル信号によって第2端子Bに印加された入力電圧を変調する第2変調回路740とを備える点、および演算処理部73が、角度センサ40によって検出された回転軸30の回転角度の最大回転角度に対する割合、すなわち開度Θ[%]を算出して、第1変調回路701に入力する点で異なっている。
【0048】
このうち、第1変調回路701は、演算処理部73が算出した開度Θ[%]に応じてパルス幅変調(PWM)された変調デジタル信号を出力する。
また、第2変調回路740の後段には、平滑回路を含むアナログ出力回路750が設けられている。第2変調回路740から出力されるPWM変調された電圧は、このアナログ出力回路750によって平滑されて、出力電圧Vo として第3端子Rに出力される。
【0049】
[変位出力装置700の動作]
変位出力装置700による変位出力の手順は、図8に示すように、まず、回転軸30の機械的な変位、すなわち、回転角度を角度センサ40により検出してその出力を取得する(ステップS110)。回転角度を取得したら、その回転角度の最大回転角度に対する割合、すなわち出力側の開度Θ[%]に変換する(ステップS120)。そして、この開度Θ[%]に応じたPWM変調率、すなわちデューティ比D[%]を計算して(ステップS130)、そのデューティ比D[%]のPWM変調信号を第1変調回路701から出力し(ステップS140)、第2変調回路740によってPWM変調信号に応じて入力電圧を変調し(ステップS150)、変調された入力電圧を平滑して出力する(ステップS160)。
【0050】
上述したステップS140において、演算処理部73が行う、出力側の開度Θ[%]からデューティ比D[%]を算出する信号処理は、図9Aに示すように、原点を通り正の傾きを有する正動作となる。このときの開度Θ[%]とデューティ比との関係は、比例定数を1とすれば、次の式により表すことができる。
【0051】
D =Θ
【0052】
上記の例では、出力側の開度Θ[%]とデューティ比D[%]との関係を正動作としたが、本発明において、出力側の開度Θ[%]に応じたデューティ比D[%]を算出するにあたっては、上述した正動作(図9A)の他にも、例えば、図9B図9Dに示すような様々な関係を用いることができる。
【0053】
図9Bは、いわゆる逆動作である。出力側の開度Θ[%]とデューティ比D[%]との関係は、次の式により表すことができる。
【0054】
D =100−Θ
【0055】
図9Cは、オフセットDostとゲインGを用いる例である。出力側の開度Θ[%]とデューティ比D[%]との関係は、次の式により表すことができる。
【0056】
D =G・Θ+Dost
【0057】
図9Dは、範囲によってゲインGが変化する例(折れ線)である。
【0058】
出力側の開度Θ[%]に応じたデューティ比D[%]を算出する際の信号処理については、上述したように、正動作を基本にして、逆動作、オフセット、ゲインおよび折れ線などが考えられ、また、これらを組み合わせても良いし、さらには上記の関係に限定されるものではない。
【0059】
本実施の形態においても、角度センサ40の出力に基づいて回転軸30の回転角度に応じた電圧を第3端子Rから出力するので、従来の技術に見られるように、機械的な構造を有するポテンショメータを電動アクチュエータの伝達系内に設ける必要はない。
また、角度センサ40で検出した回転軸30の回転角度の最大回転角度に対する割合Θに応じて第2端子Bに印加される入力電圧をPWM変調することによって、第2端子Bに印加される入力電圧の大きさを演算処理部73に入力しなくてもよい。したがって、第2端子Bに印加される入力電圧の大きさにかかわらず、回転軸30の回転角度を電圧の大きさの比で表すことができるだけでなく、第2端子Bに印加される入力電圧のための入力回路やA/D変換回路が不要となり、より簡素な回路で変位出力装置を実現することができる。
【0060】
[第2の実施の形態に係る変位出力装置の構成例1]
図10に本実施の形態の構成例1に係る変位出力装置700Aの構成を示す。
この構成例1に係る変位出力装置700Aは、アナログ信号を扱う回路とデジタル信号を扱う回路とを絶縁分離するとともに、アナログ出力回路750の基準電圧として、電動アクチュエータ100内において電源回路520が生成する絶縁された電圧Vcc1 を利用し、さらに内部電圧Vccも生成する。
具体的には、図10に示すように、第2変調回路740は、フォトカプラ770によって電気的に絶縁されている。
【0061】
[第2の実施の形態に係る変位出力装置の構成例2]
図11に本実施の形態の構成例2に係る変位出力装置700Bの構成を示す。
この構成例2に係る変位出力装置700Bは、アナログ信号を扱う回路とデジタル信号を扱う回路とをフォトカプラによって絶縁分離する点では、上述した構成例1に係る変位出力装置700Aと共通する一方、アナログ出力回路750の基準電圧として、第2端子Bに外部から与えられた電圧Vbを利用するようにしてもよい。
【0062】
[実施の形態の効果]
以上のように本発明の実施の形態に係る電動アクチュエータ100、100Aによれば、従来の変位出力装置としてのポテンショメータを電子回路によって実現するので、変位出力装置の配置に制約を受けないようにして、電動アクチュエータの小型化と低コスト化を図ることができる。
【0063】
また、上述した制御部50と演算処理部73とは、1つの演算処理装置510で実現することができるので、電動アクチュエータを小型化することができる。
【0064】
また、変位出力装置としてのポテンショメータを出力軸等に連結する必要がないので、クリアランスによる誤差が発生することもない。また、可動電極が抵抗体上を摺動することによる信頼性の低下も回避できる。
【0065】
また、本発明の実施の形態に係る変位出力装置70、700によれば、角度センサ40で検出した回転軸30の回転角度の最大回転角度に対する割合と、第2端子Bに印加される入力電圧の大きさとに基づいて、第3端子Rから出力する出力電圧Vo の大きさを算出するので、第2端子Bに印加される入力電圧の大きさにかかわらず、回転軸30の回転角度を電圧の大きさの比で表すことができる。
【0066】
なお、出力電圧Vo およびデューティ比Dを算出する際の信号処理については、上述したように、正動作を基本にして、逆動作、オフセット、ゲインおよび折れ線などが考えられ、また、これらを組み合わせることによりいろいろな出力に対応できる。
また、上述した実施の形態においては、アナログ信号を扱う回路とデジタル信号を扱う回路とを電気的に絶縁分離するためにフォトカプラを使用しているが、信号が伝達できて絶縁できるデバイスならば、フォトカプラに代えてどのようなデバイスを用いてもよい。
【0067】
また、上記の実施の形態においては、電動アクチュエータの電源回路を例に説明したが、本発明は、電動アクチュエータのみならず、出力機構の機械的な変位に応じた信号を出力する全ての製品に適用できる。
【0068】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、変位出力装置を備えた電動アクチュエータに利用することができる。
【符号の説明】
【0070】
100、100A…電動アクチュエータ、10…モータ、20…減速機、30…回転軸、40…角度センサ、50…制御部、500…制御基板、510…演算処理装置、511…CPU、512…メモリ、60…駆動回路、70…変位出力装置、71,76…アナログ入力回路、75,750…アナログ出力回路、72、77…A/D変換回路、74…D/A変換回路、78,79、770…フォトカプラ、701…第1変調回路、740…第2変調回路。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12