特開2021-2600(P2021-2600A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-2600(P2021-2600A)
(43)【公開日】2021年1月7日
(54)【発明の名称】放熱構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20201204BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20201204BHJP
   G10K 11/172 20060101ALI20201204BHJP
【FI】
   H05K7/20 H
   G10K11/16 100
   G10K11/172
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-115833(P2019-115833)
(22)【出願日】2019年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 友治
【テーマコード(参考)】
5D061
5E322
【Fターム(参考)】
5D061CC04
5D061EE31
5E322AA01
5E322AA03
5E322AB11
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA05
5E322BB03
5E322BC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発熱部品の発熱を放熱しつつ、サイレンサー専用の空間を確保せずとも騒音を低減できる放熱構造を提供する。
【解決手段】放熱構造10において、筐体に収められた発熱部品8から熱量が伝導されるヒートシンク12と、ヒートシンク12を空冷するファン14とを備える。ヒートシンク12には、ファン14によって気流が発生する貫通孔Kと、貫通孔Kに連通し、ファン14に対応したヘルムホルツ共鳴を生じる孔部70と、が形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に収められた発熱部品から熱量が伝導されるヒートシンクと、
前記ヒートシンクを空冷するファンと、を備え、
前記ヒートシンクには、
前記ファンによって気流が発生する貫通孔と、
前記貫通孔に連通し、前記ファンに対応したヘルムホルツ共鳴を生じる孔部と、
が形成されていることを特徴とする放熱構造。
【請求項2】
前記孔部の開口部が1つ以上の凹部または凸部を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の放熱構造。
【請求項3】
前記孔部は、
前記発熱部品が接触する箇所から前記貫通孔の延在方向に外れた位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の放熱構造。
【請求項4】
前記ヒートシンクは、
前記貫通孔の一部を構成するファン通風路が形成された中実の中実部と、
前記貫通孔の一部を構成する中空の空間部を有し、当該中空の空間部が前記ファン通風路に連通するように前記中実部に一体に設けられた中空部と、を備え、
前記中実部に、
前記発熱部品を収め、当該発熱部品に接触する発熱部品収容凹部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の放熱構造。
【請求項5】
前記孔部は、
前記中空部に設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の放熱構造。
【請求項6】
前記中空部は、
前記発熱部品が実装された回路基板の実装面に面する箇所に開放部を有し、
前記回路基板に前記ヒートシンクが取り付けられたときに、前記開放部が前記実装面によって閉塞される
ことを特徴とする請求項4または5に記載の放熱構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術として、特開2007−41332号公報(以下、「特許文献1」と呼ぶ)がある。特許文献1には、「PC本体の騒音周波数にあわせた最適な複数の消音BOXの配置を行い、さまざまな種類のPC本体の消音を容易に行うことができるPCサイレンサーを提供することにある。」という課題と、「PC本体1から冷却FAN3により装置外に排出された風は、サイレンサーユニット2を通過する。サイレンサーユニット2には、ホルツヘルム共鳴を利用して、体積の異なる複数の消音BOXを組み合わせたユニットを構成して、PCサイレンサーを形成する。」という解決手段とが記載されている。なお、特許文献1における「ホルツヘルム共鳴」は、本明細書における「ヘルムホルツ共鳴」に対応する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−41332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、サイレンサーユニットを設けるための空間を装置内に確保する必要がある。しかしながら、装置のサイズに制約があるときは、装置内に当該空間を確保する余裕がなく、サイレンサーユニットを設けることができない。
【0005】
本発明は、発熱部品の発熱を放熱しつつ、サイレンサー専用の空間を確保せずとも騒音を低減できる放熱構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筐体に収められた発熱部品から熱量が伝導されるヒートシンクと、前記ヒートシンクを空冷するファンと、を備え、前記ヒートシンクには、前記ファンによって気流が発生する貫通孔と、前記貫通孔に連通し、前記ファンに対応したヘルムホルツ共鳴を生じる孔部と、が形成されていることを特徴とする放熱構造を提供する。
【0007】
本発明は、上記放熱構造において、前記孔部の開口部が1つ以上の凹部または凸部を含む、ことを特徴とする。
【0008】
本発明は、上記放熱構造において、前記孔部は、前記発熱部品が接触する箇所から前記貫通孔の延在方向に外れた位置に設けられている、ことを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記放熱構造において、前記ヒートシンクは、前記貫通孔の一部を構成するファン通風路が形成された中実の中実部と、前記貫通孔の一部を構成する中空の空間部を有し、当該中空の空間部が前記ファン通風路に連通するように前記中実部に一体に設けられた中空部と、を備え、前記中実部に、前記発熱部品を収め、当該発熱部品に接触する発熱部品収容凹部が設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記放熱構造において、前記孔部は、前記中空部に設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記放熱構造において、前記中空部は、前記発熱部品が実装された回路基板の実装面に面する箇所に開放部を有し、前記回路基板に前記ヒートシンクが取り付けられたときに、前記開放部が前記実装面によって閉塞されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発熱部品の発熱を放熱しつつ、サイレンサー専用の空間を確保せずとも騒音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る車載装置1の内部を透視して示す斜視図である。
図2】車載装置の内部を透視して示す上面図である。
図3】回路基板、及びヒートシンクユニットの分解斜視図である。
図4】ヒートシンクの吸気側端面、及び側面を共に示す図である。
図5】排気側端面の側からみたヒートシンクの斜視図である。
図6図2のVI−VI断面図である。
図7】孔部の開口面積、及び長さの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る車載装置1の内部を透視して示す斜視図であり、図2は車載装置1の内部を透視して示す上面図である。
車載装置1は、例えばオーディオ装置やナビゲーション装置といった車両に搭載される装置であり、図1に示すように、筐体2を備える。筐体2は、車両における設置スペースに収まる形状(図示例では直方体形状)、及び寸法に、金属や樹脂などの適宜の材料から形成されている。設置スペースとしては、例えばダッシュボードに設けられた収納凹部が挙げられる。この収納凹部のサイズには、ドイツ工業規格の1DIN、または2DINのサイズ規格が用いられる。
【0015】
筐体2は、閉空間である内部空間3を内部に形成し、当該内部空間3に、回路基板4と、騒音低減機能付きのヒートシンクユニット10と、が収められている。回路基板4は、適宜の固定手段によって筐体2に固定される。ヒートシンクユニット10は、回路基板4の実装面4Aに載置され、適宜の締結具によって固定される。なお、図2には、ヒートシンクユニット10を締結具の一例たる螺子11を用いて固定した態様が示されている。
【0016】
図3は、回路基板4、及びヒートシンクユニット10の分解斜視図である。
回路基板4は、例えばプリント基板であり、車載装置1の各種の機能を実現するための多数の部品が実装面4Aに配置されている。これらの部品の中には、他の部品に比べて発熱量が多く、また安定動作のために放熱を要する部品(以下、発熱部品8と言う)が含まれている。発熱部品8としては、例えばMPUやCPUのどのプロセッサや、各種の集積回路が挙げられる。
ヒートシンクユニット10は、発熱部品8を空冷することで、当該発熱部品8の発熱を放熱する放熱構造の一態様であり、ヒートシンク12と、ファン14と、を備える。
【0017】
図4は、ヒートシンク12の吸気側端面16、及び側面19を共に示す図である。図5は、排気側端面20の側から視たヒートシンク12の斜視図である。図6は、図2のVI−VI断面図である。
【0018】
ヒートシンク12は、発熱部品8を放熱する部材であり、例えばアルミニウムや銅、アルミニウム合金などの高熱伝導性材料から形成されている。このヒートシンク12は、四角柱状を成し、その表面に発熱部品8を接触させた状態で回路基板4に固定される。具体的には、図6に示すように、ヒートシンク12の底面(実装面4Aに対向する面)に、回路基板4の発熱部品8が入り込む発熱部品収容凹部30が設けられており、この発熱部品収容凹部30の表面30Aに発熱部品8が密着する。そして、発熱部品8の発熱による熱量が表面30Aからヒートシンク12に伝導することで当該発熱部品8が放熱され、発熱部品8の温度が所定温度(例えば定格動作温度)以下に抑えられる。なお、表面30Aと発熱部品8との間には、熱伝導性グリスや熱伝導性シートを設けてもよい。
【0019】
ファン14は、発熱部品8から熱量が伝導されたヒートシンク12を空冷する気流発生装置である。本実施形態では、ファン14には軸流ファンが用いられている。なお、ファン14の種類は、シロッコファンなどの軸流ファン以外でもよい。
【0020】
本実施形態では、ヒートシンク12の中に貫通孔Kが形成されとり、ファン14が発生する気流が貫通孔Kに生じることで、当該ヒートシンク12が効率良く冷却されるようになっている。
詳述すると、図6に示すように、ヒートシンク12は、中実四角形状の中実部50と、この中実部50に一体に設けられた、内部が中空の中空部52と、を備える。
中実部50には、その底面に、上述した発熱部品収容凹部30が形成されている。さらに中実部50には、ヒートシンク12の一端面(以下、吸気側端面16と言う)に、気流の導入口K2Bが開口した複数本の直線状のファン通風路K2が形成されている。各ファン通風路K2は上記貫通孔Kの一部を構成するものである。
一方、中空部52の内部の中空の空間部53は、ヒートシンク12の他端面(以下、排気側端面20と言う)に、気流の排出口K1Aが開口した直線状の大径風路K1を構成している。この大径風路K1も上記貫通孔Kの一部を構成するものである。すなわち、各ファン通風路K2と大径風路K1とが直線状に連通することで、吸気側端面16と排気側端面20の間を直線状に貫通する上述の貫通孔Kが構成されている。
【0021】
かかる中実部50、及び中空部52を有したヒートシンク12は、例えばダイキャストなどの適宜の鋳造法によって一体成型できる。
【0022】
上記ファン14は、ヒートシンク12の吸気側端面16に固定されており、羽根14Aをモータで回転させることで、ファン通風路K2の各導入口K2Bに空気を流し込む。この結果、各ファン通風路K2を含むに貫通孔Kに、吸気側端面16から排気側端面20への一方向に均一な空気の流れが発生し、かかる気流によってヒートシンク12が空冷される。
【0023】
ファン14の固定構図について詳述すると、図3、及び図4に示すように、ヒートシンク12の吸気側端面16には、ファン14を固定する複数(図示例では2つ)のファン固定部40と、ファン14の固定位置を位置決めする複数のファン位置決め部42と、が設けられている。ファン固定部40には、ファン14がねじ止め固定される。またファン位置決め部42には位置決めピン43が立設されており、各位置決めピン43にファン14が係合することで所定位置にファン14が位置決めされる。なお、ヒートシンク12へのファン14の取付時に、生産治具等でファン14を保持する場合には、位置決めピン43をヒートシンク12に設ける必要はない。
【0024】
ファン固定部40には、図4に示すように、台座部44が設けられており、当該台座部44によって、図6に示すように、吸気側端面16とファン14との間に隙間δが設けられる。当該隙間δが設けられることで、ファン14が備える羽根14Aとヒートシンク12との接触が防止される。また吸気側端面16にファン14が密着する場合に比べ、ファン14の能力を十分に発揮させ、貫通孔Kに効率良く気流が生じるようになる。
【0025】
図4に示すように、ヒートシンク12の吸気側端面16において、ファン通風路K2の各導入口K2Bは、ファン14の羽根14Aの外周が回転時に描く円形領域48中で、なるべく大きく開口するように形成されている。すなわち、各導入口K2Bは、円形領域48の円周に接する大きさ、若しくは、当該円形領域48の外に一部がはみ出す大きさに形成されている。これにより、ファン14によって各ファン通風路K2に、より大きな気流を発生させることができ、ファン14による空冷の効率を高めることができる。
【0026】
ここで、図5に示すように、ヒートシンク12の中空部52は、断面コ字状を成し、回路基板4の実装面4Aに対面する箇所に、内部の空間部53(すなわち、大径風路K1)を開放する開放部55が形成されており、ヒートシンク12を回路基板4に固定した状態では、この開放部55が回路基板4の実装面4Aによって閉塞されるようになっている。これにより、実装面4Aの幾つかの部品を大径風路K1の気流に曝し、これらの部品を空冷することができる。
【0027】
ここで、本実施形態のヒートシンクユニット10は、ヘルツホルム共鳴を利用することで、ファン14が発する騒音(羽根14Aの回転に伴う風切り音など)を低減する機能を備えている。
具体的には、ヒートシンク12は、貫通孔Kに連通し、ファン14の騒音周波数に相当する共鳴周波数fcのヘルムホルツ共鳴を生じる孔部70が、上面18又は側面19(本実施形態では上面18)に設けられている。この共鳴周波数fcは、音速をc(m/秒)、閉空間を形成する筐体2の内部空間の容積をV(m)とし、また図7に示すように、孔部70の開口面積をS(m)、及び、孔部70の深さ方向の長さをL(m)とすると、次式(1)によって表される。
【0028】
【数1】
【0029】
式(1)に示されるように、筐体2の容積Vが一定であれば、孔部70の開口面積S、及び、孔部70の長さLのそれぞれを適宜に設定することで、ファン14の騒音周波数に相当する共鳴周波数fcが得られる。
【0030】
かかるヒートシンクユニット10においては、ファン14の作動に伴って均一な速度で流れる気流がヒートシンク12の貫通孔Kに生じることで、貫通孔Kと筐体2の内部空間を繋ぐ孔部70の中で圧力差が生じ、ヘルムホルツ共振の原理により、騒音に対して位相が半分ずれた逆位相の音(ヘルムホルツ共鳴)が発生する。これにより、騒音が低減される。すなわち、このヒートシンクユニット10によれば、発熱部品8の放熱に利用するファン14の騒音を、サイレンサー専用のスペースを筐体2の内部に設けることなく低減でき、車載装置1の小型化や高密度化を図ることができる。
【0031】
ここで、共鳴周波数fcは、孔部70の開口形状(開口の平面視形状)に依存しない。そこで、図2に示すように、孔部70の開口部70Aの平面視形状を櫛歯状とし、開口部70Aに、1以上の凸部又は凹部が含まれるようにしている。これにより、孔部70の開口部70Aの平面視形状が円形や矩形である場合よりも、孔部70と、そこを流れる空気との接触面積が増加し、放熱効果を向上させることができる。なお、開口部70Aの平面視形状は櫛歯状に限定されるものではない。
【0032】
これに加え、図6に示すように、孔部70は、貫通孔Kの延在方向に発熱部品収容凹部30から外れた位置に設けられている。より具体的には、孔部70は、発熱部品収容凹部30が設けられた中実部50ではなく、当該中実部50に一体に設けられた中空部52の表面に設けられている。これにより、孔部70が発熱部品8から比較的離れた位置に設けられることとなり、ヒートシンク12において、発熱部品8に比較的近く、当該発熱部品8から比較的多くの熱量が伝えられる箇所の体積が孔部70によって削られることがなく、冷却効果の低下を抑えることができる。
【0033】
本実施形態によれば、次の効果を奏する。
【0034】
本実施形態のヒートシンクユニット10において、ヒートシンク12には、ファン14によって気流が発生する貫通孔Kと、貫通孔Kに連通し、ファン14の騒音に対応したヘルムホルツ共鳴を生じる孔部70と、を形成した。
これにより、発熱部品8の発熱をヒートシンク12、及びファン14によって放熱しつつ、サイレンサー専用の空間を確保せずとも、ヒートシンク12の孔部70によるヘルムホルツ共鳴によってファン14の騒音を低減できる。
また、ファン14の回転数を上げることで空冷能力を高めても、ファン14による騒音の増加が抑えられる。
【0035】
本実施形態のヒートシンクユニット10では、孔部70の開口部70Aが1つ以上の凹部または凸部を含むので、孔部70と、そこを流れる空気との接触面積が増加し、放熱効果を向上させることができる。
【0036】
本実施形態のヒートシンクユニット10では、孔部70は、発熱部品8が接触する箇所から貫通孔Kの延在方向(貫通方向)に外れた位置に設けられている。
これにより、ヒートシンク12において、発熱部品8に比較的近く、当該発熱部品8から比較的多くの熱量が伝えられる箇所の体積が孔部70によって削られることがなく、冷却効果の低下を抑えることができる。
【0037】
本実施形態のヒートシンクユニット10において、ヒートシンク12は、貫通孔Kの一部を構成するファン通風路K2が形成された中実の中実部50と、貫通孔Kの一部を構成する中空の空間部53を有し、当該空間部53がファン通風路K2に連通するように中実部50に一体に設けられた中空部52と、を備える。そして、中実部50には、発熱部品8を収め、当該発熱部品8に接触する発熱部品収容凹部30が設けられている。
中実部50が発熱部品8に接触することで、発熱部品8から多くの熱量を中実部50で受けることができ、高い冷却性能が得られる。
【0038】
本実施形態のヒートシンクユニット10において、孔部70は中実部50ではなく中空部52に設けられているので、中実部50の体積(熱容量)が孔部70によって削られることがなく、高い冷却性能を維持できる。
【0039】
本実施形態のヒートシンクユニット10において、中空部52は、発熱部品8が実装された回路基板4の実装面4Aに対面する箇所に開放部55を有する。そして、この開放部55は、回路基板4へのヒートシンク12の取り付けに伴って、実装面に4Aよって閉塞される。
これにより、実装面4Aの幾つかの部品を大径風路K1の気流に曝し、これらの部品を空冷することができる。
【0040】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
【0041】
上述した実施形態において、貫通孔Kに一方向に一定速度の空気が流れていれば、その方向は任意である。
すなわち、上述した実施形態において、空気を吸い込むファン14を吸気側端面16に代えて排気側端面20に設けてもよいし、吸気側端面16のファン14が空気を吸い込むのではなく排気してもよい。
【0042】
上述した実施形態において、ヒートシンクユニット10が複数の発熱部品8を放熱してもよい。
【0043】
上述した実施形態において、ヒートシンク12には放熱フィンなどの別途の放熱機構を付加してもよい。
【0044】
上述した実施形態において、水平、及び垂直等の方向、各種の数値、及び形状は、特段の断りがない限り、これらの方向、及び数値の周辺の範囲、及び近似の形状を除外するものではない。すなわち、同一の作用効果を奏し、また数値にあっては臨界的意義を逸脱しない限りにおいて、それら方向、及び数値の周辺の範囲、及び近似の形状(いわゆる、均等の範囲)を含むものである。
【符号の説明】
【0045】
1 車載装置
2 筐体
4 回路基板
4A 実装面
8 発熱部品
10 ヒートシンクユニット(放熱構造)
12 ヒートシンク
14 ファン
14A 羽根
16 吸気側端面
20 排気側端面
30 発熱部品収容凹部
50 中実部
52 中空部
53 空間部
55 開放部
70 孔部
70A 開口部
K 貫通孔
K1 大径風路
K2 ファン通風路
L 長さ
S 開口面積
V 容積
fc 共鳴周波数
δ 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7