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特開2021-31670疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法およびその適用
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  • 特開2021031670-疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法およびその適用 図000009
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-31670(P2021-31670A)
(43)【公開日】2021年3月1日
(54)【発明の名称】疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法およびその適用
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/00 20060101AFI20210201BHJP
   C07C 251/24 20060101ALI20210201BHJP
   C07C 249/02 20060101ALI20210201BHJP
   B01D 65/08 20060101ALI20210201BHJP
   B01D 61/10 20060101ALI20210201BHJP
【FI】
   C08G73/00
   C07C251/24
   C07C249/02
   B01D65/08
   B01D61/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-240062(P2019-240062)
(22)【出願日】2019年12月30日
(11)【特許番号】特許第6796235号(P6796235)
(45)【特許公報発行日】2020年12月9日
(31)【優先権主張番号】201910782297.4
(32)【優先日】2019年8月23日
(33)【優先権主張国】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515190906
【氏名又は名称】南京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】呂路
(72)【発明者】
【氏名】黄前霖
(72)【発明者】
【氏名】張▲うぇい▼銘
(72)【発明者】
【氏名】潘丙才
【テーマコード(参考)】
4D006
4H006
4J043
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006KA33
4D006KA41
4D006KD03
4D006KD30
4D006PA01
4D006PB02
4H006AA02
4H006AC59
4H006BB14
4H006BB61
4H006BC19
4H006BC31
4J043PA13
4J043QC02
4J043RA02
4J043RA05
4J043SA06
4J043SB01
4J043TA11
4J043TA35
4J043TB01
4J043XA04
4J043ZB13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法の提供。
【解決手段】(1)第m+0.5世代のPAMAMの調製、(2)第m+1世代のPAMAMの調製、(3)疎水基で修飾された第m+1世代のPAMAMの調製、のステップを含み、ベンゾアルデヒド化合物をキャッピング剤として、PAMAMデンドリマーの末端にベンゼン環を導入することにより、形成された表面化学層が良好な疎水性と立体障害を持つようにした、PAMAMデンドリマーの調製方法。(ここで、m=0,1,2,3である。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法であって、
(1)第m+0.5世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第m世代のP
AMAMを取って20〜500部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Aを得て、第m
世代のPAMAM中のアミノ物質の量の2.1〜3倍のアクリル酸メチルと20〜500
部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械
的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させ、窒素の保護下で前記混合液Aをフラスコに
ゆっくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を30〜45°Cに調整し、2
4〜36時間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を分離して精製させ、続いて6
0°Cで真空乾燥させ、それにより第m+0.5世代のPAMAMを得て、m=0,1,
2,3であり、第0世代のPAMAMはHN(CHNHである、ステップ(1
)と、
(2)第m+1世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第m+0.5世代
のPAMAMを取って30〜600部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Bを得て、
第m+0.5世代のPAMAM中のエステル系物質の量の1.1〜1.5倍のHN(C
NHと30〜600部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに
加え、氷水浴に入れてから機械的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させ、窒素の保護
下で前記混合液Bをフラスコに加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を30〜3
5°Cに調整し、12〜48時間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を分離して
精製させ、続いて60°Cで真空乾燥させ、それにより第m+1世代のPAMAMを得て
、m=0,1,2,3である、ステップ(2)と、
(3)疎水基で修飾された第m+1世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部
の第m+1世代のPAMAMを取って20〜600部のエタノールに懸濁し、第m+1世
代のPAMAM中のエステル系物質の量の1.1〜1.5倍のベンゾアルデヒド化合物を
加え、窒素の保護下で12〜72時間撹拌および還流し、反応後、得られた生成物を分離
して精製させ、それにより疎水基で修飾された第m+1世代のリンフリーデンドリマーを
得て、m=0,1,2,3である、ステップ(3)と、
を含むことを特徴とする、疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項2】
ステップ(1)および(2)における前記HN(CHNHについて、n=2〜
5である、ことを特徴とする、
請求項1に記載のリンフリーデンドリマーの逆浸透膜スケール防止剤の調製方法。
【請求項3】
ステップ(1)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物を40〜80°Cで
減圧蒸留し、過剰のアクリル酸メチルと溶媒メチルアルコールを除去し、残りの小さな部
分の液体をデキストランゲルカラムで分離するステップである、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項4】
ステップ(2)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物を40〜80°Cで
減圧蒸留し、過剰のHN(CHNHと溶媒メチルアルコールを除去し、H
(CHNHを除去した後、質量比が10−6:1のトルエンとメチルアルコール
の混合溶液を加えて、残りのHN(CHNHと共沸を形成し、残りのHN(
CHNHを除去し、再びメチルアルコールを加えてトルエンを除去し、残りの小
さな部分の液体をデキストランゲルカラムで分離するステップである、ことを特徴とする

請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項5】
ステップ(3)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物をソックスレー抽出
器に入れ、質量比が2〜8:1のトルエンとエタノールの混合溶媒で12〜36時間抽出
するステップである、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項6】
ステップ(3)における前記ベンゾアルデヒド化合物は、人工ビターアーモンドオイル、
o−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ホルミル安息香酸、またはそれらの混合物であり
、混合物の場合に各成分のモル比は1:1〜1.5:2〜2.5である、ことを特徴とす
る、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項7】
ステップ(3)における前記疎水基で修飾された第m+1世代のリンフリーデンドリマー
は、逆浸透膜スケール防止剤に適用される、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆浸透膜分離の技術分野に属し、より具体的には、疎水基で修飾されたリンフ
リーデンドリマーの調製方法およびその適用に関する。
【背景技術】
【0002】
逆浸透膜の分離技術は、設置面積が小さく、脱塩効率が高く、環境に優しく、そして操作
しやすいという利点があり、海水淡水化、水道水処理、下水浄化などのプロセスで広く適
用されている。スケーリングは、その工業化の推進と適用を制限する重要な要素となる。
該問題を解決する最も一般的で最も簡単な方法は、動作中にスケール防止剤を追加するこ
とである。一般的なスケール防止剤には、主に、無機ポリリン酸塩、有機ポリリン酸塩、
ホモポリマー分散剤、共重合分散剤およびそれらの複合製品が含まれ、そのスケール抑制
メカニズムは、(1)沈殿の抑制、(2)付着の防止、(3)用量の効果という3つのカ
テゴリに分類される。しかしながら、逆浸透システムでのこれらのスケール防止剤の適用
には、低用量(過量による膜閉塞)、スケール防止性能の低下、および水域の富栄養化な
どの問題があり、現在の市場適用の要件を満たしにくい。
【0003】
デンドリマーは、非常に高い官能基密度、高度に対称的な構造、制御可能な分子サイズと
形状により、多くの分野で科学者と起業家の注目を集めている。特に逆浸透分離の技術分
野ではかなりの利点があり、関連する研究報告書が徐々に増えている。中国特許のリンフ
リー逆浸透スケール防止剤EDA−PAMAMおよびその調製方法(CN1092648
76A)には、ポリアミド−アミンデンドリマーの逆浸透スケール防止剤としての適用が
開示されるが、その末端基とスケールを引き起こすイオンの間の弱い相互作用のため、薬
剤の使用量が大きくなり、それにより適用コストが高くなり、その商業的適用がある程度
制限される。さらに、アミノ基は親水性官能基であり、ほとんどの逆浸透膜は親水性材料
であるため、スケール防止剤が膜表面に付着して浸透圧を高めるという問題を容易に引き
起こしやすい。中国特許の逆浸透膜スケール防止剤と応用(CN102397755A)
、およびデンドリマーポリアミド−アミンオクタメチレンホスホン酸の調製とその適用(
CN103242365A)はそれぞれ、逆浸透スケール防止剤としてのポリアミド−ア
ミンデンドリマーと有機ホスホン酸化合物の適用、および逆浸透スケール防止剤としての
ポリアミド−アミンデンドリマーグラフト化亜リン酸の適用を開示し、両方のスケール防
止剤には優れたスケール防止性能があるが、どちらもリン元素を含有し、そして水域の富
栄養化などの二次汚染という問題を容易に引き起こしやすい。したがって、逆浸透膜のス
ケーリングイオンの特性および逆浸透膜の構造特性ならびにデンドリマーの構造特性に応
じて、機能官能基とスケーリングイオンとの相互作用が強く、疎水性末端基をもつリンフ
リーデンドリマーの逆浸透膜スケール防止剤を開発することは非常に重要である。
【発明の概要】
【0004】
上記技術的問題に対処して、本発明は、デンドリマーの分子サイズと形状が制御可能であ
り、そして変性しやすいなどの特性を使用して、機能官能基とスケーリングイオンとの相
互作用が強く、疎水性末端基をもつリンフリーデンドリマーの調製方法および逆浸透膜ス
ケール防止剤におけるその適用を提供する。さらに、本発明の疎水基で修飾されたリンフ
リーデンドリマーは、リンを含まず、リン元素によって引き起こされる水域の富栄養化な
どの二次汚染問題も回避することができる。
【0005】
本発明の技術的解決手段:
疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法であって、以下のステップを含む

(1)第m+0.5世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第m世代のP
AMAMを取って20〜500部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Aを得る。第m
世代のPAMAM中のアミノ物質の量の2.1〜3倍のアクリル酸メチルと20〜500
部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械
的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させる。窒素の保護下で前記混合液Aをフラスコ
にゆっくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を30〜45°Cに調整し、
24〜36時間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を分離して精製させ、続いて
60°Cで真空乾燥させ、それにより第m+0.5世代のPAMAMを得て、ここで、m
=0,1,2,3であり、第0世代のPAMAMはHN(CHNHである。
(2)第m+1世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第m+0.5世代
のPAMAMを取って30〜600部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Bを得る。
第m+0.5世代のPAMAM中のエステル系物質の量の1.1〜1.5倍のHN(C
NHと30〜600部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに
加え、氷水浴に入れてから機械的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させる。窒素の保
護下で前記混合液Bをフラスコにゆっくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温
度を30〜35°Cに調整し、12〜48時間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成
物を分離して精製させ、続いて60°Cで真空乾燥させ、それにより第m+1世代のPA
MAMを得て、ここで、m=0,1,2,3である。
(3)疎水基で修飾された第m+1世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部
の第m+1世代のPAMAMを取って20〜600部のエタノールに懸濁し、第m+1世
代のPAMAM中のエステル系物質の量の1.1〜1.5倍のベンゾアルデヒド化合物を
加え、窒素の保護下で12〜72時間撹拌および還流し、反応後、得られた生成物を分離
して精製させ、それにより疎水基で修飾された第m+1世代のリンフリーデンドリマーを
得て、ここで、m=0,1,2,3である。
【0006】
さらに、ステップ(1)および(2)における前記HN(CHNHについて、
n=2〜5である。
【0007】
さらに、ステップ(1)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物を40〜8
0°Cで減圧蒸留し、過剰のアクリル酸メチルと溶媒メチルアルコールを除去し、残りの
小さな部分の液体をデキストランゲルカラムで分離するステップである。
さらに、ステップ(2)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物を40〜8
0°Cで減圧蒸留し、過剰のHN(CHNHと溶媒メチルアルコールを除去し
、ほとんどのHN(CHNHを除去した後、質量比が10−6:1のトルエン
とメチルアルコールの混合溶液を加えて、残りのHN(CHNHと共沸を形成
し、残りのHN(CHNHを除去し、再びメチルアルコールを加えてトルエン
を除去し、残りの小さな部分の液体をデキストランゲルカラムで分離するステップである

さらに、ステップ(3)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物をソックス
レー抽出器に入れ、質量比が2〜8:1のトルエンとエタノールの混合溶媒で12〜36
時間抽出するステップである。
【0008】
さらに、ステップ(3)における前記ベンゾアルデヒド化合物は、人工ビターアーモンド
オイル、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ホルミル安息香酸、またはそれらの混合
物であり、ここで、混合物の場合に各成分のモル比は1:1〜1.5:2〜2.5である

さらに、ステップ(3)における前記疎水基で修飾された第m+1世代のリンフリーデン
ドリマーは、逆浸透膜スケール防止剤に適用される。
【0009】
上記技術的内容における本発明は、長年の実用的な実践と経験に基づいて得られたもので
あり、最高の技術的手段および方法を用いて組み合わせて最適化され、最高の技術的効果
が得られ、それは技術的特徴の単純な重ね合わせおよびパッチワークではないため、本発
明は重要な意味を持つ。
【0010】
本発明の有益な効果:
(1)本発明は、PAMAMデンドリマーの分子サイズと形状が制御可能であり、そして
表面特性が変性しやすいなどの特徴により、ベンゾアルデヒド化合物をキャッピング剤と
して、末端にベンゼン環を導入することにより、形成された表面化学層は、良好な疎水性
と立体障害を持つようにし、スケール防止剤が逆浸透膜の表面に付着して浸透圧を増加さ
せるという問題を効果的に回避でき、それによりスケール防止剤の使用を増やし、スケー
ル防止性能と膜洗浄のサイクルを改善することに役立ち、同時に、ベンゼン環にはスケー
リングイオンとの相互作用が強い機能官能基が含まれ、スケール防止性能をさらに向上さ
せることができる。内部分岐構造は、親水性官能基アミドによってサポートされる極性空
間であり、それにより、スケーリングイオンの引力を助長し、分岐ユニットの官能基と末
端の官能基からなる化学環境で制御され、逆浸透膜の濃縮水側で一緒に懸濁および分散さ
れ、そして最終的に濃縮水とともに膜システムから排出されることに役立ち、これにより
、これらの物質が逆浸透膜に堆積することによって引き起こされる汚染を回避するため、
優れたスケール防止性能を備える。
(2)本発明によって調製された疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーはリンを含
まず、逆浸透膜スケール防止剤として使用して、リン元素によって引き起こされる水域の
富栄養化などの二次汚染という問題を効果的に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明によって調製された疎水基で修飾された第3世代のリンフリーデンドリマー(G3−PAMAM−2−ホルミル安息香酸)の構造概略式である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は、具体的な実施形態を参照して本発明をさらに説明されるが、保護範囲はそれに限
定されない。
実施例1
疎水基で修飾された第1世代のリンフリーデンドリマー(G1−PAMAM−人工ビター
アーモンドオイル)の調製:
(1)第m+0.5世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第0世代のP
AMAM(HN(CHNH)を取って20部のメチルアルコールに溶解して混
合溶液Aを得た。第0世代のPAMAM中のアミノ物質の量の2.1倍のアクリル酸メチ
ルと20部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れて
から機械的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させた。窒素の保護下で前記混合液Aを
フラスコにゆっくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を30°Cに調整し
、24時間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を40°Cで減圧蒸留し、過剰の
アクリル酸メチルと溶媒メチルアルコールを除去し、残りの小さな部分の液体をデキスト
ランゲルカラムで分離して精製させ、続いて60℃で真空乾燥させ、第0.5世代のPA
MAMを得た。
(2)第1.0世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第0.5世代のP
AMAMを取って30部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Bを得た。第m+0.5
世代のPAMAM中のエステル系物質の量の1.1倍のHN(CHNHと30
部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械
的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させた。窒素の保護下で前記混合液Bをフラスコ
にゆっくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を30°Cに調整し、12時
間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を40°Cで減圧蒸留し、過剰のHN(
CHNHと溶媒メチルアルコールを除去し、ほとんどのHN(CHNH
を除去した後、質量比が6:1のトルエンとメチルアルコールの混合溶液を加えて、残
りのHN(CHNHと共沸を形成し、残りのHN(CHNHを除去
し、再びメチルアルコールを加えてトルエンを除去し、残りの小さな部分の液体をデキス
トランゲルカラムで分離して精製させ、続いて60℃で真空乾燥させ、第1世代のPAM
AMを得た。
(3)疎水基で修飾された第1世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第
1世代のPAMAMを取って20部のエタノールに懸濁し、第1世代のPAMAM中のエ
ステル系物質の量の1.1倍の人工ビターアーモンドオイルを加え、窒素の保護下で12
時間撹拌および還流し、反応後、得られた生成物をソックスレー抽出器に入れ、質量比が
2:1のトルエンとエタノールの混合溶媒で12時間抽出して分離と精製し、疎水基で修
飾された第1世代のリンフリーデンドリマー(G1−PAMAM−人工ビターアーモンド
オイル)を得た。
【0013】
実施例2
疎水基で修飾された第2世代のリンフリーデンドリマー(G2−PAMAM−0−ヒドロ
キシベンズアルデヒド)の調製:
(1)第1.5世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の実施例1で精製さ
れた第1世代のPAMAMを取って65部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Aを得
た。第1世代のPAMAM中のアミノ物質の量の2.4倍のアクリル酸メチルと130部
のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械的
撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させた。窒素の保護下で前記混合液Aをフラスコに
ゆっくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を37°Cに調整し、30時間
撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を50°Cで減圧蒸留し、過剰のアクリル酸
メチルと溶媒メチルアルコールを除去し、残りの小さな部分の液体をデキストランゲルカ
ラムで分離して精製させ、続いて60℃で真空乾燥させ、第1.5世代のPAMAMを得
た。
(2)第2世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第1.5世代のPAM
AMを取って75部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Bを得た。第1.5世代のP
AMAM中のエステル系物質の量の1.2倍のHN(CHNHと90部のメチ
ルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械的撹拌を
オンにしてそれらを均一に混合させた。窒素の保護下で前記混合液Bをフラスコにゆっく
りと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を32°Cに調整し、20時間撹拌し
て反応させ、反応後、得られた生成物を50°Cで減圧蒸留し、過剰のHN(CH
NHと溶媒メチルアルコールを除去し、ほとんどのHN(CHNHを除去
した後、質量比が8:1のトルエンとメチルアルコールの混合溶液を加えて、残りのH
N(CHNHと共沸を形成し、残りのHN(CHNHを除去し、再び
メチルアルコールを加えてトルエンを除去し、残りの小さな部分の液体をデキストランゲ
ルカラムで分離して精製させ、続いて60℃で真空乾燥させ、第2世代のPAMAMを得
た。
(3)疎水基で修飾された第2世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第
2世代のPAMAMを取って64部のエタノールに懸濁し、第2世代のPAMAM中のエ
ステル系物質の量の1.2倍の0−ヒドロキシベンズアルデヒドを加え、窒素の保護下で
24時間撹拌および還流し、反応後、得られた生成物をソックスレー抽出器に入れ、質量
比が4:1のトルエンとエタノールの混合溶媒で20時間抽出して分離と精製し、疎水基
で修飾された第2世代のリンフリーデンドリマー(G2−PAMAM−0−ヒドロキシベ
ンズアルデヒド)を得た。
【0014】
実施例3
疎水基で修飾された第3世代のリンフリーデンドリマー(G3−PAMAM−2−ホルミ
ル安息香酸)の調製:
(1)第2.5世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の実施例2で精製さ
れた第2世代のPAMAMを取って175部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Aを
得た。第2世代のPAMAM中のアミノ物質の量の2.7倍のアクリル酸メチルと300
部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械
的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させた。窒素の保護下で前記混合液Aをフラスコ
にゆっくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を37°Cに調整し、30時
間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を60°Cで減圧蒸留し、過剰のアクリル
酸メチルと溶媒メチルアルコールを除去し、残りの小さな部分の液体をデキストランゲル
カラムで分離して精製させ、続いて60℃で真空乾燥させ、第2.5世代のPAMAMを
得た。
(2)第3世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第2.5世代のPAM
AMを取って210部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Bを得た。第2.5世代の
PAMAM中のエステル系物質の量の1.3倍のHN(CHNHと210部の
メチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械的撹
拌をオンにしてそれらを均一に混合させた。窒素の保護下で前記混合液Bをフラスコにゆ
っくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を34°Cに調整し、36時間撹
拌して反応させ、反応後、得られた生成物を60°Cで減圧蒸留し、過剰のHN(CH
NHと溶媒メチルアルコールを除去し、ほとんどのHN(CHNH
除去した後、質量比が9:1のトルエンとメチルアルコールの混合溶液を加えて、残りの
N(CHNHと共沸を形成し、残りのHN(CHNHを除去し、
再びメチルアルコールを加えてトルエンを除去し、残りの小さな部分の液体をデキストラ
ンゲルカラムで分離して精製させ、続いて60℃で真空乾燥させ、第3世代のPAMAM
を得た。
(3)疎水基で修飾された第3世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第
3世代のPAMAMを取って204部のエタノールに懸濁し、第3世代のPAMAM中の
エステル系物質の量の1.3倍の2−ホルミル安息香酸を加え、窒素の保護下で48時間
撹拌および還流し、反応後、得られた生成物をソックスレー抽出器に入れ、質量比が6:
1のトルエンとエタノールの混合溶媒で28時間抽出して分離と精製し、疎水基で修飾さ
れた第3世代のリンフリーデンドリマー(G3−PAMAM−2−ホルミル安息香酸)を
得た。
【0015】
実施例4
疎水基で修飾された第4世代のリンフリーデンドリマー(G4−PAMAM−2−ホルミ
ル安息香酸)の調製:
(1)第3.5世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の実施例3で精製さ
れた第3世代のPAMAMを取って500部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Aを
得た。第3世代のPAMAM中のアミノ物質の量の3倍のアクリル酸メチルと500部の
メチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械的撹
拌をオンにしてそれらを均一に混合させた。窒素の保護下で前記混合液Aをフラスコにゆ
っくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を45°Cに調整し、36時間撹
拌して反応させ、反応後、得られた生成物を60°Cで減圧蒸留し、過剰のアクリル酸メ
チルと溶媒メチルアルコールを除去し、残りの小さな部分の液体をデキストランゲルカラ
ムで分離と精製し、続いて60℃で真空乾燥させ、第3.5世代のPAMAMを得た。
(2)第4世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第3.5世代のPAM
AMを取って600部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Bを得た。第3.5世代の
PAMAM中のエステル系物質の量の1.5倍のHN(CHNHと600部の
メチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械的撹
拌をオンにしてそれらを均一に混合させた。窒素の保護下で前記混合液Bをフラスコにゆ
っくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を35°Cに調整し、48時間撹
拌して反応させ、反応後、得られた生成物を60°Cで減圧蒸留し、過剰のHN(CH
NHと溶媒メチルアルコールを除去し、ほとんどのHN(CHNH
除去した後、質量比が10:1のトルエンとメチルアルコールの混合溶液を加えて、残り
のHN(CHNHと共沸を形成し、残りのHN(CHNHを除去し
、再びメチルアルコールを加えてトルエンを除去し、残りの小さな部分の液体をデキスト
ランゲルカラムで分離して精製させ、続いて60℃で真空乾燥させ、第4世代のPAMA
Mを得た。
(3)疎水基で修飾された第4世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第
4世代のPAMAMを取って600部のエタノールに懸濁し、第4世代のPAMAM中の
エステル系物質の量の1.3倍の2−ホルミル安息香酸を加え、窒素の保護下で72時間
撹拌および還流し、反応後、得られた生成物をソックスレー抽出器に入れ、質量比が8:
1のトルエンとエタノールの混合溶媒で36時間抽出して分離と精製し、疎水基で修飾さ
れた第4世代のリンフリーデンドリマー(G4−PAMAM−2−ホルミル安息香酸)を
得た。
【0016】
実施例5
本実施例は、実施例3と基本的に同じであり、違いは、ステップ(3)における2−ホル
ミル安息香酸を、人工ビターアーモンドオイル、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、およ
び2−ホルミル安息香酸のモル比1:1.2:2.3で混合して調製したベンゾアルデヒ
ド化合物に置き換えたことである。
ここで、前記人工ビターアーモンドオイルは、以下のとおり調製され、フェニルメタンを
原料とし、38%の過酸化水素を酸化剤とし、触媒を添加した後、無溶媒条件下で、42
°Cで撹拌して2.5時間反応した後ろ過し、分離後に人工ビターアーモンドオイルを得
た。使用される材料のモル比はフェニルメタン:過酸化水素=1:3.5であり、触媒の
使用量はフェニルメタンの質量の5.5%であった。前記触媒には塩化スズおよびコバル
トを含み、2つの重量比は2:1であった。このようにして得られた人工ビターアーモン
ドオイルは、良好な安定性を有し、リサイクルすることができる。反応システム全体は環
境に優しく効率的であり、反応条件は穏やかであり、生成物の選択性は高く、溶媒がなく
環境に優しい。また、PAMAMは非常に優れた変換効果があり、その変換効率が保証さ
れる。
さらに、より良い技術的効果を達成するために、上記実施例における技術的解決手段は、
様々な実際の適用要件を満たすように任意に組み合わせることができる。
上記実施例1〜5における前記アクリル酸メチルは、以下のとおり調製され、ジメトキシ
メタンおよび一酸化炭素を含むガスを、モレキュラーシーブ触媒を搭載した反応器で反応
することにより、メチルアクリレートを生成した。前記反応は、360°Cの反応温度お
よび13MPaの反応圧力で実施され、前記ガス中のジメトキシメタンの体積割合は45
%であった。前記モレキュラーシーブ触媒はMORモルデナイトモレキュラーシーブから
選択され、前記モレキュラーシーブ触媒は水熱処理により得られ、前記モレキュラーシー
ブ触媒はバインダーを含み、前記バインダーは酸化マグネシウムであり、そしてバインダ
ーの含有量は触媒の総重量の55wt%であった。調製されたアクリル酸メチルは付加価
値が高く、HN(CHNHと反応して、良好な性能の生成物を得ることが容易
であり、収率が大幅に向上させた。
上記実施例1〜5におけるHN(CHNHは、HN(CHNH、H
N(CHNH、HN(CHNHで置き換えることもできる。
上記実施例から、本発明により調製された疎水基で修飾されたデンドリマーはリンを含ま
ず、逆浸透膜スケール防止剤として使用して、リン元素によって引き起こされる水域の富
栄養化などの二次汚染という問題を効果的に解決できることがわかる。さらに、ポリマー
末端基にはベンゼン環が含まれ、良好な疎水性と立体障害を持ち、スケール防止剤が逆浸
透膜の表面に付着して浸透圧を増加させるという問題を効果的に回避することができる。
【0017】
試験例
逆浸透膜スケール防止剤のスケール防止性能の試験方法
(1)炭酸カルシウムスケール防止性能の測定
500mlのメスフラスコに、3mlの40mg/L塩化カルシウム溶液、5mlの50
mg/L重炭酸ナトリウム溶液、適量のスケール防止剤を順に加え、脱イオン水を加えて
均一に振った。メスフラスコを多孔性の恒温水槽に入れ、温度を85°Cに設定し、10
時間加熱した後にメスフラスコを取り出し、取り出されたメスフラスコを自然に冷却させ
た後、上澄みを取り出して、その中のカルシウムイオン含有量を分析および測定した。空
白試験対照を行った。
ピペットを使用して、10mlの試験溶液、50mlの脱イオン水、5mlの20%水酸
化カリウム溶液を量り、三角フラスコに順に入れ、三角フラスコに適量のカルセインイン
ジケータを加えると、溶液が緑色になり、次に、EDTA標準溶液で滴定すると、緑色が
徐々に消えることがわかり、緑色が完全に消えて、たまたま赤紫色になったとき、滴定の
終わりになった。カルシウムイオン(Ca2+)濃度Xは、次の式に従って計算でき、
式中、C(EDTA)はEDTA標準溶液の濃度、mol/Lであり、V1は滴単位で消
費されるEDTA溶液の体積、mLであり、Vは総体積、mLであり、Mはカルシウムイ
オンのモル質量、g/molである。
炭酸カルシウムスケール防止率θの計算方法
θ=[(Ca12+-Ca22+)/(Ca02+-Ca22+)]×100%
式中、Ca2+は、スケール防止剤なしの理論的カルシウムイオン濃度、mg/Lであ
り、Ca2+は、スケール防止剤を加えた試験後のサンプル中の残存カルシウムイオン
濃度、mg/Lであり、Ca2+は、スケール防止剤と同じ条件下で行われた空白試験
のカルシウムイオン濃度、mg/Lである。
【0018】
(2)シリコン防止性能の測定
シリコ塩酸の静的防止方法を使用して、脱イオン水でSiO2濃度が600mg/Lのケ
イ酸ナトリウム溶液を調製し、適量のスケール防止剤を加えた後、塩酸と水酸化ナトリウ
ムで溶液のpHを7.0±0.1に調整し、続いて一定量の塩化カルシウムを加え、溶液
中のカルシウムイオン濃度を500mg/Lになった。次に、pH値を7.0±0.1に
調整し、多孔質の恒温水槽に入れ、定期的に一定量の水サンプルを取ってろ過し、分光光
度法を使用してケイ酸塩イオンの含有量を決定し、スケール防止率を計算した。計算式:
式中、
−シリカスケール防止率、%
−薬剤投与溶液中のケイ酸塩イオンの含有量、mg/L
−空白溶液中のケイ酸塩イオンの含有量、mg/L
−溶液中の初期ケイ酸塩イオンの含有量、mg/L
スケール防止剤の添加量と試験結果を表1に示すとおりである。
実施例1〜5で調製されたポリマーに対する測定結果を表1に示す。
【0019】
表1 実施例1〜5で調製されたポリマーのスケール防止性能の試験結果

【0020】
本発明の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーを逆浸透膜スケール防止剤として使
用すると、スケーリングイオンが引きつけられ、分岐ユニットの官能基と末端の官能基か
らなる化学環境内に制御され、逆浸透膜の濃縮水側で一緒に懸濁および分散され、そして
最終的に濃縮水とともに膜システムから排出され、これにより、これらの物質が逆浸透膜
に堆積することによって引き起こされる汚染を回避し、同時に、末端にベンゼン環を導入
することにより、形成された表面化学層が良好な疎水性と立体障害を持つようにし、スケ
ール防止剤が逆浸透膜の表面に付着して浸透圧を増加させるという問題を効果的に回避で
き、それによりスケール防止剤の使用を増やし、スケール防止性能と膜洗浄のサイクルを
改善することに役立つ。さらに、ベンゼン環にはスケーリングイオンとの相互作用が強い
機能官能基が含まれ、スケール防止性能をさらに向上させることができ、それにより、優
れたスケール防止性能がある。
【0021】
上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を他の形態に限定することを意図する
ものではなく、当業者は、上記で開示された技術内容を使用して、同等の変更を伴う同等
の実施形態を変更または修正することができる。しかし、本発明の技術的解決手段から逸
脱しない限り、本発明の技術的本質に従って上記実施例に対して行われた単純な変更、同
等の変化、および修正は、依然として本発明の技術的解決手段の保護範囲に属する。
図1
【手続補正書】
【提出日】2020年4月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法であって、
(1)第m+0.5世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第m世代のP
AMAMを取って20〜500部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Aを得て、第m
世代のPAMAM中のアミノ物質の量の2.1〜3倍のアクリル酸メチルと20〜500
部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械
的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させ、窒素の保護下で前記混合液Aをフラスコに
ゆっくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を30〜45°Cに調整し、2
4〜36時間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を分離して精製させ、続いて6
0°Cで真空乾燥させ、それにより第m+0.5世代のPAMAMを得て、m=0,1,
2,3であり、第0世代のPAMAMはHN(CHNHである、ステップ(1
)と、
(2)第m+1世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第m+0.5世代
のPAMAMを取って30〜600部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Bを得て、
第m+0.5世代のPAMAM中のエステル系物質の量の1.1〜1.5倍のHN(C
NHと30〜600部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに
加え、氷水浴に入れてから機械的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させ、窒素の保護
下で前記混合液Bをフラスコに加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を30〜3
5°Cに調整し、12〜48時間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を分離して
精製させ、続いて60°Cで真空乾燥させ、それにより第m+1世代のPAMAMを得て
、m=0,1,2,3である、ステップ(2)と、
(3)疎水基で修飾された第m+1世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部
の第m+1世代のPAMAMを取って20〜600部のエタノールに懸濁し、第m+1世
代のPAMAM中のエステル系物質の量の1.1〜1.5倍のベンアルデヒド化合物を
加え、窒素の保護下で12〜72時間撹拌および還流し、反応後、得られた生成物を分離
して精製させ、それにより疎水基で修飾された第m+1世代のリンフリーデンドリマーを
得て、m=0,1,2,3である、ステップ(3)と、
を含むことを特徴とする、疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項2】
ステップ(1)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物を40〜80°Cで
減圧蒸留し、過剰のアクリル酸メチルと溶媒メチルアルコールを除去し、残りの小さな部
分の液体をデキストランゲルカラムで分離するステップである、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項3】
ステップ(2)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物を40〜80°Cで
減圧蒸留し、過剰のHN(CHNHと溶媒メチルアルコールを除去し、H
(CHNHを除去した後、質量比が10−6:1のトルエンとメチルアルコール
の混合溶液を加えて、残りのHN(CHNHと共沸を形成し、残りのHN(
CHNHを除去し、再びメチルアルコールを加えてトルエンを除去し、残りの小
さな部分の液体をデキストランゲルカラムで分離するステップである、ことを特徴とする

請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項4】
ステップ(3)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物をソックスレー抽出
器に入れ、質量比が2〜8:1のトルエンとエタノールの混合溶媒で12〜36時間抽出
するステップである、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項5】
ステップ(3)における前記ベンアルデヒド化合物は、人工ビターアーモンドオイル、
o−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ホルミル安息香酸、またはそれらの混合物であり
、混合物の場合に各成分のモル比は1:1〜1.5:2〜2.5である、ことを特徴とす
る、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項6】
ステップ(3)における前記疎水基で修飾された第m+1世代のリンフリーデンドリマー
は、逆浸透膜スケール防止剤に適用される、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【手続補正書】
【提出日】2020年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法であって、
(1)第m+0.5世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第m世代のP
AMAMを取って20〜500部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Aを得て、第m
世代のPAMAM中のアミノ物質の量の2.1〜3倍のアクリル酸メチルと20〜500
部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに加え、氷水浴に入れてから機械
的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させ、窒素の保護下で前記混合液Aをフラスコに
ゆっくりと加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を30〜45°Cに調整し、2
4〜36時間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を分離して精製させ、続いて6
0°Cで真空乾燥させ、それにより第m+0.5世代のPAMAMを得て、m=0,1,
2,3であり、第0世代のPAMAMはHN(CHNHであり、n=2〜5で
ある、ステップ(1)と、
(2)第m+1世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部の第m+0.5世代
のPAMAMを取って30〜600部のメチルアルコールに溶解して混合溶液Bを得て、
第m+0.5世代のPAMAM中のエステル系物質の量の1.1〜1.5倍のHN(C
NHと30〜600部のメチルアルコールを、機械的撹拌を備えたフラスコに
加え、氷水浴に入れてから機械的撹拌をオンにしてそれらを均一に混合させ、窒素の保護
下で前記混合液Bをフラスコに加え、続いて氷水浴を油浴に変更し、かつ温度を30〜3
5°Cに調整し、12〜48時間撹拌して反応させ、反応後、得られた生成物を分離して
精製させ、続いて60°Cで真空乾燥させ、それにより第m+1世代のPAMAMを得て
、m=0,1,2,3である、ステップ(2)と、
(3)疎水基で修飾された第m+1世代のPAMAMの調製:物質の量に基づいて、1部
の第m+1世代のPAMAMを取って20〜600部のエタノールに懸濁し、第m+1世
代のPAMAM中のエステル系物質の量の1.1〜1.5倍のベンアルデヒド化合物を
加え、窒素の保護下で12〜72時間撹拌および還流し、反応後、得られた生成物を分離
して精製させ、それにより疎水基で修飾された第m+1世代のリンフリーデンドリマーを
得て、m=0,1,2,3である、ステップ(3)と、
を含むことを特徴とする、疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項2】
ステップ(1)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物を40〜80°Cで
減圧蒸留し、過剰のアクリル酸メチルと溶媒メチルアルコールを除去し、残りの小さな部
分の液体をデキストランゲルカラムで分離するステップである、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項3】
ステップ(2)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物を40〜80°Cで
減圧蒸留し、過剰のHN(CHNHn=2〜5である)と溶媒メチルアルコ
ールを除去し、HN(CHNHを除去した後、質量比が10−6:1のトルエ
ンとメチルアルコールの混合溶液を加えて、残りのHN(CHNHと共沸を形
成し、残りのHN(CHNHを除去し、再びメチルアルコールを加えてトルエ
ンを除去し、残りの小さな部分の液体をデキストランゲルカラムで分離するステップであ
る、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項4】
ステップ(3)における前記分離と精製ステップは、得られた生成物をソックスレー抽出
器に入れ、質量比が2〜8:1のトルエンとエタノールの混合溶媒で12〜36時間抽出
するステップである、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項5】
ステップ(3)における前記ベンアルデヒド化合物は、人工ビターアーモンドオイル、
o−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ホルミル安息香酸、またはそれらの混合物であり
、混合物の場合に各成分のモル比は1:1〜1.5:2〜2.5である、ことを特徴とす
る、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。
【請求項6】
ステップ(3)における前記疎水基で修飾された第m+1世代のリンフリーデンドリマー
は、逆浸透膜スケール防止剤に適用される、ことを特徴とする、
請求項1に記載の疎水基で修飾されたリンフリーデンドリマーの調製方法。