【解決手段】内部に被乾燥物の撹拌室8を有する乾燥機缶体3と、前記撹拌室8内に回転自在に支持された外面に複数のパドル4を有するパドル軸5と、該パドル軸5を回転駆動するパドル軸駆動機構6と、前記撹拌室8内の被乾燥物を加熱する加熱機構80とを備え、前記撹拌室8内に投入された被乾燥物を、前記パドル軸5を回転させて前記複数のパドル4により撹拌しつつ該パドル軸5の延在する一方向に移動させ、かつ前記加熱機構80により乾燥させるようにした、撹拌乾燥装置1であって、前記乾燥機缶体3は、前記撹拌室8の底部に上面が該撹拌室8内に開放された異物排出溝25を備え、該異物排出溝25内に異物搬送機構24が設けられている。
前記複数のパドルを有するパドル軸は、互いに平行に位置するように一対設けられ、前記異物排出溝及び異物搬送機構は、平面視して前記一対のパドル軸間の中央に、これらパドル軸と平行に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撹拌乾燥装置。
前記異物搬送機構は、前記異物排出溝内に回転自在に支持された異物搬送スクリューと、該異物搬送スクリューを回転駆動するスクリュー駆動機構を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の撹拌乾燥装置。
前記乾燥機缶体は、前記撹拌室内における被乾燥物の移動方向終端に堰板を備え、該堰板は、被乾燥物の前記撹拌室外に設けられた排出部への溢出量を調節可能とするようその上端位置が上下位置調節可能に支持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撹拌乾燥装置。
【背景技術】
【0002】
粘土、生ゴミ、あるいは、林業における廃材等、水分を多く含むものを原料として利用する場合は、原料を乾燥するために粉砕した原料を撹拌しつつ乾燥する撹拌乾燥装置が利用されている。
【0003】
特許文献1には、撹拌室内に粘土などの原料を撹拌するための2本のパドル軸を備えた乾燥装置が開示されている。この文献では、一方のパドル軸に備えられるパドルの取り付け角度をもう一方のパドルの取り付け角度と異なるように構成することによって、それぞれのパドル軸の回転に伴う原料の搬送速度を異ならせ、原料の粘土の造粒径が大きくならないように、原料に対してせん断力を生じさせている。
【0004】
特許文献2には、二重の筒体で構成される乾燥装置が開示されている。この文献では、外側の円筒である外筒体の内部に、同軸に設けられる内側の円筒である内筒体を備え、外筒体の内面と内筒体の外面で区画された空間が撹拌室として構成される。内筒体の外面には撹拌羽根とリボンが設けられ内筒体が回転することによって、原料が撹拌、搬送される。外筒体と内筒体はジャケット構造を備えており、これらのジャケットに温水を流通させ原料を加熱乾燥させている。
【0005】
特許文献3には、外面にスクリューブレードが設けられ、回転可能に保持された2本の中空軸を備えた乾燥装置が開示されている。この文献では、これらの中空軸を回転させることによって原料を撹拌、搬送する。中空軸には複数の孔が設けられ、高温の燃焼ガスを中空軸の内部に供給し、中空軸に設けられた複数の孔を通して高温の燃焼ガスを被乾燥物に噴射することが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1〜3の乾燥装置では、パドル(スクリューブレード、撹拌羽根)の回転に支障が生じないよう、パドルと撹拌室内壁の間に隙間が設けられており、この隙間に微細な粒子径の原料(被乾燥物)が堆積し、残存してしまうという問題があった。
また、原料に混入している砂利等異物が分別されず処理原料に混入したまま排出されてしまうという問題があった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、異物を除去し、乾燥処理を的確に行い得る撹拌乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の撹拌乾燥装置は、内部に被乾燥物の撹拌室を有する乾燥機缶体と、前記撹拌室内に回転自在に支持された外面に複数のパドルを有するパドル軸と、該パドル軸を回転駆動するパドル軸駆動機構と、前記撹拌室内の被乾燥物を加熱する加熱機構とを備え、前記撹拌室内に投入された被乾燥物を、前記パドル軸を回転させて前記複数のパドルにより撹拌しつつ該パドル軸の延在する一方向に移動させ、かつ前記加熱機構により乾燥させるようにした、撹拌乾燥装置であって、前記乾燥機缶体は、前記撹拌室の底部に上面が該撹拌室内に開放された異物排出溝を備え、該異物排出溝内に異物搬送機構が設けられている。
このような発明によれば、原料に混入した異物を異物排出溝に導いて異物搬送機構により除去することができる。また、異物排出溝及び異物搬送機構が撹拌室の底部に設けられているので、撹拌室の底部に被乾燥物が堆積残存することを防止でき、乾燥処理を的確に行うことができる。
【0009】
本発明の一態様においては、前記複数のパドルを有するパドル軸は、互いに平行に位置するように一対設けられ、前記異物排出溝及び異物搬送機構は、平面視して前記一対のパドル軸間の中央に、これらパドル軸と平行に位置するように設けられている。
このような構成によれば、異物等を異物排出溝に効率よく導くことができ、異物等を異物搬送機構により的確に除去することができる。
【0010】
本発明の一態様においては、前記異物搬送機構は、前記異物排出溝内に回転自在に支持された異物搬送スクリューと、該異物搬送スクリューを回転駆動するスクリュー駆動機構を備えている。
このような構成によれば、異物等を効率よく除去することができる。
【0011】
本発明の一態様においては、前記加熱機構は、前記乾燥機缶体の前記撹拌室を形成する外殻体がジャケット構造とされると共に、該ジャケット構造に温水を供給する温水供給機構が設けられ、前記パドル軸が中空構造に形成されると共に該パドル軸にその内部を前記撹拌室内に連通させる複数の孔が形成され、該パドル軸内に熱風を供給する熱風供給機構が設けられた構成である。
このような構成によれば、被乾燥物を効率よく乾燥させることができる。
【0012】
本発明の一態様においては、前記乾燥機缶体は、前記撹拌室内における被乾燥物の移動方向終端に堰板を備え、該堰板は、被乾燥物の前記撹拌室外に設けられた排出部への溢出量を調節可能とするようその上端位置が上下位置調節可能に支持されている。
このような構成によれば、被乾燥物の排出量を制御することにより、撹拌室内における被乾燥物の滞留時間を調節でき、被乾燥物の水分量に応じて乾燥処理を的確に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異物を除去し、乾燥処理を十分に行い得る撹拌乾燥装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
ここで説明する撹拌乾燥装置は、特に様々な形状で砂利等の異物を含んだバークや枝葉などのバイオマス発電用原料を安定かつ連続的に廃熱を有効利用し、乾燥処理する場合に適用して好適な装置である。
【0016】
図1、
図2に示すように撹拌乾燥装置1は、基台2設けられた乾燥機缶体3と、乾燥機缶体3内に回転自在に支持されたそれぞれ複数のパドル4、4・・を有する一対のパドル軸5、5と、パドル軸5、5を回転駆動するパドル軸駆動機構6と、乾燥機缶体3の上方に設けられた集塵機7とを備えている。
【0017】
乾燥機缶体3は、内部が水平方向に延在する撹拌室8とされた外殻体9と、外殻体9の一端部91の上面に設けられた被乾燥物供給部10と、外殻体9の他端部92に設けられた乾燥を完了した処理物の排出部11とを備えている。
【0018】
外殻部9は、
図2に示すように左右の側壁部9a、9aと、これら側壁部9a、9aの下端部間に連接された底壁部9bと、側壁部9a、9a間の開口部を閉塞する天板部9cとを備えている。
【0019】
外殻体9の側壁部9a、9aは、底壁部9bに至る下半部が前記パドル4、4・・の回転軌跡に沿うように湾曲形状とされている。
側壁部9a、9aと底壁部9bの一部はジャケット構造12とされており、内壁13と外壁14との間に空間15が形成され、空間15内に後述するように温水が供給されるようになっている。
【0020】
この外殻体9内には撹拌室8が形成されており、撹拌室8内には、それぞれ複数のパドル4、4・・を有する一対のパドル軸5、5が回転自在に支持されている。パドル軸5、5は、それぞれ水平方向に延在すると共に互いに一定間隔を隔てて平行に位置するように配置されている。
【0021】
パドル軸5は、その内部5aが中空構造とされており、内部5aを撹拌室8内に連通させる複数の孔21、21・・を有する。このパドル軸5には、その内部5aに後述するように熱風が供給され、この熱風が孔21、21・・から撹拌室8内に噴出するようになっている。
【0022】
パドル軸5に設けられたパドル4は、パドル軸5の外面に固定されたロッド22と、このロッド22の先端に設けられたブレード23とから構成されている。
この場合、パドル軸5、5の回転方向(詳細は後述する)及びパドル5に対するブレード23の取り付け角度は、
図1において被乾燥物が外郭体9の一端部91側から他端部92側へ移動するように設定されている。
前記外殻体9の底壁部9bには、その左右方向中央、すなわち平面視して一対のパドル軸5、5間の中央に、これらパドル軸5、5と平行に位置するように異物排出溝25及び異物搬送スクリュー26が設けられている。
【0023】
異物排出溝25は、上面が撹拌室8内に開放された溝である。異物搬送スクリュー26は、異物排出溝25内に回転自在に支持されたものであり、
図1に示すように回転軸27の外面にブレード28を螺旋状に延在するように設けたものである。異物排出溝25の他端部92側には、異物を外部に排出する異物排出部16が設けられている。
【0024】
乾燥機缶体3の外殻体9は、一端部91に端部壁30を備えており、他端部92に端部壁31を備えている。前記パドル軸5、5は、端部壁30、31に設けられた軸受32、33に回転自在に支持されている。
端部壁30の近傍の基台2には台座40が設けられ、台座40にはパドル軸駆動機構6として、モータ41及び減速機42が設置されている。
モータ41の出力は、減速機42により減速されて出力軸43に出力され、この出力は一方のパドル軸5に伝達されると共に図示しないギヤ列を介して他方のパドル軸5に伝達されるようになっている。
【0025】
この場合、一対のパドル軸5、5の回転方向は、
図2に矢印で示すように互いに逆方向であり、各パドル軸5、5が側壁部9a、9aの湾曲形状部分に位置する被乾燥物を異物排出溝25側へ移動させるように回転する。
【0026】
前記異物搬送スクリュー26は、端部壁30、31に設けられた軸受34、35に回転自在に支持されている。
また、端部壁30の近傍の基台2には、スクリュー駆動機構29として、モータ45及び減速機46が設置されており、モータ45の出力は減速されて異物搬送スクリュー26に伝達されるようになっている。異物搬送スクリュー26とスクリュー駆動機構29は、異物搬送機構24を構成している。
図1に示すように外殻体9の他端部92側には、端部壁31との間に乾燥処理の終えた処理物の排出部11が形成されており、この排出部11と撹拌室8との境界部分には堰板50が設けられている。
【0027】
被乾燥物は、撹拌室8内で撹拌、かつ移動しながら乾燥処理され、処理を終えたものが排出部11から外部へ排出される。
堰板50は、被乾燥物が撹拌室8から排出部11へ移動する際、該被乾燥物が乗り越える位置、すなわち撹拌室8内における被乾燥物の移動終端に配置されたものであり、被乾燥物の排出部11への溢出量を調節可能となるようその上端位置が上下位置調節可能に支持されたものである。
【0028】
図3、
図4は、堰板50、及びその取付部分の詳細を示す。
この
図3に示すように堰板50は、矩形の板体を加工したものであって、矩形形状の上辺に切込部51、51、切込部52を形成し、
図4に示すように切込部52の縁部に突出部53、53を形成したものである。
この堰板50は、切込部51、51内にパドル軸5、5を位置させ、切込部52内に異物搬送スクリュー26の回転軸27を位置させて撹拌室8と排出部11との境界に配置されている。
【0029】
この堰板50の上端には4本の螺子棒54、54、・・が上方へ向けて固定されており、これら螺子棒54、54・・は、天板部9cに設けた貫通孔93、93・・を通して上方へ伸びている。これら螺子棒54、54・・には、天板部9cの上面側にナット55、55・・が螺合されており、これらナット55、55・・の螺合位置を変更することにより堰板50の上端位置が変更できるようになっている。
【0030】
なお、前記境界位置には、遮閉板56が支持されている。遮閉板56は、帯状の板体の両端部に突出部57、57を形成したものである。
堰板50は、切込部52内に搬送スクリュー26を位置させると共に、突出部53、53を前記突出部57、57に沿って位置させている。
この構成の基に、撹拌室8内の被乾燥物が堰板50の切込部52から排出部11側へ移動することを防止できる。なお、
図3は、堰板50が上限位置にある状態を示している。
【0031】
図1に示すように、パドル軸5の一端は端部壁31の外方へ突出している。このパドル軸5の一端にはダクト60が接続されている。ダクト60内には、ダンパ61が設けられている。このダクト60内には熱風供給機構81から熱風が供給されるようになっている。
また、
図1において符号62は温水供給孔、63は温水排出口であり、温水供給孔62には温水供給機構82から温水が供給される。供給された温水は
図2に示す乾燥機缶体3のジャケット構造12(内壁13と外壁14との間の空間15)内に供給される。ジャケット構造12内を流通した温水は温水排出口63から排出される。
ここで、熱風供給機構81と温水供給機構82は、加熱機構80を構成している。熱風供給機構81と温水供給機構82の熱源としては、清掃工場や焼却場、あるいは、工場、発電所等の廃熱が有効活用される。
【0032】
また、前記集塵機7は、乾燥機缶体3の上面に設置されている。集塵機7は、撹拌室8と一体に連通しており、モータ71によりファン72を駆動し、撹拌室8内からの塵埃類を吸引濾過し、排気孔73から排出する。また、集塵機7は、集塵機7のフィルタ(図示せず)の詰まりを除去するために、集塵機7の空気流を瞬間的に逆流させるための圧縮空気供給源(図示せず)を備えている。
【0033】
なお、上記の構成において、パドル軸駆動機構6、集塵機7、異物搬送機構24、加熱機構80、および被乾燥物の被乾燥物供給口10への投入は、図示しない制御部に制御されるようになっている。
【0034】
次に、上記の撹拌乾燥装置1について、被乾燥物を乾燥させる動作について説明する。
この装置においては、乾燥機缶体3の撹拌室8において被乾燥物の乾燥を行うが、被乾燥物に含まれる水分量に応じて、撹拌室8内における被乾燥物の滞留時間を考慮する必要がある。このため、前記滞留時間の調節を行う堰板50の上端位置を適切な位置に設定する。そして制御部を操作し、パドル軸駆動機構6、集塵機7、異物搬送機構24、および加熱機構80を起動させる。具体的には、パドル軸5、5、異物搬送スクリュー26をモータ41、45を駆動して回転させ、ダンパ61を開いて熱風をパドル軸5、5の孔21を介して撹拌室8内に供給する。集塵機7を、モータ71を駆動することにより起動する。
【0035】
次に、被乾燥物供給部10から撹拌室8内に被乾燥物を投入する。この実施の形態において、被乾燥物は、様々な形状で砂利等の異物を含んだバークや枝葉などのバイオマス発電用原料である。撹拌室8内に投入された被乾燥物は、複数のパドル4、4・・を備えたパドル軸5、5の回転により、外殻体9の一端部91から他端部92へ移動する。この際、被乾燥物は、前記方向へ移動され撹拌されるが、この際外殻体9のジャケット機構12内には温水が供給され、この温水によって、加熱され、さらにパドル軸5、5内5aに熱風供給機構81から熱風が供給され、複数の孔21・・から撹拌室8内に熱風が噴出されるため、撹拌室8内が高温となって、被乾燥物の乾燥が促進される。
【0036】
さらに、
図2に示すように、一対のパドル軸5、5が矢印方向に回転することによって、各パドル軸5、5に設けられたパドルによって、側壁部9a、9aの下半部、図において、被乾燥物を底壁部9bの中央へ送り出す。この際、被乾燥物内に砂利等の比重の高い異物は、底壁部9bの中央に設けられた異物排出溝25に導かれる。ここで、異物排出溝25内に導かれた前記異物は、異物搬送スクリュー26が回転しているので、この異物搬送スクリュー26のブレード28によって、外殻体9の一端部30から31へ搬送され、最終的に
図1の異物排出部16から外部に排出される。
【0037】
撹拌室8内において、外殻体9の他端部92の近傍に至った被乾燥物は、乾燥処理が完了している。被乾燥物は順次一端部91側から他端部92側へ送られ、堰板50を乗り越えて排出部11から外部へ排出される。この乾燥動作において、前述したように、堰板50の上端部が被乾燥物の水分量に応じて適切に設定されているので、被乾燥物の撹拌室8内における滞留時間すなわち被乾燥物の乾燥時間が適切に設定される。
【0038】
以上述べたように、本実施形態における撹拌乾燥装置1は、撹拌室8の底壁部9b中央に異物排出溝25を設け、複数のパドル4・・を有する一対のパドル軸5、5の回転により、被乾燥物を異物排出溝25に向けて回転撹拌をするので、被乾燥物に混入している砂利や小石等の異物が比重の差により、異物排出溝25に導かれ、異物搬送スクリュー26により外部に排出されるので、被乾燥物から的確に異物の除去ができる。
【0039】
集塵機7が、撹拌室8の上部に一体構造で構成されているので、集塵機7のフィルタの詰まり除去時において、圧縮空気供給源から空気流を瞬間的に逆流させてフィルタから剥離した細かい被乾燥物を容易に回収することができる。
また、被乾燥物の水分含有量に基づいて堰板50の高さを調節するので、被乾燥物の撹拌室8内での滞留時間を適切に調節でき、被乾燥物を的確に乾燥することができる。
【0040】
撹拌乾燥装置1の乾燥動作が完了し、被乾燥物を撹拌室8内に残さない状態にするには、堰板50を外し、撹拌乾燥装置1を通常通り稼働させる。このとき、一対のパドル軸5、5に複数設けた孔21から噴出する熱風が外殻体9の側壁部9aの上部から、底壁部9bに向けて連続的に噴射されるので、パドル4と外殻体9の内壁13の隙間に残留した被乾燥物を、熱風の噴射により異物排出溝25に吹き飛ばすので、撹拌室8内の被乾燥物の堆積・残存を防止することができる。
【0041】
以上述べたように、本発明によれば、異物を除去し、乾燥処理を十分に行い得る撹拌乾燥装置を提供することができる。
上述の実施形態では、異物を含んだバークや枝葉などのバイオマス発電用原料を被乾燥物として示したが、これに限定されず、本願発明における撹拌乾燥装置は、石炭や石灰石などの個体粒状物や生ゴミ等であっても、比重差を利用して異物を除去しながら、乾燥処理する場合に適用して好適な装置である。
【0042】
上述した実施形態では、
図2に示されるように、パドル軸5に設けられる複数のパドル4と孔21は、角度で約45度異なった位置に設けられているが、これに限定されない。パドル軸5上に設けられるパドル4と孔21の位置関係は、約同数のパドル4と孔21が均等にパドル軸5の外周上に分散していればよく、位置関係は、任意に決定して良い。また、2つのパドル軸5、5間におけるパドル4の相対的な位置関係は、
図2では、回転位相で45度ずれているように記載されているが、これに限定されずにいかなる位相であっても可能である。
【0043】
上述の実施形態では、堰板50は、撹拌乾燥装置1の駆動前に被乾燥物の水分含有量に基づいて、ナット55で設定したが、堰板50の上下動をモータ等を備えた自動制御駆動とし、被乾燥物の水分含有量を感知するセンサを設け、このセンサの出力に基づいて堰板50の高さを制御しても良い。