特開2021-33387(P2021-33387A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2021-33387需給調整システム、需給調整装置、プログラム及び需給調整方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-33387(P2021-33387A)
(43)【公開日】2021年3月1日
(54)【発明の名称】需給調整システム、需給調整装置、プログラム及び需給調整方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20210201BHJP
【FI】
   G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-149364(P2019-149364)
(22)【出願日】2019年8月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】牧野 真也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】エネルギー削減量の目標と、インセンティブ条件とを適切に設定できるようにすること。
【解決手段】過去の需給調整イベントの時間帯と、インセンティブ単価と、削減実績値とを需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、将来の需給調整イベントの時間帯に対応するインセンティブ単価及び削減実績値を用いて、将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出する需給調停装置120と、インセンティブ単価見込み値及びエネルギー削減見込み量に応じて、将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定する需給調整装置110とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーを削減するために行われた過去の需給調整イベントの時間帯と、前記過去の需給調整イベントで使用された単位当たりのインセンティブであるインセンティブ単価と、前記過去の需給調整イベントにおいて削減されたエネルギー量である削減実績値と、を需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、エネルギーを削減するために行われる将来の需給調整イベントの時間帯に対応する前記インセンティブ単価及び前記削減実績値を用いて、前記将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び前記将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出する算出部と、
前記インセンティブ単価見込み値及び前記エネルギー削減見込み量に応じて、前記将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定する計画部と、を備えること
を特徴とする需給調整システム。
【請求項2】
前記算出部は、前記需給調整結果データを参照して、前記将来の需給調整イベントを行う時間帯に対応する前記インセンティブ単価の中から、対応する前記削減実績値がゼロではない前記インセンティブ単価を特定し、前記特定されたインセンティブ単価の平均値を、前記インセンティブ単価見込み値とすること
を特徴とする請求項1に記載の需給調整システム。
【請求項3】
前記算出部は、前記需給調整結果データを参照して、前記将来の需給調整イベントを行う時間帯に対応する前記削減実績値を、需要家毎に平均化した値の総和を、前記エネルギー削減見込み量とすること
を特徴とする請求項1又は2に記載の需給調整システム。
【請求項4】
前記計画部は、前記インセンティブ単価見込み値を前記インセンティブ上限値として特定すること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の需給調整システム。
【請求項5】
前記計画部は、
前記エネルギー削減目標の初期値が、前記エネルギー削減見込み量以下である場合には、前記初期値を前記エネルギー削減目標として特定し、
前記初期値が前記エネルギー削減見込み量よりも大きく、かつ、前記インセンティブ上限値を変更できる場合には、前記インセンティブ上限値を変更して、前記初期値を前記エネルギー削減目標として特定し、
前記初期値が前記エネルギー削減見込み量よりも大きく、かつ、前記インセンティブ上限値を変更できないときには、前記エネルギー削減見込み量を前記エネルギー削減目標として特定すること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の需給調整システム。
【請求項6】
前記初期値の入力を受け付ける入力部をさらに備えること
を特徴とする請求項5に記載の需給調整システム。
【請求項7】
前記計画部は、前記インセンティブ単価見込み値に、前記エネルギー削減見込み量における、前記エネルギー削減見込み量に対する前記初期値の超過割合を乗算した値を、前記インセンティブ単価見込み値に加算した値に、前記インセンティブ上限値を変更すること
を特徴とする請求項5又は6に記載の需給調整システム。
【請求項8】
前記将来の需給調整イベントを行う削減日及び時間帯と、需要家に支払うインセンティブの単価であるインセンティブ単価とを需要家に通知して、その応答として得られる個別エネルギー削減可能量を集計したエネルギー削減可能集計値と、前記エネルギー削減目標との比較結果に応じて、前記インセンティブ上限値を超えない範囲で、前記インセンティブ単価を調整する調停部をさらに備えること
を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の需給調整システム。
【請求項9】
エネルギーを削減するために行われた過去の需給調整イベントの時間帯と、前記過去の需給調整イベントで使用された単位当たりのインセンティブであるインセンティブ単価と、前記過去の需給調整イベントにおいて削減されたエネルギー量である削減実績値と、を需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、エネルギーを削減するために行われる将来の需給調整イベントの時間帯に対応する前記インセンティブ単価及び前記削減実績値を用いて、前記将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び前記将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出する算出部と、
前記インセンティブ単価見込み値及び前記エネルギー削減見込み量に応じて、前記将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定する計画部と、を備えること
を特徴とする需給調整装置。
【請求項10】
コンピュータを、
エネルギーを削減するために行われた過去の需給調整イベントの時間帯と、前記過去の需給調整イベントで使用された単位当たりのインセンティブであるインセンティブ単価と、前記過去の需給調整イベントにおいて削減されたエネルギー量である削減実績値と、を需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、エネルギーを削減するために行われる将来の需給調整イベントの時間帯に対応する前記インセンティブ単価及び前記削減実績値を用いて、前記将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び前記将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出する算出部、及び、
前記インセンティブ単価見込み値及び前記エネルギー削減見込み量に応じて、前記将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定する計画部、として機能させること
を特徴とするプログラム。
【請求項11】
算出部が、エネルギーを削減するために行われた過去の需給調整イベントの時間帯と、前記過去の需給調整イベントで使用された単位当たりのインセンティブであるインセンティブ単価と、前記過去の需給調整イベントにおいて削減されたエネルギー量である削減実績値と、を需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、エネルギーを削減するために行われる将来の需給調整イベントの時間帯に対応する前記インセンティブ単価及び前記削減実績値を用いて、前記将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び前記将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出し、
計画部が、前記インセンティブ単価見込み値及び前記エネルギー削減見込み量に応じて、前記将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定すること
を特徴とする需給調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、需給調整システム、需給調整装置、プログラム及び需給調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーティリティ会社と、アグリゲータとが情報ネットワークを介して需要家に対するインセンティブを可変させて、動的に需給調整を行う需給調整システムが知られている。
ここで、ユーティリティ会社は、エネルギーの製造及び発送を実施する会社である。また、アグリゲータは、複数の需要家における需要を取りまとめて需要量の制御を行うことにより、より効率的な需給システムのサービスを仲介する事業者である。
【0003】
近年、エネルギーに対する関心の高まりから、エネルギー需要が逼迫時(ピーク時間帯)のエネルギー需要を抑制する要求が高まっている。エネルギーの需要調整において、供給側であるユーティリティ会社及びアグリゲータは、需要側である需要家に対してピーク時間帯のエネルギー使用量の削減を要請する。
【0004】
エネルギー消費がピーク時のエネルギー需要を抑制する技術として、料金ベース方式と、インセンティブベース方式とが知られている。
料金ベース方式には、時間帯別料金方式、緊急ピーク時課金方式又はリアルタイム料金方式がある。時間帯別料金方式は、エネルギー需要がピークの時間帯の料金を高く設定する方式である。緊急ピーク時課金方式は、エネルギー需給の逼迫といった緊急時に通常より高い料金を課金する方式である。リアルタイム料金方式は、需給バランスに刻一刻と対応して料金が変動する方式である。
【0005】
インセンティブベース方式は、需要家に対してエネルギー削減に対するインセンティブを支払う方式である。インセンティブベースの技術による需給調整システムにおいては、供給側にとっては目標とするエネルギー削減ができること、需要側にとっては納得できるインセンティブ額であることが望ましい。このためには、供給側が適切なエネルギー削減量目標と、需要側が納得できるインセンティブ条件とを定め、需給調整を行うことがエネルギー需給調整を滞りなく行うために重要となる。
【0006】
例えば、特許文献1には、供給側が需要側と双方向に通信を行い、きめ細かな需給調整を実現する需給調整システムが開示されている。特許文献1では、需給調整開始前にユーティリティ会社がアグリゲータにエネルギー削減目標と、インセンティブ条件とを通知する。アグリゲータは、そのインセンティブ条件でシミュレーションにより需要側のエネルギー削減見込み量を予測して、そのエネルギー削減見込み量をユーティリティ会社に通知する。その通知結果に基づいて、ユーティリティ会社がエネルギー削減目標と、インセンティブ条件とを必要に応じて見直し、それらを再設定した後に需給調整が開始される。
【0007】
また、特許文献1では、需給調整開始後に、ユーティリティ会社がアグリゲータに対して需要側で収集されたエネルギー削減収集量の総計を適時確認し、エネルギー削減収集量の総計がエネルギー削減目標に満たない場合に、エネルギー削減目標と、インセンティブ条件とを見直しできるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5901758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
需給調整システムでは、供給側が適切なエネルギー削減目標と、インセンティブ条件とを設定し、供給側も需要側も納得できるインセンティブ単価で供給側が目標とするエネルギーを削減できることが望ましい。
【0010】
特許文献1に記載された需給調整システムでは、需給調整シーケンス開始前にユーティリティ会社が設定するエネルギー削減目標と、インセンティブ条件とのもとで、削減可能なエネルギーの総量であるエネルギー削減見込み量をシミュレーションで予測している。しかしながら、特許文献1に記載された需給調整システムは、エネルギー削減見込み量をシミュレーションで算出するためのインセンティブ見込み値をシミュレーションで算出していないため、エネルギー削減目標と、インセンティブ条件との設定を適切に行うことができない。
【0011】
そこで、本発明は、エネルギー削減量の目標と、インセンティブ条件とを適切に設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係る需給調整システムは、エネルギーを削減するために行われた過去の需給調整イベントの時間帯と、前記過去の需給調整イベントで使用された単位当たりのインセンティブであるインセンティブ単価と、前記過去の需給調整イベントにおいて削減されたエネルギー量である削減実績値と、を需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、エネルギーを削減するために行われる将来の需給調整イベントの時間帯に対応する前記インセンティブ単価及び前記削減実績値を用いて、前記将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び前記将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出する算出部と、前記インセンティブ単価見込み値及び前記エネルギー削減見込み量に応じて、前記将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定する計画部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様に係る需給調整装置は、エネルギーを削減するために行われた過去の需給調整イベントの時間帯と、前記過去の需給調整イベントで使用された単位当たりのインセンティブであるインセンティブ単価と、前記過去の需給調整イベントにおいて削減されたエネルギー量である削減実績値と、を需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、エネルギーを削減するために行われる将来の需給調整イベントの時間帯に対応する前記インセンティブ単価及び前記削減実績値を用いて、前記将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び前記将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出する算出部と、前記インセンティブ単価見込み値及び前記エネルギー削減見込み量に応じて、前記将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定する計画部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、エネルギーを削減するために行われた過去の需給調整イベントの時間帯と、前記過去の需給調整イベントで使用された単位当たりのインセンティブであるインセンティブ単価と、前記過去の需給調整イベントにおいて削減されたエネルギー量である削減実績値と、を需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、エネルギーを削減するために行われる将来の需給調整イベントの時間帯に対応する前記インセンティブ単価及び前記削減実績値を用いて、前記将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び前記将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出する算出部、及び、前記インセンティブ単価見込み値及び前記エネルギー削減見込み量に応じて、前記将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定する計画部、として機能させることを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様に係る需給調整方法は、算出部が、エネルギーを削減するために行われた過去の需給調整イベントの時間帯と、前記過去の需給調整イベントで使用された単位当たりのインセンティブであるインセンティブ単価と、前記過去の需給調整イベントにおいて削減されたエネルギー量である削減実績値と、を需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、エネルギーを削減するために行われる将来の需給調整イベントの時間帯に対応する前記インセンティブ単価及び前記削減実績値を用いて、前記将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び前記将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出し、計画部が、前記インセンティブ単価見込み値及び前記エネルギー削減見込み量に応じて、前記将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一又は複数の態様によれば、エネルギー削減量の目標と、インセンティブ条件とを適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態に係る需給調整システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2】需給調整装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図3】コンピュータの構成を概略的に示すブロック図である。
図4】需給調停装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図5】情報サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
図6】需要家需給調整結果テーブルの概略図である。
図7】イベント需給調整結果テーブルの概略図である。
図8】需給調停端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図9】需給調整システムの全体の動作を示すシーケンス図である。
図10】需給調整初期条件設定シーケンスにおける需給調整装置の動作を示すフローチャートである。
図11】需給調整初期条件設定シーケンスにおける需給調停装置の動作を示すフローチャートである。
図12】需給調整シーケンスにおける需給調停装置の動作を示すフローチャートである。
図13】需給調整シーケンスにおける需給調整装置の動作を示すフローチャートである。
図14】需給調整シーケンスにおける需給調停端末の動作を示すフローチャートである。
図15】変形例に係る需給調整装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、実施の形態に係る需給調整システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
図1に示すように、需給調整システム100は、ユーティリティ会社に設けられた需給調整装置110と、アグリゲータに設けられた需給調停装置120と、情報サーバ130と、需要家が使用する需給調停端末140及びエネルギーの計測装置150とを備える。
需給調整装置110、需給調停装置120、情報サーバ130、需給調停端末140及び計測装置150は、通信ネットワーク101を介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
図2は、需給調整装置110の構成を概略的に示すブロック図である。
図2に示すように、需給調整装置110は、入出力部111と、記憶部112と、通信部113と、制御部114とを備える。
【0020】
入出力部111は、需給調整装置110のオペレータからの入力を受け付ける入力部、及び、各種画面画像を表示する表示部として機能する。
記憶部112は、需給調整装置110での処理に必要なデータ及びプログラムを記憶する。
通信部113は、通信ネットワーク101と通信を行う。
【0021】
制御部114は、需給調整装置110での処理を制御する。
制御部114は、計画部115と、計画調整部116とを備える。
【0022】
計画部115は、後述するように、需給調停装置120で算出されたインセンティブ単価見込み値及びエネルギー削減見込み量に応じて、将来の需給調整イベントにおいて、削減するエネルギーの目標量であるエネルギー削減目標と、需要家に支払うインセンティブの上限値であるインセンティブ上限値とを特定する。
例えば、計画部115は、インセンティブ単価見込み値をインセンティブ上限値として特定する。
【0023】
計画部115は、エネルギー削減目標の初期値が、エネルギー削減見込み量以下である場合には、その初期値をエネルギー削減目標として特定する。
また、計画部115は、エネルギー削減目標の初期値がエネルギー削減見込み量よりも大きく、かつ、インセンティブ上限値を変更できる場合には、インセンティブ単価見込み値と同じ値として特定されたインセンティブ上限値を変更して、その初期値をエネルギー削減目標として特定する。
さらに、計画部115は、エネルギー削減目標の初期値がエネルギー削減見込み量よりも大きく、かつ、インセンティブ単価見込み値と同じ値として特定されたインセンティブ上限値を変更できないときには、エネルギー削減見込み量をエネルギー削減目標として特定する。
【0024】
ここで、計画部115は、インセンティブ単価見込み値に、エネルギー削減見込み量における、エネルギー削減見込み量に対するエネルギー削減目標の初期値の超過割合を乗算した値を、インセンティブ単価見込み値に加算した値に、インセンティブ上限値を変更する。
【0025】
計画調整部116は、後述するように、需給調停装置120が需要家との間で、インセンティブ単価を調整しても、エネルギー削減目標が達成されない場合に、インセンティブ上限値を変更できるか否かを判断して、インセンティブ上限値を変更できる場合には、インセンティブ上限値を変更して、再度、需給調停装置120に需要家との間の調停を要請する。
【0026】
需給調整装置110は、図3に示されているようなコンピュータ160で構成することができる。
コンピュータ160は、CPU(Central Processing Unit)161と、メモリ162と、入出力インターフェース(以下、入出力I/Fという)163と、ネットワークインターフェース(以下、ネットワークI/Fという)164と、記憶装置165とを備える。これらは、バス166を介して相互に接続されている。
【0027】
ここで、CPU161は、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ又はDSPともいう。
【0028】
需給調整装置110の制御部114は、CPU161がメモリ162に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。ここで、メモリ162は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD等が該当する。
【0029】
なお、プログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0030】
入出力部111は、入出力I/F163に接続された、図示しない表示装置及び入力装置により実現される。
記憶部112は、メモリ162及び記憶装置165により実現される。記憶装置165は、例えば、不揮発又は揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)である。
通信部113は、ネットワークI/F164により実現される。ネットワークI/F164は、例えば、NIC(Network Interface Card)により実現される。
【0031】
図4は、需給調停装置120の構成を概略的に示すブロック図である。
図4に示すように、需給調停装置120は、入出力部121と、記憶部122と、通信部123と、制御部124とを備える。
【0032】
入出力部121は、需給調停装置120のオペレータからの入力を受け付ける入力部、及び、各種画面画像を表示する表示部として機能する。
記憶部122は、需給調停装置120での処理に必要なデータ及びプログラムを記憶する。
通信部123は、通信ネットワーク101と通信を行う。
【0033】
制御部124は、需給調停装置120での処理を制御する。
制御部124は、シミュレーション部125と、調停部126とを備える。
【0034】
シミュレーション部125は、後述するように、情報サーバ130に記憶されている、エネルギーを削減するために行われた過去の需給調整イベントの時間帯と、過去の需給調整イベントで使用された単位当たりのインセンティブであるインセンティブ単価と、過去の需給調整イベントにおいて削減されたエネルギー量である削減実績値と、を需要家毎に示す需給調整結果データを参照して、エネルギーを削減するために行われる将来の需給調整イベントの時間帯に対応するインセンティブ単価及び削減実績値を用いて、将来の需給調整イベントで使用されるインセンティブ単価の見込み値であるインセンティブ単価見込み値及び将来の需給調整イベントで削減できるエネルギーの見込み量であるエネルギー削減見込み量を算出する算出部として機能する。
【0035】
例えば、シミュレーション部125は、需給調整結果データを参照して、将来の需給調整イベントを行う時間帯に対応するインセンティブ単価の中から、対応する削減実績値がゼロではないインセンティブ単価を特定し、特定されたインセンティブ単価の平均値を、インセンティブ単価見込み値とする。
【0036】
また、シミュレーション部125は、需給調整結果データを参照して、将来の需給調整イベントを行う時間帯に対応する削減実績値を、需要家毎に平均化した値の総和を、エネルギー削減見込み量とする。
【0037】
調停部126は、将来の需給調整イベントを行う削減日及び時間帯と、インセンティブ単価とを需要家に通知して、その応答として得られる個別エネルギー削減可能量を集計したエネルギー削減可能集計値と、エネルギー削減目標との比較結果に応じて、前記インセンティブ上限値を超えない範囲で、前記インセンティブ単価を調整する。
【0038】
需給調停装置120は、図3に示されているようなコンピュータ160で構成することができる。
需給調停装置120の制御部124は、CPU161がメモリ162に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。
【0039】
入出力部121は、入出力I/F163に接続された、図示しない表示装置及び入力装置により実現される。
記憶部122は、メモリ162及び記憶装置165により実現される。
通信部123は、ネットワークI/F164により実現される。
【0040】
図5は、情報サーバ130の構成を概略的に示すブロック図である。
図5に示すように、情報サーバ130は、記憶部131と、通信部132と、サーバ制御部133とを備える。
【0041】
記憶部131は、情報サーバ130での処理に必要なデータ及びプログラムを記憶する。ここでは、記憶部131は、情報データベースとして機能する。
記憶部131は、過去におけるエネルギーの需給調整結果を示す需給調整結果データを記憶する。需給調整結果データは、過去において行われた需給調整イベントの時間帯、インセンティブ単価及び削減実績値等の履歴である。本実施の形態では、例えば、需要家毎の需給調整結果を示す需要家需給調整結果データと、需給調整イベント毎の需給調整結果を示すイベント需給調整結果データとを記憶する。
【0042】
図6は、需要家需給調整結果データの一例である需要家需給調整結果テーブル134の概略図である。
需要家需給調整結果テーブル134は、需要家ID列134aと、削減申請値列134bと、削減実績値列134cと、契約エネルギー高列134dと、削減実行日時列134eと、天候列134iと、インセンティブ単価列134jと、業種列134kと、需給調整ID列134lとを備える。
【0043】
需要家ID列134aは、図1に示されているユーティリティ会社及びアグリゲータを含む電力の供給側から電力の供給を受ける需要家を識別するための需要家識別情報である需要家IDを格納する。
削減申請値列134bは、需給調停装置120からのエネルギー削減要請に対して、需要家が個別エネルギー削減可能量として応答した値である削減申請値を格納する。
削減実績値列134cは、エネルギーを削減する需給調整イベントにおいて、需要家が実際に削減したエネルギー量を示す削減実績値を格納する。
【0044】
契約エネルギー高列134dは、需要家が供給側と契約しているエネルギー量である契約エネルギー高を格納する。
削減実行日時列134eは、需要家が参加した需給調整イベントが行われた日時を格納する。例えば、削減実行日時列134eは、需給調整イベントが行われた年月日を格納する実施日列134fと、需給調整イベントを開始した時間を格納する開始時間列134gと、需給調整イベントを終了した時間を格納する終了時間列134hとを備える。開始時間列134g及び終了時間列134hにより需給調整イベントを開催した時間帯を把握することができる。
【0045】
天候列134iは、需給調整イベントが行われた日時における天気を示す天気情報を格納する。
インセンティブ単価列134jは、需給調整イベントで使用されたインセンティブ単価を格納する。
業種列134kは、需要家の業種を示す業種情報を格納する。
需給調整ID列134lは、需要家が参加した需給調整イベントを識別するための需給調整識別情報である需給調整IDを格納する。
【0046】
需要家需給調整結果テーブル134により、過去の需給調整イベントの時間帯、インセンティブ単価及び削減実績値が需要家毎に対応付けられる。
【0047】
図7は、イベント需給調整結果データの一例であるイベント需給調整結果テーブル135の概略図である。
イベント需給調整結果テーブル135は、需給調整ID列135aと、削減目標列135bと、削減実績総計列135cと、契約エネルギー高総計列135dと、削減実行日時列135eと、天候列135iと、インセンティブ単価列135jと、インセンティブ単価上限値列135kとを備える。
【0048】
需給調整ID列135aは、需給調整IDを格納する。
削減目標列135bは、需給調整イベントにおける削減目標に対応する削減目標値を格納する。
削減実績総計列135cは、需給調整イベントにおいて、需要家が削減を行ったエネルギーの総量を示す削減実績総計を格納する。
【0049】
契約エネルギー高総計列135dは、需要家が供給側と契約しているエネルギー量の総計である契約エネルギー高総計を格納する。
削減実行日時列135eは、需給調整イベントが行われた日時を格納する。例えば、削減実行日時列135eは、需給調整イベントが行われた年月日を格納する実施日列135fと、需給調整イベントを開始した時間を格納する開始時間列135gと、需給調整イベントを終了した時間を格納する終了時間列135hとを備える。
【0050】
天候列135iは、需給調整イベントが行われた日時における天気を示す天気情報を格納する。
インセンティブ単価列135jは、需給調整イベントに使用されたインセンティブ単価を格納する。
インセンティブ単価上限値列135kは、需給調整イベントで使用されたインセンティブ上限値を格納する。
【0051】
イベント需給調整結果テーブル135により、過去の需給調整イベントの時間帯、削減実績総計、インセンティブ単価及びインセンティブ単価上限値が需給調整イベント毎に対応付けられる。
【0052】
図5に戻り、通信部132は、通信ネットワーク101と通信を行う。
サーバ制御部133は、情報サーバ130での処理を制御する。
例えば、サーバ制御部133は、需給調停装置120からの依頼に応じて、必要なデータを需給調停装置120に提供する。
【0053】
情報サーバ130は、図3に示されているようなコンピュータ160で構成することができる。
情報サーバ130のサーバ制御部133は、CPU161がメモリ162に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。
記憶部131は、メモリ162及び記憶装置165により実現される。
通信部132は、ネットワークI/F164により実現される。
【0054】
図8は、需給調停端末140の構成を概略的に示すブロック図である。
図8に示すように、需給調停端末140は、入出力部141と、記憶部142と、通信部143と、端末制御部144とを備える。
【0055】
入出力部141は、需給調停端末140のオペレータからの入力を受け付ける入力部、及び、各種画面画像を表示する表示部として機能する。
記憶部142は、需給調停端末140での処理に必要なデータ及びプログラムを記憶する。
通信部143は、通信ネットワーク101と通信を行う。
【0056】
端末制御部144は、需給調停端末140での処理を制御する。
例えば、端末制御部144は、通信部143を介して、需給調停装置120からエネルギー削減要請を受け取った場合に、エネルギー削減要請に含まれている削減日及び時間帯で削減可能なエネルギー量を算出して、算出されたエネルギー量を個別エネルギー削減可能量として、通信部143を介して、需給調停装置120に応答する。
【0057】
需給調停端末140は、図3に示されているようなコンピュータ160で構成することができる。
需給調停端末140の端末制御部144は、CPU161がメモリ162に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。
【0058】
入出力部141は、入出力I/F163に接続された、図示しない表示装置及び入力装置により実現される。
記憶部142は、メモリ162及び記憶装置165により実現される。
通信部143は、ネットワークI/F164により実現される。
【0059】
以上のような需給調整システム100は、以下のように動作する。
需給調整開始前に、ユーティリティ会社がエネルギーを削減するイベントである将来の需給調整イベントを実行する日程と時間帯を決定し、需給調整装置110から需給調停装置120にその日程及び時間帯を通知する。
需給調停装置120は、情報サーバ130にアクセスして、情報サーバ130に記録された個別の需要家毎の契約情報又は過去の需給調整時の実績データ等に基づいて、シミュレーションにより需要家側のエネルギー削減見込み量とそれを実現するインセンティブ単価見込み値とを算出する。需給調停装置120は、算出されたエネルギー削減見込み量及びインセンティブ単価見込み値を需給調整装置110に通知する。
【0060】
需給調整装置110は、需給調停装置120から通知されたエネルギー削減見込み量と、それを実現するインセンティブ単価見込み値とを基に、エネルギー削減目標と、インセンティブ上限値とを決定し、需給調停装置120に通知する。通知を受けた需給調停装置120は、需要側との需給調整を開始する。
【0061】
需給調整開始後は、供給側からのエネルギー削減要請に対して全ての需要家からの応答が完了した時点で、需給調整装置110又は需給調停装置120は、需要家から応答されたエネルギー削減可能量を集計し、その集計結果と、集計時点のインセンティブ単価とから必要に応じてインセンティブ単価上限値を変更して需給調整を継続する。
【0062】
計測装置150は、需要家において消費したエネルギー量の計測を行う。計測装置150は、ユーティリティ会社、需要家及びアグリゲータのいずれかが保有してもよい。
【0063】
ここで、通常、複数の需要家がいるため、複数の需給調停端末140及び計測装置150が需給調整システム100に備えられている。
【0064】
図9は、実施の形態に係る需給調整システム100の全体の動作を示すシーケンス図である。
【0065】
需給調整システム100の全体の動作は、需給調整初期条件設定シーケンス(S10)と、需給調整シーケンス(S11)とを含んでいる。
【0066】
需給調整初期条件設定シーケンス(S10)は、需給調整開始前に需給調整を実行するための初期条件として、エネルギー削減の目標値と、インセンティブ単価上限値とを決定するためのシーケンスである。
【0067】
需給調整シーケンス(S11)は、供給側が需要側との需給調整を実施し、その結果からエネルギー削減目標とインセンティブ単価とを決定するシーケンスである。
【0068】
まず、需給調整初期条件設定シーケンスにおける動作について説明する。
図10は、需給調整初期条件設定シーケンスにおける需給調整装置110の動作を示すフローチャートである。
例えば、図10に示されるフローチャートは、需給調整装置110の入出力部111が、オペレータから、エネルギーの削減を行う需給調整イベントの実行予定日である削減日及びその時間帯の入力を受け付けることにより開始される。
【0069】
需給調整装置110の計画部115は、入力された削減日及び時間帯を、通信部113を介して、需給調停装置120に送ることで、その削減日及び時間帯を需給調停装置120に通知する(S20)。
【0070】
次に、計画部115は、エネルギー削減目標Atgを設定する(S21)。例えば、計画部115は、入出力部111を介して、オペレータからエネルギー削減目標Atgの入力を受けることで、エネルギー削減目標Atgを設定すればよい。ここで設定されるエネルギー削減目標Atgが、エネルギー削減目標Atgの初期値となる。
【0071】
ユーティリティ会社は、エネルギー需要に対してエネルギー供給能力が一定のマージンをもって確保できるようにエネルギー需給バランスを確保する。需要家のエネルギー需要のピーク値が想定よりも大きくなる場合、又は、エネルギー需給能力が想定よりも小さくなる場合には、マージンが確保できなくなる。このような場合には、ユーティリティ会社は、事前に需要家のエネルギー需要に対してエネルギー削減目標Atgを決めて需給調整を行い、マージンを確保する。
【0072】
具体的には、通常よりも気温が急上昇して冷房のエネルギー消費が急増することが予想される場合には、ユーティリティ会社は、想定されるエネルギー増加量を上回るようにエネルギー削減目標Atgを決定する。
また、ユーティリティ会社のエネルギー供給設備が定期点検又は故障等の特別な理由のため、供給能力が通常よりも低下するような場合には、ユーティリティ会社は、その低下分を上回るようにエネルギー削減目標Atgを決定する。
オペレータは、以上のようにして決定されたエネルギー削減目標Atgを、入出力部111に入力する。
【0073】
次に、計画部115は、通信部113を介して、需給調停装置120から、エネルギー削減見込み量Aest及びインセンティブ単価見込み値Bestを取得したか否かを判断する(S22)。エネルギー削減見込み量Aest及びインセンティブ単価見込み値Bestを取得した場合(S22でYes)には、処理はステップS23に進む。
【0074】
ここで、エネルギー削減見込み量Aestは、エネルギーを削減する削減日及び時間帯において、過去の実績に従って需給調停装置120で行われたシミュレーションにより算出されたエネルギーを削減できる見込の量である。また、インセンティブ単価見込み値Bestは、過去の実績に従って需給調停装置120で行われたシミュレーションにより算出されたインセンティブ単価の見込みの値である。
【0075】
ステップS23では、計画部115は、インセンティブ単価の上限値であるインセンティブ単価上限値Buを、受け取ったインセンティブ単価見込み値Bestと同じ値に設定する。
【0076】
そして、計画部115は、エネルギー削減目標Atgが、受け取ったエネルギー削減見込み量Aestよりも大きいか否かを判断する(S24)。エネルギー削減目標Atgが、受け取ったエネルギー削減見込み量Aestよりも大きい場合には、エネルギー削減目標Atg又はインセンティブ単価上限値Buを調整する必要があるため、処理はステップS25に進む。一方、エネルギー削減目標Atgが、受け取ったエネルギー削減見込み量Aest以下である場合には、エネルギー削減目標Atgを調整する必要がないため、処理はステップS28に進む。
【0077】
ステップS25では、計画部115は、インセンティブ単価上限値Buが変更可能か否かを判断する。例えば、インセンティブ単価上限値Buの値をオペレータが確認し、変更可否を判断した結果を入力部111を介して設定すればよい。インセンティブ単価上限値Buが変更可能である場合(S25でYes)には、処理はステップS26に進み、インセンティブ単価上限値Buが変更可能ではない場合(S25でNo)には、処理はステップS27に進む。
【0078】
ユーティリティ会社がどの程度のインセンティブを需要家に支払えるかは、一般的には、ユーティリティ会社が自身の経済状況に応じて決める「インセンティブの予算」に応じて決定される。このため、オペレータは、予算に余裕がある場合には、インセンティブ単価上限値Buが変更可能であるように設定を行えばよい。
【0079】
ステップS26では、計画部115は、インセンティブ単価上限値Buを変更する。
例えば、計画部115は、インセンティブ単価上限値Buを、インセンティブ単価見込み値Bestに対して、エネルギー削減目標Atgのエネルギー削減見込み量Aestに対する超過分に応じて、下記の式(1)により増加させる。
Bu=Best+Best×{(Atg−Aest)/Aest} (1)
そして、処理はステップS28に進む。
【0080】
一方、ステップS27では、計画部115は、エネルギー削減目標Atgを、受け取ったエネルギー削減見込み量Aestと同じ値に設定する。これにより、エネルギー削減目標Atgは、現状のインセンティブ単価上限値Buで収集可能な値にまで減少される。そして、処理はステップS28に進む。
【0081】
ステップS28では、計画部115は、エネルギー削減目標Atg及びインセンティブ単価上限値Buを、通信部113を介して、需給調停装置120に送ることで、エネルギー削減目標Atg及びインセンティブ単価上限値Buを、需給調停装置120に通知する。
【0082】
図11は、需給調整初期条件設定シーケンスにおける需給調停装置120の動作を示すフローチャートである。
まず、需給調停装置120のシミュレーション部125は、通信部123を介して、需給調整装置110から、削減日及び時間帯を受け取ったか否かを判断する(S30)。削減日及び時間帯を受け取った場合(S30でYes)には、処理はステップS31に進む。
【0083】
ステップS31では、シミュレーション部125は、受け取った削減日及び時間帯に基づいて、エネルギー削減見込み量Aest及びインセンティブ単価見込み値Bestを算出するためのシミュレーションを実行する。
【0084】
例えば、シミュレーション部125は、図6に示されている需要家需給調整結果テーブル134において、その開始時間列134g及び終了時間列134hで特定される削減実行時間帯が、ステップS30で受け取った時間帯と一致するレコードを抽出する。そして、シミュレーション部125は、抽出されたレコードにおける削減実績値列134cに格納されている削減実績値を、需要家ID列134aに格納されている需要家ID毎に平均化して、平均化された削減実績値の総和を、エネルギー削減見込み量Aestとする。
【0085】
また、シミュレーション部125は、図6に示されている需要家需給調整結果テーブル134において、その開始時間列134g及び終了時間列134hで特定される削減実行時間帯が、ステップS30で受け取った時間帯と一致し、かつ、削減実績値列134cに格納されている削減実績値が「0」ではないレコードを抽出する。そして、シミュレーション部125は、抽出されたレコードにおける、インセンティブ単価列134jに格納されているインセンティブ単価の平均値をインセンティブ単価見込み値Bestとする。
【0086】
そして、シミュレーション部125は、算出されたエネルギー削減見込み量Aest及びインセンティブ単価見込み値Bestを、通信部123を介して、需給調整装置110に送ることで、エネルギー削減見込み量Aest及びインセンティブ単価見込み値Bestを、需給調整装置110に通知する(S32)。
【0087】
次に、調停部126は、通信部123を介して、需給調整装置110からエネルギー削減目標Atg及びインセンティブ単価上限値Buを受け取ったか否かを判断する(S33)。エネルギー削減目標Atg及びインセンティブ単価上限値Buを受け取った場合(S33でYes)には、処理は終了する。
【0088】
以上のように、需給調整初期条件設定シーケンスでは、需給調整初期条件設定として、エネルギー削減目標Atg及びインセンティブ単価上限値Buが設定される。
【0089】
図12は、需給調整シーケンスにおける需給調停装置120の動作を示すフローチャートである。
まず、需給調停装置120の調停部126は、需給調整装置110から受け取った、削減日、時間帯、エネルギー削減目標Atg及びインセンティブ単価上限値Buを需給調整条件の初期値として設定する(S40)。
【0090】
次に、調停部126は、インセンティブ単価上限値Bu以下となるように、インセンティブ単価Bdを決定する(S41)。インセンティブ単価Bdは、インセンティブ単価上限値Bu以下であれば、どのような値であってもよいが、ここでは、95%等のように、インセンティブ単価上限値Buに対する割合が予め定められているものとする。
【0091】
次に、調停部126は、削減日、時間帯及びインセンティブ単価Bdを含むエネルギー削減要請を、通信部123を介して、全ての需要家の需給調停端末140に送ることで、そのようなエネルギー削減要請を、全ての需要家の需給調停端末140に通知する(S42)。
【0092】
次に、調停部126は、通信部123を介して、全ての需要家の需給調停端末140から個別エネルギー削減可能量Ad(n)を受け取ったか否かを判断する(S43)。個別エネルギー削減可能量Ad(n)は、需給調停装置120から通知された削減日、時間帯及びインセンティブ単価Bdに応じて、需要家がエネルギーを削減可能と判断した量である。そして、全ての需要家の需給調停端末140から個別エネルギー削減可能量Ad(n)を受け取った場合(S43でYes)には、処理はステップS44に進む。
【0093】
ステップS44では、調停部126は、全ての需要家の需給調停端末140から受け取った個別エネルギー削減可能量Ad(n)を集計することで、エネルギー削減可能集計値Adを算出する。
【0094】
次に、調停部126は、エネルギー削減可能集計値Adがエネルギー削減目標Atg以上であるか否かを判断する(S45)。エネルギー削減可能集計値Adがエネルギー削減目標Atg未満である場合(S45でNo)には、処理はステップS46に進み、エネルギー削減可能集計値Adがエネルギー削減目標Atg以上である場合(S45でYes)には、処理はステップS48に進む。
【0095】
ステップS46では、調停部126は、インセンティブ単価Bdがインセンティブ単価上限値Buに達したか否かを判断する(S46)。インセンティブ単価Bdがインセンティブ単価上限値Buに達していない場合(S46でNo)には、処理はステップS47に進み、インセンティブ単価Bdがインセンティブ単価上限値Buに達した場合(S46でYes)には、処理はステップS48に進む。
【0096】
ステップS47では、調停部126は、インセンティブ単価上限値Buを超えない範囲で、インセンティブ単価Bdを上げる。インセンティブ単価Bdの上げ方については、どのような方法であってもよいが、例えば、インセンティブ単価Bdが、インセンティブ単価上限値Buに対する割合で決定されている場合には、その割合が引き上げられればよい。具体的には、現状において、インセンティブ単価Bdがインセンティブ単価上限値Buの95%で決定されている場合には、調停部126は、例えば、その割合を97%に変更する。そして、処理はステップS42に戻る。
【0097】
一方、ステップS48では、調停部126は、通信部123を介して、エネルギー削減可能集計値Ad及びインセンティブ単価Bdを、需給調整装置110に送ることで、エネルギー削減可能集計値Ad及びインセンティブ単価Bdを、需給調整装置110に通知する。
【0098】
次に、調停部126は、通信部123を介して、需給調整装置110から、更新されたインセンティブ単価上限値Buを含む、需給調整を継続する要請である需給調整継続要請を受け取ったか否かを判断する(S49)。需給調整継続要請を受け取った場合(S49でYes)には、処理はステップS50に進み、需給調整継続要請を受け取っていない場合(S49でNo)には、処理はステップS51に進む。
【0099】
ステップS50では、調停部126は、インセンティブ単価上限値Buを、需給調整装置110から受け取った更新値に更新して、処理をステップS41に戻す。
一方、ステップS51では、調停部126は、需給調整装置110から、需給調整の完了を知らせる需給調整完了通知を受け取ったか否かを判断する。需給調整完了通知を受け取った場合(S51でYes)には、処理は終了し、需給調整完了通知を受け取っていない場合(S51でNo)には、処理はステップS49に戻る。
【0100】
図13は、需給調整シーケンスにおける需給調整装置110の動作を示すフローチャートである。
まず、需給調整装置110の計画調整部116は、通信部113を介して、需給調停装置120から、エネルギー削減可能集計値Ad及びインセンティブ単価Bdを受け取ったか否かを判断する(S60)。エネルギー削減可能集計値Ad及びインセンティブ単価Bdを受け取った場合(S60でYes)には、処理はステップS61に進む。
【0101】
ステップS61では、計画調整部116は、エネルギー削減目標Atgがエネルギー削減可能集計値Adよりも高いか否かを判断する。エネルギー削減目標Atgがエネルギー削減可能集計値Adよりも高い場合(S61でYes)には、処理はステップS62に進み、エネルギー削減目標Atgがエネルギー削減可能集計値Ad以下である場合(S61でNo)には、処理はステップS65に進む。
【0102】
ステップS62では、計画調整部116は、インセンティブ単価上限値Buを変更するか否かを判断する。インセンティブ単価上限値Buを変更するか否かについては、例えば、インセンティブ単価上限値Buの値をオペレータが確認し、変更可否を判断した結果を入力部111を介して設定すればよい。インセンティブ単価上限値Buを変更する場合(S62でYes)には、処理はステップS63に進み、インセンティブ単価上限値Buを変更しない場合(S62でNo)には、処理はステップS65に進む。
【0103】
ステップS63では、計画調整部116は、インセンティブ単価上限値Buが現状よりも高くなるように、インセンティブ単価上限値Buを更新する。例えば、計画調整部116は、エネルギー削減目標Atgの、エネルギー削減可能集計値Adに対する超過分に応じて、例えば、下記の式(2)により、インセンティブ単価上限値Buを増加させる。
Bu=Bu+Bu×{(Atg−Ad)/Ad} (2)
式(2)では、インセンティブ単価上限値Buに、エネルギー削減可能集計値Adにおける、エネルギー削減可能集計値Adに対するエネルギー削減目標Atgの超過割合を乗算した値を、インセンティブ単価上限値Buに加算した値に、インセンティブ単価上限値Buが変更される。
【0104】
そして、計画調整部116は、通信部113を介して、更新されたインセンティブ単価上限値Buを含む需給調整継続要請を、需給調停装置120に送ることで、需給調整継続要請を需給調停装置120に通知する(S64)。その後、処理はステップS60に戻る。
【0105】
一方、ステップS65では、計画調整部116は、通信部113を介して、需給調整完了通知を需給調停装置120に送る。
【0106】
図14は、需給調整シーケンスにおける需給調停端末140の動作を示すフローチャートである。
まず、需給調停端末140の端末制御部144は、通信部143を介して、需給調停装置120からエネルギー削減要請を受け取ったか否かを判断する(S70)。エネルギー削減要請を受け取った場合(S70でYes)には、処理はステップS71に進む。
【0107】
ステップS71では、端末制御部144は、通信部143を介して、エネルギー削減要請に含まれている削減日及び時間帯で削減可能なエネルギー量を、個別エネルギー削減可能量Ad(n)として需給調整装置110に応答する。
【0108】
例えば、需要家は、指定された削減日及び時間帯において、通常に比べてどの程度エネルギーを削減できるかを予測する。このため、実際の運用では、ユーティリティ会社は、需要家に予測の材料として過去のエネルギー使用実績カーブ(所謂、ベースライン)を提供する。一方、需要家では、過去のエネルギー削減実績、自身のエネルギー使用状況を見える化した管理データ、又は、生産計画等を参考に、指定された日時における個別エネルギー削減可能量Ad(n)を決定すればよい。
【0109】
以上のように、需給調整シーケンスにより、エネルギー削減目標Atgに応じて、インセンティブ単価Bdを調整することができる。
【0110】
以上に記載された実施の形態では、需給調整装置110及び需給調停装置120により、将来の需給調整イベントのエネルギー削減目標、インセンティブ単価上限値及びインセンティブ単価が特定されているが、実施の形態は、このような例に限定されない。
例えば、図15に示されている需給調整装置110#のように、需給調停装置120のシミュレーション部125及び調停部126の機能と同様の機能を有するシミュレーション部125#及び調停部126#を需給調整装置110#が備えることで、需給調停装置120を省略してもよい。この場合、需給調整装置110#は、ユーティリティ会社及びアグリゲータの少なくとも何れか一方に備えられていればよい。
【0111】
また、需給調整装置110#の記憶部112が、情報サーバ130に記憶されている需給調整結果データを記憶していてもよい。このような場合には、情報サーバ130を省略することができる。
【0112】
なお、図11のステップS31では、シミュレーション部125は、図6に示されている需要家需給調整結果テーブル134において、その開始時間列134g及び終了時間列134hで特定される削減実行時間帯が、ステップS30で受け取った時間帯と一致するレコードを抽出しているが、実施の形態はこのような例に限定されない。例えば、これらの時間帯が少なくとも一部で重複しているレコードが抽出されてもよい。
【符号の説明】
【0113】
100 需給調整システム、 101 通信ネットワーク、 110 需給調整装置、 111 入出力部、 112 記憶部、 113 通信部、 114 制御部、 115 計画部、 116 計画調整部、 120 需給調停装置、 121 入出力部、 122 記憶部、 123 通信部、 124 制御部、 125 シミュレーション部、 126 調停部、 130 情報サーバ、 131 記憶部、 132 通信部、 133 サーバ制御部、 134 需要家需給調整結果テーブル、 135 イベント需給調整結果テーブル、 140 需給調停端末、 141 入出力部、 142 記憶部、 143 通信部、 144 端末制御部、 150 計測装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15