【解決手段】受注商品特定支援システムは、発注してきた顧客に関する顧客識別情報5をシステム内に取り込むための取り込み手段11と、キーワードを入力する入力手段12と、キーワードをキーにして、商品マスター23よりキーワードに合致する商品識別情報を取得し、顧客識別情報5と商品識別情報とをもとに、受注履歴データ情報24より、顧客識別情報5に合致する顧客の、商品識別情報にある受注履歴データを取り出す受注履歴取得手段15と、該当の顧客に関する取り出し済み受注履歴データが出力される出力手段13とを備えている。
【背景技術】
【0002】
近年、製造業や金融業、卸業、小売業、サービス業など、商品・サービス(以下、商品等と略す)を取り扱う種々の企業の多くは、顧客より注文を受けた商品等の受注処理をコンピュータ処理にて行う受注システムを有している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、このような企業の多くは、受注システムだけではなく、発送システム、在庫管理システム、財務会計システム、管理会計システム、生産管理システム、営業支援システムなど、基幹業務のほぼ全体に関し、その企業の業務に特化し、かつシステム間で連携がとれた基幹システムを備えている。この基幹システムでは、上記各業務システムはサブシステムとして位置づけられる。
【0004】
このような基幹システムは、その企業の基幹業務に特化し、かつサブシステム間で連携がとれているため、その企業内で使用されるかぎりは、きわめて使いやすい。
【0005】
また、受注システムに対する注文の入力は、一定のルールでコード化された情報(例えば、商品コードや品番)を入力できる受注画面を準備して、注文を正しく受け付けできるようになっている。したがって、受注画面に正しく情報の入力がなされ、所定の操作などにより、受注システムはスムーズに稼働する。
【0006】
このような受注画面と連携がとれている発注(注文)画面を顧客に対してオープンにしたものでは、当然に受注処理はスムーズになされ、企業内の受注業務は効率化する。また、顧客から注文書などにもとづいて企業の担当者が受注画面より入力する方式であっても、入力様式を統一化し、かつワークシートとして使用できる注文書を顧客に提供すれば、受注処理はスムーズになされるはずである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、統一様式の注文書であっても顧客が正しく記入しなかったり、統一様式の注文書を用いなかったりすることが想定される。また、BtoBにおいて特定の商品について定期的に行う注文の場合などには、注文書には、商品コードが付されていなかったり、商品名が簡略な省略形式で記入されていたりすることが多く発生する。
【0009】
また例えば、「先月注文した皿小ねじをn個」、「いつもの軒樋支持具をいつもの数で」といった、客観的に見た場合にきわめて不正確でわかりにくい記載の注文書もある。例えば、小規模の工務店が建築部材を製造業者や卸業者に定例的な注文をする場合には、上記のような注文スタイルとなることが多い。注文書を用いない電話など口頭による注文であれば、注文スタイルはさらに簡略化する場合もある。
【0010】
このように、顧客が注文してきた商品を正しく特定できない場合には再度、電話等で顧客に確認する必要があり、基幹システムに注文データを入力するまでに時間を要することとなり、企業での受注処理の効率は著しく低下する。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、顧客が注文した商品等の特定がスムーズに効率よく行われる受注商品特定支援システムおよび受注商品特定支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の受注商品特定支援システムは、商品マスターおよび受注履歴データ情報をアクセス可能とした受注商品特定支援システムであって、前記商品マスターは、商品識別情報と商品説明情報とが紐づけされた情報群とされ、かつ該商品説明情報に対するキーワードによる検索が可能とされ、前記受注履歴データ情報は、受注した商品の前記商品識別情報を顧客識別情報ごとに紐づけした履歴情報群とされており、発注してきた顧客に関する顧客識別情報を受注商品特定支援システム内に取り込むための取り込み手段と、前記キーワードを入力する入力手段と、入力済みキーワードをキーにして、前記商品マスターより該キーワードに合致する前記商品識別情報を取得し、取り込み済み顧客識別情報と取得済み商品識別情報とをもとに、前記受注履歴データ情報より、取り込み済み顧客識別情報に合致する顧客に関し、かつ、取得済み商品識別情報に関する受注履歴データを取り出す受注履歴取得手段と、該当の顧客に関する取り出し済み受注履歴データが出力される出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の受注商品特定支援システムは、受注履歴データ情報をアクセス可能とした受注商品特定支援システムであって、前記受注履歴データ情報は、受注した商品の前記商品識別情報を顧客識別情報ごとに紐づけした履歴情報群とされており、発注してきた顧客に関する顧客識別情報を受注商品特定支援システム内に取り込むための取り込み手段と、取り込み済み顧客識別情報をもとに、前記受注履歴データ情報より該当の顧客の受注履歴データを取り出す受注履歴取得手段と、該当の顧客に関する取り出し済み受注履歴データが出力される出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の受注商品特定支援システムは、前記取り込み手段は、前記顧客識別情報を、前記入力手段を用いて入力取り込みすることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の受注商品特定支援システムは、前記顧客識別情報を出力可能としたファクシミリ/電話用のCTIシステムと接続されており、前記出力手段は画面入出力装置を含んでおり、前記取り込み手段は、前記CTIシステムを用いて、前記顧客識別情報を取り込むとともに、ファクシミリ受信の場合にはさらに、受信済みFAXイメージを取り込む構成とされ、取り込み済みFAXイメージが前記画面入出力装置に表示されることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の受注商品特定支援システムは、前記出力手段に、該当の顧客に関する受注履歴データが一覧状に出力されることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の受注商品特定支援方法は、商品マスターおよび受注履歴データ情報を、コンピュータを用いてアクセス可能とした受注商品特定支援方法であって、
前記商品マスターは、商品識別情報と商品説明情報とが紐づけされた情報群とされ、かつ該商品説明情報に対するキーワードによる検索が可能とされ、
前記受注履歴データ情報は、受注した商品の前記商品識別情報を顧客識別情報ごとに紐づけした履歴情報群とされており、発注してきた顧客に関する顧客識別情報を受注商品特定支援システム内に取り込むための取り込み手順と、前記キーワードを入力する入力手順と、入力済みキーワードをキーにして、前記商品マスターより該キーワードに合致する前記商品識別情報を取得し、取り込み済み顧客識別情報と取得済み商品識別情報とをもとに、前記受注履歴データ情報より、取り込み済み顧客識別情報に合致する顧客に関し、かつ、取得済み商品識別情報に関する受注履歴データを取り出す受注履歴取得手順と、該当の顧客に関する取り出し済み受注履歴データを画面入出力装置に出力する出力手順と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1、2に記載の受注商品特定支援システムは上述した構成とされているため、また請求項6に記載の受注商品特定支援方法は上述した手順とされているため、かりに注文書がわかりにくい場合でも、顧客が注文した商品等をスムーズに効率よく特定することができる。
【0019】
請求項3に記載の受注商品特定支援システムは上述した構成とされているため、顧客識別情報についてもキーワードと同様に入力手段で入力することができる。
【0020】
請求項4に記載の受注商品特定支援システムは上述した構成とされているため、画面入出力装置でFAXイメージを見ながら入力操作ができ、さらに効率よく顧客が指定した商品等を特定することができる。
【0021】
請求項5に記載の受注商品特定支援システムは上述した構成とされているため、一覧状のデータの中から商品等を容易に特定することができる。また、キーワードの内容や多少により、商品等を絞り込むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の第1、第2の実施形態に係る受注商品特定支援システム10(以下、支援システム10という)ついて、添付図面をもとに説明する。
【0024】
第1、第2の実施形態に係る支援システム10は、つぎの基本構成とされている。
【0025】
支援システム10は、商品マスター23および受注履歴データ情報24をアクセス可能としたシステムである。商品マスター23は、商品識別情報と商品説明情報とが紐づけされた情報群とされ、かつ商品説明情報に対するキーワードによる検索が可能とされ、受注履歴データ情報24は、受注した商品の商品識別情報を顧客識別情報ごとに紐づけした履歴情報群とされている。
【0026】
支援システム10は、発注してきた顧客に関する顧客識別情報を支援システム10内に取り込むための取り込み手段11と、キーワードを入力する入力手段12と、入力済みキーワードをキーにして、商品マスター23よりキーワードに合致する商品識別情報を取得し、取り込み済み顧客識別情報と取得済み商品識別情報とをもとに、受注履歴データ情報24より、取り込み済み顧客識別情報に合致する顧客に関し、かつ、取得済み商品識別情報に関する受注履歴データを取り出す受注履歴取得手段15と、該当の顧客に関する取り出し済み受注履歴データが出力される出力手段13とを備えている。
【0027】
上記各手段は、コンピュータ・プログラムや記憶媒体などを組み合わせて構成されている。ようするに、支援システム10はコンピュータを用いて実施される受注商品特定支援方法とされる。その方法は、商品マスターおよび受注履歴データ情報を、コンピュータを用いてアクセスしながら、以下に示した各手順を実行するものである。
【0028】
この受注商品特定支援方法は、発注してきた顧客に関する顧客識別情報を受注商品特定支援システム内に取り込むための取り込み手順と、キーワードを入力する入力手順と、入力済みキーワードをキーにして、商品マスターよりキーワードに合致する商品識別情報を取得し、取り込み済み顧客識別情報と取得済み商品識別情報とをもとに、受注履歴データ情報より、取り込み済み顧客識別情報に合致する顧客に関し、かつ、取得済み商品識別情報に関する受注履歴データを取り出す受注履歴取得手順と、該当の顧客に関する取り出し済み受注履歴データを画面入出力装置に出力する出力手順とを備えている。
【0029】
まず、第1実施形態に係る支援システムの詳細について、
図1〜
図4を参照しながら説明する。
【0030】
この支援システム10は、商品等の注文を受ける企業に用いられるシステムであり、ファクシミリ/電話用のCTIシステム1と、その企業の基幹システム20における受注サブシステム21との間に介在するように位置付けられたシステムである。なお、これら3つのシステムは、1または複数のコンピュータに構築されている。基幹システム20の受注サブシステム21では、受注画面(不図示)における商品コードによる受け付けにより、受注処理が開始される。なお、基幹システム20には、受注サブシステム21のほかに、経理サブシステム、生産管理サブシステムなど種々のサブシステムが含まれた構成とされる。
【0031】
ようするに、支援システム10は、ファクシミリや電話で受け付けた注文書(電話の場合は口頭注文)に含まれる商品等の名称などをもとに、受注サブシステム21の入力データとしての商品コードを特定できるようにした支援ツール的な位置づけのシステムである。
【0032】
CTIシステム1は、ファクシミリ/電話とコンピュータとを統合したシステムとされる。CTIシステム1を用いれば例えば、電話がかかってきた際に、電話の着信音(呼出音)と同時にその相手先(顧客)の情報をコンピュータに表示(あるいはディスク媒体等に出力)させることができる。上記の顧客の情報としては、着信番号(電話着信であれば電話番号、FAX着信であればFAX番号)が挙げられ、顧客の名称等が登録されていれば、それも含まれる。
【0033】
本実施形態の例では、CTIシステム1には、FAX番号、電話番号に対応して顧客の名称などとともに、その企業で顧客ごとに一意に定められた顧客コードが登録されている。本CTIシステム1は、受信したFAX/TEL番号に顧客コードや顧客名称が紐づいていれば、その顧客コードを顧客識別情報として、支援システム10に対して出力する(受け渡す)。また、FAX受信であれば、受信したFAXイメージを支援システムに対して出力する(受け渡す)。なお、顧客識別情報は着信番号を含んだものとしてもよい。
【0034】
なお、CTIシステム1が有する顧客情報としては、基幹システム20が有する顧客マスター22を共通的に使用するものであってもよいし、この顧客マスター22と同期がとれたCTI用顧客マスターを有する構成としてもよい。
【0035】
基幹システム20は、商品マスター23(ファイル、DBなど)および受注履歴データ情報24(ファイル、DBなど)をアクセス可能に有しており、それらは支援システム10によってもアクセス(読み出し)可能とされている。また、基幹システム20は顧客マスター22も備えており、顧客マスター22は、CTIシステム1や支援システム10がアクセス可能とされている。
【0036】
支援システム10は、受信したファクシミリ/電話の内容が商品等の注文であると作業者が判断した場合に、その注文内容から、どの商品等(商品コード)の注文であるかを、作業者が顧客識別情報で示された顧客の注文履歴を参照しながら特定するものである。
【0037】
図1、
図2の例では、以上のように、支援システム10はCTIシステム1と連携されており、よって取り込み手段11はCTIシステム1から顧客識別情報を取り込む構成とされる。また本例では、取り込み手段11は、FAX受信の場合に、FAXイメージ17も取り込む構成とされている。
【0038】
CTIシステム1から支援システム10に対して出力される顧客識別情報やFAXイメージ17は、例えばCSVファイルやPDFファイルなどのファイルデータ5とすればよいし、その他の受け渡し方式を用いてもよい。
【0039】
また、入力手段12は、例えば画面入出力装置14で画面入力されたデータをシステム内に入力する手段とされ、これにより、商品コードを特定するためのキーワードや、その他種々の情報が入力される。
【0040】
受注履歴取得手段15は、上述したように、キーワードと顧客識別情報とを用いて、受注履歴データ情報から該当の受注履歴データを取り出す手段とされる。
【0041】
受注履歴取得手段15は、
1)まず、キーワードをキーにして商品マスター23よりキーワードに合致する商品識別情報を取得し、
2)ついで、取り込み済み顧客識別情報と、取得済み商品識別情報とをもとに、受注履歴データ情報24より、取り込み済み顧客識別情報に合致する顧客に関し、かつ、取得済み商品識別情報に関する受注履歴データを取り出す。
【0042】
この受注履歴取得手段15について、
図3に示した画面イメージを参照しながら、さらに具体的に説明する。
【0043】
まず、FAX受信をすると、CTIシステム1は顧客識別情報およびFAXイメージ17をCSVデータなどのファイルデータ5に出力するとともに、支援システム10の商品コード特定画面16(
図3参照)を起動し、その画面を画面入出力装置14に表示させる。FAXイメージ17は、商品コード特定画面16のサブウインドウ画面などに表示させればよい。
【0044】
こうしてFAXイメージ17が表示され、そのFAXが注文書でないと作業者が判断した場合には、基幹システム20の受注サブシステム21に連携をとる必要がないため、商品コード特定画面16は終了させればよい。そのFAXが注文書であると判断した場合には、作業者は、商品コード特定画面16において以下の種々の操作をして、受注サブシステム21に受け渡す商品コードを特定すればよい。
【0045】
この商品コード特定画面16には、
図3に示すように、ファクシミリ/電話を示す受信区分16gと、顧客識別情報に含まれる着信番号16hとが表示されるようにすることが望ましい。
【0046】
顧客識別情報に顧客コードが含まれていれば、その顧客コードが画面の顧客コード欄16bに表示される。
【0047】
顧客コードが含まれていない場合は、商品コード特定画面16の顧客コードボタン16aを作業者が操作して、
図4に示した顧客検索画面18に切り替え、作業者はFAXイメージ17を見ながら、送信元情報などを参考に、顧客コード、顧客名称を決定することができる。
【0048】
具体的には、顧客検索画面18で、作業者はFAXイメージ17に記載された名称の一部の字句を顧客名称入力欄18bに入力し、検索ボタン18dを操作することで、その字句に相当する顧客が一覧18aとして表示される。顧客マスター22に登録されている情報が、例えば顧客コード18aa、顧客名略称18ab、顧客名称18ac、フリガナ18ad、電話番号18ae、FAX番号(不図示)などの複数項目で構成されている場合、顧客検索画面18は、それらの中から、顧客名称入力欄18bに入力された情報をキーとして合致する顧客を取り出し、一覧18aとして表示される。なお、顧客名称入力欄18bとしては複数の入力欄があり、字句の組み合わせによる検索が可能とされる。
【0049】
作業者は、その一覧18aの中から、受信したFAX注文書の適正な注文主を判別して選択し、選択ボタン18cを操作することで、顧客コードおよび顧客名称をともなって、呼び出された商品コード特定画面16に戻り、その顧客コードが顧客コード欄16bに表示され、顧客名称が顧客名称欄16cに表示される。こうして顧客が確定する。
【0050】
なお、CTIシステム1の出力する顧客識別情報に顧客コードが含まれていない場合、顧客コードの代わりに着信番号をもとに、顧客マスター22を検索し顧客コードを取り出してもよい。ただし、顧客からの注文書が、その顧客の登録FAX番号とは限らないため、それとともに、FAXイメージ17内の情報をもとに顧客コードを最終決定することが望ましい。
【0051】
こうして顧客コードが特定されれば、作業者は、注文書に記載された商品を特定するために注文書の記載よりキーワードを判別し、それをキーワード入力欄16dに入力する。キーワード入力欄16dは複数のキーワードが入力されるようになっており、それらは受注履歴情報をキー検索するための検索条件である。キーワードはAND条件、OR条件などを組み合わせて入力できるようにしてもよい。
【0052】
例えば、注文書に、「『十字穴皿小ねじ』 n個」という記載があるとする。注文を受けた企業では、十字穴皿小ねじについて、材質、長さ、表面色などの組み合わせにもとづく複数種のものを取り扱っており、それぞれに商品コード、商品名称が付けられており、上記の注文書だけでは、商品コードを一意に特定することはできない。
【0053】
しかしながら、その注文書には、「『十字穴皿小ねじ』 n個」の後に、「毎月注文している皿小ねじと同じ物」という注意書きがあるので、作業者は、その顧客の過去の注文履歴を参照することで、いずれの『十字穴皿小ねじ』であるかを正確に知ることができる。
【0054】
具体的には、作業者は、キーワードとして、『十字穴皿小ねじ』を入力し、照会ボタン16eを操作することで、受注履歴欄16fには、顧客識別情報(顧客コード)に合致する顧客の受注履歴データのうち『十字穴皿小ねじ』に関するものが一覧状に表示される。その受注履歴欄16fには、『十字穴皿小ねじ』の正確な商品コード16faと商品名称・説明16fbが受注数量16fcとともに表示され、その表示により、作業者は注文書で注文してきた商品等の商品コードを特定することができる。
【0055】
具体的には、キーワードによる検索対象は商品マスター23の商品説明情報とされ、その検索により、1〜複数の商品等が抽出されれば、その商品等の商品コードをキーとして、受注履歴データ情報24の検索がされる。その検索でヒットした受注履歴データが一覧として表示される。なお、受注履歴データ情報に、商品説明情報がデータ項目として含まれている場合には、商品マスター23を介することなく、受注履歴データ情報24を直接、キーワードで検索する構成としてもよい。
【0056】
取り出し済み受注履歴データは、本例の場合、画面入出力装置14を出力手段13として表示出力しているが、ディスク媒体や紙媒体を出力手段13として出力してもよい。
【0057】
受注履歴データには、受注日付を含ませてもよい。例えば、「昨年9月に注文した物と同じ物」などのコメントがあれば、受注履歴データの日時で商品等を特定することができる。
【0058】
また、上記のようなコメントが付されていない場合でも、過去の受注履歴データにもとづき商品等をある程度絞り込むことができ、その場合には、電話等で再度、顧客に確認すればよい。
【0059】
また、商品マスター23は、商品名称として、正式名称のほか、略称、業界内での呼び名など、複数の名称を登録できるように構成されたものが望ましい。小売業者、卸業者間の取引や、小売業者、製造業者間などBtoB取引においては、略称での注文も多くあるが、そのような注文でも、作業者がキーワードを種々組み合わせて受注履歴を検索すれば、注文してきた商品等を特定することができる。
【0060】
作業者が受注履歴データから最終の受注商品等を判断できた場合には、その商品コードを受注サブシステム21の受注画面(不図示)に入力して受注処理を開始すればよい。
【0061】
また、商品マスターには、商品ごとに、得意客用、一見客用など客区分で区分された複数種の価格が記憶されている。一方、顧客マスターには、顧客ごとに客区分が記憶されている。したがって、商品コードを特定する際には、その顧客に対応した価格を商品マスターにもとづき取り出すことができる。そのため、商品コードに価格をともなわせて受注サブシステム21に移行させることもできる。
【0062】
上記の例では、受注履歴取得手段15は、取り込み済み顧客識別情報に合致する顧客に関し、かつ、取得済み商品識別情報に関する受注履歴データを、受注履歴データ情報より取り出す構成とされているが、取り込み済み顧客識別情報だけで取り出せるようにしてもよい。
【0063】
ようするに、キーワードをともなわない履歴照会ができるものであってもよい。この場合、キーワード入力欄16dのない商品コード特定画面16を有した支援システム10であってもよいし、
図3の商品コード特定画面16において、キーワード入力を省略して履歴照会ができるものであってもよい。
【0064】
第1実施形態に係る支援システム10は、電話を受信した場合にも、CTIシステム1からの起動を受けて実行される。電話受信であるため、商品コード特定画面には注文書のイメージは表示されない。
【0065】
商品コード特定画面16は、作業者が電話を受けたときに、CTIシステム1から出力された顧客識別情報を取り込むとともに表示され。作業者は、電話で商品等の注文を受けながら、その商品等についてキーワードを入力し、該当の受注履歴データを表示させればよい。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る支援システム10によれば、FAX注文であっても、電話注文であっても、簡単な操作を繰り返すだけで、顧客の注文した商品等を商品コードの特定を、スムーズに効率よく行うことができる。よって、基幹システム20による受注処理を迅速に実行させることができる。
【0067】
つぎに、第2の実施形態に係る支援システム10について、
図5〜
図7を参照しながら説明する。
【0068】
この支援システム10は、CTIシステム1との連携がない点で第1実施形態のものと相違する。したがって、取り込み手段11は、CTIシステム1からではなく、キーワードなどと同様に、入力手段12(画面入出力装置14)から入力する構成とされている。
【0069】
ようするに、顧客識別情報およびキーワードは、商品コード特定画面16から入力されるようになっており、この画面で入力された情報をもとに受注履歴欄16fに受注履歴データが検索表示されるようになっている。
【0070】
なお、支援システム10がCTIシステム1と連携していないため、
図7に示すように、商品コード特定画面16には、第1実施形態の商品コード特定画面16(
図3参照)において表示される、受信区分16g、着信番号16hは表示されない。もちろん、FAXイメージ17(
図3参照)も表示されない。
【0071】
作業者は、FAXの場合は、受信したFAX注文書(CTIシステム1が導入されている場合はCTI画面に出力された注文書のFAXイメージ、CTIシステム1が導入されていない場合は注文書のFAX紙)を見ながら、また電話の場合は口頭で注文を聞きながら、商品コード特定画面16を操作して該当の受注履歴データを表示させればよい。なお、この商品コード特定画面16は作業者が起動すればよい。
【0072】
このように、CTIシステム1との連携がない本支援システム10によれば、顧客識別情報のシステムへの自動取り込みはなされないが、顧客識別情報もキーワードの入力と同様に画面入出力装置14から入力することで、第1実施形態のものと同様に、スムーズに商品コードを特定することができる。
【0073】
以上には、支援システム10で特定された商品コードの引き渡し対象として、基幹システム20の受注サブシステム21を例示したが、単体の受注システムであってもよい。