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特開2021-33939決済代行サービスの方法、決済代行サーバ及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-33939(P2021-33939A)
(43)【公開日】2021年3月1日
(54)【発明の名称】決済代行サービスの方法、決済代行サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/12 20120101AFI20210201BHJP
   G06Q 20/36 20120101ALI20210201BHJP
【FI】
   G06Q20/12
   G06Q20/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-156991(P2019-156991)
(22)【出願日】2019年8月29日
(71)【出願人】
【識別番号】399071292
【氏名又は名称】株式会社電算システム
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】田中 靖哲
(72)【発明者】
【氏名】園部 哲也
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA22
5L055AA69
(57)【要約】
【課題】店舗が、購買者と利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合であっても、支払い決済ができる決済代行サービスの方法、決済代行サーバ及びプログラムを提供する。
【解決手段】決済代行サーバ10は携帯端末の位置情報を通信部11を介して受信した際、受信した位置情報に関連する携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び決済代行事業者口座情報を通信部11を介して、位置情報を送信した携帯端末に返信させるサーバ通信制御部16を有する。決済代行サーバ10は、通信部11を介して、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報を受信した際、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報に基づいて、通信部11を介して、予め登録されている前記商取引店舗のウォレットへ電子通貨のオンライン入金を行う決済処理部17を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
購買者の携帯端末が、該携帯端末の位置情報及び決済事業者情報を決済代行サーバに送信する第1段階と、前記決済代行サーバが、受信した前記位置情報に関連する前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び前記決済事業者情報に基づいて該決済事業者に関連付けられた決済代行事業者口座情報を前記携帯端末に送信する第2段階と、前記携帯端末が、受信した前記店舗情報に合致する1つの店舗を商取引店舗にして、この商取引店舗との商取引に関する商取引金額情報を取得する第3段階と、前記携帯端末が、購買者識別情報、前記商取引金額情報、及び前記決済代行事業者口座情報を伴う支払指示を決済サーバに送信するとともに、前記商取引店舗に関する店舗情報、及び前記商取引金額情報を前記決済代行サーバに送信する第4段階と、前記決済サーバが、前記支払指示に基づいて、購買者口座から前記決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座に対する支払い処理を行う第5段階と、前記第5段階後に行われる第6段階であって、前記決済代行サーバが、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づいて前記決済代行事業者口座から店舗口座への支払指示を前記決済サーバに送信する第6段階を含む、決済代行サービスの方法。
【請求項2】
購買者の携帯端末が、該携帯端末の位置情報及び決済事業者情報を決済代行サーバに送信する第1段階と、前記決済代行サーバが、受信した前記位置情報に関連する前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び前記決済事業者情報に基づいて該決済事業者に関連付けられた決済代行事業者口座情報を前記携帯端末に送信する第2段階と、前記携帯端末が、受信した前記店舗情報に合致する1つの店舗を商取引店舗にして、この商取引店舗との商取引に関する商取引金額情報を取得する第3段階と、前記携帯端末が、購買者識別情報、前記商取引金額情報、及び前記決済代行事業者口座情報を伴う支払指示を決済サーバに送信するとともに、前記商取引店舗に関する店舗情報、及び前記商取引金額情報を前記決済代行サーバに送信する第4段階と、前記決済サーバが、前記支払指示に基づいて、購買者口座から前記決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座に対する支払い処理を行う第5段階と、前記第5段階後に行われる第7段階であって、前記決済代行サーバが、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づいて前記決済代行事業者口座から店舗口座への支払指示を金融機関サーバに送信する第7段階を含む、決済代行サービスの方法。
【請求項3】
前記決済代行サーバは、複数の店舗情報と、該店舗情報の位置情報とが関連付けられた店舗情報データベースを備え、前記第2段階では、前記決済代行サーバは、受信した前記位置情報に基づいて、前記店舗情報データベースから前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報を抽出する請求項1または請求項2に記載の決済代行サービスの方法。
【請求項4】
少なくとも携帯端末、及び決済サーバと通信を行う通信部と、決済事業者情報及び前記携帯端末の位置情報を、前記通信部を介して受信するサーバ通信制御部であって、受信した前記位置情報に関連する前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び決済代行事業者の決済代行事業者口座情報を、前記通信部を介して、前記位置情報を送信した前記携帯端末に返信させるサーバ通信制御部と、前記通信部を介して、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報を受信した後、前記通信部に対して、前記決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座から店舗口座への、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づく支払指示を前記決済サーバ、または、金融機関サーバに送信させる決済処理部を備えた決済代行サーバ。
【請求項5】
複数の店舗情報と、該店舗情報の位置情報とが関連付けられた店舗情報データベースと、受信した前記位置情報に基づいて、前記店舗情報データベースから前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報を抽出する抽出部を備える請求項4に記載の決済代行サ
ーバ。
【請求項6】
位置検出部、操作入力部、無線通信部及びコンピュータを備える携帯端末に搭載されるプログラムであって、決済事業者情報及び前記位置検出部が取得した前記携帯端末の位置情報を前記無線通信部を介して、決済代行サーバに送信する第1工程と、
前記決済代行サーバから単数または複数の店舗情報、及び決済代行事業者口座情報を受信した後、前記店舗情報の1つが商取引店舗の店舗情報に決定されることと、前記商取引店舗に於ける商取引金額情報の入力がそれぞれ前記操作入力部により行われるまで待機する第2工程と、
前記商取引店舗の店舗情報及び前記商取引金額情報を、前記無線通信部を介して、前記決済代行サーバに送信することと、購買者識別情報、前記商取引金額情報及び前記決済代行事業者口座情報を、前記無線通信部を介して決済サーバに送信する第3工程を、前記コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済代行サービスの方法、決済代行サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗で販売品を購入した場合、キャッシュレスで支払うことが多くなっている。キャッシュレスでの支払い方法は、クレジットカード、デビットカード、チャージカード等のカード払いの他、店舗提示型コード決済と顧客提示型コード決済がある。
【0003】
店舗提示型コード決済は、各種の情報がコード化されたコード、例えばQRコード(登録商標)を店舗側が用意して、購買者の携帯端末において、起動された決済事業者のアプリケーションソフトのカメラ機能を使って、前記コードを読み込みして、決済を行うものである。この型のコード決済は、店舗が読み取り端末を用意する必要がないため、低コストで店舗が導入し易いメリットがある。
【0004】
顧客提示型コード決済は、購買者の携帯端末において、決済事業者のアプリケーションソフトを起動して、購買者情報等が含まれるコードを提示し、そのコードを店舗側の読み取り手段で読み取りするものである(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−202429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のコード決済での支払いは、便利ではあるが、店舗では全ての信販会社等の決済事業者と加盟店契約しているとは限らず、購買者が立替払契約または各決済事業者の規約等に同意した上で電子通貨を利用する契約(両契約を含めて、以下、利用契約と言う)している信販会社等の決算事業者とは加盟店契約がされていない場合もある。
【0007】
すなわち、上記コード決済は、店舗と加盟店契約している決済事業者と、購買者が利用契約している決済事業者とが同じであることを前提として成立するものであるため、店舗が、購買者が利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合は、支払い決済ができない問題がある。
【0008】
本発明の目的は、店舗が、購買者と利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合であっても、支払い決済ができる決済代行サービスの方法、決済代行サーバ及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、本発明の決済代行サービスの方法は、購買者の携帯端末が、該携帯端末の位置情報及び決済事業者情報を決済代行サーバに送信する第1段階と、
前記決済代行サーバが、受信した前記位置情報に関連する前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び前記決済事業者情報に基づいて該決済事業者に関連付けられた決済代行事業者口座情報を前記携帯端末に送信する第2段階と、
前記携帯端末が、受信した前記店舗情報に合致する1つの店舗を商取引店舗にして、この商取引店舗との商取引に関する商取引金額情報を取得する第3段階と、
前記携帯端末が、購買者識別情報、前記商取引金額情報、及び前記決済代行事業者口座
情報を伴う支払指示を決済サーバに送信するとともに、前記商取引店舗に関する店舗情報、及び前記商取引金額情報を前記決済代行サーバに送信する第4段階と、
前記決済サーバが、前記支払指示に基づいて、購買者口座から前記決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座に対する支払い処理を行う第5段階と、
前記第5段階後に行われる第6段階であって、前記決済代行サーバが、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づいて前記決済代行事業者口座から店舗口座への支払指示を前記決済サーバに送信する第6段階を含むものである。
【0010】
上記方法によれば、第1段階では、購買者は、携帯端末を操作して、該携帯端末の位置情報及び決済事業者情報を決済代行サーバに送信する。第2段階では、決済代行サーバが、受信した前記位置情報に関連する前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び前記決済事業者情報に基づいて該決済事業者に関連付けられた決済代行事業者の決済代行事業者口座情報を携帯端末に送信する。第3段階では、購買者が、携帯端末を操作することにより、受信した前記店舗情報に合致する1つの店舗を商取引店舗にして、この商取引店舗との商取引に関する商取引金額情報を取得する。
【0011】
第4段階では、購買者が、携帯端末を操作することにより、購買者識別情報、商取引金額情報、及び決済代行事業者口座情報を決済サーバに送信するとともに、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報を決済代行サーバに送信する。
【0012】
ここで、決済サーバは、携帯端末の購買者と利用契約、すなわち決済サービス提供契約が結ばれている決済事業者のサーバである。決済サービス提供契約は、購買者から、支払い先へ支払い金額の決済要請があった場合、その支払いを電子通貨でオンラインにより決済事業者が行うことを内容とする決済サービスの提供を行う契約である。なお、決済サービスを提供する事業者を「決済事業者」という。
【0013】
第5段階では、決済サーバは、前記支払指示に基づいて、購買者口座から前記決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座に対する支払い処理を行う。
第6段階では、決済代行サーバが、前記第5段階後に行われる第6段階であって、前記決済代行サーバが、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づいて前記決済代行事業者口座から店舗口座への支払指示を前記決済サーバに送信する。このようにして、店舗が、購買者と利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合であっても、支払い決済が可能となる。
【0014】
ここで、前記第6段階に代えて、第7段階として、下記のようにしてもよい。
すなわち、第7段階は、前記第5段階後に行われる第7段階であって、前記決済代行サーバが、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づいて前記決済代行事業者口座から店舗口座への支払指示を金融機関サーバに送信するものである。
【0015】
従って、第7段階では、前記第5段階後に行われる第7段階であって、前記決済代行サーバが、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づいて前記決済代行事業者口座から店舗口座への支払指示を金融機関サーバに送信することとなる。
【0016】
このようにしても、店舗が、購買者と利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合であっても、支払い決済が可能となる。
また、前記決済代行サーバは、複数の店舗情報と、該店舗情報の位置情報とが関連付けられた店舗情報データベースを備え、前記第2段階では、前記決済代行サーバは、受信した前記位置情報に基づいて、前記店舗情報データベースから前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報を抽出することが好ましい。
【0017】
上記方法によれば、決済代行サーバは、携帯端末から位置情報を受信すると、この位置情報に関連する前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報を、店舗情報データベースから抽出する。なお、周辺とは、前記位置情報を中心とした所定の広さに含まれる範囲をいう。
【0018】
また、本発明の決済代行サーバは、少なくとも携帯端末、及び決済サーバと通信を行う通信部と、決済事業者情報及び前記携帯端末の位置情報を、前記通信部を介して受信するサーバ通信制御部であって、受信した前記位置情報に関連する前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び決済代行事業者の決済代行事業者口座情報を、前記通信部を介して、前記位置情報を送信した前記携帯端末に返信させるサーバ通信制御部と、前記通信部を介して、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報を受信した後、前記通信部に対して、前記決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座から店舗口座への、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づく支払指示を前記決済サーバ、または、金融機関サーバに送信させる決済処理部を備えたものである。
【0019】
上記決済代行サーバによれば、通信部は、少なくとも携帯端末及び決済サーバと通信を行う。
そして、サーバ通信制御部は、決済事業者情報及び前記携帯端末の位置情報を、前記通信部を介して受信するサーバ通信制御部であって、受信した前記位置情報に関連する前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び決済代行事業者の決済代行事業者口座情報を、前記通信部を介して、前記位置情報を送信した前記携帯端末に返信させる。
【0020】
また、決済処理部は、前記通信部を介して、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報を受信した後、前記通信部に対して、前記決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座から店舗口座への、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づく支払指示を前記決済サーバ、または、金融機関サーバに送信させる。
【0021】
これにより、店舗が、購買者と利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合であっても、支払い決済が可能となる。
また、決済代行サーバは、複数の店舗情報と、該店舗情報の位置情報とが関連付けられた店舗情報データベースと、受信した前記位置情報に基づいて、前記店舗情報データベースから前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報を抽出する抽出部を備えることが好ましい。
【0022】
上記構成により、決済代行サーバは、抽出部が前記店舗情報データベースから前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報を抽出する。
本発明のプログラムは、位置検出部、操作入力部、無線通信部及びコンピュータを備える携帯端末に搭載されるプログラムであって、決済事業者情報及び前記位置検出部が取得した前記携帯端末の位置情報を前記無線通信部を介して、決済代行サーバに送信する第1工程と、前記決済代行サーバから単数または複数の店舗情報、及び決済代行事業者口座情報を受信した後、前記店舗情報の1つが商取引店舗の店舗情報に決定されることと、前記商取引店舗に於ける商取引金額情報の入力がそれぞれ前記操作入力部により行われるまで待機する第2工程と、前記商取引店舗の店舗情報及び前記商取引金額情報を、前記無線通信部を介して、前記決済代行サーバに送信することと、購買者識別情報、前記商取引金額情報及び前記決済代行事業者口座情報を、前記無線通信部を介して決済サーバに送信する第3工程を、前記コンピュータに実行させるものである。
【0023】
上記プログラムにより、携帯端末のコンピュータは、第1工程では、決済事業者情報及び位置検出部が取得した位置情報を前記無線通信部を介して、決済代行サーバに送信する。上記プログラムにより、第2工程では、コンピュータは、前記決済代行サーバから単数
または複数の店舗情報、及び決済代行事業者口座情報を受信した後、前記店舗情報の1つが商取引店舗の店舗情報に決定されることと、前記商取引店舗に於ける商取引金額情報の入力がそれぞれ前記操作入力部により行われるまで待機する。上記プログラムにより、第3工程では、コンピュータは、前記商取引店舗の店舗情報及び前記商取引金額情報を、前記無線通信部を介して、前記決済代行サーバに送信することと、購買者識別情報、前記商取引金額情報及び前記決済代行事業者口座情報を、前記無線通信部を介して決済サーバに送信する。
【0024】
この結果、上記プログラムを実行するコンピュータを搭載した携帯端末が、決済代行サーバと交信を重ねることにより、店舗が、購買者と利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合であっても、支払い決済が可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、店舗が、購買者と利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合であっても、支払い決済ができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る決済代行システムの全体の概略構成を示す説明図。
図2】複数の店舗が存在する場合の例を示す説明図。
図3】携帯端末のブロック図。
図4】決済代行サーバのブロック図。
図5】(a)は店舗情報データベースのデータテーブルの一例を示す図、(b)は、他の実施形態の店舗情報データベースのデータテーブルの一例を示す図、(c)及び(d)は、決済代行事業者口座情報データベースのデータテーブルの一例を示す図。
図6】商取引情報の一例を示す図。
図7】決済代行システムの動作シーケンスの一例を示す図。
図8】第2実施形態における決済代行システムの動作シーケンスを示す図。
図9】第3実施形態における決済代行システムの動作シーケンスを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明の決済代行サービスの方法、決済代行サーバ及びプログラムを、決済代行システム上に具体化した一実施形態を図1図7を参照して説明する。
【0028】
本実施形態の決済代行システムは、決済代行サーバ10、決済サーバ20、携帯端末30、及び店舗端末40を備えている。なお、図1では、説明の便宜上、携帯端末30、店舗端末40は、代表的にそれぞれ1つしか図示されていない。また、決済サーバ20は、1つとは限らず、複数存在してもよい。
【0029】
決済代行サーバ10、決済サーバ20、携帯端末30、及び店舗端末40は、ネットワーク50を介してそれぞれが相互に接続されている。ネットワーク50は、例えば、4Gまたは5G、及びLTEなどの通信方式を使用した無線ネットワーク及びインターネットなどの公衆回線を含む。
【0030】
決済代行サーバ10は、後述する決済サーバ20の代わりに、購買者と店舗で、商品購買の商取引が成立した際、購買者からの商取引金額を、決済事業者に代わって、店舗に決済を行う、すなわち、決済代行サービスを提供するコンピューティングデバイスである。決済代行サーバ10は、決済代行サービスを提供する決済代行事業者に設置される。すなわち、決済代行事業者は、決済代行サーバ10により、決済サービスの提供を行う際、決
済事業者と決済代行事業者との間の契約により、その決済事業者の代わりに、決済サービスの提供を行う。
【0031】
図4に示すように、決済代行サーバ10は、通信部11、記憶部12、店舗情報データベース13、決済代行事業者口座情報データベース14、及びサーバ処理部15を備えている。通信部11は、決済代行サーバ10をネットワーク50に接続するための通信インターフェイスを有している。記憶部12は、半導体メモリ装置、磁気ディスク装置、或いは光ディスク装置等の記憶装置を備えている。記憶部12は、サーバ処理部15による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、各種のアプリケーションプログラム、前記プログラムに使用される各種データ等が格納されている。前記アプリケーションプログラムには、決済代行サーバ10が決済代行サービスを実行するサーバ用決済代行プログラムが含まれている。
【0032】
図5(a)に示すように、店舗情報データベース13は、決済代行事業者から決済代行サービスの提供を受けること認める契約をしている店舗についての情報が格納されている。具体的には、店舗情報データベース13は、電子通貨での決済を希望する店舗毎に、店舗識別番号、店舗名、住所、位置情報(緯度、経度)、及びウォレット番号が記録されている。ウォレット番号は、店舗の「お財布番号」であって、決済サーバ20に設けられた入金先である図示しない店舗のコンピュータシステムのアカウントである。
【0033】
また、図5(b)に示すように、店舗情報データベース13は、店舗が開いている金融機関の口座情報を含み、電子通貨ではなく、金融機関での口座振り込み決済を希望する店舗毎に、店舗識別番号、店舗名、住所、位置情報(緯度、経度)、及び口座情報が記録されている。前記口座情報は、金融機関番号、支店番号、口座種別、口座番号、名義を含む。
【0034】
図4に示す決済代行事業者口座情報データベース14は、電子通貨口座情報のデータベース及び金融機関口座情報のデータベースを含む。図5(c)に示すように、電子通貨口座情報のデータベースは、決済事業者毎に、決済代行事業者のウォレット番号、及び名義が設定登録されている。決済代行事業者のウォレット番号は、決済代行事業者の「お財布番号」である。ここで、電子通貨口座情報は、決済代行事業者口座情報に相当する。
【0035】
また、図5(d)に示すように、金融機関口座情報のデータベースは、決済代行事業者が開いている金融機関の口座情報であって、金融機関毎に、金融機関番号、支店番号、口座種別、口座番号、名義を含む。店舗が金融機関での口座振り込み決済を希望する場合に、この決済代行事業者が開いている金融機関の口座情報を使用する。
【0036】
サーバ処理部15は、決済代行サーバ10の各種処理を行うものであって、CPU(中央演算処理装置)からなる。CPUは、前記各出プログラムに従って各種処理を行う。この処理により、サーバ処理部15は、サーバ通信制御部16、決済処理部17及び抽出部18として機能する。サーバ通信制御部16、決済処理部17、並びに抽出部18としての機能については、後述する。
【0037】
決済サーバ20は、決済事業者に設置され、決済サービスを提供するコンピューティングデバイスであって、CPU(中央演算処理装置)を備えている。決済サーバ20は、顧客の携帯端末30から後述する商取引金額を含む商取引情報等を受信した際、この受信した商取引情報に基づいて決済処理する。決済サーバ20は単一のコンピューティングデバイス、または、複数のコンピューティングデバイスで実装されてもよい。
【0038】
決済サーバ20は、図示はしないが、購買者データベースを備えている。購買者データ
ベースは、後述する購買者識別情報及び該購買者識別情報と関連付けられた購買者のウォレット番号が記憶されている。購買者のウォレット番号は「購買者の財布番号」である。
【0039】
また、決済サーバ20は、図示はしないが、店舗ウォレットデータベースを備えている。店舗ウォレットは、決済事業者との加盟店契約とは無関係であって、すなわち、加盟店契約がなくても、店舗側からの申込みにより設定されている。
【0040】
図3に示す携帯端末30は、多機能携帯電話、いわゆるスマートフォン、或いは、タブレット端末などの携帯型コンピューティングデバイス、すなわち、コンピュータであって、決済代行サーバ10、決済サーバ20と通信可能となっている。携帯端末30は、ネットワーク50への接続機能、通話機能、データ通信機能等を有する。そのために、携帯端末30は、無線通信部31、記憶部32、操作入力部33、表示部34、位置検出部35及び端末処理部36とを備えている。
【0041】
無線通信部31は、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含み、図示しない通信インターフェイス回路を有していて、携帯端末30を図示しない無線ネットワークを介してネットワーク50に接続する。
【0042】
記憶部32は、例えば、ROM、RAM等の半導体メモリ装置等を有する。記憶部32は、端末処理部36での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、各種のアプリケーションプログラム、データ等を記憶している。
【0043】
記憶部32は、例えば、無線通信部31を制御する携帯電話通信デバイスドライバプログラム、操作入力部33を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部34を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶している。また、記憶部32は、アプリケーションプログラムとして、ウェブページの取得及び表示を行うウェブブラウザプログラム等を記憶している。
【0044】
また、記憶部32が記憶する前記アプリケーションプログラムには、購買者が決済代行サービスを享受する端末用決済代行プログラムが含まれている。また、記憶部32は、データとして、通信先である決済代行事業者及び決済事業者のIPアドレス等の通信に必要な情報を記憶している。操作入力部33は、携帯端末30の操作が可能であればどのようなデバイスであってもよく、限定するものではない。例えば、タッチパネル式の入力装置、キーパッド等を挙げることができる。携帯端末30の使用者は、このデバイスを用いて、文字、数字等を入力することが可能である。
【0045】
表示部34は、動画像、静止画像等の出力が可能であればどのようなデバイスであってもよい。表示部34は、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を挙げることができる。位置検出部35は、例えば、GPS方式に基づく信号を、少なくとも3つの図示しないGPS衛星から受信して、噛合の到着時間差から、携帯端末30の位置も、すなわち緯度及び経度を検出する。この位置の精度は、通常は、3〜10m程度であるが、信号受信が良好でない場合は、その位置の精度は悪化する。検出された緯度及び経度は、携帯端末30の位置情報となる。
【0046】
端末処理部36は、CPU(中央演算処理装置)からなる。CPUは、携帯端末30の全体的な動作を統括的に制御するものである。端末処理部36は、携帯端末30の各種処理が記憶部32に記憶されているプログラム及び操作入力部33の操作からの出力等に応じて適切な手順で実行されるように、無線通信部31、表示部34等の動作を制御する。端末処理部36は、記憶部32に記憶されている前述の各種プログラムに基づいて各種処理を実行する。なお、端末処理部36は、複数のプログラムを並列に実行することも可能
となっている。
【0047】
端末処理部36は、実行されるプログラムにより、機能モジュールとして通信制御部37と、端末制御部38の機能を有している。なお、端末処理部36が有するこれらの各部は、独立したマイクロプロセッサ、又はファームウェアとして携帯端末30に実装されていてもよい。
【0048】
店舗端末40は、店舗内に設置され、購買者が決済を行う際に店舗において使用される、例えばタブレットPC、スマートフォン、或いは、POSを有していないレジであってもよい、例えば、POSがないレジの場合、プリンタ付きレジあってもよく、限定するものではない。また、店舗端末40は、通信機能を有していて、ネットワーク50に接続されていてもよく、店舗が、チェーン店舗である場合は、ネットワーク50を介して、図示しない本部サーバに接続可能である。また、POSがないレジの場合は、通信機能がないため、ネットワーク50に接続されていなくてもよい。
【0049】
(実施形態の作用)
<1.電子通貨のみによる決済の場合>
次に、上記のように構成された決済代行システムの作用を図7を参照して説明する。図7は、本実施形態の決済代行システムにおいて、決済代行サービスの方法の動作シーケンスであって、決済サーバ20において、電子通貨のみによって決済が行われる場合を示している。この場合、決済サーバ20には、下記で説明する購買者の購買者ウォレット及び商取引を行う店舗の店舗ウォレットがそれぞれ開かれている。
【0050】
以下で説明する決済代行システムを成す決済代行サーバ10、決済サーバ20、及び携帯端末30の各コンピューティングデバイスが実行する処理は、これらのコンピューティングデバイスが、記憶部12、32等にそれぞれ格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0051】
なお、店舗T1は、決済サーバ20を有する決済事業者とは決済契約をしておらず、決済サーバ20から店舗T1への直接的なキャッシュレスでの決済を受けることは不能としている。その代わりに、店舗T1は、決済代行サーバ10を有する決済代行事業者とは決済代行契約を結んでおり、決済代行事業者からの決済を受けることが可能となっている。また、決済サーバ20を有する決済事業者は、後述する購買者とは決済サービスの契約をしているとともに、決済代行サーバ10を有する決済代行事業者とは、決済代行契約を結んでいるものとする。すなわち、上記した契約に基づいて、前記購買者が商品を購入した場合は、決済事業者の決済サーバ20が、店舗に決済する代わりに、決済代行業者が店舗に対して代行して決済をすることが行われる。
【0052】
図7を参照して、以下、具体的に説明する。なお、携帯端末30を有する購買者が、図2に示す店舗T1で、商品を購入するものとする。
図7に示すように、購買者が携帯端末30に搭載されている前記決済代行サービスを実現するアプリケーションプログラムを起動する。なお、このアプリケーションプログラムには、当該アプリケーションによる処理を有効化するための設定登録時に、予め購買者が利用契約している決済事業者の決済事業者情報が記憶部32に記憶される。また、登録されている決済事業者が単数または複数ある場合、このアプリケーションが起動された後、購買者の操作入力部33の操作により、利用する決済事業者が選択される。
【0053】
そして、購買者は、操作入力部33を操作することにより、位置検出部35が取得している携帯端末30の位置情報、送信元IP、決済代行サーバ10の宛先IP、購買者の識別情報、及び前記決済事業者情報を決済代行サーバ10に送信する(S100)。なお、
携帯端末30において、S100、及び後述するS106、S108、S110の処理は、前記決済代行サービスを実現するアプリケーションプログラム上において行われる処理であるため、S106、S108、S110での説明では、「前記決済代行サービスを実現するアプリケーションプログラムによる」とする説明は省略する。
【0054】
前記位置情報を受信した決済代行サーバ10は、前記位置情報に基づいて、店舗情報データベース13から、この位置情報に合致する地点、或いはこの位置情報の地点の周辺に位置する店舗名を抽出する(S102)。この抽出は、図4に示すように、サーバ処理部15の抽出部18にて行われる。
【0055】
前記位置情報には、衛星からの信号の受信状態等の不良原因により、例えば、100メートル単位、もしくは数十メートル単位での、誤差が含まれることがある。このため、前記位置情報の地点の周辺に位置する店舗も含めるようにしている。この周辺の店舗としては、例えば、前記位置情報を中心に、所定半径の円形領域内に位置する店舗である。なお、位置情報の地点の周辺に位置する場所は、前記位置情報を中心に、所定半径の円形領域に限定するものではなく、他の形状、例えば三角形、四角形、五角形等の多角形、楕円形等であってもよい。円形以外の形状の領域を設定する場合は、その形状の重心に前記位置情報を配置して、その形状の領域内に入る店舗を周辺の店舗としてもよい。
【0056】
図2の例では、店舗T1を中心とした前記所定半径の円形領域内に店舗T2、T3が位置するものとし、店舗T1〜T3の店舗名が抽出される。ここで、抽出した店舗を候補店舗といい、前記候補店舗の店舗名を、以下、「店舗情報」という。
【0057】
また、決済代行サーバ10は、図5(c)に示す決済代行事業者口座情報データベース14から、受信した決済事業者情報に合致する決済事業者を選択し、選択した決済事業者について、ウォレット番号を含む電子通貨口座情報、すなわち決済代行事業者口座情報を取得する。
【0058】
そして、決済代行サーバ10は、前記候補店舗の店舗情報、及び決済代行事業者口座情報を、通信部11を介して前記送信元IPに基づいて送信元の携帯端末30に対して、送信する(S104)。
【0059】
このS104の通信部11を介して候補店舗の店舗情報、及び決済代行事業者口座情報を返信させる制御は、サーバ処理部15におけるサーバ通信制御部16の制御に相当する。
【0060】
前記候補店舗の店舗情報、及び前記決済代行事業者口座情報を受信した携帯端末30は、表示部34に候補店舗の店舗情報を表示させ、購買者の操作入力部33の入力により、購買先の店舗、すなわち、商取引店舗として購買者に選択または決定させる(S106)。なお、候補店舗が1つの場合は、操作入力部33の入力により、購買先の店舗として決定させ、候補店舗が2つ以上の場合は、そのうちの1つの店舗を購買先の店舗として選択させる。
【0061】
また、購買先の店舗では、POSレジの場合には、店員が店舗T1の店舗端末40に付属するスキャナで個々の商品に添付されたバーコードを読み取ることにより、購買する商品の商品名及び金額が入力される。そして、前記金額の合計額は、商取引金額として店舗端末40により算出される(S107)。
【0062】
図6に示すように、ここで算出された商取引金額及び商取引商品は、商取引金額情報に相当する。そして、この商取引金額情報、及び取引日時を含めた商取引情報は、例えば、
店舗端末40のディスプレイに表示され、或いは、店舗端末40が備えるプリント装置からプリントアウトされる。また、POSレジではないレジの場合には、購買された商品の合計金額等がプリントアウトされる。
【0063】
レジのない店舗の場合は、手書きなどにより合計金額等の提示がされる。なお、POSレジではないレジの場合、またはレジのない店舗の場合では、決済代行システムは、決済代行サーバ10、決済サーバ20、及び携帯端末30にて構成される。
【0064】
このディスプレイに表示され、或いは取引明細書にプリントアウトされた商取引情報を、携帯端末30が備えているカメラ機能で撮像して入力し、前記起動されている前記アプリケーション内にデータとして取り込む(S108)。なお、前記カメラ機能を使用することなく、購買者が操作入力部33を操作して少なくとも商取引金額を入力してもよい。
【0065】
購買者は、前記商取引情報の入力が終了した後、店員に対して少なくとも入力金額を含む商取引情報を確認してもらう。そして、購買者は、携帯端末30の操作入力部33を操作して、決済代行サーバ10に対して、送信元IP、決済代行サーバ10の宛先IP、購買者の識別情報、S106で決定または選択した店舗の店舗情報、前記商取引情報を送信する(S110)。また、この送信と同時、或いは前後において、決済サーバ20に対して、購買者識別情報、送信元IP、決済サーバ20の宛先IP、S106で決定または選択した店舗の店舗情報、前記商取引情報、及び決済代行事業者口座情報を送信する(S110)。なお、決済事業者の宛先IPは、予め記憶部32に記憶されている。また、購買者識別情報は、記憶部32に予め記憶されている。
【0066】
決済代行サーバ10は、前記店舗情報及び商取引情報を受信し、下記の処理を実行する(S112)。すなわち、決済代行サーバ10は、受信した店舗情報に基づいて、店舗情報データベース13から、その店舗情報の店舗におけるウォレット情報、すなわち、店舗のコンピュータシステムのアカウントを取得する。
【0067】
また、決済サーバ20は、購買者識別情報、送信元IP、決済サーバ20の宛先IP、前記商取引情報、及び決済代行事業者口座情報を受信する(S114)。なお、購買者識別情報は、購買者と決済事業者との決済サービス、すなわち、利用契約時に決済サーバ20が管理する図示しない契約者データベースに予め登録されている。契約者データベースは、契約者毎に、決済サービスを希望する契約者名、購買者識別情報、契約者の住所、契約者が取引している購買者ウォレット、及び金融機関の口座すなわち、口座情報等が格納されている。契約者から商取引情報のうち少なくとも商取引金額情報、前記購買者識別情報、及び、支払い先、すなわち、決済代行事業者等の口座情報が送信されて決済が求められたときは、購買者識別情報に基づいて口座情報、例えば購買者ウォレット等が特定される。そして、例えば特定された購買者ウォレットから、決済代行事業者口座情報である決済代行事業者ウォレットに、電子通貨の入金を行うこととなっている。
【0068】
従って、決済サーバ20は、受信した商取引情報、及び決済代行事業者口座情報に基づいて、商取引情報に含まれる商取引金額に合った電子通貨を、購買者ウォレットから、決済代行事業者ウォレット、すなわち決済代行事業者口座に入金する(S116)。上記ウォレット間の電子通貨の移動は、購買者識別情報等が受信されてから、即座に行ったり、或いは、月単位或いは週単位毎等のように定期的に実行してもよい。
【0069】
決済代行サーバ10は、定期的に、購買者ウォレットから、決済代行ウォレットの電子通貨の振り替え入金が実行されているかの入金確認が実行される。なお、この入金確認は、省略してもよい。また、決済代行サーバ10は、S112で取得した、店舗情報に基づいて、店舗情報データベースから、店舗口座情報としてのウォレット番号を特定する。
【0070】
そして、決済代行サーバ10は、商取引情報に含まれる商取引金額、及び店舗口座情報としてのウォレット番号を伴う、支払指示を通信部11を介して決済サーバ20に送信する(S118)。このS118で行われる処理は決済処理部17の制御に相当する。
【0071】
決済サーバ20は、前記支払指示を受信すると、該支払指示を送信した決済代行サーバ10に関する決済代行事業者の決済代行ウォレットから、受信した店舗口座情報としてのウォレット番号に合致する店舗ウォレットに、商取引情報に含まれる商取引金額に合う電子通貨を振り替える。すなわち入金する。
【0072】
<2.電子通貨及び金融機関サーバを介しての決済の場合>
次に、図8を参照して、電子通貨及び金融機関サーバを介しての決済を行う場合について説明する。本例では、図1に示すように、ネットワーク50には、金融機関サーバ60が接続されている。
【0073】
説明の便宜上、図8において、図7で示す例とは、S102〜S116の処理は、図7の例と同じであるため説明を省略し、異なるところを中心にして説明する。
S118では、決済代行サーバ10は、S112で取得した、店舗情報に基づいて、店舗情報データベースから、店舗口座情報としての金融機関の口座情報を特定する。そして、決済代行サーバ10は、商取引情報に含まれる商取引金額、及び店舗口座情報としての口座情報を伴う、支払指示を通信部11を介して金融機関サーバ60に送信する。このS118で行われる処理は決済処理部17の制御に相当する。
【0074】
金融機関サーバ60は、前記支払指示を受信すると、該支払指示を送信した決済代行サーバ10に関する決済代行事業者口座から、受信した店舗口座情報としての金融機関の口座番号に合致する口座に、商取引情報に含まれる商取引金額に合う金額を振り替える。すなわち入金する。このような例は、例えば、店舗側が上記決済を望んでいる場合である。
【0075】
<3.金融機関サーバを介しての決済の場合>
次に、図9を参照して、金融機関サーバを介しての決済を行う場合について説明する。本例では、図1に示すように、ネットワーク50には、金融機関サーバ60が接続されている。
【0076】
説明の便宜上、図9において、図7で示す例とは、S102、S106〜S110、S114の処理は、図7の例と同じであるため説明を省略し、異なるところを中心にして説明する。S104では、決済代行サーバ10は、決済事業者口座情報として、金融機関の口座情報を取得する。
【0077】
本例のS112では、決済代行サーバ10は、前記店舗情報及び商取引情報を受信し、下記の処理を実行する。すなわち、決済代行サーバ10は、受信した店舗情報に基づいて、店舗情報データベース13から、その店舗情報の店舗における決済代行事業者口座情報としての金融機関の店舗口座情報を取得した後、携帯端末30に店舗情報、及び決済代行事業者口座情報を携帯端末30に送信する。
【0078】
一方、決済サーバ20は、S114の後、S122では、支払処理を行った後、支払指示を金融機関サーバ60に送信する。この支払処理には、購買者識別情報に基づいて、予め登録されている契約者データベース中から購買者識別情報と関連付けられた口座情報、すなわち、金融機関の口座を特定することが含まれている。
【0079】
そして、決済サーバ20は、通信部11を介して、S114で受信した決済代行事業者
口座情報、前記商取引情報、及び購買者の金融機関に関する口座情報を伴った支払指示を金融機関サーバ60に対して、送信する。金融機関サーバ60は、決済代行事業者口座情報、前記商取引情報、及び購買者の金融機関に関する口座情報を伴った前記支払指示を受信すると、受信した情報に基づいて購買者の金融機関に関する口座から、決済代行事業者口座に前記商取引情報に含まれる商取引金額を振り替える(S124)。
【0080】
決済代行サーバ10は、図7と同様にS112の処理の後、入金確認を行い、その後、S126では、支払指示を、金融機関サーバ60に送信する。具体的には、決済代行サーバ10は、S112で受信した店舗情報に基づいて、店舗情報データベース13の中から店舗の金融機関の店舗口座情報を特定する。そして、金融機関の前記店舗口座情報、商取引情報を伴う支払指示を、通信部11を介して金融機関サーバ60に送信する。このS126で行われる処理は決済処理部17の制御に相当する。
【0081】
金融機関サーバ60は、前記支払指示を受信すると、該支払指示を送信した決済代行サーバ10に関する決済代行事業者口座から、受信した店舗口座情報としての金融機関の口座番号に合致する口座に、商取引情報に含まれる商取引金額に合う金額を振り替える。すなわち入金する。このような例は、例えばクレジットカード処理と同様に、店舗側が上記決済を望んでいる場合である。
【0082】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1)図7で示す本実施形態の決済代行サービスの方法は、第1段階として購買者の携帯端末30が、その位置情報及び決済事業者情報を決済代行サーバ10に送信する(S100)。次に第2段階として、決済代行サーバ10が、受信した位置情報に関連する携帯端末30が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び前記決済事業者情報に基づいて該決済事業者に関連付けられた決済代行事業者口座情報を携帯端末30に送信する(S104)。第3段階として、携帯端末30が、受信した店舗情報に合致する1つの店舗を商取引店舗にして(S106)、この商取引店舗との商取引に関する商取引金額情報を含む商取引情報を取得する(S108)。第4段階として、携帯端末30は、購買者識別情報、商取引金額情報、及び決済代行事業者口座情報を伴う支払い指示を決済サーバ20に送信する(S110)。この第4段階では、さらに、携帯端末30は、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報を含む商取引情報を決済代行サーバ10に送信する(S110)。第5段階では、決済サーバ20が、前記支払指示に基づいて、購買者口座から前記決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座に対する支払い処理を行う(S114)。また、第5段階後に行われる第6段階では、決済代行サーバ10が、商取引店舗に関する店舗情報、及び前記商取引金額情報に基づいて、前記決済代行事業者口座から店舗口座への支払指示を前記決済サーバに送信する。
【0083】
この結果、店舗が、購買者と利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合であっても、支払い決済ができる。
(2)図8図9で示す本実施形態の決済代行サービスの方法は、第1段階として購買者の携帯端末30が、その位置情報及び決済事業者情報を決済代行サーバ10に送信する(S100)。次に第2段階として、決済代行サーバ10が、受信した位置情報に関連する携帯端末30が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び前記決済事業者情報に基づいて該決済事業者に関連付けられた決済代行事業者口座情報を携帯端末30に送信する(S104)。第3段階として、携帯端末30が、受信した店舗情報に合致する1つの店舗を商取引店舗にして(S106)、この商取引店舗との商取引に関する商取引金額情報を含む商取引情報を取得する(S108)。第4段階として、携帯端末30は、購買者識別情報、商取引金額情報、及び決済代行事業者口座情報を伴う支払指示を決済サーバ20に送信する(S110)。この第4段階では、さらに、携帯端末30は、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報を含む商取引情報を決済代行サーバ10に送信する(S
110)。第5段階では、決済サーバ20が、支払指示に基づいて、購買者口座から前記決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座に対する支払い処理を行う(S116。S122)。第5段階後に行われる第7段階では、決済代行サーバ10が、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づいて前記決済代行事業者口座から店舗口座への支払指示を金融機関サーバに送信する(S118、S126)。
【0084】
この結果、店舗が、購買者と利用契約している決済事業者と、加盟店契約がされていない場合であっても、支払い決済ができる。
(3)本実施形態の決済代行サービスの方法では、決済代行サーバ10が、複数の店舗情報と、該店舗情報の位置情報とが関連付けられた店舗情報データベース13を備えている。そして、第2段階では、決済代行サーバ10は、受信した位置情報に基づいて、店舗情報データベース13から携帯端末30が位置する地点若しくは周辺の店舗情報を抽出する。この結果、位置情報には、誤差が含まれることがあるが、この場合においても、その位置情報の地点の周辺の店舗に関する店舗情報を店舗情報データベース13から抽出して、誤差に対応して、購買者に正しい店舗を選択させることができる。
【0085】
(4)本実施形態の決済代行サーバ10は、携帯端末30、決済サーバ20と通信を行う通信部11を備える。また、決済代行サーバ10は、携帯端末30の位置情報を通信部11を介して受信した際、受信した位置情報に関連する携帯端末30が位置する地点若しくは周辺の店舗情報、及び決済代行事業者口座情報を通信部11を介して、位置情報を送信した携帯端末30に返信させるサーバ通信制御部16を有する。
【0086】
また、決済代行サーバ10は、通信部11を介して、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報を受信した際、下記の処理を行う決済処理部17を有する。すなわち、決済処理部17は、商取引店舗に関する店舗情報、及び商取引金額情報に基づいて、通信部11を介して、決済代行事業者口座情報に含まれる決済代行事業者口座から店舗口座への、前記商取引店舗に関する店舗情報、前記商取引金額情報に基づく支払指示を前記決済サーバ、または、金融機関サーバに送信させる。これにより、決済代行事業者により、購買者と利用契約している決済事業者とは、店舗が加盟店契約していない場合であっても、支払い決済が可能となる。
【0087】
(5)本実施形態の決済代行サーバ10は、複数の店舗情報と、該店舗情報の位置情報とが関連付けられた店舗情報データベース13と、受信した位置情報に基づいて、店舗情報データベース13から携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報を抽出する抽出部18を備える。
【0088】
この結果、決済代行サーバは、抽出部が前記店舗情報データベースから前記携帯端末が位置する地点若しくは周辺の店舗情報を抽出することにより、位置情報に誤差が含まれていても、その位置情報の地点の周辺の店舗に関する店舗情報を店舗情報データベース13から抽出して、誤差に対応して、購買者に正しい店舗を選択させることができる。
【0089】
(6)決済代行サーバ10は、サーバ通信制御部16及び決済処理部17は、共通のサーバ処理部15としている。この結果、決済代行サーバは、サーバ通信制御部及び決済要求部を共通のサーバ処理部で構成した場合でも、決済代行事業者により、決済代行事業者により、購買者と利用契約している決済事業者とは、店舗が加盟店契約していない場合であっても、支払い決済が可能となる。
【0090】
(7)本実施形態の携帯端末30に搭載された、購買者が決済代行サービスを享受する端末用決済代行プログラムは下記の第1工程〜第3工程を、携帯端末30のコンピュータに実行させる。
【0091】
第1工程として、位置検出部35が取得した携帯端末30の位置情報を無線通信部を介して、決済代行サーバ10に送信する。第2工程として、決済代行サーバ10から単数または複数の店舗情報、及び決済代行事業者口座情報を受信した後、店舗情報の1つが商取引店舗の店舗情報に決定されることと、商取引店舗に於ける商取引金額情報の入力がそれぞれ操作入力部33により行われるまで待機する。第3工程として、商取引店舗の店舗情報及び商取引金額情報を、無線通信部31を介して、決済代行サーバ10に送信することと、購買者識別情報、商取引金額情報及び前記口座情報を、無線通信部31を介して決済サーバ20に送信する。
【0092】
この結果、上記プログラムを実行するコンピュータを搭載した携帯端末が、決済代行サーバと交信を重ねることにより、決済代行事業者により、購買者と利用契約している決済事業者とは、店舗が加盟店契約していない場合であっても、支払い決済が可能となる。
【0093】
本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・前記実施形態では、店舗情報データベース13は、店舗毎にその店舗名等のデータを含むようにしていたが、さらに、店舗毎に、その店舗が写された画像データを含めてもよい。この場合、図7図8に示されるS106では、購買者がその画像データが携帯端末30の表示部34に表示されるようにする。このようにすると、購買者は、店舗名だけではなく、その表示された店舗の画像を見ることにより、確実に、購買先の店舗を選択、または決定することが可能となる。
【0094】
なお、チェーン店等では、同じ町名の店舗が相互に近辺にある場合、経営が異なる店舗であっても、同じ町名等の店舗名が付されることがある。この場合、購買者は、複数の候補店舗があった場合に、同じ町名が付された店舗だけでは、間違った選択をすることもありえる。このように場合に、表示された画像に基づいて選択できれば、間違った選択をすることがなくなる。
【符号の説明】
【0095】
10…決済代行サーバ、11…通信部、12…記憶部、
13…店舗情報データベース、15…サーバ処理部、16…サーバ通信制御部、
17…決算処理部、18…抽出部、
20…決済サーバ,30…携帯端末、31…無線通信部、32…記憶部、
33…操作入力部、34…表示部、35…位置検出部、36…端末処理部、
37…通信制御部、38…端末制御部、40…店舗端末、
50…ネットワーク、60…金融機関サーバ、T1〜T3…店舗。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9