【課題】 ポータブルバイオトイレは、匂わない、汚物が増えない等の優れた特徴を有しているが、通気性が悪くなると汚物分解時発生する水蒸気が大鋸屑に結露となり悪臭の元となる課題を有していた。
【解決手段】 本発明のバイオトイレの攪拌爪は、網の目の容器が大鋸屑で目詰まりを起こし通気性が悪くなったバイオトイレ容器の目詰まりの大鋸屑を取り除き解消し、固型の汚物を切断破砕する事のできる攪拌爪の形状としたものである。
汚物と大鋸屑を撹拌するハンドル付シャフト上に複数の爪を設けたバイオトイレの撹拌機であって、バイオトイレの回転するシャフト上の両端に、大鋸屑を容器中央に押し返す事の出来るL型アングル形状の爪部材を有する事を特徴とするバイオトイレの撹拌機。
ひねり傾斜角度を持つ平板状の攪拌爪部材の一端中央を切断し裏と表に曲げ、大鋸屑が圧迫され目詰まりした容器底面角の円形状に沿った反り上がる形状に曲げ、目詰まりした大鋸屑を取り除く爪部とした事を特徴とする請求項1又は2又は3のバイオトイレの撹拌機。
【背景技術】
【0002】
近年バイオトイレが山小屋、観光地のトイレとして、下水管の普及していない場所での活用が進み目に付くように有ってきている。
【0003】
身の周りに有る物質は主に鉱物、有機物等で構成された物で鉱物以外の全ての有機物は、時間の経過とともに自然界に存在する分解菌、好気性分解菌、嫌気性分解菌で二酸化炭素、メタンガス、水蒸気等に分解され空気中に拡散します。
【0004】
分解菌には大きく分けて空気中の酸素に触れると活性が衰える嫌気性分解菌と空気中の酸素を得て活発に活性する好気性分解菌とに分かれ存在しています。
【0005】
この相反する分解菌が存在し、空気中で酸素を得て有機物を活発に分解する好気性分解
菌で分解されると、二酸化炭素と水蒸気になり無臭で空気中に拡散します。
【0006】
密封された容器場所、例えば地中、水中等で酸素が少ない場所、空気に触れにくい場所では、嫌気性分解菌が活発に活性し有機物をメタンガスと水蒸気に分解しメタンガスの腐敗悪臭が出て拡散します。
【0007】
人が排泄した汚物を放置すると、空気に触れる汚物表面一端は好気性分解菌が分解するが、殆どは空気に触れない内部から嫌気性分解菌が活性して分解が始まりメタンガスと水蒸気となり空気中に放出し、この時メタンガスの悪臭が出て拡散します。
【0008】
この為、携帯トイレ等を使用した災害時等では悪臭が漏れないように汚物を密封した袋に入れて保管するが、時間の経過とともに嫌気性分解菌メタン菌が活発に汚物を分解し、袋が膨張し膨らみ漏れ出し保管場所周囲が悪臭となります。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1、は本発明の攪拌機を搭載したポータブルバイオトイレの斜視図であり、
図2は、バイオトイレ容器内の大鋸屑と攪拌爪一部を表した斜視図である。
【0017】
図3に描き記載しているように、シャフト上に設けている網目容器内両側に設けている撹拌機は、90度の傾斜を有するL型アングル形状の攪拌爪部材として設けているものである。
【0018】
網目容器内両側面側に設けているL型アングル形状の撹拌爪部材の間に設けている複数の撹拌爪部材は、平板の上部は傾斜を有するもので、下部板の平板両側面を鋭利な面とし下端は網目容器角の円形部に沿って反り上がった形状の爪で、反り上がった部分が容器の目詰まりを起こした大鋸屑を取り除く爪部材で
図3.4.7.10.11の斜視図である。
【0019】
L型アングル形状の爪部材と反り上がった形状の爪
図7を網目容器内の大鋸屑の撹拌爪として用いる事で、容器が大鋸屑で目詰まりをするのを解消し通気性が優れたバイオトイレが出来た。
【実施例】
【0020】
本発明のバイオトイレに用いる撹拌機を実施例に記載するが、大きさや寸法材質等には囚われるものではない。
【実施例1】
【0021】
本発明の攪拌機を用いたポータブルトイレの実施例の全体斜視図、
図1ではバイオトイレ大鋸屑収納容器は、幅約40cm高さ28 cm奥行38 cmの容器で下部角が円形状で、材質亜鉛メッキスチールメッシュの大鋸屑が網目から漏れない大きさの網の目容器であり、容器内両側側面に、攪拌機となるハンドル付シャフトを受ける軸受を設置されたバイオトイレ容器としたものである
図4。
【0022】
上記記載の容器内に設けたシャフト軸受部材に、撹拌爪を設けたハンドル付シャフトを取り付けたバイオトイレの撹拌機である
図3。
【0023】
図4には本発明の攪拌機を搭載した攪拌シャフトを平行に二連設けてあるバイオトイレの網の目容器の部分拡大斜視図である
図4.5。
【0024】
参考文献記載の従来のポータブルバイオトイレの攪拌爪は、シャフト上にシャフトに対して90度で取り付けしたひねり傾斜の無い平板状の爪であった。
【0025】
二連平行に設けた撹拌機の平板状の爪同士で、汚物と大鋸屑を擦れ合わせしながら攪拌するものであった。
【0026】
汚物と大鋸屑を擦れ合わせ攪拌するトイレの攪拌機能であった為、攪拌機のハンドルを回す時、健常者は抵抗なく攪拌するハンドルを回して排泄時使用ができるが、高齢者の要介護者が使用した場合はハンドルが重く、ハンドルを回すことが出来ないお年寄等がいた。
【0027】
本発明の撹拌機のひねり傾斜角度を持つ平板状の撹拌爪部材とすることで、大鋸屑をかき回す時、従来の傾斜角度のない平板状の爪と異なり、大鋸屑が傾斜の付いた平板面の部分に押し出され、かき回され大鋸屑が左右何方かに移動し大鋸屑全体が攪拌される。
【0028】
本発明は、ひねり傾斜角度を持つ平板状の撹拌爪部材としたことで、擦れながら攪拌する従来の攪拌機より、攪拌シャフトについているハンドルを回す力が小さくても良く握力等が衰えた高齢者が容易に使用出来る、攪拌効率の良いバイオトイレの爪としたものである。
【0029】
従来の攪拌爪は回転する時、撹拌爪が当たる部分のみ大鋸屑が撹拌され、撹拌されずに残る大鋸屑の場所が容器内に出来る欠点があった。
【0030】
容器内の攪拌爪から離れた大鋸屑は攪拌漏れとなり長期間使用しているうちに網目を塞ぐ壁となり通気性を阻害していた。
【0031】
本発明の攪拌爪を、従来のシャフト上に設けてある傾斜角度のない平板状の爪と替え、又、網目容器内両側、側面の攪拌爪をシャフトが回転すると、大鋸屑を容器中央に押し返す事の出来る90度の傾斜を有するL型アングル形状の爪部材とした事でハンドル回転操作時にはどちらの方向に回転させても、絶えず側面の網面周囲から大鋸屑を容器中央に押し返す事が出来、側面の網の目が大鋸屑の圧迫による目詰まりができない通気性を確保できる容器となった。
【0032】
シャフト上両側に設けたL型アングル形状の撹拌爪部材間に、設けた撹拌する複数の撹拌爪部材は、平板の部材から成り、ハンドル方向から見た時、時計方向の回転時には大鋸屑をハンドル側からシャフト軸受側に押し出し、逆回転時には、軸受側からハンドル側に大鋸屑を押し返す傾斜角度を持った平板の撹拌爪部材とした事を特徴とするもので、容器内大鋸屑全体をかき混ぜ大鋸屑を中央に寄せ集めたり、押し返し、押し戻したりが出来る撹拌爪としたものである。
【0033】
さらに、シャフト上に設けた平板状の撹拌爪部材先端は、爪が回転し大鋸屑をかき回す押し出す時、網目容器に大鋸屑が押され圧迫され網の目が大鋸屑で詰まり、容器内の通気性が悪くなるのを防ぐ為、爪先端を反り上がる形状とし目詰まりを起こした網目容器から大鋸屑を掻き出す取り外す事の出来る網目容器の底角、円形部に沿った形状の反り上がりの爪としたもので、収納されている大鋸屑全体全てを攪拌時するとともに、攪拌漏れによる大鋸屑が容器にへばり付き通気性を阻害する壁が出来なくしたものである。
【実施例2】
【0034】
実施例2では、より詳しく記載するが、必ずしも記載の通りではなくても攪拌爪の効果が得られるのであれば、シャフト上の爪の数、配置等にはこだわらなくとも大鋸屑の顆粒の大きさ形状などを考慮して変えられるものでもある。
【0035】
図1.2に用いられているトイレ容器の大きさは、網目容器幅は、約40.0cmで両側に攪拌機のシャフトを受ける軸受け部材を設けています。
【0036】
撹拌機のシャフトの長さは48.5cmシャフト太さ9mmの丸鋼のシャフトである。
【0037】
本発明の撹拌機の爪部材は、このシャフト一方に、シャフトを手動で回す丸形のハンドルを設けたもので、ハンドルの大きさは、外径41.0cmのスチール製の太さ15mmのパイプを用いたハンドルとしハンドルの一端にハンドルを回す補助レバーを設けています。
【0038】
シャフト両側に設けた爪部材は、シャフトがハンドル方向から見て時計方向に回転し、又は逆方向回転しても、大鋸屑を容器中央に押し返す事の出来る90度の傾斜を有するL型アングル形状の爪部材で材質はスチール製厚さ2ミリ幅5.0cmを2.5cm×2.5cmで90度折り曲げしたL型状の攪拌爪とした長さ10.5cmのものである。
【0039】
両側のL型アングル形状攪拌爪に挟まれシャフト上に設けた平板状の攪拌爪は、長さ10.5cm厚さ2.0mm幅2.5cmのスチール製材質の平板の部材でシャフトに溶接後、シャフト上1.5cmの位置から約45度ひねり傾斜角をつけた平板の攪拌爪としています。
【0040】
このひねり傾斜した平板面が回転する時大鋸屑を押し出しかき回して、汚物と大鋸屑を効率よく攪拌します。
【0041】
ハンドルを回して大鋸屑を攪拌するが、時計方向に回すとハンドルの向い方向軸受け方向に大鋸屑がかき回され攪拌され押されて移動して行きます。
【0042】
ハンドルを逆回転すると軸受け方向からハンドル方向に大鋸屑が攪拌されながら移動し近寄ってきます。
【0043】
このように攪拌されながら移動して容器側面に寄ってくる大鋸屑を、アングル形状の爪部材で押し返し側面網の目詰まりを防ぐ攪拌爪を容器側面側に設けた本発明の攪拌爪である。
【0044】
本発明の上記記載の平板状攪拌爪のひねり角度は約45度として用いているが、用いる大鋸屑の顆粒の大きさなどに適したひねり角度として65度位までならどの角度にしても良いが、大鋸屑の大きさ粗さに適したひねり角度にして用いるが、65度以上大きくした場合は一回転での撹拌効率が良くなるが大鋸屑との間の摩擦抵抗が大きくなり攪拌する回転時ハンドルが重くなる為使用する人健常者、要介護者等の使用者に合わせて適したひねり角度、及び平板幅を決め用いる。
【0045】
平板状の攪拌爪で大鋸屑がかき回され押され移動する時、網の目の容器底周囲に大鋸屑の一部が突き刺さり目詰まりを起こしていた。
【0046】
この目詰まりを解消するため、平板状の撹拌爪部材下端は、大鋸屑が押され圧迫され網の目が大鋸屑で詰まり、通気性が悪くなるのを防ぐ為、爪先端を反り上がる形状とし目詰まりを起こした大鋸屑を掻き出す除く事の出来る網目容器角底の円形形状に沿った反り上がる形状の爪としたものである。
【0047】
網目容器から大鋸屑を掻き出す取り除く事の出来る反り上がる形状の爪は、平板状の攪拌爪下端から約2.0cm程上の位置から網の目の容器の底の円形状角に沿って裏表に反り上げ曲げた形状としている。
【0048】
平板状の厚さ2mmの攪拌爪下端中心からから約2.0cm程上の位置まで切断し、切断された板状の攪拌爪一端を裏面と表面に曲げ網の目の容器に沿って反り上げ曲げた形状としている
図7。
【0049】
切断された下端は、裏面と表面を容器に沿って反り上げ曲げた攪拌爪としている。
【0050】
攪拌爪先端が回る方向時容器底曲面に沿って回る事で目詰まりを起こした大鋸屑を取り除きながら回転するため目詰まりの解消ができる。
【0051】
同じく逆回転した時も、攪拌爪裏面の先端が反り上がっている為、目詰まりを解消できる攪拌爪となっている。
【実施例3】
【0052】
実施例3では、本発明のL型アングル形状の攪拌爪を
図6に記載して以下説明する。
【0053】
シャフト両側、容器側面側に設けてあるL型アングル形状の攪拌爪部材は、シャフト付け根の方が広く大きく他方は幅が狭くなっているL型アングル攪拌爪部材である。
【0054】
本攪拌爪を搭載した攪拌使用試験状況を試みた時、握力や腕の力が衰えた高齢者が使用する場合には本発明の実施例1.2に記載している攪拌爪でも良いが、例えば、災害時複数の方が一度に使用する場合は、短時間に汚物が分解ができるように攪拌率上げる事が求められる。
【0055】
対応策として、汚物にまみれた大鋸屑を一回転で効率よく空気にさらし発生する水蒸気を素早く大鋸屑から放出させ飛ばす、拡散させることが求められてくる。
【0056】
その為には、網目容器シャフト周囲にある大鋸屑の攪拌を多くし空気に触れさせる事である。
【0057】
平板攪拌爪シャフト付け根を大きくし一回転で大鋸屑をかき回し押し出す攪拌爪に触れる面を多くすることで大鋸屑の押し出す量が増え、実施例1.2に記載している攪拌機より回す際多少重くなるが、攪拌効率が良くなる爪部材
図6.7である。
【0058】
又、実施例1.2に記載した平板状の攪拌爪を
図6.7の攪拌爪に置き換え根元が大きい広い平板状の攪拌爪として複数の人が用いるトイレとして用いる。
【0059】
網目容器付近の大鋸屑は比較的空気に触れやすく水蒸気の拡散が得られていたが、この攪拌爪を用いる事で、シャフト周囲中心部の大鋸屑も多くかき回され空気に触れる事が出来、実施例1.2より攪拌時の水蒸気の拡散が良い攪拌爪となった。
【0060】
容器の通気を妨げる要因を最大限少なくすることで好気性分解菌が空気に触れる面を多く確保できる攪拌爪となる。
【0061】
少量の大鋸屑で汚物分解が可能となり、同時にポータブルバイオトイレのさらなる小型化に繋がり、又小さな回す力で大鋸屑全体を攪拌かき回す事が出来、汚物の分解速度が速くなる利点がある攪拌爪である。
【実施例4】
【0062】
実施例4では、大鋸屑を押しだす、押し返す傾斜を持った平板状の撹拌爪の下部、形状を詳しく記載する。
【0063】
大鋸屑を押し出す、押し返す傾斜を持った平板状の撹拌爪は、シャフトに溶接取付した位置より上部2cm程上を約45度ひねり爪が回転すると押しだし、押し返す傾斜面を持たせたもので、下部は溶接されたシャフトからの平板下部長さは約4cmでひねりの無い平板でシャフトに対して90度と成、平板厚さ2mmの両端部は固形汚物を切断できる鋭利な端部としたものである
図10.11。
【0064】
実施例1.2に記載したように収納されている容器内の大鋸屑全体を平板状の撹拌爪で大鋸屑と汚物を良く撹拌できるが、中には硬い汚物の場合は汚物を砕くことが出来ず、大鋸屑にまみれ固型物のまま撹拌されていた物もあった。
【0065】
固形物のまま左右に転がりながら攪拌されて、容器外側から中央シャフト寄りに転がってくると、上記記載した鋭利な平板端部で切断破砕される。
【0066】
記載したシャフトからの鋭利な端部板の長さ約4cmとしているが、必ずしもこの長さにこだわらなくとも、使用する大鋸屑の大きさ形状、使用する物の種類、広葉樹、針葉樹等で、回転時の負荷が異なる為これらに適した長さとしても良い。
【0067】
図10.11に記載しているように、ひねり傾斜角度を持った平板撹拌爪下部を曲げずに、板面両端を研磨し鋭利の面として、固形汚物を切断砕く機能を持たせた爪としたものである。
【0068】
シャフトに取り付けた平板撹拌爪下部を長くし切断機能を設ける事で、ハンドルを回す時、実施例1.2の状態の平板撹拌爪より若干重くなるが、硬い汚物の破砕撹拌には適した爪となる。
【実施例5】
【0069】
実施例5では、バイオトイレ使用手順及び、攪拌する為のハンドルについて以下説明する。
【0070】
ポータブルバイオトイレ
図1の便座符号3に腰掛け排泄時、両側のハンドル符号2を回し排泄された汚物を攪拌しながら使用する。
【0071】
排泄と同時にハンドルを回すことにより汚物が大鋸屑内に沈下する事で、排泄時発生している汚物からの匂いの発生が出ない優れた特徴を有している。
【0072】
使用後便座符号3を持ち上げ
図2、し尿容器符号4に溜まったし尿を捨てるためにし尿容器を取り出してし尿を捨てる。
【0073】
攪拌する為のハンドル符号2に設けてあるハンドルを回す補助レバー
図8.9符号17で
容器内の大鋸屑をかき回す。
【0074】
補助レバー符号17はハンドルを前後に回すことのできるレバーで、容器内の大鋸屑の攪拌状況を見て使用するもので、通常はハンドルをシャフトに支える支持部材に磁石で付着し収納されている
図8。
【0075】
攪拌後、し尿容器を戻し便座蓋を閉ずる。
【0076】
上記記載したように、ハンドルを回す補助レバーを設けた事で、撹拌するのが軽く簡単に回す事が出来、高齢者に優しい使いやすいトイレとなった。