特開2021-36803(P2021-36803A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 合同会社カナノフェンスの特許一覧

特開2021-36803ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス
<>
  • 特開2021036803-ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス 図000003
  • 特開2021036803-ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス 図000004
  • 特開2021036803-ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス 図000005
  • 特開2021036803-ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス 図000006
  • 特開2021036803-ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス 図000007
  • 特開2021036803-ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス 図000008
  • 特開2021036803-ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス 図000009
  • 特開2021036803-ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-36803(P2021-36803A)
(43)【公開日】2021年3月11日
(54)【発明の名称】ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンス
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/04 20060101AFI20210212BHJP
   E04H 17/14 20060101ALI20210212BHJP
   A01M 29/30 20110101ALI20210212BHJP
【FI】
   A01K15/04
   E04H17/14 103Z
   A01M29/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-159182(P2019-159182)
(22)【出願日】2019年8月31日
(71)【出願人】
【識別番号】520007639
【氏名又は名称】合同会社カナノフェンス
(72)【発明者】
【氏名】美濃 かな
【テーマコード(参考)】
2B121
2E142
【Fターム(参考)】
2B121AA02
2B121BB29
2B121EA22
2B121FA12
2E142AA01
2E142AA03
2E142AA10
2E142DD04
2E142DD09
2E142DD13
2E142DD23
2E142HH01
2E142HH13
2E142MM01
2E142MM02
2E142MM04
(57)【要約】
【課題】乗り越えを確実に阻止することのできるペット用脱出防止用フェンスに取り付ける器具を提供すること
【解決手段】 ペットの乗り越えを阻止することのできるペット用フェンス取り付け器具であって、円筒形などのローラーと、前記円筒形などのローラーを回転させるための回転軸と、前記回転軸の両端に接続され、前記回転軸を支える回転軸支持部と、前記両端の回転軸支持部を一体化し、前記円筒形などのローラーとの間隔がペットの手係りを阻止可能な程度の隙間を形成するホルダー部と、前記ホルダー部をペットフェンスの上部に、接続可能な接続金具とを備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペット脱出防止用フェンスに取り付けるペット脱出防止用フェンス取り付け器具であって、
円筒形、もしくは星型筒形のローラーと、
前記円筒形、もしくは星型筒形のローラーを回転させるための回転軸と、
前記回転軸の両端に接続され、前記回転軸を支える回転軸支持部と、
前記両端の回転軸支持部を一体化し、前記円筒形、もしくは星型筒形のローラーとの間隔がペットの手係りを阻止可能な程度の隙間を形成するホルダー部と、
前記ホルダー部をペットフェンスの上部に、接続可能な接続金具と、
を備えることを特徴としたペット脱出防止用フェンス取り付け器具。
【請求項2】
請求項1のペット脱出防止用フェンス取り付け器具であって、
2つの隣り合う前記円筒形、もしくは星型筒形のローラーを連結する際に、2つの隣り合う前記円筒形、もしくは星型筒形のローラーを1つの支持部で支える共用回転軸支持部と、
を備えることを特徴としたペット脱出防止用フェンス取り付け器具。
【請求項3】
ペットの乗り越えを阻止することのできるペット脱出防止用フェンスであって、
接地面から立ち上がって存在する立上り部材と、
前記立上り部材の上方から横方向に延出する延出部材と
前記延出部材の先端に、ペットを飼育する側の面へ、ペットの手係りを阻止可能な間隔で設置された請求項1および請求項2のフェンス取り付け器具と、
を備えることを特徴としたペット脱出防止用フェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペットの乗り越えを阻止することのできるペット用フェンスに関し、特にペットがフェンス(垣、塀および柵を含む)を越えて脱出することを阻止できるペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびペット脱出防止用フェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からペットとして猫や犬などが飼育されている。そしてこれらペットは、通常は屋内で飼育されることが多く、室内や敷地内を自由に移動できるようにして飼育されている 。しかしながら、時としてペットが敷地内から脱出してしまう事もあり、その場合には逃げ出したペットを探し出すのが一苦労であると共に、脱出してしまったペットが道路に飛び出して危険に晒されたり、逆にペットが屋外に出ることによって人等に危害を加えてしまう問題があった。
【0003】
そこで従前においては、このようなペット等の脱出や侵入を阻止することのできるフェ ンスや、それに取り付ける器具が種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録3068433号公報
【特許文献2】特開2019ー30243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1(実用新案登録第3068433号公報)では、塀の上端部に被着すれば、野良猫やりす、鼠、あるいは、カラス等の害鳥獣が塀を越えて侵入したり、塀の上を渡り歩くのを防止できると共に、ペットとして飼育している猫やりす、モルモットあるいは小型爬虫類等の小動物が塀を越えて脱出するのを防止できる装置を提案している。即ちこの文献で提案する脱出防止装置は、表面が平滑な金属板又は合成樹脂板から成る基板を、頂部を丸みのある鋭角状に形成すると共に、該頂部の前後側を弯曲状に膨出させて下部を垂直な立壁部に形成して成り、塀の上端部に被着し、前記立壁部を塀の壁面に固定するようにしている。
【0006】
また、特許文献2(特開2019―30243号公報)では、フェンスの上端側が支柱から離れる向きに湾曲する帯板によって形成することによって、胴縁は、支柱に向かう面を曲面に形成することができ、その曲面によってペットの手足を載せることが不可能になり、また蹴り上がりを阻止することができるようにしている。
【0007】
上記のような仕組みでは、ペットの種類や運動能力によっては、曲面に足を乗せることができてしまうため、その脱出を阻止できないことが危惧された。
【0008】
そこで本発明では、ペットがフェンスを乗り越えるときの動作と、そのための要件を再確認し、ペットの習性や運動能力を検討した上で、乗り越えを確実に阻止することのできるペット用脱出防止用フェンスに取り付ける器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、円筒形、もしくは星型筒形のローラーと、前記円筒形、もしくは星型筒形のローラーを回転させるための回転軸と、前記回転軸の両端に接続され、前記回転軸を支える回転軸支持部と、前記両端の回転軸支持部を一体化し、前記円筒形、もしくは星型筒形のローラーとの間隔がペットの手係りを阻止可能な程度の隙間を形成するホルダー部と、前記ホルダー部をペットフェンスの上部に、接続可能な接続金具と、を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、ペットの種類や運動能力によって、ペット用フェンスの上部に足をのせることができた場合にも、上部がローラー状となっているため、ローラーが回転することによってペットが足をかけ続けることができず、体重を移動することができないため、ペットのフェンス乗り越えを阻止することが可能となる。また、前記ローラーと取り付け部分にあたるホルダーの隙間がペットの手係りを阻止可能な程度となっているため、ローラー以外の箇所に足をかけることができず、確実にペットのフェンス乗り越えを阻止することが可能となる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1のペット用フェンス取り付け器具であって、2つの隣り合う前記円筒形、もしくは星型筒形のローラーを連結する際に、2つの隣り合う前記円筒形、もしくは星型筒形のローラーを1つの支持部で支える共用回転軸支持部と、を備えることを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、前記円筒形、もしくは星型筒形のローラーを連結した際に生じる隙間を最小限にとどめることが可能となり、ローラー以外の箇所に足をかけることができず、確実にペットのフェンス乗り越えを阻止することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ペットとして飼育している猫、犬、りす、マングース、モルモットあるいは小型爬虫類等すべての脱出が確実に防止可能となる、ペット脱出防止用フェンス取り付け器具、およびフェンスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るペット脱出防止用フェンス取り付け器具をフェンスに取り付けた一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る円筒形ローラーを使用したペット脱出防止用フェンス取り付け器具の一例を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る円筒形ローラーを使用したペット脱出防止用フェンス取り付け器具の一例を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る星型筒形ローラーを使用したペット脱出防止用フェンス取り付け器具の一例を示す断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る変形星型筒形ローラーを使用したペット脱出防止用フェンス取り付け器具の一例を示す断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る変形円筒形ローラーを使用したペット脱出防止用フェンス取り付け器具の一例を示す断面図である。
図7】本発明の実施形態に係る円筒形ローラーを使用したペット脱出防止用フェンス取り付け器具が連結された場合の一例を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係るペット脱出防止用フェンス取り付け器具をフェンスに取り付けた一例を示す全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係るペット脱出防止用フェンス取り付け器具1をペット脱出防止用フェンス100に取り付けた一例を示す図である。図1に示すように、本発明の実施の形態に係るペット脱出防止用フェンス取り付け器具1は、ペット脱出防止用フェンス100の上部に取り付けられるものである。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態に係るペット脱出防止用フェンス100は、接地面から立ち上がって存在する立上り部材20と、当該立上り部材20の上方から横方向に延出する延出部材30とで構成している。立上り部材20は、複数の支柱21によって形成しており、当該支柱21はステンレスやアルミニウム、あるいは防錆加工を施した鋼材で形成することができる。係る支柱21はペットが通り抜けできない間隔Wで設置しており、ペットが猫である場合には、当該支柱同士の間隔Wは、30mm以上、80mm以下の間隔で、望ましくは60mm以上、70mm以下で設置することが望ましい。ただし、立上り部材20を構成する複数の支柱21の設置間隔は、当該フェンスの乗り越えを企図する動物の運動能力や体形などを考慮して適宜設定することができ、当該動物が大型犬等のように体形の大きな動物の場合には、当該支柱21の間隔を100mm以上で設置できる場合も考えられる。
【0018】
ペット脱出防止用フェンス100の全高Hはペットの種類や運動能力によって変更することが望ましい。例えば猫の跳躍力は体高の約5倍の高さを飛ぶことが可能であるため、猫の平均の体高が25cmから30cmであることを鑑みると、1.25mから1.5mほどにもなり、能力によっては2mほど飛べるものおり、ペット脱出防止用フェンス100の全高Hはそれ以上とする場合も考えられる。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る円筒形ローラー11を使用したペット脱出防止用フェンス取り付け器具1の一例を示す斜視図であり、図3は断面図である。取り付け器具は円筒形ローラー11、円筒形ローラー11を回転させるための回転軸12、回転軸12の両端に接続し前記回転軸を支える回転軸支持部13、両端の回転軸支持部13を一体化するホルダー部14、ホルダー部14をペット脱出防止用フェンス100の上部に接続可能な接続金具15を備えている。円筒形ローラー11にペットの足がのると、ペットの体重を安定して乗せることができない程度に回転軸12がスムーズに回転する。また円筒形ローラー11とホルダー部14はペットの手探りができない程度の狭い隙間G1を形成する。この隙間G1を足がかりにペット脱出防止用フェンス100を乗り越えないようにするためである。また接続金具15を使って、ペット脱出防止用フェンス100の上部である延出部材30に本実施形態の器具を取り付ける。接続金具15は図示したボルト、ナットのようなものもよいが、蝶ボルトなど永続的に固定が可能なものであれば形状は問わない。
【0020】
円筒形ローラー11は、例えば金属製、樹脂製、木製など材質は問わない。回転をスムーズにするためには変形しづらい材質であることが望ましい。
【0021】
円筒形ローラー11の半径Rはペットの種類や運動能力によって変更することが望ましい。比較的小さいペットであるリスやモルモットの場合、円筒形ローラー11の半径Rが体長より大きくなると、その運動能力でローラーを回転維持させることにより、ペット自身の重心バランスを取ることが可能となってしまう。その結果、飛びつき後の体勢を維持し、敷地からの脱出が可能となってしまうため、脱出防止の効果が低下する。逆に比較的大型のペットである犬の場合、円筒形ローラー11の半径Rを小さくしてしまうと、円筒形ローラー11を超えてペット脱出防止用フェンス100の上部である延出部材30に足をかけることが可能となってしまうため、脱出防止の効果が低下する。以上のように、円筒形ローラー11の半径Rはペットの体長に比例して大きさを決めることが望ましい。
【0022】
図4から図6は、本発明の実施形態に係る円筒形ローラー11を様々な形に変形した一例である。図4の星型筒形ローラー11aは、回転するローラー部に平面部を設けることにより、ペットの足を乗せやすくしてローラーの回転を促す実施例である。回転を促した結果、ペット自身の重心バランスを取ることが困難となり、脱出防止の効果が増加する。
【0023】
図5の変形星型筒形ローラー11bは、星型の平面部を曲面とすることにより、ペットの足を滑りやすくした実施例である。足を滑りやすくした結果、ペット自身が足をかけることが困難となり、脱出防止の効果が増加する。
【0024】
図6の変形円筒形ローラー11cは、回転するローラー部に足を引っ掛ける凹みを多く設けることにより、ペットの足をのせやすくしてローラーの回転を促す実施例である。回転を促した結果、ペット自身の重心バランスを取ることが困難となり、脱出防止の効果が増加する。
【0025】
図7は、本発明の実施形態に係るペット脱出防止用フェンス取り付け器具1を複数並べて連結設置した場合に、本器具の同士の隙間G2を広げないための実施例を示した図である。連結設置した2つの隣り合う円筒形ローラー11を連結する際に、1つの回転軸支持部13を共用し、2つの隣り合う円筒形ローラー11を支えることによって本器具の同士の隙間G2が広がらないように設置することが可能となる。この隙間G2を足がかりにペット脱出防止用フェンス100を乗り越えないようにするためである。
【0026】
図8は、本発明の実施形態に係るペット脱出防止用フェンス取り付け器具1をペット脱出防止用フェンス100に取り付け、ペット脱出防止用フェンス100を複数並べて設置した一例を示す全体斜視図である。図8に示すように敷地内の領域、望ましくは境界領域に設置することができる。特にこの実施の形態では、前記図7に示した通りペット脱出防止用フェンス取り付け器具1を複数並べて連結設置しており、かつコーナーとなる部分には、円筒形ローラー11をペットの手探りができない程度に重ね合わせることにより、円筒形ローラー11同士の隙間G3を形成する。この隙間G3を足がかりにペット脱出防止用フェンス100を乗り越えないようにするためである。係るペット脱出防止用フェンス100で当該領域を包囲することにより、当該領域からのペットの脱出を阻止することができ、よって敷地内においてリードを繋げることなく遊ばせることが できる。
【0027】
以上のように形成したペット脱出防止用フェンス100は、敷地を囲むように設置することで、当該敷地からペットが脱出する可能性を阻止することができる。即ち、本実施の形態に係るペット脱出防止用フェンス100は、内側から外側への脱出を阻止するように構成しており、その設置する向きに方向性を有する。従って、この方向性を利用すれば、外からの動物の侵入を阻止するように利用することもできる。
【0028】
即ち、本発明の実施形態に係るペット脱出防止用フェンス取り付け器具1が外側に向かって延出するように設置すれば、敷地内への小動物や野良猫などの侵入を阻止することができる。これは例えば送電設備や発電施設内に野生動物が侵入するのを阻止するための防護壁としても使用できることを意味し、このような使用の仕方も本発明の技術的範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の実施形態に係るペット脱出防止用フェンス取り付け器具1、もしくはペット脱出防止用フェンス100は、ペットの脱出を阻止するための取り付け器具、およびフェンスとして利用できる他、その設置する向きによっては外からの動物の侵入を阻止する防護壁器具、および防護壁としても使用することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 ペット脱出防止用フェンス取り付け器具
11 円筒形ローラー
11a 星型筒形ローラー
11b 変形星型筒形ローラー
11c 変形円筒形ローラー
12 回転軸
13 回転軸支持部
14 ホルダー部
15 接続金具
20 フェンス立上り部材
21 フェンス支柱
30 フェンス延出部材
100 ペット脱出防止用フェンス
G1 ローラーとホルダー部の隙間
G2 連結ローラー間の隙間
G3 90度設置ローラー間の隙間
100 ペット脱出防止用フェンス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8