特開2021-36860IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

微生物のイオン耐性、特に、セシウムおよびリチウムのイオンに対する耐性に関する。具体的には、これらのイオンに対する微生物の耐性を向上させるための組成物および方法

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】セシウムイオンおよび/またはリチウムイオンに対する微生物の耐性を向上させる。
【解決手段】セシウムイオンおよび/またはリチウムイオンに対する微生物の耐性を向上させるための添加剤組成物が提供され、その添加剤組成物は、マグネシウムイオンから構成されるイオン化合物を含む。微生物とセシウムイオンおよび/またはリチウムイオンとを含む培地に添加剤組成物を添加することにより培地にマグネシウムイオンを導入すること、または、マグネシウムイオントランスポーターを微生物に発現させることにより、セシウムイオンおよび/またはリチウムイオンに対する微生物の耐性を向上させる方法も提供される。
【選択図】図10

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

本開示のセシウムイオンおよび/またはリチウムイオンに対する微生物の耐性を向上させることを課題とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

発明者らは、Microbacterium sp. TS-1株が高濃度のセシウムの存在下で生育することができるCs+耐性菌であることを見出した。この菌のCs+耐性を手掛かりにして、様々な遺伝学的および微生物学的実験を精力的に行った結果、マグネシウムイオントランスポーターおよびマグネシウムイオンがCs+耐性に寄与できることを発見し、本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
本開示の実施形態により、天然に存在しうる稀有な耐性株に依存せずとも、様々な微生物にセシウムイオンおよび/またはリチウムイオンに対する耐性を簡便に付与することができ、それらの微生物によるバイオプロセスの利用可能性を拡大することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】図1は、MTS1_03028遺伝子がコードするマグネシウムイオントランスポーターのアミノ酸配列(配列番号1)を示す。下線は推定される膜貫通領域を示し、斜体太字はRM1株およびTM17株において変異していたアミノ酸を示す。

【図2】図2は、野生型のMicrobacterium sp. TS-1株、ならびにCs+感受性変異株RM1(A)およびTM17(B)、ならびにそれらの復帰変異株の、培地中セシウム濃度と生育能力(液体天然培地に植菌後30℃で18時間培養した後の、吸光度OD600で表される培地濁度)との関係を示すグラフである。

【図3】図3は、野生型TS-1株(Wild Type)、Cs+感受性変異株(RM1、TM17)、および復帰変異株(RM1R、TM17R)のMTS1_03028遺伝子産物のアミノ酸配列の一部を示す。RM1(上)とTM17(下)では、同じMTS1_03028遺伝子産物の異なる位置(アミノ酸番号および矢印参照)にアミノ酸置換が存在しており、それぞれの復帰変異株では野生型アミノ酸が回復している。

【図4】図4は、Mgtマグネシウムイオントランスポーターの分子系統樹を示す。

【図5】図5は、培地にマグネシウムイオン(100 mM MgCl2)を添加した場合の、RM1および復帰変異株RM1R(A)、ならびにTM17および復帰変異株TM17R(B)の生育能力を、野生型TS-1株(Wild type)と比較して示している。

【図6】図6のAは、培地へのマグネシウムイオン添加が様々な微生物にセシウム耐性を付与できることを実証する実験結果を示す。縦軸は培養培地の吸光度(OD600)を、横軸は培地中のCsClの濃度(mM)を示す。灰色線はマグネシウムイオン添加なし、黒色線はマグネシウムイオン添加ありを示す。図6のBは、対イオンを塩化物イオンから硫酸イオンに変えても同様の結果が得られることを示す。この実験において、LB培地はCsClを含んでおり、改LB培地はCs2SO4を含んでいる。

【図7】図7のA〜Dは、それぞれ大腸菌(E. coli)、枯草菌(B. subtilis)、緑膿菌(P. aeruginosa)、および黄色ブドウ球菌(S. aureus)において、異なる濃度のマグネシウムイオン化合物添加とセシウム耐性との関係を示す。

【図8】図8は、酵母(S. cerevisiae)において、異なる濃度のマグネシウムイオン化合物添加とセシウム耐性との関係を示す。

【図9】図9は、マグネシウムイオンの添加により微生物にリチウム耐性を付与できることを示す実験結果である。縦軸は培養培地の吸光度(OD600)を、横軸は培地中のLiClの濃度(mM)を示す。灰色線はマグネシウムイオン添加なし、黒色線はマグネシウムイオン添加ありを示す。

【図10】図10は、マグネシウムイオントランスポーターの異種発現によるセシウム耐性付与を示す。

選択図 図10出願人が指定した本件の代表的な図

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