【解決手段】搬送車1は、牽引対象Cを牽引する。牽引対象Cは、連結対象部材CAを有する。搬送車1は、車体2と、駆動輪4a、4bと、駆動輪駆動部7a、7bと、ブレーキ部8a、8bと、制御部9と、連結機構3とを有する。駆動輪4a、4bは、車体2を移動させる。駆動輪駆動部7a、7bは、駆動輪4a、4bを駆動する。ブレーキ部8a、8bは、駆動輪4a、4bの回転を制動する。制御部9は、駆動輪駆動部7a、7b及びブレーキ部8a、8bを制御する。連結機構3は、連結対象部材CAと連結する。制御部9は、連結機構3が連結対象部材CAと連結する際に、ブレーキ部8a、8bの作動を解除する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
本明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を記載することがある。X軸方向及びY軸方向は水平方向に平行であり、Z軸方向は鉛直方向に平行である。但し、これらの方向は、本発明に係る搬送車の使用時の方向を限定しない。なお、X軸方向のうち、正の側を「前側」と記載し、負の側を「後側」と記載する場合がある。また、Y軸方向のうち、正の側を「左側」と記載し、負の側を「右側」と記載する場合がある。また、Z軸方向のうち、正の側を「上側」と記載し、負の側を「下側」と記載する場合がある。
【0011】
まず、
図1a及び
図1bを参照して本実施形態の搬送車1を説明する。
図1aは、本実施形態に係る搬送車1を示す側面図である。
図1bは、本実施形態に係る搬送車1を示す底面図である。
【0012】
搬送車1は、
図2を参照して説明する台車Cを牽引する。搬送車1は、例えば建物内で使用されて、建物の床面を走行する。搬送車1は自由に走行してもよい。あるいは、搬送車1は、予め設置された誘導体に誘導されて走行してもよい。本実施形態の搬送車1は、中心軸AXを中心に旋回可能である。換言すると、搬送車1は、中心軸AXに対する周方向に旋回可能である。中心軸AXは、車体2の中心軸である。より具体的には、中心軸AXは、車体2の中心を通過するZ軸方向に平行な仮想軸である。
【0013】
本実施形態において、搬送車1は、無人搬送車である。搬送車1は、通信を介した運行管理装置からの指示に基づいて目的地まで走行してもよい。あるいは、搬送車1は、通信を介した端末装置からの指示に基づいて目的地まで走行してもよい。ここで、端末装置は、ユーザによって操作される端末である。なお、本実施形態の搬送車1は、運行管理装置又は端末装置のような外部装置からの指示に基づいて走行するが、搬送車1は、外部装置からの指示によらず、予め決められたプログラムに従って走行してもよい。
【0014】
図1a及び
図1bに示すように、搬送車1は、車体2と、連結機構3と、第1駆動輪4aと、第2駆動輪4bとを有する。本実施形態において、搬送車1は、4つの補助輪5と、レーザレンジファインダ6とを更に有する。車体2は、車体本体21と、天板22とを有する。
【0015】
図1aに示すように、天板22は、車体本体21の上面に固定されている。天板22は、Z軸方向と直交する水平面に沿って拡がる板状部材である。平面視した天板22の形状は、略矩形状である。連結機構3は、天板22の上面に配置される。天板22の上面は、車体2の上面を構成する。連結機構3は、
図3及び
図4を参照して説明する台車Cの連結対象部材CAと連結する。
【0016】
図1bに示すように、車体本体21の下面には、第1駆動輪4aと、第2駆動輪4bと、4つの補助輪5とが取り付けられている。第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bはそれぞれ、Y軸方向に平行な中心軸(仮想軸)を中心に回転自在である。4つの補助輪5はそれぞれ、Z軸方向に直交する水平面に平行な中心軸(仮想軸)を中心に回転自在である。また、4つの補助輪5はそれぞれ、Z軸方向に平行な中心軸(仮想軸)を中心に回転自在である。
【0017】
第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bは、車体本体21のX軸方向における中央部に配置されている。4つの補助輪5は、車体本体21の4隅に配置されている。本実施形態において、第1駆動輪4aは、車体本体21のY軸方向における左側端部に配置されている。第2駆動輪4bは、車体本体21のY軸方向における右側端部に配置されている。
【0018】
第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bは、車体2を移動させる。具体的には、搬送車1は、第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bを時計回り方向又は反時計回り方向に回転させて移動する。
【0019】
より詳しくは、搬送車1は、前進又は後進する際に、第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bを同一方向に同一の回転速度で回転させる。搬送車1は、カーブする際に、第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bを同一方向に異なる回転速度で回転させる。また、搬送車1は、中心軸AXを中心に旋回する際に、第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bを互いに逆方向に同一の回転速度で回転させる。
【0020】
図1aに示すように、レーザレンジファインダ6は、車体本体21と天板22との間に配置される。より具体的には、レーザレンジファインダ6は、車体本体21の上面の前側部分に取り付けられる。
【0021】
レーザレンジファインダ6は、例えば赤外線又は可視光のレーザビームを周囲に周期的に放射して、周囲の空間をスキャンする。レーザビームは、壁及び柱のような構造物、並びに床の上に置かれた物体等の表面で反射される。レーザレンジファインダ6は、レーザビームの反射光を受けて各反射点までの距離を計算し、各反射点の位置を示すスキャンデータを出力する。各反射点の位置には、反射光の到来方向及び距離が反映されている。
【0022】
続いて、
図2を参照して本実施形態の台車Cを説明する。
図2は、本実施形態に係る台車Cを示す斜視図である。台車Cは、牽引対象の一例である。台車Cは、
図1を参照して説明した搬送車1に牽引されて移動する。具体的には、台車Cは、搬送車1に連結された後、搬送車1によって搬送される。
図2に示すように、台車Cは、第1棚CS1と、第2棚CS2と、4本の支柱CPと、4つの車輪CHとを有する。
【0023】
第1棚CS1及び第2棚CS2はそれぞれ、Z軸方向に直交する水平面に沿って拡がる板状部材である。平面視した第1棚CS1及び第2棚CS2の形状は、略矩形状である。第1棚CS1及び第2棚CS2の上面に、搬送対象の荷物が載置される。第1棚CS1は、第2棚CS2の下側(−Z側)に配置される。
【0024】
4本の支柱CPはそれぞれ、Z軸方向に沿って延びる。4本の支柱CPは、第1棚CS1及び第2棚CS2を支持する。具体的には、4本の支柱CPは、第1棚CS1の4隅、及び第2棚CS2の4隅に固定される。
【0025】
4つの車輪CHは、4本の支柱CPの下面にそれぞれ取り付けられる。4つの車輪CHは、例えば、キャスターである。4つの車輪CHはそれぞれ、Z軸方向に直交する水平面に平行な中心軸(仮想軸)を中心に回転自在である。また、4つの車輪CHはそれぞれ、Z軸方向に平行な中心軸(仮想軸)を中心に回転自在である。
【0026】
続いて、
図3及び
図4を参照して台車C及び搬送車1を更に説明する。
図3及び
図4は、本実施形態に係る台車C及び搬送車1を示す図である。詳しくは、
図3は、搬送車1が台車Cと連結する前の台車C及び搬送車1を示す。
図4は、搬送車1が台車Cと連結した後の台車C及び搬送車1を示す。なお、以下の説明において、搬送車1が台車Cと連結している状態を「連結状態」と記載することがある。また、搬送車1が台車Cと連結していない状態を「非連結状態」と記載することがある。
【0027】
図3に示すように、搬送車1は、台車Cと連結する際に、進入方向D1に移動して、下方空間Hに進入する。下方空間Hは、台車Cの第1棚CS1の下方の空間である。
【0028】
本実施形態において、X軸方向は、搬送車1が台車Cと連結する際に搬送車1が移動する方向と平行な方向である。換言すると、進入方向D1は、X軸方向と平行である。本実施形態の搬送車1は、台車Cと連結する際に、下方空間Hの後側(−X側)から前側(+X側)に移動して下方空間Hに進入する。
図4に示すように、搬送車1は、下方空間Hに進入した後、停止(停車)する。なお、本実施形態の搬送車1は、台車Cと連結する際に、下方空間Hの前側(+X側)から後側(−X側)に移動して下方空間Hに進入してもよい。
【0029】
図3に示すように、台車Cは、連結対象部材CAを有する。
図4に示すように、搬送車1の連結機構3は、連結対象部材CAと連結する。本実施形態の連結対象部材CAは、第1突出部材CA1と、第2突出部材CA2とを含む。
【0030】
第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、第1棚CS1に取り付けられて、第1棚CS1の下面から下側(−Z側)に突出する。換言すると、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、第1棚CS1の下面から下方空間Hに突出する。したがって、搬送車1が下方空間Hに進入した状態において、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、車体2に向けて突出する。本実施形態において、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、Z軸方向に延びる棒状部材又はピン状部材である。より具体的には、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、円柱状である。
【0031】
第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、X軸方向に沿って配置される。換言すると、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、進入方向D1に沿って配置される。詳しくは、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、X軸方向(進入方向D1)において隙間を介して対向する。第1突出部材CA1は、第2突出部材CA2の後側(−X側)に配置される。
【0032】
続いて、
図3〜
図5を参照して連結機構3を説明する。
図5は、本実施形態に係る天板22及び連結機構3を示す斜視図である。
図5に示すように、連結機構3は、第1連結部材30と、連結駆動部50とを有する。第1連結部材30は、連結部材の一例である。本実施形態の連結機構3は、第2連結部材40を更に有する。
【0033】
第2連結部材40は、第1ガイド部材410と、第2ガイド部材420とを含む。第1ガイド部材410及び第2ガイド部材420は、天板22の上面に固定されている。第1ガイド部材410及び第2ガイド部材420は、天板22のY軸方向における中央部に配置されている。
【0034】
第1ガイド部材410及び第2ガイド部材420は、天板22の上面から上側(+Z側)に立ち上がる板状部材である。第1ガイド部材410及び第2ガイド部材420は、X軸方向(進入方向D1)に延びる。
【0035】
第1ガイド部材410及び第2ガイド部材420は、Y軸方向において、隙間(隙間DP1、隙間DP2、及び隙間DP3)を介して対向する。第1ガイド部材410は、第2ガイド部材420の左側(+Y側)に配置される。
【0036】
搬送車1が台車Cと連結する際に、第1突出部材CA1(
図3及び
図4)及び第2突出部材CA2(
図3及び
図4)は、第1ガイド部材410と第2ガイド部材420との間の隙間(隙間DP3)に進入する。
【0037】
第1連結部材30及び連結駆動部50は、天板22のX軸方向における中央部に配置される。連結駆動部50は、第2ガイド部材420の右側(−Y側)に配置される。また、連結駆動部50は、第1連結部材30の右側(−Y側)に配置される。
【0038】
連結駆動部50は、天板22の上面に固定される。連結駆動部50は、第1連結部材30を支持する。連結駆動部50は、第1連結部材30をY軸方向に沿って移動させる。より具体的には、連結駆動部50は、搬送車1が台車Cと連結する際に、第1連結部材30を左側(+Y側)に移動させて、第1ガイド部材410と第2ガイド部材420との間の隙間(隙間DP3)に第1連結部材30を進入させる。この結果、連結機構3が連結対象部材CA(
図3)と連結する。詳しくは、第1連結部材30及び第2連結部材40が、第1突出部材CA1(
図3及び
図4)及び第2突出部材CA2(
図3及び
図4)と連結する。
【0039】
続いて、
図3〜
図5を参照して第1ガイド部材410及び第2ガイド部材420を更に説明する。
図5に示すように、第1ガイド部材410は、第1後側進入部411aと、第1前側進入部411bと、中央部412とを有する。第2ガイド部材420は、第2後側進入部421aと、第2前側進入部421bと、中央部422とを有する。
【0040】
第1ガイド部材410の中央部412は、X軸方向に沿って直線状に延びる。第1後側進入部411aは、第1ガイド部材410のうち、中央部412よりも後側(−X側)の部分であり、中央部412の後端と接続する。第1前側進入部411bは、第1ガイド部材410のうち、中央部412よりも前側(+X側)の部分であり、中央部412の前端と接続する。
【0041】
第2ガイド部材420の中央部422は、X軸方向に沿って直線状に延びる。第2後側進入部421aは、第2ガイド部材420のうち、中央部422よりも後側(−X側)の部分であり、中央部422の後端と接続する。第2前側進入部421bは、第2ガイド部材420のうち、中央部422よりも前側(+X側)の部分であり、中央部422の前端と接続する。
【0042】
第1ガイド部材410の中央部412と第2ガイド部材420の中央部422とは、Y軸方向において、隙間DP3を介して対向する。隙間DP3のY軸方向における寸法は一定である。搬送車1は、台車Cと連結する際に、第1突出部材CA1(
図3及び
図4)及び第2突出部材CA2(
図3及び
図4)が隙間DP3に進入した後に停止(停車)する。
【0043】
第1後側進入部411aと第2後側進入部421aとは、Y軸方向において、隙間DP1を介して対向する。第1前側進入部411bと第2前側進入部421bとは、Y軸方向において、隙間DP2を介して対向する。
【0044】
第1ガイド部材410は、中央部412の後端において+Y側(左側)に屈曲する。第2ガイド部材420は、中央部422の後端において−Y側(右側)に屈曲する。したがって、隙間DP1のY軸方向における寸法は、後側(−X側)ほど大きくなる。
【0045】
詳しくは、第1後側進入部411aは、中央部412の後端から+Y側(左側)に斜めに延びる。換言すると、第1後側進入部411aは、第2ガイド部材420から離れる向きに斜めに延びる。具体的には、第1後側進入部411aは、第2後側進入部421aから離れる向きに斜めに延びる。第2後側進入部421aは、中央部422の後端から−Y側(右側)に斜めに延びる。換言すると、第2後側進入部421aは、第1ガイド部材410から離れる向きに斜めに延びる。より具体的には、第2後側進入部421aは、第1後側進入部411aから離れる向きに斜めに延びる。
【0046】
また、第1ガイド部材410は、中央部412の前端において+Y側(左側)に屈曲する。第2ガイド部材420は、中央部422の前端において−Y側(右側)に屈曲する。したがって、隙間DP2のY軸方向における寸法は、前側(+X側)ほど大きくなる。
【0047】
詳しくは、第1前側進入部411bは、中央部412の前端から+Y側(左側)に斜めに延びる。換言すると、第1前側進入部411bは、第2ガイド部材420から離れる向きに斜めに延びる。具体的には、第1前側進入部411bは、第2前側進入部421bから離れる向きに斜めに延びる。第2前側進入部421bは、中央部422の前端から−Y側(右側)に斜めに延びる。換言すると、第2前側進入部421bは、第1ガイド部材410から離れる向きに斜めに延びる。具体的には、第2前側進入部421bは、第1前側進入部411bから離れる向きに斜めに延びる。
【0048】
本実施形態によれば、搬送車1が下方空間Hの後側(−X側)から前側(+X側)に移動して下方空間Hに進入する際に、隙間DP3のY軸方向における位置が第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2に対してずれていても、隙間DP1の後端のY軸方向における寸法が隙間DP3よりも大きいため、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2を隙間DP1に進入させることができる。隙間DP1に進入した第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、第1後側進入部411a又は第2後側進入部421aによって、隙間DP3に案内される。したがって、搬送車1が下方空間Hに進入する際に、隙間DP3のY軸方向における位置が第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2に対してずれていても、隙間DP3に第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2を進入させることができる。
【0049】
同様に、搬送車1が下方空間Hの前側(+X側)から後側(−X側)に移動して下方空間Hに進入する際に、隙間DP3のY軸方向における位置が第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2に対してずれていても、隙間DP2の前端のY軸方向における寸法が隙間DP3よりも大きいため、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2を隙間DP2に進入させることができる。隙間DP2に進入した第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2は、第1前側進入部411b又は第2前側進入部421bによって、隙間DP3に案内される。したがって、搬送車1が下方空間Hに進入する際に、隙間DP3のY軸方向における位置が第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2に対してずれていても、隙間DP3に第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2を進入させることができる。
【0050】
よって、本実施形態によれば、台車Cに連結する際に車体2の位置を精度よく制御しなくても、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2を、第1ガイド部材410と第2ガイド部材420との間の隙間に進入させることができる。この結果、搬送車1に台車Cを容易に安定して連結できる。
【0051】
続いて
図5〜
図7を参照して、連結機構3を更に説明する。
図6及び
図7は、本実施形態に係る連結機構3を上側から見た部分断面図である。詳しくは、
図6及び
図7は、第1ガイド部材410及び第2ガイド部材420の断面を示す。また、
図6及び
図7は、隙間DP3に進入した第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2を示す。より詳しくは、
図6は、搬送車1と台車Cとが連結する前の連結機構3を示し、
図7は、搬送車1と台車Cとが連結した後の連結機構3を示す。換言すると、
図6は非連結状態の連結機構3を示し、
図7は連結状態の連結機構3を示す。
【0052】
図6に示すように、連結駆動部50は、第1連結部材30を所定の連結方向D2へ動作させる。より具体的には、連結駆動部50は、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2を連結機構3に連結させる際に、第1連結部材30を連結方向D2へ移動させる。本実施形態において、Y軸方向は、連結機構3が第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2と連結する際に第1連結部材30が移動する方向と平行である。換言すると、Y軸方向は、連結方向D2と平行である。
【0053】
詳しくは、
図7に示すように、連結駆動部50は、出力軸51を有する。出力軸51は、Y軸方向に延びる。第1連結部材30は、出力軸51の先端部に固定されている。連結駆動部50は、出力軸51をY軸方向に沿って移動させる。より具体的には、連結駆動部50は、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2を連結機構3に連結させる際に、出力軸51を連結方向D2(+Y側)に移動させる。連結駆動部50は、例えばソレノイドアクチュエータのようなアクチュエータを含み得る。あるいは、連結駆動部50は、例えばボールねじ機構のようなアクチュエータを含み得る。
【0054】
なお、連結駆動部50は、連結状態を解除する際に、第1連結部材30を左側(−Y側)に移動させる。この結果、連結機構3が非連結状態となる。したがって、連結駆動部50は、第1連結部材30をY軸方向に沿って移動させて、連結状態と非連結状態とを切り替える。
【0055】
続いて、
図5を参照して第1ガイド部材410及び第2ガイド部材420を更に説明する。
図5に示すように、第1ガイド部材410は、第1ガイド部材410の中央部412をY軸方向に貫通する第1貫通穴413を有する。また、第2ガイド部材420は、第2ガイド部材420の中央部422をY軸方向に貫通する第2貫通穴423を有する。
【0056】
第1貫通穴413は、X軸方向(進入方向D1)に延びる。第1貫通穴413をY軸方向に沿って見た形状は、略長方形状である。第1貫通穴413は、Y軸方向において第2貫通穴423と対向する。第1貫通穴413のZ軸方向の寸法は、第1連結部材30のZ軸方向の寸法よりも若干大きい。
【0057】
第2貫通穴423は、X軸方向(進入方向D1)に延びる。第2貫通穴423をY軸方向に沿って見た形状は、略長方形状である。第2貫通穴423のZ軸方向における寸法は、第1連結部材30のZ軸方向における寸法よりも若干大きい。
【0058】
続いて、
図6及び
図7を参照して第1ガイド部材410及び第2ガイド部材420を更に説明する。
図6及び
図7に示すように、第1貫通穴413のX軸方向における寸法は、第2貫通穴423のX軸方向における寸法よりも小さい。また、第1貫通穴413のX軸方向における寸法は、第1突出部材CA1と第2突出部材CA2との間の距離よりも小さい。第2貫通穴423のX軸方向における寸法は、第1突出部材CA1と第2突出部材CA2との間の距離よりも大きい。
【0059】
続いて、
図5〜
図7を参照して第1連結部材30を説明する。
図5に示すように、第1連結部材30は、Z軸方向に直交する水平面に平行な板状の部材である。
図6及び
図7に示すように、第1連結部材30は、連結本体部31と、第1突出部32aと、第2突出部32bとを有する。
【0060】
連結本体部31は、先端面31aと、第1側面31bと、第2側面31cとを有する。先端面31aは、連結本体部31の左側(+Y側)の端面である。先端面31aは、X軸方向に沿って延びる。第1側面31bは、先端面31aの後端に接続する。第2側面31cは、先端面31aの前端に接続する。第1側面31b及び第2側面31cは、先端面31aに対して傾斜する傾斜面である。
【0061】
具体的には、第1側面31bは、先端面31aの後端から後側(−X側)かつ右側(−Y側)に斜めに延びる。第1側面31bと先端面31aとがなす角度(内角)は、90°よりも大きく180°よりも小さい。詳しくは、第1側面31bは、右側(−Y側)に向かうにつれて第2側面31cから離れる向きに傾斜している。第2側面31cは、先端面31aの前端から前側(+X側)かつ右側(−Y側)に斜めに延びる。第2側面31cと先端面31aとがなす角度(内角)は、90°よりも大きく180°よりも小さい。詳しくは、第2側面31cは、右側(−Y側)に向かうにつれて第1側面31bから離れる向きに傾斜している。
【0062】
図6に示すように、先端面31aは、非連結状態において、隙間DP3を介して第1貫通穴413と対向する。本実施形態において、先端面31aは、非連結状態において、第2貫通穴423内に収容されている。なお、先端面31aは、非連結状態において、第2貫通穴423内に収容されていなくてもよい。具体的には、先端面31aは、非連結状態において、第2貫通穴423の右側(−Y側)に位置してもよい。
【0063】
連結本体部31の左側端部のX軸方向における寸法は、第1貫通穴413及び第2貫通穴423のX軸方向における寸法よりも小さい。連結本体部31の右側端部のX軸方向における寸法は、第1貫通穴413のX軸方向における寸法よりも大きく、第2貫通穴423のX軸方向における寸法よりも小さい。
【0064】
第1突出部32aは、連結本体部31の後側の端部から後側(−X側)に突出する。第2突出部32bは、連結本体部31の前側の端部から前側(+X側)に突出する。平面視した第1突出部32a及び第2突出部32bの形状は、略矩形形状である。
【0065】
第1突出部32aの左側(+Y側)の端面は、連結本体部31の第1側面31bの後端に接続する。第1突出部32aの左側(+Y側)の端面は、第1側面31bの後端から後側(−X側)に延びる。
【0066】
第2突出部32bの左側(+Y側)の端面は、連結本体部31の第2側面31cの前端に接続する。第2突出部32bの左側(+Y側)の端面は、第2側面31cの前端から前側(+X側)に延びる。
【0067】
第1連結部材30のX軸方向における最大寸法は、第1貫通穴413のX軸方向における寸法よりも大きく、第2貫通穴423のX軸方向における寸法よりも若干小さい。第1連結部材30のX軸方向における最大寸法は、第1突出部32aの後端から第2突出部32bの前端までのX軸方向における距離の大きさに相当する。
【0068】
続いて
図3、
図4、
図6、及び
図7を参照して、搬送車1及び連結機構3の動作を説明する。搬送車1は、車体2が下方空間Hに進入すると停止(停車)する。
【0069】
搬送車1が停止(停車)すると、連結駆動部50が第1連結部材30を連結方向D2へ動作させる(
図6)。連結駆動部50が第1連結部材30を連結方向D2へ動作させると、第1突出部材CA1と第2突出部材CA2との間に第1連結部材30が挿入される(
図7)。なお、第1連結部材30の移動時間(連結駆動部50の駆動時間)は、例えば、1秒である。
【0070】
具体的には、第1連結部材30が連結方向D2へ移動すると、第1連結部材30(連結本体部31)の左側の端部が第2貫通穴423、隙間DP3、及び第1貫通穴413をこの順に通過して、第1ガイド部材410の左側(+Y側)に突出する。この結果、第1突出部材CA1と第2突出部材CA2との間に連結本体部31が挿入される。換言すると、連結本体部31が、第1突出部材CA1と第2突出部材CA2とによって挟まれる。
【0071】
したがって、台車Cが搬送車1に対して後側(−X側)に相対的に移動しようとすると、第1突出部材CA1が第1連結部材30(連結本体部31)の第1側面31bと接触して、搬送車1に対する台車Cの後側への相対的な移動が抑制される。また、台車Cが搬送車1に対して前側(+X側)に相対的に移動しようとすると、第2突出部材CA2が第1連結部材30(連結本体部31)の第2側面31cと接触して、搬送車1に対する台車Cの前側への相対的な移動が抑制される。この結果、第1連結部材30によって、搬送車1に対する台車CのX軸方向への相対的な移動が抑制される。
【0072】
更に、本実施形態では、第1連結部材30が連結方向D2へ移動すると、第1突出部32a及び第2突出部32bが第2貫通穴423に進入し、第1突出部32a及び第2突出部32bのそれぞれの左側の端部(左側の端面)が、第2貫通穴423を介して隙間DP3に進入する。この結果、第1突出部材CA1が、第1ガイド部材410の中央部412と第1突出部32aとによって挟まれ、第2突出部材CA2が、第1ガイド部材410の中央部412と第2突出部32bとによって挟まれる。したがって、搬送車1に対する台車CのY軸方向への相対的な移動が、第1ガイド部材410の中央部412、第1突出部32a、及び第2突出部32bによって抑制される。
【0073】
続いて、
図3、及び
図6〜
図8を参照して本実施形態の搬送車1を更に説明する。
図8は、本実施形態に係る搬送車1の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、搬送車1は、第1駆動輪4a、第2駆動輪4b、連結機構3、及びレーザレンジファインダ6に加えて、第1駆動部7a、第2駆動部7b、第1ブレーキ部8a、第2ブレーキ部8b、及び制御部9を有する。本実施形態の搬送車1は、記憶部10、及び通信部11を更に有する。第1駆動部7a及び第2駆動部7bは、駆動輪駆動部に相当する。第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bは、ブレーキ部に相当する。
【0074】
第1駆動部7aは、第1駆動輪4aを駆動する。具体的には、第1駆動部7aは、制御部9によって制御されて、第1駆動輪4aを回転させる駆動力を発生する。例えば、第1駆動部7aは、第1駆動輪4aを回転させるモータ、ギア及び車軸と、駆動回路とを有する。駆動回路は、制御部9によって制御されて、モータを駆動する信号を生成する。
【0075】
第2駆動部7bは、第2駆動輪4bを駆動する。具体的には、第2駆動部7bは、制御部9によって制御されて、第2駆動輪4bを回転させる駆動力を発生する。例えば、第2駆動部7bは、第2駆動輪4bを回転させるモータ、ギア及び車軸と、駆動回路とを有する。駆動回路は、制御部9によって制御されて、モータを駆動する信号を生成する。
【0076】
第1ブレーキ部8aは、第1駆動輪4aの回転を制動する。例えば、第1ブレーキ部8aは、第1駆動部7aのモータのシャフトに取り付けられる電磁ブレーキであり得る。この場合、第1ブレーキ部8aは、制御部9によって制御されて、第1駆動部7aのモータの回転運動を制動することにより、第1駆動輪4aの回転を制動する。
【0077】
第2ブレーキ部8bは、第2駆動輪4bの回転を制動する。例えば、第2ブレーキ部8bは、第2駆動部7bのモータのシャフトに取り付けられる電磁ブレーキであり得る。この場合、第2ブレーキ部8bは、制御部9によって制御されて、第2駆動部7bのモータの回転運動を制動することにより、第2駆動輪4bの回転を制動する。
【0078】
なお、第1ブレーキ部8aは、第1駆動輪4aの車軸に取り付けられた電磁ブレーキであってもよい。同様に、第2ブレーキ部8bは、第2駆動輪4bの車軸に取り付けられた電磁ブレーキであってもよい。
【0079】
記憶部10は、制御部9が実行するコンピュータプログラムを記憶する。本実施形態の記憶部10は、地図データMと、走行経路データRとを更に記憶する。記憶部10は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)のような半導体メモリを含む。なお、記憶部10は、半導体メモリに加えて、ストレージ装置を含み得る。ストレージ装置は、例えばHDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)によって構成される。また、記憶部10は、半導体メモリに加えて、USB(Universal Serial Bus)メモリ、及びSD(Secure Digital)カードのようなリムーバブルメディアを含み得る。
【0080】
地図データMは、例えば、搬送車1が使用される建物内の地図を示す。走行経路データRは、搬送車1の走行経路を示す。走行経路データRは、搬送車1の走行開始位置を示す走行開始座標と、搬送車1の走行停止位置を示す走行停止座標とを示す。走行経路データRは更に、少なくとも1つの経由位置座標を示してもよい。経由位置座標は、走行経路の途中の位置を示す。
【0081】
通信部11は、外部装置(運行管理装置及び/又は端末装置)との間で通信を行う。通信部11は、外部装置から走行経路データRを受信する。制御部9は、通信部11が受信した走行経路データRを記憶部10に記憶させる。例えば、通信部11は、無線LAN(Local Area Network)モジュールを含み得る。
【0082】
制御部9は、記憶部10に記憶されている制御プログラムに基づいて、搬送車1の各部の動作を制御する。具体的には、制御部9は、第1駆動部7a、第2駆動部7b、第1ブレーキ部8a、及び第2ブレーキ部8bを制御する。制御部9は更に、連結駆動部50を制御する。また、制御部9は、記憶部10に記憶されている制御プログラムに基づいて、各種の処理を実行する。具体的には、制御部9は、車体2の現在位置を推定する。制御部9は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサを含む。
【0083】
詳しくは、制御部9は、レーザレンジファインダ6から出力されるスキャンデータに基づいて、局所的地図データを作成する。制御部9は、局所的地図データと地図データMとのマッチングを行うことにより、車体2の現在位置を推定する。制御部9は、車体2の現在位置を推定しながら、走行経路データRに示される走行経路に沿って車体2が移動するように第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bの動作を制御する。具体的には、制御部9は、第1駆動部7a及び第2駆動部7bを介して、第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bの動作を制御する。
【0084】
また、制御部9は、搬送車1と台車Cとを連結させる際に、車体2が進入方向D1に移動して下方空間Hに進入するように第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bの動作を制御する。制御部9は、車体2が下方空間Hに到達したことを推定すると、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bを作動させる。換言すると、制御部9は、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bを介して、第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bの動作を停止させる。この結果、搬送車1が下方空間H内で停止(停車)する。
【0085】
制御部9は更に、連結機構3が連結対象部材CA(
図3)と連結する際に、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動を解除する。より具体的には、制御部9は、連結駆動部50が第1連結部材30を連結方向D2へ動作させる際に、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動を解除する。
【0086】
続いて、
図9を参照して制御部9が実行する処理を更に説明する。
図9は、本実施形態に係る制御部9が実行する処理を示すフローチャートである。詳しくは、
図9は、搬送車1が下方空間Hで停止(停車)した後に制御部9が実行する処理を示す。
【0087】
図9に示すように、搬送車1が下方空間Hで停止(停車)すると、制御部9は、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動を解除する(ステップS1)。
【0088】
制御部9は、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動を解除した後に、連結駆動部50を所定時間だけ駆動させて、第1連結部材30を連結方向D2へ移動させる(ステップS2)。この結果、
図9に示す処理が終了する。連結駆動部50の駆動時間は、例えば、1秒である。
【0089】
続いて、
図5、
図6、及び
図10a〜
図10cを参照して本実施形態の搬送車1を更に説明する。具体的には、台車Cに作用する重力に対して連結駆動部50の駆動力が小さい場合における搬送車1の動作を説明する。例えば、台車Cが搬送車1よりも重い場合に、台車Cに作用する重力に対して連結駆動部50の駆動力が小さい状態となる。
図10a〜
図10cは、本実施形態に係る搬送車1の動作を示す図である。
【0090】
図10a〜
図10cに示すように、搬送車1は、カバー部材12を更に有する。カバー部材12は、天板22の上面に固定されて、
図5〜
図7を参照して説明した連結駆動部50を覆う。また、カバー部材12は、非連結状態において、
図5〜
図7を参照して説明した第1連結部材30を覆う。
【0091】
図10aは、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2が隙間DP3に進入した状態を示す。
図10aに示すように、搬送車1は、第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2が隙間DP3に進入した後に停止(停車)する。
【0092】
図10bは、第1連結部材30が連結方向D2へ移動している途中の状態を示す。また、
図10bは、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30に接触している状態を示す。より具体的には、第1突出部材CA1が連結本体部31の第1側面31b(
図5及び
図6)に接触し、第2突出部材CA2が連結本体部31の第2側面31c(
図5及び
図6)に接触していない状態を示す。なお、搬送車1が停車した際に、第1連結部材30の進入方向D1(X軸方向)における中心位置が、第1突出部材CA1と第2突出部材CA2との間の中心位置に対して前側にずれている場合に、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30に接触する。
【0093】
本実施形態によれば、連結機構3が連結対象部材CAと連結する際に、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動が解除されている。したがって、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30に接触した場合、第1連結部材30の第1側面31bが第1突出部材CA1に付与する圧力の反作用により、搬送車1が移動する。詳しくは、第1連結部材30の第1側面31bに第1突出部材CA1から反作用が付与される方向である反作用方向D3に、搬送車1が移動する。具体的には、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30に接触した場合、搬送車1は前側(+X側)に移動する。
【0094】
この結果、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30に接触しても、
図10cに示すように、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)と連結する。したがって、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0095】
第2突出部材CA2が第1突出部材CA1よりも先に第1連結部材30に先に接触した場合も同様に、搬送車1は、台車Cと安定して連結することができる。具体的には、第2突出部材CA2が第1突出部材CA1よりも先に第1連結部材30に接触した場合、第1連結部材30の第2側面31cが第2突出部材CA2に付与する圧力の反作用により、搬送車1は後側(−X側)に移動する。この結果、第2突出部材CA2が第1突出部材CA1よりも先に第1連結部材30に接触しても、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)と連結する。したがって、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0096】
なお、台車Cに作用する重力に対して連結駆動部50の駆動力が大きい場合には、第1突出部材CA1又は第2突出部材CA2から第1連結部材30に圧力が付与される方向に、台車Cが移動する。例えば、台車Cが搬送車1よりも軽い場合に、台車Cに作用する重力に対して連結駆動部50の駆動力が大きい状態となる。
【0097】
具体的には、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30に接触した場合、台車Cは後側(−X側)に移動する。また、第2突出部材CA2が第1突出部材CA1よりも先に第1連結部材30に接触した場合、台車Cは前側(+X側)に移動する。したがって、台車Cに作用する重力に対して連結駆動部50の駆動力が大きい場合であっても、搬送車1は、台車Cと安定して連結することができる。
【0098】
以上、
図1〜
図9、及び
図10a〜
図10cを参照して説明したように、本実施形態によれば、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2)と連結する際に、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動を解除することにより、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。詳しくは、連結駆動部50が第1連結部材30を連結方向D2へ動作させる際に、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動を解除することにより、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0099】
続いて
図1a、
図1b、
図3〜
図8、
図11、及び
図12a〜
図12cを参照して、本実施形態に係る搬送車1の変形例について説明する。変形例では、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2)と連結する際に、車体2が予め規定された動作をするように制御部9が第1駆動部7a及び第2駆動部7bを制御する。予め規定された動作は、車体2が揺動する動作を含む。
【0100】
詳しくは、予め規定された動作は、車体2が所定の方向に揺動する動作を含む。あるいは、予め規定された動作は、中心軸AXに対する周方向に車体2が揺動する動作を含む。所定の方向は、例えば、前後方向(X軸方向)又は左右方向(Y軸方向)である。前後方向は、連結対象部材CAが配置されている空間(下方空間H)に向かって車体2が移動する方向と平行な方向である。換言すると、前後方向は、進入方向D1と平行な方向である。左右方向は、連結対象部材CAが配置されている空間(下方空間H)に向かって車体2が移動する方向と交差する方向の一例である。
【0101】
まず、
図1a、
図1b、
図3、
図6、及び
図11を参照して制御部9が実行する処理の変形例を説明する。
図11は、本実施形態に係る制御部9が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。詳しくは、
図11は、搬送車1が下方空間Hで停止(停車)した後に制御部9が実行する処理を示す。
【0102】
図11に示すように、搬送車1が下方空間H(
図3)で停止(停車)すると、制御部9は、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動を解除する(ステップS11)。
【0103】
制御部9は、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動を解除した後に、第1連結部材30を連結方向D2(
図6)へ移動させる(ステップS12)。
【0104】
制御部9は、第1連結部材30の移動の開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS13)。所定時間は、連結駆動部50の駆動時間よりも短い時間である。例えば、連結駆動部50の駆動時間が1秒である場合、所定時間は0.3秒であり得る。
【0105】
制御部9は、第1連結部材30の移動の開始から所定時間が経過していないと判定すると(ステップS13のNo)、ステップS13の処理を再度実行する。換言すると、制御部9は、第1連結部材30の移動の開始から所定時間が経過するまで、ステップS13の処理を繰り返す。
【0106】
制御部9は、第1連結部材30の移動の開始から所定時間が経過したと判定すると(ステップS13のYes)、車体2が揺動するように第1駆動部7a及び第2駆動部7bを制御する。具体的には、変形例において、第1駆動輪4a及び第2駆動輪4bはオムニホイールであり、制御部9は、第1連結部材30の移動が完了するまで、車体2が前後方向(X軸方向)に揺動するように第1駆動部7a及び第2駆動部7bを制御する。あるいは、制御部9は、第1連結部材30の移動が完了するまで、車体2が左右方向(Y軸方向)に揺動するように第1駆動部7a及び第2駆動部7bを制御する。あるいは、制御部9は、第1連結部材30の移動が完了するまで、中心軸AX(
図1a及び
図1b)に対する周方向に車体2が揺動するように第1駆動部7a及び第2駆動部7bを制御する。
【0107】
本実施形態によれば、連結機構3が連結対象部材CA(
図3)と連結する際に車体2を揺動させることにより、連結機構3に連結対象部材CAを安定して連結させることができる。したがって、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0108】
続いて、
図5、
図6、及び
図12a〜
図12cを参照して搬送車1の動作を説明する。
図12a〜
図12cは、本実施形態に係る搬送車1の動作の変形例を示す図である。詳しくは、
図12a〜
図12cは、第1連結部材30が連結方向D2へ移動している途中の状態を示す。また、
図12a〜
図12cは、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30に接触している状態を例示している。
【0109】
図12aは、前後方向D4に揺動する搬送車1を示す。本実施形態において、前後方向D4はX軸方向に平行な方向である。搬送車1は、例えば前後方向D4に幅1mmの範囲で揺動する。
図12aに示すように、第1連結部材30の進入方向D1(X軸方向)における中心位置が、第1突出部材CA1と第2突出部材CA2との間の中心位置に対してずれている場合であっても、搬送車1が前後方向D4に揺動することにより、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)と連結する。
【0110】
例えば、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30と接触している場合、搬送車1が後側に移動する際に第1連結部材30を連結方向D2へスムーズに移動させることができる。この結果、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)と安定して連結する。したがって、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0111】
図12bは、左右方向D5に揺動する搬送車1を示す。本実施形態において、左右方向D5はY軸方向に平行な方向である。搬送車1は、例えば左右方向D5に幅1mmの範囲で揺動する。
図12bに示すように、第1連結部材30の進入方向D1(X軸方向)における中心位置が、第1突出部材CA1と第2突出部材CA2との間の中心位置に対してずれている場合であっても、搬送車1が左右方向D5に揺動することにより、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)と連結する。
【0112】
例えば、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30と接触している場合、搬送車1が左側(+Y側)に移動する際に第1連結部材30を連結方向D2へスムーズに移動させることができる。この結果、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)と安定して連結する。したがって、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0113】
図12cは、中心軸AXに対する周方向D6に揺動する搬送車1を示す。搬送車1は、例えば周方向D6に回転角度1°の範囲で揺動する。
図12cに示すように、第1連結部材30の進入方向D1(X軸方向)における中心位置が、第1突出部材CA1と第2突出部材CA2との間の中心位置に対してずれている場合であっても、搬送車1が周方向D6に揺動することにより、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)と連結する。
【0114】
例えば、第1突出部材CA1が第2突出部材CA2よりも先に第1連結部材30と接触している場合、搬送車1が中心軸AXを中心として時計回り方向に旋回する際に第1連結部材30を連結方向D2へスムーズに移動させることができる。この結果、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)と安定して連結する。したがって、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0115】
なお、本実施形態において、予め規定された動作は、車体2を前後方向D4、左右方向D5、又は周方向D6に揺動させる動作であったが、予め規定された動作は、前後方向D4、左右方向D5、及び周方向D6の少なくとも2方向に車体2を揺動させる動作を含み得る。例えば、車体2を前後方向D4に揺動させた後に左右方向D5に揺動させてもよい。
【0116】
また、本実施形態において、予め決められた動作は、車体2を前後方向D4、又は左右方向D5に揺動させる動作であったが、予め決められた動作は、前後方向D4(X軸方向)及び左右方向D5(Y軸方向)に対して斜めの方向に車体2を揺動させる動作を含み得る。
【0117】
また、本実施形態において、予め決められた動作は、車体2が前後方向D4又は左右方向D5に揺動する動作であったが、予め決められた動作は、車体2が所定の方向の直進する動作を含み得る。所定の方向は、例えば、前後方向D4(X軸方向)又は左右方向D5(Y軸方向)である。具体的には、車体2を、例えば移動距離1mmの範囲で前側又は後側に直進させてもよい。あるいは、車体2を、例えば移動距離1mmの範囲で左側又は右側に直進させてもよい。車体2を所定の方向に直進させることにより、連結機構3を連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)に安定して連結させることができる。したがって、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0118】
また、本実施形態において、予め決められた動作は、周方向D6に車体2が揺動する動作であったが、予め決められた動作は、周方向D6に車体2が旋回する動作を含み得る。具体的には、車体2を、例えば回転角度1°の範囲で時計回り方向又は反時計回り方向に旋回させてもよい。周方向D6に車体2を旋回させることにより、連結機構3を連結対象部材CA(第1突出部材CA1が第2突出部材CA2)に安定して連結させることができる。したがって、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0119】
なお、予め決められた動作は、車体2が前後方向D4に直進する動作と、車体2が左右方向D5に直進する動作と、車体2が周方向D6に旋回する動作とのうちの2以上を含んでもよい。また、予め決められた動作は、前後方向D4(X軸方向)及び左右方向D5(Y軸方向)に対して斜めの方向に車体2が直進する動作を含んでもよい。
【0120】
以上、
図1a、
図1b、
図3〜
図8、
図11、及び
図12a〜
図12cを参照して本実施形態に係る搬送車1の変形例を説明した。本変形例によれば、連結機構3が連結対象部材CA(第1突出部材CA1及び第2突出部材CA2)と連結する際に、制御部9が、第1ブレーキ部8a及び第2ブレーキ部8bの作動を解除して、車体2が予め決められた動作をするように第1駆動部7a及び第2駆動部7bを制御することにより、搬送車1に台車C(牽引対象)を容易に安定して連結させることができる。
【0121】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0122】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されず、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0123】
例えば、本発明による実施形態では、第1連結部材30の移動の開始から所定時間が経過した後に、制御部9が、車体2が予め決められた動作をするように第1駆動部7a及び第2駆動部7bを制御したが、制御部9は、第1連結部材30の移動の開始と同時に、車体2が予め決められた動作をするように制御部9が第1駆動部7a及び第2駆動部7bを制御してもよい。
【0124】
また、本発明による実施形態では、制御部9は、第1連結部材30の移動が完了するまで、車体2が予め決められた動作をするように第1駆動部7a及び第2駆動部7bを制御したが、制御部9は、第1連結部材30の移動が完了する前に、車体2による予め決められた動作を終了させてもよい。