特開2021-39913(P2021-39913A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-39913(P2021-39913A)
(43)【公開日】2021年3月11日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20210212BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20210212BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20210212BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20210212BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210212BHJP
【FI】
   F21S8/04 110
   F21S2/00 230
   F21V21/00 140
   F21V17/10 200
   F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-161783(P2019-161783)
(22)【出願日】2019年9月5日
(71)【出願人】
【識別番号】515032547
【氏名又は名称】リアラン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121773
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 正
(72)【発明者】
【氏名】宇野 一世
【テーマコード(参考)】
3K011
3K243
【Fターム(参考)】
3K011BA09
3K011EG03
3K011GA02
3K011JA01
3K243MA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】器具本体に対してLEDモジュールを容易に着脱可能に取り付けられる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具において、取付部材50は、取付面に固定される器具本体10と、器具本体10に着脱可能に取り付けられるLEDモジュール30と、LEDモジュール30を器具本体10に取り付けるために、照明器具の長手方向の一方の第一端部側に設置された第一取付部材51と、他方の第二端部側に設置された第二取付部材52と、を備える。第一取付部材51は、器具本体10とLEDモジュール30の何れか一方に設置されたトーションばね33と、他方に設置された、トーションばね33のアーム部34が挿入される開口を有し、トーションばね33と着脱自在に連結されるバネ受け部12と、を備える。第二取付部材52は、器具本体10とLEDモジュール30の何れか一方に設置された挿込凸部15と、他方に設置された挿込受け部36と、を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面に固定される器具本体と、前記器具本体に着脱可能に取り付けられるLEDモジュールと、を備える照明器具において、
前記LEDモジュールを前記器具本体に取り付けるために、前記照明器具の長手方向の一方の第一端部側に設置された第一取付部材と、他方の第二端部側に設置された第二取付部材と、を備え、
前記第一取付部材は、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか一方に設置されたトーションばねと、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか他方に設置された、前記トーションばねのアーム部が挿入される開口を有し、前記トーションばねと着脱自在に連結されるバネ受け部と、を有し、前記LEDモジュールを前記器具本体に取り付けた状態において、前記トーションばねの弾性力により前記LEDモジュールと前記器具本体とを引き付ける方向に付勢するように構成され、
前記第二取付部材は、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか一方に設置された挿込凸部と、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか他方に設置された、取付時に前記挿込凸部が前記取付面に略平行に挿入される挿込受け部と、を有し、前記器具本体と前記LEDモジュールを取り付けた状態において、前記器具本体に対して前記LEDモジュールの前記第二端部が離れる方向に移動しないように支持する、ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記第二取付部材は、前記照明器具の幅方向に平行な前記第二端部近傍の軸を揺動軸として、前記LEDモジュールを前記器具本体に対して揺動可能に支持することを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記挿込凸部は、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか一方の前記第二端部に設置された、取付後に前記取付面に平行となる平板であり、前記挿込受け部の前記開口は、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか他方の前記第二端部に設置された幅広開口であることを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記挿込凸部は、前記器具本体の前記第二端部に、前記第一端部に向けて内側に突出するように設置され、前記挿込受け部は前記LEDモジュールの前記第二端部に設置されていることを特徴とする請求項3項記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を照らす照明器具に関し、特に、取付面に取り付けられる器具本体に光源モジュールが着脱可能に取り付けられる照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスの天井に設置される照明器具として、LEDベースライトタイプの照明器具が多数提供されており、例えば、下記特許文献1に開示されたものが知られている。
【0003】
LEDベースライトタイプの照明器具は、天井等の取付面に固定される器具本体と、器具本体に着脱可能に取り付けられる光源モジュールとから構成されており、器具本体に対して光源モジュールを着脱可能に取り付けるための取付部材を備えている。
【0004】
下記特許文献1に開示された取付部材は、器具本体と光源モジュールの何れか一方に設置されたダブルトーションばねと、何れか他方に設置されたばね受け部とを備え、ダブルトーションばねとばね受け部とを連結することで、ばねの弾性力により器具本体と光源モジュールと引き付けて保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−22881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ダブルトーションばねとばね受け部とを連結するには、ばねのアーム部(フレーム部)を弾性力に抗しながら移動させた上でばね受け部の開口に通す必要があり、作業者が天井付近で光源モジュールを持った状態で挿入を行うのは非常に手間がかかる。
【0007】
さらに、上記特許文献1では、ダブルトーションばねを有する取付部材が長尺な照明器具の長手方向の両端にそれぞれ設置されており、このような挿入作業を両端部で2回行う必要があるため、作業者にとって器具本体への光源モジュール取付作業の負担が大きい。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、器具本体に対してLEDモジュールを容易に着脱可能に取り付けられる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る照明器具は、取付面に固定される器具本体と、前記器具本体に着脱可能に取り付けられるLEDモジュールと、を備える照明器具において、前記LEDモジュールを前記器具本体に取り付けるために、前記照明器具の長手方向の一方の第一端部側に設置された第一取付部材と、他方の第二端部側に設置された第二取付部材と、を備え、前記第一取付部材は、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか一方に設置されたトーションばねと、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか他方に設置された、前記トーションばねのアーム部が挿入される開口を有し、前記トーションばねと着脱自在に連結されるバネ受け部と、を有し、前記LEDモジュールを前記器具本体に取り付けた状態において、前記トーションばねの弾性力により前記LEDモジュールと前記器具本体とを引き付ける方向に付勢するように構成され、前記第二取付部材は、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか一方に設置された挿込凸部と、前記器具本体と前記LEDモジュールの何れか他方に設置された、取付時に前記挿込凸部が前記取付面に略平行に挿入される挿込受け部と、を有し、前記器具本体と前記LEDモジュールを取り付けた状態において、前記器具本体に対して前記LEDモジュールの前記第二端部が離れる方向に移動しないように支持する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る照明器具によれば、取付作業の際には、トーションばねのアーム部の開口への挿入作業は第一端部側で一度行うだけで良く、第二端部側は挿込作業で済むため、LEDモジュールを器具本体に容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る照明器具の斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る器具本体の斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るLEDモジュールの斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る器具本体の第一端部近傍の拡大斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るLEDモジュールの第一端部近傍の拡大斜視図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る器具本体の第二端部近傍の拡大斜視図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係るLEDモジュールの第二端部近傍の拡大斜視図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る取付部材による取付状態を示す部分拡大断面図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る照明器具の組立手順を説明するための部分拡大断面図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る照明器具の組立手順を説明するための部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。照明器具1は、天井等の取付面に固定される器具本体10と、光源モジュールであるLEDモジュール30と、器具本体10にLEDモジュール30を着脱可能に取り付けるための取付部材50とを備え、図1に示すように、全体として、長尺な略扁平直方体箱形状である。なお、取付部材50を構成する部材は、器具本体10及びLEDモジュール30を構成する部材でもある。
【0013】
器具本体10は、ベースとなる本体筐体11と、ばね受け部12と、挿込凸部15と、補助ばね部21と、ケーブル25と、コネクタ26とを備え、図2に示すように、全体として、長尺な扁平直方体箱形状である。本体筐体11は、長尺板の縁部を折り曲げた長尺扁平箱形状であり、取付面に固定される側と反対側の面が開口し、長手方向全体にわたって凹部空間11aが形成されている。なお、図2においては、器具本体10の姿勢が、図1に示す器具保体10の姿勢と上下逆になっており、天井に設置される際には、図2に示す姿勢と上下逆の姿勢で固定される。
【0014】
例えば、器具本体10が天井面にねじ留め固定される場合には、本体筐体11の下側となる面(図2において、上側の面)が開口し、下側に凹部空間11aが形成される。このLEDモジュール30と対向する凹部空間11aに、ばね受け部12、挿込凸部15及補助ばね部21が設置されている。
【0015】
ばね受け部12は、金属プレートにM字型開口13aを形成すると共に直角に折り曲げた構造であり、本体筐体11の長手方向の一方の端部(第一端部)寄りの部分に設置されている。ばね受け部12は、一方の面が本体筐体11の凹部空間11aの底面に固定され、M字型開口13aが形成された立設面13がこの底面から幅方向に平行に垂直に突出するように設置されている。
【0016】
挿込凸部15は、本体筐体11の長手方向においてバネ受け部12と反対側の端部(第二端部)に設置されている。挿込凸部15は、本体筐体11の凹部空間11aの底面から所定の高さにおいて、端部側壁から水平に内側に突出する平板である。挿込凸部15の平板は、先端が少し細くなった略長方形状である。
【0017】
補助ばね部21は、器具本体10からLEDモジュール30が落下するのを防止するための補助的な取付部材50(補助取付部材55)として機能する。補助ばね部21は、トーションばね(ねじりコイルばね)のうち、ダブルトーションばねよりも弾性力の弱いシングルトーションばねである。
【0018】
補助ばね部21は、コイル部23が幅方向に延在すると共に、先端にU字状に折り返された先端折返し部22aを備えるアーム部22が長手方向に延在するように設置される。補助ばね部21は、第二端部側であって挿込凸部15の近傍に設置される。
【0019】
補助取付部材55として補助ばね部21を採用したのは、補助ばね部21のアーム部22が本体筐体11の凹部空間11aの底面に近付く方向に付勢するように設置しておくことで、LEDモジュール30が器具本体10から取り外されている際に、アーム部22が当該底面に張り付き、補助ばね部21がコンパクトに収納されるからである。
【0020】
ケーブル25及びコネクタ26は、外部の電源から供給される電力をLEDモジュール30の電源ボックス47に供給するための部材である。
【0021】
LEDモジュール30は、図3に示すように、長尺な略扁平直方体箱形状であり、器具本体10と略同じ全長で略同じ幅である。LEDモジュール30は、光源筐体31と、図示しないLED32と、ばね部33と、挿込受け部36と、補助ばね受け部41と、ケーブル45と、電源ボックス47とを備えている。
【0022】
光源筐体31は、長尺な扁平直方体箱形状であり、組立時に器具本体10と対向する側の面(図3において上側の面)には、長手方向に全体にわたって凹部空間31aが形成されている。凹部空間31aに、ばね部33、挿込受け部36及び補助ばね受け部41が設置される。光源筐体31には、長手方向に全体にわたって、内部空間が形成されており、この内部空間内に図示しないLED32が設置されている。
【0023】
ばね部33は、ダブルトーションばねであり、そのアーム部である略U字形状のフレーム部34がLEDモジュール30の長手方向に延在するように、且つ、コイル部35が幅方向に延在するように設置されている。ばね部33は、取付時に器具本体10のばね受け部12に対向する位置であって、光源筐体31の第一端部寄りの部分に設置されており、ばね受け部12と着脱可能に連結される。
【0024】
ばね部33は、フレーム部34が光源筐体31の凹部空間31aの底面に近付く方向に付勢する。よって、後述するようにフレーム部34がばね受け部12のフランジ開口13aに挿入されて連結された際に、フレーム部34はばね受け部12をLEDモジュール30側に引っ張る。すなわち、ばね部33は、器具本体10とLEDモジュール30とを近付ける方向に弾性力で付勢する。
【0025】
なお、ばね部33は、補助ばね部21よりも弾性力が強く、LEDモジュール30を器具本体10に引き付けて支持するに十分な弾性力を有するトーションばね(ねじりコイルばね)であれば、ダブルトーションばねではなく、シングルトーションばねで合っても良い。
【0026】
挿込受け部36は、取付時に器具本体10の挿込凸部15に対向する位置であって、光源筐体31のばね部33と反対側の第二端部に設置されている。挿込受け部36は、凹部空間31aの底面から幅方向に平行に垂直に突出する平板に形成された、幅方向に長辺が位置する長方形状の幅広開口36aを備えている。器具本体10の挿込凸部15は、幅広開口36aに対して水平方向(天井取付面に平行な方向)に挿脱自在である。
【0027】
補助ばね受け部41は、長方形状の金属プレートに長円開口42aを形成すると共に、直角に折り曲げた構造であり、光源筐体31の挿込受け部36が設置された第二端部寄りの部分に設置されている。補助ばね受け部41は、一方の面が光源筐体31の凹部空間31aの底面に固定され、長円開口42aが形成された立設面42がこの底面から幅方向に平行に垂直に突出するように設置されている。
【0028】
電源ボックス47は、光源筐体31の凹部空間31aの底面に固定されており、長手方向の中央付近に設置されている。電源ボックス47は、外部電源から器具本体10のケーブル25及びコネクタ26を介して電力の供給を受け、LED32への電力の供給を制御する。
【0029】
ケーブル45は、電源ボックス47とLED32とを接続し、LED32に電力を供給する部材である。このように、本実施形態では、天井裏から供給される外部電源の電力は、器具本体10のケーブル25及びコネクタ26からLEDモジュール30の電源ボックス47へと供給され、電源ボックス47からケーブル45を介してLED32へと供給される。
【0030】
ここで、通常、コネクタを介して2つのケーブルの端部同士を接続しようとすると、左右の手でそれぞれケーブルを掴んで端部同士を付き合わせる必要がある、すなわち両手を使う必要があり、作業者が一人でLEDモジュール30を片手で支持しながらコネクタ接続作業を行うことができない。
【0031】
これに対して、本実施形態では、器具本体10とLEDモジュール30とを電気的に接続する際、器具本体10のケーブル25の先端に設置されたコネクタ26を、電源ボックス47に固定設置されているコネクタ48に直接接続するように構成している。
【0032】
電源ボックス47はLEDモジュール30に固定されており、コネクタ48もLEDモジュール30に固定されることになるため、作業者は、コネクタ48を手で掴む必要がなく、ケーブル25及びコネクタ26側だけを掴んでコネクタ26とコネクタ48との接続作業を行うことができ、もう一方の手でLEDモジュール30を支持しながら作業を行うことができる。
【0033】
もちろん、LEDモジュール30側のコネクタ48又は器具本体10側のコネクタ26のどちらかが筐体11,31に対して固定されていれば良く、器具本体10側のコネクタ26を本体筐体11に対して固定し、電源ボックス47からフレキシブルに延在するケーブル45の先端に設置されたコネクタ48を作業者が掴んでコネクタ26に接続するように構成しても良い。
【0034】
取付部材50は、第一取付部材51と、第二取付部材52と、補助取付部材55とを備えている。第一取付部材51は、着脱可能に連結されるばね受け部12とばね部33とを備えており、照明器具1の長手方向の第一端部寄りに設置されている。
【0035】
第二取付部材52は、着脱可能に連結される挿込凸部15と挿込受け部36とを備えており、照明器具1の長手方向において、第一取付部材51と逆側の他方の端部(第二端部)に設置されている。補助取付部材55は、着脱可能に連結される補助ばね部21と補助ばね受け部41とを備え、第二取付部材52の近くであって、第二端部から所定の距離長手方向中央に寄った位置に設置されている。
【0036】
図4及び図5は、第一取付部材51を構成する部材を拡大して示す斜視図であり、図6及び図7は、第二取付部材52及び補助取付部材55を構成する部材を拡大して示す斜視図である。また、図8は、第一取付部材51、第二取付部材52及び補助取付部材55による取付状態を示す拡大断面図である。
【0037】
LEDモジュール30の器具本体10への取付時、第一取付部材51に関しては、まず、LEDモジュール30側のばね部33のフレーム部34を凹部空間31aの設置底面から弾性力に抗して引っ張って離した状態で、器具本体10側のばね受け部12のM字型開口13a内に挿入する。
【0038】
そうすると、弾性力によりLEDモジュール30側に付勢されるフレーム部34は、M字型開口13aの先端両側凹部13cに当たって、ばね受け部12(器具本体10)をLEDモジュール30に近付く方向に引っ張り、これにより、第一端部において、LEDモジュール30が第一取付部材51により器具本体10に対して連結される。
【0039】
なお、フレーム部34の先端をいったんM字型開口13aに挿入すれば、LEDモジュール30をばね部33の弾性力より大きな力で下方に引っ張っても、フレーム部34の先端はM字型開口13aの先端中央凸部13bに引っかかってM字型開口13aから抜けることはない。
【0040】
LEDモジュール30の取付時、第二取付部材52に関しては、器具本体10側の挿込凸部15がLEDモジュール30の挿込受け部36の幅広開口36aに入るように、LEDモジュール30を器具本体10へと近付ける。
【0041】
ここで、幅広開口36aの高さは、挿込凸部15の厚みよりも5倍以上大きく、幅広開口36aの幅は、挿込凸部15の幅よりも約1.2倍程度大きいため、作業者は、比較的容易に挿込凸部15を幅広開口36aに挿入することができる。
【0042】
挿込凸部15を幅広開口36aに挿入すると、LEDモジュール30は挿込凸部15近傍の幅方向水平軸を揺動軸として上下方向に所定の角度揺動可能となるが、挿込凸部15の上下方向や幅方向への移動は幅広開口36aにより制限される。
【0043】
よって、挿込凸部15が長手方向に移動して幅広開口36aから抜けない限り、挿込凸部15が挿込受け部36により支持され、第二端部において、LEDモジュール30が第二取付部材52により器具本体10に対して連結される。
【0044】
本実施形態では、第二取付部材52の長手方向に延在する挿込凸部15を、器具本体10側の第二端部の側壁から長手方向内側に突出するように設置しているため、挿込凸部15が器具本体10の外側に突出することなく、照明器具1内のスペースを効率良く使用することができる。
【0045】
器具本体10とLEDモジュール30とが第二取付部材52により連結されると、作業者がLEDモジュール30の第二端部側を支持する手を離しても、挿込凸部15が幅広開口36aに引っ掛かるため、LEDモジュール30の第二端部側が器具本体10から外れて落下することはない。
【0046】
なお、第二取付部材52の構成は適宜変更可能であり、連結時にLEDモジュール30の第一端部側が上下方向に揺動可能であれば、挿込凸部15は、円形や角形の棒状、円錐形、角錐形等であっても良く、挿込受け部36は挿込凸部15に合わせた形状とすれば良い。
【0047】
LEDモジュール30の取付時、補助取付部材55に関しては、器具本体10側の補助ばね部21のアーム部22を凹部空間31aの設置底面から弾性力に抗して引っ張って離した状態で、LEDモジュール30側の補助ばね受け部41の長円開口42a内に挿入する。このとき、補助ばね部21は、シングルトーションばねであり、比較的弾性力が弱いので、容易に引っ張って移動させることができる。
【0048】
アーム部22を長円開口42a内に挿入すると、弾性力により器具本体10側に付勢されるアーム部22は、長円開口42aの先端部42bに当たって、補助ばね受け部41(LEDモジュール30)を器具本体10に近付く方向に引っ張る。
【0049】
ここで、補助ばね部21は、シングルトーションばねであり、ダブルトーションばねと比べると比較的弾性力が弱い。補助取付部材55は、器具本体10に対してLEDモジュール30を補助的に支持するものであり、照明器具1の設置後、地震等により第二取付部材51の挿込が外れてしまった場合に、LEDモジュール30の第二端部側が落下してしまわないように補助的に連結できれば良い。
【0050】
上述したように、アーム部22の先端には先端折返し部22aが形成されており、第二取付部材52による支持が外れて、LEDモジュール30の第二端部側が落下しようとしても、補助ばね受け部41の長円開口42aの部分が先端折返し部22aに引っ掛かってアーム部22により吊られるため、LEDモジュール30の第二端部側が落下するのを防止することができる。
【0051】
以上、照明器具1の構成について説明したが、続いて、照明器具1の組立手順について、図9及び図10参照しながら説明する。図9(a)〜図9(c)は、第二取付部材52及び補助取付部材55の取付手順を説明する図である。図10(a)〜図10(c)は、第一取付部材51の取付手順を説明する図である。
【0052】
器具本体10については、ねじ留めにより凹部空間11aを下方にして本体筐体11が天井に固定されており、照明器具1の組立作業は、LEDモジュール30をこの器具本体10に対して着脱可能に取り付ける作業である。
【0053】
組立にあたっては、凹部空間31aが上方を向くように、且つ、第二端部側が高くなる傾斜姿勢で、LEDモジュール30の挿込受け部36が位置する第二端部を、器具本体10の挿込凸部15が位置する第二端部へと近付ける。
【0054】
このとき、まず、器具本体10側の補助ばね部21のアーム部22の先端をLEDモジュール30側の補助ばね受け部41の長円開口42a内に挿入し、補助取付部材55により器具本体10とLEDモジュール30とを連結しておく。地震時の落下対策等を施さない現場では、補助取付部材55による補助的な連結は省略しても良い。
【0055】
続いて、挿込凸部15を幅広開口36aに挿入しながら、LEDモジュール30の第二端部を器具本体10の第二端部の内側に押し当てる。このとき、挿込凸部15が幅広開口36a内に挿入されて連結されているため、LEDモジュール30の第二端部側を作業者の手で支えなくても、LEDモジュール30の第二端部側は、挿込凸部15により支持され、落下することはない。
【0056】
よって、作業者は、LEDモジュール30の第一端部側を手で支えるだけ、すなわち、片手でLEDモジュール30を支持するだけで良く、もう一方の手で第一取付部材51や補助取付部材55の取付作業を行うことができる。
【0057】
次に、LEDモジュール30の第一端部側を上げて器具本体10に近付け、第一取付部材51による取り付けを行う。具体的には、LEDモジュール30側のばね部33のフレーム部34を起こして、器具本体10側のM字型開口13a内に挿入する。フレーム部34の先端をいったん挿入すれば、フレーム部34の先端はM字型開口13aの先端中央凸部13bに引っかかってM字型開口13aから抜けることはなく、第一取付部材51により、器具本体10に対してLEDモジュール30が連結される。
【0058】
第一取付部材51による連結後、作業者がLEDモジュール30から両手を離してもLEDモジュール30が落下することはないが、LEDモジュール30の第一端部側は、まだ器具本体10から少し離れた状態となっている。
【0059】
よって、作業者が手を使ってLEDモジュール30の第一端部側を押し上げることで、LEDモジュール30を器具本体10に対して水平に密着させることができ、組立作業を終了する。組み立てた状態では、図8に示すように、第一取付部材51のばね部33の弾性力により、LEDモジュール30の第一端部が上方に引き付けられており、LEDモジュール30は安定して器具本体10に取り付けられる。
【0060】
続いて、照明器具1の取り外し手順について説明する。LEDモジュール30を器具本体10から取り外す際には、まず、作業者は、LEDモジュール30の本体筐体31の第一端部側の第一取付部材51の設置近傍部分を掴んで下方に引っ張る。
【0061】
このとき、LEDモジュール30は、ばね部33の弾性力により上方に引っ張られているので、この弾性力よりも大きな力を加えることで、LEDモジュール30を下方に引っ張ることができる。
【0062】
下方に引っ張られたLEDモジュール30は、ばね部33のフレーム部34の先端がM字型開口13aの先端中央凸部13bに引っ掛かるまで、下方に移動する。フレーム部34の先端が先端中央凸部13bに引っ掛かった後、作業者がフレーム部34の先端を弾性力に抗して凹部空間11aに近付く方向に移動させることで、フレーム部34の先端が先端中央凸部13bを越えて、フレーム部34をM字型開口13aから抜くことができる。
【0063】
このようにして第一取付部材51を外した後に、LEDモジュール30を第一端部側に水平に移動することで、挿込凸部15が挿込受け部36の幅広開口36aから抜け、第二取付部材52も外すことができる。最後に、補助取付部材55のアーム部22を補助ばね受け部41の長円開口42aから引き抜くことで、取り外しが完了する。
【0064】
以上、本実施形態によれば、LEDモジュール30の器具本体10への取り付けに際して、第二端部側においては、挿込凸部15を挿込受け部36に挿し込むだけで取り付けを行うことができ、作業者は、第一端部側でのみ、ばね部33のアーム部(フレーム部34)をその強力な弾性力に抗して動かしながら開口(M字型開口13a)に挿入すれば良いので、作業の負荷が小さく、容易に取付作業を行うことができる。
【0065】
また、非常時のLEDモジュール30の第二端部側の落下を防ぐために、補助取付部材55による取り付けを行う場合であっても、補助ばね部21は、弾性力の弱いシングルトーションばねであり、アーム部22を比較的容易に動かすことができるため、アーム部22を補助ばね受け部41の長円開口42aの挿入作業の負担も小さく、容易に行うことができる。
【0066】
また、LEDモジュール30の取り外し作業においても、作業者は、第一端部側でのみ、ばね部33のアーム部(フレーム部34)をその強力な弾性力に抗して動かしながら開口(M字型開口13a)から抜けば良いので、容易に取り外し作業を行うことができる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、照明器具を構成する各部材の形状やサイズは適宜変形可能である。
【0068】
また、第一取付部材のばね部とばね受け部、第二取付部材の挿込凸部と挿込受け部、補助取付部材の補助ばね部と補助ばね受け部の設置場所についても、それぞれ器具本体とLEDモジュールの何れの側に設置しても良い。
【符号の説明】
【0069】
1 照明器具
10 器具本体
11 本体筐体
11a 凹部空間
12 ばね受け部
13 立設面
13a M字型開口
13b 先端中央凸部
13c 先端両側凹部
15 挿込凸部
21 補助ばね部
22 アーム部
22a 先端折返し部
23 コイル部
25 ケーブル
26 コネクタ
30 LEDモジュール
31 光源筐体
31a 凹部空間
32 LED
33 ばね部
34 フレーム部
35 コイル部
36 挿込受け部
36a 幅広開口
41 補助ばね受け部
42 立設面
42a 長円開口
42b 先端部
45 ケーブル
47 電源ボックス
48 コネクタ
50 取付部材
51 第一取付部材
52 第二取付部材
55 補助取付部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10