(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-412(P2021-412A)
(43)【公開日】2021年1月7日
(54)【発明の名称】ファンクショナルコルセット
(51)【国際特許分類】
A61F 5/02 20060101AFI20201204BHJP
【FI】
A61F5/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2019-127961(P2019-127961)
(22)【出願日】2019年6月20日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】591264717
【氏名又は名称】山田 郁史
(72)【発明者】
【氏名】山田 郁史
(72)【発明者】
【氏名】田中 栄
(72)【発明者】
【氏名】松原 全宏
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA01
4C098BB02
4C098BB16
4C098BC02
4C098BC13
4C098BC15
4C098BC35
4C098BC44
4C098BD04
4C098BD11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コルセットから体にかかる締め付ける圧力が均一で、また、圧力をモニターできるようにしたコルセットを提供する。
【解決手段】人体と、コルセット2の間に、気体或いは液体のクッション構造4を設け、外部から、気体や液体を注入できかつ、圧力をモニターできるようにしたコルセット。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎骨折において、骨折の固定方法に関するものである。脊椎骨折に使用するコルセットである。フレームコルセットにおいて、気体で膨らませるバルーン部分が内側にあり、その圧力モニターが付属したもの。
バルーン部分は手動や機械的に気体の出し入れができる、もしくはあらかじめ気体の入っているもの。
【請求項2】
請求項1で述べたものであって、気体で膨らませるバルーン部分が、フレームコルセットと、マジックテープ構造や、紐などで脱着可能になっているもの。
【請求項3】
請求項1で述べたものであって、気体で膨らませるバルーン部分が、腹部に穴をあけたまたは、除圧できるくぼみ構造を持つシャツ型あるいは、(マジックテープ等で接続することで円筒になるものを含む)円筒形になっているもの。
【請求項4】
請求項1−3で述べたものであって、コルセットの後弯角度を調節固定できる構造を持つもの。
【請求項5】
請求項1−4で述べたものであって、コルセットが、半硬性あるいは、全硬性、あるいは、ダーメンコルセットであるもの。
【請求項6】
請求項1−5で述べたものであって、気体で膨らませるバルーン部分が液体やジェル状物で膨らませるものや、モニターのないもの。
【請求項7】
請求項1−5で述べたものであって、モニターは、メモリ表示である必要はない。手の感触で、バルーン部分と比較して分かるような、いろいろな圧力にした袋であってもよい。
【請求項8】
請求項1−7で述べたものであって、バルーン部分が、複数の縦や横の筒状部をもち、その筒状部は、連続する共通空間部分を持ち、腹部の相当する場所が、くりぬかれている、あるいは除圧されている、筒型もしくはシャツ型形状のもの。また、バルーン部分はマジックテープや紐などで、コルセットに脱着できるもの。
【請求項9】
請求項1−8で述べたものであって、コルセットの胴体部分(上部と下部の連結部分)を進展させられるスライド構造のあるもの。
【請求項10】
請求項1−9で述べたものであって、バルーン部分である複数の縦や横の筒状部は、連続する共通空間部分が、いくつかに仕切られているもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨折を固定するための、コルセットであり、例えば整形外科学分野における、脊椎骨折の固定に用いる。
【背景技術】
【0002】
図1は、脊椎に含まれる腰椎の骨折1に従来のフレームコルセット2を装着した側面図である。骨折部が痛んでいるので、コルセットで補助的に外部から支える構造になっている。フレームコルセット2をじかにつけると、皮膚にあったって痛いので、フレームコルセット2の内側に布やラバー製のクッション3が装着してあるのが一般的であった。
【0003】
しかし、この方法では痛みは緩衝されるが、圧力のかかり方が不均一であるため十分上体を支えられないこと、及び、体とフレームに挟まれたクッション3部分にどのくらいの圧力がかかっているか不明であったため、カンに頼った主観的装着になっていた。これらは、歩行練習などのリハビリを遅らせた。また、コルセットを締めすぎると、特に訴えを正確にできない老人などの患者は、具合が悪くなることがあった。またコルセットを強く締めるのは力が必要であり、特に老人は有効なコルセット装着ができないことがあった。また、コルセットはかたいため、寝るとごつごつして、睡眠障害になっていた。
【0004】
問題は、従来のコルセットは不均一に圧力がかかることと、その圧力のモニターができないことであった。あるいはコルセットを強く締められないことであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、コルセットから均一に圧力がかかるようにすることと、その圧力のモニターができるようにすることである。人体と、コルセットの間に、気体或いは液体のクッション構造を設け、外部から、気体や液体を注入できかつ、圧力をモニターできるようにすることである。クッション構造が連続していれば、その部分は、圧力が均一に保てる。また、コルセット装着後に圧力を変えられるので、結果的にコルセットを強く締めると同じような効果が期待できる。また、圧力をモニターできれば、客観的治療が可能になる。更にコルセットを縦に伸ばせる構造をもてば、骨折部がけん引されるので、骨折部にかかる圧力をさらに適正に調整できる。
【0006】
図2に示すように、本発明は、フレームコルセット2に、気体或いは液体のクッション構造4を設け、圧力モニター5を設けることである。気体或いは液体の出し入れ口6がある。更に骨折部にかかる圧力を小さくするために、コルセットを装着し、クッション構造に至適圧力をかけたのちに、コルセットを縦に伸ばせる構造があってもよい。
【0007】
本発明のコルセットでは、人体と、コルセットの間に、気体或いは液体のクッション構造4を設け、外部から、気体や液体を注入できかつ、圧力をモニターできるようにする。クッション構造4はコルセットに取りつけてある。クッション構造4が連続しているので、人体にかかる圧力が均一にできる。また、コルセット装着後に、気体或いは液体の出し入れ口を用いて、圧力を変えられるので、結果的にコルセットを強く締めると同じような効果が期待できる。また、圧力をモニターできるので、客観的治療が可能になる。またクッション構造4があるため装着時のごつごつ感も緩和される。更にコルセットを縦に伸ばせる構造があれば、更に骨折部にかかる圧力を下げられるので、疼痛緩和に有効である。
これにより、上体を支持するための、コルセットの圧力を適切に保てるので、早期歩行練習を行う手助けとなる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本コルセットは、気体或いは液体のクッション構造を設け、外部から、気体や液体を注入できることで、従来の圧力が不均一等の欠点を解決した。また、圧力をモニターできるようにすることで、従来の主観的治療の欠点を解決した。
【実施例1】
【0010】
胸腰椎移行部骨折における本実施例の形態では、
図3に示すように、本発明におけるクッション構造4は、横にいかだ状に配列された部分7と、部分7の互いの空間を接続する部分8及び、腹部に対応する(面する)部分がくりぬかれた穴構造9を持つ。空気出し入れ口6及び圧力モニター5が備わっている。前方でしめるための、マジックテープの雄雌構造10を持つ。フレームコルセット2の内側に、このクッション構造4は来るが、クッション構造4は、マジックテープや、紐で、あるいは何もなしで、フレームコルセットに結び付けている。実際に使用する際は、まずクッション構造4を体に、巻いて、マジックテープで至適位置に止める。次にフレームコルセット2をその上から、装着する。フレームコルセット2とクッション構造4は、例えばマジックテープで接続する。そののち空気出し入れ口6から適正圧力になるまで空気を入れる。こうすることで、フレームコルセット2単独使用に比べ、均一圧力で、また客観的適正圧力で、リハビリを行うことができる。力のない老人が緩めにしかコルセットをしめられなくても、その後に、空気出し入れ口6から送気することで圧力が上がるので、コルセットを適正にしめたと同様の効果がある。また、寝るのもごつごつ感が減る分、快適になる。
また
図4に示すように、支柱11にコルセットを縦に伸ばす構造12がついている。
図2のようなコルセットで、装着後、支柱11を縦に伸ばすことで、骨折部の縦にかかる力を緩和できるので、疼痛がより緩和できる。また、コルセットを折り曲げた角度で固定できる構造13がついている。これにより後弯が強い症例にも装着がより快適になる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
主として医療整形外科分野の腰椎や胸椎骨折に用いることができる。
【符号の説明】
【0012】
1 骨折
2 フレームコルセット
3 クッション
4 クッション構造
5 圧力モニター
6 出し入れ口
7 部分
8 部分
9 構造
10 マジックテープの雄雌構造
11 支柱
12 縦に伸ばす構造
13 曲げた角度で固定できる構造