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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-42204(P2021-42204A)
(43)【公開日】2021年3月18日
(54)【発明の名称】キナーゼ阻害剤を用いた汗腺炎の処置
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20210219BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20210219BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20210219BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20210219BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20210219BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210219BHJP
【FI】
   A61K45/00
   A61P17/00
   A61K31/506
   A61K31/519
   A61K31/4985
   A61P43/00 111
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-151758(P2020-151758)
(22)【出願日】2020年9月10日
(31)【優先権主張番号】62/899,133
(32)【優先日】2019年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・フェンサム
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・スティーブン・ジェーステンバージャー
(72)【発明者】
【氏名】ダフィッド・リズ・オーウェン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084NA14
4C084ZA89
4C084ZC20
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZC20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヤヌスキナーゼ(JAK)を含む特定のキナーゼを阻害する化合物および類似体を使用して化膿性汗腺炎(hidradenitis suppurtiva)を処置するための方法の提供。
【解決手段】化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、JAK1阻害剤、Tyk2/JAK1阻害剤、およびTyk2阻害剤からなる群から選択されるJAK阻害剤を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、上記方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、JAK1阻害剤、Tyk2/JAK1阻害剤、およびTyk2阻害剤からなる群から選択されるJAK阻害剤を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、上記方法。
【請求項2】
前記Tyk2/JAK1阻害剤が、[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記Tyk2/JAK1阻害剤が、[(1R)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記塩が、p−トルエンスルホン酸塩である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記JAK1阻害剤が、N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミド、またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記Tyk2阻害剤が、(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル、またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記Tyk2阻害剤が、(1s,3s)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル、またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記処置が、前記対象のHiSCRスコアによって測定した場合、炎症性結節、膿瘍および排液性瘻孔を低減させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記処置が、前記対象の化膿性汗腺炎の病変のサイズの中央値を低減させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記処置が、前記対象の化膿性汗腺炎の病変に関連する前記対象の痛みを低減させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記処置が、新しい化膿性汗腺炎の病変を発生させるのにかかる前記対象の時間を増加させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
化膿性汗腺炎に関連する病変を有するヒト対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、JAK1阻害剤、Tyk2/JAK1阻害剤またはTyk2阻害剤からなる群から選択されるJAK阻害剤を、それを必要とする対象に、前記対象における化膿性汗腺炎の症状を処置するのに有効な量で、投与する工程を含む、上記方法。
【請求項13】
前記有効量が、単回用量で、または2回、3回もしくは4回/日で投与される分割用量として、約0.01〜約100mg/体重kg/日である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
化膿性汗腺炎に関連する病変を有するヒト対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミド、またはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする対象に、前記対象における化膿性汗腺炎の症状を処置するのに有効な量で、投与する工程を含む、上記方法。
【請求項15】
前記有効量が、単回用量で、または2回、3回または4回/日で投与される分割用量として、約0.01〜約100mg/体重kg/日である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヤヌスキナーゼ(JAK)を含む特定のキナーゼを阻害する化合物および類似体を使用して化膿性汗腺炎(hidradenitis suppurtiva)を処置するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
プロテインキナーゼは、タンパク質における特定の残基のリン酸化を触媒する酵素のファミリーであり、概してチロシンおよびセリン/スレオニンキナーゼに分類される。不適切なキナーゼ活性は、突然変異、過剰発現、または不適切な調節、異常調節もしくは脱調節、加えて増殖因子またはサイトカインの過剰または過少生産から生じ、これらは、これらに限定されないが、がん、心臓血管疾患、アレルギー、喘息および他の呼吸器疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨疾患、代謝性疾患、ならびに神経なおよび神経変性障害、例えばアルツハイマー病などの多くの疾患との関与が示されている。不適切なキナーゼ活性は、前述の、および関連の疾患に関与する、細胞成長、細胞分化、細胞の機能、生存、アポトーシス、ならびに細胞の移動に関する様々な生物学的な細胞の応答を駆動させる。
【0003】
したがって、プロテインキナーゼは、治療的介入のための標的としての酵素の重要なクラスとして出現した。特定には、細胞タンパク質チロシンキナーゼのJAKファミリー(JAK1、JAK2、JAK3、およびTyk2)は、サイトカインシグナル伝達において中心的な役割を果たす(Kisselevaら、Gene、2002、285、1; Yamaokaら、Genome Biology 2004、5、253)。サイトカインは、それらの受容体に結合すると、JAKを活性化し、次いでサイトカイン受容体をリン酸化し、それによってシグナル伝達分子、特に、シグナル伝達物質のメンバー、および最終的に遺伝子発現を引き起こす転写(STAT)ファミリーの活性化因子のための、ドッキング部位が生じる。多数のサイトカインが、JAKファミリーを活性化することが知られている。これらのサイトカインとしては、インターフェロン(IFN)ファミリー(IFN−アルファ、IFN−ベータ、IFN−オメガ、リミチン、IFN−ガンマ、IL−10、IL−19、IL−20、IL−22)、gp130ファミリー(IL−6、IL−11、OSM、LIF、CNTF、NNT−1/BSF−3、G−CSF、CT−1、レプチン、IL−12、IL−23)、ガンマCファミリー(IL−2、IL−7、TSLP、IL−9、IL−15、IL−21、IL−4、IL−13)、IL−3ファミリー(IL−3、IL−5、GM−CSF)、単鎖ファミリー(EPO、GH、PRL、TPO)、受容体チロシンキナーゼ(EGF、PDGF、CSF−1、HGF)、およびGタンパク質共役受容体(AT1)が挙げられる。
【0004】
化膿性汗腺炎(HS)は、通常、思春期の後に現れる、体のアポクリン腺を有する領域における痛く、根深い、炎症を起こしている病変を有する慢性、炎症性、再発性、衰弱性の皮膚疾患である。Zouboulis, C.ら、Dermatology、231(2)、184〜190頁(2015)。HSは、変動的な臨床経過を現す。この疾患の主要な特徴の1つは、間擦疹の出現であるが、他の皮膚領域も影響を受ける場合がある。影響を受ける領域は、頻度の低い順で、鼠径部、腋窩、会陰および肛門周囲、加えて、女性における乳腺下および/または乳房間の谷間、臀部、恥丘、頭皮、耳の後ろの領域およびまぶたである。
【0005】
自己報告された疾患の罹患率は、西ヨーロッパで約1%である。症状の発症から診断までの平均間隔は、7.2年である。女性は、男性の2倍から5倍の頻度で影響を受け、この疾患は、白人より黒人でより一般的であり得る。疾患の重症度は、軽度(局所的な病変)から重度(相互連結した洞路と肥厚性瘢痕を含む、広く分散した病変の複数の領域)の範囲である。瘢痕化による痛み、排液、および可動域の限定は、生活の質を低下させる可能性がある。Jemec, G.B.、New Eng. J. Med.、366: 158〜64 (2012);Kimball, A.ら、New Eng. J. Med.、375(5)、422〜434頁(2016)。
【0006】
痛みは、HSの中心的な特徴であり、これは、将来的な試験で査定されることになる近年定義されたコアアウトカムのセットに反映されている。Thorlacius, L.ら、Brit. J. Derm.、179(3)、642〜650頁(2018)。患者の大部分は、患者の痛みを4/10〜10/10の範囲の数値評価尺度−11(Numerical Rating Scale-11:NRS11)で格付けし、それを、熱い(hot)、灼けるような(burning)、つっぱった(pressure stretching)、切り裂かれるような(cutting)、鋭い(sharp)、こわばった(taut)、割れるような(splitting)、かじり続けられるような(gnawing)、しつこいヒリヒリ感(pressing sore)、ずきずきする(throbbing)、および疼くような(aching)のように、何度も記載した。現在、アダリムマブが、中度から重度のHSのための唯一の承認された薬物療法である。これは、HSに関するアダリムマブの2つの同様に設計された(PIONEER IおよびPIONEER II)第3相多施設試験に基づく。Kimball, A.ら、New Eng. J. Med.、375(5)、422〜434頁(2016)。PIONEER Iに合計307人の患者を登録し、PIONEER IIに326人を登録した。第12週における臨床応答率[化膿性汗腺炎臨床応答(HiSCR)]:膿瘍および炎症性結節の数のベースラインからの少なくとも50%の低減、膿瘍または排液性瘻孔の数の増加なしと定義された]は、アダリムマブを週1回を受けていた群において、プラセボ群の場合より有意に高かった:PIONEER Iにおいて41.8%対26.0%(P=0.003)およびPIONEER IIにおいて58.9%対27.6%(P<0.001)。PIONEER IIのみにおいて、アダリムマブを受けていた患者は、第12週における順位付けされた二次アウトカム(疾患重症度に関する、病変、痛み、および改定ザルトリウス(Sartorius)スコア)においてプラセボ群より有意に大きい改善を示した。Kimball, A.ら、同書中。研究設計間の主要な差は、PIONEER Iにおいて、HSのための経口抗生物質製剤を受けていた患者は、ベースラインの前に少なくとも28日間処置を止める必要であったが、PIONEER IIにおいて、患者は、抗生物質(テトラサイクリン系)での安定な用量での処置の継続が可能であった点である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Kisselevaら、Gene、2002、285、1; Yamaokaら、Genome Biology 2004、5、253)
【非特許文献2】Zouboulis, C.ら、Dermatology、231(2)、184〜190頁(2015)
【非特許文献3】Jemec, G.B.、New Eng. J. Med.、366: 158〜64 (2012)
【非特許文献4】Kimball, A.ら、New Eng. J. Med.、375(5)、422〜434頁(2016)
【非特許文献5】Kimball, A.ら、New Eng. J. Med.、375(5)、422〜434頁(2016)
【発明の概要】
【0008】
したがって、中度から重度のHSを有する有意な数の患者(約40%)がアダリムマブでの処置に応答しなかったことから、中度から重度のHSを有する患者における、有効な、安全な、十分許容される処置への、未だ満たされていない必要性がそれでもなお存在する。HSを処置するために、JAK1、Tyk2/JAK1、およびTyk2などの特定のキナーゼを阻害する化合物および類似体が有用であるという発見が本明細書で開示される。したがって、ヒト対象におけるHSの症状の重症度を低減させる方法が本明細書に記載される。これらの方法は、このような化合物を含む医薬組成物を対象に投与する工程を含んでいてもよく、炎症性病変(例えば、結節、膿瘍、または排液性瘻孔)の数および/またはサイズを低減する、それらの進行を防止する、それによって引き起こされる痛みを低減する、またはさらなる病変の発生を遅延させるのに効果的である。
【0009】
発明の概要
本発明は、対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、JAK1、Tyk2/JAK1、およびTyk2などのJAKを阻害する本明細書で開示される化合物のいずれかを、それを必要とする対象に投与することを含む、上記方法を提供する。
【0010】
一部の実施態様において、本発明は、対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミドまたはその医薬的な塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、上記方法を提供する。
【0011】
さらなる形態において、本発明は、対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミドを、それを必要とする対象に、0.01〜約100mg/体重kg/日の用量で、投与することを含む、上記方法を提供する。
【0012】
一部の実施態様において、本発明は、対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ−[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノンまたはその医薬的な塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、上記方法を提供する。
【0013】
さらなる形態において、本発明は、対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ−[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノンを、それを必要とする対象に、0.01〜約100mg/体重kg/日の用量で、投与することを含む、上記方法を提供する。
【0014】
一部の実施態様において、本発明は、対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリルまたはその医薬的な塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、上記方法を提供する。
【0015】
さらなる形態において、本発明は、対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリルを、それを必要とする対象に、0.01〜約100mg/体重kg/日の用量で、投与することを含む、上記方法を提供する。
【0016】
本発明に係る処置の臨床上の利益は、例えば化膿性汗腺炎臨床応答スコア(hidradenitis suppurtiva clinical response score:HiSCR)によって測定することができる。
【0017】
一部の実施態様において、JAK阻害剤は、HiSCRスコアを効果的に改善する。
また、本明細書に記載される対象における化膿性汗腺炎を処置および防止する方法に使用するための医薬品の製造におけるJAK阻害剤の使用も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、単なる一例として記載される以下の説明から、さらに理解されるものと予想される。以下の議論および実施例を介して、本発明の様々な形態をより理解できるものと予想されるが、本発明はそれらに限定されない。
【0019】
「対象」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物、コンパニオンアニマルまたは家畜動物を指す。
用語「コンパニオンアニマル(companion animal)」または「コンパニオンアニマル(companion animals)」は、ペットまたは家庭用動物として飼われている動物を指す。コンパニオンアニマルの例としては、イヌ、ネコ、およびハムスター、モルモット、アレチネズミなどを含むげっ歯類、ウサギ、フェレットおよび鳥類が挙げられる。
【0020】
用語「家畜」は、食物または繊維などの産物を生産するために、またはその労働のために農業環境で飼育または養育された動物を指す。一部の実施態様において、家畜は、哺乳動物、例えばヒトによる消費に好適である。家畜動物の例としては、ウシ、ヤギ、ウマ、ブタ、ラムを含むヒツジ、およびウサギ、加えて、鳥類、例えばニワトリ、アヒルおよびシチメンチョウが挙げられる。
【0021】
用語「処置する」または「処置」は、疾患、障害または状態に関連する症状を軽減すること、またはそれらの症状のさらなる進行もしくは悪化を止めることを意味する。患者の疾患および状態に応じて、用語「処置」は、本明細書で使用される場合、根治的処置、緩和処置および予防的処置の1種またはそれより多くを含み得る。処置はまた、本発明の医薬製剤を他の療法と組み合わせて投与することを含んでいてもよい。
【0022】
用語「治療上有効な」は、有害な副作用、典型的には代替療法に関連する副作用を回避しながら、障害を防止するかまたはその重症度を改善する薬剤の能力を示す。語句「治療上有効な」は、語句「処置、防止、または緩和に有効な」と同等であると理解されるものとし、これらのはいずれも、有害な副作用、典型的には代替療法に関連する副作用を回避しながら、各薬剤単独での処置を超える、疾患、もしくは痛み、またはそれらの他の症状の重症度、および発生頻度における改善の目標を達成すると予想される併用療法での使用のための各薬剤の量を決めることと意図される。
【0023】
「医薬的に許容される」は、「対象」での使用に好適であることを意味する。
発明の詳細な説明
本発明は、対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、JAK1、Tyk2/JAK1、およびTyk2などの特定のJAKを阻害する化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、上記方法に関する。本発明はさらに、このような阻害剤を含む医薬組成物を提供する。したがって、本発明は、化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、以下からなる群から選択される化合物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、上記方法を提供する:
[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]{(1R,5S)−3−[2−({5−フルオロ−6−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}メタノン;
(1R,5S)−N−エチル−3−[2−(1,2−チアゾール−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミド;
4−{(1R,5S)−8−[(2,2−ジフルオロシクロプロピル)メチル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−(1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−アミン;
(1R,5S)−3−(2−{[5−クロロ−6−(メチルカルバモイル)ピリジン−3−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−N−エチル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミド;
シクロプロピル[(1R,5S)−3−(2−{[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;
N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−{(1R,5S)−8−[1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}ピリミジン−2−アミン;
4−({4−[(1R,5S)−8−{[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]カルボニル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N,6−ジメチルピリジン−2−カルボキサミド;
5−({4−[(1R,5S)−8−{[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]カルボニル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N,3−ジメチルピリジン−2−カルボキサミド;
シクロプロピル[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;
3−{(1R,5S)−3−[2−(1H−ピラゾール−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}ブタンニトリル;
5−({4−[(1R,5S)−8−(シクロプロピルカルボニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N−エチル−3−メチルピリジン−2−カルボキサミド;
3−[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]ブタンニトリル;
5−({4−[(1R,5S)−8−(シクロプロピルカルボニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−メチルピリジン−2−カルボキサミド;
(1R,5S)−N−エチル−3−(2−{[5−フルオロ−6−(メチルカルバモイル)ピリジン−3−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミド;
3−クロロ−5−({4−[(1R,5S)−8−(シクロプロピルカルボニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド;
(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−N−(プロパン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミド;
(3,3−ジフルオロシクロブチル)[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;
1−({(1R,5S)−3−[2−(1H−ピラゾール−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}メチル)シクロプロパンカルボニトリル;
3−[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]ブタンニトリル;
(1S,2R)−2−{[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]カルボニル}シクロプロパンカルボニトリル;
(1R,2S)−2−{[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]カルボニル}シクロプロパンカルボニトリル;
[(1R,2R)−2−フルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;
[(1R,2R)−2−フルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;
(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミド;
(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−N−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミド;
N,3−ジメチル−5−[(4−{(1R,5S)−8−[(3−メチルオキセタン−3−イル)メチル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−カルボキサミド;
{3−[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]−1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イル}アセトニトリル;
4−({4−[8−(シアノアセチル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N−エチルベンズアミド;
(1R,5S)−N−(シアノメチル)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミド;
5−({4−[(1R,5S)−8−{[(1S,2R)−2−フルオロシクロプロピル]カルボニル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N,3−ジメチルピリジン−2−カルボキサミド;
5−({4−[(1R,5S)−8−(cis−3−シアノシクロブチル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N,3−ジメチルピリジン−2−カルボキサミド;
5−({4−[(1R,5S)−8−{[(1R)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]メチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N,3−ジメチルピリジン−2−カルボキサミド;
N,3−ジメチル−5−({4−[(1R,5S)−8−(1,2−オキサゾール−5−イルメチル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−カルボキサミド;
2−[5−({4−[(1R,5S)−8−{[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]カルボニル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−イル]−2−メチルプロパンニトリル;
3−{(1R,5S)−3−[2−(1H−ピラゾール−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}プロパンニトリル;
(1R,5S)−N−エチル−3−[2−(1H−ピラゾール−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミド;
4−[(1R,5S)−8−{[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]メチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−アミン;
[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−(2−{[5−フルオロ−6−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;
[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−(2−{[5−フルオロ−6−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)ピリジン−3−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;
[(1R,5S)−3−(2−{[5−クロロ−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリジン−3−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル][(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]メタノン;
{3−[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]オキセタン−3−イル}アセトニトリル;
[(1R,5S)−3−(2−{[5−クロロ−6−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル][(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]メタノン;
2−[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]ピリジン−4−カルボニトリル;
3−[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]シクロブタンカルボニトリル;
2−[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]−1,3−オキサゾール−5−カルボニトリル;
(1R,5S)−N−(2−シアノエチル)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキサミド;
N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−[(1R,5S)−8−(1,2−オキサゾール−4−イルメチル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
4−({4−[(1R,5S)−8−{[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]カルボニル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−6−(ヒドロキシメチル)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド;
(1−フルオロシクロプロピル)[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;
N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−[(1R,5S)−8−(1,3−チアゾール−2−イルメチル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
シクロプロピル{(1R,5S)−3−[2−(1,2−チアゾール−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}メタノン;
[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]{(1R,5S)−3−[2−({5−フルオロ−6−[(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]ピリジン−3−イル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}メタノン;
5−({4−[(1R,5S)−8−{[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]メチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N,3−ジメチルピリジン−2−カルボキサミド;
4−[(1R,5S)−8−{[(1R)−2,2−ジフルオロシクロプロピル]メチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−アミン;
6−({4−[(1R,5S)−8−(シクロプロピルカルボニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボキサミド;
5−({4−[(1R,5S)−8−(シクロプロピルカルボニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)ピリジン−2−スルホンアミド;
5−({4−[(1R,5S)−8−(トランス−3−シアノシクロブチル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−N,3−ジメチルピリジン−2−カルボキサミド;
1,2−オキサゾール−5−イル{(1R,5S)−3−[2−(1H−ピラゾール−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}メタノン;
N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−[(1R,5S)−8−(メチルスルホニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]ピリミジン−2−アミン;
(1S,2S)−2−{[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メチル}シクロプロパンカルボニトリル;
3−({4−[(1R,5S)−8−(シクロプロピルカルボニル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)−N−プロピル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
(1S,2S)−2−{[(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メチル}シクロプロパンカルボニトリル;
シクロプロピル{(1R,5S)−3−[5−フルオロ−2−(ピリダジン−4−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}メタノン;
4−({4−[6−(2,2−ジフルオロプロパノイル)−3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタ−3−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)−N−エチル−2−メチルベンズアミド;
(1S,2S)−2−シアノ−N−[(1S,5R,6R)−3−(2−{[6−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリジン−3−イル]アミノ}−5−メチルピリミジン−4−イル)−6−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
N−[(1S,5R)−3−(5−クロロ−2−{[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
(1S)−2,2−ジフルオロ−N−[(1S,5R,6R)−3−(5−フルオロ−2−{[1−(オキセタン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−6−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
(1S)−2,2−ジフルオロ−N−[(1S,5S)−3−{5−フルオロ−2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−5−(ヒドロキシメチル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
N−{(1S,5R,6R)−3−[5−フルオロ−2−({6−[(2S)−1−ヒドロキシプロパン−2−イル]ピリジン−3−イル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−6−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル}シクロプロパンカルボキサミド;
5−[(4−{(1S,5R,6R)−1−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−6−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル}−5−フルオロピリミジン−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチルピリジン−2−カルボキサミド;
N−{(1S,5R,6R)−3−[2−({5−クロロ−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]ピリジン−3−イル}アミノ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]−6−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル}シクロプロパンカルボキサミド;
(1R)−2,2−ジフルオロ−N−[(1R,5S,6S)−3−{5−フルオロ−2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−6−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
5−[(4−{(1R,5S,6S)−1−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−6−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル}−5−フルオロピリミジン−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチルピリジン−2−カルボキサミド;
N−[(1R,5S)−3−(5−クロロ−2−{[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
N−{(1S,5R,6R)−3−[5−フルオロ−2−({6−[(2R)−1−ヒドロキシプロパン−2−イル]ピリジン−3−イル}アミノ)ピリミジン−4−イル]−6−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル}シクロプロパンカルボキサミド;および
(1S)−2,2−ジフルオロ−N−[(1R,5S,6S)−3−{5−フルオロ−2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−6−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−1−イル]シクロプロパンカルボキサミド;
またはその医薬的に許容される塩。
【0024】
本発明はまた、前記化合物が、[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;またはその医薬的に許容される塩である、前記方法も提供する。本発明はさらに、前記塩が、p−トルエンスルホン酸塩である、上記方法を提供する。
【0025】
本発明はまた、前記化合物が、[(1R)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;またはその医薬的に許容される塩である、前記方法も提供する。
【0026】
本発明はさらに、化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、以下からなる群から選択される化合物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、上記方法を提供する:
4−シアノ−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}ピリジン−2−スルホンアミド;
2,2,2−トリフルオロ−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−エタンスルホンアミド;
2−メチル−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミド;
N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}プロパン−1−スルホンアミド;
1−シクロプロピル−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−メタンスルホンアミド;
N−{cis−3−[(ブチルスルホニル)メチル]シクロブチル}−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
1−シクロプロピル−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−アゼチジン−3−スルホンアミド;
3−シアノ−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−アゼチジン−1−スルホンアミド;
(1R,5S)−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−6−オキサ−3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−スルホンアミド;
(3R)−3−シアノ−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−ピロリジン−1−スルホンアミド;
(3S)−3−シアノ−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−ピロリジン−1−スルホンアミド;
N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−1−(オキセタン−3−イル)メタン−スルホンアミド;
1−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}メタン−スルホンアミド;
トランス−3−(シアノメチル)−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロブチル}シクロ−ブタンスルホンアミド;
cis−3−(シアノメチル)−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]−シクロブチル}シクロブタン−スルホンアミド;
N−[cis−3−({[(3,3−ジフルオロシクロブチル)メチル]スルホニル}メチル)シクロブチル]−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
(1S,5S)−1−シアノ−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−スルホンアミド;
(1R,5R)−1−シアノ−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−スルホンアミド;
(3R)−1−[({cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3−カルボニトリル;
1−[({cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}メチル)スルホニル]−4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−4−オール;
N−(cis−3−{[(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)スルホニル]メチル}シクロブチル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
(3S)−1−[({cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}メチル)スルホニル]ピロリジン−3−カルボニトリル;
N−(cis−3−{[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル]メチル}シクロブチル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
N−(cis−3−{[(2−シクロプロピルエチル)スルホニル]メチル}シクロブチル)−N−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
N−メチル−N−[cis−3−({[1−(プロパン−2−イル)ピロリジン−3−イル]スルホニル}メチル)シクロブチル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;
3,3−ジフルオロ−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}シクロブタン−スルホンアミド;
1−[3−(シアノメチル)オキセタン−3−イル]−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−メタンスルホンアミド;
cis−3−(シアノメチル)−3−メチル−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−シクロブタンスルホンアミド;
トランス−3−(シアノメチル)−3−メチル−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}シクロブタンスルホンアミド;
N−(2−シアノエチル)−N−メチル−N’−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}硫酸ジアミド;
N−{(1S,3R)−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロペンチル}プロパン−1−スルホンアミド;
3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}ベンゼン−スルホンアミド;
N−(シクロプロピルメチル)−N’−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}硫酸ジアミド;
N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−4−(1H−ピラゾール−3−イル)ピペリジン−1−スルホンアミド;
2−メチル−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−スルホンアミド;
N−シクロプロピル−1−{トランス−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}メタン−スルホンアミド;
2−[({cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}メチル)スルホニル]ピリジン−4−カルボニトリル;
(1S,3S)−3−[({cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}メチル)−スルホニル]シクロペンタンカルボニトリル;
(1R,3R)−3−[({cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}メチル)スルホニル]シクロペンタンカルボニトリル;
1−シクロプロピル−N−{トランス−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}メタンスルホンアミド;
3−シアノ−N−{トランス−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}ピロリジン−1−スルホンアミド;
N−メチル−N−{トランス−3−[(プロピルスルホニル)メチル]シクロブチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン;および
2−メチル−N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−1,3−チアゾール−5−スルホンアミド;またはその医薬的に許容される塩。
【0027】
本発明はまた、化合物が、N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミド、またはその医薬的に許容される塩である、前記方法も提供する。
【0028】
本発明はさらに、化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、以下からなる群から選択される化合物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、上記方法を提供する:
(1r,3r)−3−(4−(6−(3−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−(シアノメチル)シクロブタン−1−カルボニトリル;
2,2’−(3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アゼチジン−1,3−ジイル)ジアセトニトリル;
2−((1s,3r)−1−(4−(6−(5−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−メトキシシクロブチル)アセトニトリル;
5−(4−(1−((1s,3r)−1−(シアノメチル)−3−メトキシシクロブチル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−6−イル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
(1s,3s)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(5−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル;
(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル;
(1s,3s)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル;
(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(3−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル;
2−((1r,3s)−1−(4−(6−(3−アミノ−1H−ピラゾール−5−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)−3−メトキシシクロブチル)アセトニトリル;
2−(1−エチル−3−(4−(6−(5−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)アゼチジン−3−イル)アセトニトリル;
(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル(トランス異性体);
(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル;および
またはその医薬的に許容される塩。
【0029】
本発明はまた、化合物が、(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル、またはその医薬的に許容される塩である、前記方法も提供する。
【0030】
本発明はまた、化合物が、(1s,3s)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル、またはその医薬的に許容される塩である、前記方法も提供する。
【0031】
本発明はまた、化合物の投与の後に、対象のHiSCRスコアが改善される、前記方法も提供する。
本発明はまた、医薬組成物の投与後に、対象の化膿性汗腺炎の病変のサイズの中央値が低減される、前記方法も提供する。
【0032】
本発明はまた、対象の化膿性汗腺炎の病変に関連する対象の痛みが、化合物の投与後に低減される、前記方法も提供する。
本発明はまた、新しい化膿性汗腺炎の病変を発生させる対象の時間が、化合物の投与後に増加する、前記方法も提供する。
【0033】
本発明はさらに、化膿性汗腺炎の処置および防止における使用のための、上に記載されたいずれかの化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物または動物用組成物を提供する。
【0034】
本発明はまた、化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、JAK1、Tyk2/JAK1またはTyk2を阻害する化合物を、それを必要とする対象に、対象における化膿性汗腺炎の症状を処置するのに有効な量で、投与する工程を含む、上記方法も提供する。
【0035】
本発明はまた、前記有効量が、単回用量で、または2回、3回または4回/日で投与される分割用量として、約0.01〜約100mg/体重kg/日、またはより好ましくは約0.1〜約10.0mg/kgである、方法も提供する。
【0036】
本発明はまた、化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミド、またはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする対象に、対象における化膿性汗腺炎の症状を処置するのに有効な量で、投与する工程を含む、上記方法も提供する。
【0037】
本発明はまた、前記有効量が、単回用量で、または2回、3回または4回/日で投与される分割用量として、約0.01〜約100mg/体重kg/日、またはより好ましくは約0.1〜約10.0mg/kgである、方法も提供する。
【0038】
本発明はまた、化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノンまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする対象に、対象における化膿性汗腺炎の症状を処置するのに有効な量で投与する工程を含む、上記方法も提供する。
【0039】
本発明はまた、前記有効量が、単回用量で、または2回、3回または4回/日で投与される分割用量として、約0.01〜約100mg/体重kg/日、またはより好ましくは約0.1〜約10.0mg/kgである、方法も提供する。本発明はまた、前記有効量が、約45mgのQD投与である、方法も提供する。
【0040】
本発明はまた、塩が、p−トルエンスルホン酸塩である、方法も提供する。
本発明はまた、化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法であって、(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリルまたはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする対象に、対象における化膿性汗腺炎の症状を処置するのに有効な量で、投与する工程を含む、上記方法も提供する。
【0041】
本発明はまた、前記有効量が、単回用量で、または2回、3回または4回/日で投与される分割用量として、約0.01〜約100mg/体重kg/日、またはより好ましくは約0.1〜約10.0mg/kgである、方法も提供する。本発明はまた、前記有効量が、約400mgのQD投与である、方法も提供する。
【0042】
哺乳動物における障害を処置するための治療的使用において、本発明の化合物またはその医薬組成物は、経口、非経口、局所、直腸、経粘膜、または腸内に投与することができる。非経口投与は、全身性作用を生じさせるための間接的な注射、または罹患した領域への直接注射を含む。局所投与は、局所適用によって容易に接近可能な皮膚または臓器の処置、例えば目または耳の処置を含む。局所投与はまた、全身性作用を生じさせるための経皮送達も含む。直腸内投与は、坐剤の形態を含む。好ましい投与経路は、経口、局所および非経口である。
【0043】
本発明の医薬組成物は、当業界において周知の方法によって、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠の形成、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封じ込め、凍結乾燥プロセスまたは噴霧乾燥の手段によって製造することができる。
【0044】
本発明に従って使用するための医薬組成物は、活性化合物の医薬的に使用できる調整物への加工を容易にする賦形剤および助剤を含む、1種またはそれより多くの医薬的に許容される担体を使用して、従来の方式で製剤化することができる。適した製剤は、選択された投与経路によって決まる。医薬的に許容される賦形剤および担体は、一般的に当業者公知であり、したがって本発明に含まれる。このような賦形剤および担体は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Pub. Co.、ニュージャージー州 (1991) に記載されている。本発明の製剤は、短時間作用型、迅速放出、長時間作用性、および持続放出性になるように設計することができる。したがって、医薬製剤はまた、制御放出または遅延放出のためにも製剤化することができる。
【0045】
本発明での使用に好適な医薬組成物は、活性成分が、意図された目的、すなわちHSの制御または処置を達成するのに十分な量で含有されている組成物を含む。より具体的には、治療有効量は、疾患の症状/兆候を防止する、軽減する、もしくは緩和する、または処置されている対象の生存を延長するのに有効な化合物の量を意味する。
【0046】
医薬組成物およびその単位剤形中の本発明の化合物である活性成分の量は、投与方式、特定の化合物の効力および望ましい濃度に応じて広く変更または調整することができる。治療有効量の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。一般的に、活性成分の量は、組成物の重量に基づき0.01%〜99%の範囲と予想される。
【0047】
活性成分の投薬の治療有効量は、一般的に、約0.01〜約100mg/体重kg/日、好ましくは、約0.1〜約10mg/体重kg/日、より好ましくは、約0.3〜3mg/体重kg/日、さらにより好ましくは、約0.3〜1.5mg/体重kg/日の範囲であると予想される。投薬量は、各対象の要求および処置されている障害または疾患の重症度に応じて変更できることが理解されると予想される。
【0048】
望ましい用量は、単回用量で、または適切な間隔で、例えば、1日当たり2回、3回、4回またはそれより多くの部分用量として投与される分割用量として都合よく提供することができる。部分用量それ自体をさらに、例えば、多数の別個の大まかに間隔を開けた投与に分割してもよく、例えば、注入器からの複数回の吸入に分割してもよいし、または目への複数回の滴下の適用によって分割してもよい。
【0049】
また、投与される最初の投薬量は、望ましい血漿濃度を急速に達成するために、上記の上のレベルを超えて増加させてもよいことも理解されると予想される。一方で、最初の投薬量は、最適な量より少なくてもよく、1日の投薬量は、特定の状況に応じて処置の経過中に漸増させてもよい。必要に応じて、1日用量を、複数回の投与用量に、例えば、2回〜4回/日に分割してもよい。
【0050】
本明細書に記載の化合物、もしくはその医薬的に許容される塩、または前記化合物もしくは塩の医薬的に許容される溶媒和物との併用療法、特定には、疾患の処置における使用に好適な薬剤としては、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト;ロイコトリエンアンタゴニスト(LTRA)、例えばLTB、LTC、LTD、LTE、CysLTまたはCysLTのアンタゴニスト、例えば、モンテルカストまたはザフィルルカスト;ヒスタミン受容体アンタゴニスト、例えばヒスタミン1型受容体アンタゴニストまたはヒスタミン2型受容体アンタゴニスト、例えば、ロラタジン(loratidine)、フェキソフェナジン、デスロラタジン(desloratidine)、レボセチリジン、メタピリレンまたはセチリジン;α1−アドレナリン受容体アゴニストまたはα2−アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、フェニレフリン、メトキサミン、オキシメタゾリンまたはメチルノルエフリン(methylnorephrine);ムスカリン様M3受容体アンタゴニスト、例えばチオトロピウムまたはイプラトロピウム;二重ムスカリン様M3受容体アンタゴニスト(antagononist)/β2アゴニスト;PDE阻害剤、例えばPDE3阻害剤、PDE4阻害剤またはPDE5阻害剤、例えば、テオフィリン、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、イブジラスト、シロミラストまたはロフルミラスト;カロモグリク酸ナトリウムまたはナトリウムネドクロミル;シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、例えば非選択的阻害剤(例えば、アスピリンまたはイブプロフェン)または選択的阻害剤(例えばセレコキシブまたはバルデコキシブ);糖質コルチコステロイド、例えば、フルチカゾン、モメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ブデソニド、シクレソニドまたはベクロメタゾン(beclamethasone);抗炎症性モノクローナル抗体、例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、タネズマブ、ラニビズマブ、ベバシズマブまたはメポリズマブ;β2アゴニスト、例えば、サルメテロール、アルブテロール、サルブタモール、フェノテロールまたはホルモテロール、特定には長時間作用性β2アゴニスト;インテグリン(intigrin)アンタゴニスト、例えば、ナタリズマブ;接着分子阻害剤、例えばVLA−4アンタゴニスト;キニンBまたはB受容体アンタゴニスト;免疫抑制剤、例えばIgE経路の阻害剤(例えば、オマリズマブ)またはシクロスポリン;マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤、例えばMMP−9またはMMP−12の阻害剤;タキキニンNK、NKまたはNK受容体アンタゴニスト;プロテアーゼ阻害剤、例えばエラスターゼ、キマーゼまたはカテプシン(catheopsin)Gの阻害剤;アデノシンA2a受容体アゴニスト;アデノシンA2b受容体アンタゴニスト;ウロキナーゼ阻害剤;ドーパミン受容体アゴニスト(例えば、ロピニロール)、特定にはドーパミンD2受容体アゴニスト(例えば、ブロモクリプチン);NFκB経路のモジュレーター、例えばIKK阻害剤;サイトカインシグナル伝達経路のさらなるモジュレーター、例えばsykキナーゼ、p38キナーゼ、SPHK−1キナーゼ、Rhoキナーゼ、EGF−RまたはMK−2の阻害剤;粘液溶解剤、粘液作動薬(mucokinetic)または鎮咳剤;抗生物質;抗ウイルス剤;ワクチン;ケモカイン;上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)ブロッカーまたは上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)阻害剤;ヌクレオチド受容体アゴニスト、例えばP2Y2アゴニスト;トロンボキサン阻害剤;ナイアシン;5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤、例えば、ジロートン;接着因子、例えばVLAM、ICAMまたはELAM;CRTH2受容体(DP)アンタゴニスト;プロスタグランジンD受容体(DP)アンタゴニスト;造血性プロスタグランジンD2シンターゼ(HPGDS)阻害剤;インターフェロン−β;可溶性ヒトTNF受容体、例えば、エタネルセプト;HDAC阻害剤;ホスホイノシチド(phosphoinositotide)3−キナーゼガンマ(PI3Kγ)阻害剤;ホスホイノシチド3−キナーゼデルタ(PI3Kδ)阻害剤;CXCR−1またはCXCR−2受容体アンタゴニスト;IRAK−4阻害剤;およびTLR−4またはTLR−9阻害剤、加えて、具体的に命名された化合物の医薬的に許容される塩、ならびに前記具体的に命名された化合物および塩の医薬的に許容される溶媒和物などが挙げられる。
【0051】
化学合成
本発明の化合物は、当業界において公知のあらゆる方法によって調製することができる。特定には、本発明の化合物は、開示された先行技術文献への参照によって記載された手順により調製することができる。
【0052】
N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミドを含む、JAK1を特異的に阻害する化合物に関して、調製方法は、その内容が本明細書にその全体が取り入れられる米国特許第9,035,074号に開示される。
【0053】
[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノンを含む、Tyk2/JAK1を特異的に阻害する化合物に関して、調製方法は、その内容が本明細書にその全体が取り入れられる米国特許第9,663,526号に開示される。
【0054】
(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリルを含む、Tyk2を特異的に阻害する化合物に関して、調製方法は、その内容が本明細書にその全体が取り入れられる米国特許第10,144,738号に開示される。
【0055】
実施例
以下の非限定的な実施例は、単に本発明を例示するために提示される。当業者は、例示されていない多数の均等物およびバリエーションがあるが、それらはなお本発明の教示の一部を構成することを理解するものと予想される。
【実施例1】
【0056】
化膿性汗腺炎臨床応答(HiSCR)
この研究は、中度から重度のHSの経口処置における、検査される治療剤の効能、安全性、忍容性および薬物動態学のデータを提供するために実行される。この研究の最大持続時間は、およそ26週間となる。これは、最大6週間のスクリーニング期間、16週間の投与期間、および4週間の追跡調査期間を含む。この研究は、合計およそ192人の参加者を登録する(およそ156人の完了者(completer)をもたらすことが予測される)。スクリーニング期間後、ベースラインの診察時に適格基準を満たす参加者を、6種の処置のうち1つを受けるようにランダムに割り振る。各治療剤、すなわち、[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン(45mg QD)および(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル(400mg QD)、または3:1の比率での対応するプラセボのうち1つの経口用量レベルを調査する。分析のために、プラセボ群を、各IPおよびプラセボにつき1:1:1:1の最終的なIP:プラセボの比率が得られるように組み合わせる。登録した参加者の30%以下が、不十分な抗TNF応答者となる。参加者が不十分な抗TNF応答者であるかまたはそうでないかに従って、参加者を階層化する。
【0057】
加えて、登録した参加者の20%以下が、HSを処置するための付随する経口抗生物質療法のバックグラウンドで、研究に入ることができる;用量レジメン(用量および頻度)は、ベースライン(1日目)の診察前の少なくとも8週間(56日間)、安定でなければならず、研究参加中も安定なままでなければならない。「必要に応じて」(PRN)に基づき摂取する抗生物質は、安定な投与とみなされない。参加者が付随する抗生物質療法のバックグラウンドがあるか、またはないかに従って、参加者を階層化する。各アセット(asset)の慢性毒性パッケージが、計画された16週間の研究処置期間をサポートする。化膿性汗腺炎臨床応答の使用される一次エンドポイントは、以下のように定義される:
ベースラインに比べて、全膿瘍および炎症性結節(AN)数が少なくとも50%低減していること、および膿瘍数の増加がないこと、および排液性瘻孔数の増加がないこと。
【実施例2】
【0058】
病変数
炎症性および非炎症性結節、膿瘍、排液性および非排液性瘻孔、ならびに肥厚性瘢痕の数、加えて体の配置(右/左腋下、右/左乳房下部、乳房間、右/左臀部、右/左鼠径部と大腿との間の溝、肛門周囲、会陰など)を、当業界の標準に従って評価する。
【実施例3】
【0059】
膿瘍数
上記で定義された領域のそれぞれにおける膿瘍の数(波動性、排液の有無、触ると痛い、または痛い)を数える。
【実施例4】
【0060】
炎症性結節数
上記で定義された領域のそれぞれにおける炎症性結節の数(触ると痛い、紅斑性、化膿性肉芽腫の病変)を数える。
【実施例5】
【0061】
瘻孔数
上記で定義された領域のそれぞれにおける瘻孔の数(洞路、皮膚表面への連通、膿性液の排液)を数える。
【実施例6】
【0062】
ハーレー(Hurley)の病期分類
ハーレーの病期分類は、以下のように定義される:
ステージI:単一または複数の膿瘍形成、洞路および瘢痕化(傷跡)がない。
【0063】
ステージII:1つまたはそれより多くの広く分離した再発性の膿瘍を有し、洞形成および瘢痕化(傷跡)を伴う。
ステージIII:領域全体にわたり複数の相互接続した洞路および膿瘍、びまん性またはほぼびまん性の病変の関与。
【0064】
ハーレーの病期分類は、当業界の標準に従って実行される。
【実施例7】
【0065】
改定ザルトリウス尺度
改定ザルトリウススコアを、以下の12個の解剖学上の領域:左腋下、右腋下、左乳腺下/乳房下部領域、右乳腺下/乳房下部領域、乳房間の領域、左臀部、右臀部、左鼠径部と大腿との間の溝、右鼠径部と大腿との間の溝、肛門周囲の領域、会陰領域などにおける病変を数えることによって計算する。各解剖学上の領域につき、以下のように局部的なザルトリウススコアを計算する:
関与する解剖学上の領域:関与する領域1つ当たり3ポイント(すなわち、この解剖学上の領域中の任意の病変数>0;それ以外は0ポイント)。
【0066】
病変(膿瘍、結節、瘻孔、瘢痕)の数およびスコア:各結節(炎症性および非炎症性)に対して2ポイント、各膿瘍に対して4ポイント、各瘻孔(排液性および非排液性)に対して4ポイント、各肥厚性瘢痕に対して1ポイント、各「その他」に対して1ポイント。
【0067】
2つの相関する病変の間の最長距離(すなわち、活動性の病変がない場合は、0;2つの関連する病変の間の最長距離またはサイズが<50mmの場合、2;2つの関連する病変の間の最長距離またはサイズが≧50mmおよび<100mmの場合、4;2つの関連する病変の間の最長距離またはサイズが≧100mmの場合、6。
【0068】
各領域における正常な皮膚によって明確に分離した病変:全ての病変が正常な見かけの皮膚によって明確に分離している場合、0ポイント;それ以外の場合、6ポイント。
トータルの改定ザルトリウススコアは、全ての12個の局部的なスコアの合計である。
【実施例8】
【0069】
紅斑の評価
紅斑の全体の程度を、HSの影響を受けた各解剖学上の領域につき、0(発赤なし)、1(かすかな、ただし認識できるピンク色を呈する)、2(中程度の赤色を呈する)、または3(強い赤色または明るい赤色を呈する)にわたる範囲の4ポイントの評価尺度を使用して評価する。
【手続補正書】
【提出日】2020年12月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化膿性汗腺炎に関連する病変を有する対象における化膿性汗腺炎を処置するための医薬組成物または動物用組成物であって、JAK1阻害剤、Tyk2/JAK1阻害剤、およびTyk2阻害剤からなる群から選択されるJAK阻害剤、並びに1種またはそれより多くの医薬的に許容される担体を含む、上記医薬組成物または動物用組成物
【請求項2】
前記Tyk2/JAK1阻害剤が、[(1S)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の組成物
【請求項3】
前記Tyk2/JAK1阻害剤が、[(1R)−2,2−ジフルオロシクロプロピル][(1R,5S)−3−{2−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]ピリミジン−4−イル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]メタノン;またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の組成物
【請求項4】
前記塩が、p−トルエンスルホン酸塩である、請求項2または3に記載の組成物
【請求項5】
前記JAK1阻害剤が、N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミド、またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の組成物
【請求項6】
前記Tyk2阻害剤が、(1r,3r)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル、またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の組成物
【請求項7】
前記Tyk2阻害剤が、(1s,3s)−3−(シアノメチル)−3−(4−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)シクロブタン−1−カルボニトリル、またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の組成物
【請求項8】
前記処置が、前記対象のHiSCRスコアによって測定した場合、炎症性結節、膿瘍および排液性瘻孔を低減させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物
【請求項9】
前記処置が、前記対象の化膿性汗腺炎の病変のサイズの中央値を低減させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物
【請求項10】
前記処置が、前記対象の化膿性汗腺炎の病変に伴う前記対象の痛みを低減させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物
【請求項11】
前記処置が、新しい化膿性汗腺炎の病変を発生させるのにかかる前記対象の時間を増加させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物
【請求項12】
化膿性汗腺炎に関連する病変を有するヒト対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法において使用するための医薬であって、該方法は、JAK1阻害剤、Tyk2/JAK1阻害剤およびTyk2阻害剤からなる群から選択されるJAK阻害剤を、それを必要とする対象に、前記対象における化膿性汗腺炎の症状を処置するのに有効な量で、投与する工程を含む、上記医薬
【請求項13】
前記有効量が、単回用量で、または2回、3回もしくは4回/日で投与される分割用量として、約0.01〜約100mg/体重kg/日である、請求項12に記載の医薬
【請求項14】
化膿性汗腺炎に関連する病変を有するヒト対象における化膿性汗腺炎を処置するための方法において使用するための医薬であって、該方法は、N−{cis−3−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロブチル}−プロパン−1−スルホンアミド、またはその医薬的に許容される塩を、それを必要とする対象に、前記対象における化膿性汗腺炎の症状を処置するのに有効な量で、投与する工程を含む、上記医薬
【請求項15】
前記有効量が、単回用量で、または2回、3回または4回/日で投与される分割用量として、約0.01〜約100mg/体重kg/日である、請求項14に記載の医薬
【外国語明細書】
2021042204000001.pdf