【実施例】
【0091】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0092】
なお、以下の各実施例および比較例で得られた化合物の物性は、以下の方法に基づいて調べた。
【0093】
〔モノマーおよびポリマーの構造〕
モノマーおよびポリマーの構造は、核磁気共鳴(
1H−NMR)およびフ−リエ変換赤外分光(FT−IR)によって決定した。
【0094】
核磁気共鳴(
1H−NMR)は、核磁気共鳴分光装置〔ブルカー(Bruker)社製、商品名:AVANCE III HD NMR Spectrometer 400MHz〕を用い、サンプル5mgをジメチルスルホキシド−d
60.5mLに溶解させ、得られた溶液をガラス製サンプルチュ−ブに移し、25℃の温度で積算回数16にて測定した。
【0095】
フ−リエ変換赤外分光(FT−IR)は、フ−リエ変換型赤外分光装置〔バーキン・エルマー(Perkin Elmer)社製、品番: Spectrum 100 (ATR法)〕を用い、測定波数領域を400cm
-1〜4000cm
-1とし、積算回数4回にて測定した。
【0096】
〔モノマーの分子量およびポリマーの平均分子量〕
モノマーの分子量およびポリマーの平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)によって測定した。より具体的には、装置として送液ポンプユニット〔日本分光(株)製、品番:PU-2080〕、カラムオーブン〔ジーエル・サイエンス(GL Science)社製、品番:CO 631A、設定温度:40 ℃〕、紫外可視検出器〔日本分光(株)製、品番:UV−2075〕、示差屈折計〔日本分光(株)製、品番:RI-2031〕、カラム〔昭和電工(株)製、商品名:Shodex SB−806 MHQ、2本〕、標準物質(ポリメチルメタクリレートスタンダ−ド、分子量:30701、7360、18500、68800、211000、569000、1050000)、移動相(0.01mol/LのLiBrのN,N−ジメチルスルホキシド溶液)を用い、溶液の流速を1.0mL/minに調節してモノマーの分子量およびポリマーの平均分子量を測定した。
【0097】
製造例1(ポリアミドの調製)
式:
【0098】
【化17】
【0099】
(式中、nは重合度を示す)
で表わされる反応式に基づき、以下の方法により、ポリアミドを調製した。
【0100】
2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液と、4,4’−ジアセトアミド−α−トルキシル酸410.4mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液とを室温下で大気中にて混合することにより、混合溶液を調製した。前記で得られた混合溶液を3時間静置したところ、析出物が生じた。得られた析出物を濾過することによって回収し、減圧下(約10kPa)で80℃に加熱することにより、ポリアミドを得た。
【0101】
前記で得られたポリアミドの熱重量分析を行なった。その結果を
図1に示す。なお、熱重量分析の測定条件は、以下のとおりである。
【0102】
〔熱重量分析の測定条件〕
熱重量分析には、熱重量−示差熱同時測定装置〔(株)日立ハイテクノロジ−ズ製、商品名:STA7200〕を用いた。窒素ガス雰囲気中にて昇温速度10℃/minで800℃までポリマーを加熱することにより、熱重量分析を行なった。
【0103】
製造例2(ポリイミドの調製)
式:
【0104】
【化18】
【0105】
(式中、nは重合度を示す)
で表わされる反応式に基づき、以下の方法により、ポリイミドを調製した。
【0106】
2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液と、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196.1mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液とを室温下で大気中にて混合することにより、混合溶液を調製した。前記で得られた混合溶液は、当初、透明であったが、しだいに白濁になった。混合溶液を調製してから48時間経過後に当該混合溶液を濾過することにより、ポリアミド酸を回収した。
【0107】
次に、前記で得られたポリアミド酸を100℃から250℃まで段階的に加熱することによってイミド化させてポリイミドを得た。前記で得られたポリイミドの赤外吸収スペクトルを
図2に示す。
【0108】
実施例1〔メチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
メチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート250.3mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、メチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネートと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0109】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の繊維状の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0110】
【化19】
【0111】
で表わされる繰り返し単位を有するメチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(MDI−PU)365.1mgを得た(収率:97.0%)。前記で得られたメチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(MDI−PU)の数平均分子量は7350であり、重量平均分子量は20871であり、分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は2.84であった。前記で得られたメチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(MDI−PU)の
1H−NMRスペクトルを
図3に、FT−IRスペクトルを
図4に、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)のチャートを
図5に示す。
【0112】
実施例2〔4,4’−ジイソシアネート3,3’−ジメチルジフェニルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
4,4’−ジイソシアネート3,3’−ジメチルジフェニルメタン278.3mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、4,4’−ジイソシアネート3,3’−ジメチルジフェニルメタンと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0113】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0114】
【化20】
【0115】
で表わされる繰り返し単位を有する4,4’−ジイソシアネート3,3’−ジメチルジフェニルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(DMMDI−PU)191.2mgを得た(収率:47.3%)。前記で得られた4,4’−ジイソシアネート3,3’−ジメチルジフェニルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(DMMDI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。
【0116】
実施例3〔2,4−トルエンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
2,4−トルエンジイソシアネート174.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、2,4−トルエンジイソシアネートと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0117】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0118】
【化21】
【0119】
で表わされる繰り返し単位を有する2,4−トルエンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(2,4−TDI−PU)258.3mgを得た(収率:86.0%)。前記で得られた2,4−トルエンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(2,4−TDI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られた2,4−トルエンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(2,4−TDI−PU)の
1H−NMRスペクトルを
図6に、FT−IRスペクトルを
図7に示す。
【0120】
実施例4〔2,6−トルエンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
2,6−トルエンジイソシアネート174.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、2,6−トルエンジイソシアネート)と2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0121】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0122】
【化22】
【0123】
で表わされる繰り返し単位を有する2,6−トルエンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(2,6−TDI−PU)278.4mgを得た(収率:92.7%)。前記で得られた2,6−トルエンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(2,6−TDI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られた2,6−トルエンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(2,6−TDI−PU)のFT−IRスペクトルを
図8に示す。
【0124】
実施例5〔1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
1,3−フェニレンジイソシアネート160.1mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、1,3−フェニレンジイソシアネートと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0125】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0126】
【化23】
【0127】
で表わされる繰り返し単位を有する1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,3−PDI−PU)287.7mgを得た(収率:100%)。前記で得られた1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,3−PDI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られた1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,3−PDI−PU)の
1H−NMRスペクトルを
図9に、FT−IRスペクトルを
図10に示す。
【0128】
実施例6〔1,4−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
1,4−フェニレンジイソシアネート160.1mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、1,4−フェニレンジイソシアネートと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0129】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の繊維状の固体を回収した。前記で得られた白色の固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0130】
【化24】
【0131】
で表わされる繰り返し単位を有する1,4−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,4−PDI−PU)264.1mgを得た(収率:92.2%)。前記で得られた1,4−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,4−PDI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られた1,4−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,4−PDI−PU)の
1H−NMRスペクトルを
図11に、FT−IRスペクトルを
図12に示す。
【0132】
実施例7〔m−キシリレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
m−キシリレンジイソシアネート188.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、m−キシリレンジイソシアネートと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0133】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0134】
【化25】
【0135】
で表わされる繰り返し単位を有するm−キシリレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(m−XDI−PU)285.3mgを得た(収率:90.8%)。前記で得られたm−キシリレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(m−XDI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られたm−キシリレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(m−XDI−PU)のFT−IRスペクトルを
図13に示す。
【0136】
実施例8〔1,5−ジイソシアネートナフタレ−ト−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
1,5−ジイソシアネートナフタレ−ト210.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、1,5−ジイソシアネートナフタレ−トと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0137】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0138】
【化26】
【0139】
で表わされる繰り返し単位を有する1,5−ジイソシアネートナフタレ−ト−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(NDI−PU)317.6mgを得た(収率:94.4%)。前記で得られた1,5−ジイソシアネートナフタレ−ト−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(NDI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られた1,5−ジイソシアネートナフタレ−ト−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(NDI−PU)のFT−IRスペクトルを
図14に示す。
【0140】
実施例9〔ジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
ジシクロヘキシルメタン262.4mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、ジシクロヘキシルメタンと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0141】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0142】
【化27】
【0143】
で表わされる繰り返し単位を有するジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(CDI−PU)377.9mgを得た(収率:97.3%)。前記で得られたジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(CDI−PU)の数平均分子量は8006であり、重量平均分子量は21190であり、分子量分散度は2.65であった。前記で得られたジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(CDI−PU)の
1H−NMRスペクトルを
図15に、FT−IRスペクトルを
図16に、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)のチャートを
図17に示す。
【0144】
実施例10〔イソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
イソホロンジイソシアネート222.3mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、イソホロンジイソシアネートと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0145】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0146】
【化28】
【0147】
で表わされる繰り返し単位を有するイソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(IDI−PU)317.6mgを得た(収率:91.1%)。前記で得られたイソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(IDI−PU)の数平均分子量は29587であり、重量平均分子量は102417であり、分子量分散度は3.46であった。前記で得られたイソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(IDI−PU)の
1H−NMRスペクトルを
図18に、FT−IRスペクトルを
図19に、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)のチャートを
図20に示す。
【0148】
実施例11〔1,4−ブタンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
1,4−ブタンジイソシアネート140.1mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、1,5−ジイソシアネートナフタレ−トと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0149】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0150】
【化29】
【0151】
で表わされる繰り返し単位を有する1,4−ブタンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,4−BDI−PU)252.2mgを得た(収率:94.7%)。前記で得られた1,4−ブタンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,4−BDI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られた1,4−ブタンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,4−BDI−PU)のFT−IRスペクトルを
図21に示す。
【0152】
実施例12〔ヘキサメチレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
ヘキサメチレンジイソシアネート168.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、ヘキサメチレンジイソシアネートと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0153】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0154】
【化30】
【0155】
で表わされる繰り返し単位を有するヘキサメチレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,6−HDI−PU)292.7mgを得た(収率:99.4%)。前記で得られたヘキサメチレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,6−HDI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られたヘキサメチレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,6−HDI−PU)のFT−IRスペクトルを
図22に示す。
【0156】
実施例13〔1,8−オクタンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアの調製〕
1,8−オクタンジイソシアネート196.3mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液を氷水上で撹拌しながら当該溶液に2,5−ビス(アミノメチル)フラン126.2mg(1.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.0mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下することにより、1,8−オクタンジイソシアネートと2,5−ビス(アミノメチル)フランとの重合反応を行なった。
【0157】
反応終了後、得られた反応溶液をメタノ−ル300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の固体を回収した。前記で得られた固体を減圧下(約10kPa)で乾燥させることにより、式:
【0158】
【化31】
【0159】
で表わされる繰り返し単位を有する1,8−オクタンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,8−ODI−PU)287.6mgを得た(収率:89.2%)。前記で得られた1,8−オクタンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,8−ODI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られた1,8−オクタンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,8−ODI−PU)のFT−IRスペクトルを
図23に示す。
【0160】
実施例14〔N−フェニレンマレイミドポリマーの調製〕
実施例1で得られたメチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(MDI−PU)100.0mg(264.9 mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.5mLに溶解させた溶液と、N−フェニレンマレイミド32.2mg(185.9mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド0.5mLに溶解させた溶液とを混合し、得られた混合溶液を60℃に加熱し、メチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(MDI−PU)とN,N−ジメチルアセトアミドを反応させた。
【0161】
反応終了後、得られた反応溶液をアセトン300mLに撹拌下で滴下し、析出した白色の繊維状の固体を回収した。得られた白色の固体を減圧下で(約10kPa)乾燥させることにより、式:
【0162】
【化32】
【0163】
で表わされる繰り返し単位を有するN−フェニレンマレイミド(MDI−PMI−PU)84.0mgを得た(収率:63.5%)。前記で得られたN−フェニレンマレイミドポリマー(MDI−PMI−PU)の
1H−NMRスペクトルを
図24に、FT−IRスペクトルを
図25に示す。
【0164】
実施例15〔メチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンの調製〕
実施例1で得られたメチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(MDI−PU)100.0mg(264.9mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.5mLに溶解させた溶液と、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン9.5mg(26.5mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド0.5mLに溶解させた溶液とを混合し、得られた混合溶液を50℃に加熱することにより、メチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(MDI−PU)と4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンを反応させた。
【0165】
反応終了後、得られたゲル状の黄色の反応溶液を100℃に加熱して再度溶液化させることにより、式:
【0166】
【化33】
【0167】
で表わされる繰り返し単位を有するメチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマー(MDI−BMI−PU)を得た。前記で得られたメチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマー(MDI−BMI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られたメチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマー(MDI−BMI−PU)の
1H−NMRスペクトルを
図26に、FT−IRスペクトルを
図27に示す。
【0168】
実施例16〔1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマーの調製〕
実施例5で得られた1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(1,3−PDI−PU)100.0mg(349.3mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.5mLに溶解させた溶液と、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン12.5mg(34.9mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド0.5mLに溶解させた溶液とを混合し、得られた混合溶液を50℃に加熱することにより、1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアと4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンを反応させた。
【0169】
反応終了後、得られたゲル状の反応溶液を100℃に加熱して再度溶液化させることにより、式:
【0170】
【化34】
【0171】
で表わされる繰り返し単位を有する1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマー(1,3−PDI−BMI−PU)を得た。前記で得られた1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマー(1,3−PDI−BMI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られた1,3−フェニレンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマー(1,3−PDI−BMI−PU)のFT−IRスペクトルを
図28に示す。
【0172】
実施例17〔ジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマーの調製〕
実施例9で得られたジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア100.0mg(257.4mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.5mLに溶解させた溶液と、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン9.2mg(25.7 mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド0.5mLに溶解させた溶液とを混合し、得られた混合溶液を50℃に加熱することにより、ジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアと4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンを反応させた。
【0173】
反応終了後、得られたゲル状の反応溶液を100℃に加熱して再度溶液化させることにより、式:
【0174】
【化35】
【0175】
で表わされる繰り返し単位を有するジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマー(CDI−BMI−PU)を得た。前記で得られたジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマー(CDI−BMI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られたジシクロヘキシルメタン−2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマー(CDI−BMI−PU)のFT−IRスペクトルを
図29に示す。
【0176】
実施例18〔イソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンポリマーの調製〕
実施例10で得られたイソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア(IDI−PU)100.0mg(287.0mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド1.5mLに溶解させた溶液と、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン10.3mg(28.7mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド0.5mLに溶解させた溶液とを混合し、得られた混合溶液を50℃に加熱することにより、イソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレアと4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンを反応させた。
【0177】
反応終了後、得られたゲル状の反応溶液を100℃に加熱して再度溶液化させることにより、式:
【0178】
【化36】
【0179】
で表わされる繰り返し単位を有するイソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン(IDI−BMI−PU)を得た。前記で得られたイソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン(IDI−BMI−PU)の分子量は、溶媒(N,N−ジメチルスルホキシド)に対して不溶であるため、測定することができなかった。前記で得られたイソホロンジイソシアネート2,5−ビス(アミノメチル)フランポリウレア−4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン(IDI−BMI−PU)のFT−IRスペクトルを
図30に示す。
【0180】
実験例1
各実施例で得られたポリマー3mgを表1に示す溶媒1mLに添加することにより、混合物を得た。前記で得られた混合物を室温(約25℃)で1時間撹拌することにより、ポリマー分散体を調製した後、ポリマーが溶解するかどうかを確認した。ポリマーが溶媒に溶解しなかった場合には、前記ポリマー分散体をヒートガンで100℃に加熱することにより、ポリマーが溶媒に溶解するかどうかを調べた。
【0181】
次に、溶媒に対するポリマーの溶解性を以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
〔評価基準〕
+:室温でポリマーが溶媒に溶解する。
±:100℃に加熱することにより、ポリマーが溶媒に溶解する。
−:100℃に加熱してもポリマーが溶媒に溶解しない。
【0182】
なお、表1に記載の溶媒は、以下のことを意味する。
NMP:N−メチルピロリドン
DMAc:ジメチルアセテート
DMSO:ジメチルスルホキシド
THF:テトラヒドロフラン
Acetone:アセトン
CHCl
3:クロロホルム
CH
2Cl
2:ジクロロメタン
EtOAc:酢酸エチル
H
2O:水
【0183】
【表1】
【0184】
実験例2
各実施例で得られたポリマーの熱的性質を熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)によって調べた。
【0185】
(1)熱重量分析(TGA)
熱重量分析(TGA)は、示差熱熱重量同時測定装置〔(株)日立ハイテクサイエンス製、品番:STA7200〕を用い、以下の測定条件および測定方法に基づいて調べた。
【0186】
〔測定条件〕
・サンプル(ポリマー)の量:6〜8mg
・雰囲気:窒素ガス(窒素ガスの流量:200mL/min)
〔測定方法〕
プラチナパンを使用し、リファレンスをブランク(サンプルなし)とし、測定前に25℃から200℃まで昇温速度5℃/minで加熱し、200℃で20分間保持した後、保持時間を設けることなく、200℃から25℃まで降温速度20℃/minで冷却した。
【0187】
熱重量分析(TGA)は、サンプルを25℃から800℃まで昇温速度5℃/minで加熱することによって行ない、サンプルの質量が1%、5%または10%減少したときの温度を測定した。サンプルの質量が1%減少したときの温度をT
d1とし、サンプルの質量が5%減少したときの温度をT
d5とし、サンプルの質量が10%減少したときの温度をT
d10とした。
【0188】
(2)示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定(DSC)は、示差走査熱量計〔(株)日立ハイテクサイエンス製、品番:X−DSC7000T〕を用い、以下の測定条件および測定方法に基づいて調べた。
【0189】
〔測定条件〕
・サンプル(ポリマー)の量:3〜5mg
・雰囲気:窒素ガス(窒素ガスの流量:40mL/min)
〔測定方法〕
アルミニウムパンを使用し、酸化アルミニウム3〜5mgをリファレンスとし、25℃から昇温速度10℃/minで昇温し、220〜250℃の範囲のサンプルの分解温度(最高温度)で5分間保持し、最高温度から降温速度10℃/minで25℃まで冷却し、25℃で10分間保持する一連の捜査を1サイクルとし、このサイクルを3回繰り返して示差走査熱量を測定し、3回目のサイクルの試験結果を用いた。
【0190】
MDI−PUのTGA曲線を
図31に、MDI−PUのDSC曲線を
図32に、DMMDI−PUのTGA曲線を
図33に、2,4−TDI−PUのTGA曲線を
図34に、2,4−TDI−PUのDSC曲線を
図35に、1,3−PDI−PUのTGA曲線を
図36に、1,3−PDI−PUのDSC曲線を
図37に、1,4−PDI−PUのTGA曲線を
図38に、1,4−PDI−PUのDSC曲線を
図39に、IDI−PUのTGA曲線を
図40に、m−XDI−PUのTGA曲線を
図41に、NDI−PUのTGA曲線を
図42に、CDI−PUのTGA曲線を
図43に、1,4−BDI−PUのTGA曲線を
図44に、1,6−HDI−PUのTGA曲線を
図45に、1,6−HDI−PUのDSC曲線を
図46に、1,8−ODI−PUのTGA曲線を
図47に、MDI−BMI−PUのTGA曲線を
図48に示す。
【0191】
各実施例で得られたポリマーの熱分解温度を表2に示す。
【0192】
【表2】
【0193】
表2に示された結果から、各実施例で得られたポリマーは、熱分解温度が高いことから、耐熱性に優れていることがわかる。
【0194】
実験例3
各実施例で得られたポリマーの引張強度を調べた。より具体的には、各実施例で得られたポリマー200mgをN,N−ジメチルアセトアミド1.0〜2.0mLに溶解させ、得られた溶液をガラスシャーレ上にキャスト法で塗工することにより、フィルムを形成させ、大気中にてホットスターラー上で10分程度加熱することによって乾燥させた。
【0195】
前記で得られたフィルムをカッターナイフで縦5mm、横40mmの長方形に切断し、得られた試験片の厚さ、長さおよび幅をマイクロメーター〔(株)ミツトヨ製、商品名:クイックマイクロ〕および電子ノギス〔(株)ミツトヨ製〕で測定した。
【0196】
前記試験片の一端の縦5mm、横10mmの長方形の部分を引張部分とし、試験片の両面に粘着テ−プを貼り、引張試験機〔インストロン(INSTRON)社製、万能材料試験機、品番:3365〕のチャックに取り付けて引張強度を調べた。
【0197】
ポリマーとして、MDI−PUが用いられた試験片の引張強度の測定結果を
図49に、1,3−PDI−PUが用いられた試験片の引張強度の測定結果を
図50に、CDI−PUが用いられた試験片の引張強度の測定結果を
図51に、MDI−BMI−PUが用いられた試験片の引張強度の測定結果を
図52に示す。
【0198】
また、各ポリマーが用いられた試験片の引張強度、破断時の伸びおよびヤング率を
図3に示す。
【0199】
【表3】
【0200】
表3に示された結果から、各ポリマーからなる試験片は、引張強度が約16MPa以上であり、破断時の伸びが約8.5%以上であり、ヤング率が約180MPa以上であることがわかる。
【0201】
実験例4
実験例3でポリマーとしてMDI−PUまたはCDI−PUが用いられている試験片の波長300〜800nmにおける光線透過率を紫外可視分光測定器〔日本分光(株)製、商品名:Jasco V670〕で調べた。
【0202】
ポリマーとしてMDI−PUが用いられている試験片の光線透過率の測定結果を
図53に、ポリマーとしてCDI−PUが用いられている試験片の光線透過率の測定結果を
図54に示す。
【0203】
図53および
図54に示された結果から、前記試験片は、いずれも波長500nmにおける光線透過率が60%以上であることから、可視光線の透過性が良好であることがわかる。