【解決手段】流量コントローラ22、22Aは、ハウジング30内に、第1流路42と、第1流路42に並設された第2流路44と、第1流路42に設けられた第1絞弁36と、第2流路44に設けられた第2絞弁38と、第2流路44に設けられ第2絞弁38と直列に接続されたパイロットチェック弁48と、パイロットチェック弁48のパイロットポート48cに連通してパイロットエアを給排するパイロットエア流路46と、パイロットエア流路46に設けられた第3絞弁40と、を備え、パイロットチェック弁48は、パイロットエアの圧力により、エアシリンダ10から排出される排気エアの通過を許容する状態と、排気エアの通過を阻止する状態とに切り換える。
請求項1記載の流量コントローラであって、さらに、前記第2絞弁に設けられ、前記バルブ側ポートから前記シリンダ側ポートに向かう流れのエアを通過させるチェック弁を備える、流量コントローラ。
請求項1又は2記載の流量コントローラであって、前記第3絞弁は、絞弁と該絞弁に並列に配置され、前記パイロットポートに向かう流れのエアを通過させるチェック弁とを備える、流量コントローラ。
請求項4記載の流量コントローラであって、前記パイロットチェック弁は、前記パイロットエアの圧力が所定値以上になると前記パイロットピストンが前記逆止弁収容部側に突出して前記高圧エア及び前記排気エアを通過させる、流量コントローラ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1に示すように、エアシリンダ10は、自動設備ライン等に使用される複動型シリンダである。エアシリンダ10は、円筒状のシリンダチューブ12を備える。シリンダチューブ12の内部には、シリンダ室12cを仕切るピストン14と、ピストン14に連結されたピストンロット16が設けられている。ヘッド側圧力室12aにはヘッド側ポート18が設けられ、ロッド側圧力室12bにはロッド側ポート18Aが設けられている。
【0013】
ヘッド側ポート18及びロッド側ポート18Aには、駆動装置20が接続されている。駆動装置20は、ヘッド側ポート18に接続されたヘッド側の流量コントローラ22と、ロッド側ポート18Aに接続されたロッド側の流量コントローラ22Aと、高圧エア供給源24と、排気口26と、動作切換弁28とを備える。
【0014】
図2に示すように、ヘッド側の流量コントローラ22は、扁平な箱形のハウジング30を有している。ハウジング30の正面30aには、エアシリンダ10のヘッド側ポート18に接続されるシリンダ側ポート32と、動作切換弁28に接続されるバルブ側ポート34と、エアシリンダ10のストローク速度を設定する第2絞弁38が設けられている。また、ハウジング30の上面30bには、ピストン14の動作速度の制限の度合いを調節する第1絞弁36と、ピストン14の動作速度の規制が開始されるタイミングを設定する第3絞弁40が設けられている。シリンダ側ポート32には、接続部材32bが設けられ、バルブ側ポート34には接続部材34bが設けられている。
【0015】
図3において、破線で示すように、ハウジング30は、内部に第1流路42、パイロットエア流路46及びパイロットチェック弁48を備えている。以下、
図4〜
図7の断面図を参照しつつ、ハウジング30の内部の構造について説明する。
【0016】
図4に示すように、バルブ側ポート34は、ハウジング30の第1側面30c付近に設けられたポート形成孔34aに設けられている。ポート形成孔34aは、ハウジング30の正面30aに開口するとともに、背面30eに向けて形成されている。ポート形成孔34aの正面30aには配管を接続するための接続部材34bが装着されている。ポート形成孔34aの背面30e側の端部には、第1流路42と、パイロットエア流路46とが開口している。
【0017】
図1に示すように、第1流路42及び第2流路44は、バルブ側ポート34とシリンダ側ポート32とを繋ぐ流路であり、並列に配置されている。
図4に示すように、第1流路42は、ポート形成孔34aから第2側面30dに向けて直線状に延在する第1孔部42aと、第1孔部42aから屈曲してシリンダ側ポート32に向けて延びる第2孔部42bとを含む。また、第1孔部42aの第2側面30d側の端部は、第2流路44の一部として第2絞弁38に連通している。
【0018】
第2絞弁38は、バルブ側ポート34とシリンダ側ポート32との間に形成された弁孔39に設けられている。弁孔39は、ハウジング30の正面側に開口するとともに、背面30eに向けて延びている。弁孔39の側部には、第1孔部42aが開口するとともに、弁孔39の背面30e側の端部は、後述するパイロットチェック弁48の入口48aに連通している。
【0019】
第2絞弁38は、絞弁38aとチェック弁38bとが一体的に形成されたチェック弁付絞弁であり、
図1に示すように、絞弁38aとチェック弁38bとが並列に配置されている。
図4に示すように、第2絞弁38は、管状の流路部材50と、流路部材50の内周部に配置された棒状部材58と、棒状部材58の端部に接合されたツマミ部59と、流路部材50の外周部に装着された逆止シール部材56とを備える。流路部材50は、弁孔39の入口側に嵌合するとともに、奥側の部分が入口側より縮径しており、弁孔39を流路部材50の内周側の内側流路52bと、流路部材50の外方の外側流路54aとに分ける。内側流路52bは、端部が弁孔39の奥側に向けて開口するとともに、側部に、第1孔部42aと連通する開口部52aを備えている。外側流路54aは、流路部材50の外周と弁孔39との間の隙間として形成されている。第1孔部42aからのエアは、内側流路52b及び外側流路54aの2つの流路を流れることができる。
【0020】
第2絞弁38の棒状部材58は、ねじ機構58aを介して内側流路52bの内部を進退可能に配置されている。棒状部材58は、ツマミ部59とともに回動可能となっており、ツマミ部59を回動させることにより、内側流路52bの流路の断面積を可変に調整して絞弁38aを構成する。
【0021】
また、外側流路54aには、逆止シール部材56が設けられている。逆止シール部材56は、流路部材50の外周に装着された環状のシール部材であり、奥側に凹部が形成された断面が略V字型に形成されている。逆止シール部材56は、第1孔部42aから弁孔39の奥側に向かうエアの流れに対して、外周部が縮径するように弾性変形してエアを自由流れで通過させる。また、弁孔39の奥側から第1孔部42aに向かう流れのエアに対しては、逆止シール部材56の外周部が弁孔39の内周面に密着することで、外側流路54aを通じたエアの通過を阻止する。そのため、弁孔39の奥側から第1孔部42aに向かう流れのエアは、内側流路52bのみを通過することができ、棒状部材58によって規制された流量で流れる。
【0022】
弁孔39の背面30e側には、パイロットチェック弁48が設けられている。パイロットチェック弁48は、第1側面30cから第2側面30dを貫通する貫通孔60に設けられている。貫通孔60は、第1側面30c側がキャップ64で閉塞され、第2側面30d側がキャップ62で閉塞されている。キャップ62及びキャップ64の内側に、ピストン室60a、中間部60b、及び逆止弁収容部60cが形成されている。ピストン室60aは、断面が円形の空室であり、キャップ64の近傍にパイロットポート48cとしてパイロットエア流路46が開口する。また、ピストン室60aの中間部60b側の端部付近には、大気開放されたエア抜き孔65が開口している。また、ピストン室60aの第2側面30d側には、ピストン室60aよりも小さい内径に形成された中間部60bが形成されている。
【0023】
ピストン室60a及び中間部60bには、パイロットエアの圧力に応じて貫通孔60の軸方向に変位するパイロットピストン66が配置されている。パイロットピストン66は、ピストン室60a内を摺動するピストン部66aと、ピストン部66aから中間部60bに向けて延び出た案内部66bと、案内部66bの先端側(第2側面30d側)に突出したロッド部66cとを有する。ピストン部66aは、ピストン室60aをパイロットエア流路46に連通する領域と、エア抜き孔65に連通する領域とに仕切る。ピストン部66aの中間部60b側のピストン室60aには、復帰バネ68が配置されており、パイロットエアが作用していない場合には、復帰バネ68の弾発力によって、パイロットピストン66がキャップ64側に付勢される。
【0024】
案内部66bは、中間部60bに挿通可能な内径に形成されており、中間部60bに案内されて摺動するように構成されている。案内部66bの先端からは、ロッド部66cが突出している。ロッド部66cは、中間部60bの内径よりも小さな外径に形成されており、中間部60bの内周面との間にエアが通過可能な流路を形成する。中間部60bの第2側面30d側の端部には、中間部60bの内径を縮径してなる縮径部60dが形成されている。上記のロッド部66cは、縮径部60dの内径よりも小さな直径に形成されており、ロッド部66cは逆止弁収容部60c側に突出可能となっている。また、ロッド部66cは、その先端部が逆止弁収容部60cの後述する弁体70と当接するように配置されている。
【0025】
中間部60bの第2側面30d側には、逆止弁収容部60cが形成されている。逆止弁収容部60cは、中間部60bより大きな内径に形成された断面円形の空室であり、その内部に逆止弁を構成する弁体70が配置されている。弁体70は、中間部60bの縮径部60dを閉塞可能な直径に形成された円板状の閉塞部70aと、閉塞部70aからキャップ62側に突出した軸部70bとを有している。閉塞部70aは、密着性に優れた弾性部材によって覆われている。軸部70bは、キャップ62から突出して設けられた管状の受容部62aに挿入されており、弁体70はキャップ62によって貫通孔60の軸方向に変位可能に支持されている。また、弁体70とキャップ62との間には、復帰バネ72が設けられており、この復帰バネ72の弾発力によって、弁体70が縮径部60dに向けて付勢されている。逆止弁収容部60cの側部には、出口48bとして第2流路44が開口している。第2流路44は、正面30aに向けて延在し、シリンダ側ポート32のポート形成孔32aに連通している。
【0026】
弁体70は、出口48bから入口48aに向けてエアが逆流しようとすると、エアの圧力によって縮径部60dを閉塞するように付勢されてエアの逆流を阻止する。但し、
図5に示すように、パイロットエアの圧力によってパイロットピストン66のロッド部66cが逆止弁収容部60cに突出した場合には、弁体70が縮径部60dから離間した状態に保たれ、出口48bから入口48aに逆流するエアの通過を許容する。
【0027】
一方、
図6に示すように、第1流路42の第2孔部42bは、第2絞弁38の弁孔39を迂回するようにして、第2側面30d側に向けて延び、第1絞弁36を経て第1流路42のシリンダ側ポート32付近の部分に合流する。第1絞弁36は、上面30b側から形成された弁孔36aに設けられている。弁孔36aの下端部に第1絞弁36の入口36bとして第2孔部42bが開口するとともに、弁孔36aの側部に出口36cとして第2孔部42bが開口している。第1絞弁36は、ねじ機構74aを介して弁孔36aに固定されるニードル74を備え、ニードル74を回動させて入口36b側にニードル74を前進させると第2孔部42bの流路の断面積が縮小する。このようにして、第1絞弁36は、第1流路42の流量を可変に調整可能となっている。
【0028】
図7に示すように、第3絞弁40は、パイロットエア流路46の途上に設けられた、弁孔41に設けられている。弁孔41は、上面30b側から形成されており、弁孔41の底部及び側部にパイロットエア流路46が開口している。第3絞弁40は、絞弁40aとチェック弁40bとが一体的に形成されたチェック弁付絞弁であり、流路部材76と、ニードル78と、逆止シール部材80とを備える。
【0029】
流路部材76は、弁孔41の上端を封止するとともに、弁孔41の底部側を内側流路76aと外側流路76bとに仕切る管状の部材である。ニードル78は、流路部材76の内側に挿入されて内側流路76aの断面積を可変に調整する。逆止シール部材80(チェック弁40b)は、流路部材76の外周部に装着された円環状の弾性部材よりなる。逆止シール部材80は、上面30b側に凹部を有する断面が略V字型に形成されており、パイロットポート48cに向かうパイロットエアを自由流れで通過させ、その逆向きのエアの通過を阻止する。したがって、第3絞弁40において、パイロットポート48cから排出されるパイロットエアは、絞弁40aによって絞られる。
【0030】
ヘッド側の流量コントローラ22を構成する部材の接続関係は
図1に示すようになっている。
【0031】
一方、
図1において、ロッド側ポート18Aに接続されるロッド側の流量コントローラ22Aは、ヘッド側の流量コントローラ22と実質的に同一に構成される。流量コントローラ22Aにおいて、ヘッド側の流量コントローラ22の構成要素と同一の構成要素には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0032】
次に、ヘッド側の流量コントローラ22及びロッド側の流量コントローラ22Aに接続される動作切換弁28側の構成について説明する。動作切換弁28は、電気的に高圧エアの接続先を切り換える5ポート弁であり、第1ポート28a〜第5ポート28eを有している。第1ポート28aは、ヘッド側の流量コントローラ22のバルブ側ポート34に接続し、第2ポート28bはロッド側の流量コントローラ22Aのバルブ側ポート34に接続する。第3ポート28c及び第5ポート28eは、排気口26に接続し、第4ポート28dは高圧エア供給源24に接続する。
【0033】
動作切換弁28は、
図1に示す第1位置においては、第1ポート28aと第4ポート28dとを連通させるとともに、第2ポート28bと第5ポート28eとを連通させる。このようにして、動作切換弁28は、高圧エア供給源24の高圧エアをヘッド側の流量コントローラ22に供給するとともに、ロッド側圧力室12bの排気エアを排気口26から排出させる。
【0034】
また、動作切換弁28は、第2位置においては、第1ポート28aと第3ポート28cとを連通させるとともに、第2ポート28bと第4ポート28dとを連通させる。このようにして、動作切換弁28は、高圧エア供給源24の高圧エアをロッド側の流量コントローラ22Aに供給するとともに、ヘッド側圧力室12aの排気エアを排気口26から排出させる。
【0035】
本実施形態の流量コントローラ22、22A及び駆動装置20は以上のように構成され、以下、その作用について動作とともに説明する。ここでは、
図1及び
図8を参照して、ピストン14をロッド側ポート18Aに向けて移動させる作動ストロークを例に説明する。
【0036】
図1に示すように、作動ストロークでは、動作切換弁28が第1位置に切り換わり、高圧エア供給源24がヘッド側の流量コントローラ22に接続される。高圧エアは、バルブ側ポート34を通じて、流量コントローラ22に流入し、第1流路42、第2流路44及びパイロットエア流路46に流れ込む。高圧エアは、矢印Aで示すように、主に第2流路44のチェック弁38b及びパイロットチェック弁48を通って自由流れでエアシリンダ10のヘッド側ポート18に供給される。また、パイロットエア流路46に流れ込んだ高圧エアは、パイロットエアとして、チェック弁40bを順方向に流れ、パイロットチェック弁48のピストン室60a(
図5参照)に蓄えられる。
【0037】
一方、ロッド側の流量コントローラ22Aには、ロッド側圧力室12bから排出された排気エアが、シリンダ側ポート32から流入する。流量コントローラ22Aのパイロットチェック弁48のピストン室60aには、前回のストロークの際に蓄えられたパイロットエアが残留しており、パイロットピストン66が
図5に示すように、逆止弁収容部60c側に突出している。そのため、
図1に示すように、パイロットチェック弁48は、出口48bから入口48aに向かう排気エアの通過を許容する。
【0038】
そのため、排気エアは、矢印B1に示すように第1流路42を通じて流れるとともに、矢印B2に示すように第2流路44を流れる。排気エアは、第1流路42の第1絞弁36と、第2絞弁38とによって絞られて、矢印B1+B2に示すように、動作切換弁28を通じて排気口26から排出される。エアシリンダ10のピストン14の動作速度は、ロッド側の流量コントローラ22Aの排気エアの流量によって決められる。
【0039】
また、ピストン14が作動ストロークを行う間、ロッド側のパイロットチェック弁48のパイロットエアが、パイロットエア流路46及び第3絞弁40を通じて徐々に排出される。それに伴って、パイロットチェック弁48のパイロットエアの圧力が徐々に低下する。
【0040】
ロッド側のパイロットチェック弁48の圧力が所定値を下回ると、
図4に示すように、パイロットピストン66が復帰バネ68の弾発力によってキャップ64側に変位し、ロッド部66cが中間部60b側に引き込まれる。その結果、逆止弁収容部60cの弁体70が縮径部60dを閉塞し、パイロットチェック弁48が排気エアの通過を阻止する状態に切り換わる。
【0041】
そして、
図8に示すように、排気エアは、矢印B1に示すように、第1流路42のみを通過する。第1絞弁36によって、排気エアの流量が絞られることで、ピストン14の動作速度が低下する。これにより、ピストン14がストロークエンドに到達した際のエアシリンダ10の衝撃が緩和される。
【0042】
以上により、エアシリンダ10の駆動装置20によるストローク動作が完了する。その後、動作切換弁28が第2位置に切り換わることで、復帰ストロークが行われる。復帰ストロークでは、ヘッド側の流量コントローラ22に排気エアが流れ、ロッド側の流量コントローラ22Aに高圧エアが流れる。復帰ストロークでの駆動装置20の動作は、上記の作動ストロークの動作が、ヘッド側の流量コントローラ22とロッド側の流量コントローラ22Aとで入れ代わるだけであり、基本的に同様であるため、その説明は省略する。
【0043】
本実施形態の流量コントローラ22、22A及び駆動装置20は、以下の効果を奏する。
【0044】
エアシリンダ10のポートと、エアシリンダ10に高圧エア供給源24又は排気口26を切り換えて接続する動作切換弁28と、の間に接続される流量コントローラ22、22Aであって、エアシリンダ10のポートに接続されるシリンダ側ポート32と、動作切換弁28に接続されるバルブ側ポート34と、を有するハウジング30と、ハウジング30内に設けられ、シリンダ側ポート32とバルブ側ポート34とを繋ぐ第1流路42と、第1流路42に設けられた第1絞弁36と、ハウジング30内に設けられ、第1流路42に並設された第2流路44と、第2流路44に設けられた第2絞弁38と、第2流路44に設けられ第2絞弁38と直列に接続されたパイロットチェック弁48と、ハウジング30内に設けられ、バルブ側ポート34とパイロットチェック弁48のパイロットポート48cとを接続し、パイロットチェック弁48にパイロットエアを給排するパイロットエア流路46と、パイロットエア流路46に設けられた第3絞弁40と、を備え、パイロットチェック弁48は、パイロットエアの圧力により、エアシリンダ10から排出される排気エアの通過を許容する状態と、排気エアの通過を阻止する状態と、に切り換える。
【0045】
上記の構成によれば、排気エアの制御流れを切り換えるために、構造が簡単なパイロットチェック弁48を用いるため、シャトル弁や3方弁等を用いる切換弁が不要となり、内部構造が簡略化される。また、シャトル弁や3方弁を構成するスリーブやスプール等の精度が要求される部材が不要となることに伴って、生産工数を要する研磨及び表面処理が不要となり、安価に製造することができる。
【0046】
上記の流量コントローラ22、22Aにおいて、さらに第2絞弁38に設けられ、バルブ側ポート34からシリンダ側ポート32に向かう流れのエアを通過させるチェック弁38bを設けてもよい。このチェック弁38bを設けることにより、高圧エアをチェック弁38bを通じて自由流れでエアシリンダ10に供給することができ、エアシリンダ10の高速動作への対応が可能となる。
【0047】
上記の流量コントローラ22、22Aにおいて、第3絞弁40は、絞弁40aと該絞弁40aに並列に配置され、パイロットポート48cに向かう流れのエアを通過させるチェック弁40bとを備えてもよい。このように構成することにより、簡単な装置構成で、パイロットチェック弁48が切り換わるタイミングを調整することができる。
【0048】
上記の流量コントローラ22、22Aにおいて、パイロットチェック弁48は、パイロットポート48cに連通したピストン室60aと、シリンダ側ポート32に連通した逆止弁収容部60cと、ピストン室60a及び逆止弁収容部60cとを接続するとともに、第2絞弁38と連通した中間部60bと、を有する貫通孔60と、ピストン室60a及び中間部60bに配置され、パイロットエアの圧力に基づいて逆止弁収容部60cに向けて突出し又は逆止弁収容部60cから中間部60b側に退避するパイロットピストン66と、逆止弁収容部60cに設けられ、中間部60bと逆止弁収容部60cとの接続部分を閉塞可能に配置された弁体70と、を有し、弁体70は、パイロットピストン66が中間部60b側に退避した状態において、バルブ側ポート34からシリンダ側ポート32に向かう高圧エアを通過させ、逆向きの排気エアの通過を阻止するとともに、パイロットピストン66が逆止弁収容部60c側に突出した状態において、高圧エア及び排気エアを通過させる。
【0049】
上記の構成によれば、スプール等の研磨や表面処理といった製造工数の多い部品を要さずに、流路の切換を行う流量コントローラ22、22Aを実現できるため、流量コントローラ22、22Aの製造コストを抑制できる。
【0050】
上記の流量コントローラ22、22Aにおいて、パイロットチェック弁48は、パイロットエアの圧力が所定値以上になるとパイロットピストン66が逆止弁収容部60c側に突出して高圧エア及び排気エアを通過させるように構成されてもよい。このように構成することにより、第2流路44を通じて高圧エアを自由流れでエアシリンダ10に供給することができ、エアシリンダ10を高速に動作させることができる。
【0051】
また、本実施形態の駆動装置20は、エアシリンダ10の駆動装置20であって、エアシリンダ10に高圧エアを供給する高圧エア供給源24と、エアシリンダ10の排気エアを排出する排気口26と、エアシリンダ10のポートに高圧エア供給源24と排気口26とを切り換えて接続する動作切換弁28と、動作切換弁28とエアシリンダ10のポートとの間に接続された流量コントローラ22、22Aと、を備え、流量コントローラ22、22Aは、エアシリンダ10のポートに接続されるシリンダ側ポート32と、動作切換弁28に接続されるバルブ側ポート34と、を有するハウジング30と、ハウジング30内に設けられ、シリンダ側ポート32とバルブ側ポート34とを繋ぐ第1流路42と、第1流路42に設けられた第1絞弁36と、ハウジング30内に設けられ、第1流路42に並設された第2流路44と、第2流路44に設けられた第2絞弁38と、第2流路44に設けられ第2絞弁38と直列に接続されたパイロットチェック弁48と、ハウジング30内に設けられ、バルブ側ポート34とパイロットチェック弁48のパイロットポート48cとを接続し、パイロットチェック弁48にパイロットエアを給排するパイロットエア流路46と、パイロットエア流路46に設けられた第3絞弁40と、を備え、パイロットチェック弁48は、パイロットエアの圧力により、排気エアの通過を許容する状態と、排気エアの通過を阻止する状態とに切り換える。
【0052】
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。