【解決手段】二酸化炭素ガス回収設備は、シフト反応器で石炭ガス中の一酸化炭素と水蒸気との反応により生成されるシフトガスの二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔と、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱する再生塔と、再生塔で加熱された吸収液を二酸化炭素ガスと凝縮水とに分離する気液分離器と、気液分離器の凝縮水を還流水として再生塔に送る送水装置と、外部に排出する還流水の量を調節するパージバルブと、送水装置によって再生塔に送られる還流水の導電率を計測する導電率計と、を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した二酸化炭素ガス回収設備は、前段のシフト反応器で石炭ガス中の一酸化炭素と水蒸気との反応により生成されるシフトガスから二酸化炭素を選択吸収する機能を有する。二酸化炭素ガス吸収設備には、二酸化炭素を吸収液と呼ばれる溶液に吸収しシフトガスから分離するための吸収塔と、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱することにより吸収液中の二酸化炭素を脱離させるための再生塔が設けられる。再生塔の底部で加熱された吸収液からは、吸収液中の水分由来の蒸気と揮発成分からなるガスが発生し、上昇流によって再生塔の塔頂に運ばれる。再生塔の塔頂のガスは、冷却器によって冷却され、後段の気液分離器によって、ガス成分と凝縮水とに分離される。凝縮水は、還流水と呼ばれる。還流水は、再生塔に返送される。還流水が再生塔と気液分離器を循環することによって、還流水に含まれる不純物が濃縮する。このため、還流水の一部をパージ水として排出することがある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、適切な量の還流水を排出することを容易にできる二酸化炭素ガス回収設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本開示の二酸化炭素ガス回収設備は、シフト反応器で石炭ガス中の一酸化炭素と水蒸気との反応により生成されるシフトガスの二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔と、前記二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱する再生塔と、前記再生塔で加熱された吸収液を二酸化炭素ガスと凝縮水とに分離する気液分離器と、前記気液分離器の凝縮水を還流水として前記再生塔に送る送水装置と、外部に排出する還流水の量を調節するパージバルブと、前記送水装置によって前記再生塔に送られる還流水の導電率を計測する導電率計と、を備える。
【0007】
これにより、本開示の二酸化炭素ガス回収設備は、導電率計によって、還流水の不純物濃度に関する情報を随時得ることができる。このため、パージバルブを操作する時点での還流水の不純物濃度に関する情報に基づいて、パージバルブを操作することができる。したがって、本開示の二酸化炭素ガス回収設備は、適切な量の還流水を排出することを容易にできる。
【0008】
本開示の二酸化炭素ガス回収設備の望ましい態様として、前記気液分離器と前記送水装置とを繋ぐ第1還流配管と、前記送水装置と前記再生塔とを繋ぐ第2還流配管と、前記第1還流配管と前記第2還流配管とを繋ぐ第3還流配管と、を備え、前記導電率計は、前記第3還流配管を流れる還流水の導電率を計測する。
【0009】
還流水を気液分離器から再生塔に送る第1還流配管及び第2還流配管は、形状等について制限されることがある。このため、第1還流配管及び第2還流配管を流れる還流水の導電率を高い精度で計測することは難しい場合がある。これに対して、本開示の二酸化炭素ガス回収設備においては、第1還流配管及び第2還流配管と同じ還流水が流れ且つ形状等を自由に設計できる第3還流配管で導電率を計測する。このため、二酸化炭素ガス回収設備は、還流水の導電率の計測精度を向上させることができる。
【0010】
本開示の二酸化炭素ガス回収設備の望ましい態様として、外部に排出する還流水の量を調節するための情報を出力する指示装置と、前記導電率計で計測された還流水の導電率に基づいて、前記指示装置を制御する制御装置と、を備える。
【0011】
これにより、作業者は、指示装置の出力に基づいてパージバルブを操作することができる。したがって、本開示の二酸化炭素ガス回収設備は、適切な量の還流水を排出するための作業を、作業者に早期に促すことができる。
【0012】
本開示の二酸化炭素ガス回収設備の望ましい態様として、前記導電率計で計測された還流水の導電率に基づいて、前記パージバルブを制御する制御装置を備える。
【0013】
これにより、制御装置によって自動的に適切な量の還流水を排出することが可能となる。したがって、変形例の二酸化炭素ガス回収設備は、適切な量の還流水を排出することをより容易にできる。
【発明の効果】
【0014】
本開示の二酸化炭素ガス回収設備によれば、適切な量の還流水を排出することを容易にできる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0017】
(実施形態)
図1は、本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備の模式図である。
図2は、本実施形態の吸収液再生部の模式図である。本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備100は、発電設備の石炭ガスに含まれる二酸化炭素を回収するための設備である。
【0018】
本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備100が適用される発電設備は、例えば石炭ガス化複合発電設備である。石炭ガス化複合発電設備は、IGCC(Integrated Coal Gasification Combined Cycle)と呼ばれる。石炭ガス化複合発電設備のガス化炉において石炭ガスが生成される。ガス化炉の後段のガス精製設備にて硫黄及びアンモニア等の不純物を除去された石炭ガスは、シフト反応器に導かれる。シフト反応器は、石炭ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気とから、二酸化炭素と水素を含むシフトガスを発生させる。シフト反応器を経た石炭ガス(シフトガス)が、二酸化炭素ガス回収設備100に導かれる。
【0019】
二酸化炭素ガス回収設備100は、シフト反応器にて生成した二酸化炭素を回収する。二酸化炭素を除去された石炭ガスは、水素が主成分である水素リッチガスとなり、ガスタービンに供給される。石炭ガス化複合発電設備は、水素リッチガスによってガスタービンを回転させて発電する。さらに、石炭ガス化複合発電設備は、ガスタービンの排熱を使用して蒸気を生成し、蒸気タービンを回転させることによって発電する。
【0020】
図1に示すように、二酸化炭素ガス回収設備100は、回収部200と、吸収液再生部300と、を備える。回収部200は、吸収液を用いて、シフトガスに含まれる二酸化炭素を回収する。回収部200で用いられる吸収液の一部が、吸収液再生部300に供給される。吸収液再生部300は、吸収液の二酸化炭素吸収能力を回復させる。
【0021】
図1に示すように、回収部200は、熱交換器11と、気液分離器13と、吸収塔15と、フラッシュタンク17と、圧縮機19と、冷却器21と、ポンプ23と、分岐バルブ25と、冷却器27と、を備える。
【0022】
図1に示すように、吸収塔15は、熱交換器11及び気液分離器13を経たシフトガスを受け入れる。吸収塔15には、二酸化炭素を吸収する吸収液が供給される。吸収液は、吸収塔15の上部に供給され、吸収塔15の下部から排出される。吸収液は、吸収塔15の上部から下部に至るまでの間に、シフトガスの二酸化炭素を吸収する。二酸化炭素が除去された石炭ガスは、水素リッチガスとして熱交換器11を経て、IGCC設備に返送される。
【0023】
図1に示すように、フラッシュタンク17は、吸収塔15で二酸化炭素を吸収した吸収液を受け入れる。フラッシュタンク17は、第1減圧器171と、第2減圧器172と、を備える。第2減圧器172は、第1減圧器171の下流に配置される。第1減圧器171及び第2減圧器172は、吸収液を減圧することによって、吸収液から二酸化炭素を分離させる。第1減圧器171で分離される二酸化炭素は、圧縮機19及び冷却器21を経て、吸収塔15に導かれる。第2減圧器172で分離される二酸化炭素ガスは、回収される。
【0024】
図1に示すように、ポンプ23は、フラッシュタンク17を経た吸収液を分岐バルブ25に送る。分岐バルブ25は、吸収液の一部を吸収塔15に送り、残りの一部を吸収液再生部300に送る。分岐バルブ25から吸収塔15に戻される吸収液は、冷却器27を経て吸収塔15に供給される。
【0025】
図2に示すように、吸収液再生部300は、再生塔31と、冷却器33と、気液分離器35と、送水装置37と、第1還流配管81と、第2還流配管82と、第3還流配管83と、パージ配管84と、給水配管85と、ポンプ39と、導電率計51と、第1流量計41と、パージバルブ43と、第2流量計45と、給水バルブ47と、制御装置61と、指示装置63と、を備える。
【0026】
再生塔31は、二酸化炭素を含む吸収液を加熱する。再生塔31は、
図2に示すように、加熱器311を備える。加熱器311は、蒸気によって吸収液を加熱する。加熱器311は、リボイラとも呼ばれる。加熱された吸収液から脱離した二酸化炭素ガスと水蒸気との混合気体が、再生塔31の中で上昇する。冷却器33は、再生塔31の塔頂に至った混合気体を冷却する。混合気体は、冷却器33を経て気液分離器35に導かれる。
【0027】
気液分離器35は、再生塔31で加熱された吸収液を二酸化炭素ガスと凝縮水とに分離する。気液分離器35において吸収液から分離された二酸化炭素ガスは、回収される。気液分離器35で生成される凝縮水は、還流水(リフラックス水)と呼ばれる。
【0028】
送水装置37は、気液分離器35の凝縮水を還流水として再生塔31に送る。送水装置37は、ポンプである。第1還流配管81は、気液分離器35と送水装置37とを繋ぐ。第2還流配管82は、送水装置37と再生塔31とを繋ぐ。第1還流配管81及び第2還流配管82は、還流水を気液分離器35から再生塔31へ搬送する。
【0029】
図2に示すように、第3還流配管83は、第1還流配管81と第2還流配管82とを繋ぐ。第3還流配管83は、第2還流配管82を流れる還流水の一部を第1還流配管81に導く。すなわち、第3還流配管83は、還流水の一部を第1還流配管81と第2還流配管82との間で循環させる。
【0030】
パージ配管84は、還流水の一部を吸収液再生部300の外部に導くための配管である。パージ配管84は、還流水の一部をパージ水として排出する。
図2に示すように、パージ配管84は、第2還流配管82に接続される。パージ配管84は、第3還流配管83よりも下流で第2還流配管82から分岐する。パージ配管84によって還流水の一部が排出されることによって、還流水の不純物濃度が低下する。
【0031】
給水配管85は、純水を外部から吸収液再生部300に導くための配管である。給水配管85は、純水を吸収液再生部300に供給する。給水配管85によって供給される純水は、メイクアップ水とも呼ばれる。給水配管85は、例えば、メイクアップ水が貯留されたタンク等に接続される。
図2に示すように、給水配管85は、第2還流配管82に接続される。給水配管85は、パージ配管84よりも下流で第2還流配管82に接続される。給水配管85によって純水が第2還流配管82に供給される。これにより、吸収液再生部300の還流水の量が保たれる。
【0032】
図1に示すように、ポンプ39は、再生塔31で二酸化炭素ガスを分離した吸収液を熱交換器29を介してフラッシュタンク17に送る。より具体的には、ポンプ39は、再生塔31の底部の吸収液を、第1減圧器171と第2減圧器172との間に送る。
【0033】
導電率計51は、送水装置37によって再生塔31に送られる還流水の導電率(電気伝導率)を計測する装置である。
図2に示すように、導電率計51は、第3還流配管83に設けられる。導電率計51は、第3還流配管83を流れる還流水の導電率を計測する。例えば、導電率計51は、対向する2つの電極を備え、2つの電極間にある還流水の電気抵抗に基づき導電率を算出する。
【0034】
第1流量計41は、パージ配管84を流れるパージ水の流量を計測する装置である。
図2に示すように、第1流量計41は、パージ配管84に設けられる。第1流量計41は、例えば差圧式流量計である。第1流量計41は、検出した圧力に基づいて流量を算出する。
【0035】
パージバルブ43は、パージ配管84によって外部に排出するパージ水の量を調節するためのバルブである。すなわち、パージバルブ43は、パージ配管84を流れるパージ水の流量を調節する。パージバルブ43は、例えば電磁弁である。パージバルブ43は、第1流量計41の下流に配置される。
【0036】
第2流量計45は、給水配管85を流れるメイクアップ水の流量を計測する装置である。
図2に示すように、第2流量計45は、給水配管85に設けられる。第2流量計45は、第2流量計45は、例えば差圧式流量計である。第2流量計45は、検出した圧力に基づいて流量を算出する。
【0037】
給水バルブ47は、給水配管85によって供給するメイクアップ水の量を調節するためのバルブである。すなわち、給水バルブ47は、パージ配管84を流れるメイクアップ水の流量を調節する。給水バルブ47は、例えば電磁弁である。給水バルブ47は、第2流量計45の下流に配置される。
【0038】
制御装置61は、導電率計51で計測された還流水の導電率に基づいて、指示装置63を制御する装置である。制御装置61は、コンピュータである。制御装置61は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリと、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の記憶部と、を備える。制御装置61の指示装置63に対する制御は、CPUが演算プログラムをRAM等に読み出して情報を演算処理することにより実現される。
【0039】
制御装置61は、導電率計51が出力する還流水の導電率、第1流量計41が出力するパージ水の流量、及び第2流量計45が出力するメイクアップ水の流量を信号として受け取る。制御装置61は、導電率計51、第1流量計41及び第2流量計45から受け取った導電率及び流量の情報を記憶する。また、制御装置61は、導電率及び流量の情報を指示装置63に送信する。
【0040】
制御装置61は、還流水の導電率に関する閾値を予め記憶している。制御装置61は、導電率計51から受け取った導電率と、予め記憶した閾値とを比較する。例えば、制御装置61は、導電率が閾値を超えた場合に、指示装置63の状態を変化させる。
【0041】
指示装置63は、パージ水の量及びを調節するための情報を出力する装置である。指示装置63は、還流水の導電率が閾値を超えたことを、作業者に知覚させる。例えば、指示装置63は、還流水の導電率が閾値を超えたことを文章で表示する。作業者は、指示装置63の表示に基づき、パージバルブ43及び給水バルブ47を操作する。具体的には、作業者は、パージ水及びメイクアップ水の流量が多くなるようにパージバルブ43及び給水バルブ47を開ける。
【0042】
指示装置63の出力に基づいて作業者がパージバルブ43及び給水バルブ47を開けることによって、パージ水及びメイクアップ水の流量が増える。これにより、不純物を含む還流水が排出され且つ清浄な水が補給される。その結果、還流水の不純物濃度が低減する。
【0043】
制御装置61は、導電率が閾値を超えた状態から導電率が閾値以下になった場合、指示装置63の状態を変化させる。指示装置63は、還流水の導電率が閾値以下になったことを、作業者に知覚させる。作業者は、指示装置63の表示に基づき、パージバルブ43及び給水バルブ47を操作する。具体的には、作業者は、パージ水及びメイクアップ水の流量が少なくなるようにパージバルブ43及び給水バルブ47の開度を減ずる。これにより、排水量が減少するので、処理すべき廃棄物の量が抑制される。その結果、廃棄物を処理するために必要な費用が低減する。
【0044】
なお、導電率計51の測定方式は、還流水の導電率が計測できる方式であれば特に限定されない。導電率計51は、必ずしも第3還流配管83を流れる還流水の導電率を計測しなくてもよく、第1還流配管81を流れる還流水の導電率を計測してもよい。また、第1流量計41及び第2流量計45は、差圧式流量計に限定されず、他の方式の流量計であってもよい。
【0045】
制御装置61は、還流水の導電率に関して複数の閾値を記憶していてもよい。例えば、制御装置61は、第1閾値と、第1閾値よりも大きい第2閾値と、を記憶していてもよい。制御装置61は、導電率が第2閾値を超えた場合と、導電率が第1閾値以下になった場合とにおいて、指示装置63の状態を変化させてもよい。
【0046】
指示装置63は、例えば還流水の導電率をリアルタイムに表示してもよい。すなわち、制御装置61は、導電率計51の計測間隔毎に指示装置63の導電率の表示を変化させてもよい。また、制御装置61は、還流水の導電率と、パージ水の流量と、メイクアップ水の流量とに基づきパージバルブ43及び給水バルブ47の適切な操作量を算出し、指示装置63に表示させてもよい。また、指示装置63は、音等によって、還流水の導電率の状態を作業者に知らせてもよい。
【0047】
以上で説明したように、本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備100は、吸収塔15と、再生塔31と、気液分離器35と、送水装置37と、パージバルブ43と、導電率計51と、を備える。吸収塔15は、シフト反応器で石炭ガス中の一酸化炭素と水蒸気との反応により生成されるシフトガスの二酸化炭素を吸収液に吸収させる。再生塔31は、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱する。気液分離器35は、再生塔31で加熱された吸収液を二酸化炭素ガスと凝縮水とに分離する。送水装置37は、気液分離器35の凝縮水を還流水として再生塔31に送る。パージバルブ43は、外部に排出する還流水の量を調節する。導電率計51は、送水装置37によって再生塔31に送られる還流水の導電率を計測する。
【0048】
例えば、流路から取り出した一部の還流水を分析することによって、還流水の不純物濃度を計測することは可能である。しかしこの場合には、分析にある程度の時間を要するため、流路から還流水を取り出した時点と、計測結果に基づいてバルブを操作する時点との間にはずれが生じる。このため、バルブを操作する時点での還流水の不純物濃度は、流路から取り出した還流水の不純物濃度とは異なる。したがって、適切な量の還流水を排出できるようにバルブを操作することは難しい。
【0049】
これに対して、本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備100は、導電率計51によって、還流水の不純物濃度に関する情報を随時得ることができる。このため、パージバルブ43を操作する時点での還流水の不純物濃度に関する情報に基づいて、パージバルブ43を操作することができる。したがって、本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備100は、適切な量の還流水を排出することを容易にできる。
【0050】
本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備100は、気液分離器35と送水装置37とを繋ぐ第1還流配管81と、送水装置37と再生塔31とを繋ぐ第2還流配管82と、第1還流配管81と第2還流配管82とを繋ぐ第3還流配管83と、を備える。導電率計51は、第3還流配管83を流れる還流水の導電率を計測する。
【0051】
還流水を気液分離器35から再生塔31に送る第1還流配管81及び第2還流配管82は、形状等について制限されることがある。このため、第1還流配管81及び第2還流配管82を流れる還流水の導電率を高い精度で計測することは難しい場合がある。これに対して、本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備100においては、第1還流配管81及び第2還流配管82と同じ還流水が流れ且つ形状等を自由に設計できる第3還流配管83で導電率を計測する。このため、二酸化炭素ガス回収設備100は、還流水の導電率の計測精度を向上させることができる。
【0052】
本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備100は、外部に排出する還流水の量を調節するための情報を出力する指示装置63と、導電率計51で計測された還流水の導電率に基づいて、指示装置63を制御する制御装置61と、を備える。
【0053】
これにより、作業者は、指示装置63の出力に基づいてパージバルブ43を操作することができる。したがって、本実施形態の二酸化炭素ガス回収設備100は、適切な量の還流水を排出するための作業を、作業者に早期に促すことができる。
【0054】
(変形例)
図3は、変形例の吸収液再生部の模式図である。なお、上述した第1実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0055】
図3に示すように、変形例の吸収液再生部300Aは、制御装置61Aを備える。制御装置61Aは、導電率計51で計測された還流水の導電率に基づいて、パージバルブ43及び給水バルブ47を制御する装置である。
【0056】
制御装置61Aは、導電率計51が出力する還流水の導電率、第1流量計41が出力するパージ水の流量、及び第2流量計45が出力するメイクアップ水の流量を信号として受け取る。制御装置61Aは、導電率計51、第1流量計41及び第2流量計45から受け取った導電率及び流量の情報を記憶する。
【0057】
制御装置61Aは、導電率計51から受け取った導電率と、第1流量計41から受け取ったパージ水の流量と、第2流量計45から受け取ったメイクアップ水の流量とに基づき、パージバルブ43及び給水バルブ47の開度を変化させる。制御装置61Aは、例えば還流水の導電率に関する第1閾値と、第1閾値よりも大きい第2閾値とを記憶している。制御装置61Aは、還流水の導電率が第1閾値と第2閾値との間の値となるように、パージバルブ43及び給水バルブ47の開度を変化させる。すなわち、制御装置61Aは、還流水の導電率が第1閾値に近付くにしたがってパージ水及びメイクアップ水の流量を低減させ、第2閾値に近付くにしたがってパージ水及びメイクアップ水の流量を増加させる。これにより、処理すべき廃棄物の量を抑制でき、且つ還流水の不純物濃度を低減できる。
【0058】
制御装置61Aは、必ずしも上述したようにパージバルブ43及び給水バルブ47を制御しなくてもよい。パージバルブ43及び給水バルブ47の制御方法は、還流水の導電率を所定の範囲に保つことのできる方法であればよく、特に限定されない。
【0059】
以上で説明したように、変形例の二酸化炭素ガス回収設備100は、導電率計51で計測された還流水の導電率に基づいて、パージバルブ43を制御する制御装置61Aを備える。
【0060】
これにより、制御装置61Aによって自動的に適切な量の還流水を排出することが可能となる。したがって、変形例の二酸化炭素ガス回収設備100は、適切な量の還流水を排出することをより容易にできる。