【解決手段】 本発明は、燃焼室(10)と調理室(20)とを有する調理機能付きストーブ(100)であって、前記燃焼室(10)が、燃焼炉(11)、吸気部(12)、排気部(13)、及び前記吸気部(12)から前記排気部(13)への燃焼系ガス(A)の流通経路(14)を有し、前記調理室(20)が、前記燃焼炉(11)の上側に配置されており、かつ前記ガス流通経路(14)は、前記吸気部(12)、前記燃焼炉(11)、前記調理室(20)の側面、及び前記排気部(13)の順に燃焼系ガス(A)を流通可能に構成されている、調理機能付きストーブ(100)に関する。
熱交換室をさらに具備しており、前記熱交換室は、少なくとも一部が前記調理室よりも上側に配置されており、かつ前記ストーブが使用される屋内の空気と前記燃焼炉からの前記燃焼系ガスとを熱交換可能に構成されている、請求項1又は2に記載の調理機能付きストーブ。
前記ガス流通経路は、前記燃焼系ガスが、前記調理室の側面を加熱した後に、前記調理室の上面及び前記熱交換室を加熱可能に構成されている、請求項3に記載の調理室付きストーブ。
前記燃焼室の側面に固定され、前記燃焼炉からの燃焼系ガスによって加熱可能に構成された伝熱性の載置台をさらに具備する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の調理機能付きストーブ。
前記載置台の少なくとも一部には複数の放熱孔が、前記ストーブの使用中に前記載置台の異なる2箇所上に温度差が生じるよう形成されている、請求項6〜8のいずれか一項に記載の調理機能付きストーブ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び2のロケットストーブは、ヒートライザーが断熱材に覆われているため、調理室を十分に加熱できていない可能性がある。また、調理器具をストーブの上面等に置いた際に調理器具が落下する可能性があるが、この点についても特に考慮されていない。
【0007】
本発明の第1の目的は、熱効率よく調理室を加熱することができる新規な調理機能付きストーブを提供することである。また、本発明の第2の目的は、張力の調整が容易な落下防止ワイヤーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、以下の態様を有する本発明により、上記第1の目的に関する課題を解決できることを見出した。
【0009】
〈態様1A〉
燃焼室と調理室とを有する調理機能付きストーブであって、
前記燃焼室が、燃焼炉、吸気部、排気部、及び前記吸気部から前記排気部への燃焼系ガスの流通経路を有し、
前記調理室が、前記燃焼炉の上側に配置されており、かつ
前記ガス流通経路は、前記吸気部、前記燃焼炉、前記調理室の側面、及び前記排気部の順に燃焼系ガスを流通可能に構成されている、
調理機能付きストーブ。
【0010】
〈態様2A〉
前記調理室の内部は、前記燃焼系ガスが流入しないよう密閉可能に構成されている、態様1Aに記載の調理機能付きストーブ。
【0011】
〈態様3A〉
熱交換室をさらに具備しており、前記熱交換室は、少なくとも一部が前記調理室よりも上側に配置されており、かつ前記ストーブが使用される屋内の空気と前記燃焼炉からの前記燃焼系ガスとを熱交換可能に構成されている、態様1A又は2Aに記載の調理機能付きストーブ。
【0012】
〈態様4A〉
前記ガス流通経路は、前記燃焼系ガスが、前記調理室の側面を加熱した後に、前記調理室の上面及び前記熱交換室を加熱可能に構成されている、態様3Aに記載の調理室付きストーブ。
【0013】
〈態様5A〉
前記吸気部及び排気部が、前記調理室よりも下側に配置されている、態様1A〜4Aのいずれか一項に記載の調理機能付きストーブ。
【0014】
〈態様6A〉
前記燃焼室の側面に固定され、前記燃焼炉からの燃焼系ガスによって加熱可能に構成された伝熱性の載置台をさらに具備する、態様1A〜5Aのいずれか一項に記載の調理機能付きストーブ。
【0015】
〈態様7A〉
前記載置台は、前記ストーブの側方又は上方において略水平に延在している載置プレートである、態様6Aに記載の調理機能付きストーブ。
【0016】
〈態様8A〉
前記載置台が、前記調理室の底面と実質的に同じ高さに略水平に配置されている、態様6又は7Aに記載の調理機能付きストーブ。
【0017】
〈態様9A〉
前記載置台の少なくとも一部には複数の放熱孔が、前記ストーブの使用中に前記載置台の異なる2箇所上に温度差が生じるよう形成されている、態様6A〜8Aのいずれか一項に記載の調理機能付きストーブ。
【0018】
〈態様10A〉
前記載置台が、少なくとも2つの支線体、及び前記支線体の間に張られた落下防止ワイヤーを有する、態様6A〜9Aのいずれか一項に記載の調理機能付きストーブ。
【0019】
〈態様11A〉
前記支線体の少なくとも1つは前記載置台上で移動可能に構成されている、態様10Aに記載の調理機能付きストーブ。
【0020】
〈態様12A〉
前記落下防止ワイヤーの少なくとも片側の端部にテンショナーが取り付けられている、態様11Aに記載の調理機能付きストーブ。
【0021】
〈態様13A〉
ペレットストーブである、態様1A〜12Aのいずれか一項に記載の調理機能付きストーブ。
【0022】
本発明者らは、以下の態様を有する本発明により、上記第2の目的に関する課題を解決できることを見出した。
【0023】
〈態様1B〉
少なくとも2つの支線体、及び前記支線体の間に張られた落下防止ワイヤーを有する載置台であって、前記支線体の少なくとも1つは前記載置台上で移動可能に構成されており、かつ前記落下防止ワイヤーの少なくとも片側の端部に重量アンカーが取り付けられている載置台。
【発明の効果】
【0024】
上記態様によると、燃焼系ガスによって、調理室の側面が直接過熱される構造となっているため、効率的に調理室を加熱することができる。さらに、上記態様によると、支線体の間に張られた落下防止ワイヤーを有する載置台によって、様々な大きさの調理器具の落下を抑制する構造を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〈調理機能付きストーブ100の概略説明〉
本発明の第1実施形態にかかる調理機能付きストーブ100は、本発明の有利な効果を与えることができる限り、化石燃料系ストーブであってもよく、木質燃料系ストーブであってもよいが、木質燃料系ストーブ、特にペレットストーブであることが好ましい。ペレットストーブは、薪ストーブと比較して、調理室及び載置台の温度調整及び加熱時間の調整が比較的容易であるため好ましい。
【0027】
本発明の第1実施形態にかかる調理機能付きストーブ100がペレットストーブである場合を例にして、以下、図面と共に各構成を例示する。
図1(a)は、本発明の第1の態様に係る調理機能付きストーブ100の正面断面図を概略的に例示しており、
図1(b)は、本発明の第1の態様に係る調理機能付きストーブ100の横断面図を概略的に例示している。以下、
図1(a)の左右の広がりを幅方向、及び
図1(b)の左右の広がりを長さ方向と呼ぶことがある。
【0028】
図1(a)及び(b)に示すとおり、調理機能付きストーブ100は、筐体60の内部に、ストーブ前側に燃焼炉11を有する燃焼室10、及び燃焼炉11の上側に配置されている調理室20、及び燃焼室10の上側に配置されている熱交換部熱交換室40を有する。また、筐体60は、調理室用開閉ドア61、燃焼室用開閉ドア62、及び内壁63を有する。これらの燃焼室10、調理室20、及び熱交換室40は、筐体60の内側に設けられた内壁63内に配置され、燃焼系ガスAは、この内壁63内に留められている。また、筐体60は、断熱素材からなっていることが好ましい。内壁63は、調理室用開閉ドア61及び燃焼室用開閉ドア62が設けられる前面以外の5面(上面は水平面及び当該水平面の左右に延びる斜面からなる)によって構成されており、耐熱素材からなる。調理室用開閉ドア61及び燃焼室用開閉ドア62によって、筐体60は開閉可能に構成することができ、調理室20又は燃焼室10のみを開閉可能に構成することもできる。
【0029】
〈燃焼室10〉
調理機能付きストーブ100は、燃焼炉11、吸気部12、排気部13及び吸気部12から排気部13への燃焼系ガスの流通経路14を有する燃焼室10を有する。燃焼室10は、燃焼炉11で燃料を燃やして高温の燃焼系ガスAを生成し、この燃焼系ガスAによって調理室20を加熱することができ、またストーブ100が用いられる屋内を温めることができる。ここで、燃焼室10とは、便宜上燃焼系ガスAが流通するストーブ100内の空間全体をいう。すなわち、燃焼室10は、内壁63の内部空間と略同一の空間である。本実施形態において燃焼室10は、吸気管12aの内壁63よりも外側及び排気管13aの内壁63よりも外側の空間も含むことがある。
【0030】
調理機能付きストーブ100では、燃焼炉11の実質的に真上に調理室20が配置されていることで、例えば調理室20の下面及び両側面に燃焼系ガスを接触させて、調理室20を加熱することができる。
【0031】
〈燃焼炉11〉
燃焼炉11には、吸気部12からの吸気と燃料供給部51からの燃料50とを提供することができる。燃焼炉11は、燃料50を着火するための着火手段としての着火ヒーター15及び、燃料50を受けるための燃焼皿16を有することができる。着火手段は、着火ヒーター15以外にも使用する燃料に応じて、着火プラグ等を採用することができる。また、例えば、ストーブ100が木質燃料系ストーブ、特にペレットストーブである場合、燃焼皿16は、燃焼した燃料50の灰が皿から落下できるように孔開き構造となっていてもよく、この場合、孔の大きさは、燃料50が落下しない程度の大きさとなっていることが好ましい。吸気部12からの吸気は、燃焼皿16又はその付近に提供されることが好ましい。
【0032】
ストーブ100が木質燃料系ストーブである場合、燃焼室10には、燃焼した燃料50の灰を受けるための灰受け部17が存在していてもよい。この場合、燃焼室10は、燃焼室10内を清掃したり、灰受け部17に溜まった灰を容易に捨てたりすることができるように、開閉可能な構造となっていることが好ましい。
【0033】
〈排気部13〉
燃焼室10は、排気部13をさらに有する。排気部13は、燃焼系ガスAを燃焼室10外に排気する。ストーブ100が木質燃料系ストーブ100である場合、燃焼系ガスAを屋外に排気するための排気管13aと排気部13とを連結することができる。排気部13は、排気ファン13bを有することができ、排気ファン13bを運転させることにより燃焼系ガスAを強制的に排気することができる。排気部13は、調理室20よりも下側に配置されていてもよく、それにより調理室20及び随意の熱交換室40を加熱した後に、燃焼室10から燃焼系ガスAを排出することができる。
【0034】
〈吸気部12〉
燃焼室10は、吸気部12をさらに有する。吸気部12は、燃焼炉11に燃焼系ガスAを提供するために屋外から空気を吸気する。特に屋外から吸気するための吸気管12aと連結してもよい。吸気部12は、吸気ファン12bを有することができるが、排気部13が排気ファン13bを有する場合等において、吸気ファン12bを用いなくても燃焼室10は容易に吸気可能となるため、省略することもできる。吸気ファン12bが用いられる場合も、燃焼室10を、負圧に保つように排気ファン13b及び吸気ファン12bを制御することで燃焼系ガスAがストーブ100の外部に漏れることを防ぐことができる。
【0035】
屋外から吸気する吸気部12と、屋外に排気する排気部13とを用いるストーブ100においては、設置工事等を容易にするために、吸気部12と排気部13とを隣接して配置させることができる。また、排気部13から排気されるガスと吸気部12から流入させるガスとを熱交換させるように互いのガス流路の壁面の少なくとも一部を共通の壁面とすることもできる。したがって、吸気部12も調理室20よりも下側に配置されていてもよい。
【0036】
〈ガス流通経路14〉
燃焼室10は、吸気部12から排気部13への燃焼系ガスの流通経路14を有する。ガス流通経路14は、調理室上側のガス流路14a、調理室後側のガス流路14b及び排気部へのガス流路14cを含む。 ガス流通経路14は、吸気部12、燃焼炉11、調理室20の側面、及び排気部13の順に燃焼系ガスAを流通可能に構成されており、好ましくは、燃焼系ガスAが、調理室20の側面を加熱した後に、調理室20の上面及び随意の熱交換室40を加熱可能に構成されている。すなわち、燃焼系ガスAは、調理室上側のガス流路14aを通過して、ストーブ100の後側に流通した後、調理室後側のガス流路14bを通過して、調理室20を背面から加熱し、排気部へのガス流路14cを通過する。そして、排気部13が連結している排気管13aから屋外へと排出される。
【0037】
ガス流通経路14は、吸気部12から燃焼系ガスAを吸気し、燃焼炉11へと供給し、調理室20及び随意の熱交換室40を加熱した後に、燃焼系ガスAを排気することができれば、その構成について特に制限されない。例えば、燃焼系ガスAの流通経路を、調理室20の上側にも燃焼系ガスAを流通するように構成した場合において、燃焼系ガスAがその調理室20上側を流通した後に、排気部13から燃焼系ガスAを排気することができる。この場合、排気部13を燃焼室10の下側に配置させて、調理室20上側のガス流路を通過した燃焼系ガスAを、燃焼室10の下側にまで通過させてから排気させることができる。ここで、熱交換室40を有する場合には、燃焼系ガスAが、調理室20の側面を加熱した後に、調理室20上側のガス流路を燃焼系ガスAが通過する際に、調理室20の上面及び熱交換室40を燃焼系ガスAで加熱してもよく、燃焼室10の下側に燃焼系ガスAを通過させる過程で熱交換室40を加熱してもよい。また、調理室20の背面に燃焼系ガスAを接触させてさらに調理室20を加熱することができる。このようなガス流通経路14を有する場合、燃焼系ガスAによって随意の熱交換室40及び調理室20の加熱を効果的に行うことができ、燃焼系ガスAの熱量を十分に使ってから燃焼系ガスAを排気することができる。
【0038】
排気部13にある排気ファン13bが運転していることで、燃焼室10内は、負圧になるため、吸気管12aを通じて屋外から空気が取り込まれ、また燃焼系ガスAは、強制的に排気される。ガス流通経路の調理室上側のガス流路14a、調理室後側のガス流路14b及び排気部へのガス流路14cは、ストーブの幅方向の実質的に全体に渡って存在していてもよいものの、着火ヒーター15、燃料供給部51のスロット51c等のストーブの他の構成の存在に応じた形状を有している。
【0039】
図1(a)及び(b)では、燃焼系ガスAが調理室20上側のガス流路14aを通るだけではなく、調理室20の側面にも通過してストーブ100の後側に流通できるように示されているが、燃焼系ガスAをストーブの後側に流通させる際には、調理室20上側のガス流路14aのみを通過するように、ガス流通経路14を構成してもよい。
【0040】
〈熱交換室40〉
本実施形態にかかるストーブ100は、筐体60内であり燃焼室10の上側に少なくとも一部が配置されている熱交換機能を有する熱交換室40をさらに有することができる。ここで上側とは、斜め上も含み、熱交換室40の少なくとも一部が燃焼室10の上方に位置していればよい。ストーブ100が燃焼系ガスAを屋内に提供しない木質燃料系ストーブである場合には熱交換室40が、通常具備されている。本実施形態において、熱交換室40とは、燃焼系ガスAとの熱交換が実際に行われる燃焼室10に面した部分だけではなく、屋内から取り込まれた空気が通過することができる屋内空気Bの流路の全体をいう。
【0041】
燃焼室10の燃焼系ガスAが熱交換室40を加熱することによって、熱交換室40内の空気と燃焼室10の燃焼系ガスAとを熱交換し、ストーブ100から出す温風を発生させる。例えば、燃焼室10の壁面(特に、燃焼系ガスAの流通経路14を構成する壁面)と熱交換室40の壁面との一部を共通化したり、又は燃焼室10と熱交換室40との壁面を隣接させて、熱交換室40内の空気と燃焼室の燃焼系ガスAとを熱交換することができる。ただし、熱交換室40は、熱交換室40内の屋内空気Bと燃焼室10の燃焼系ガスAとを効果的に熱交換させることができれば、その形状、材質等について特に制限されない。
【0042】
例えば、燃焼室10より上側に熱交換室40を配置し、かつ調理室20上側に燃焼系ガスAのガス流路14aを配置することで、調理室20の側面を加熱した後の燃焼系ガスAが、調理室20上側のガス流路14aを流通することができ、それにより調理室20上面と熱交換室40とを同時に加熱することができる。本実施形態では、燃焼室10の背面が屋内空気Bと熱交換させることで、より効果的に熱交換が実施される。
【0043】
熱交換室40には、屋内から空気を取り込むための屋内空気取込口42、及び屋内へと温風を送り出すために送風ファン43が存在していてもよい。屋内空気取込口42をストーブ100の下部、例えば調理室20より下側に位置させることができる。
【0044】
具体的に、熱交換室40は、ストーブ100の長さ方向後ろ側の壁から取り込まれた屋内空気Bを温めて、ストーブ100の前方のスリット41から温風として提供する。熱交換室40には、送風ファン43が存在していることで、屋内空気Bを効率的に取り込むことができる。熱交換室は、ストーブの幅方向の実質的に全体に渡って存在していてもよい。送風ファン43の運転量(運転速度)は、ユーザによって、調整されてもよく、室内温度によって運転量が自動的に制御されてもよい。送風ファン43が停止されている場合は、輻射熱によって室内が暖められる。
【0045】
図1(b)では、屋内空気Bの取込口42は、ストーブ100の比較的上部の位置にあるものの、ストーブ下部の位置させることができ、例えば屋内空気の入口を調理室20よりも下側に位置させることができる。これにより、屋内空気Bは、調理室後側のガス流路14b及び排気部へのガス流路14cを流通する燃焼系ガスAと、熱交換を行うことができる。さらに、屋内空気Bは、調理室20の上側に位置する熱交換室40の空間においても熱交換がされ、ストーブ前方のスリット41から温風として提供される。
【0046】
〈燃料50〉
燃焼室10は、燃料50を供給するための燃料供給部51をさらに有することができる。燃料供給部51は、燃料を運搬する供給スクリュー51b、供給スクリュー51bを運転するための供給モーター51aと、供給スクリュー51bによって運搬された燃料を燃焼皿16へと供給する供給スロット51cとから構成されており、モーター51aを制御することによって、燃料50の供給量を自動的に制御することができる。さらに、燃料供給部51は、調理室20及びストーブ100の設定温度、設定時間等に応じて、燃料50を自動で制御して提供できるように構成することができる。燃料供給部51は、ストーブ100内の燃料タンク52と連結していてもよい。例えば、ペレットストーブでは、燃料搬送用の供給スクリュー51bをモーター51aで回転させて、燃料タンク52から燃料を燃焼室10に提供することが一般的であり、モーター51aを制御することで燃料投入量を制御することができる。
【0047】
燃料50は、ストーブ奥側の壁にある燃料投入口52aから燃料タンク52に投入される。燃料50は、燃料タンク52から燃料供給部51を通じて、燃焼炉11中の燃焼皿16へと供給される。燃焼皿16は、燃料50の木質ペレットの径よりも小さな孔を有しており、燃料50の燃焼後の灰は、その孔から灰受け部17に落下する。必要に応じて、燃焼炉11は、燃焼後の灰を強制的に灰受け部17に落下させるべく、排気ファン13bの運転量を一時的に多くしたり、一時的に運転されるファン(図示しない)を別途設けたりしてもよい。
【0048】
〈調理室20〉
調理室20は、その下側にある燃焼炉11からの燃焼系ガスAによって、外側から加熱可能に構成される。調理室20は、燃焼室10内に完全に埋め込まれていてもよく、調理室20の外側の一部が燃焼室10に露出していることによって外側から加熱可能に構成されていてもよい。調理室20は、鍋等を配置できるように十分な広さを有していることが好ましく、また内部を高温に加熱できるように構成されていることが好ましい。調理室20の温度調整は、吸気量または排気量による火力調整以外に、燃料50の投入量によって制御可能である。例えばペレットストーブ等の場合は、燃料50の最小単位が小さいため、温度調整のレスポンスが早く温度調整をし易い。薪ストーブなどの燃料の最小単位が大きい場合は、吸気量または排気量のみで火力を調整することができる。
【0049】
調理室20は、燃焼系ガスAが流入しないように密封可能に構成されていることが好ましく、燃焼室10とは独立して開閉可能な構造となっていることが好ましい。
【0050】
調理室20は、調理室支持体21によって燃焼室10及び/又は内壁63と連結していてもよく、この場合、調理室支持体21は、その少なくとも一部を、金網状、棒状等のガスの流通を阻害しない形状とすることができる。
【0051】
〈ストーブ100の外観〉
図2は、本実施形態に係る調理機能付きストーブ100の好ましい1つの態様の外観を斜視図で概略的に例示している。
【0052】
図2を参照すると、筐体60には、調理室用開閉ドア61と別個に開閉可能な燃焼室用開閉ドア62が存在している。前述の通り、調理室用開閉ドア61及び燃焼室用開閉ドア62は、内壁63が存在しない面に設けられるため、直接燃焼ガスが触れる。よって、調理室用開閉ドア61及び燃焼室用開閉ドア62の内側は、耐熱素材からなる必要がある。図示されていないもののストーブ100の後側には、燃料タンク52に燃料50を入れるための燃料投入口も存在している。調理室用開閉ドア61を開くことで、燃焼炉11の清掃をすることができたり、調理室内部に鍋等の調理器具を入れることができる。燃焼室用開閉ドア62を開くことで、灰受け部17に溜まった灰を捨てることができる。調理室用開閉ドア61及び燃焼室用開閉ドア62の少なくとも一部は、ガラス等の透明な素材からなり、内部が確認できるようになっている。燃焼室用開閉ドア62のガラス等の透明な素材の割合は、半分以上であり、燃焼による炎からの輻射熱によって室内を暖める効果を得られるようになっている。
【0053】
筐体60上部には、調理機能付きストーブ100をユーザが操作するためのスイッチ類70が存在している。具体的には、ストーブのオンオフ及び燃料供給量(火力)を制御する火力スイッチ70a、送風ファン43を制御する風量スイッチ70b、及びストーブ全体を自動的にオフに切り替えるまでの時間を設定するタイマースイッチ70cを備えている。
【0054】
〈調理室20の加熱機構〉
本実施形態に係る調理機能付きストーブ100は、燃焼室10と調理室20とを有し、燃焼室10が、燃焼炉11、吸気部12、排気部13、及び吸気部12から排気部13への燃焼系ガスAの流通経路14を有し、調理室20が、燃焼炉11の上側に配置されており、かつガス流通経路14は、吸気部12、燃焼炉11、調理室20の側面、及び排気部13の順に燃焼系ガスAを流通可能に構成されている。なお、ここで上側とは、真上以外にも斜め上に配置されている構成を含む。すなわち、調理室20の大部分が燃焼炉11よりも上方に位置していることをいう。
【0055】
本実施形態の調理機能付きストーブ100では、調理室20を下にある燃焼炉11からの燃焼系ガスAで加熱しながら、かつ調理室20の側面等についても燃焼系ガスAで加熱するため、調理室20を非常に高温にまで加熱することができる。特に、調理機能付きストーブ100が、熱交換室40を有する場合には、屋内空気Bを効果的に温めつつ、同時に調理室20も非常に高温にまで加熱することができ有用である。なお、調理室20の側面とは、本実施形態において調理室20の左右面であるが、調理室20の前面や背面を含んでいてもよい。側面を3面または4面とすることで、左右の2面の場合と比較して調理室20の過熱効率をさらによくすることができる。この場合、排気部13を調理室20の側方または上面に配置することで調理室20の3面または4面の側面を介して燃焼系ガスAからの熱交換によって調理室20を加熱することができる。なお、本実施形態において、ストーブ100の本体や調理室20が直方体や立方体によって構成されているが、6面体以外についても本発明の思想を適用できる。
【0056】
〈ストーブ100の制御〉
調理機能付きストーブ100を始動する際に制御部(図示しない)は、吸気管12aから取り込んだ屋外からの空気を吸気部12に提供するよう排気ファン13bを運転し、着火ヒーター15を用いて、燃料50を燃焼炉11で燃焼させる。制御部は、燃料50が着火したと判断される場合には、着火ヒーター15をオフにして、燃料50を設定された供給量で燃焼炉11中の燃焼皿16に供給する。燃料50が燃焼することによって発生した燃焼系ガスAは、調理室20の下面を加熱する。調理室20は、調理室支持体21によって支持されているものの、燃焼系ガスAは、調理室支持体21が存在していない部分から通過して、調理室20の側面を加熱する。側面とは、調理室20の左右面であるが、前面を含んでもよい。なお、火力は、ストーブ100のユーザによって任意に調整される。ストーブ100の電源がユーザによって切られた場合や、タイマー機能等によって電源が切られる場合に制御部は、燃料50の供給を止めて、燃焼炉11内の温度が所定温度未満になるまで排気ファン13bを運転する。
【0057】
〈載置台30〉
ストーブ100が具備することができる伝熱性の載置台30は、調理室20の少なくとも一方の側面と対抗する内壁63に固定され、燃焼炉11からの燃焼系ガスAによって加熱可能に構成される。載置台30は、鍋等の調理器具を配置できるように十分な大きさ及び強度を有していることができるが、載置台30上で調理器具を保温及び/又は加熱することができれば、その形状等について特に制限されない。
【0058】
例えば、載置台30は、ストーブ100の側方又は上方において略水平に延在している載置プレートであってもよく、ストーブ100の内壁63から外側に向かって延びる載置プレートであってもよい。載置台30は、燃焼炉11からの燃焼系ガスAによって加熱可能に構成されるため、ストーブ100の内壁63の内部から外部にわたって延びることができる。
【0059】
載置台30は、調理室20の調理器具が置かれる位置(調理室20の底面)の高さと実質的に同じ高さに略水平に配置されていることができる。本実施形態において載置台30は、調理室20のストーブ100の側方に略水平に延在している載置プレートの形態であり、調理室20の底面の高さと実質的に同じ高さに略水平に配置されている。このような態様では、調理室20で加熱された鍋等の調理器具を容易に載置台30に移動させることができ、また載置台30に置いた調理器具を容易に調理室20に移動させることもできる。熱交換室40が調理室20の上側に配置される場合には、調理室20の側面から熱交換室40の上側まで延びる載置台30が必要となるため、熱伝導性も悪くなり、使用材料量も多くなる可能性があるため、載置台30は、調理室20の水平方向に配置されることが好ましい。また、載置台30は、水平方向から1°〜5°程度の範囲でストーブ100の本体に対して傾いていてもよい。この傾きによって、振動等によって載置台30に載せられた調理器具の落下を抑制することができる。
【0060】
例えば、載置台30は、ストーブ100の筐体60の内部に位置する受熱部分30aと、筐体60の外部に位置する料理器具の載置部分30bとを有することができる。受熱部分30aは、調理室20の側面と対抗する内壁63に接触することで燃焼炉11からの燃焼系ガスAから熱を受け取る。載置部分30bは、内壁63から後述する筐体60の外部に突出しており、鍋等の調理器具を置くことができる。載置台30の受熱部分30aは、筐体60の燃焼室10の壁面部分に固定することができ、この場合において、載置台30の受熱部分30aと燃焼室10の壁面とを接触面積が大きくなるように面状で接触させて固定することによって、伝熱性の載置台30を非常に高温にまで加熱可能な構成にすることができる。また、載置台30の受熱部分30aが燃焼室10の壁面の一部となっていてもよく、受熱部分30aが燃焼室10の内部にまで存在し、燃焼室10の気密を維持しながら、筐体60の外部にまで載置台30が延びていてもよい。
【0061】
ストーブ100が伝熱性の載置台30を有することによって、ストーブ100の使用中に、伝熱性の載置台30が非常に高温になる結果、調理室20で調理された鍋等を載置台に置いてさらに加熱したり、保温したりすることができる。また、載置台30にヤカン等を用いて湯を沸かしたりすることもできる。本実施形態にかかる調理機能付きストーブ100は、このような追加機能を有する結果、様々な料理を様々な場面で提供することができ、特にこのストーブ100が木質燃料系ストーブである場合には、ストーブ100の火炎によって暖炉として雰囲気を部屋に与えながら、様々な料理を提供できるため、贅沢感と高級感とをもたらすストーブとすることができる。
【0062】
載置台30は、その少なくとも一部に複数の放熱孔31が存在していてもよい。放熱孔31の存在している部分においては、載置台30からの放熱量が大きくなるため、載置台30上の異なる2箇所上で温度差を与えることができる。これにより、載置台30上では、調理器具の加熱部分と、調理器具の保温部分とに使い分けをすることができる。さらに載置台30は、載置台30の周縁部に断熱部材(図示しない)を配置することで安全性を高めることも可能である。
【0063】
図2に示される通り、本実施形態において載置台30は、ストーブ100の後側のみに複数の放熱孔31を有しており、この放熱孔31が存在している領域では、載置台30の温度が低下する。放熱孔31は、ストーブ100の長さ方向の一方の側でのみ、存在密度が高くなっていてもよく、放熱孔31の存在密度が高い領域では、載置台30の温度を顕著に低下させることができる。
【0064】
載置台30は、調理器具が落下しないように、落下防止柵を有していてもよい。落下防止策は、落下防止ワイヤー32であってもよく、落下防止ワイヤー32は、載置台30上にある少なくとも2つの支線体33a、33bで支持されていてもよい。具体的に載置台30には、2つの支線体33a、33bによって落下防止ワイヤー32が張られている。例えば、支線体33a、33bは、載置台30から数センチ程度の高さを保ってワイヤー32を支持することができる。落下防止ワイヤー32の張力を適切な範囲とすることによって、調理器具は落下しなくなり、調理器具を誤ってワイヤー32上に置いてしまったとしても、調理器具が多少傾く程度となるため、載置台30での作業を安全に行うことができるようになる。
【0065】
支線体33a、33bは、ワイヤー32を一定の張力で支持することができれば特に制限されないが、例えば柱上の支線柱であってもよい。支線体33a、33bを載置台30上で移動可能に構成することによって、例えばスライド可能に構成することによって、落下防止ワイヤー32が張られる載置台上の範囲を調節することができる。すなわち、第1の支線体33aと第2の支線体33bは、共に支線体用レール33cをスライド可能に構成されている。支線体33a、33bを移動させても、落下防止ワイヤー32の張力が大きく変わらないように、ワイヤー32には、ワイヤー32の支線体33a、33bへの固定箇所を複数設けることができる。
【0066】
幅方向及び長さ方向を有する載置台30において、支線体33a、33bは、その両方向に移動可能に構成されていることが好ましい。これによって、落下防止ワイヤー32が様々な大きさの調理器具に対して、落下防止機能を有効に発揮することができる。
【0067】
図3(a)は、
図2で例示したようなストーブ100の上面図を概略的に例示している。
図3(b)は、
図3(a)に例示したストーブ100の支線体33a,33bの位置を変更した場合の態様を示している。これらに示す載置台30は、第1の支線体33a及び第2の支線体33bは、その両方向に移動可能に構成されている。また、第1の支線体33a及び第2の支線体33bは、その高さも変更可能に構成されている。
【0068】
載置台30の幅方向の両側に、支線体が2つずつ存在している
図3(a)及び(b)のような態様においては、
図3(b)に示すように、それぞれの第1の支線体33a及び第2の支線体33bが移動可能であり、それによりワイヤー32の範囲を非常に自由に変更することができる。これは、ワイヤー32を支持する2つの支線体のセットが、2つ以上存在する場合に、同様の構成とすることができる。具体的に、
図3(b)の図面上左側の載置台30では、支線体33a,33bが共にストーブ100側に移動されており、ストーブ100及びワイヤー32の幅が
図3(a)と比較して狭くなっている。さらに。図面上左側の載置台30では、支線体33aがストーブ100側に移動されており、支線体33bがストーブ100の前面方向に移動しており、ストーブ100及びワイヤー32の幅が
図3(a)と比較してストーブ100の前面方向で一番狭くなっており、支線体33bに向けて広がっている。
【0069】
図3(a)及び(b)において、落下防止ワイヤー32は、一方の端部が第1の支線体33aに固定されており、他方の端部は、重量アンカー34が取り付けられている。例えば、落下防止ワイヤー32の片側を第1の支線体33aで固定又は支持し、移動可能な第2の支線体33bで落下防止ワイヤー32を略水平に支持しつつ、第2の支線体33bから略垂直にさらに落下防止ワイヤー32を延ばして、その略垂直の端部に重量アンカー34を取り付けることができる。この場合、第2の支線体33bは、落下防止ワイヤー32の支持位置を変更可能なように、落下防止ワイヤー32を支持することができる。例えば、第2の支線体33bは、ワイヤー32の支持位置を変更可能なように、支線体用レール33cをスライド可能に構成されている。第1の支線体33aも移動可能であってもよく、このような構成によれば、落下防止ワイヤー32の張力が変わることなく、第1の支線体33a及び/又は第2の支線体33bの位置を変更することができる。
【0070】
落下防止ワイヤー32の両端に重量アンカー34を取り付けることができる。例えば、移動可能な第1の支線体と、移動可能な第2の支線体とで、落下防止ワイヤーを略水平に支持しつつ、第1の支線体33a及び第2の支線体33bから略垂直にさらに落下防止ワイヤー32をそれぞれ延ばして、その略垂直の端部に重量アンカー34を取り付けることができる。この場合、第1の支線体33a及び第2の支線体33bは、落下防止ワイヤー32の支持位置を変更可能なように、落下防止ワイヤー32を支持することができる。このような構成によれば、落下防止ワイヤー32の張力が変わることなく、第1の支線体33a及び第2の支線体33bの位置を変更することができる。
【0071】
図4は、載置台30の固定位置を明確に示すために、筐体60を省略したストーブ100を概略的に例示している。受熱部分30aは、調理室20が収容されている内壁63に固定されている。特に、調理室20の左右の側面に対抗する内壁63の部分に固定されている。なお、この載置台30の載置部分30bは、ストーブ100本体から外側に大きく延在しており、この場合、受熱部分30aは、燃焼室の位置する内壁63に広めの面積で接すると共に、強固に固定される。更に、載置台30は、ストーブ100の背面で固定されていてもよい。または、載置台30は、ストーブ100の背面に延出する部分を省略して、ストーブ100の側面のみで固定されていてもよい。この場合は、載置台30の強度を保てる厚みや材質を選択する必要がある。
【0072】
図5は、載置台30の側面図であり、受熱部分30a及び固定部30cの1つの態様を概略的に例示している。この態様においては、受熱部分30aの面積は比較的小さいものの、載置部分30bの幅に対応して2つの固定部30cが存在しているため、載置部分30bに比較的重い調理器具等を載置しても強度的に問題が発生しにくい。
【0073】
〈載置台〉
図6は、本発明の第2実施形態にかかる載置台30を例示している。載置台30は、少なくとも2つの支線体33a、33b、及び支線体33a、33bの間に張られた落下防止ワイヤー32を有する。この支線体33a、33bの少なくとも1つは、載置台30上で移動可能に構成されており、かつ落下防止ワイヤー32の少なくとも片側の端部には重量アンカー34が取り付けられている。このように張られた落下防止ワイヤー32は、落下防止ワイヤー32の張力を維持したままで、支線体33a、33bを移動させることができる。
【0074】
載置台30は、第1実施形態に係る調理機能付きストーブ100の載置台30として用いることもでき、第1実施形態に係る調理機能付きストーブ100の載置台30と同じ構成を有することができる。また、載置台30は、落下防止の機能が求められる台であれば、特にその用途について限定されない。例えば、本発明の第2実施形態に係る載置台30は、本棚、食器棚等の一部であってもよい。すなわち、載置台30の幅方向の片側に壁が存在し、他方の側に落下防止の機能が存在する構成であれば、適応可能である。さらに、片側の壁の替わりに他方の側同様に落下防止の機能を設けることも可能である。また、載置台30が正方形や円形の場合には、2つ以上の落下防止の機能を備えていてもよい。
【0075】
載置台30には、2つの支線体33a、33bによって落下防止ワイヤー32が張られている。第1の支線体33aと第2の支線体33bは、共に支線体用レール33cをスライド可能に構成されているが、第1の支線体33aは、載置台30上で固定されていてもよい。
【0076】
落下防止ワイヤー32は、一方の端部が第1の支線体33aに固定されており、他方の端部は、重量アンカー34が取り付けられている。第2の支線体33bから略垂直にさらにワイヤー32を延ばされており、その略垂直の端部に重量アンカー34が取り付けられている。この場合、第2の支線体33bは、ワイヤーの支持位置を変更可能なように、支線体用レール33cをスライド可能に構成されている。このような構成によれば、ワイヤー32の張力が変わることなく、第1の支線体33a及び第2の支線体33bの位置を変更することができる。
【0077】
支線体33a、33bは、落下防止ワイヤー32を一定の張力で支持することができれば特に制限されないが、例えば柱上の支線柱であってもよい。支線体33a、33b又は支線柱を載置台30上で移動可能に構成することによって、例えばスライド可能に構成することによって、落下防止ワイヤー32が張られる載置台30上の範囲を調節することができる。なお、重量アンカー34は、落下防止ワイヤー32の両側に取り付けられていてもよい。
【0078】
幅方向及び長さ方向を有する載置台30において、支線体33a、33bは、その両方向に移動可能に構成されていることが好ましい。これによって、落下防止ワイヤー32が様々な大きさの物に対して、落下防止機能を有効に発揮することができる。
【0079】
落下防止ワイヤー32の一端にテンショナーとしての重量アンカー34を取り付けることができる。重量アンカー34は、一般的な錘であり、金属性等の比重量の大きい材質が好ましい。更に、テンショナーとしては、スプリングや油圧等も採用可能であり、落下防止ワイヤー32に張力をかけることができればよい。例えば、落下防止ワイヤー32の片側を第1の支線体33aで固定又は支持し、移動可能な第2の支線体33bで落下防止ワイヤー32を略水平に支持しつつ、第2の支線体33bから略垂直にさらに落下防止ワイヤー32を延ばして、その略垂直の端部に重量アンカー34を取り付けることができる。この場合、第2の支線体33bは、落下防止ワイヤー32の支持位置を変更可能なように、落下防止ワイヤー32を支持することができる。このような構成によれば、落下防止ワイヤー32の張力が変わることなく、第2の支線体33bの位置を変更することができる。
【0080】
落下防止ワイヤー32の両端に重量アンカー34を取り付けることができる。例えば、移動可能な第1の支線体33aと、移動可能な第2の支線体33bとで、落下防止ワイヤー32を略水平に支持しつつ、第1の支線体33a及び第2の支線体33bから略垂直にさらに落下防止ワイヤー32をそれぞれ延ばして、その略垂直の端部に重量アンカー34を取り付けることができる。この場合、第1の支線体33a及び第2の支線体33bは、落下防止ワイヤー32の支持位置を変更可能なように、落下防止ワイヤー32を支持することができる。このような構成によれば、落下防止ワイヤー32の張力が変わることなく、第1の支線体33a及び第2の支線体33bの位置を変更することができる。
【0081】
また、
図6には図示されていないものの、本発明の第2実施形態の載置台30の支線体33a,33bも、
図3(b)のように載置台30の幅方向にも移動が可能であり、支線体33a,33bの高さも変更可能である。
【0082】
当業者は、本発明の精神および範囲から外れることなく、さまざまな変更、置換および修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【0083】
〈変形例1〉
伝熱性の載置台30は、内壁63の内部から外部にわたって延びることができる。すなわち、載置台30は、直接燃焼室10の燃焼系ガスAによって過熱される。本変形例によると、内壁63に載置台30が接触している場合に比べて熱伝導効果を多く得ることができる。
【0084】
〈変形例2〉
本実施形態において熱交換室40は、調理室20の上側に配置されているが、調理室20よりも下側に配置されていてもよい。このように配置することで、載置台30を調理室20の上側に配置することが容易となる。すなわち、従来のストーブのようにストーブ本体の上側に鍋やヤカン等を置くことができるようになる。