【解決手段】 本発明のサーバ装置は、アプリケーションサービスを実現するプログラムを実行可能な1つまたは複数のプロセッサを備え、プログラムは、ユーザ端末から、鳥獣を捕獲するための罠の設置場所を指定する情報を取得する場所情報取得モジュールと、設置場所に仕掛けられた罠によって鳥獣が捕獲された場合、この罠の設置場所を指定したユーザに、所定の商品との交換のために使用可能な所定量のポイントを付与するポイント付与モジュールと、ユーザ端末から、ポイントを使用した、商品との交換要求が送信されると、交換要求に応じて、商品を、商品の提供者の代わりに、ユーザへ配送手続するポイント交換処理モジュールとを備える。
前記ポイント交換処理モジュールは、前記交換要求をしたユーザに対して、前記発送手続に必要な個人情報を要求し、前記ユーザへの配送手続を行う際に、この要求に応じて通知された個人情報を用いる、請求項1に記載のサーバ装置。
前記プロセッサは、前記配送手続のために、前記交換要求をしたユーザに対して、前記発送手続に必要な個人情報を要求し、前記ユーザへの配送手続を行う際に、この要求に応じて通知された個人情報を用いる、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の実施形態に係る、鳥獣害対策のための方法が適用されたサーバ装置を、図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、サーバ装置が配置されるネットワーク環境の一例を示すネットワーク構成図である。
【0034】
サーバ装置10は、
図1に例示するように、例えばPC、タブレット、スマートフォン(以下、「スマホ」と称する)のようなユーザ端末60と、例えば有線または無線の通信ネットワーク70を介して通信可能に接続され、ユーザ端末60に対してアプリケーションサービスAP(以下、「AP」と略称する)を提供する。APは、鳥獣害の捕獲のための罠を仕掛けるゲームアプリを通じて、ユーザにゲームを楽しんでもらいながら、鳥獣害の認知度を高めるとともに、ゲームアプリの利用料金を、鳥獣駆除のための費用として調達することができる。
【0035】
ユーザは、ユーザ端末60を操作することによって、サーバ装置10にアクセスし、APを利用することができる。すなわち、APは、Webアプリとして実現され、ユーザ端末60の中には、APの実体はない。また、サーバ装置10は、必ずしも実体的なサーバである必要はなく、クラウドで構築してもよい。
【0036】
なお、
図1に例示するようなネットワーク環境には、イーサネット(登録商標)等のLAN、あるいは公衆回線や専用回線を介して複数のLANが接続されるWAN等を含み得る。LANの場合には、必要に応じてルータを介した多数のサブネットから構成される。また、WANの場合には、公衆回線に接続するためのファイアウォール等を適宜備えているが、ここではその図示及び詳細説明を省略する。
【0037】
図2は、サーバ装置の電子回路構成例を示す機能ブロック図である。
【0038】
サーバ装置10の電子回路は、バス11によって互いに接続されたCPU12、記録媒体読取部14、通信部15、メモリ20、および記憶装置30を備えている。
【0039】
メモリ20は、APを実現するプログラムとして、ユーザ認証モジュール21、料金徴収モジュール22、地図情報提供モジュール23、場所情報取得モジュール24、捕獲実績情報蓄積モジュール25、捕獲実績情報提供モジュール26、ポイント付与モジュール27、およびポイント交換処理モジュール28を記憶している。
【0040】
これらプログラムモジュール21〜28は、メモリ20に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカード等の外部記録媒体13から記録媒体読取部14を介してメモリ20に読み込まれて記憶されたものであってもよい。これらプログラムモジュール21〜28は、書き換えできないようになっている。
【0041】
メモリ20には、このようなユーザ書き換え不可能なエリアの他に、書き換え可能なデータを記憶するエリアとして、書込可能データエリア29が確保されている。
【0042】
CPU12は、各プログラムモジュール21〜28を実行可能な1つまたは複数のプロセッサの一例であって、各プログラムモジュール21〜28に従い回路各部の動作を制御する。
【0043】
記憶装置30は、地図情報データベース31、ユーザ情報データベース32、および捕獲実績情報データベース33を備えている。
【0044】
記憶装置30は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等からなる。
【0045】
通信部15は、通信ネットワーク70に接続されており、通信ネットワーク70を介してなされるユーザ端末60とサーバ装置10との間の情報の送受信を司る。ユーザ端末60とサーバ装置10との間では、多くの情報の送受信がなされるが、これらはすべて、通信部15を介してなされる。以下の説明では、ユーザ端末60とサーバ装置10との間でなされる情報の送受信が、通信部15でなされるとの重複説明を避ける。
【0046】
ユーザ認証モジュール21は、APを利用するためにサーバ装置10にアクセスしたユーザ端末60に対して、ユーザ登録のためのユーザ登録画面、ユーザ認証のためのユーザ認証画面等を提供し、ユーザに対して、ユーザ登録情報のための入力や、ユーザ認証のための入力を促す。
【0047】
これに応じて、ユーザが、ユーザ端末60から、ユーザ登録のための入力や、ユーザ認証のための入力を行うと、ユーザ認証モジュール21は、その内容に応じて、ユーザ登録処理や、ユーザ認証処理を行い、ユーザ登録およびユーザ認証が問題なく完了すると、このユーザによるAPの利用を許可する。なお、ユーザは、ユーザ登録時に、住所、氏名、およびユーザ名を登録することができるが、住所および氏名は、ユーザ登録時に必ずしも入力する必要はなく、例えば後述する商品交換時のように、必要になった場合に入力しても良い。したがって、ユーザは、個人情報を必要以上に提供することなく、ユーザ登録を行い、ユーザ名を使って、APを使用することができる。
【0048】
ユーザ登録は、初回の利用開始時に一度行われればよく、ユーザ登録のためにユーザ端末60から入力されたユーザ登録情報U1と、ユーザ認証のためのユーザ認証情報U2(例えば、ユーザIDおよびパスワード)は、ユーザ毎に、ユーザ情報データベース32に蓄積され、次回の利用からは、ユーザ認証処理のみが必要とされる。ユーザ認証処理では、ユーザ端末60に入力されたユーザ認証情報と、ユーザ情報データベース32に蓄積されているユーザ認証情報U2との一致が判定される。なお、ユーザ登録およびユーザ認証については、従来の任意の手法を使用することができるので、詳細については省略する。
【0049】
料金徴収モジュール22は、ユーザ端末60からAPの利用料金を徴収するための処理を行う。料金徴収手法としては、クレジットカード払い、銀行振込、コンビニ決済、通信料金に加える手法など、従来の任意の手法を使用することができるので、ここでは、詳細を省略する。徴収された利用料金は、ゲーム内で使用可能なポイント(ゲーム内通貨)に変換される。APにおいて、ポイントは、鳥獣を捕獲するための罠を購入したり、あるいは後述するような商品との交換のために使用される。変換されたポイントは、該ユーザのユーザ登録情報U1に紐付けられて、ユーザ情報データベース32のポイント残高情報Pに記憶される。
【0050】
地図情報データベース31には、罠を仕掛けることが可能な場所が表示された地図情報Mを蓄積している。地図情報Mにおいて表示されている、罠を仕掛けることが可能な場所は、鳥獣を捕獲するための檻の設置場所に対応している。このような地図情報Mは、例えば自治体から提供される情報に基づいて作成され、新たな檻を設定したり、檻を撤去したりした場合には、都度更新される。
【0051】
地図情報提供モジュール23は、地図情報データベース31から地図情報Mを取得し、取得した地図情報Mを、ユーザ端末60から表示させるために、ユーザ端末60へ送信する。
【0052】
図3は、ユーザ端末から表示される地図情報の一例を示す概念図である。
【0053】
図3に例示されるように、ユーザ端末60から、檻の設置場所が丸印で示された地図情報Mが表示される。
【0054】
ユーザは、ユーザ端末60を操作することによって、地図情報Mを適宜スクロール、あるいは拡大縮小表示させながら、自分が罠を仕掛けたい場所を探すことができる。そして、罠を仕掛けたい場所を見つけたら、その場所に対応する丸印をタップすること等によって、罠を仕掛けたい場所を指定することができる。この指定情報が、ユーザ端末60からサーバ装置10へ送信されることによって、場所情報取得モジュール24は、ユーザ端末60から、ユーザが、罠を仕掛けたい場所を指定する入力を取得することができる。
【0055】
なお、サーバ装置10は、ユーザが、罠を仕掛けたい場所を指定する際に、地図情報Mを提供するのみならず、過去の鳥獣捕獲の捕獲実績情報J(例えば、罠(捕獲場所)毎の捕獲成功回数、失敗回数の履歴等)を提示することもできる。
【0056】
このために、サーバ装置10は、捕獲実績情報蓄積モジュール25、捕獲実績情報提供モジュール26、および捕獲実績情報データベース33を備えている。
【0057】
捕獲実績情報蓄積モジュール25は、指定された場所に仕掛けられた罠によって鳥獣が捕獲された場合、捕獲日、捕獲場所、この罠を指定したユーザ端末の数を含む捕獲実績情報Jを、捕獲実績情報データベース33に蓄積する。
【0058】
捕獲実績情報提供モジュール26は、捕獲実績情報データベース33によって蓄積された捕獲実績情報Jを、ユーザ端末60へ提供する。
【0059】
図4は、ユーザ端末から表示される捕獲実績情報の一例を示す概念図である。
【0060】
捕獲実績情報Jは、
図4に例示されているように、統計グラフおよびログデータとして表示されても良いし、統計グラフのみ、あるいはログデータのみであっても、あるいは他の任意の形式で表示されても良い。
【0061】
このようにして、ユーザは、地図情報Mのみならず、捕獲実績情報Jをも参照することによって、罠を仕掛けたい場所を決定することができる。罠を仕掛けたい場所を決定すると、次に、罠の種類を決定することができる。
【0062】
図5は、ユーザ端末から表示される罠選択画面の一例を示す概念図である。
【0063】
罠選択画面Wは、場所情報取得モジュール24によって提供される画面であり、
図5に例示するように、罠の種類が一覧表示される。罠には、例えば購入から1か月以内、あるいは3か月以内といったように有効期限が指定されており、有効期限の長さに応じて値段が異なる。罠選択画面Wおよび後述する別の画面では、罠の値段はポイントで示されている。有効期限が長い方が、値段が高い。また、罠には、どの鳥獣の捕獲を目的としているのかを示す捕獲対象鳥獣(例えば、鹿、猪等)も指定されており、捕獲対象鳥獣に応じても値段は異なる。小型鳥獣のための罠よりも、大型鳥獣のための罠の方が、値段が高い。ユーザは、保有しているポイントを使って、罠を購入することができる。このように罠を購入したユーザを、本明細書では、「罠オーナ」と称する。
【0064】
ユーザは、ユーザ端末60を操作することによって、罠選択画面Wから、所望の罠(例えば、有効期限1か月:猪)を選択することができる。これに応じて、場所情報取得モジュール24は、ユーザ情報データベース32に記憶されているユーザ登録情報U1に紐付けて、該ユーザの罠購入情報Kを記録する。罠購入情報Kは、罠の場所、値段、有効期限、捕獲目標鳥獣を含んでいる。場所情報取得モジュール24はさらに、ユーザ情報データベース32に記憶されている該ユーザのポイント残高情報Pを参照し、現在保有しているポイントから、罠の購入に使用されたポイントを引くことによって、ポイント残高情報Pのポイントを更新する。
【0065】
このようにしてユーザ情報データベース32に記憶された罠購入情報Kに基づいて、現場、すなわち指定された檻に、指定された罠が仕掛けられる。
【0066】
現場には、檻が設置されている他に、種々のセンサ、カメラ等の撮像手段、および通信手段も設置されている。これらセンサは、気候、天候、温度、湿度、土壌水分、日射量、振動、音等の種々のデータを取得する。例えばカメラのような撮像手段は、檻に鳥獣が捕獲された状態の画像を撮像する。通信手段は、この画像情報や、他のセンサによって取得された種々のデータに応じた信号を、サーバ装置10、あるいは専用のサーバ(図示せず)へ送信することができる。
【0067】
これら画像情報やデータは、鳥獣捕獲率と、環境条件との相関関係に関する貴重な知見として活用することができる。例えば、実際に鳥獣が罠に捕獲されたときに取得されたデータを詳細に分析すれば、どのような条件であれば、捕獲率を高めることができるのかに関する新たな知見が期待できるであろう。そして、得られた知見に基づいて、檻の配置を最適化することもできる。また、データを、捕獲実績情報データベース33に蓄積し、捕獲実績情報提供モジュール26から、統計データとしてまとめた形でユーザ端末60や自治体へ提供してもよい。また、動物学者に提供すれば、これらデータは、研究用のデータとして有効に活用されるだろう。
【0068】
ユーザは、捕獲実績情報提供モジュール26から提供される統計データを参照することによって、どういう条件であれば、鳥獣を捕獲できる可能性が高くなるのかを推理することが可能となる。このような推理は、ユーザが、次の罠を購入するための動機付けとなる。APでは、後述するように、仕掛けた罠によって鳥獣の捕獲に成功すると、ボーナスのポイントが付与される。したがって、ユーザは、この推理結果を使って、次の罠をどこに仕掛けたらよいかを学習することができる。このようにして、APが普及すると、自ずと、鳥獣害に対する認識も高まるとともに、捕獲率の高い場所に罠もどんどん仕掛けられるようになるという好循環が形成されるようになるので、APの利用を通じて鳥獣害対策の飛躍的な促進が期待できる。
【0069】
また、それに伴って、捕獲実績情報データベース33にもますます多くのデータが蓄積され、自治体や動物学者へも、より多くの統計データが提供されるようなる。したがって、自治体や動物学者によって、これら統計データが分析されることによって、鳥獣の生態系に関するより多くの有用な知見が発見され、新たな付加価値の構築にも活用されるようになるであろう。
【0070】
ところで、1つの現場(山や森)には、数百箇所といった多数の檻が設置される。このような多数の檻に対して、上述したような種々のセンサを設定するには、多大なコストがかかる。また、通信手段による通信量も膨大となる。そこで、通信手段としては、遠距離でも通信コストが非常に安いIoT用の通信インフラ(例えば、LoRaWAN)を使用することが好適である。通信手段として、携帯電話の通信網を使用することは好ましくはない。なぜなら、1つの現場に、多数の檻が設置されることから、コストが膨大になることと、そもそも、山中深くでは、携帯電話の電波が届かない所もあるからである。
【0071】
このように、通信手段には、通信コストが非常に安い通信インフラの導入が検討されているものの、センサの設置等に要する費用も膨大である。
【0072】
そこで、ユーザのポイントを、罠の購入や、後述するような商品との交換のみならず、センサの費用に充てるようなオプションを、APに持たせるようにしてもよい。これによって、ポイントを、現場のインフラの充実のために活用することも可能となる。
【0073】
ポイント付与モジュール27は、指定された場所に仕掛けられた罠によって、目的とする鳥獣が捕獲された場合、すなわち捕獲成功の場合、罠オーナに成功報酬として、ボーナスのポイントを付与する。ボーナスのポイントが付与されると、ポイント残高情報Pに記録されているポイントに、ボーナスのポイントが加算されることによって、ポイント残高情報Pが更新される。ユーザは、ポイント残高情報Pに記録されているポイントを、さらなる罠の購入資金として、または、後述するような商品との交換のために、あるいは前述したようなセンサの費用に使用することができる。
【0074】
なお、ボーナスのポイントを付与するためには、実際に捕獲が成功したこと、すなわち、指定された場所に仕掛けられた罠によって、罠の有効期限内に、目的とする鳥獣が捕獲されたことを確認する必要がある。なぜなら、例えば、檻の扉が閉まった場合であっても、実際の鳥獣が捕獲された訳ではなく、空ハジキといって、風で檻の扉が閉まった場合であったり、扉が閉まっているけれども、実際に鳥獣が捕獲されていない(逃げられた)場合であったり、目的外の鳥獣が捕獲された場合もあり得るからである。
【0075】
したがって、ボーナスのポイントを付与するか否かを判定するために、以下のような確認作業を要する。
【0076】
まず、檻の扉が閉まると、檻に設置された扉センサが発動し、扉センサからの信号が、通信ネットワーク70を介して、サーバ装置10へ送信される。
【0077】
扉センサから信号が送信されると、APの運営者は、遠隔カメラにより該檻の状態をモニタリングし、罠が発動していること(檻が実際に閉まっていること)、および、罠の有効期限内であることを確認し、さらに、檻の中に、目的とする鳥獣が捕獲されていることを確認する。APの運営者は、このような確認作業によって、捕獲成功か否かを判定し、捕獲成功と判定した場合には、該罠オーナのユーザ端末60に、捕獲成功通知画面を表示するとともに、ポイント付与モジュール27に対して、該罠オーナにボーナスのポイントを付与するように指示する。
【0078】
図6は、ユーザ端末から表示される捕獲成功通知画面の一例を示す概念図である。
【0079】
該罠オーナは、ユーザ端末60から、
図6に示すような捕獲成功通知画面が表示されることによって、捕獲に成功したことと、ボーナスとして付与されたポイント(例えば、200ポイント)とを確認することができる。
【0080】
ポイント交換処理モジュール28は、ユーザが、ポイント残高情報Pに記録されたポイントを、商品と交換したい場合に起動される。
【0081】
図7は、ユーザ端末から表示される商品交換画面の一例を示す概念図である。
【0082】
ユーザは、ポイント残高情報Pに記録されたポイントを、商品と交換したい場合、ユーザ端末60を操作すると、
図7に例示するような、商品交換画面Sが表示される。
【0083】
商品交換画面Sでは、ユーザのポイント残高情報Pに記録されている残高ポイントZが表示されるとともに、その残高ポイントZで交換可能な商品が、リスト、アイコン、および画像等によって表示される。ユーザは、ユーザ端末60を操作することによって、表示された商品の中から所望する商品を指定することができる。
【0084】
商品は、例えば農家や自治体のように、鳥獣捕獲による恩恵の享受者によって提供される農産品や特産品とすることができる。この場合、実際に鳥獣が捕獲された檻の近傍の農家以外の農家であっても、あるいは、実際に鳥獣が捕獲された檻を所有している自治体以外の自治体であってもよい。このように、商品の提供者に限定を設けないことによって、より多くの種類の商品を提供できるようになるので、ユーザにとってより魅力的となる。
【0085】
商品は、必ずしも物理的な商品ではなく、サービスとすることもできる。例えば、捕獲した鳥獣をジビエとして食べるジビエイベントへの招待券としてもよい。自治体としては、このようなイベントを企画すれば、都会のユーザが実際にその自治体を訪れてくれることになるので、一種の観光事業を実施することにもなるので、自治体の活性化にもつなげることができるというメリットがある。
【0086】
一方、ユーザは、自分が罠を仕掛けた現場を実際に訪れることによって、罠オーナとしての自覚の高揚に加えて、現地の人との交流を通じて、楽しい時間を過ごすことができるのみならず、鳥獣害に対する意識をさらに高めることができる。
【0087】
この種のサービスを、提供者に制限を設けることなくユーザに提供可能とすることによって、自治体同士での競争原理も働くようになるので、さらに良質な商品をユーザに提供できるようになるという相乗効果も期待される。
【0088】
ポイント交換処理モジュール28は、このようにしてユーザによって商品を指定されると、該ユーザのユーザ登録情報U1を参照して、ユーザの住所および氏名を把握し、商品の発送に必要な処理を行う。なお、前述したように、APは、ユーザ登録時に、ユーザに対して、住所や氏名といった個人情報の入力を必ずしも要求している訳ではないので、ユーザ登録情報U1に、ユーザの住所も氏名も記録されていない場合もあり得る。そのような場合には、ポイント交換処理モジュール28は、ユーザ端末60に対して、ユーザの住所および氏名の入力を要求する。
【0089】
これに応じてユーザがユーザ端末60を操作して住所および氏名を入力すると、入力された住所および氏名は、該ユーザのユーザ登録情報U1に記録され、ポイント交換処理モジュール28は、ユーザ登録情報U1に記録された住所および氏名を参照して、荷札を作成し、運送会社等に対して、商品の発送要求を行う。
【0090】
商品の発送が完了した後は、ポイント交換処理モジュール28は、ユーザ登録情報U1に記録されている該ユーザの住所および氏名を消去する。すなわち、個人情報は、必要な場合にのみしか使用されず、使用後は破棄されることにより、サーバ装置10内には残らないので、個人情報が漏洩する心配はない。
【0091】
次に、以上のように構成した本発明の実施形態に係る、鳥獣害対策のための方法が適用されたサーバ装置の動作例について説明する。
【0092】
図8は、ユーザ端末から表示されるログイン画面の一例を示す概念図である。
【0093】
ユーザは、APを利用する場合、ユーザ端末60からサーバ装置10にアクセスすると、ユーザ端末60から、
図8に例示するようなユーザ認証画面aが表示される。これに応じて、ユーザは、ユーザ端末60の入力機能を使って、既に登録されている例えばメールアドレスのようなユーザIDを入力欄a1に、パスワードを入力欄a2に入力する。
【0094】
入力されたユーザIDと、パスワードとが、既に登録されているものと一致する場合、APは、このユーザの入力を許可する。一方、以前にユーザ登録がなされていない場合、ユーザは、新規登録ボタンa3をタップすることによって、新規登録画面を開き、新規登録処理を行うことができる。
【0095】
図9は、ユーザ端末から表示される新規登録画面の一例を示す概念図である。
【0096】
新規登録ボタンa3がタップされると、
図9に例示するような新規登録画面bがユーザ端末60から表示される。ユーザは、新規登録画面bに必要な情報として、例えば、ニックネームb1、メールアドレスb2、パスワードb3、パスワード(確認用)b4を入力することによって新規登録処理を行うことができる。
【0097】
APへのログインが完了すると、ユーザ端末60からホーム画面が表示される。
【0098】
図10Aおよび
図10Bは、ユーザ端末から表示されるホーム画面の一例を示す概念図である。
【0099】
図10Aには、該ユーザが既に設置している罠の状況表示欄を含むホーム画面c1が例示されている。
【0100】
図10Aに示すホーム画面c1には、2つの罠の状況表示欄c11、c12しか示されていないが、罠の数は2つに限定されず、該ユーザが設置している罠の数に応じた数の況表示欄c11、c12・・・が表示される。状況表示欄c11、c12には、同じ罠を設定しているユーザの数、罠が設置されている住所、罠の有効期限、捕獲実績等の情報が含まれている。さらに、各状況表示欄c11、c12にはそれぞれ、詳細設定ボタンc111、c121および設置場所変更ボタンc112、c122が表示されている。ユーザは、詳細設定ボタンc111、c121をタップすることによって、後述する
図13Aに例示するような罠詳細設定画面e1が表示される。また、ユーザは、設置場所変更ボタンc112、c122をタップすることによって、罠の設置場所を変更する罠設置場所変更処理に進むことができる。なお、罠設置場所変更処理については、後述する。
【0101】
図10Bには、罠による捕獲速報に関する情報を示すホーム画面c2が例示されている。ホーム画面c1とホーム画面c2とは、タブによって、相互に切替表示可能である。したがって、ユーザは、ホーム画面c1が表示されている状態から、ホーム画面c2が表示される状態に切り替えたり、逆に、ホーム画面c2が表示されている状態から、ホーム画面c1が表示される状態に切り替えることができる。
【0102】
ホーム画面c2には、捕獲が成功した実績(以下、「捕獲実績」と称する)c21、c22、c23毎に、罠の設置場所、捕獲時刻等の情報が、最新順に表示されている。各捕獲実績c21、c22、c23には、詳細設定ボタンc211、c221、c231も表示されている。ユーザは、詳細設定ボタンc211、c221、c231をタップすることによって、対応する捕獲実績のさらなる詳細な情報を表示させることができる。
【0103】
ホーム画面c1、c2にはいずれも、罠設置ボタンc13、c24が表示されている。ユーザは、罠設置ボタンc13、c24をタップすることによって、後述する
図12Aに例示されるような罠設置場所一覧画面d1が表示される。
【0104】
図11は、罠の設置処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0105】
このフローは、ホーム画面c1、c2が表示される開始ステップS1で始まり、ホーム画面c1、c2において罠設置ボタンc13、c24がユーザによってタップされると、罠設置場所一覧モードS2へ進み、その後、罠詳細ステップS3、未設置罠一覧ステップS4、および罠購入ステップS5へと進む。なお、開始ステップS1から、罠設置場所一覧モードS2をパスして罠詳細ステップS3に進んだり、罠設置場所一覧モードS2から、罠詳細ステップS3をパスして未設置罠一覧ステップS4に進んだり、未設置罠一覧ステップS4の後、罠購入ステップS5へ進むことなく処理を終了したり、未設置罠一覧ステップS4の後、罠購入ステップS5を実施後、再び未設置罠一覧ステップS4に戻ることもできる。
【0106】
以下に、各ステップについて詳細に説明する。
【0107】
前述したように
図10Aに例示されるホーム画面c1において罠設置ボタンc13がタップされた場合、または
図10Bに例示されるホーム画面c2において罠設置ボタンc24がタップされた場合、開始ステップS1から、罠設置場所一覧モードS2へ進み、ユーザ端末60から罠設置場所一覧画面が表示される。
【0108】
図12Aは、ユーザ端末から表示される罠設置場所一覧画面の一例を示す概念図である。
【0109】
図12Aは、罠を新規に設置する際に表示される罠設置場所一覧画面d1であって、罠の設置可能場所(A,B,C,D,E)を示す地図d11と、各設置可能場所における罠の設置状況d12、d13・・・とが表示されている罠設置場所画面d1が例示されている。
【0110】
例えば、設置可能場所Aにおける罠の設置状況d12には、設置可能場所Aに罠を設置しているユーザ数d121、設置可能場所Aの住所d122、罠の有効期限d123、設置変更ボタンd124、および詳細表示ボタンd125が表示されている。
【0111】
一方、設置可能場所Bにおける罠の設置状況d13には、設置可能場所Bに罠を設置しているユーザ数d131、設置可能場所Bの住所d132、設置ボタンd134、および詳細表示ボタンd135が表示されている。
【0112】
該ユーザが、設置可能場所Aに既に罠を設置している場合、設置状況d12のように、設置変更ボタンd124が表示される。
【0113】
ユーザは、設置変更ボタンd124をタップすることによって、例えば
図12Bに例示するような罠設置場所一覧画面d2が表示され、設置可能場所Aに既に設置している罠を、別の設置可能場所に変更するための罠設置場所変更処理に進むことができる。罠設置場所変更処理については、後述する。
【0114】
また、ユーザは、詳細表示ボタンd125をタップすると、罠詳細ステップS3に進むことができる。
【0115】
図12Aに戻って、設置可能場所Bに罠が設置されていない場合、設置状況d13のように、設置ボタンd134が表示される。ユーザは、設置可能場所Bに新たに罠を設置したい場合、設置ボタンd134をタップすることによって、未設置罠一覧ステップS4に進むことができる。
【0116】
また、ユーザは、詳細表示ボタンd135をタップすると、罠詳細ステップS3に進むことができる。
【0117】
図12Bは、罠設置場所変更処理時にユーザ端末から表示される罠設置場所一覧画面の一例を示す概念図である。
【0118】
図12Bは、既に設置している罠を、別の設置可能場所に変更するための罠設置場所変更処理時に表示される罠設置場所画面d2であって、罠の設置可能場所(A,B,C,D,E)を示す地図d21と、各設置可能場所における罠の設置状況d22、d23・・・とが表示されている。
【0119】
図12Bにおいて、設置可能場所Bにおける罠の設置状況d22には、設置可能場所Bに罠を設置しているユーザ数d221、設置可能場所Bの住所d222、および設置ボタンd224が表示されている。設置可能場所Cにおける罠の設置状況d23も、同様な構成となっている。
【0120】
ユーザは、設置可能場所Aに設置していた罠を、設置可能場所Bに設置するように変更する場合、設置ボタンd224をタップし、設置可能場所Cに設置するように変更する場合、設置ボタンd234をタップする。これによって、未設置罠一覧ステップS4に進むことができる。
【0121】
また、ユーザは、開始ステップS1において、
図10Aに例示されるホーム画面c1から、詳細設定ボタンc111、c121をタップすることによって、開始ステップS1から、罠設置場所一覧モードS2をパスして、罠詳細ステップS3に進むことができる。
【0122】
罠詳細ステップS3では、ユーザ端末60から、罠設置前の罠詳細設定画面が表示される。
【0123】
図13Aは、罠設置前にユーザ端末から表示される罠詳細設定画面の一例を示す概念図である。
【0124】
罠詳細設定画面e1には、罠の設置可能場所(A,B,C,D,E)を示す地図e11が表示されている。ユーザは、地図e11に表示された設置可能場所のうち、罠を設置したい場所(例えば、A)をタップ等により指定すると、罠詳細設定画面e1には、地図e11の下に、設置しようとしている罠の詳細情報e12が表示される。詳細情報e12には、例えば、この場所に罠を設置しているユーザの数、住所、過去の捕獲実績(
図13Aにおいて「ホカクトーケイ情報」として示される)等が含まれる。罠詳細設定画面e1には、設置ボタンe121も表示されており、ユーザは、この場所に罠を設置したい場合には、設置ボタンe121をタップすることによって、罠の設置場所を確定し、未設置罠一覧ステップS4に進むことができる。
【0125】
罠の設置が確定すると、ユーザ端末60からは、罠設置後の罠詳細設定画面が表示される。
【0126】
図13Bは、罠設置後にユーザ端末から表示される罠詳細設定画面の一例を示す概念図である。
【0127】
罠詳細設定画面e2には、罠の設置可能場所(A,B,C,D,E)を示す地図e21と、設置された罠の詳細情報e22とが表示される。詳細情報e22には、例えば、この場所に罠を設置しているユーザの数、住所、罠の有効期限等が含まれる。罠詳細設定画面e2には、設置場所変更ボタンe221も表示されており、ユーザは、設置場所変更ボタンe221をタップすることによって、罠設置場所変更処理に移ることもできる。
【0128】
未設置罠一覧ステップS4では、ユーザ端末60から、未設置罠一覧画面が表示される。
【0129】
図14Aは、ユーザ端末から表示される未設置罠一覧画面の一例を示す概念図である。
【0130】
未設置罠一覧画面f1には、購入済みであるが未設置の罠の一覧情報f11、f12、f13が表示されている。なお、
図14Aでは、3つの罠の一覧情報f11、f12、f13が示されているが、未設置の罠の数は、3つに限定されない。一覧情報f11、f12、f13では、罠の有効期限が表示されている。また、未設置罠一覧画面f1には、罠設置ボタンf111、f121、f131もそれぞれ配置されており、ユーザは、所望する罠の一覧情報f11、f12、f13の罠設置ボタンf111、f121、f131をタップすることによって、未設置の罠の中から、設置する罠を決定することができる。
【0131】
さらに、一覧情報f11、f12、f13の下には、罠購入ボタンf15およびキャンセルボタンf16も表示されている。ユーザは、罠を購入する際には罠購入ボタンf15をタップすることによって、罠購入ステップS5へ進むことができる。また、キャンセルボタンf16をタップすることによって、APの動作を終了させることができる。
【0132】
なお、未設置の罠は常に存在する訳ではなく、存在しない場合もあり得る。このような場合、未設置罠一覧ステップS4では、ユーザ端末60から、
図14Aのような未設置罠一覧画面f1の代わりに、
図14Bのような画面f2が表示される。
【0133】
図14Bは、未設置の罠がない場合にユーザ端末から表示される画面の一例を示す概念図である。
【0134】
図14Bに例示する画面f2にも、罠購入ボタンf21およびキャンセルボタンf22が表示されている。ユーザは、罠を購入する際には罠購入ボタンf21をタップすることによって、罠購入ステップS5へ進むことができる。また、キャンセルボタンf22をタップすることによって、APの動作を終了させることができる。
【0135】
罠購入ステップS5では、ユーザ端末60から、罠購入画面が表示される。
【0136】
図15は、ユーザ端末から表示される罠購入画面の一例を示す概念図である。
【0137】
罠購入画面gには、ユーザが保有するポイント数表示欄g1に加えて、購入可能な罠の一覧表示g2、g3、g4、g5がなされている。各一覧表示g2、g3、g4、g5には、罠名称(例えば、「罠30」、「罠90」等)、有効期限(例えば、「30」(購入日から30日を表す)、「60」等)、購入ポイント(例えば、「1,000」(1,000ポイントを表す)等)の情報が表示されている。また、各一覧表示g2、g3、g4、g5には、購入ボタンg21、g31、g41、g51も表示されている。
【0138】
ユーザは、ポイント数表示欄g1に表示されている保有ポイント内で、各一覧表示g2、g3、g4、g5に表示されたいずれかの罠を購入することができる。実際に購入手続きをする場合には、購入したい罠の一覧表示g*に表示されている購入ボタンg*1(*は、
図15に示す例の場合、2〜5のうちの何れかの整数)をタップする。また、キャンセルボタンg6をタップすることによって、1つ前の画面に戻ることができる。
【0139】
このようにしてユーザは、罠を購入することができる。罠を購入すると、未設置罠一覧ステップS4の処理に戻り、購入した罠は、
図14Aに例示するような未設置罠一覧画面f1において表示されるようになる。従って、ユーザは、前述した未設置罠一覧ステップS4の処理を実行することによって、所望する罠の設置可能場所に罠を設定するための処理を行うことができる。
【0140】
以上、
図11に示すような罠の設置処理の流れについて説明した。次に、
図16を用いて、罠の設置場所変更処理の流れについて説明する。
【0141】
図16は、罠の設置場所変更処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0142】
APでは、
図11に示すような罠の設置処理と、
図16に示すような罠の設置場所変更処理とは、おのおの独立して実施されるのではなく、実際には、複雑に入り組んで実施され、画面上の種々のボタンをタップすることによって、あるステップから任意のステップにジャンプできるようになっている。従って、本明細書において、罠の設置処理の流れを
図11に示し、罠の設置場所変更処理の流れを
図16に示しているのは、あくまで説明の便宜上であると留意されたい。したがって、以下における罠の設置場所変更処理の説明では、すでに説明した図面については、重複説明を避け、罠の設置場所変更処理に関する点のみについて簡潔に説明するものとする。
【0143】
罠の設置場所変更処理については、
図12Bを用いて簡単に説明したが、全体の処理の流れは
図16に示すように、開始ステップS11、罠設置場所一覧モードS12、設置場所詳細ステップS13、および罠設置場所選択モードS14からなり、罠設置場所選択モードS14の後は罠設置場所一覧モードS12へ戻る。
【0144】
これら各ステップS11〜S15の実行時にも、ユーザ端末60からは、
図11に示すステップS1〜S5の実行時と同様に、
図10A、
図12A、
図13A、
図13Bのような画面が表示される。
【0145】
開始ステップS11では、
図10Aに例示するような画面が、ユーザ端末60から表示される。
【0146】
ユーザは、
図10Aにおける罠設置ボタンc13をタップすることによって、罠設置場所一覧モードS12に進むことができる。
【0147】
またユーザは、
図10Aにおける詳細設定ボタンc111、c121をタップすることによって、設置場所詳細ステップS13に進むことができる。
【0148】
さらにユーザは、
図10Aにおける設置場所変更ボタンc112、c122をタップすることによって、罠設置場所選択モードS14に進むことができる。
【0149】
罠設置場所一覧モードS12では、ユーザ端末60から、
図12Aのような画面が表示される。ユーザは、
図12Aのような画面に従って、罠設置場所を一覧表示することができる。
【0150】
ユーザは、
図12Aにおける設置変更ボタンd124をタップすることによって、罠設置場所選択モードS14に進むことができる。
【0151】
設置場所詳細ステップS13では、ユーザ端末60から、
図13Bのような画面が表示される。ユーザは、
図13Bのような画面に従って、罠設置場所の詳細指定に関する操作を行うことができる。
【0152】
ユーザは、
図13Bにおける設置変更ボタンe221をタップすることによって、罠設置場所選択モードS14に進むことができる。
【0153】
罠設置場所選択モードS14では、
図13Aのような画面が表示される。ユーザは、
図13Aのような画面に従って、罠設置場所選択処理に関する操作を行うことができる。
【0154】
ユーザは、
図13Aにおける設置ボタンe121をタップすることによって、罠設置処理を完了することができる。その後、処理は、罠設置場所一覧モードS12に戻り、ユーザ端末60から、
図12Aのような画面が表示されることにより、ユーザは、罠設置場所を一覧表示することができる。
【0155】
一方、
図13Aにおけるキャンセルボタンe122をタップすることによって、罠設置場所選択モードS15を終了し、罠設置場所一覧モードS12に戻ることができる。
【0156】
以上、
図16を用いて、罠の設置場所変更処理の流れについて説明した。
【0157】
このようにして決定された設置場所(以下、「現場」とも称する)に配置されている檻に、罠が設置される。
【0158】
罠にかかって鳥獣が檻に入ると、檻の扉が閉まり、センサが発動し、センサからの信号が、通信ネットワーク70を介して、サーバ装置10へ送信される。
【0159】
これに応じて、APの運営者が、遠隔カメラにより、檻の状態をモニタリングし、罠が発動していること(檻が実際に閉まっていること)、および、罠が有効期限内であることを確認し、さらに、檻の中に、目的とする鳥獣が捕獲されていることを確認する。
【0160】
APの運営者は、このような確認作業によって、捕獲成功か否かを判定し、捕獲成功と判定した場合には、該罠オーナのユーザ端末60に、
図6に例示するような捕獲成功通知画面を表示するとともに、ポイント付与モジュール27に対して、該罠オーナにボーナスのポイントを付与するように指示する。
【0161】
該罠オーナは、ユーザ端末60から、
図6に示すような捕獲成功通知画面が表示されることによって、鳥獣の捕獲に成功したことと、ボーナスのポイント(例えば、200ポイント)が付与されたこととを確認することができる。
【0162】
付与されたポイントは、新たな罠の購入や、商品との交換のために使用することができる。
【0163】
なお、現場には、檻が設置されている他に、種々のセンサ、カメラ等の撮像手段、通信手段も設置されている。これらセンサによって、気候、天候、温度、湿度、土壌水分、日射量、振動、音等の種々のデータが取得される。これらセンサによって取得された種々のデータに応じた信号や、撮像手段によって撮像された画像データは、通信手段によって、サーバ装置10、あるいは専用のサーバ(図示せず)へ送信される。
【0164】
一方、ユーザは、ポイントを、商品と交換したい場合、
図7に例示するような商品交換画面Sをユーザ端末60から表示する。
【0165】
商品交換画面Sでは、ユーザのポイント残高情報Pに記録されている残高ポイントZが表示されるとともに、その残高ポイントZで交換可能な商品が、リスト、アイコン、および画像等によって表示される。ユーザは、ユーザ端末60を操作することによって、表示された商品の中から所望する商品を指定することができる。
【0166】
ポイント交換処理モジュール28では、このようにしてユーザによって商品を指定されると、該ユーザのユーザ登録情報U1が参照され、ユーザの住所および氏名が把握され、商品の発送に必要な処理が行われる。なお、前述したように、APは、ユーザ登録時に、ユーザに対して、住所や氏名といった個人情報の入力を必ずしも要求している訳ではないので、ユーザ登録情報U1に、ユーザの住所も氏名も記録されていない場合もあり得る。そのような場合には、ポイント交換処理モジュール28によって、ユーザ端末60に対して、ユーザの住所および氏名の入力が要求される。
【0167】
これに応じてユーザがユーザ端末60を操作して住所および氏名を入力すると、入力された住所および氏名のような個人情報は、該ユーザのユーザ登録情報U1に記録される。ポイント交換処理モジュール28は、ユーザ登録情報U1に記録された住所および氏名を参照して、商品の提供者の代わりに、ユーザへの商品発送手続きを行う。
【0168】
商品は、前述したように、例えば農家や自治体のように、鳥獣捕獲による恩恵の享受者によって提供される農産品や特産品であり得るが、これら商品は、例えば農家や自治体のような商品提供者から、ユーザに対して直接的に発送手配されるのではなく、APの運営者によって発送手配される。
【0169】
これによって、ユーザの個人情報は、商品提供者へ提供されず、ユーザの個人情報を取り扱うことができるのは、APの運営者のみとなる。そして、商品の発送が完了した後は、ユーザ登録情報U1に記録されているユーザの個人情報は、ポイント交換処理モジュール28によって消去される。このように、個人情報は、必要な場合しか使用されず、使用後は破棄されるので、サーバ装置10内には残らない。したがって、ユーザの個人情報はどこにも漏洩しないため、ユーザは、安心して、APの利用を継続することができる。
【0170】
また、AP内では、金銭のやり取りは発生しないので、商品交換に際し、金銭トラブルが発生することはない。
【0171】
さらには、前述したように、商品の発送手配を、商品提供者が直接行うのではなく、APの運営者が代行して行うことは、商品提供者にもメリットがある。それは、商品提供者は、ポイントとの交換に供される商品を、APの運営者に一括して納入すればよくなるために、商品提供者は、商品を、各ユーザに個別発送するといった面倒な作業を行なうことなく、APの運営者という新たな安定した販路を得られるようになったことである。販路の拡大は、経営の安定化に直結することなので、農家(例えば、農業従事者や畜産業者)や自治体といった商品提供者にとって、好ましいものである。
【0172】
このメリットは、APの普及が進むほど、大きくなるので、商品提供者のモチベーション向上にも寄与し、商品提供者間での競争原理も働くようになり、商品供給者の参加数の増加や、商品のラインアップの充実度の向上が期待される。
【0173】
さらにこれは、APを利用するユーザ数の増加にもつながる。より多くのユーザがAPを利用するようになることによって、自治体が費やしていた罠の費用負担を低減できるようになる。また、鳥獣害に対する注目度もより高まるといった好循環をもたらす。
【0174】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、鳥獣捕獲のための罠の設置場所を指定するアプリケーションサービスを、より多くのユーザに利用してもらい、その利用料金を、罠の設置のための費用として活用することができる。そして、実際に鳥獣捕獲に成功した場合には、商品との交換が可能なポイントをユーザに付与することによって、ユーザは、該アプリケーションサービスを継続的に利用したくなる。
【0175】
これによって、鳥獣害の認知度を高めることが可能になるととともに、罠の設置のための費用を、継続的に確保することができるので、鳥獣害の減少に寄与することが可能となる。
【0176】
しかも、商品との交換に際し、商品は、ユーザに対して、APの運営者から発送手配されるので、商品との交換に際し、ユーザの個人情報は、商品供給者へ拡散されることはない。また、商品の発送完了後は、個人情報は、サーバ装置10からも破棄されるので、個人情報が漏洩することはない。さらに、商品の交換に際し、金銭による取引はなされないので、金銭トラブルも発生しない極めて安全性の高い商品交換処理を実現することができる。
【0177】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
すなわち、請求項1の発明は、ユーザ端末と通信可能に接続され、前記ユーザ端末に対してアプリケーションサービスを提供するサーバ装置であって、前記アプリケーションサービスを実現するプログラムを実行可能な1つまたは複数のプロセッサを備える。前記プログラムは、前記ユーザ端末から、
設置場所を指定したユーザに、所定の商品との交換のために使用可能な所定量のポイントを付与するポイント付与モジュールと、前記ユーザ端末から、前記ポイントを使用した、商品との交換要求が送信されると、前記交換要求に応じて、前記商品を、前記商品の提供者の代わりに、前記ユーザへ
設置に関する指示をユーザから受けるアプリケーションサービスによって実施される方法であって、前記アプリケーションサービスを実現するプログラムを実行可能な1つまたは複数のプロセッサが、前記ユーザから、前記罠の
鳥獣が捕獲された場合、前記ユーザに、所定の商品との交換のために使用可能な所定量のポイントを付与し、前記ユーザから、前記ポイントを使用した、商品との交換要求が送信されると、前記交換要求に応じて、前記商品を、前記商品の提供者の代わりに、前記ユーザへ
鳥獣が捕獲された場合、前記ユーザに、所定の商品との交換のために使用可能な所定量のポイントを付与する機能、前記ユーザ端末から、前記ポイントを使用した、商品との交換要求が送信されると、前記交換要求に応じて、前記商品を、