【課題】複数人で車両維持費相当額を負担し一人当たりの車両維持費相当額を削減可能とし、さらに法人又は個人使用の車両を法人と個人又は個人間でカーシェアリングすることが可能となる車両共同使用システムを提供する。
【解決手段】車両共同使用システム0200は、車両使用者情報保持部0201と、閲覧部0202と、選択受付部0203と、車両共同使用契約保持部0204と、車両共同使用契約閲覧部0205と、同意情報取得部0206と、車両共同使用契約追加更新部0207と、新規使用者記録部0209と、を有する。車両共同使用システム0200は、インターネット0220を介して共同使用者や共同使用希望者の携帯端末0221やコンピュータ0222と接続されている。
車両識別情報と、その車両の所有者を識別する所有者識別情報、とを関連付けて保持する車両所有者識別情報保持部をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の車両共同使用システム。
車両所有者識別情報で識別される車両所有者と、その車両に関連付けられた当初使用者識別情報で識別される当初使用者との間で交わされた追加使用者に関する約款である追加使用者契約約款を識別する追加使用者契約約款識別情報をその車両の車両所有者識別情報とその車両の当初使用者識別情報と関連付けて保持する追加使用者契約約款識別情報保持部をさらに有する請求項3に記載の車両共同使用システム。
車両識別情報に関連付けられている車両情報と、複数の計算ルールの一を識別するための計算ルール識別情報とを関連付けて保持する計算ルール識別情報保持部をさらに有する請求項5に記載の車両共同使用システム。
車両の共同使用者を最初の使用者である当初使用者識別情報で識別される当初使用者にさらに追加するための当初使用者を含む車両の使用者を識別する使用者識別情報、使用権を有する車両を識別する車両識別情報、車両情報を関連付けた情報である車両使用者情報を保持する車両使用者情報保持部と、
車両共同使用契約を閲覧させるために車両共同使用契約を車両識別情報で識別される車両に対応させて保持する車両共同使用契約保持部と、を備えた車両共同使用システムの動作方法であって、
保持されている車両情報の全部または一部をインターネットを介して閲覧させる閲覧ステップと、
閲覧させた車両情報に基づいてインターネットを介して車両の共同使用を希望する旨の選択を選択者から受け付ける選択受付ステップと、
選択者に車両共同使用契約を閲覧させる車両共同使用契約閲覧ステップと、
選択者の閲覧に応じて選択者から車両共同使用契約に同意する旨の情報である同意情報を取得する同意情報取得ステップと、
同意情報を取得した場合に保持されている車両共同使用契約に共同使用者を追加し更新をする車両共同使用契約追加更新ステップと、
同意情報を取得した場合に受け付けた選択に応じて選択者に使用者識別情報であって追加的に割り当てられた使用者である追加使用者を識別する追加使用者識別情報と、選択された車両の車両識別情報とを関連づけて車両使用者情報保持部に記録する新規使用者記録ステップと、
を有する車両共同使用システムの動作方法。
車両の共同使用者を最初の使用者である当初使用者識別情報で識別される当初使用者にさらに追加するための当初使用者を含む車両の使用者を識別する使用者識別情報、使用権を有する車両を識別する車両識別情報、車両情報を関連付けた情報である車両使用者情報を保持する車両使用者情報保持部と、
車両共同使用契約を閲覧させるために車両共同使用契約を車両識別情報で識別される車両ごとに保持する車両共同使用契約保持部と、を備えた計算機である車両共同使用システムの動作プログラムであって、
保持されている車両情報の全部または一部をインターネットを介して閲覧させる閲覧ステップと、
閲覧させた車両情報に基づいてインターネットを介して車両の共同使用を希望する旨の選択を選択者から受け付ける選択受付ステップと、
選択者に車両共同使用契約を閲覧させる車両共同使用契約閲覧ステップと、
選択者の閲覧に応じて選択者から車両共同使用契約に同意する旨の情報である同意情報を取得する同意情報取得ステップと、
同意情報を取得した場合に保持されている車両共同使用契約に共同使用者を追加し更新をする車両共同使用契約追加更新ステップと、
同意情報を取得した場合に受け付けた選択に応じて選択者に使用者識別情報であって追加的に割り当てられた使用者である追加使用者を識別する追加使用者識別情報と、選択された車両の車両識別情報とを関連づけて車両使用者情報保持部に記録する新規使用者記録ステップと、
を計算機である車両共同使用システムに読取り実行可能に記述した車両共同使用システムの動作プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0030】
なお、以下に記載する本装置の機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)や主メモリ、システムバス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクドライブや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、例えば携帯端末(スマホ)、タブレット、携帯PC、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。あるいは本装置の機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。また、本装置は一つのハードウェアやソフトウェアにより構成される場合に限られず、複数のハードウェアやソフトウェアの組み合わせによって構成されてもよく、ネットワークを介在したサーバ装置を含んで構成されてもよい。また自動車に積載されている走行管理システム、例えばナビゲーションシステム、走行履歴記録システム、電子キーシステム、自動車運転者識別システム、燃料管理システム、GPS、路面間通信システム、自動運転システムなどのハードウェアを利用する場合がある。
【0031】
また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるプログラム、及びプログラムを固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0032】
<実施形態1>
<実施形態1 概要>
図1は、本実施形態1の車両共同使用システムの一例を示す概念図である。
【0033】
車両の共同使用者を最初の使用者である当初使用者識別情報で識別される当初使用者にさらに追加する車両共同使用システムである。
【0034】
本車両共同使用システムは、
図1に示すように、車両(A車、B車、C車)に対して車両使用者0101(a、b、c)がそれぞれA(a)、B(b)、C(c)と登録されている。この状態において、共同使用希望者dが自身の端末(例えば、スマホ等)からインターネット(例えば、ブロードバンド、携帯モバイルインターネット等)経由で車両共同使用システム0100へアクセスし、A車、B車、C車の車両情報の閲覧を行う。そして、共同使用希望者dの端末から閲覧した車両のうちA車希望の旨の選択を行い、A車の車両共同使用契約を閲覧する。そして、A車の車両共同使用契約に同意する旨の同意情報を車両共同使用システム0100へ送信する。それらのA車希望+車両共同使用契約同意情報を受信した車両共同使用システム0100は、保持されているA車の車両共同使用契約に共同使用者dを追加し更新をする(車両使用者情報:A(a)→A(a、d))ものである。これにより、車両の共同使用を行い、その車両一台当あたりの稼働率を向上させるとともに、複数人で車両維持費相当額を負担し一人当たりの車両維持費相当額を削減可能とし、さらに法人又は個人使用の車両を法人と個人又は個人間でカーシェアリングすることが可能となる。要するに、共同使用にかかる車両を多人数でダイナミックに共同使用可能とするシステムである。
【0035】
<車両共同使用契約>
車両共同使用契約は、例えば以下のようなものである。
第1条(共同使用の目的)
車両共同使用の実施によりシェアエコノミーを促進させるとともに、車両共同使用者相互の車両の使用を介する移動の利便性を図り、もって生活の質の向上を図ることを目的とする。
第2条(共同使用車両)
登録番号 品川331 ふ 77XX
普通乗用車 定員5名
セダン
油種 ハイオク
排気量 3200cc
年式 2021
車種名 レクシス
第3条(使用目的)
車両の使用は車両共同使用者による私的使用に限り、事業目的に使用してはならない。
第4条(管理責任)
共同使用者は本車両の使用及び管理に対し、権限と責任を持ち、始業点検を励行し、不具合があった場合は、必要な措置をとり、早急に車両共同使用サーバの共同使用者報告ページにその不具合の内容を記載する。
第5条(関連法令の遵守)
共同使用者は関連法令の遵守義務を励行し、本車両の使用及び管理に当たる。特に道路運送車両法、道路交通法、道路運送法を遵守する。
第6条 維持費用・共同使用者の追加等
(1)車両を維持するために発生する費用については、車両維持費相当額算出ルール(車両維持費相当額をどのように負担するかというルール)によって定められる車両維持費相当額に含めて支払うものとする。負担・支払方法その他(共同使用者の追加・削除、共同使用者が本車両の運転を認める近親者などの関係者の追加・削除を含む)について車両維持費用算出ルールに基づいて変更される場合には、その変更に共同使用者は合意するものとする。
(2)本車両を通常の使用の態様を超えて使用した場合(車両搭載のコンピュータの記録に基づいてコンピュータが判断)に本車両を維持するために発生する費用については、その使用をした共同使用者が負担するものとし、登録されている銀行口座から自動的に引き落とされるものとする。
第7条(使用権の譲渡の禁止)
共同使用者は、本車両を第三者に使用させ、又は本契約に基づく権利を第三者に譲渡してはならない。
第8条(事故)
共同使用者が本車両を使用中に事故が発生した場合には、事故の大小に係わらず直ちに法令上必要な措置を取る。負傷者が発生した場合には少なくとも以下の措置をとる。
(1)クルマの運転を中止し、心を落ち着かせる
(2)負傷者の負傷程度の確認・保護
(3)負傷者を動かせる場合、安全な場所に退避させる
(4)救急車の手配、警察への通報
(5)三角表示板や発煙筒などで後続車に事故を周知させる
(6)追突などの二次被害の防止、交通の妨げとなっている場合は、事故現場を保存できる範囲内で車両の移動
第9条 契約の解除
本契約の解除を希望する車両の共同使用者は、課せられている義務の履行が未履行の場合を除き、車両共同使用サーバの共同使用者契約解除ページから解除手続きをすることができる。義務が未履行の場合には解除ページでの解除手続きをすることができないように車両共同使用サーバは構成されている。
第10条 契約期間
本契約の有効期間は各共同使用者について、特段の定めがない場合には、契約の日から6か月とする。各共同使用者から契約満了の日の2週間前までに契約解除の申し出(第9条)がない限り、本契約は同じ条件で自動更新される。
第11条(その他)
本契約に関して共同使用者間で紛争が生じた場合、各共同使用者は関係法規、慣習に基づき誠意をもって協議し、円満に解決するものとする。ただし、当事者の努力によっても円満な解決を図ることができず訴訟を提起する場合には東京地方裁判所を第一審の専属管轄裁判所とする。
令和 年 月 日(最新の共同使用者の共同使用契約締結により自動更新)
<共同使用者>
計10名の同意
2021 年6月23日(日付共同使用者、共同使用者が定める近親者等の関係者の追加に伴って自動更新)
<共同使用者>(新規の電子更新 旧の電子削除)
日比野一郎 住所 東京都・・・・ 電話番号 080−1234−・・・・
共同使用開始日 2021年 3月 1日
山田太郎 住所 東京都・・・・ 電話番号 080−5534−・・・・
共同使用開始日 2021年 3月11日
山川英明 住所 東京都・・・・ 電話番号 080−1235−・・・・
共同使用開始日 2021年 3月11日
江口幸之助 住所 東京都・・・・ 電話番号 090−2244−・・・・
共同使用開始日 2021年 3月11日
多摩川純一 住所 東京都・・・・ 電話番号 090−1434−・・・・
共同使用開始日 2021年 3月12日
桐谷順子 住所 東京都・・・・ 電話番号 080−1236−・・・・
共同使用開始日 2021年 3月21日
佐々木れいな 住所 東京都・・・・ 電話番号 080−4234−・・・・
共同使用開始日 2021年 4月 1日
日野真由美 住所 東京都・・・・ 電話番号 090−3234−・・・・
共同使用開始日 2021年 5月25日
小高明美 住所 東京都・・・・ 電話番号 080−7234−・・・・
共同使用開始日 2021年 6月21日
三輪咲子 住所 東京都・・・・ 電話番号 080−3234−・・・・
共同使用開始日 2021年 6月23日
<共同使用者が定める近親者等の関係者>(新規の電子更新 旧の電子削除)
共同使用者 日比野一郎が定める近親者等の関係者 日比野洋子 住所 同一
共同使用者 江口幸之助が定める近親者等の関係者 江口静子 住所 同一
【0036】
以上のように車両共同使用契約は自動車別に用意されるが、例えば、それは典型的なパターンに分けられる。典型的なパターンは第2条で定められる共同使用車両の種別ごとに用意される。ただし、年式は異なっても同じ契約でよい。さらに、共同使用者や共同使用者が定める近親者等の関係者の記載は電子的に書き換えられる。
<道路運送法 80条との関係>
【0037】
以上のような契約を締結することによって「自家用自動車を使用して行う法律違反の取り締り並びにこれに関する道路運送法の解釈及び運用について」(昭和34年7月10日付自旅第1529号・自貨第256号)によれば、同一の自動車を2以上の者のそれぞれが、自己の欲求充足のために主体的な立場において車検証記載の法的地位を有する使用者(以下「法的使用者」という。)として法的共同使用することを許容していた。従って、法的共同使用の地位が現在も継続的に合法性を有することは確かである。そして、法的共同使用者が所有者の自動車を使用するための要件としての、「
(1)共同使用者が具体的に特定されていること。
(2)共同使用者間で自動車の使用管理に関し合意が存在すること。
(3)当該合意内容が、共同使用者のそれぞれが自動車の使用管理に関する実質的な権限と責任を要すること。」が満たされることとなる。
【0038】
また、共同使用者は、この車両共同使用契約をいつでも自身が利用する端末から閲覧できるように構成することが好ましい。また共同使用者の追加がされる場合には追加予告が共同使用者の端末に対してプッシュ通知され、共同使用者の追加を所定回数まで拒否することができるようにシステムを構成してもよい。所定回数とするのは共同使用者が増えることを嫌う共同使用者による多数の拒否を防止するためである。また拒否をした共同使用者名が他の共同使用者に閲覧できるように構成してもよい。また共同使用者の追加や削除は共同使用者の端末にプッシュ通知されることが好ましい。ただし、本システムのポータル画面に「お知らせ」として掲示してもよい。さらに本システムにSNS機能を設けて、自身が車両を使用する際に、前の共同使用者の車両の使用状態を「いいね」「悲しいね」「ひどいね」「すごいね」ボタンなどで評価できるように構成して車両の適切な使用を促すような仕組みを取り入れてもよい。この際に前の共同使用者が誰であるかは公開しないように構成することも考えられる。公開すると「いいね」ボタンの強制力が心理的に高まるからである。また、閲覧部では、共同使用者の氏名は伏せて共同使用者をアバターなどで表現し「いいね」「悲しいね」「ひどいね」「すごいね」の数を公開することも考えられる。新たに共同使用しようとする者はその車両に紐づけられている共同使用者の「いいね」の数が多いほど魅力的に映るし、逆の場合には敬遠するなど、所定の共同使用環境を公開できて便利だからである。なお、本システムは電子キーシステムを介して車両が利用可能になるように構成することが好ましい。物理的なキーを用いてしか車両を利用可能にできないとすればキーの受け渡しの時点で前の車両利用者がわかってしまう場合も想定されるからである。電子キーシステムを採用するとともに、車両が自動運転機能を有している場合には、一の共同使用者の車両の使用終了位置から次の共同使用者の車両使用開始位置まで車両を自動運転にて無人で運行し、次の共同使用者の使用に供するようにシステムを構成することもできる。この場合には、共同使用者で車両を使用しよとする者は、どの位置にいつ車両が到達すべきかに関して自身のスマートフォンなどを介して本システムに出力するように構成することが好ましい。
<電子キーシステム:キーレスエントリシステム、スマートキーシステム>
【0039】
本システムにて共同使用者は、電子キーシステムを利用できることが好ましい。電子キーシステムは、キーサーバから送信される電子キーを専用の端末や、専用のアプリケーションが動くスマートフォンなどで受信して、車載のスマートキーボックスに送信することで、スマートキーボックスに連動するドアが開錠したり、エンジンが始動したりするように構成されるものである。また共同使用者の使用履歴はこのようなスマートキーボックスの履歴を通じてセンター側に送信され履歴として蓄積されるように構成してもよい。スマートキーボックスは、車載のナビゲーションシステムや、その他の走行履歴情報装置(エンジン回転数、ブレーキ利用回数、ブレーキ踏み込み力、ハンドル操舵履歴、アクセル操作履歴、ヘッドライト操作履歴、ウインカー操作履歴、加速度履歴、振動履歴、速度履歴などを蓄積する装置)と通信可能となっており、ナビゲーションシステムやその他の走行履歴情報装置から情報を引き出してセンター側に共同使用者識別情報又はこれに関連付けられた情報とともに送信するように構成されていてもよい。また電子キーは、端末などに示される使用終了ボタンの押下によって消去されるように構成されるとよい。あるいは電子キーではないが、電池を内蔵したリモコンを共同使用者の一人一人に配布してリモコンによって車両を利用可能に構成してもよい。この場合にはリモコンには共同使用者識別情報又はこれに関連付けられた情報が内蔵されており、車載装置は、センター側からの通信によってスケジュールで予定されている共同使用者識別情報を含むリモコン操作があった場合にのみ開錠やエンジン始動がされるように構成されていることが好ましい。
【0040】
さらに一の車両の電子キーは、同時に複数の共同使用者のスマートフォンなどに存在しないように構成することが考えられる。電子キーを保持している共同使用者に課金をするようにシステムを構成することができるからである。従って、車両を実際には使用していないが、電子キーをスマートフォンなどに保持している共同使用者は潜在的に車両を占有しているので課金をする正当な理由となるからである。例えば郊外にあるショッピングセンターに買い出しに出かけ、長時間にわたって駐車場に駐車している場合でもその駐車時間はショッピングに伴って車両が占有されている時間であるから課金する正当な理由があることになる。
<予約システム>
【0041】
本件発明のシステムでは予約が共同利用者の利用する専用端末や、専用アプリケーションを利用可能なスマートフォンなどを利用して行うことができるように構成される。予約システムへのログインは共同使用者識別情報又はこれに関連付けられた情報に基づいて行われる。予約画面ではカレンダー表示がなされており、各日付の欄は時間軸で表示され、どの日の、どの時間帯が利用可能なのか見ることができるように構成されていることが好ましい。また、利用を希望する日時を検索画面から入力することによってその時間帯が利用可能か回答を得られるように構成することも考えられる。さらに本件発明のシステムでは一人の利用者が複数の車両についての共同使用者として登録される場合があり、この場合には車両を特定することなく検索をすることで希望の日時に利用可能な共同使用に係る車両をピックアップできるように構成すると便利である。またこのスケジュール画面は、利用時間帯の利用開始時刻に車両が存在する予定の場所、利用終了時に車両が存在する予定の場所が閲覧できるように構成されていることが好ましい。従って共同使用者は車両の使用予約を入力する際に、利用開始日時、利用終了日時の他に、利用終了位置を入力することとなる。自動運転車両を共同使用する場合には利用開始位置を入力する。また、この利用スケジュールに対して交通機関の渋滞予測データベースを連動させて、利用開始後目的地到着時刻や、利用終了時間に利用終了場所に到着するための現地出発時刻などをシミュレーション表示できるように構成することも考えられる。また実際の利用日時には、このシミュレーションによって利用終了場所に対して利用終了時刻がどの程度になるかをシミュレーションし、他の利用者の参考になるように端末等から閲覧可能とすることが考えられる。
<ナビ履歴閲覧システム>
【0042】
ナビ履歴閲覧システムが共同利用者の端末等から利用できるように構成することが好ましい。このナビ閲覧システムは、現在又は過去の共同利用者の車両の実走行履歴を閲覧することができるものである。このナビ閲覧システムではプライバシーにかかわる情報を開示しないように構成することが好ましく、実際に走行した位置情報を除外して表示することが考えられる。
【0043】
実際に走行した位置情報を除く情報としては、移動開始位置から移動時間、停車時間、速度、車両の走行関連情報などである。また、ナビ閲覧システムなどを介して共同使用者間で通話やSNSが利用可能になっていると便利である。渋滞などによって移動に手間取り予定通りに利用を終了できない場合には次の利用者に状況を伝えられるからである。なお、この次の利用者はスケジュールシステム(予約システム)の次利用者の匿名のアバターをクリックするなどによって匿名性を確保したまま通話できるように構成することが好ましい。
<車両位置情報提供システム>
【0044】
車両位置情報提供システムはセンター側で車両位置を認識するためのシステムであり、GPS情報(みちびきの衛星を利用したものも含む)や、道路に埋め込まれた位置タグ情報や、景観情報(車載カメラの映像)、道路の通信システムからの情報、などに基づいて現在位置をセンター側で把握するものである。場合によってこの情報は他の共同使用者に公開されてもよい。
<自動運転車両を利用する場合>
【0045】
自動運転車両を利用する場合には、自動運転によって一の共同使用者の使用終了位置から次の共同使用者の使用開始位置までの移動に伴う車両の稼働に関しては、共同使用者間のすべてで平等に費用負担をするようにルールを作る場合と、使用終了の共同使用者と、使用開始の共同使用者の両者負担とするルールを作る場合と、使用開始をする共同使用者の費用負担とする場合の三つのケースが考えられるが、設計意図によって、適宜選択される。
【0046】
また、自動運転の場合のガソリンや水素燃料、電気の補給に関しては自動運転で無人によって燃料補給所に出向き燃料補給するように構成することが好ましい。燃料補給によって発生する燃料費に関しては、各共同使用者の走行ないしは燃料消費、電気消費に応じて負担するように構成することが好ましい。
【0047】
さらに、自動運転の場合の車内での通信費や、有料道路の使用料金、コンテンツ視聴(映画、テレビ番組、音楽、観光案内、BGM、効果照明)の費用などもその通信、コンテンツの閲覧をした共同使用者の負担とすることが好ましい。これらは電子キーを保持している共同使用者の使用者識別情報と関連付けて費用発生がシステムに記録されるように構成する。さらに使用者によって消費が異なる車両内の設備、例えばエアコンディショナー、マッサージャー、飲食物(車内に取り付けられている冷蔵庫内の飲食物の消費、サービスエリアなどで車両識別番号に関連付けて課金される飲食物の消費、ドローンなどから車両走行中に配給される飲食物の消費など)の消費などに関しても使用者識別情報と関連付けてその費用発生がシステムに記録されるように構成されることが好ましい。
<実施形態1 構成>
【0048】
図2に示すように、本実施形態1の車両共同使用システム0200は、車両使用者情報保持部0201と、閲覧部0202と、選択受付部0203と、車両共同使用契約保持部0204と、車両共同使用契約閲覧部0205と、同意情報取得部0206と、車両共同使用契約追加更新部0207と、新規使用者記録部0209と、を有する。この共同使用システム0200は、インターネット0220を介して共同使用者や共同使用希望者の携帯端末0221やコンピュータ0222と接続されている。
【0049】
共同使用希望者の携帯端末やコンピュータは、この車両共同使用システムに接続するためには専用のアプリケーションがインストールされていることを条件とするように構成することもできる。この車両共同使用システムは、車両共同使用契約をするためのものであり、契約は法律的な意味で確実に本人の意思に基づいて行われたことを証拠立てる必要もあるからである。もちろん、車両共同使用契約後もこのアプリケーションを介して車両共同使用システムにアクセスするように構成することが好ましい。この車両共同使用システムは、車両共同使用者に対して車両共同使用契約中には各種のサービスを提供することができるように構成できるからである。各種のサービスとは前述の他に、一台目の車両共同使用契約を締結中に二台目の車両共同使用契約を重ねてする場合に、登録事項は変更がないかぎり再入力させない機能や、登録事項に変更がある場合にその変更をさせる機能、車両の使用方法に関する情報の提供、他の共同使用者とのSNSでの会話機能などである。このアプリケーションのインストールは、携帯端末やスマートフォンに設けられている公式アプリケーションのダウンロードサイトからダウンロードさせると、公式アプリケーションのダウンロードサイト側でその携帯電話やスマートフォンの利用登録者と紐づけて履歴を残せるので車両共同使用希望者の特定が確実に行える。なお、PCから登録をさせる場合には、一旦情報をスマートフォンや携帯電話にメール受信させて、そのメール中に書き込まれた有効時間が短時間(1分から5分程度)のパスワード(ワンタイムパスワード)などを用いてアプリケーションをダウンロードさせるように構成することができる。
<実施形態1 構成の説明>
【0050】
「車両使用者情報保持部」0201は、
図3に示すように、当初使用者を含む車両の使用者を識別する使用者識別情報、その使用者が使用権を有する車両を識別する車両識別情報、車両情報(車種、全長、全幅、全高、ホイールベース、トレッド、最低地上高、最小回転半径、室内長、室内幅、室内高、車両重量、車両総重量、乗車定員、燃料消費率(国土交通省審査値)、主要燃費改善対策、エンジン種類、使用燃料、総排気量、最高出力、最大トルク、その他装置などのいずれか一以上)を関連付けた情報である車両使用者情報を保持する。当初使用者とは、最初に車両所有者等と車両の使用契約を結び、使用者となったものである。車両所有者が個人の場合にはその車両所有者自身が最初の使用者となる場合が多い。最初の使用者が1名の場合はすべての使用権が車検証等に記載された1名の車両使用者に占有された権利を有する。車両1台につき使用者(当初使用者である場合も含む)が2名以上の場合は共同使用者となる。使用者識別情報とは、このような使用者を識別するための情報である。使用者識別情報に紐付けられて男性女性などの性別、住所、氏名、年齢、自動車免許証の番号、自動車運転免許証の有効期限、自動車運転の条件(眼鏡等)、運転可能な車の等級(中型車等)自動車免許証のカラー(優良等)、自動車運転免許証の写真、生命保険に関する情報、損害保険に関する情報、自動車保険の加入に関する情報、スマートフォンなどの電話番号、メールアドレス、SNSのID、引き落とし銀行口座、クレジットカード情報、プリペイドカード情報、勤務先、本システムの会員番号のいずれか一以上の使用者の情報が格納されている。車両識別情報とは、その使用者が使用権を有する車両を識別する情報である。使用者(共同使用者)と車両共同使用契約を結んで使用できる車両の識別情報である。車両情報とは、車両共同使用システムを利用して車両の選択に資する情報である。車両情報としては前述のものの他に、後述
図5、
図6に示すように、自動車のメーカ名、車名、セダン、トラック、バンなどの車種、車両の駐車場所、使用者(共同使用者)の設定数、共同使用者との車両共同使用契約の契約内容、車両の詳細なスペック(クラス、定員、油種、年式、走行距離、装備品、ボディサイズ、特記事項は備考に記載)、車両の利用可能時間帯、車両の現在位置、車両の残りガソリン量、車両の残り電池量(電気自動車の場合のエネルギー)、所定の位置から所定の位置に自動運転で移動するためにかかる時間、カーナビゲーションで設定されているルート情報、自動運転で予定されているルート情報、などの一以上の情報が挙げられる。
【0051】
時間の経過とともにダイナミックに変動する情報は、車両識別情報に関連付けられて常時更新されるように構成する。この中には車両との常時通信を利用して取得される情報も含まれる。また交通事情によって変動する情報は交通情報などを常時通信によって取得し、常時更新をすることが好ましい。これらの使用者識別情報と車両識別情報と車両情報とを関連づけて車両使用者情報として保持している。従って、誰がどの車両を使用可能かがわかる。また、その車両に関連づけられていない使用者は有償(車両維持費相当額)で使用できない。
【0052】
「閲覧部」0202は、保持されている車両情報の全部または一部をインターネットを介して閲覧させる。車両共同使用システムを利用する者は、自身の携帯端末(スマホ)やタブレットPC、コンピュータ端末からインターネット経由で予め本システムの利用の登録をしておく。最初の登録の際に、「性別、住所、氏名、年齢、自動車免許証の番号、自動車運転免許証の有効期限、自動車運転の条件(眼鏡等)、運転可能な車の等級(中型車等)自動車免許証のカラー(優良等)、自動車運転免許証の写真、生命保険に関する情報、損害保険に関する情報、自動車保険の加入に関する情報、スマートフォンなどの電話番号、メールアドレス、SNSのID、引き落とし銀行口座、クレジットカード情報、プリペイドカード情報、勤務先、パスポート番号、国際運転免許証に関する情報、マイナンバー、本システムの会員番号のいずれか一以上」の情報を登録させるようにすることが好ましい。これによって利用者に対してログインIDやパスワードが発行される。なお、本人認証のためにクレジットカード情報などを利用してクレジットカード会社のサーバと通信をして、本人が認証された段階でログインIDやパスワードが発行されるように構成されることが好ましい。
【0053】
そして、システム利用者はログインIDやパスワードを入力すると、本システムに共同使用者となるべく申し込みが可能な状態でアクセスすることができる。車両共同使用システムにアクセスすると、
図5に示すような車両情報が表示される。ここでは、自動車メーカ名、車種、車両の駐車場所在地、現在設定されている共同使用者の数などが表示され、セダン、トラック、バンなどの車種を選択し、車両を絞り込める閲覧メニューになっている。
図5の左側はセダンを示し、
図5の真ん中はトラック、
図5右側はバンを示している。これらの車両が車種毎にグループ分けされて図示しないデータベースに格納されており、車種、メーカ名、駐車場所(自宅又は勤務先から近いかなどがわかる)、共同使用者の数(利用利便性の判断材料になる)などを検索キーとして閲覧することができる。追加される共同使用者は、現在地(自宅や勤務先)に近い方が共同使用する際に便利なので、駐車場所なども重要な情報である。また車両の絞り込みは地図を介して行えるようになっていてもよい。さらに、使用開始位置、使用開始時間などを入力して検索できるようになっていてもよい。
【0054】
「選択受付部」0203は、閲覧させた車両情報に基づいてインターネットを介して車両の共同使用を希望する旨、又は/及びその車両の車両共同使用契約の閲覧を希望する旨の選択を選択者(本システムの利用者)から受け付ける。すなわち、
図5に示すような選択ボタン0502をシステム利用者が押下すると選択受付部に選択が受け付けられる。この選択により選択者には車両共同使用契約を結ぶための車両共同使用契約を閲覧が可能となり、その車両共同使用契約に同意するか否かのメーセージを表示される。
【0055】
「車両共同使用契約保持部」0204は、
図4に示すように、車両共同使用契約を閲覧させるために車両共同使用契約を車両識別情報に対応させて保持する。
車両共同使用契約とは、共同使用者間で遵守する事項の契約であり、少なくとも合法的な法的共同使用者となるための要件を備える必要がある。すなわち、(1)共同使用者が具体的に特定されていること。(2)共同使用者間で自動車の使用管理に関し合意(同意)が存在すること。(3)当該合意(同意)内容が、共同使用者のそれぞれが自動車の使用管理に関する実質的な権限と責任を要すること。」の要件を具備したものである。その他の情報としては、事故に遭ったときの責任の所在、時間延長可否などの共同使用に関する情報が含まれる。
【0056】
このような車両共同契約が、各車両を識別する車両識別情報に対応させて保存されている。また車両識別情報は、車両情報と使用者識別情報と関連付けられて保存されている。従って、車両情報と車両共同使用契約と使用者識別情報が関連付けられるために、それらを一覧で表示することが可能となる(
図6を参照)。
【0057】
「車両共同使用契約閲覧部」0205は、選択者に実際にその車両について締結されている車両共同使用契約(の全部又は一部)、その車両について結ばれている車両共同使用契約のひな型、車両共同使用契約の解説(使用されている単語の意味、具体的に求められる情報の種類、関連する法律とその解説)の少なくとも一以上(本明細書では、閲覧させる「車両共同契約」をこの意味で用いる)を閲覧させる。選択者からインターネット経由で車両共同使用契約閲覧部0205への要求があると、その要求に応じて選択された車両の車両共同使用契約保持部0204に保持されている車両共同使用契約、又は車両共同使用契約保持部に保持されている車両共同使用契約に対応する車両共同使用契約が表示される。例えば、
図5に示す契約閲覧ボタン0501を押下すると、車両共同使用契約内容が表示され、選択者に閲覧させることができる。この契約閲覧ボタンは選択ボタン0502が選択されているときのみアクティブとなり、押下することで車両共同使用契約を閲覧可能となる。またこの選択ボタンは、択一的に選択可能であり、同時に二つ以上の選択ボタンを押下した状態にすることができないように構成されていることが好ましい。車両共同使用契約がどの車両に対応したものであるかの混乱が閲覧者に生じる可能性があり、これを排除するためである。
<車両共同使用契約の閲覧可能事項>
【0058】
「車両共同使用契約」を閲覧できる範囲は、必ずしも全部である必要はない。プライバシーに関する情報として、共同使用契約者を特定する情報などが該当し、ここまで公開する必要性は低いからである。最低限公開しなければならない範囲は、
「
(1)共同使用者が具体的に特定されていること。
(2)共同使用者間で自動車の使用管理に関し合意が存在すること。
(3)当該合意内容が、共同使用者のそれぞれが自動車の使用管理に関する実質的な権限と責任を要すること。」の3項目に関する具体的な規定(具体性がある情報開示でかつどのような表現で規定されているかがわかるもの)のされ方である。
「(1)共同使用者が具体的に特定されていること。」に関しては、どのような方法で具体的に特定されるのか、を明示するように車両共同使用契約を閲覧させる。例えば、住所と氏名の他に、さらに運転免許証の写しを用いることとする定めがあるとか、運転免許証の番号を記入しなければならない定めがあるとか、顔写真を用いるとの定めがあるとか、指紋の情報を用いる定めがあるなどである。これは共同使用を希望する者にとって、どの程度自身のプライバシーを共同使用者に公開しなければならないかが関心事項だからである。
【0059】
「(2)共同使用者間で自動車の使用管理に関し合意が存在すること。」に関しては、「使用管理」を具体的に特定する記載が車両共同使用契約の閲覧によって明確にならなければならない。例えば「使用管理」とは、乗車前の始業点検、乗車前の車体の傷の確認、乗車前に車体の写真(少なくとも前後左右の車体の傷の有無、程度が明確になるように)を撮ること、乗車前に車体の動画(少なくとも前後左右の車体の傷の有無、程度が明確になるように)を撮ること、あるいはキャビン内の写真(少なくともキャビンの損傷、汚れの有無、程度が明確になるように)を撮ること、あるいはキャビン内の動画(少なくともキャビンの損傷、汚れの有無、程度が明確になるように)を撮ること、あるいは、タイヤの空気圧を乗車前にチェックすること、などが記載されている必要がある。
【0060】
「(3)当該合意内容が、共同使用者のそれぞれが自動車の使用管理に関する実質的な権限と責任を要すること。」に関しては、「使用管理」と「責任」の関係を明確にした記載を車両共同使用契約の閲覧によって見ることができるように構成されている必要がある。例えば車両の使用中に自動車事故が発生の場合に共同使用はどのような行動をとらなければならないか、例えば、法令上必要な措置をとること、保険を使用する場合の免責額の負担をすること、などであり、あるいはその日の使用の終了の際にはガソリンタンクや車両駆動モーター用バッテリーを満タンの状態にしなければならない、などである。
【0061】
例えば、車両共同使用契約は、下記のようなものが閲覧可能になっていると好ましい。
下記「車両共同使用者」は相互において、本車両の共同使用について以下の通り契約を締結する。
【0062】
第1条(共同使用の目的)
車両共同使用の実施によりシェアエコノミーを促進させるとともに、車両共同使用者相互の車両の使用を介する移動の利便性を図り、もって生活の質の向上を図ることを目的とする。
【0063】
第2条(共同使用車両)
登録番号 品川331 ふ 77XX
普通乗用車 定員5名
セダン
油種 ハイオク
排気量 3200cc
年式 2021
車種名 レクシス
【0064】
第3条(使用目的)
車両の使用は車両共同使用者による私的使用に限り、事業目的に使用してはならない。
【0065】
第4条(管理責任)
共同使用者は本車両の使用及び管理に対し、権限と責任を持ち、始業点検を励行し、不具合があった場合は、必要な措置をとり、早急に車両共同使用サーバの共同使用者報告ページにその不具合の内容を記載する。
【0066】
第5条(関連法令の遵守)
共同使用者は関連法令の遵守義務を励行し、本車両の使用及び管理に当たる。特に道路運送車両法、道路交通法、道路運送法を遵守する。
【0067】
第6条 維持費用・共同使用者の追加等
(1)車両を維持するために発生する費用については、車両維持費相当額算出ルール(車両維持費相当額をどのように負担するかというルール)によって定められる車両維持費相当額に含めて支払うものとする。負担・支払方法その他(共同使用者の追加・削除、共同使用者が本車両の運転を認める近親者などの関係者の追加・削除を含む)について車両維持費用算出ルールに基づいて変更がされる場合には、その変更に共同使用者は合意するものとする。
(2)本車両を通常の使用の態様を超えて使用した場合(車両搭載のコンピュータの記録に基づいてコンピュータが判断)に本車両を維持するために発生する費用については、その使用をした共同使用者が負担するものとし、登録されている銀行口座から自動的に引き落とされるものとする。
【0068】
第7条(使用権の譲渡の禁止)
共同使用者は、本車両を第三者に使用させ、又は本契約に基づく権利を第三者に譲渡してはならない。
【0069】
第8条(事故)
共同使用者が本車両を使用中に事故が発生した場合には、事故の大小に係わらず直ちに法令上必要な措置を取る。負傷者が発生した場合には少なくとも以下の措置をとる。
(1)クルマの運転を中止し、心を落ち着かせる
(2)負傷者の負傷程度の確認・保護
(3)負傷者を動かせる場合、安全な場所に退避させる
(4)救急車の手配、警察への通報
(5)三角表示板や発煙筒などで後続車に事故を周知させる
(6)追突などの二次被害の防止、交通の妨げとなっている場合は、事故現場を保存できる範囲内で車両の移動
【0070】
第9条 契約の解除
本契約の解除を希望する車両の共同使用者は、課せられている義務の履行が未履行の場合を除き、車両共同使用サーバの共同使用者契約解除ページから解除の手続きをすることができる。義務が未履行の場合には解除ページでの解除手続きをすることができないように車両共同使用サーバは構成されている。
【0071】
第10条 契約期間
本契約の有効期間は各共同使用者について、特段の定めがない場合には、契約の日から6か月とする。各共同使用者から契約満了の日の2週間前までに契約解除の申し出(第9条)がない限り、本契約は同じ条件で自動更新される。
【0072】
第11条(その他)
本契約に関して共同使用者間で紛争が生じた場合、各共同使用者は関係法規、慣習に基づき誠意をもって協議し、円満に解決するものとする。ただし、当事者の努力によっても円満な解決を図ることができず訴訟を提起する場合には東京地方裁判所を第一審の専属管轄裁判所とする。
令和 年 月 日(最新の共同使用者の共同使用契約締結により自動更新)
<共同使用者>
計10名の同意
以上
<その他の閲覧させてもよい事項>
すでに、その車両の共同使用者として登録されている者の個人情報は閲覧させないほうが良いが、それらの者の属性情報は閲覧可能とすることも考えられる。例えば登録時に取得した情報のうち、「性別、大まかな住所(例えば市区町村名)、年齢、自動車運転免許証の有効期限、自動車運転の条件(眼鏡等)、運転可能な車の等級(中型車等)自動車免許証のカラー(優良等)」などである。また、その他に閲覧可能としてもよいものとして、職業、家族構成(特に幼児が家族にいるか)、趣味、たばこを吸うか吸わないか、ペット同伴で車両を利用することがあるか、自動車運転歴、過去の事故歴、などである。共同使用者の属性も最終的に共同使用契約を結ぶ際に注目されるからである。なお、これらの事項も本システムの利用登録時に情報を入力させるように構成することが考えられる。なお、これらに変更があった場合に備えて、これらの情報は編集できるように構成することが好ましい。
さらに、幼児やペット、喫煙に関してはドライブレコーダーの車内撮影によって本システムを構成する画像分析コンピュータによってチェックするように構成し、登録されている事項と齟齬がある場合には、その利用者に警告メールを出したり、その車両に対する通信にて車載スピーカーから自動音声案内で注意喚起するように構成することが考えられる。
【0073】
「同意情報取得部」0206は、選択者の閲覧に応じて選択者から車両共同使用契約に同意する旨の情報である同意情報を取得する。車両共同使用契約閲覧部0205により車両共同使用契約を閲覧した選択者がインターネット経由で同意する旨の同意情報を送信すると、同意情報取得部0206がその送信された同意情報を受信する。同意情報は、その証拠性を高めるために選択者が同意情報を送信した送信元のスマートフォンやタブレット端末、コンピュータなどのMACアドレスや、車両共同使用のためにこれらにインストールされたアプリケーションのアプリケーションIDなどを含むように構成されることが好ましい。アプリケーションIDは、各端末に車両共同使用システムを利用するためにアプリケーションがインストールされる際にユニークに車両共同使用システムから配布されるものである。このアプリケーションは、アプリケーションのダウンロードのためにSNSや、Eコマースにて取得済みのIDを用いてダウンロードさせるようにするとなお悪用の防止となる。この際に、利用実績が一定以下のSNSや、Eコマースの場合には、アプリケーションのダウンロードを拒否するように構成することもできる。さらには、このアプリケーションを有償として、その対価をクレジットカードなどで支払わせて、悪用を防止することも考えられる。さらに同意情報の取得は電子署名付きの同意書とすることもできる。また、過去に行動に問題があった人物などと同一人物である問題人物であるか判定する人物データベースを車両共同使用システムに設けておき、問題人物であると判定された場合にはアプリケーションのダウンロードをさせないか、あるいは同意情報の取得を拒むように構成することも考えられる。
【0074】
車両共同使用契約を閲覧した者が共同使用を希望する場合は、
図6の下部にある「同意する」ボタンを押下すると、同意情報取得部0206により同意情報を取得することができる。同意をするためのボタンは
図6にあるように車両共同使用契約を閲覧する画面(特にダウンロードさせた車両共同使用システムを利用するための専用アプリケーションを介して閲覧することが好ましい)に設けることが好ましい。同意が車両共同契約と離れてなされることを防止するためである。この同意ボタン0601とともに同意しないボタン0602も設けておき、これが押下された場合には再び
図5のような画面に戻るように構成してもよい。さらに同意ボタンの押下は車両共同使用契約の締結のための一条件として、これ以外にも必要な手続きを求めるように構成してもよいし、この同意ボタンの押下によって契約の締結が完結するように構成してもよい。契約の締結を完成させるためには個人の信用情報の取得を完了してから行うように構成することも考えられる。信用情報とは、クレジットカードの情報や、住所情報、電話番号、社会保障番号(マイナンバー番号)、運転免許証の登録番号、運転免許証の写真、運転免許証の写真及び本人の顔写真、などである。これらの入力情報の真正性を確認するためのデータベースを別途備えていてもよい。これらの信用情報の入力はこのシステムの利用を開始する際に会員登録情報として取得し、真正性を確認できたものに関して会員となるように構成してもよい。さらに、運転免許証の登録番号などが真正であったとしても、過去の交通違反履歴などに基づいて会員登録を拒絶するように構成してもよい。
【0075】
また、このような会員のデータベースは、その会員の共同使用車両の使用履歴や管理履歴さらには運転動作履歴(共同使用車両のコンピュータが取得して車両共同使用システムに車両共同使用者識別情報と関連付けて送信するもの)あるいは、運転動作履歴に基づいた車両の使用の荒さ、丁寧さ、例えば、急加速、急ハンドル、悪路走行など、過去の事故履歴や、過去の自動車の損傷履歴などと関連付けたデータベースであるとなおよい。過去の事故履歴や過去の損傷履歴などを所定のルールで評価するように構成し、ルールに基づいて、車両共同使用契約を解除したり、新規な車両共同使用契約を締結できないように車両共同使用システムを構成することもできる。
<同意情報取得部 共同使用契約期間などの入力>
【0076】
同意情報取得部では、共同使用に関して共同使用者固有に定めなければならない事項ないしは、固有に取得しておかなければならない情報の入力をさせるように構成することが考えられる。
【0077】
例えば以下のような情報である。契約期間が一定に定めないような場合、ないしは、所定の幅をもって契約できるような場合の契約期間、車両の損害賠償保険の加入有無、車両の主要な利用の方法(買い物、飲食、通勤、レジャー、観光、旅行、病院そのほか公共的サービス提供地への移動など)、使用終了時の車両の主要な配置場所、運転免許証の有効期間(更新の督促通知などを送るように車両共同使用システムを機能させるために)、過去の事故歴、運転履歴(免許取得後の年数、実際の運転年数など)、主要な疾病(脳卒中、心疾患など)、年齢、運転の条件(眼鏡等、オートマチック車専用、自動運転車専用など)、運転免許のカラー(優良運転者など)である。これらは、同意情報取得部が同意情報を取得させる画面においてプルダウンメニューやチェックボックスなどによって選択可能に設計するか、テキスト入力をさせるように構成してもよい。また、交通違反をしないこと、交通違反を警察に取り締まられた場合には契約満了までの車両維持費を支払ったうえで、車両の使用を拒絶されてもよいことなどの宣誓や了承についても同意情報として取得するように構成してもよい。これは共同使用者間の契約でなく、車両共同使用システムの運営者との間の契約だからである。
【0078】
「車両共同使用契約追加更新部」0207は、同意情報を取得した場合に保持されている車両共同使用契約に共同使用者を追加し更新をする。車両共同使用契約追加更新部0207は、同意情報取得部0206より同意情報を取得した場合、車両共同使用契約保持部0204に保持されている選択者が同意した車両に対応した車両共同使用契約にその選択者を共同使用者として追加し更新を行う。追加の更新がされた場合にはすでにその車両の共同使用者、単独使用者である者に対して通知を行うように構成することが好ましい。また車両共同使用契約に新規の利用者が同意しても、すでにその車両の使用者となっている者への通知後、それらの使用者からの同意を得られた場合にのみ新規の共同使用者が認められるように構成することも考えられる。また同意は、既にその車両の使用者となっている者の携帯端末などから得られるように構成できるが、自動同意と、個別同意とに分けて、使用者が選択できるように構成してもよい。また都度同意不要、事前一括同意とする場合には約款にてその旨を記載し、その車両共同使用者に関する処理はその通りに処理するように構成しておくことが好ましい。例えば同意のハードルを下げた具合に応じて、何らかのインセンティブを提供するように構成することも考えられる。インセンティブを提供するとするのは、車両の維持費を安くすることは車両の共同使用の趣旨に反するからである。
【0079】
「新規使用者記録部」0209は、同意情報を取得した場合に受け付けた選択に応じて選択者に使用者識別情報であって追加的に割り当てられた使用者である追加使用者を識別する追加使用者識別情報と、選択された車両の車両識別情報とを関連づけて車両使用者情報保持部0201に記録する。追加使用者とは、車両に対応させて設定された当初使用者としての使用者(共同使用者、当初使用者が複数である場合もある。)に追加的に割り当てられた使用者であり、追加の共同使用者としてシステム上は取り扱われる。追加使用者識別情報とは、使用者識別情報であって追加使用者を識別する情報である。新規使用者記録部0209は、車両使用者情報保持部0201に保持されている選択された車両の使用者識別情報に、追加使用者識別情報を新規に割り当て、選択された車両の車両識別情報とを関連づけて車両使用者情報保持部0201の図示しないハードディスク等の記録媒体に記録される。追加使用者に関連するその他の必要な情報はこの記録と同時に入手しても良いし、または事前登録時にその他の情報を取得しても良い。その他の情報として、追加使用者が運転免許証を所有していることを証明する情報、住所、氏名等が挙げられる。新規使用者記録部での記録は、車両共同使用契約追加更新部での更新が終了したのちに作動するように構成することが好ましい。まず車両共同使用契約が締結されその後にその他の情報の更新がされることが法的な順位として好ましいからである。
<実施形態1 作用:ハードウェア構成>
【0080】
図7は、
図2の実施形態1の車両共同使用システムのハードウェア構成の一例を示す図である。計算機である車両共同使用システムに読み取り実行可能な動作プログラムを含む車両共同使用システムの動作プログラムを実現した例を示している。
【0081】
計算機の構成は、CPU0701と、不揮発性メモリ0702と、主メモリ0703と、インターフェース0704とから構成されている。不揮発性メモリ0702には車両使用者情報保持プログラムと車両共同使用者契約保持プログラムと閲覧プログラムと選択受付プログラムと車両共同使用契約閲覧プログラムと同意情報取得プログラムと車両共同使用契約追加更新プログラムと新規使用者記録プログラムなどが格納されている。また、不揮発性メモリ0702には車両使用者情報、新規使用者情報、車両情報、車両識別情報、車両共同使用契約、共同使用希望、同意情報、追加・更新共同使用者、使用者識別情報、追加使用者識別情報等のデータが格納されている。これらのプログラムやデータは、主メモリ0703の保持領域に読み込まれ、作業領域で実行される。また、インターフェース0704には、有線LANのイーサネット(登録商標)、無線LAN、携帯電話網等のネットワークインターフェース0705、ディスプレイインターフェース0706、キーボードインターフェース0707、マウスインターフェース0708、ディスクインターフェース0709などを有している。
【0082】
また図示されていないが以下のプログラムが車両共同使用システムのコンピュータに実装され、外部インターフェースを利用可能に構成されていることが好ましい。
<電子キーシステム用プログラムが保持され、実行されていてもよい>
【0083】
電子キーシステム:キーレスエントリシステム、スマートキーシステムなどを管理するプログラムが保持され、実行されるように構成されていてもよい。電子キーシステムとは、スマートフォンや携帯電話などに通信を介して共同使用車両の開錠や、エンジン始動のためのキーを送り利用することができる仕組みであり、共同使用車両識別情報と関連付けて電子キーがメモリに保管され、保管されている電子キーが共同使用者のスマートフォンなどに送信するプログラムも保持され、実行されるように構成することができる。詳細はすでに述べたとおりである。
<予約システム用プログラムが保持され、実行されてもよい>
【0084】
本件発明の車両共同使用システムでは予約が共同利用者の利用する専用端末や、専用アプリケーションを利用可能なスマートフォンなどを利用して行うことができるプログラムが保持され、実行されるように構成されていてもよい。詳細はすでに述べたとおりである。
<ナビ履歴閲覧システムが保持され、実行されてもよい>
【0085】
ナビ履歴閲覧システムが共同利用者の端末等から利用できるように車両共同使用システムに保持され、実行されるように構成することが好ましい。なお、ナビ閲覧システムの詳細はすでに説明したとおりである。
<車両位置情報提供システム用プログラムが保持され、実行されてもよい>
【0086】
車両位置情報提供システムはセンター側で車両位置を認識するためのシステムであり、GPS情報(みちびきの衛星を利用したものも含む)や、道路に埋め込まれた位置タグ情報や、景観情報(車載カメラの映像)、道路の通信システムからの情報、などに基づいて現在位置をセンター側で把握するものであり、そのためのプログラムが保持され、実行されていてもよい。また、場合によってこの情報は他の共同使用者に前記専用アプリケーションなどを介して公開されてもよく、そのためのプログラムが保持され、実行されるように構成されてもよい。なお、車載カメラからの映像は、運転中の共同使用者からの専用アプリケーションを介した許可がある場合にのみ範囲を限定して、又は限定しないで他の会員に視聴できるようにすることができるとよい。限定される範囲の例としては、同じ車両の共同使用者の範囲、又は/及び、同じ車両ではないが、自身が共同使用者となっている他の車両の共同使用者、あるいは、同じ車両ではないが、自身の共同使用している車両の共同使用者が共同使用している他の車両の共同使用者など、あるいは、全登録会員などと限定することも考えられる。あるいは、この車両共同使用システム上で過去に共同使用関係にあった登録会員などに視聴させることも考えられる。
<自動運転車両を自動運転するためのプログラムが保持され、実行されるように構成されてもよい>
【0087】
自動運転車両を利用する場合には、自動運転によって一の共同使用者の使用終了位置から次の共同使用者の使用開始位置までの移動を車両共同使用システムによって行うプログラムを保持し、実行するように構成することが考えられる。そのためには、前記予約プログラムや、車両位置を特定する位置情報提供システムと協働するように構成する。車両共同使用システムは、このプログラムによって共同使用車両に対して、車両に搭載されている自動運転用のコンピュータに対して自動運転のための命令を送信する。自動運転のための命令は、ダイナミックに送信されてもよいし、最終目的地と、自動運転実行の命令のみを送信して、その後は車両の自律的な走行制御に任せるように構成してもよい。
<ルールに従った費用請求プログラムが保持され、実行されていてもよい>
【0088】
車両の自動運転による移動についての車両の稼働に関しては、共同使用者間のすべてで平等に費用負担をするようにルールを作る場合と、使用終了の共同使用者と、使用開始の共同使用者の両者負担とするルールを作る場合と、使用開始をする共同使用者の費用負担とする場合の三つのケースが考えられるが、設計意図によって、適宜選択される。これらの設計に基づいてこれを実行するためのプログラムが保持され、実行されるように構成することができる。
【0089】
また、自動運転の場合のガソリンや水素燃料、電気の補給に関しては自動運転で無人によって燃料補給処に出向き燃料補給するように構成することが好ましい。燃料補給によって発生する燃料費に関しては、各共同使用者の走行ないしは燃料消費、電気消費に応じて負担するように構成することが好ましい。この負担に関する計算や、請求のためのプログラムが保持され、実行されるように構成されていると好ましい。
【0090】
さらに、自動運転の場合の車内での通信費や、有料道路の使用料金、コンテンツ視聴(映画、テレビ番組、音楽、観光案内、BGM、効果照明)の費用などもその通信、コンテンツの閲覧をした共同使用者の負担とすることが好ましい。これらは電子キーを保持している共同使用者の使用者識別情報と関連付けて費用発生がシステムに記録されるように構成する。さらに使用者によって消費が異なる車両内の設備、例えばエアコンディショナー、マッサージャー、飲食物(車内に取り付けられている冷蔵庫内の飲食物の消費、サービスエリアなどで車両識別番号に関連付けて課金される飲食物の消費、ドローンなどから車両走行中に配給される飲食物の消費など)の消費などに関しても使用者識別情報と関連付けてその費用発生がシステムに記録されるように構成されることが好ましい。これらに関して計算し、費用請求するためのプログラムが車両共同使用システムに保持され、これらを管理する車両に搭載されたコンピュータと通信を行うように保持され、実行されることが好ましい。
<実施形態1 処理の流れ>
【0091】
図8は、実施形態1の車両共同使用システムの動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0092】
実施形態1の車両共同使用システムの動作方法は、車両の共同使用者を最初の使用者である当初使用者識別情報で識別される当初使用者にさらに追加するための当初使用者を含む車両の使用者を識別する使用者識別情報、使用権を有する車両を識別する車両識別情報、車両情報を関連付けた情報である車両使用者情報を保持する車両使用者情報保持部と、車両共同使用契約を閲覧させるために車両共同使用契約を車両識別情報で識別される車両に対応させて保持する車両共同使用契約保持部と、を備えた車両共同使用システムの動作方法である。
【0093】
まず、閲覧プログラムにより保持されている車両情報の全部または一部をインターネットを介して閲覧させる閲覧ステップを実行する(ステップ0801)。ここで、閲覧できる車両情報は、
図5に示すような車種ごとの表示形式や
図6に示すような車両情報の詳細情報が表示される。車両が多数ある場合は、複数頁に渡って表示してもよい。
【0094】
次に選択受付プログラムにより閲覧させた車両情報に基づいてインターネットを介して車両の共同使用を希望する旨の選択を選択者から受け付ける選択受付ステップを実行する(ステップ0802)。ここで、選択者が共同使用を希望する車両の選択ボタン0502(
図5を参照)を押下することにより選択することができる。
【0095】
次に車両共同使用契約閲覧プログラムにより選択者に車両共同使用契約を閲覧させる車両共同使用契約閲覧ステップを実行する(ステップ0803)。車両共同使用契約閲覧ステップでは、
図5に示す契約閲覧ボタン0501を押下することにより契約を閲覧することができる。契約閲覧画面は
図6に示す。車両共同使用契約書の具体的な内容は、段落[0035]に示したような内容であり、ここでは説明を省略する。
【0096】
次に同意情報取得プログラムにより選択者の閲覧に応じて選択者から車両共同使用契約に同意する旨の情報である同意情報を取得する同意情報取得ステップを実行する(ステップ0804)。同意情報取得ステップでは、選択者が
図6に示す「同意する」ボタン0601を押下すると、同意したことを示す同意情報を取得できる。選択者が「同意しない」ボタン0602を押下すると、車両共同使用契約は不成立となり、処理は終了する。
【0097】
次に車両共同使用契約追加更新プログラムにより同意情報を取得した場合に保持されている車両共同使用契約に共同使用者を追加し更新をする車両共同使用契約追加更新ステップを実行する(ステップ0805)。同意情報取得ステップ0804で同意情報を取得した場合は、車両共同使用契約追加更新ステップ0805により保持されている車両共同使用契約に共同使用者を追加し更新をする。
【0098】
次に新規使用者記録プログラムにより同意情報を取得した場合に受け付けた選択に応じて選択者に使用者識別情報であって追加的に割り当てられた使用者である追加使用者を識別する追加使用者識別情報と、選択された車両の車両識別情報とを関連づけて車両使用者情報保持部に記録する新規使用者記録ステップを実行する(ステップ0806)。新規使用者の記録の詳細は、上述したのでここでは説明を省略する。
【0099】
このように、本実施形態1によれば、車両の共同使用を行い、その車両一台あたりの稼働率を向上させるとともに、法人又は個人使用の車両を法人と個人又は個人間でカーシェアリングすることが可能となる車両共同使用システムを提供することができる。
【0100】
なお、車両の共同使用を法人所有の車両についてその法人と、その法人の従業員とで共同使用する場合については以下のようなアイデアがある。
法人所有車両の共同使用システムであって以下の(アイデア1)から(アイデア5)のようなものである。
(アイデア1)特徴:法人の権原でその所有車両の従業員との共同使用契約を柔軟に管理
【0101】
法人識別情報と、その法人が所有し、又は所有していると同等にみなせる車両(以下「所有している車両」という。)の車両識別情報と、を関連付けて保持する法人所有車両情報保持部と、前記車両識別情報と、その車両識別情報に関連付けられている法人の従業員でその車両を法人とともに共同使用する従業員の識別情報である共同使用従業員識別情報と、を関連付けて保持する共同使用従業員情報保持部と、車両識別情報と、関連付けられている従業員識別情報で識別される従業員と、その車両の所有者である法人との間のその車両の共同使用契約を識別する共同使用契約識別情報を、その車両識別情報と、その従業員識別情報と、関連付けて保持する共同使用契約保持部と、共同使用契約に変更が生じることに伴って共同使用契約に変更が生じる場合に、共同使用契約を変更するために共同使用契約保持部に保持されている情報を変更するための共同使用契約関連情報変更部と、共同使用契約に変更が生じることに伴って共同使用従業員情報保持部に保持されている情報を変更するための共同使用従業員情報変更部と、法人が所有する車両に変更が生じた場合に、法人所有車両情報保持部に保持されている情報を変更するための法人所有車両情報変更部と、法人識別情報に関連付けて情報を変更するための権原の有無を判断するための権原判断情報を保持する権原判断情報保持部と、変更情報を法人識別情報及び権原証明情報と関連付けて受付ける変更情報受付部と、受け付けた変更情報に関連付けられている法人識別情報と、権原証明情報によってその法人識別情報と関連付けられている情報を変更するための権原があるかを保持されている権原判断情報に基づいて判断する権原判断部と、権原判断部での判断結果が権原があるとの判断結果である場合に、各変更部に対して受付けた変更情報にて情報を変更するために変更情報を引き継ぐ変更情報引継部と、
を有する車両管理サーバと、
【0102】
情報を変更する権原を証明するための情報である権原証明情報を法人識別情報と関連付けて保持する権原証明情報保持部と、情報を変更するための情報である変更情報を取得する変更情報取得部と、保持されている法人識別情報と関連付けた権原証明情報と、取得した変更情報とを関連付けて車両管理サーバに出力する変更情報出力部と、
を有する情報変更端末と、
からなる法人所有車両の共同使用システム。
(アイデア2)特徴:法人識別情報を受け付けると、従業員リストが出て変更作業が容易
【0103】
車両管理サーバは、
変更情報受付部にて受付けた法人識別情報と関連付けられている従業員識別情報を取得する従業員識別情報取得部と、取得した従業員識別情報を含む情報を第一参照情報として情報変更端末に出力する第一参照情報出力部と、第一参照情報に応じて一以上の特定された従業員識別情報である特定従業員識別情報を取得する特定従業員識別情報取得部と、取得した特定従業員識別情報と関連付けられている共同使用契約識別情報を取得する共同使用契約識別情報取得部と、取得した共同使用契約識別情報を出力する共同使用契約識別情報出力部と、を有し、
【0104】
情報変更端末は、
車両管理サーバから出力された第一参照情報を取得する第一参照情報取得部と、取得した第一参照情報に含まれる従業員識別情報の中から一以上の従業員識別情報を選択して特定従業員識別情報とする特定従業員識別情報選択部と、選択された特定従業員識別情報を車両管理サーバに出力する特定従業員識別情報出力部と、
を有する(アイデア1)に記載の法人所有車両の共同使用システム。
(アイデア3)特徴:関連付け関係の変更のみによって契約内容を自動的に変更
【0105】
車両管理サーバは、
共同使用契約識別情報に関連付けて共同使用契約の内容の少なくとも一部を構成する情報である共同使用契約構成情報を保持する共同使用契約構成情報保持部と、共同使用契約保持部に保持されている情報に変更があったか判断する共同使用契約変更判断部と、共同使用契約変更判断部での判断結果が共同使用契約保持部に保持されている情報に変更があったと判断した場合に、その共同使用契約識別情報に関連付けられている共同使用契約構成情報保持部に保持されている共同使用契約構成情報を変更された情報の内容に従って変更する共同使用契約構成情報変更部と、
をさらに有する(アイデア1)又は(アイデア2)に記載の法人所有車両の共同使用システム。
(アイデア4)特徴:もうすぐ更新時期ですよというアラーム機能
【0106】
車両管理サーバは、
共同使用契約識別情報と、従業員識別情報と関連付けて、その共同使用契約識別情報で識別される共同使用契約における法人と従業員との共同使用契約期間を示す情報である共同使用契約期間情報を保持する共同使用契約期間情報保持部と、保持されている共同使用契約期間情報を従業員識別情報と関連付けて情報変更端末に出力する共同使用契約期間情報出力部と、を有し、
【0107】
情報変更端末は、
出力された共同使用契約期間情報を取得する共同使用契約期間情報取得部と、取得した共同使用契約期間情報と従業員識別情報とを出力する共同使用契約期間情報出力部と、
を有する(アイデア1)から(アイデア3)のいずれか一に記載の法人所有車両の共同使用システム。
(アイデア5)特徴:従業員管理端末から自動的に情報変更端末が起動
【0108】
従業員識別情報と、その従業員の職務識別情報と、職務識別情報と、その職務に従事する従業員が法人所有の車両の利用が必要であるかを示す車両必要識別情報とを関連付けた従業員情報保持部と、従業員情報保持部に保持された情報を変更するための従業員情報変更部と、従業員情報変更部によって従業員識別情報と、それに関連付けられている車両必要情報とに変更があったか判断する車両必要情報変更判断部と、車両必要情報変更判断部における判断結果が変更があったとの判断結果である場合に変更情報を生成し、変更情報取得部に引継ぐ変更情報生成引継部とを有する
従業員管理端末を
さらに有する(アイデア1)から(アイデア4)のいずれか一に記載の法人所有車両の共同使用システム。
<実施形態2 概要>
【0109】
実施形態2の共同使用システムは、実施形態1を基本としつつ共同使用期間を設定し共同使用期間の判断に応じて車両共同使用契約の削除更新や車両使用者情報の削除更新ができるようにしたものである。
<実施形態2 構成>
【0110】
図9に示すように、本実施形態2の共同使用システム0900は、車両使用者情報保持部0901と、閲覧部0902と、選択受付部0903と、車両共同使用契約保持部0904と、車両共同使用契約閲覧部0905と、同意情報取得部0906と、車両共同使用契約追加更新部0907と、新規使用者記録部0909と、追加割当日取得部0910と、共同使用期間保持部0911と、共同使用期間経過判断部0912と、車両共同使用契約削除更新部0913と、車両使用者情報削除更新部0914と、を有する。この共同使用システム0900は、インターネット0920を介して共同使用者や共同使用希望者の携帯端末0921やコンピュータ092と接続されている。以下では、実施形態1と共通する構成については説明を省略することとし、実施形態2の特徴的な構成について説明する。
<実施形態2 構成の説明>
【0111】
「追加割当日取得部」0910は車両共同使用契約追加更新部0907が車両共同使用契約に共同使用者を追加した日である追加割当日を取得する。追加使用者識別情報とは、追加的に割り当てられた使用者である追加使用者の識別情報をいう。追加使用者に対してはこの追加割当日を基準として追加使用者の共同使用期間を設定する。ここで、追加割当日の取得は、新規使用者記録部0909に記録した追加使用者識別情報を割り当てた日である追加割当日から取得してもよい。
【0112】
「共同使用期間保持部」0911は、所定の共同使用期間を保持する。共同使用期間は3ヶ月〜6ヶ月を設定する。車両の貸渡のレンタカーの一時的な使用として見られないためである。長期使用の共同使用者と見られるようにするため、共同使用期間としては、3ヶ月〜6ヶ月を設定すれば、十分であると考えられる。会社とその従業員間のようなケースの車両共同使用の場合は、共同使用者はその会社の従業員なので、1年以上の共同使用期間を設定してもよい。従業員は期間の定めがない長期雇用のケースが多いからである。個人間の車両の共同使用のケースの場合は、共同使用期間は上述したような3ヶ月〜6ヶ月程度の期間が好ましい。個人間の場合は車両の短期使用のケースが多いと思われるからである。また、共同使用期間を経過した場合は再登録を行うようにして利用できるようにしても良い。また共同使用期間は共同使用者がある程度自由に設定できるように構成してもよい。例えば、ネットワークを介して共同使用者間でコンセンサスを形成するシステムを構成し、このコンセンサスを形成するシステムによってコンセンサスを得た期間を共同使用期間としてもよい。またこのコンセンサスを形成する共同使用者は、新たに追加される共同使用者が含まれるものであってもよいし、含まれないものであってもよい。
【0113】
「共同使用期間経過判断部」0912は取得した追加割当日から保持されている共同使用期間が経過したか判断する。共同使用期間経過判断部0912は共同使用期間保持部0911に保持されている共同使用期間が追加割当日から所定期間経過したかを判断する。追加の共同使用者の場合は、追加割当てした共同使用期間を超過して使用することはできないこととし、車両を使用する前に所定期間経過前(契約期間満了前)に近づいた旨のメッセージを追加の共同使用者の携帯端末0921やコンピュータ0922の画面に表示させたり、車両の使用直前に車載装置の表示画面に所定期間(契約期間満了)に近づいた旨のメッセージを表示させたり、音声メッセージを出して契約の更新を促すようにする。
【0114】
「車両共同使用契約削除更新部」0913は、共同使用期間経過判断部0912が共同使用期間が経過したとの判断をした場合に車両共同使用契約の共同使用者を削除し更新をする。車両共同使用契約削除更新部0913により追加の共同使用者の車両共同使用契約は所定期間(例えば、3ヶ月〜6ヶ月程度)経過したならば、一旦削除する。そして希望者には再度共同使用の手続きを繰り返させるという処理が行われるように構成することも可能である。また、同意情報取得部で自動更新を選択可能とし、自動更新するように構成してもよい。例えば、車両がリース車両である場合には、リース契約の長期の共同使用者と区別するためである。また、追加の共同使用者は、再度登録することにより、継続して共同使用することができるようにしても良い。なお、共同使用期間に関するスケジュールを共同使用者間で閲覧可能に構成することも考えられる。例えば共同使用者毎に共同使用期間をカレンダーなどを利用して示すものである。これによって、車両の利用の混雑具合を予測することが可能となる。また共同使用者が削除された場合には、その旨の通知が他の現在の共同使用者に対してなされるように構成してもよい。この共同使用期間のスケジュールは車両情報として一般に公開したり車両共同使用システムの利用登録をした会員に限定して公開するように構成することも考えられる。さらに共同使用を希望する者は、このスケジュールを閲覧して予約を入れることもできるように構成してもよい。さらには、予約可能な人数の上限値を決めて、それ以上の予約は受け付けらないように構成することも考えられる。また、予約をする時間帯が重なった場合には、キャンセル待ちの登録ができるようにすることも考えられる。キャンセル待ちは順番をつけて順にキャンセル時に車両の使用をする権利が回ってくるように構成することもできる。さらに、複数の利用者が複数の車両に共通の共同使用者である場合には、それぞれが予約した車両で時間帯が重なる場合に、予約した車両を交換できるように構成することも考えられる。
【0115】
「車両使用者情報削除更新部」0914は、共同使用期間経過判断部0912が共同使用期間が経過したとの判断をした場合に使用者識別情報であって追加的に割り当てられた使用者を識別する追加使用者識別情報を削除する車両使用者情報の変更をする。車両共同使用契約削除更新部0913の処理と同時に、車両使用者情報削除更新部0914により追加使用者の追加使用者識別情報を削除し、車両に対応づけて保持されている車両使用者情報を変更する。なお、会員として登録された情報は会員である限り会員データベースに保存しておくことが好ましく、その車両共同使用者の識別情報も会員データベースに保存しておき、再度車両共同使用の希望がある場合に同一人物のその情報を利用するように構成することができる。
<実施形態2 作用:ハードウェア的構成>
【0116】
図10は、
図9の実施形態2の車両共同使用システムのハードウェア構成の一例を示す図である。計算機である車両共同使用システムに読み取り実行可能な動作プログラムを含む車両共同使用システムの動作プログラムを実現した例を示している。
【0117】
計算機の構成は、CPU1001と、不揮発性メモリ1002と、主メモリ1003と、インターフェース1004と、ネットワークインターフェース1005と、ディスプレイインターフェース1006、キーボードインターフェース1007、マウスインターフェース1008と、ディスクインターフェース1009とから構成されている。不揮発性メモリ1002には追加割当日取得プログラムと共同使用期間経過判断プログラムと車両共同使用契約削除更新プログラムと車両使用者情報削除更新プログラムなどが格納されている。また、不揮発性メモリ1002には追加割当日、共同使用期間、共同使用者等のデータが格納されている。これらのプログラムやデータは、主メモリ1003の保持領域に読み込まれ、作業領域で実行される。その他のプログラムやデータは、実施形態1の
図7の構成と同様であるので、説明を省略する。
<実施形態2 処理の流れ>
【0118】
図11は、実施形態2の車両共同使用方法の一例を示すフローチャートである。
実施形態2の車両共同使用システムの動作方法を説明するための図である。
【0119】
実施形態2の車両共同使用システムの動作方法は、車両の共同使用者を最初の使用者である当初使用者識別情報で識別される当初使用者にさらに追加するための当初使用者を含む車両の使用者を識別する使用者識別情報、使用権を有する車両を識別する車両識別情報、車両情報を関連付けた情報である車両使用者情報を保持する車両使用者情報保持部と、車両共同使用契約を閲覧させるために車両共同使用契約を車両識別情報で識別される車両ごとに保持する車両共同使用契約保持部と、所定の共同使用期間を保持する共同使用期間保持部と、を備えた車両共同使用システムの動作方法である。
【0120】
まず、追加割当日取得プログラムにより車両共同使用契約追加更新部0907が追加使用者識別情報を割り当てた日である追加割当日を取得する追加割当日取得ステップを実行する(ステップ1101)。
【0121】
次に共同使用期間経過判断プログラムにより取得した追加割当日から保持されている共同使用期間が経過したか判断する共同使用期間経過判断ステップを実行する(ステップ1102)。
【0122】
次に車両共同使用契約削除更新プログラムにより共同使用期間経過判断部が共同使用期間が経過したとの判断をした場合に車両共同使用契約の共同使用者を削除し更新をする車両共同使用契約削除更新ステップを実行する(ステップ1103)。
【0123】
次に車両使用者情報削除更新プログラムにより、共同使用期間経過判断部が共同使用期間が経過したとの判断をした場合に使用者識別情報であって追加的に割り当てられた使用者を識別する追加使用者識別情報を削除する車両使用者情報の変更をする車両使用者情報削除更新ステップを実行する(ステップ1104)。
【0124】
このように、実施形態2によれば、実施形態1に加え、共同使用期間を設定し、共同使用期間の経過判断を行って、追加使用者の登録、削除、更新等を行うので、法人事業者の車両管理工数が削減される。
<実施形態3 概要>
【0125】
実施形態3の車両共同使用システムは、実施形態1、2を基本としつつ 車両識別情報と、その車両の所有者を識別する所有者識別情報、とを関連付けて保持する車両所有者識別情報保持部を有し、車両所有者識別情報を利用した車両共同使用システムを提供することができる。
<実施形態3 構成>
【0126】
図12に示すように、本実施形態3の車両共同使用システム1200は、車両使用者情報保持部1201と、閲覧部1202と、選択受付部1203と、車両共同使用契約保持部1204と、車両共同使用契約閲覧部1205と、同意情報取得部1206と、車両共同使用契約追加更新部1207と、新規使用者記録部1209と、車両所有者識別情報保持部1210と、を有する。この車両共同使用システム1200は、インターネット1220を介して共同使用者や共同使用希望者の携帯端末1221やコンピュータ1222と接続されている。以下では、実施形態1、2に共通する構成については説明を省略し、本実施形態3の特徴的な構成について説明する。
<実施形態3 構成の説明>
【0127】
「車両所有者情報保持部」1210は、
図13に示すように、車両識別情報と、その車両の所有者を識別する所有者識別情報、とを関連付けて保持する。本車両共同使用システムは、車両を対象としているので、車両の所有者は法人事業者、法人事業者から委託を受けて車両の運用管理を行っている運用管理会社等が含まれる。この車両の所有者は車検証の所有者欄に記載される。また、車検証の使用者欄には、共同使用契約者の代表者1人が記載される。その他の共同使用者は車検証とは別の契約書類に紙媒体または電子媒体に格納されている。このシステムを法人事業者でなく、法人事業者にこのシステムを利用させるサービスを提供する者すなわち法人事業者から委託を受けて車両の運用管理を行っている運用管理会社の場合には、法人事業者つまり車両の所有者に対してシステムにて得られた収益の一部ないしは車両維持費相当額の不足分を送金することが必要であり、経理的な観点から所有者を識別するために車両所有者識別情報が利用される。
<実施形態3 作用:ハードウェア的構成>
【0128】
図14は、
図12の実施形態3の車両共同使用システムのハードウェア構成の一例を示す図である。計算機である車両共同使用システムに読み取り実行可能な動作プログラムを含む車両共同使用システムの動作プログラムを実現した例を示している。
【0129】
計算機の構成は、CPU1401と、不揮発性メモリ1402と、主メモリ1403と、インターフェース1404と、ネットワークインターフェース1405と、ディスプレイインターフェース1406、キーボードインターフェース1407、マウスインターフェース1408と、ディスクインターフェース1409とから構成されている。不揮発性メモリ1402には車両所有者識別情報保持プログラムなどが格納されている。また、不揮発性メモリ1402には車両所有者識別情報等のデータが格納されている。これらのプログラムやデータは、主メモリ1403の保持領域に読み込まれ、作業領域で実行される。その他のプログラムやデータは、実施形態1の
図7の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0130】
このように、本実施形態3によれば、実施形態1又は2に加え、車両所有者と共同使用者と追加使用者の合理的な運用ができる。
<実施形態4 概要>
【0131】
実施形態4の車両共同使用システムは、実施形態3を基本としつつ追加使用者契約約款識別情報保持部を追加し、追加使用者契約約款識別情をその車両の車両所有者識別情報とその車両の当初使用者識別番号を関連づけて車両の共同使用を行う車両共同使用システムを提供することができる。
<実施形態4 構成>
【0132】
図15に示すように、本実施形態4の共同使用システム1500は、車両使用者情報保持部1501と、閲覧部1502と、選択受付部1503と、車両共同使用契約保持部1504と、車両共同使用契約閲覧部1505と、同意情報取得部1506と、車両共同使用契約追加更新部1507と、新規使用者記録部1509と、車両所有者識別情報保持部1510と、追加使用者契約約款識別情報保持部1511と、を有する。この車両共同使用システム1500は、インターネット1520を介して共同使用者や共同使用希望者の携帯端末1521やコンピュータ1522と接続されている。以下では、実施形態3に共通する構成については説明を省略し、本実施形態4の特徴的な構成について説明する。
<実施形態4 構成の説明>
【0133】
「追加使用者契約約款識別情報保持部」1511は、
図16に示すように、車両所有者識別情報で識別される車両所有者と、その車両に関連付けられた当初使用者識別情報で識別される当初使用者との間で交わされた追加使用者に関する約款である追加使用者契約約款を識別する追加使用者契約約款識別情報をその車両の車両所有者識別情報とその車両の当初使用者識別情報と関連付けて保持する。追加使用者契約約款識別情報は車載装置の中に電子情報として保存しておき、追加使用者がその車両を利用するとき、閲覧承認するようにしても良い。また、追加使用者が正当な契約者であることを車載装置の電子媒体からカーナビ等に表示できるようにしてもよい。事故対応の保険として別途保険に加入するようにしてもよい。
なお、追加使用者契約約款を追加使用者契約約款識別情報保持部に保持されている追加使用者契約約款識別情報を用いて特定し、特定された約款に基づいて自動的に車両共同使用契約を生成するように構成してもよい。これは常に同一の車両共同使用契約であるばあいもあるし、時間の経過や、共同使用者の数などに応じてダイナミックに車両共同使用契約を形成するように構成してもよい。
<実施形態4 作用:ハードウェア的構成>
【0134】
図17は、
図15の実施形態4の車両共同使用システムのハードウェア構成の一例を示す図である。計算機である車両共同使用システムに読み取り実行可能な動作プログラムを含む車両共同使用システムの動作プログラムを実現した例を示している。
【0135】
計算機の構成は、CPU1701と、不揮発性メモリ1702と、主メモリ1703と、インターフェース1704と、ネットワークインターフェース1705と、ディスプレイインターフェース1706、キーボードインターフェース1707、マウスインターフェース1708と、ディスクインターフェース1709とから構成されている。不揮発性メモリ1702には追加使用者契約約款識別情報保持プログラムなどが格納されている。また、不揮発性メモリ1702には追加使用者契約約款識別情報等のデータが格納されている。これらのプログラムやデータは、主メモリ1703の保持領域に読み込まれ、作業領域で実行される。その他のプログラムやデータは、実施形態3の
図14の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0136】
このように、本実施形態4によれば、実施形態3に加え、追加使用者契約約款識別情報を保持して追加使用者の管理が行えるので、法人事業者の運用の効率化を図れる。
<実施形態5 概要>
【0137】
実施形態5の車両共同使用システムは、実施形態1〜4を基本としつつ使用状況情報取得部と分配計算部と計算ルール保持部をさらに有し、取得した使用状況情報に基づいて当初使用者と追加使用者に課すべき課金額と情報処理手数料額を算出するものである。
<実施形態5 構成>
【0138】
図18に示すように、本実施形態5の共同使用システム1800は、車両使用者情報保持部1801と、閲覧部1802と、選択受付部1803と、車両共同使用契約保持部1804と、車両共同使用契約閲覧部1805と、同意情報取得部1806と、車両共同使用契約追加更新部1807と、新規使用者記録部1809と、車両所有者識別情報保持部1810と、使用状況情報取得部1811と、分配計算部1812と、分配負担計算ルール保持部1813と、を有する。この車両共同使用システム1800は、インターネット1820を介して共同使用者や共同使用希望者の携帯端末1821やコンピュータ1822と接続されている。以下では、実施形態1〜4に共通する構成については説明を省略し、本実施形態5の特徴的な構成について説明する。
<実施形態5 構成の説明>
【0139】
「使用状況情報取得部」1811は、共同使用者による関連付けられている車両の使用状況情報を取得する。車両に搭載された各種センサよりそれぞれの共同使用者毎の車両の使用状況情報を取得する。使用状況情報としては、共同使用者各人の車両の使用時間又は占有時間(駐車場に駐車している時間をも含む)、走行距離、走行速度、平均走行速度、ガソリン残量、共同使用者の運転状況等が挙げられ、車両毎、共同使用者毎に管理できるように情報を取得する。これらの情報の一以上を利用して、分配計算部1812における計算がなされる。車両の使用状況情報にはその他に共同使用者各人の危険運転度合や、車両を丁寧に扱っているかを示す情報、悪路を走行したか、そうでないかなどの情報、車両の設備をどの程度利用したかに関する情報、車両の汚れ具合の情報、タイヤの摩耗量の情報などが含まれていてもよい。
<負担分配計算ルール保持部>
【0140】
「負担分配計算ルール保持部」1813は、
図19に示すように、分配計算部で行う計算のための負担分配計算ルールを一以上保持する。負担分配計算ルール1、2、・・・nの内容は、例えば法人(会社)の所有する社用車を、会社(当初使用者に相当する)と、その会社の従業員(追加の共同使用者に相当する)で共同使用する場合には、
図25で示したような例の関係をルール化して保持しているものである。負担分配計算ルールは共同使用の形態や、車両の所有権の所在、車種、共同使用者間の合意等に基づいてケースごとに設定するものとする。
【0141】
図25では、社用車の共同使用管理のための料金の流れを示している。ここで、共同使用料とは車両維持費を共同使用契約に基づき従業員に負担してもらう料金をいう。基本料金とはシステムの利用登録をした法人(会社)、その会社の従業員(個人)に毎月発生する月額費用をいう。システム料とは法人又は従業員のシステム利用に伴い発生する費用をいう。距離料金とは走行距離に応じて従業員が負担するガソリン代相当額をいう。基本料金とシステム料はこのサービスを提供する運営会社の運営手数料である。この運営手数料は請求項5の共同使用の促進のための情報処理手数料額に相当する。
【0142】
システムの運営会社は、利用登録をした法人(会社)と利用登録をした従業員(個人)との間でWeb上で共同使用契約をしてもらう。そして、運営会社は法人に代わって利用者の管理や車両の使用時間(使用状況)の管理を行い、従業員の利用状況(使用状況)に応じた支払額の負担配分(負担分配)を計算し、従業員(個人)から徴収した共同使用料(私的利用分)および距離料金(私的利用ガソリン代相当分)を法人に支払う。負担分配の計算ルールは、従業員が車両を業務利用した時間と私的利用した時間を区別し、従業員が私的利用した時間に対して使った分だけ月単位で集計して課金する場合と、月単位で決まった額だけ課金する月額定額制の場合が考えられる。車両の業務利用と私的利用の区別は、業務利用のICカードと私的利用のICカード等を車両に搭載された車載器で読み取ることで行う。距離料金に相当する私的利用のガソリン代は各自の走行分各自が負担するようにしても良い。
<分配計算部>
【0143】
「分配計算部」は、取得した使用状況情報と車両維持費相当額をどのように負担分配するかという負担分配計算ルールに基づいて、共同使用者に課すべき課金額を計算する。なお、さらに、共同使用の促進のための情報処理手数料額を計算するように構成してもよい。
【0144】
なお、車両維持費相当額とは、例えば当初使用者がリース契約に基づき毎月リース事業者に支払う費用であったり、車両がリースでなく購入されている場合には、購入費用や購入に際してローンを組んだ場合には、ローン等の金融関係手数料と、車両にまつわる各種費用(税金、車検代、定期点検費用、定期メンテナンス費用、部品(各種部品、タイヤ、ワイパーゴム、バッテリーなどや、これらに使用される部品などを含む)交換代、各種オイル交換代、エアコン用ガス交換代、ウインドウォッシャー液代、洗車代、車両保険代、人身保険代、強制賠償保険代、駐車場代 など)に基づいて車両維持費相当額を定める。この車両維持費用相当額は、基本費用と、走行や占有の量に応じて負担させる走行等費用に大きく分ける考え方と、走行等費用のみとする考え方がある。ただし、共同使用者全員が平等でかつ公平に費用負担するようにする。
【0145】
ただし、その後の共同使用者の車両使用率がある程度最低から離れた位置で一定となった場合には、基本費用を漸減させるなど安くするようにルールを定めることが考えられる。走行等費用は、走行距離と新車からの経過時間に応じて車両は減耗するものであるので、共同使用者の走行距離と、占有時間に応じて時間単位で積算することが考えられる。占有時間とは、実際に車両を使用していない時間であっても予約することによって他の共同使用者が使用できない時間である。この走行等費用は前述のように基本費用との関係で定められるものであるが、共同使用者の車両使用率に応じて変化させるようにルールを定めることができる。当然ながら基本費用が高い場合には走行等費用は相対的に安くなり、またその逆も成り立つ。そして、基本費用や走行等費用はこのように時間に応じた共同使用者の車両の使用率に応じて変化するものであるので1週間単位、1か月単位、3か月単位、などで変更するようにルールを定めるのが好ましい。また、この費用の定めを変更する切り替えタイミングにのみ共同使用者を追加したり、契約満了、ないしは自発的契約終了が可能なようにルールを付し、共同使用契約にも定めるようにすることもできる。
共同使用の促進のための情報処理手数料額とは、本車両共同使用システムの運営費用であり、共同使用者や追加使用者のユーザ管理や予約管理、月々の車両維持費相当額の計算を分担する運営会社に支払われる。この情報処理手数料額は、共同使用者から徴収し、1週間単位、1か月単位、3か月単位または場合により年単位で徴収される。なお、車両の共同使用の形態は、車両1対共同使用者複数の他に、車両複数対そのすべての車両に対して共同使用者複数の場合、車両複数対その複数の車両を複数の部分づつに複数の共同使用者が共同使用の場合があってよい。
<実施形態5 作用:ハードウェア的構成>
【0146】
図20は、
図18の実施形態5の車両共同使用システムのハードウェア構成の一例を示す図である。計算機である車両共同使用システムに読み取り実行可能な動作プログラムを含む車両共同使用システムの動作プログラムを実現した例を示している。
【0147】
計算機の構成は、CPU2001と、不揮発性メモリ2002と、主メモリ2003と、インターフェース2004と、ネットワークインターフェース2005と、ディスプレイインターフェース2006、キーボードインターフェース2007、マウスインターフェース2008と、ディスクインターフェース2009とから構成されている。不揮発性メモリ2002には使用状況情報取得プログラム、分配計算プログラム、負担分配計算ルール保持プログラムなどが格納されている。また、不揮発性メモリ2002には使用状況情報、課金額1、2、情報処理手数料額、負担分配計算ルール1、2、3等のデータが格納されている。これらのプログラムやデータは、主メモリ2003の保持領域に読み込まれ、作業領域で実行される。その他のプログラムやデータは、実施形態3の
図14の構成と同様であるので、説明を省略する。
<実施形態5 処理の流れ>
【0148】
図21は、実施形態5の車両共同使用方法の一例を示すフローチャートである。
実施形態5の車両共同使用システムの動作方法を説明するための図である。
【0149】
実施形態5の車両共同使用システムの動作方法は、分配計算部で行う計算のための負担分配計算ルールを一以上保持する負担分配計算ルール保持部を有する車両共同使用システムの動作方法であって、
まず、使用状況情報取得プログラムにより、共同使用者による関連付けられている車両の使用状況情報を取得する使用状況情報取得ステップを実行する(ステップ2101)。
次に、分配計算プログラムにより取得した使用状況情報と当初使用者に課される車両維持費相当額をどのように負担するかという負担分配ルールに基づいて、追加使用者に課すべき課金額、当初使用者に課すべき課金額、を計算するとともに、共同使用の促進のための情報処理手数料額を計算する分配計算ステップを実行する(ステップ2102)。
【0150】
このように、本実施形態5によれば、実施形態1〜4に加え、車両所有者と、共同使用者と、追加使用者との合理的な費用管理が行える。
<実施形態6 概要>
【0151】
実施形態6の車両共同使用システムは、実施形態5を基本としつつ計算ルール識別情報保持部をさらに有し、取得した使用状況情報と当初使用者に課される車両維持費相当額をどのように負担するかというルールに基づいて、追加使用者と当初使用者に課すべき課金額、共同使用の促進のための情報処理手数料額を、計算ルール識別情報を用いて車両情報毎に算出するものである。
<実施形態6 構成>
【0152】
図22に示すように、本実施形態6の共同使用システム2200は、車両使用者情報保持部2201と、閲覧部2202と、選択受付部2203と、車両共同使用契約保持部2204と、車両共同使用契約閲覧部2205と、同意情報取得部2206と、車両共同使用契約追加更新部2207と、新規使用者記録部2209と、車両所有者識別情報保持部2210と、使用状況情報取得部2211と、分配計算部2212と、負担分配計算ルール保持部2213と、計算ルール識別情報保持部2214と、を有する。この車両共同使用システム2200は、インターネット2220を介して共同使用者や共同使用希望者の携帯端末2221やコンピュータ2222と接続されている。以下では、実施形態5に共通する構成については説明を省略し、本実施形態6の特徴的な構成について説明する。
<実施形態6 構成の説明>
【0153】
「計算ルール識別情報保持部」2214は、
図23に示すように、複数の車両識別情報に関連付けられている車両情報と、複数の負担分配計算ルールの一を識別するための計算ルール識別情報1、2、3、・・・nとを関連付けて保持する。
図19で示す負担分配計算ルールを車両識別情報(車種ごと)に関連付けて計算ルール識別情報として保持する。利用した車両から計算ルール識別情報を利用し計算する。
<実施形態6 作用:ハードウェア的構成>
【0154】
図24は、
図22の実施形態6の車両共同使用システムのハードウェア構成の一例を示す図である。計算機である車両共同使用システムに読み取り実行可能な動作プログラムを含む車両共同使用システムの動作プログラムを実現した例を示している。
【0155】
計算機の構成は、CPU2401と、不揮発性メモリ2402と、主メモリ2403と、インターフェース2404と、ネットワークインターフェース2405と、ディスプレイインターフェース2406、キーボードインターフェース2407、マウスインターフェース2408と、ディスクインターフェース2409とから構成されている。不揮発性メモリ2402には計算ルール識別情報保持プログラムなどが格納されている。また、不揮発性メモリ2402には計算ルール識別情報1、2、3等のデータが格納されている。これらのプログラムやデータは、主メモリ2403の保持領域に読み込まれ、作業領域で実行される。その他のプログラムやデータは、実施形態5の
図20の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0156】
このように、本実施形態6によれば、実施形態5に加え、車両の共同使用を行い、その車両一台あたりの稼働率を向上させるとともに、複数人で車両維持費相当額を負担し一人当たりの車両維持費相当額を削減可能し、さらに車両に追加の共同使用者を登録可能とし、さらなる車両一台あたりの稼働率を向上させる車両共同システムを提供することにある。