【解決手段】生体吸収性ポリマーを含む、および、近位端と、遠位端と、本体の外面に形成されて近位端と遠位端との間における流体連通を提供する2つの開放螺旋経路部とを含む長尺の本体を含むステント。ステントが、案内ワイヤの通過のための、ステントの近位端と遠位端とにおいて開放された中央管腔をさらに含む。ステントを使用する方法、および、ステントを含むキットがさらに開示される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願の主題の実施は、他の意味であることが示されない限り、当技術分野のスキル内における従来の医療デバイスおよび方法を利用する。このような技術は、文献において完全に説明される。本明細書で引用されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、ここまでに示すか、以下に示すかによらず、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
本出願の一態様は、近位端と、遠位端と、長尺ステント本体の外面に形成されてステントの近位端から遠位端まで流体連通を提供する2つの開放螺旋経路部とを含む長尺ステント本体を含むステントに関する。
【0017】
本明細書において使用される場合、「ステント」という用語は、体の管腔内に埋め込まれて、管腔を開放状態に保持するか、または管腔の小さなセグメントを補強するデバイスを表す。ステントは、閉塞した血管、胆管、膵管、尿管、または他の閉塞した管腔、破損した管(canal)、中空の骨を処置するために、および/または、関心のある特定の管腔に対する制御下での解放を通して様々な薬剤を送達するために使用され得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、本出願のステントは、生物分解性材料を含むか、または生物分解性材料から構成される。「生物分解性」という用語は、血液などの体液にさらされたとき、完全に分解および/または腐食することが可能な、および、体により徐々に再吸収、吸収および/または除去され得る材料を表す。「生物分解性」は、体により破壊および/または除去される合金およびポリマーなどの生物学的に腐食可能、生体吸収性、および生体再吸収性材料を広く含むように意図される。いくつかの実施形態において、本出願のステントの表面の少なくとも一部は、ポリマーである。いくつかの実施形態において、本出願のステントは、生物分解性、生体吸収性、または生体安定性ポリマーから部分的に、または完全に製造される。いくつかの実施形態において、ポリマー製ステントは、ポリマーベースのコーティングのための基材として機能し得る。ポリマーベースのコーティングは、例えば、罹患部位における局所投与のための活性剤または薬剤を含有し得る。いくつかの実施形態において、活性剤または薬剤は、ポリマー製ステントの本体内に組み込まれる。
【0019】
開放経路部は、ステントの外面における血液、胆汁、または、尿、または他の管腔の物質/液体などの様々な体液の閉塞のない、または通常の流れを可能にするのに十分な大きさでなければならない。開放経路部は、任意の形状または深さの断面エリアをもち得る。経路部は、V字形であるか、U字形であるか、または増加または減少するピッチをもつか、一様な深さであり得るか、または、非一定の幅、深さ、デバイスの長さにわたる様々な位置において変化する非一定の、および周辺の回転をもつものである。経路部は、直線経路部または螺旋経路部であり得る。複数の経路部は、長尺ステント本体の外面または内面上に形成され得る。経路部は、また、ステントが適所に留まることに役立つ形状をもつように設計され得る。2経路部螺旋ねじれ設計は、ステント本体の両端部(近位端および遠位端)間に流体連通を提供するための、ステント本体の外面に2つの開放螺旋経路部を含むステントを表す。好ましい実施形態における本出願のステントは、2経路部螺旋ねじれ設計を含む。
【0020】
ステント本体の形状、長さ、および直径は、用途に依存する。長尺ステント本体は、直線であるか、もしくは湾曲したものであるか、または、複数回接続された、および角度を伴う曲線の形状をとり得る。各種類のステントは、解剖学的構造のうちの特定の部分内に適合するように設計される。従って、ステントの形状、長さ、および直径は、異なる寸法の管腔および異なる臨床上の必要性に対応する、およびこれらをサポートするために種類により異なる。例えば、脈管の、膵臓の、尿管の、または中手骨の管(canal)、他の中空骨構造物などの主なステント、および他のステントの用途の各々が、配置を可能にするために、配置後に適所に留まるために、ステントが中に配置される解剖学的構造を安定化および支持するために、および、通常の解剖学的構造への順応を可能にするために、異なる直径および形状を必要とする。本明細書において使用される場合、ステントの直径は、ステント本体のシャフトにわたる幅を表し、「主直径」とも呼ばれる。一実施形態において、ステントは一様な直径をもつ。別の一実施形態において、ステントは可変の直径をもつ。一実施形態において、遠位端における直径は、近位端における直径より小さい。別の一実施形態において、近位端における直径は、遠位端における直径より小さい。さらに異なる別の一実施形態において、遠位端および近位端における直径は両方とも、ステントの中央セクションにおける直径より小さい。
【0021】
ステント本体は、案内ワイヤを収容する中心管腔をさらに含み得る。この中心管腔は、案内ワイヤの除去後に流れのスループットをさらに提供し得る。
【0022】
本出願の一態様は、近位端と、遠位端と、本体の外面に形成されて近位端と遠位端との間における流体連通を提供する少なくとも1つの開放螺旋経路部と、案内ワイヤの通過のための、ステントの近位端と遠位端とにおいて開放された中央管腔とを含む長尺の本体を備えるステントに関する。
【0023】
いくつかの実施形態において、本体は生体吸収性ポリマーを含む。
【0024】
他の実施形態において、少なくとも1つの開放螺旋経路部は、インチ当たり約1.5ねじれから2.5ねじれの間の回転率をもつ。
【0025】
さらに違う他の実施形態において、少なくとも1つの開放螺旋経路部は、インチ当たり少なくとも約2ねじれの回転率をもつ。
【0026】
いくつかの実施形態において、ステントは、本体の外面に形成された2つの開放螺旋経路部を備える。いくつかのさらなる実施形態において、経路部は本体の外面において互いに反対側にある。
【0027】
いくつかの実施形態において、本体は移動防止デバイスをさらに備える。
【0028】
他の実施形態において、本体は、生物学的薬剤をさらに含む。いくつかのさらなる実施形態において、生物学的薬剤は、化学療法剤、抗菌薬、および遺伝子導入剤からなる群から選択される。
【0029】
特定の実施形態において、ステントは、埋め込み前直径D
preをもち、体液の吸収に応じてインサイチュで(in situ、その場で)埋め込み後直径D
postまで拡張可能であり、D
postはD
preより大きい。
【0030】
いくつかの実施形態において、ステントは、放射線不透過物質を含む。
【0031】
本出願の別の一態様は、生体吸収性ポリマーを含む、および、近位端と、遠位端と、本体の外面に形成されて近位端と遠位端との間における流体連通を提供する少なくとも1つの開放螺旋経路部であって、少なくとも1つの開放螺旋経路部が、インチ当たり少なくとも1ねじれの回転率をもつ、少なくとも1つの開放螺旋経路部と、案内ワイヤの通過のための、ステントの近位端と遠位端とにおいて開放された中央管腔とを含む長尺の本体を備えるステントに関する。
【0032】
いくつかの実施形態において、生体吸収性ポリマーが、PEGおよびp−ダイオキサノンを含む。
【0033】
他の実施形態において、生体吸収性ポリマーはPPDOを含む。
【0034】
さらに違う他の実施形態において、生体吸収性ポリマーは、PLA、トリメチレンカルボナート、およびカプロラクトンを含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの開放螺旋経路部は、インチ当たり少なくとも約2ねじれの回転率をもつ。
【0036】
特定の実施形態において、ステントは、本体の外面に形成された2つの開放螺旋経路部を備える。いくつかのさらなる実施形態において、経路部は、本体の外面において互いに反対側(両側)にある。
【0037】
本出願のさらに違う別の一態様は、近位端と、遠位端と、本体の外面に形成されて近位端と遠位端との間における流体連通を提供する少なくとも1つの開放螺旋経路部であって、少なくとも1つの開放螺旋経路部が、インチ当たり約1.5ねじれから3.5ねじれの間の回転率をもつ、少なくとも1つの開放螺旋経路部と、案内ワイヤの通過のための、ステントの近位端と遠位端とにおいて開放された中央管腔とを含む長尺の本体を備えるステントに関する。
【0038】
いくつかの実施形態において、ステントは、本体の外面に形成された2つの開放螺旋経路部を備える。いくつかのさらなる実施形態において、経路部は、本体の外面において互いに反対側にある。
【0039】
本出願のさらに異なる別の一態様は、生体吸収性ポリマーを含む、および、近位端と、遠位端と、本体の外面に形成されて近位端と遠位端との間における流体連通を提供する開放螺旋経路部のペアであって、螺旋経路部が、インチ当たり少なくとも約1ねじれの回転率をもつ、開放螺旋経路部のペアと、案内ワイヤの通過のための、ステントの近位端と遠位端とにおいて開放された中央管腔とを含む長尺の本体を備えるステントに関する。
【0040】
いくつかの実施形態において、経路部は、本体の外面において互いに反対側にある。
【0041】
本出願の別の一態様は、ステントの配置のための対象部位に隣接した血管、管、または管腔内への進入口を確立することと、進入口と対象部位に隣接した血管、管、または管腔とを通して、案内ワイヤを前進させることと、および対象部位まで案内ワイヤに沿ってステントを前進させることとを含む、ステントを必要とする対象者内にステントを配置する方法に関する。ステントは、近位端と、遠位端と、本体の外面に形成されて近位端と遠位端との間における流体連通を提供する2つの開放螺旋経路部と、案内ワイヤの通過のための、ステントの近位端と遠位端とにおいて開放された中央管腔とを含む長尺の本体を備える。本方法は、案内ワイヤを引き抜くステップをさらに含む。
【0042】
本出願のさらに違う別の一態様は、ステントの配置のためのキットに関する。キットは、近位端と、遠位端と、本体の外面に形成されて近位端と遠位端との間における流体連通を提供する2つの開放螺旋経路部と、案内ワイヤの通過のための、ステントの近位端と遠位端とにおいて開放された中央管腔とを含む長尺の本体を備えるステントを備える。キットは、案内ワイヤをさらに備える。
【0043】
一実施形態において、ステントは、複数のフィラメントを一緒に編むことにより自然に形成される。別の一実施形態において、ステントは、穿孔ビットのものと同様の中心ロッドの外面を通って延びた1つまたは複数の正弦波形経路部を含む中心ロッド/ハブ/カムを含んで作られる。
【0044】
本出願のステントは、拡張可能であり得る。一実施形態において、ステントは、その弾性要素の半径方向の変形に起因して、2つの異なる直径寸法をもつ。復元場所に配置される前に、ステントの直径寸法を最小化するために、ステントが変形される/圧縮される/折り畳まれる。次に、ステントが、特別なセッティングバルブ上にそれを配置することにより移送手段の内部に変形した状態で配置される。ステントが復元場所に移送された後、ステント径が最大化されるように、セッティングバルブが拡張される。別の一実施形態において、ステントは、複数の可撓性または折り畳み可能経路部壁または中心ロッド/ハブ/カムから延びたリーフレットを含む。経路部壁またはリーフレットは、送達工程中、屈曲位置に維持され、処置部位においてのみ解放される。
【0045】
一実施形態において、ステントは、本体経路部を通してステントを適所に押圧する押圧体ロッドを使用して体の管腔内の処置部位に送達される。押圧体ロッドは、案内ワイヤ上を移動する。押圧体ロッドは、送達を方向付けすることを補助するために、ステントの端部に装着するような手法で設計される。一実施形態において、押圧体ロッドは、レンチがナットに適合するのと概ね同じ手法のオス/メス手法で、ステントの近位端と連結する。
【0046】
本出願のステントは、プラスチックの、および胆管および/または膵臓のステントを生物分解性であることの追加的な利点で置換し得、このことが、後続のステント除去のための内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP::endoscopic retrograde cholangiopancreatography)の使用をなくす。特定の実施形態において、本出願のステントは、高速分解プロファイル(12日の最小強度保持)、中速分解プロファイル(25日の最小強度保持)、および低速分解プロファイル(12週間の最小強度保持)を含む3つ以上の分解プロファイルのうちの1つを含み得る。強度保持は、初期強度パラメータの少なくとも10%の存在により定義される(例えば、ステントは、シミュレーションによる分解モデルにおいて試験された場合、破壊を伴わず無傷に留まる)。
【0047】
いくつかの実施形態において、高速分解プロファイルをもつステントは、20%のPEGおよび80%のp−ダイオキサノンというポリマーを含有し、BaSO
4を含浸される。一実施形態において、高速分解プロファイルをもつステントは、重量比で16.8%のPEG、67.2%のp−ダイオキサノン(20%/80%のPEG/p−ダイオキサノンコプロイマーの形態で)、および16%のBaSO
4(硫酸バリウム)を含有する。いくつかの実施形態において、中速分解プロファイルをもつステントは、100%のポリ(パラ−ダイオキサノン)というポリマーを含有し、BaSO
4を含浸される。一実施形態において、中速分解プロファイルをもつステントは、重量比で84%のポリ(パラ−ダイオキサノン)および16%のBaSO
4を含有する。いくつかの実施形態において、低速分解プロファイルをもつステントは、74%のラクチド、15%のトリメチレンカルボナート、11%のカプロラクトンというコポリマーを含有し、BaSO
4を含浸される。一実施形態において、低速分解プロファイルをもつステントは、重量比で62.16%のラクチド、12.6%のトリメチレンカルボナート、9.24%のカプロラクトン(74%/15%/11%コプロイマーの形態で)、および16%のBaSO
4を含有する。
【0048】
いくつかの実施形態において、本出願のステントは、埋め込み後に初期表面分解を受け、このことが胆汁洗浄を可能にする(当業者は、特定のポリマーがバルク分解前に表面腐食により分解し、特別なコーティングまたは組成物が要求されないことを理解する)。本出願のステントは、2経路部螺旋ねじれ設計をさらに使用して、ステントの外側における胆汁の流れを可能にする。他のステントと比較すると、本出願のステントは、より良好なシミュレーションによる流量、より良好なシミュレーションによる移動抵抗、およびより良好なクラッシュ抵抗を提供する。
【0049】
図1Aは、本出願のステントの一実施形態を示す図である。本実施形態において、ステント100は、近位端12と遠位端14とを含む長尺の本体10を含む。2つの正弦波形経路部16が、穿孔器ヘッド上の溝と同様の形態で近位端12から遠位端14まで延びた長尺の本体10の外面上に形成される。経路部は、経路部の内部における流体の流れを円滑化する傾斜した縁部を含み得る。経路部は、非一定の深さおよび長さをもち得る。ステント本体の端部は、錐形状を含む様々な形状をもち得る。
図1Bは、
図1Aに示す図を透明にした図である。2経路部設計は、ステントの外面における2経路部が一端部から他方まで並走すること、または、十字交差してより多くの流体の流れを可能に、および、主たるステント処置された経路部のサイド分岐流を増やす能力を可能にすることを可能にする。
【0050】
中心管腔20は、ステント100が案内ワイヤを通して埋め込みの場所内に滑動することを可能にする。
【0051】
図2は、本出願のステントの別の一実施形態を示す。本実施形態において、ステント200は、変更された正弦波形の本体形状をもち、柔軟性を改善し、様々な流動力学を可能にし、および管腔に対する外形および壁の接着性を円滑化する。複数のV字形経路部16は、様々な体液の流れを可能にする。内部管腔20の直径およびステント本体の外径は、様々な管腔の寸法、形状、流れ、および生体力学の必要性に基づいて変えられ得る。テーパ付の先端18は、体の管腔の内部におけるステントの進行を円滑化する。
【0052】
図13および
図14は、V字形経路部および経路部壁の断面を示す。経路部は、流体の流れの体積および速度を変えるために非一定の深さおよび非一定の幅をもち得る。経路部の底部は、丸みを帯びているか、またはテーパ付きであるか、または直接的な角度により形成され得る。
【0053】
本出願のステントは、当業者によく知られた手順で埋め込まれ得る。このような手順の例として、案内ワイヤを使用する標準的な経皮的アプローチ、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)配置手順、および他の放射線像形成/脈管造影手順が挙げられるが、これらに限定されない。
図3は、案内ワイヤ24と押圧体チューブ26とを含むステント200の組立体を示す。
図4は、ステント300、案内ワイヤ24、および押圧体26の間におけるいくつかの係合機構を示す。
図4Aにおいて、押圧体チューブは、手またはクランプに類似したステント300を保持するいくつかのフィンガーを含む。
図4Bにおいて、押圧体26は、オス/メス手法でステント300と連結して、ステント300の配置および送達の安定性を確実なものとするインターロック機構は、様々な形状、寸法、または大きさのオス・メス相互接続体を伴い得る。
【0054】
図5Aおよび
図5Bは、圧縮可能経路部壁50を含む拡張可能ステント500の一実施形態を示す。閉状態(
図5A)において、経路部壁50は、互いに圧縮またはねじられて、ステント径を小さくする。ステントが処置部位に移送された後、経路部壁がそれらの自然な形状まで戻される(
図5B)。
【0055】
図6Aおよび
図6Bは、折り畳み可能リーフレット60を含む拡張可能ステント600の別の一実施形態を示す。延びた状態において、薄いリーフレット60は、体液の閉塞のない流れを可能にする(
図6A)。一実施形態において、リーフレット60は、体液の流速を上げるか、または最小の薬剤を提供する手法で外形を規定され、および位置合わせされる。流量のインピーダンスおよび速度は、リーフレットの角度および外形を変えることにより変調され得る。さらに相互接続支持体は、ブレーシングアーム62に対して異なるレベルの安定性および剛性を提供するためにカムにおいてより厚いものであり得、このことにより、それらが中に配置されることになる構造物を支持することに役立つ。ブレーシングアーム62は、それらの直径に沿って任意の場所に接続され得、接続点における変化は、管腔の支持の剛性、管腔の通常の本体の動きに伴って曲がるデバイスの機能に影響を与え、デバイスが潰され得る最小径を変える。ステント600は、中心管腔20をさらに含み得る。
【0056】
図6Bに示されるように、リーフレット60は、旋回するように(例えば時計回りに)回転させられて互いの中に潰れ、ステントの寸法を小さくして埋め込みを円滑化し得る。適所に配置された後、ステントが逆方向(例えば反時計回り)に回転させられて、その延びた状態まで戻り得る。ステント600の先端は、異なる体の管腔へのアクセスを可能にする様々な構成に命名され、または錐体にされ、または形作られ得る。開いたリーフレット60は、ステント600の移動を防ぐ利点をさらに含む。
【0057】
図7Aおよび
図7Bは、別の一実施形態を示す。本実施形態において、拡張可能ステント700は、交互に位置するリーフレット70の各々の周囲における閉じた接続部を含み、柔軟性、半径方向力、圧縮抵抗、および吸収の変化を可能にする。リーフレット70は、正弦波形パターンを含み、剛性の変形例を可能にするために、内側カム72への装着部においてより厚いものであり得る。外側カム74は、ステント本体の内部における組織の成長を防ぎ、ステント700と体の管腔の内壁との間における接触面積を増やす。外側カム74の厚さは用途に依存する。外側カム74はまた、傾斜を付けられ得る。ステント700は、ステント700の簡単な除去を可能にするための、中心管腔20の端部に装着された除去把持部を含み得る。
【0058】
図7Bは、ステント700の別の一実施形態を示す。本実施形態において、リーフレット70は、カム72に接続され、カム74に向けて圧縮され得る。リーフレットは、流体がリーフレット70を通って、およびリーフレット70の周囲において流れ得るように、中空内部を含み得る。
【0059】
別の一実施形態において、ステント800はプロペラ様リーフレット80を含み、プロペラ様リーフレット80は、プロペラ様リーフレット80がステント800のカムまたはロッド部82に装着された基底部において、より厚い。リーフレット80は、先端においてより薄くなる(
図8A)。ステント800は、また、体の管腔に沿う正弦波形であり得る。
【0060】
プロペラ様ステント800は、一方向の手法でステントを単に回転させることと、次に、ステントが適所に配置された後、本技法を逆に行ってステントを開くこととにより、内視鏡、気管支鏡、の作動経路を通した、または、何らかの他の管状送達装置または開口を通した通過しやすさを高めるために、リーフレットの一方向の潰れを可能にする手法で構築され得る。さらに、ステント800の先端は、潰れまたは挿入のしやすさを可能にするように形作られ得る。
図8Bは、潰された構成のステント800を示す。
【0061】
図8Cは、ステント800の別の一実施形態を示す。本実施形態において、リーフレット80は、傘の折り畳みと同様の手法で、ステント本体のカムまたはロッド部82に向けて、折り畳まれ得る。リーフレット80は、例えば丸形、長円形、三角形などの任意の形状であり得、および、デバイスを折り畳むこと、および開口または経路部を通してデバイスを通すことにおける簡単さ、また剛性を変えることを可能にするために、カム82にリーフレットが接続された基底部における厚さの変化をもつ。一方向リーフレットは、デバイスが開口を通して押された後に引き戻されることを可能にして、適所にデバイスを固定する。別の一実施形態において、リーフレットは、傘、潰れる木のそれと同様の、または一定の、または非一定の形状で一方向に、または多方向に折り畳まれるリーフレットの手法で、ステント本体のカムまたはロッド部に向けて折り畳まれ得る。
図8Dは、潰された構成における
図8Cのステントを示す。
【0062】
別の一実施形態において、ステント800のリーフレット80は、共通軸に沿って回転させることにより一緒に折り畳まれ得る。
図8Eおよび
図8Fは、それぞれ開いた、および折り畳まれた構成のステント800を示す。一実施形態において、ステント800は、開いた構成において1cmの直径をもち、折り畳まれた構成において1mmの直径をもつ。流れの必要性に応じて、経路部88は、5度から100度の範囲のラップ(rap)をもち得る。特定の実施形態において、経路部88は、約5〜20度、20〜40度、40〜60度、60〜80度、または80〜100度のラップをもち得る。特定の実施形態において、経路部は約5度、約10度、約20度、約30度、約40度、約50度、約60度、約70度、約80度、約90度、または約100度のラップをもつ。
【0063】
別の一実施形態において、デバイスのうちのいくらかの部分(例えば1%)が一方向リーフレットを含むように、および、残部が反対側、またはのこぎりの異なる刃に見られるような方向を向いたリーフレットを含むように潰れ可能なデバイスの一部、およびステント、およびそのリーフレットを、デバイスが含む。さらに異なる別の一実施形態において、リーフレットは、拡張されたステントの移動を防ぐために、方向的に交互に位置する。
【0064】
ここで
図9Aを参照すると、ステント900の一実施形態は、体の管腔の内部における通過しやすさを可能にするテーパ付近位端901と、剛性を提供するためにより大きな直径をもつ外側フレーム902と、柔軟性を提供するためにより小さな直径をもつ中心コア903とを含む。外側フレーム902および中心コア903は、円柱であるか、またはステントの柔軟性または剛性を変えるために表面において様々な外形をもつように切り取られ得る。
図9Bにおいて、ステント900は、コア903の周囲にコイルを形成する外側フレーム902を含む。ステント900は、中心管腔20をさらに含み得る。
図9Cにおいて、ステント900は、外側フレーム902の表面に形成された正弦波形経路部904を含む。経路部904は、可変の深さをもち得る。中心コア903は、ステント900の柔軟性、安定性、および剛性を調節するために様々な形状および寸法をもち得る。
【0065】
一実施形態において、ステント900は、割れた箇所を含む骨の管(canal)内に挿入される。別の一実施形態において、ステント900は、ヒドロゲルによりコーティングされた。ヒドロゲルは、流体の吸収により拡張し、骨の管(canal)の内壁の接続および支持を改善する。別の一実施形態において、ステント900は、骨の割れた箇所を相互に付けるために使用される。別の一実施形態において、ステント900は、骨皮質を通して配置される。
【0066】
ここで
図10を参照すると、ステント1000の別の一実施形態は、ステント本体の外側に非一定の幅および深さの経路部を含む。例えば、経路部1001は、経路部1003の幅より大きな幅をもつ。可変の幅および深さは、流体の流れ、または中にステント1000が配置される管腔に対する摩擦を変えるために使用され得る。さらに、同様の経路部が、管状ステントの内側部に形成され得る。
図10に示される実施形態において、ステント1000は、体の管腔の内部におけるステントの進行を円滑化するテーパ付の先端1005を含む。幅広い遠位フレア1007は、ステント900の移動を防ぎ、ステント900の安定性を高める。ステント1000は、流体の流れを増やし、安定性を高めることを可能にするより短い、またはより長いピッチの経路部を含み得る。ステント1000は、案内ワイヤまたは流体の流れのための中心管腔をさらに含み得る。
【0067】
ここで
図11A〜
図11Bを参照すると、ステント1100の別の一実施形態は、螺旋表面経路部1103を含むより大きな近位端1101を含む。ステント1100は、ステント本体の直径を交互に変動させた錐体または円柱の形状をもつ。表面経路部1103は、各領域における流量(flow rate)、および/または流量(flow volume)を変えるために、各領域において異なる形状および深さをもつ領域1104、1105、および1106を含み得る。
【0068】
図12は、ステント1200の別の一実施形態を示す。ステントのピッチは、ステントの様々なゾーンにおいて変化し得る。ステントは、近位端1201においてより小さな直径をもち、遠位端1203においてより大きな直径をもつ。ステント1200は、ワイヤを適応させるのに十分大きな開口1205を含み得る。ステント1200は、段階的に増加または減少するピッチをもち得る。別の一実施形態において、ピッチは、ステントの異なるセクションにおいて解剖学的構造に対してより良好に外形を適合させるように変化し得る。
【0069】
本出願のステントの他の実施形態が
図15〜
図18に示される。
【0070】
図15は、ステント1500が配置されるエリア内にアクセスしやすいことを可能にする錐形の先端1501と、留めるための、または管腔内への、管腔外への、または管腔内における移動の防止ためのフレア状遠位端1503とを含むステント1500の一実施形態を示す。フレア1505は、一方向または双方向であり得る。
【0071】
図16は、錐形端部1601および腫脹中央セクション1603を含むステント1600の一実施形態を示す。ステント1600は、エラストマから作られ得る。一実施形態において、ステント内に、より大きな、およびより深い経路部を提供することにより流体の流れを増やすために、中央におけるエリアにおいて、端部におけるエリアにおいて、または、ステント本体の複数の位置において、エラストマは、より拡張し得る。別の一実施形態において、ステント1600の端部は、拡張してステントを適所に維持する移動防止機構を含む。ステントの遠位端1605における移動防止デバイスは、ステントアクセスの長さに沿った任意の場所に配置され得る。
【0072】
図17は、経路部1703を形成するリーフレット1701を含むステント1700の別の一実施形態を示す。本実施形態において、ステント1700は、入りやすいことを可能にするテーパ付端部1705を含む。正弦波形経路部1703の回転は、流体の流れ、潰れ機能などを調節するために変えられ得る。カム1707に装着されたリーフレットは、送達デバイス内に装填されたとき、または、内視鏡のように送達チューブ内に配置されたとき、ステント1700の直径がより小さくなることを可能にするように折り畳まれ得る。経路部壁は、ステントが配置される空洞または管腔に応じて直線であるか、丸みを帯びているか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0073】
図18は、ステント1800の別の一実施形態を示す。ステント1800は、ステントの正弦波形経路部がステントの内部に発生することを可能にする手法で作られる。ステントの外側は、中にステントが配置される解剖学的構造に沿い、柔軟性は正弦波形経路部のピッチにより規定される。ステントの内部は、ステントの外側と同じ正弦波形を形成する。一実施形態において、ステント1800は、ねじ込む手法でステント1800が挿入され得るような手法で作られる。
【0074】
当業者は、他の折り畳み、またはインターロックも使用され得ることを理解する。経路部壁またはリーフレットは、ステントに所望の剛性、柔軟性、押圧可能性、追跡可能性、管腔接触、および/または吸収プロファイルを提供するために、さらに非一定の厚さおよび長さであり得る。例えば、生体吸収性材料から作られたステントは、(それらが管腔壁に触れる)先端において、より薄く、(それらがカムに装着される)基底部において、より厚く、従って先端から基底部まで分解を可能にするリーフレットを含み得る。別の一実施形態において、カム自体は、デバイスの押圧可能性および柔軟性を変えるために、異なる位置においてその直径を変える様々な手法で切り取られ得る。
【0075】
図19Aは、ステント1900の別の一実施形態の基本設計を示す。一実施形態において、ステント1900は、ポリマー材料から作られる。特定の実施形態において、ポリマー材料は、オパシプレン(Opaciprene)を含むアクアプレン(Aquaprene)8020、オパシプレン(Opaciprene)を含むダイオキサプレン(Dioxaprene)100M、または、オパシプレン(Opaciprene)を含むラクトプレン(Lactoprene)7415であり得る。USD、PPD、およびMDPの適切な等級は、また、ステントを製造することにおいて使用するために選択され得る。いくつかの実施形態において、ステントは、USD5(アクアプレン(Aquaprene)8020:20%のPEG、80%のp−ダイオキサノン)などの高速吸収ポリマーを含む。他の実施形態において、ステントは、PPD3(ダイオキサプレン(Dioxaprene)100M:ポリ(パラ−ダイアキサノン)などの中速吸収ポリマーを含む。さらに違う他の実施形態において、ステントは、MDP3(ラクトプレン(Lactoprene)7415:ラクチド/トリメチレンカルボナート/カプロラクトンの74/15/11コポリマー)などの低速吸収ポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ラクチドは、モノマーL−ラクチドである。いくつかの実施形態において、ステントは、適切なキャリア内の約1%から約40%のBaSO
4溶液で含浸される。さらなる実施形態において、ステントは、適切なキャリア内の約10%から約30%のBaSO
4溶液で含浸される。さらに違うさらなる実施形態において、ステントは、適切なキャリア内の約12%から約22%のBaSO
4溶液で含浸される。特定の実施形態において、ステントは、適切なキャリア内の約17%のBaSO
4溶液で含浸される。
【0076】
ステント長1901は、ステント1900が使用される用途または位置に依存して可変である。いくつかの実施形態において、ステント長1091は、約5mmから約300mmの間であり得る。特定の実施形態において、ステント長1091は、約20mm、40mm、60mm、80mm、100mm、150mm、または225mmである。いくつかの実施形態において、ステント1900は、約1.8mmから約2.2mmの間の外径1902をもつ。他の実施形態において、ステント1900は、約1.9mmから約2.1mmの間の外径1902をもつ。特定の実施形態において、ステント1900は、約2.0mmの外径1902をもつ。いくつかの実施形態において、ステント1900の端部は、ステント1900の主本体より狭くなるようにテーパ付けされている。「外径」は、断面内においてデバイスの中心を通る直線に沿ったデバイスにおける2つの最も遠い点間の直線距離を表す。
【0077】
いくつかの実施形態において、本出願の胆管および膵臓ステントは、ステントが蛍光透視法により監視され得るように、蛍光透視により視認可能な材料のために作られる。他のステントと比較すると、本出願の胆管および膵臓ステントは、より良好なシミュレーションによる流量、より良好なシミュレーションによる移動抵抗、およびより良好なクラッシュ抵抗を提供する。
【0078】
本実施形態のステント1900は可撓性である。いくつかの実施形態において、ステントは、対象位置への配置後に曲がる。いくつかの実施形態において、ステントの本体は、流体の流量の悪化を伴わずに約90°から約135°の間の屈曲1903を許容し得る。他の実施形態において、ステントの本体は、流体の流量の悪化を伴わずに約100°から約125°の間の屈曲1903を許容し得る。さらに違う他の実施形態において、ステントの本体は、流体の流量の悪化を伴わずに約112°の屈曲1903を許容し得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、ステント1900の本体は湾曲しており、約10mmから約70mmの間の半径をもつ湾曲1913をもつ。他の実施形態において、ステント1900の本体は、約20mmから約60mmの間の半径をもつ湾曲1913をもつ。さらに違う他の実施形態において、ステント1900の本体は、約30mmから約50mmの間の半径をもつ湾曲1913をもつ。特定の実施形態において、ステント1900の本体は、約40mmの半径をもつ湾曲1913をもつ。
【0080】
ステント1900は、体の管腔内の適所にステントをつなぎ留めるために、ステント1900の長尺の本体から外向きに拡張する2つの移動防止デバイス1904を備える。いくつかの実施形態において、移動防止デバイスは、ステントから延びた、および適所にステントを保持するために管腔の組織に接触する長尺突出部である。いくつかの実施形態において、移動防止デバイスの先端は先細であるので、先端は組織内に埋設され得る。いくつかの実施形態において、移動防止デバイスは、配備前および配備中にステントの表面と面一に保持され、対象部位における配置後に広がることを可能にされる。移動防止デバイス1904は、ステントの端部の近くに配置されるが、当業者は、移動防止デバイス1904の配置は、本用途における限定ではないことを理解する。いくつかの実施形態において、移動防止デバイス1904は、約1mmから約12mmの間の長さ1905をもつ。さらなる実施形態において、移動防止デバイス1904は、約3mmから約10mmの間の長さ1905をもつ。さらに違うさらなる実施形態において、移動防止デバイス1904は、約5mmから約8mmの間の長さ1905をもつ。特定の一実施形態において、移動防止デバイス1904は、約7mmの長さ1905をもつ。さらに、いくつかの実施形態において、移動防止デバイス1904は、ステント1900の各端部から、約1mmから約12mmの間の距離1906にある。さらなる実施形態において、移動防止デバイス1904は、ステント1900の各端部から約3mmから約10mmの間の距離1906にある。さらに違うさらなる実施形態において、移動防止デバイス1904は、ステント1900の各端部から約5mmから約8mmの間の距離1906にある。特定の一実施形態において、移動防止デバイス1904は、ステント1900の各端部から約7mmの距離1906にある。いくつかの実施形態において、移動防止デバイス1904は、ステント1900の各端部から同じ距離1906にある。他の実施形態において、移動防止デバイス1904は、ステント1900の各端部から異なる距離1906にある。いくつかの実施形態において、移動防止デバイス1904は、フラップまたはテールの形態である。
【0081】
図19Bは、ステント1900の3D表現である。この斜視図の端部は、ステントが単一の中央管腔1907を含むことを示す。ステント1900の長手中央管腔1907は、ポリマー材料内に形成され、案内ワイヤのための経路部を提供する。中央管腔1907のいずれかの側におけるステントの狭窄が、ステント1900の外面における流体の流れのための互いに反対側にある(互いに逆を向いた)外側経路部1908を生成する。
図19Bに示されるように、ステント1900はねじれており、互いに反対側にある外側経路部1908がステント1900の周囲において螺旋状に延びることをもたらす。
【0082】
図19Cは、ステント1900の側面図であり、中央管腔1907(破線)の周囲における外側経路部の螺旋状の延びを示す。本発明者らは、驚くべきことに、外側経路部を通した流体の流れは、インチ当たりのステントのねじれ数(すなわち、
図19Cにおいて1909と示された25.4mm当たりの巻き回し数であって、1つのねじれがステントの中心軸の周囲における360度の回転であるもの)を制御することにより最適化されることを発見した。加えて、本発明者らは、インチ当たりのねじれ数(TPI:twists per inch)を増やすことが、同等の大きさの力が印加された状態でステント材料のたわみにより測定されたステントの柔軟性を高める/改善することを見出した。TPIを(例えば、1TPIから2TPIに、または2TPIから3TPIに)増やすことが、たわみ量を大きくし、それにより、より高いTPIがより可撓性の高いステントを生成することを示す。いくつかの実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり1ねじれであるか、または、インチ当たり1ねじれを上回る。他の実施形態において、ねじれ数は、少なくとも、インチ当たり1.5ねじれであるか、または、インチ当たり1.5ねじれを上回る。さらに違う他の実施形態において、ねじれ数少なくともインチ当たり1.75ねじれであるか、または、インチ当たり1.75ねじれを上回る。さらに異なる他の実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり約1.5ねじれから2.5ねじれの間である。さらに異なった他の実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり約1.75ねじれから2.25ねじれの間である。さらに違う他の実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり約2ねじれである。特定の実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり2ねじれであるか、または、インチ当たり2ねじれを上回る。さらなる実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり2ねじれに等しい。他のさらなる実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり2ねじれを上回る。ステントのねじれは、当業者に知られた任意の手段により実行され得る。いくつかの実施形態において、ステントは、直線状のねじれのない構成とされた後、所望のねじれ数/インチまでのねじり、または機械加工を続けることにより形成され得る。他の実施形態において、ステント1900は、ねじれた形状に形成またはモールド成形され得る。ステント1900が作られる元のポリマー材料は、例えば加熱工程などの当業者に知られた任意の手段により、ねじれた位置に適所に固定され得る。
【0083】
図19Dは、
図19Cの線D−Dにおけるステント1900の断面図を示し、ステント1900の1つの端部を見る。断面を説明するための配向に関して、上、下、より上、より下といった方向は、ステントの断面を最長の鏡像の半分割体に2分割する主軸上に延びた方向を表す。側部および側部から側部まで(side−to−side)は、主軸に直交した交差軸を表す。いくつかの実施形態において、中央経路部1907は、約0.8mmから約1.2mmの間の直径をもつ。他の実施形態において、中央経路部1907は、約0.9mmから約1.1mmの間の直径をもつ。さらに違う他の実施形態において、中央経路部1907は、約0.95mmから約1.05mmの間の直径をもつ。特定の実施形態において、中央経路部1907は、約1mmの直径をもつ。他の特定の実施形態において、中央経路部1907は、1mm+/−0.1mmの直径をもつ。中央経路部の「直径」は、断面内において中央経路部の中心を通る直線に沿った中央経路部の管腔内における2つの最も遠い点間における直線距離を表す。
【0084】
さらに
図19Dを参照すると、ステントの断面は、中央経路部1907を囲む中央の円1919と、中央の円1919に重なる、および、いくつかの実施形態において互いに重なる上および下のボルスター1921とを備える。中央の円1919の側部は、ボルスター1921が中央の円1919と交差する点間において、中央経路部1907の周囲においてステントの少しのより薄い壁1920を形成する。いくつかの実施形態において、小さな壁1920の厚さは、約0.1mmから約0.3mmの間である。他の実施形態において、小さな壁1920の厚さは、約0.15mmから約0.25mmの間である。特定の実施形態において、小さな壁1920の厚さは、約0.2mm+/−0.02mmである。他の特定の実施形態において、小さな壁1920の厚さは、約0.2mm+/−0.01mmである。
【0085】
さらに
図19Dを参照すると、上および下のボルスター1921は、全体的に楕円形、長円形、または円形の形状をもつ。長円形または楕円形のボルスター1921の場合、
図19Dに示されるように、ボルスター1921の最長の長軸は、ステントの断面の主軸に直交して配向して延び得る。いくつかの実施形態において、長円形または楕円形のボルスター1921の最長の長軸は、ステントの断面の主軸に沿って配向して延び得る。ボルスター1921は、ステントの大きなより厚い壁を形成する。
【0086】
いくつかの実施形態において、主となる壁1922の厚さは、主軸において約0.3mmから約0.7mmの間である。他の実施形態において、主となる壁1922の厚さは、主軸において約0.4mmから約0.6mmの間である。特定の実施形態において、主となる壁1922の厚さは、主軸において約0.5mm+/−0.05mmである。他の特定の実施形態において、主となる壁1922の厚さは、主軸において約0.5mm+/−0.025mmである。
【0087】
いくつかの実施形態において、ボルスター1921は、約1.4mmから約1.8mmの間の側部から側部までの厚さをもつ。他の実施形態において、ボルスター1921は、約1.5mmから約1.78mmの間の側部から側部までの厚さをもつ。特定の実施形態において、ボルスター1921は、約1.61mm+/−0.16mmの側部から側部までの厚さをもつ。他の特定の実施形態において、ボルスター1921は、約1.61mm+/−0.08mmの側部から側部までの厚さをもつ。
【0088】
図19Eは、
図19CのD−D線におけるステント1900の代替的な実施形態の断面図を示し、ボルスター1921が円形であるステント1900の1つの端部を見る。中央の円1919の側部は、ボルスター1921が中央の円1919と交差する点間において、中央経路部1907の周囲においてステントの小さなより薄い壁1920を形成する。いくつかの実施形態において、小さな壁1920の厚さは、約0.1mmから約0.3mmの間である。他の実施形態において、小さな壁1920の厚さは、約0.15mmから約0.25mmの間である。特定の実施形態において、小さな壁1920の厚さは、約0.2mm+/−0.02mmである。他の特定の実施形態において、小さな壁1920の厚さは、約0.2mm+/−0.01mmである。いくつかの実施形態において、円形のボルスター1921の直径は、中央の円1919の直径と同じである。他の実施形態において、円形のボルスター1921の直径は、中央の円1919の直径より大きい。いくつかの実施形態において、主となる壁1922の厚さは、主軸において約0.3mmから約0.7mmの間である。他の実施形態において、主となる壁1922の厚さは、主軸において約0.4mmから約0.6mmの間である。特定の実施形態において、主となる壁1922の厚さは、主軸において約0.5mm+/−0.05mmである。他の特定の実施形態において、主となる壁1922の厚さは、主軸において約0.5mm+/−0.025mmである。
【0089】
図20Aは、ステント2000の別の一実施形態の基本設計を示す。一実施形態において、ステント2000は、ポリマー材料から作られる。特定の実施形態において、ポリマー材料は、オパシプレン(Opaciprene)を含むアクアプレン(Aquaprene)8020、オパシプレン(Opaciprene)を含むダイオキサプレン(Dioxaprene)100M、またはオパシプレン(Opaciprene)を含むラクトプレン(Lactoprene)7415であり得る。USD、PPD、およびMDPの適切な等級が、また、ステントを製造することに使用するために選択され得る。いくつかの実施形態において、ステントは、USD5(アクアプレン(Aquaprene)8020:20%のPEG、80%のp−ダイオキサノン)などの高速吸収ポリマーを含む。他の実施形態において、ステントは、PPD3(ダイオキサプレン(Dioxaprene)100M:ポリ(パラ−ダイアキサノン)などの中速吸収ポリマーを含む。さらに違う他の実施形態において、ステントは、MDP3(ラクトプレン(Lactoprene)7415:ラクチド/トリメチレンカルボナート/カプロラクトンの74/15/11コポリマー)などの低速吸収ポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ステントは、適切なキャリア内における約1%から約40%のBaSO
4溶液で含浸される。さらなる実施形態において、ステントは、適切なキャリア内における約10%から約30%のBaSO
4溶液で含浸される。さらに違うさらなる実施形態において、ステントは、適切なキャリア内における約12%から約22%のBaSO
4溶液で含浸される。特定の実施形態において、ステントは、適切なキャリア内における約17%のBaSO
4溶液で含浸される。
【0090】
ステント2000が使用される用途または位置に依存して、ステント長2001は可変である。いくつかの実施形態において、ステント長2001は、約20mmから約300mmの間であり得る。特定の実施形態において、ステント長2001は、約40mm、60mm、80mm、100mm、120mm、150mm、225mm、または250mmである。いくつかの実施形態において、ステント2000は、約2.0mmから約3.2mmの間の外径2002をもつ。他の実施形態において、ステント2000は、約2.34mmから約2.86mmの間の外径2002をもつ。さらに違う他の実施形態において、ステント2000は、約2.5mmから約2.7mmの間の外径2002をもつ。特定の実施形態において、ステント2000は、約2.6mm+/−0.26mmの外径2002をもつ。他の特定の実施形態において、ステント2000は、約2.6mm+/−0.13mmの外径2002をもつ。いくつかの実施形態において、ステント2000の端部は、ステント2000の主本体より狭くなるようにテーパ付けされる。「外径」は、断面内においてデバイスの中心を通る直線に沿った、デバイスにおける2つの最も遠い点間における直線距離を表す。
【0091】
本実施形態のステント2000は、可撓性である。いくつかの実施形態において、ステントは、対象位置への配置後に曲がる。いくつかの実施形態において、ステントの本体は、流体の流量の悪化を伴わずに約90°から約135°の間の屈曲2003を許容し得る。他の実施形態において、ステントの本体は、流体の流量の悪化を伴わずに約100°から約125°の間の屈曲2003を許容し得る。さらに違う他の実施形態において、ステントの本体は、流体の流量の悪化を伴わずに約112°の屈曲2003を許容し得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、ステント2000の本体は湾曲しており、約10mmから約70mmの間の半径をもつ湾曲2013をもつ。他の実施形態において、ステント2000の本体は、約20mmから約60mmの間の半径をもつ湾曲2013をもつ。さらに違う他の実施形態において、ステント2000の本体は、約30mmから約50mmの間の半径をもつ湾曲2013をもつ。特定の実施形態において、ステント2000の本体は、約40mmの半径をもつ湾曲2013をもつ。
【0093】
ステント2000は、体の管腔内の適所にステントをつなぎ留めるために、ステント2000の長尺の本体から外向きに拡張する2つの移動防止デバイス2004を備える。いくつかの実施形態において、移動防止デバイスは、ステントから延びた、および適所にステントを保持するために管腔の組織に接触する長尺突出部である。いくつかの実施形態において、先端が組織内に埋設され得るように、移動防止デバイスの先端は先細である。いくつかの実施形態において、移動防止デバイスは、配備前および配備中にステントの表面と面一に保持され、対象部位における配置後に広がることを可能にされる。移動防止デバイス2004は、ステントの端部の近くに位置するが、当業者は、移動防止デバイス2004の配置は、本用途における限定ではないことを理解する。いくつかの実施形態において、移動防止デバイス2004は、約1mmから約12mmの間の長さ2005をもつ。さらなる実施形態において、移動防止デバイス2004は、約3mmから約10mmの間の長さ2005をもつ。さらに違うさらなる実施形態において、移動防止デバイス2004は、約5mmから約8mmの間の長さ2005をもつ。特定の一実施形態において、移動防止デバイス2004は、約7mmの長さ2005をもつ。さらに、いくつかの実施形態において、移動防止デバイス2004は、ステント2000の各端部から約1mmから約12mmの間の距離2006にある。さらなる実施形態において、移動防止デバイス2004は、ステント2000の各端部から約3mmから約10mmの間の距離2006にある。さらに違うさらなる実施形態において、移動防止デバイス2004は、ステント2000の各端部から約5mmから約8mmの間の距離2006にある。特定の一実施形態において、移動防止デバイス2004は、ステント2000の各端部から約7mmの距離2006にある。いくつかの実施形態において、移動防止デバイス2004は、ステント2000の各端部から同じ距離2006にある。他の実施形態において、移動防止デバイス2004は、ステント2000の各端部から異なる距離2006にある。
【0094】
図20Bは、ステント2000の3D表現である。この斜視図の端部は、ステントが単一の中央管腔2007を含むことを示す。ステント2000の長手中央管腔2007は、ポリマー材料内に形成され、案内ワイヤのための経路部を提供する。中央管腔2007のいずれかの側におけるステントの狭窄は、ステント2000の外面における流体の流れのための互いに反対側にある外側経路部2008を生成する。
図20Bに示されるように、ステント2000はねじれており、互いに反対側にある外側経路部2008がステント2000の周囲に螺旋状に延びることをもたらす。
図20Cは、ステント2000の側面図であり、中央管腔2007(破線)の周囲における外側経路部の螺旋状の延びを示す。本発明者らは、驚くべきことに、外側経路部を通した流体の流れは、インチ当たりのステントのねじれ数(すなわち、
図20Cにおいて2009と示された25.4mm当たりの巻き回し数であって、1つのねじれがステントの中心軸の周囲における360度の回転であるもの)を制御することにより最適化されることを発見した。加えて、本発明者らは、インチ当たりのねじれ数(TPI)を増やすことが、同等の大きさの力が印加された状態でステント材料のたわみにより測定されたステントの柔軟性を高める/改善することを見出した。TPIを(例えば、1TPIから2TPIに、または2TPIから3TPIに)増やすことは、たわみ量を大きくし、それにより、より高いTPIがより可撓性の高いステントを生成することを示す。いくつかの実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり1ねじれであるか、または、インチ当たり1ねじれを上回る。他の実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり1.5ねじれであるか、または、インチ当たり1.5ねじれを上回る。さらに違う他の実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり1.75ねじれであるか、または、インチ当たり1.75ねじれを上回る。さらに異なる他の実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり約1.5ねじれから2.5ねじれの間である。さらに異なった他の実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり約1.75ねじれから2.25ねじれの間である。さらに違う他の実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり約2ねじれである。特定の実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり2ねじれであるか、または、インチ当たり2ねじれを上回る。さらなる実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり2ねじれに等しい。他のさらなる実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり2ねじれを上回る。ステントのねじれは、当業者に知られた任意の手段により実行され得る。いくつかの実施形態において、ステントは、直線状のねじれのない構成とされた後、所望のねじれ数/インチまでのねじり、または機械加工を続けることにより形成され得る。他の実施形態において、ステント2000は、ねじれた形状に形成またはモールド成形され得る。ステント2000が作られる元のポリマー材料は、例えば加熱工程などの当業者に知られた任意の手段により、ねじれた位置で適所に固定され得る。
【0095】
図20Dは、
図20CのC−C線におけるステント2000の断面図を示し、ステント2000の1つの端部を見る。いくつかの実施形態において、中央経路部2007は、約0.8mmから約1.2mmの間の直径をもつ。他の実施形態において、中央経路部2007は、約0.9mmから約1.1mmの間の直径をもつ。さらに違う他の実施形態において、中央経路部2007は、約0.95mmから約1.05mmの間の直径をもつ。特定の実施形態において、中央経路部2007は、約1mm+/−0.1mmの直径をもつ。中央経路部の「直径」は、断面内において中央経路部の中心を通る直線に沿った、中央経路部の管腔内における2つの最も遠い点間における直線距離を表す。
【0096】
さらに
図20Dを参照すると、ステントの断面は、中央経路部2007を囲む中央の円2019と、中央の円2019に重なる、および、いくつかの実施形態において互いに重なる上および下のボルスター2021とを備える。中央の円2019の側部は、ボルスター2021が中央の円2019と交差する点間において、中央経路部2007の周囲においてステントの小さなより薄い壁2020を形成する。いくつかの実施形態において、小さな壁2020の厚さは、約0.1mmから約0.3mmの間である。他の実施形態において、小さな壁2020の厚さは、約0.15mmから約0.25mmの間である。特定の実施形態において、小さな壁2020の厚さは、約0.2mm+/−0.02mmである。他の特定の実施形態において、小さな壁2020の厚さは、約0.2mm+/−0.01mmである。
【0097】
さらに
図20Dを参照すると、上および下のボルスター2021は、全体的に楕円形、長円形、または円形の形状である。長円形または楕円形のボルスター2021の場合、ボルスター2021の最長の長軸は、
図20Dに示されるようにステントの断面の主軸に沿って配向して延び得る。いくつかの実施形態において、長円形または楕円形のボルスター2021の最長の長軸は、ステントの断面の主軸に直交して配向して延び得る。ボルスター2021は、ステントの主となるより厚い壁を形成する。
【0098】
いくつかの実施形態において、主となる壁2022の厚さは、主軸において約0.6mmから約1.0mmの間である。他の実施形態において、主となる壁2022の厚さは、主軸において約0.7mmから約0.9mmの間である。特定の実施形態において、主となる壁2022の厚さは、主軸において約0.8mm+/−0.08mmである。他の特定の実施形態において、主となる壁2022の厚さは、主軸において約0.8mm+/−0.04mmである。
【0099】
いくつかの実施形態において、ボルスター2021は、約1.4mm+/−0.14mmの側部から側部までの厚さをもつ。他の特定の実施形態において、ボルスター2021は、約1.4mm+/−0.07mmの側部から側部までの厚さをもつ。
【0100】
図21Aは、ステント2100の別の一実施形態の基本設計を示す。一実施形態において、ステント2100は、ポリマー材料から作られる。特定の実施形態において、ポリマー材料は、オパシプレン(Opaciprene)を含むアクアプレン(Aquaprene)8020、オパシプレン(Opaciprene)を含むダイオキサプレン(Dioxaprene)100M、またはオパシプレン(Opaciprene)を含むラクトプレン(Lactoprene)7415であり得る。USD、PPD、およびMDPの適切な等級が、また、ステントを製造することに使用するために選択され得る。いくつかの実施形態において、ステントは、USD5(アクアプレン(Aquaprene)8020:20%のPEG、80%のp−ダイオキサノン)などの高速吸収ポリマーを含む。他の実施形態において、ステントは、PPD3(ダイオキサプレン(Dioxaprene)100M:ポリ(パラ−ダイアキサノン)などの低速吸収ポリマーを含む。さらに違う他の実施形態において、ステントは、MDP3(ラクトプレン(Lactoprene)7415:ラクチド/トリメチレンカルボナート/カプロラクトンの74/15/11コポリマー)などの低速吸収ポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ステントは、適切なキャリア内における約1%から約40%のBaSO
4溶液で含浸される。さらなる実施形態において、ステントは、適切なキャリア内における約10%から約30%のBaSO
4溶液で含浸される。さらに違うさらなる実施形態において、ステントは、適切なキャリア内における約12%から約22%のBaSO
4溶液で含浸される。特定の実施形態において、ステントは、適切なキャリア内における約17%のBaSO
4溶液で含浸される。
【0101】
ステント長2101は、ステント2100が使用される用途または位置に依存して可変である。いくつかの実施形態において、ステント長2101は、約20mmから約300mmの間であり得る。特定の実施形態において、ステント長2101は、約40mm、60mm、80mm、100mm、120mm、150mm、200mm、または225mmである。いくつかの実施形態において、ステント2100は、約2.5mmから約5mmの間の外径2102をもつ。他の実施形態において、ステント2100は、約3.06mmから約3.74mmの間の外径2102をもつ。さらに違う他の実施形態において、ステント2100は、約3.3mmから約3.5mmの間の外径2102をもつ。特定の実施形態において、ステント2100は、約3.4+/−0.34mmの外径2102をもつ。他の特定の実施形態において、ステント2100は、約3.4+/−0.17mmの外径2102をもつ。いくつかの実施形態において、ステント2100の端部は、ステント2100の主本体より狭くなるようにテーパ付けされる。「外径」は、断面内においてデバイスの中心を通る直線に沿った、デバイスにおける2つの最も遠い点間における直線距離を表す。
【0102】
本実施形態のステント2100は、可撓性である。ステント2100の最終的な配置後、いくつかの実施形態において、ステントの本体は、流体の流量の悪化を伴わずに、約90°から約135°の間の屈曲2103を許容し得る。他の実施形態において、ステントの本体は、流体の流量の悪化を伴わずに、約100°から約125°の間の屈曲2103を許容し得る。さらに違う他の実施形態において、ステントの本体は、流体の流量の悪化を伴わずに、約112°の屈曲2103を許容し得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、ステント2100の本体は湾曲しており、約10mmから約70mmの間の半径をもつ湾曲2113をもつ。他の実施形態において、ステント2100の本体は、約20mmから約60mmの間の半径をもつ湾曲2013をもつ。さらに違う他の実施形態において、ステント2100の本体は、約30mmから約50mmの間の半径をもつ湾曲2113をもつ。特定の実施形態において、ステント2100の本体は、約40mmの半径をもつ湾曲2113をもつ。
【0104】
ステント2100は、体の管腔内の適所にステントをつなぎ留めるためにステント2100の長尺の本体から外向きに拡張する2つの移動防止デバイス2104を備える。移動防止デバイス2104は、ステントの端部の近くに位置するが、当業者は、移動防止デバイス2104の配置が本用途における限定ではないことを理解する。いくつかの実施形態において、移動防止デバイス2104は、約1mmから約12mmの間の長さ2105をもつ。さらなる実施形態において、移動防止デバイス2104は、約3mmから約10mmの間の長さ2105をもつ。さらに違うさらなる実施形態において、移動防止デバイス2104は、約5mmから約8mmの間の長さ2105をもつ。特定の一実施形態において、移動防止デバイス2104は、約7mmの長さ2105をもつ。さらに、いくつかの実施形態において、移動防止デバイス2104は、ステント2100の各端部から約1mmから約12mmの間の距離2106にある。さらなる実施形態において、移動防止デバイス2104は、ステント2100の各端部から約3mmから約10mmの間の距離2106にある。さらに違うさらなる実施形態において、移動防止デバイス2104は、ステント2100の各端部から約5mmから約8mmの間の距離2106にある。特定の一実施形態において、移動防止デバイス2104は、ステント2100の各端部から約7mmの距離2106にある。いくつかの実施形態において、移動防止デバイス2104は、ステント2100の各端部から同じ距離2106にある。他の実施形態において、移動防止デバイス2104は、ステント2100の各端部から異なる距離2106にある。
【0105】
図21Bは、ステント2100の3D表現である。この斜視図の端部は、ステントが単一の中央管腔2107を含むことを示す。ステント2100の長手中央管腔2107は、ポリマー材料内に形成され、案内ワイヤのための経路部を提供する。
図21Bに示されるように、ステント2100はねじれており、ステントのより狭い側部から側部に向けた軸(narrower side−to−side axis)により生成された互いに反対側にある外側経路部2108が、ステント2100の周囲に螺旋状に延びることをもたらす。
【0106】
図21Cは、ステント2100の側面図であり、中央管腔2107(破線)の周囲における外側経路部2108の螺旋状の延びを示す。本発明者らは、驚くべきことに、外側経路部2108を通した流体の流れは、インチ当たりのステントのねじれ数(すなわち、
図21Cにおいて2109と示された25.4mm当たりの巻き回し数であって、1つのねじれがステントの中心軸の周囲における360度の回転であるもの)を制御することにより最適化されることを発見した。加えて、本発明者らは、インチ当たりのねじれ数(TPI)を増やすことが、同等の大きさの力が印加された状態でステント材料のたわみにより測定されたステントの柔軟性を高める/改善することを見出した。TPIを(例えば、1TPIから2TPIに、または2TPIから3TPIに)増やすことが、たわみ量を大きくし、それにより、より高いTPIがより可撓性の高いステントを生成することを示す。いくつかの実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり1ねじれであるか、または、インチ当たり1ねじれを上回る。他の実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり1.5ねじれであるか、または、インチ当たり1.5ねじれを上回る。さらに違う他の実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり1.75ねじれであるか、または、インチ当たり1.75ねじれを上回る。さらに異なる他の実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり約1.5ねじれから2.5ねじれの間である。さらに異なった他の実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり約1.75ねじれから2.25ねじれの間である。さらに違う他の実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり約2ねじれである。特定の実施形態において、ねじれ数は、少なくともインチ当たり2ねじれであるか、または、インチ当たり2ねじれを上回る。さらなる実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり2ねじれに等しい。他のさらなる実施形態において、ねじれ数は、インチ当たり2ねじれを上回る。ステントのねじれは、当業者に知られた任意の手段により実行され得る。いくつかの実施形態において、ステントは、直線状のねじれのない構成とされた後、所望のねじれ数/インチまでのねじり、または機械加工を続けることにより形成され得る。他の実施形態において、ステント2100は、ねじれた形状に形成またはモールド成形され得る。ステント2100が作られる元のポリマー材料は、例えば加熱工程などの当業者に知られた任意の手段により、ねじれた位置で適所に固定され得る。
【0107】
図21Dは、
図21CのA−A線におけるステント2100の断面図を示す。断面を説明するための配向に関して、上、下、より上、より下といった方向は、ステントの断面を最長の鏡像の半分割体に2分割する主軸上に延びた方向を表す。側部および側部から側部までは、主軸に直交した交差軸を表す。いくつかの実施形態において、中央経路部2107は、約0.8mmから約1.2mmの間の直径をもつ。他の実施形態において、中央経路部2107は、約0.9mmから約1.1mmの間の直径をもつ。さらに違う他の実施形態において、中央経路部2107は、約0.95mmから約1.05mmの間の直径をもつ。特定の実施形態において、中央経路部2107は、約1mmの直径をもつ。他の特定の実施形態において、中央経路部2107は、1mm+/−0.1mmの直径をもつ。いくつかの実施形態において、中央経路部は、断面において円形であり、他の実施形態において、中央経路部は、断面において長円形または楕円形である。中央経路部の「直径」は、断面内において中央経路部の中心を通る直線に沿った、中央経路部の管腔内における2つの最も遠い点間における直線距離を表す。
【0108】
さらに
図21Dを参照すると、ステントの断面は、中央経路部2107を囲む中央の円2119と、中央の円2119に重なる、および、いくつかの実施形態において互いに重なる上および下のボルスター2121とを備える。中央の円2119の側部は、ボルスター2121が中央の円2119と交差する点間において、中央経路部2107の周囲においてステントの小さなより薄い壁2120を形成する。いくつかの実施形態において、小さな壁2120の厚さは、約0.1mmから約0.3mmの間である。他の実施形態において、小さな壁2120の厚さは、約0.15mmから約0.25mmの間である。特定の実施形態において、小さな壁2120の厚さは、約0.2mm+/−0.02mmである。他の特定の実施形態において、小さな壁2120の厚さは、約0.2mm+/−0.01mmである。
【0109】
さらに
図21Dを参照すると、上および下のボルスター2121は、全体的に楕円形、長円形、または円形の形状である。長円形または楕円形のボルスター2121の場合、ボルスター2121の最長の長軸は、
図21Dに示されるようにステントの断面の主軸に沿って配向して延び得る。いくつかの実施形態において、長円形または楕円形のボルスター2121の最長の長軸は、ステントの断面の主軸に直交して配向して延び得る。ボルスター2121は、ステントの主となるより厚い壁を形成する。
【0110】
いくつかの実施形態において、主となる壁2122の厚さは、主軸において約0.9mmから約1.5mmの間である。他の実施形態において、主となる壁2122の厚さは、主軸において約1.0mmから約1.4mmの間である。さらに違う他の実施形態において、主となる壁2122の厚さは、主軸において約1.1mmから約1.3mmの間である。特定の実施形態において、主となる壁2122の厚さは、主軸において約1.2mm+/−0.12mmである。他の特定の実施形態において、主となる壁2122の厚さは、主軸において約1.2mm+/−0.06mmである。
【0111】
いくつかの実施形態において、ボルスター2121は、約1.4mm+/−0.14mmの側部から側部までの厚さをもつ。他の特定の実施形態において、ボルスター2121は、約1.4mm+/−0.07mmの側部から側部までの厚さをもつ。
【0112】
図21Eは、ステント2100の一実施形態に対する代替的な断面を示し、
図21Fは、対応する3Dビューを示す。いくつかの実施形態において、ボルスター2121は、約1.5mmから約1.9mmの間の側部から側部までの厚さをもつ。他の実施形態において、ボルスター1921は、約1.6mmから約1.8mmの間の側部から側部までの厚さをもつ。特定の実施形態において、ボルスター1921は、約1.7mm+/−0.17mmの側部から側部までの厚さをもつ。他の特定の実施形態において、ボルスター1921は、約1.7mm+/−0.085mmの側部から側部までの厚さをもつ。
【0113】
図21Gは、ステント2100の一実施形態に対する別の代替的な断面を示し、
図21Hは、対応する3Dビューを示す。いくつかの実施形態において、ボルスター2121は、約1.4mmから約1.5mmの間の側部から側部までの厚さをもつ。特定の実施形態において、ボルスター2121は、約1.45mm+/−0.145mmの側部から側部までの厚さをもつ。他の特定の実施形態において、ボルスター2121は、約1.45mm+/−0.07mmの側部から側部までの厚さをもつ。
図22Aは、
図19Aから
図21Hにおいて説明されるステントに対する例示的な代替的な特徴を示し、中央の円とボルスターとの間における接合部は、テーパ付であるか、または丸みを帯びている。
図22Bは、
図22Aに示す例示的なステントの3D表現である。
【0114】
本出願の生物分解性ステントは、ステントを必要とする対象者内における管腔の狭窄の処置または一時的軽減のために有用である。いくつかの実施形態において、管腔は管である。いくつかのさらなる実施形態において、管は、胆管である。いくつかのさらに違うさらなる実施形態において、胆管は、肝管、胆嚢管、総胆管、または膵管である。いくつかの実施形態において、狭窄は、肝臓、膵臓、十二指腸、胆嚢、または胆管系の悪性腫瘍または良性の病気または疾患と共に、または、これらに関係して共起することによりもたらされる。本出願の生物分解性ステントは、逐次的な置換を必要とせず、ステントを必要とする対象者に対する作業時間の損失を減らすので、本出願の生物分解性ステントは、対象者において合併症を減らし、高価な除去手順を必要とせず、より低い臨床コストをもたらす。
【0115】
いくつかの実施形態において、本出願の生物分解性ステントは、加水分解により分解する。いくつかの実施形態において、生物分解性ステントの分解は、外面において発生し、外層が分解され、ステントが外側から中心に向かって漸進的に分解する。
【0116】
本出願のステントは、管の管腔を開くことが可能であり、胆汁が排出することを可能にする。本ステントは、ISO10993に従って生体適合性である。本ステントは、管を閉塞せずに圧縮に耐えることが可能である。本ステントは、十二指腸内視鏡内に装填可能である。本ステントの柔軟性およびコラム強度は、内視鏡から管内にステントを押圧するには十分大きく、対象位置に配備され得、および蛍光透視法により視認可能である。本出願のステントは、管に孔を開けることも、別様に管に損傷を与えることもなく、管内に挿入可能である。ステントの端部が組織顆粒化を最小化し、ステントは、配備後に位置移動することが可能でありながら、対象位置からのステントの移動を防ぐ大きな摩擦をもつ。本ステントは、管腔の組織に対する損傷を伴わずに、埋め込み後に取り外し可能である。本発明のステントは、滅菌後に1年から2年の貯蔵寿命をもつ。
【0117】
本ステントは、典型的にはポリマー材料、プラスチック、金属、または合金から作られる。注目に値する変形例が、各種類に存在する。特定の実施形態において、ステントは、非ポリマー材料から作られる。このような材料の例として、ステンレス鋼、コバルト・クロムなどのコバルト合金、チタン合金、タンタル、ニオブ、タングステン、モリブデン、およびニチノールが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、自己拡張金属ステントは、概して、ニチノールから作られる一方で、いくつかのバルーン拡張可能な金属ステントはステンレス鋼から作られる。ポリウレタンコーティングなどのコーティングは、非ポリマーステント材料がその周辺のものに直接接触することを防ぐために使用され得る。コーティングは、内方成長レートを遅くし、副作用の可能性をより低くしながら患者内にステントが留まることを可能にする。
【0118】
ステントは、また、生体吸収性材料から作られ得る。生体吸収性材料の例として、ポリ乳酸またはポリラクチド(PLA)、ポリグリコール酸またはポリグリコリド(PGA)、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリエチレングリコール(PEG)、p−ダイオキサノン、ポリ−(p−ダイオキサノン)(PPDO)、トリメチレンカルボナート、カプロラクタート、およびそれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
一実施形態において、生体吸収性材料は、様々なレベルのpHに基づいて分解される。例えば、本材料は、中性pHにおいて安定であり得るが、高pHにおいて分解する。このような材料の例として、キチンおよびキトサンが挙げられるが、これらに限定されない。別の一実施形態において、生体吸収性材料は、リゾチームなどの酵素により分解可能である。
【0120】
別の一実施形態において、ポリマーは、透過性プラスチックポリマー、熱可塑性ポリウレタン、またはシリコーンポリマーを含む。
【0121】
別の一実施形態において、長尺の本体は、ポリマー材料と非ポリマー材料との組み合わせを含む。
【0122】
別の関連する実施形態において、長尺ステント本体は、マグネシウムおよびキチン合金から作られる。
【0123】
別の関連する実施形態において、長尺ステント本体は、キチンキトサン、N−アシルキトサンヒドロゲル外層によりコーティングされたマグネシウムコアを含んで作られる。マグネシウムコアは、希土類材料をさらに含み得る。
【0124】
別の関連する実施形態において、長尺ステント本体は、ローアース元素を含む、キチンおよびキトサン、N−アシルキトサンヒドロゲル、ならびにマグネシウム合金から作られる。
【0125】
別の一実施形態において、生体吸収性材料は、水分を吸収して、処置部位においてインサイチュ(in situ)で拡張し得る。例えば、キチン、またはキチンおよびPLGAの可変コポリマー、またはキチンおよびマグネシウムおよび他の希土類鉱物から作られたステントは、様々な体液に接触したときに膨張する。一実施形態において、ステントは、2.8mmの埋め込み前直径D
pre(すなわち乾燥時直径)をもち、管腔内の体液への露出後に3.3mmの埋め込み後直径D
post(すなわち湿潤時直径)まで拡張可能である。以下で使用されるように、「埋め込み前直径D
pre」は、埋め込み前におけるステント本体の最大直径を表し、「埋め込み後直径D
post」は、埋め込み後におけるステント本体の最大直径を表す。
【0126】
いくつかの実施形態において、ステントは、約2週間から4週間以内に分解する高速吸収生体吸収性材料から作られる。特定の実施形態において、高速吸収生体吸収性材料は、PEGとp−ダイオキサノンとの混合体または組み合わせである。さらなる一実施形態において、混合体または組み合わせのうち、PEGは約10〜30%を占め、p−ダイオキサノンは約70〜90%を占める。さらに違うさらなる実施形態において、混合体または組み合わせのうち、PEGは約15〜25%を占め、p−ダイオキサノンは約75〜85%を占める。さらに異なったさらなる実施形態において、混合体または組み合わせのうち、PEGは約12〜22%を占め、p−ダイオキサノンは約78〜82%を占める。さらに異なるさらなる実施形態において、混合体または組み合わせのうち、PEGは約20%を占め、p−ダイオキサノンは約80%を占める。
【0127】
いくつかの実施形態において、ステントは、約3週間から6週間以内に分解する中速吸収生体吸収性材料から作られる。特定の実施形態において、中速吸収生体吸収性材料はPPDO、またはそのコポリマーである。
【0128】
いくつかの実施形態において、ステントは、約6週間から4か月以内に分解する中速から低速吸収の生体吸収性材料から作られる。
【0129】
いくつかの実施形態において、ステントは、約4か月から6か月以内に分解する低速吸収生体吸収性材料から作られる。特定の実施形態において、高速吸収生体吸収性材料は、ラクチド、トリメチレンカルボナート、およびカプロラクタートのコポリマーである。特定の実施形態において、コポリマーは、それぞれ約70〜80/10〜20/5〜15であるPLA/トリメチレンカルボナート/カプロラクタートの百分率組成をもつ。さらなる実施形態において、コポリマーは、それぞれ約72〜76/13〜17/9〜13であるPLA/トリメチレンカルボナート/カプロラクタートの百分率組成をもつ。さらに違うさらなる実施形態において、コポリマーは、それぞれ約74/15/11であるPLA/トリメチレンカルボナート/カプロラクタートの百分率組成をもつ。
【0130】
いくつかの実施形態において、生体吸収性材料は、例えば蛍光透視法またはx線による、配置中または配置後におけるステントの可視化に役立つように、生体適合性放射線不透過物質をコーティングされるか、または含浸される。いくつかの実施形態において、放射線不透過物質は、BaSO
4溶液である。さらなる実施形態において、溶液は、約10〜25%のBaSO
4を含む。さらに違うさらなる実施形態において、溶液は、約12〜22%のBaSO
4を含む。さらに異なったさらなる実施形態において、溶液は、約17%のBaSO
4を含む。いくつかの実施形態において、放射線不透過物質は、金属粒子を含む。さらなる実施形態において、粒子は、ナノ粒子である。例示的な非限定的な実施形態において、金属は、タンタルを含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、ステントは、5Fから12Fの直径、および10mm〜180mmの長さをもつ胆管ステントである。いくつかの実施形態において、ステントは、3Fから11.5Fの直径、および20mm〜250mmの長さをもつ膵臓ステントである。いくつかの実施形態において、胆管または膵臓ステントは、自己拡張金属ステントである。いくつかの実施形態において、胆管または膵臓ステントは、ポリマー材料から作られる。いくつかの実施形態において、胆管または膵臓ステントは、12日、25日、または12週間の最小強度保持を達成するように構築され、強度保持は初期強度パラメータの少なくとも10%の存在により定義される(例えばシミュレーションによる分解モデルにおいて試験された場合、ステントが破壊を伴わずに無傷に留まる)。いくつかの実施形態において、胆管または膵臓ステントは、重量比で16.8%のPEG、67.2%のp−ダイオキサノン(20%/80%のPEG/p−ダイオキサノンコプロイマーの形態で)、および16%のBaSO
4(硫酸バリウム)含有し、12日の最小強度保持を達成する。いくつかの実施形態において、胆管または膵臓ステントは、重量比で84%のポリ(パラ−ダイオキサノン)および16%のBaSO
4を含有し、25日の最小強度保持を達成する。いくつかの実施形態において、胆管または膵臓ステントは、重量比で62.16%のラクチド、12.6%のトリメチレンカルボナート、9.24%のカプロラクトン(74%/15%/11%コプロイマーの形態で)、および16%のBaSO
4を含有し、12週間の最小強度保持を達成する。
【0132】
いくつかの実施形態において、胆管ステントは、埋め込み後に初期表面分解を受け、これが、胆汁洗浄を可能にする。いくつかの実施形態において、胆管ステントは、ステントの外側における胆汁の流れを可能にするように、外面に2経路部螺旋ねじれを備える。他のステントと比較すると、本出願の胆管ステントは、より良好なシミュレーションによる流量、より良好なシミュレーションによる移動抵抗、およびより良好なクラッシュ抵抗を提供する。
【0133】
別の一実施形態において、生体吸収性材料は、様々な薬剤または細胞と共に埋設されるか、または様々な薬剤または細胞を支えるように構成される。薬剤は、ステント本体の外面および/または内面に結合されるか、または生体吸収性材料自体の中に一体化され得る。一実施形態において、生体吸収性ステントは、投与放出量を増やすために管腔の内部に薬剤が位置し得るように、中空の中心管腔を含む。ステントは、ある容器を他の容器の内部に配置した複数の容器をさらに含み得、その結果、外層が吸収されたとき、次の容器が露出されて、選択された薬剤または細胞のより大きな投与量のさらなる放出をもたらす。選択された薬剤または細胞は、また、持続した放出のためにポリマーと混合され得る。
【0134】
ステント内に埋設されるか、またはステントにより搬送され得る薬剤の例として、小分子薬剤、生物製剤、および遺伝子導入ベクターが挙げられるが、これらに限定されない。小分子薬剤の例として、シロルムス、ラパミシアン、および他の抗増殖性薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
生物製剤の例として、抗菌薬および化学療法剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
本出願において使用される「抗菌薬」という用語は、アルコール、ケトン、エーテル、アルデヒド、アセトニトリル、酢酸、ギ酸、塩化メチレン、およびクロロホルムなどの有機溶剤に可溶な、抗生物質、防腐薬、消毒薬、および他の合成成分、ならびにそれらの組み合わせを意味する。使用される可能性のあり得る抗生物質のクラスとして、テトラサイクリン(すなわち、ミノサイクリン)、リファマイシン(すなわち、リファンピン)、マクロライド(すなわち、エリスロマイシン)、ペニシリン(すなわち、ナフシリン)、セファロスポリン(すなわち、セファゾリン)、他のベータラクタム抗生物質(イミペネム、アズトレオナム)、アミノグリコシド系薬(すなわち、ゲンタマイシン)、クロラムフェニコール、スルホンアミド(すなわち、スルファメトキサゾール)、グリコペプチド(すなわち、バンコマイシン)、キノロン(すなわち、シプロフロキサシン)、フシジン酸、トリメトプリム、メトロニダゾール、クリンダマイシン、ムピロシン、ポリエン(すなわち、アンフォテリシンB)、アゾール(すなわち、フルコナゾール)、およびベータラクタム阻害剤(すなわち、スルバクターン)が挙げられる。
【0137】
使用され得る特定の抗生物質の例として、ミノサイクリン、リファインピン、エリスロマイシン、ナフシリン、セファゾリン、イミペネム、アズトレオナム、ゲンタマイシン、スルファメトキサゾール、バンコマイシン、シプロフロキサシン、トリメトプリム、メトロニダゾール、クリンダマイシン、テイコプラニン、ムピロシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、オフロキサシン、ロメフロキサシン、ノルフィロキサシン、ナリジクス酸、スパルフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、クリナフロキサシン、スルバクタム、クラブラン酸、アンフォテリシンB、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、およびニスタチンが挙げられる。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,642,104号に列記されたものなどの抗生物質の他の例が、それら自体を当業者に容易に示唆する。防腐薬および消毒薬の例として、チモール、a−テルピネオール、メチルイソチアゾロン、セチルピリジニウム、クロロキシレノール、ヘキサクロロフェン、カチオニックビグアニド(すなわち、クロルヘキシジン、シクロヘキシジン)、塩化メチレン、ヨウ素およびイオドファー(すなわち、ポビドンヨード)、トリクロサン、フィランメディカル製剤(すなわち、ニトロフラントイン、ニトロルラゾン)、メテナミン、アルデヒド(すなわち、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド)、およびアルコールが挙げられる。他の防腐薬および消毒薬の例は、それら自体を当業者に容易に示唆する。
【0138】
本出願のステントは、また、当技術分野において一般的な他の手法により抗菌薬を使用して用意され得る。例えば、ステントは、その全体または一部が抗菌性ポリマーから作られ得るか、または、ステントの少なくとも1つの表面が、イオンビーム支援堆積または同時押し出し技術により、抗菌性ポリマーの原子をその中に埋設したものであり得る。他の適切な例は、当技術分野において、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,520,664号において見つけられ得る。
【0139】
化学療法剤は、抗菌薬の手法と類似した手法で本出願のステントと結合され得る。例示的な化学療法剤として、cis−プラチナム、パクリタクソール、5−フロウロウラシアル、ゲムシトビン、およびナベルビンが挙げられるが、これらに限定されない。化学療法剤は、概して、DNA相互作用薬剤、代謝拮抗物質、チューブリン相互作用薬剤、ホルモン剤、ホルモン関連薬剤、および、アスパラギナーゼまたはヒドロキシウレアなどの他のものとしてグループ化される。化学療法剤のグループの各々は、活性または化合物の種類によりさらに分割され得る。本出願の抗癌剤またはベンズイミダゾールと組み合わせて使用される化学療法剤は、これらのグループのうちのすべてのメンバーを含む。化学療法剤および化学療法剤の投与方法の詳細な説明は、参照により本明細書に組み込まれるDorrら、Cancer Chemotherapy Handbook、2d edition、15〜34頁、Appleton & Lange(Connecticut、1994)を参照されたい。
【0140】
DNA相互作用薬剤の例として、アルキル化剤、DNA鎖切断剤;挿入および非挿入トポイソメラーゼII阻害剤、およびDNA副溝結合剤が挙げられるが、これらに限定されない。アルキル化剤は、概して、核酸、タンパク質、アミノ酸、またはグルタチオン内のアミノ基、カルボキシル基、リン酸基、またはスルフヒドリル基などの細胞構成要素内の求核原子と反応する。アルキル化剤の例として、ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、シクロホスファミド、イソファミド、メクロレタイニン、メルファラン、ウラシルマスタード;アジリジン、例えばチオテパ;メタンスルホン酸エステル、例えばブスルファン;ニトロソ基、尿素、例えばカンヌスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン;白金錯体、例えばシスプラチン、カルボプラチン;生体還元アルキル化剤、例えばマイトマイシン、およびプロカルバジン、ダカルバジン、およびアルトレタミンが挙げられるが、これらに限定されない。DNA鎖切断剤として、ブレオマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。挿入DNAトポイソメラーゼII阻害剤として、挿入剤、例えばアムサクリン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、およびミトキサントロンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
非挿入DNAトポイソメラーゼII阻害剤として、エトポシドおよびテニポシドが挙げられるが、これらに限定されない。DNA副溝結合剤として、プリカマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
代謝拮抗物質は、2つの主な機構のうちの一方または他方による核酸の生産に干渉する。薬剤のうちのいくつかは、DNA合成のための直接前駆体であるデオキシリボヌクレオシド三リン酸の生産を阻害し、従って、DNA複製を阻害する。化合物のうちのいくつか、例えばプリンまたはピリミジンは、同化ヌクレオチド経路においてそれらを置換することができるほどに十分である。これらの類似体は、次に、それらのノーマルカウンターパートの代わりとしてDNAおよびRNA内に置換され得る。本明細書において有用な代謝拮抗物質として、葉酸拮抗剤、例えばメトトレキサートおよびトリメトレキサートピリミジン拮抗剤、例えばフルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、CB3717、アザシチジン、シタラビンが挙げられ、および、フロクスウリジンプリン拮抗剤として、メルカプトプリン、6−チオグアニン、フルダラビン、ペントスタチンが挙げられ;糖修飾類似体としてシクトラビン、フルダラビンが挙げられ;リボヌクレオチド還元酵素阻害剤として、ヒドロキシウレアが挙げられる。チューブリン相互作用薬剤は、重合してセルラー微小管を形成するタンパク質であるチューブリンにおける特定の部位に結合することにより作用する。微小管は、重要な細胞構造ユニットである。相互作用薬剤がそのタンパク質に結合したとき、細胞は、ビンクリスチンおよびビンブラスチン、アルカロイドとパクリタキセルとの両方を含む微小管チューブリン相互作用薬剤を形成することができない。
【0143】
ホルモン剤は、癌および腫瘍の処置にさらに有用である。それらは、ホルモン感受性腫瘍において使用され、通常は天然源に由来する。これらとして、エストロゲン、抱合エストロゲンおよびエチニルエストラジオールおよびジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセンおよびイデネストロール;プロゲスチン、例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、およびメゲストロール;アンドロゲン、例えばテストステロン、プロピオン酸テストステロン;フルオキシメステロン、メトビルテストステロンが挙げられ;副腎皮質ホルモン剤は、天然の副腎コルチゾールまたはヒドロコルチゾンに由来する。それらは、それらの抗炎症薬の利点、ならびに、有糸分裂を阻害する、およびDNA合成を停止させるいくつかのものの能力を理由として使用される。これらの化合物として、プレドニゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、およびプレドニゾロンが挙げられる。
【0144】
ホルモン関連薬剤として、ルーチナイジングホルモン放出ホルモン剤、ゴナドトロピン放出ホルモン拮抗剤および抗ホルモン剤が挙げられるが、これらに限定されない。ゴナドトロピン放出ホルモン拮抗剤として、酢酸ロイプロリドおよび酢酸ゴセレリンが挙げられる。それらは、睾丸におけるステロイドの生合成を防ぎ、前立腺癌の処置のために主に使用される。
【0145】
抗ホルモン剤として、抗エストロゲン剤、例えばタモシフェン、抗アンドロゲン剤、例えばフルタミド;および、抗アドレナル剤、例えばミトタンおよびアミノグルテチミドが挙げられる。ヒドロキシウレアは、酵素リボヌクレオチド還元酵素の阻害を通して主に作用するように現れる。アスパラギナーゼは、酵素である。アスパラギンを非機能性アスパラギン酸に変換し、従って、腫瘍におけるタンパク質合成を阻止する。
【0146】
遺伝子導入ベクターは、細胞内にポリヌクレオチドを導入することが可能である。ポリヌクレオチドは、タンパク質またはペプチドのコード配列、またはiRNAまたはアンチセンスRNAをコード化するヌクレオチド配列を含み得る。遺伝子導入ベクターの例として、非ウイルスベクターおよびウイルスベクターが挙げられるが、これらに限定されない。非ウイルスベクターは、典型的には、追加的なDNA断片が中に導入され得る円形二本鎖DNAを含むプラスミドを含む。非ウイルスベクターは、裸のDNA、不活化ウイルスにリンクまたは非リンク状態のポリカチオン凝縮DNA配位子リンクDNA、およびリポソームDNA複合体の形態であり得る。ウイルスベクターとして、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルス、およびアルファウイルスベクトルが挙げられるが、これらに限定されない。ウイルスベクターは、さらにアストロウイルス、コロナウイルス、オルソミクソウイルス、パポバウイルス、パラミクソウイルス、パルボウイルス、ピコマウイルス、ポックスウイルス、またはトガウイルスベクターであり得る。
【0147】
非ウイルスおよびウイルスベクターは、発現されるポリヌクレオチドに作用可能にリンクされた1つまたは複数の制御配列をさらに含む。ヌクレオチド配列は、2つの配列が機能的な関係に配置された場合、別のヌクレオチド配列に「作用可能にリンクされる」。例えば、5’制御配列が生体外の転写/翻訳システムにおいて、または宿主細胞内においてコード配列の転写を開始し得る場合、コード配列は、5’制御配列に作用可能にリンクされる。「作用可能にリンクされた」とは、リンクされるDNA配列が互いに隣接していることを必要としない。介在配列は、2つの作用可能にリンクされた配列間に存在し得る。
【0148】
一実施形態において、遺伝子導入ベクターは、低分子干渉RNA(siRNA)をコード化する。siRNAは、19〜25個のヌクレオチドを含むdsRNAである。siRNAは、ダイサーと呼ばれるRNアーゼIII関連ヌクレアーゼにより、より長いdsRNA分子の分解により内因性で生産され得る。siRNAは、また、外因的に、または発現構築物の転写により細胞内に導入され得る。形成された後、siRNAは、タンパク質成分と共に、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)として知られるエンドリボヌクレアーゼ含有複合体に組み上がる。siRNAのATP生成アンワインドが、RISCを活性化し、これが続いてワトソン・クリック塩基対により相補的なmRNA転写物を標的にし、それにより、mRNAを切断および破壊する。mRNAの切断は、siRNA鎖により結合された領域の中央付近において発生する。この配列特異的mRNA分解は、遺伝子サイレンシングをもたらす。別の一実施形態において、遺伝子導入ベクターは、アンチセンスRNAをコード化する。
【0149】
細胞の例として、幹細胞または他の採取細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
【0151】
ステント本体および表面経路部は、レーザー切断され、ウォータージェット切断され、押し出され、打抜き加工され、モールド成形され、旋盤加工され、または形成され得る。一実施形態において、ステントは、押し出され得る単一のポリマーチューブから切り取られる。チューブが中空であり得るか、または中心が特定の効能に適した様々な直径で除芯され得る。
【0152】
次に、ステントがエッチングされ、ステントに所望の外形をもたせるために適切な成形デバイスにおいて形成される。合成カラー技術と生体外評価技術との両方が、作用力を角度付き構造物に使われる変形作業に変換するために、本出願のステントの注目に値する機能を示す。過剰な足場応力、早すぎる材料疲労、および老朽化の加速を防ぐ。
【0153】
本出願のステントは、流体の流れが流れのピッチを変えて、流動力学を改善し、デバイスにわたる流体の流れを加速することができるような手法で形成され得る。厳しい半径方向の設計からより長手方向の設計へ。
【0154】
一実施形態において、大きな断面積をもつ螺旋状に延びる表面経路部が大量の体液を収容するために形成される。別の一実施形態において、小さな断面積をもつ複数の経路部が、大量の体液を収容するために形成される。別の一実施形態において、ステント本体は、流体の流れを可能にする大きな中心管腔と、生体内においてステントを安定させる表面における複数の小さな断面積の経路部とを含む。
【0155】
別の一実施形態において、経路部壁のリップは、流体の流れおよび把持のための表面積を増やすためにテープ貼りされる。経路部のピッチの深さの変化は、流体の流れおよび安定性にさらに影響を与える。
【0156】
一実施形態において、ステントは、実質的に外側ステント寸法の所望の外形をもつ成形ツールにおいて形成される。ステントが特定の管腔の寸法に形作られる場合、対象管腔の光学写真および/または光学ビデオ撮影が、ステント形成前に実行され得る。ステントの対応するゾーンおよびコネクタ領域の形状は、次に、その対象管腔の要求に従ってエッチングおよび形成され得る。特に、特定の患者の胆管の形状が光学的に捕捉され、および適切な寸法が提供された場合、患者に特有の人工装具が設計され得る。これらの技術は、他の非脈管管腔に適応され得るが、患者に特有の形状が例えば遺伝子、生活スタイルなど様々な因子に依存する脈管用途に非常に良好に適する。
【0157】
形状記憶金属から作られたステントと異なり、本出願のステントは、ゾーンとして無数の特性の組み合わせを取り得、および、ゾーン内のセグメントは、ステントエンジニアリングのエッチングおよび形成ステージ中または形成後処理および研磨ステップ中、角度、セグメント長、セグメントの厚さ、ピッチを変えることにより変更され得る。さらに、ゾーン間で経路部の形状、深さ、および直径を変更することにより柔軟性、より多くの流体移送、および摩擦の変更などの追加的な機能が達成され得る。
【0159】
本出願のステント血管、管、または管腔内の対象部位を支持するために、およびステントを必要とする対象者内における体液の流れを最適化するために使用される。対象部位の特定後、対象部位につながる血管、管、または管腔内に向けて進入口が確立される。案内ワイヤは、進入口と血管、管、または管腔とを通して、対象部位まで、または対象部位を通して進められる。次に、ステントが対象部位に達するまで、案内ワイヤに沿ってステントが押され、ステントが対象部位に配置された後、案内ワイヤの引き抜きへと続く。
【0161】
本出願の別の一態様は、キットに関する。キットは、本出願の少なくとも1つのステントを備える。いくつかの実施形態において、キットは、対象位置にステントを配置するための案内ワイヤをさらに備える。いくつかの実施形態において、キットは、案内ワイヤに沿ってステントを動かすための押圧カテーテルをさらに備える。いくつかの実施形態において、キットは、導入体鞘または導入体チューブを備える。いくつかの実施形態において、キットは、カニューレをさらに備える。いくつかの実施形態において、キットは、括約筋切開刀をさらに備える。いくつかの実施形態において、キットは、放射線不透過染料を備える。
【0163】
実施例1:内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
【0164】
それを必要とする対象者において、ECRPは、胆嚢、胆管系、膵臓、および肝臓の疾患を診断および処置するために実施される手順である。
【0165】
内視鏡は、対象者の口を通して、胃を通して下に、および十二指腸内に通され、十二指腸において、小腸内への胆管のエントリーの位置が特定される。内視鏡は作業経路部(WC:working channel)を含み、作業経路部を通してカニューレ(カテーテル)が供給され、医師が胆管に「カニューレ挿入」(して胆管内にカニューレを導入)する。案内ワイヤは、カニューレの中心管腔を通して送られ、胆管を通して、および肝臓内に通される。カニューレが除去され、括約筋切開刀が導入される。医師は、括約筋切開刀を使用して、乳頭(胆管内への括約筋)を切り取り、括約筋切開刀が引き抜かれる。本明細書において説明される吸収性ポリマーステントは、案内ワイヤ上に配置され、押圧カテーテルを使用して胆管内に押され、胆管を通した適切な排液を可能にする。対象者の必要性に応じて、ステントは、高速吸収ポリマー、中速吸収ポリマー、または低速吸収ポリマーから作られる。押圧カテーテルおよび案内ワイヤは、被術者から引き抜かれる。
【0166】
実施例2:シミュレーションによる流れ試験
【0167】
シミュレーションによる流れ試験のための構成は、水道水で充填された、および、6×9mmシリコーンチューブに接続された水コンテナを使用する。チューブはYコネクタにさらに接続され、開口のうちの1つが圧力測定デバイスに接続され、別の開口が、医師により認定された内視鏡/胆管モデルに一体化されたシリコーンチューブに装着される。Yコネクタジョイントは、漏れを防ぐためにケーブル結束具を使用して固定される。シリコーンチューブの端部に、水流を制御(オン/オフ)するために、1方向栓が装着されなければならない。上述の構成に続いて、すべてのステントが個々に試験され、管内に挿入され、押圧カテーテルの補助を受けて配置される。ステントが配置された後、ステントの周囲においてケーブル結束具を締め付けて、ステントのそれと同様の直径の狭窄を生成することにより、シリコーンチューブに狭窄が作られる。圧力測定デバイスは、試験を開始する前に0mbarに設定されなければならない。本構成が固定された後、水は、大きな水コンテナから慎重に放出されなければならず、流れは、圧力測定デバイスが19mbarと表示するまで調節される。この値は、20cmH2O(I)から計算および導出される。値が19mbar(I)に設定されるとすぐに、70ml(II)の水が、測定ビーカーに収集され、収集の期間がストップウォッチを使用してカウントされる。70mlおよび19mbarなどの、このプロトコルにおいて考慮される値は、以下の参考文献、すなわち、Csendesら、1988年−Common Bile Duct Pressure in Patients With Common Bile Duct Stones With or Without Acute Suppurative Cholangitis states that common duct pressure values above 20 cm H
20 is the maximal values of normal;およびDennison & Farrell 2016年−Pass PCCN− 6から理解される(これらの値は最悪時のシナリオとみなされる)。Glシステムは、胆嚢が胆汁を貯蔵し、50から70mlの貯蔵容量をもつことを示す。各試験後、読み取りエラー/不ぞろいさを避けるために、ビーカーが布を使用してクリーニングされなければならない。一回のステント試験ごとに上述の手順が行われる。
【0168】
図23は、本出願のステント(「AStent」)を、何らかの市販の胆管および膵臓ステント(対照ステントまたは「CStent」)と比較したシミュレーションによる流れモデルの結果を示す。本出願のステントは、ステント本体の外面に2経路部螺旋ねじれを含む。対照ステントは、このような表面の特徴をもたない。シミュレーションによる流れ試験において、本出願のステント(図中の「AStent」)は、示されるすべての比較において対照ステント(図中の「CStent」)より高い流量をもつ(より高い流量は、シミュレーションによる胆汁流体の規定の最悪時の量を排液するために必要な、より短い時間を意味する)。特に、本明細書において使用される場合、2.0×175mmという概念は2.0mmの直径および175mmの長さを示すので、本出願の2.0×175mmのステントは、比較可能な対照ステントより12.9%速い平均流量をもつ。説明されるステント寸法に対して、全部で2つの試験試料が試験された。各ステントは、ASTM F2081における推奨に基づいてステント当たり、全部で10個のデータ点のために、5回試験された。
【0169】
実施例3:シミュレーションによる移動抵抗試験
【0170】
内視鏡モデル/胆管モデルは、37℃の水槽内で水平に置かれる。PTFEチューブは、胆管として機能するモデル内に嵌め込まれる。チューブの始点にステントが配置され、チューブの終点は水平Zwickマシンおよびロードセルを向く。ナイロン紐が、ステントの内側管腔を通して挿入され、機械のロードセルに装着される。ナイロン紐は、チューブを通してステントを引くことに役立つフックが取り付けられている。本構成が固定された後、Zwickシステムにおいてプロトコルが生成されて、速度(200mm/分)および移動距離(120mm)などのすべてのパラメータを規定する。各ステントが試験された後、移動防止支材が、視覚的に精査される。観測されたすべての破壊または損傷した移動防止支材が、写真撮影され、報告に記録される。ステントがモデルを通して引かれるとき、ロードセルが、摩擦力を測定し、力の値がZwickシステムにおいて自動的に記録される。試験される各ステントのピーク摩擦力が報告に記録される。ASTM F2081の推奨に基づいてステント当たり、全部で10個のデータ点のために、各ステントが5回試験された。
【0171】
図24は、本出願のステントを対照胆管および膵臓ステントと比較した、シミュレーションによる移動抵抗試験の結果を示す。本出願のステントは、示されるすべての比較に対して、対照ステントと比較してより高い平均移動抵抗をもつ。特に、本出願の2.0×40mmのステントは、対照ステントより149.8%高い平均移動抵抗をもつ。
【0173】
図25は本出願のステントを対照胆管および膵臓ステントと比較したクラッシュ抵抗試験の結果を示す。試験は、引張試験機において6mmの平らなプローブを使用して行われる。ステントが平板上に置かれ、プローブが上からステント上に降りる。ステントは、ステントの直径の10%圧縮され、次に、ピーク力が測定され、例えば2.0mmのステントの場合:10%のたわみ=0.2mmのたわみ;2.6mmのステントの場合:10%のたわみ=0.26mmのたわみ;3.4mmのステントの場合:10%のたわみ=0.34mmのたわみである。
【0174】
(図中で「低速」、「中速」、および「高速」と示される)異なる分解プロファイルをもつ本出願のステントが試験された。各場合において、本出願のステントは、対照ステントと比較して優れた平均クラッシュ抵抗を示した。特に、示される各比較に対して、低速分解プロファイルをもつ本出願のステントは、対照ステントと比較して著しく高められたレベルのクラッシュ抵抗をもつ。
【0176】
本出願のステントは、動物観察において首尾よく試験された。観察は、胆管の送達可能性、安全性、および生体反応を特定する臨床的に関連する豚の総胆管モデルにおいて、完全に生物分解性のプラスチック胆管ステントの実行可能性を評価するように設計された。
【0177】
2つの動物が胆管内においてステントを使用して処置された。動物は、観察期間にわたって臨床的に評価された。24日経過観察の脈管造影法および内視鏡検査後、次に動物が、観察から外されて、将来の使用のために保存された。豚は、生理学的監視および胆管観察のための確立されたモデルである。豚の胆管の寸法は、ヒトの胆管の寸法に近似し得、必要な器具を受け入れる。動物72時間断食させられ、デイゼロ(Day 0)の手順の前に、栄養補給剤としてEnerCalを与えられた。デイゼロに、動物が鎮静のためにテラゾールを注射され、続いて十分に鎮静した後で準備部屋に移送された。動物は、麻酔導入のためにノーズコーンを介して5%のイソフルランの投与を受けた後、挿管された。全身麻酔が、標準再呼吸システムを介して投与される酸素中のイソフルランを使用して維持された。
【0178】
内視鏡が口から導入された後、食道、胃を通り、十二指腸内に進められた。次に膨大部領域が特定され、カテーテルを使用して胆管がカニューレ挿入を受けた。脈管造影図が、胆管を可視化することに役立つように非イオン性造影を使用して記録された。ステントは、対象部位までワイヤガイド上を前進させることにより、各動物の胆管内に埋め込まれた。1つの動物(P272)は、1つが失敗して抜け落ちる可能性を伴って、胆管内に4個のステントが埋め込まれ、他の動物(P273)は膵臓および胆管内に3個のステントが埋め込まれた。第2の埋め込みにおいて、動物P273は、3個のステントが埋め込まれた。ステントは、平行に配置されるか、または一列に並べられた。ステント埋め込みの個数、順序、および位置は、実行者の裁量とされ、アクセスのしやすさに基づいて選択された。配置を検証するために脈管造影図が記録された。ステント後の慢性実験動物における脈管造影/蛍光透視に続いて、ワイヤガイドおよびカテーテルが内視鏡とともに引き抜かれた。麻酔が停止されて、動物はレイズドフロアペン内で回復を可能にされた。
【0179】
埋め込み後72時間、6日、14日、および24日での中間/経過観察手順のために、動物が(48時間の断食を伴って)埋め込みと同じ手法で準備された。P273に対する第2の埋め込みにおいて、動物は7日、14日、および17日の経過観察前に24時間断食させられた。ステントを可視化するために、内視鏡が十二指腸まで進められた。非イオン性造影剤を使用して胆管の脈管造影図が撮影された。中間手順のために、内視鏡が引き抜かれた。麻酔が停止されて、動物はレイズドフロアペン内で回復することを可能にされた。エンドポイント手順(24日目)のために、麻酔が停止され、動物は、レイズドフロアペン内で回復を可能にされた。デバイスが視認可能でなかったので、この観察は完了とみなされ、動物が次に追加的な観察(P272)または再埋め込み(P273)に使用された。P273に対する第2の埋め込みのエンドポイント(17日目)において、およびP272に対する追加的な観察の完了時に、動物は、10000uのIVヘパリンボーラスを与えられ(P272のみ)、屠殺および検死され、および胆管が病理組織診断のために送られた。
【0180】
両方の動物が、生存期間中に重要な臨床観察はみられなかった。各手順後の回復は平穏無事であり、動物は24時間以内に正常に戻った。概して、経過観察手順は、胆管内のステントを可視化するための最後の脈管造影図からなる。P272またはP273において経過観察手順中に異常所見は観測されなかった。最後の像が捕捉された後、動物は麻酔を停止され、回復することを可能にされた。次に、それらは、後日、他のデバイスを試験するために使用された(P272)か、または再埋め込みされた(P273)。それらの観察が完了した後、10,000単位ボーラスのヘパリンが投与され、循環を可能にされ(P272のみ)、次に、動物は、麻酔のディーププレーン下で40mEqの塩化カリウムIVを使用して安楽死させられた。死は、生命兆候の欠如により検証された。次に、動物は、血管採取手順のために検死に移送された。膵臓および胆管は、病理組織診断のために送られた。
【0181】
病理組織診断は、病理組織診断のために、ホルマリンで固定した胆嚢から十二指腸までの胆管と、膵臓を含む周辺組織とを採取することを含んだ。胆管は、十二指腸乳頭を含む胆嚢から十二指腸まで1〜1.5cmごとにセクション分けされた。個別の膵管は、肉眼検査では特定されなかった。スライドが、通常の技術を使用してパラフィン病理組織診断のために処理され、5マイクロメートルで切り取られ、およびヘマトキシリンおよびエオシン染色を使用して染色された。観察の結果は、ことを示した。肉眼検査後、肝臓、胆管、および十二指腸は、重要な変化がなく、正常であった。顕微鏡で見ると、病巣は、いずれのレベルでも胆管内において特定されなかった。肝臓および十二指腸は、同様に正常であった。肉眼検査で、膵臓は、正常であった。個別の膵管は、識別されなかった。膵臓と十二指腸との間における疎性組織が、膵管に対して肉眼で、および顕微鏡で調べられたが、何も発見されなかった。膵管は、膵小葉内において肉眼で、および顕微鏡で発見された。早期の自己融解の他に重要な変化は発見されなかった。十二指腸付近の膵臓周囲結合組織において慢性炎症(好酸球性肉芽腫)の3つの小さな(最大4mmの)エリアが存在した。膵管は、好酸球性肉芽腫内に特定されなかった。
【0183】
24人の患者を参加させた観察において、本出願のステントが配置された。本観察は、良性および悪性胆管狭窄を患う、および黄疸および掻痒を患う患者内のプラスチック胆管ステントの安全性および有効性を評価した。このデバイスは閉塞した胆管または膵管を排出するとみなされるので、目的は、良性および悪性胆管狭窄を患う患者内の胆汁の流れを改善することである。観察は、第1のエンドポイントおよび第2のエンドポイントを含んだ。第1のエンドポイントは、出血などのPEP(内視鏡後穿孔、Post−Endoscopic Perforation)穿孔(胆道/十二指腸)、置き間違い、移動、胆道閉塞、管アブレーション、十二指腸アブレーション、胆管炎、深刻な痛み、およびすべての死において見られる合併症に関連して本観察が規定した安全性に懸念を示した。第2のエンドポイントは、以下の処置の成功の標識、すなわち、ステントの装填可能性;案内ワイヤ上での追跡可能性;押圧カテーテルによる押圧可能性;柔軟性;デバイスを埋め込むために必要な力;蛍光透視法による可視化;必要時のステント位置移動;配備の正確さ;デバイス配備時間に関連して本観察が規定した有効性に懸念を示した。
【0184】
患者コホートは、24人の患者(平均年齢54.5歳、女性42%、男性58%)から構成され、様々な患者の疾患は、悪性胆管構造物(3)、良性胆管構造物(21)、コロシスティティス(2)、胆石症(2)、総胆管結石(11)、胆管炎(6)、膵炎(3)、膨大部癌(1)、膵頭部癌(2)を含んでいた。本観察は、ステント装填可能性(臨床評価:78%のエクセレント(excellent)、17%のグッド(good)、4%のプア(poor));案内ワイヤ上でのステント追跡可能性(臨床評価:87%のエクセレント、9%のグッド、4%のフェア(fair));押圧カテーテルによるステント押圧可能性(臨床評価:74%のエクセレント、13%のグッド、9%のフェア、4%のプア;デバイスを埋め込むために必要な力(臨床評価:57%のエクセレント、21%のグッド、13%のフェア、9%のプア);ステント柔軟性(臨床評価:57%のエクセレント、4%のグッド、26%のフェア、13%のプア);蛍光透視法による視認性(臨床評価:88%のエクセレント、14%のフェア);必要時のステント位置移動(臨床評価:86%のエクセレント、14%のフェア);配備の正確さ(臨床評価:84%のエクセレント、8%のグッド、8%のフェア);およびデバイス配備時間(臨床評価:76%のエクセレント、11%のグッド、9%のフェア、4%のプア)に関してすべての患者に対して処置的に成功であると証明した。括約筋形成術後の出血(3)、上室性頻拍症(1)、および高アミラーゼ血症(1)と評価された処置中の軽度の合併症を患った5人の患者が、処置合併症を経験した。12か月の経過観察期間にわたって、特定の処置を要する1つのイベントのみが発生した(このイベントは、インデックス処置後1日目に起こり、患者の入院を延長しなかった)。この例において、患者は、処置後1日目に心窩部痛を伴わずに血清アミラーゼの上昇を発症したが、これは非常に軽度で、24時間内に自然に消滅した。
【0185】
本出願のステントは、さらに、3人の患者における肝臓移植における吻合部位における予防的ステント留置術の観察において首尾よく試験された。
【0186】
標準的なプラスチック胆管ステントと同等であることを示す別の観察において、高齢男性は60代前半から中盤を通して後半まで、総胆管内における石による閉塞の繰り返しに起因した黄疸の繰り返しを患っていた。患者は、結石形成に起因して総胆管閉塞に対して過去に多くの回数の処置を受けていた。患者の総胆管にカニューレ挿入し、標準的なバルーンを使用して石の除去を実施し、管および乳頭の拡張を繰り返し、次に、高速吸収生物分解性ステントを使用してステント処置することが決定された。本明細書における生物分解性の実施形態の利点は、ステントを除去する経過観察手順が省略され得ること、および、分解を通して後壁の刺激が防止され得ることである。乳頭が膨張および拡張され、1つのステントが病巣を押しのけ、病巣に対して適切ではない場合があることが当初は心配された。この高速吸収デバイスは、標準的な案内ワイヤを使用して配置された。(特定の実施形態では、管内にステントを配置するために極めて堅いワイヤが有益であり得る)。石の除去のための管の拡張後、長さ120mm、直径3.4mmのステントが、それが内視鏡内に押されているときに近位移動防止を手動で操作しながらのワイヤに沿った挿入をせずに、送達された。ステントが簡単に管に入り、内視鏡は、限られた距離で、簡単なアクセスを保証する内視鏡エレベーターのわずかな使用により、乳頭の入口に配置された。ステントは、使用されるとき金属ステントに非常に似ている管に入った。
【0187】
進行中の観察が実施中である。例えば、良性胆管構造物をもつ50歳の女性における観察では、事前拡張後に3.4mmOD×120cam長の低速吸収プラスチック胆管ステントが埋め込まれた。別の一例において、30日の事後処置の後、医師の症例報告は、患者が無症状であること、および、合併症を伴わないことを示した(x線および蛍光透視像形成が必要とされなかった)。
【0188】
上述の説明は、本出願をどのように実施するかについて当業者に教示することを目的としており、本説明を読むことで当業者に明らかとなるそれらの明白な変更および変形例のすべてを詳細に説明する意図はない。しかし、そのような明白な変更例および変形例のすべてが、後述の請求項により規定される本出願の範囲に含まれることが意図される。請求項は、そうではないことが文脈中に明示的に記載されていない限り、請求項に記載された構成要素およびステップをそこで意図される目的を達成するのに効果的な任意の順序で包含することが意図される。