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特開2021-47847管理装置、管理システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-47847(P2021-47847A)
(43)【公開日】2021年3月25日
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20210226BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20210226BHJP
【FI】
   G06Q10/10 344
   G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2020-129192(P2020-129192)
(22)【出願日】2020年7月30日
(31)【優先権主張番号】特願2019-165515(P2019-165515)
(32)【優先日】2019年9月11日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392028321
【氏名又は名称】株式会社小林製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 靖典
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA13
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】製造の対象となる製品の点数が多い場合にも、製品を製造する作業のスケジュールを見易くする。
【解決手段】グループ作成部は、所定の条件に従って、製造の対象となる複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むグループを作成する。スケジュール作成部は、複数の製品を製造するスケジュールをグループ単位で作成する。表示制御部は、グループ単位のスケジュールと、グループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報とを併せて表示部に表示させる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の条件に従って、製造の対象となる複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むグループを作成するグループ作成部と、
前記複数の製品を製造するスケジュールを前記グループ単位で作成するスケジュール作成部と、
前記グループ単位の前記スケジュールと、前記グループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報とを併せて表示部に表示させる表示制御部と
を備える管理装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、納入先及び納期が同一であることを含み、
前記グループは、前記所定の条件を満たす少なくとも1の製品を含む
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、納入先及び納期が同一であり、且つ、作業者が過去に行った作業により製造された製品と同一の図面を用いて製造されることを含み、
前記グループは、前記所定の条件を満たす少なくとも1の製品を含み、
前記スケジュール作成部は、前記グループを製造する作業を前記作業者に割り当てる
請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記グループ単位の前記スケジュールを作業者別に表すガントチャートを前記表示部に表示させる
請求項1から3のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記スケジュールのうち、指定された作業者に割り当てられた対象のグループの作業を示す個別スケジュールの一覧と、前記対象のグループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報とを併せて前記表示部に表示させる
請求項1から4のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記個別スケジュールの一覧と、前記対象のグループに含まれる製品の作業経過を示す経過情報とを併せて前記表示部に表示させる
請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記複数の製品は、複数の製造工程により製造され、
前記個別スケジュールの一覧は、前記複数の製造工程のうち前記指定された作業者が行う対象の製造工程の一つ前の製造工程の作業状況を示す状況情報を含む
請求項5に記載の管理装置。
【請求項8】
前記個別スケジュールの一覧は、前記指定された作業者が行う対象の製造工程の作業状況を示す状況情報を含む
請求項5又は7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記グループ作成部は、さらに前記所定の条件とは異なる他の条件に従って、前記複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むサブグループを作成し、
前記スケジュール作成部は、さらに前記スケジュールを前記サブグループ単位で作成し、
前記表示制御部は、さらに前記サブグループ単位の前記スケジュールを前記表示部に表示させる
請求項1に記載の管理装置。
【請求項10】
前記他の条件は、前記少なくとも1の製品の色又は材料が同一であることを含む
請求項9に記載の管理装置。
【請求項11】
前記複数の製品は、複数の製造工程により製造され、
前記表示制御部は、前記複数の製造工程のうち前記グループに含まれる前記少なくとも1の製品を製造する対象の製造工程の前記スケジュールに遅延がある場合には、前記対象の製造工程より前の製造工程の前記スケジュール上に警告を表示させる
請求項1に記載の管理装置。
【請求項12】
管理装置と端末装置とを備え、
前記管理装置は、
所定の条件に従って、製造の対象となる複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むグループを作成するグループ作成部と、
前記複数の製品を製造するスケジュールを前記グループ単位で作成するスケジュール作成部と、
前記グループ単位の前記スケジュールと、前記グループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報とを併せて表示部に表示させる表示制御部とを有し、
前記端末装置は、前記表示部を有する
管理システム。
【請求項13】
コンピュータに、
所定の条件に従って、製造の対象となる複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むグループを作成するステップと、
前記複数の製品を製造するスケジュールを前記グループ単位で作成するステップと、
前記グループ単位の前記スケジュールと、前記グループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報とを併せて表示部に表示させるステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業の工程を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
生産管理を行う技術が知られている。例えば特許文献1には、工場等の生産プロセスにおいて、コンピュータにより生産スケジュールを作成する技術が記載されている。特許文献2には、生産プロセス管理に関し、特に工程計画、進捗実績、生産性の管理を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4319026号公報
【特許文献2】特許第4230852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、製造の対象となる製品の点数が多い場合には、それらの製品一つひとつについて製品を製造する作業のスケジュールを表示すると、項目の数が多すぎて作業のスケジュールが把握し難くなる場合がある。
本発明は、製造の対象となる製品の点数が多い場合にも、製品を製造する作業のスケジュールを見易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、所定の条件に従って、製造の対象となる複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むグループを作成するグループ作成部と、前記複数の製品を製造するスケジュールを前記グループ単位で作成するスケジュール作成部と、前記グループ単位の前記スケジュールと、前記グループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報とを併せて表示部に表示させる表示制御部とを備える管理装置を提供する。
【0006】
前記所定の条件は、納入先及び納期が同一であることを含み、前記グループは、前記所定の条件を満たす少なくとも1の製品を含んでもよい。
【0007】
前記所定の条件は、納入先及び納期が同一であり、且つ、作業者が過去に行った作業により製造された製品と同一の図面を用いて製造されることを含み、前記グループは、前記所定の条件を満たす少なくとも1の製品を含み、前記スケジュール作成部は、前記グループを製造する作業を前記作業者に割り当ててもよい。
【0008】
前記表示制御部は、前記表示制御部は、前記グループ単位の前記スケジュールを作業者別に表すガントチャートを前記表示部に表示させてもよい。
【0009】
前記表示制御部は、前記スケジュールのうち、指定された作業者に割り当てられた対象のグループの作業を示す個別スケジュールの一覧と、前記対象のグループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報とを併せて前記表示部に表示させてもよい。
【0010】
前記表示制御部は、前記個別スケジュールの一覧と、前記対象のグループに含まれる製品の作業経過を示す経過情報とを併せて前記表示部に表示させてもよい。
【0011】
前記複数の製品は、複数の製造工程により製造され、前記個別スケジュールの一覧は、前記複数の製造工程のうち前記指定された作業者が行う対象の製造工程の一つ前の製造工程の作業状況を示す状況情報を含んでもよい。
【0012】
前記個別スケジュールの一覧は、前記指定された作業者が行う対象の製造工程の作業状況を示す状況情報を含んでもよい。
【0013】
前記グループ作成部は、さらに前記所定の条件とは異なる他の条件に従って、前記複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むサブグループを作成し、前記スケジュール作成部は、さらに前記スケジュールを前記サブグループ単位で作成し、前記表示制御部は、さらに前記サブグループ単位の前記スケジュールを前記表示部に表示させてもよい。
【0014】
前記他の条件は、前記少なくとも1の製品の色又は材料が同一であることを含んでもよい。
【0015】
前記複数の製品は、複数の製造工程により製造され、前記表示制御部は、前記複数の製造工程のうち前記グループに含まれる前記少なくとも1の製品を製造する対象の製造工程の前記スケジュールに遅延がある場合には、前記対象の製造工程より前の製造工程の前記スケジュール上に警告を表示させてもよい。
【0016】
また、本発明は、管理装置と端末装置とを備え、前記管理装置は、所定の条件に従って、製造の対象となる複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むグループを作成するグループ作成部と、前記複数の製品を製造するスケジュールを前記グループ単位で作成するスケジュール作成部と、前記グループ単位の前記スケジュールと、前記グループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報とを併せて表示部に表示させる表示制御部とを有し、前記端末装置は、前記表示部を有する管理システムを提供する。
【0017】
さらに、本発明は、コンピュータに、所定の条件に従って、製造の対象となる複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むグループを作成するステップと、前記複数の製品を製造するスケジュールを前記グループ単位で作成するステップと、前記グループ単位の前記スケジュールと、前記グループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報とを併せて表示部に表示させるステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製造の対象となる製品の点数が多い場合にも、製品を製造する作業のスケジュールを見易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】管理システム100の構成の一例を示す図である。
図2】サーバ装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】サーバ装置110の機能構成の一例を示す図である。
図4】データベース140の一例を示す図である。
図5】スケジュール141の一例を示す図である。
図6】全体スケジュール画面150の一例を示す図である。
図7】スケジュール一覧の一例を示す図である。
図8】詳細情報の一例を示す図である。
図9】実績情報の一例を示す図である。
図10】作業時間の設定画面180の一例を示す図である。
図11】個別スケジュール画面160の一例を示す図である。
図12】現場図の一例を示す図である。
図13】現場図の一例を示す図である。
図14】展開図の一例を示す図である。
図15】展開図の一例を示す図である。
図16】工程指示図の一例を示す図である。
図17】作業手順を示す図の一例を示す図である。
図18】作業者の変更画面170の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本実施形態に係る管理システム100の構成の一例を示す図である。管理システム100は、製品の生産管理に用いられる。ここでいう「製品」とは、製造の対象となる物品をいう。「製品」には、物品だけでなく、物品の部分も含むものとする。例えば管理システム100は、板金加工品の生産管理に用いられてもよい。板金加工品を製造する工程には、例えば受注工程、曲げ工程、溶接工程等の工程が含まれる。これらの工程には、予め順序が決められている。製品によって、製造に必要な工程は異なる。工場内では、製品の製造に用いられる材料や図面が、各工程が行われる場所に順番に移動される。
【0021】
一般的に、板金加工品の製造においては、製造される製品の点数が多い。そこで、本実施形態では、まとめて製造した方がよいと考えられる製品については、グループにまとめて製造が行われる。この場合、製品の製造に用いられる材料や図面もグループ単位でまとめて移動されるため、生産管理も基本的にはグループ単位で行われる。なお、グループに含まれる1の製品については或る工程の作業が行われるが、そのグループに含まれる他の製品についてはこの工程の作業が行われない場合がある。この場合にも、これらの製品の製造に用いられる材料や図面はまとめてこの工程が行われる場所に移動されるが、他の製品についてはその工程の作業自体は行われない。
【0022】
管理システム100は、サーバ装置110(管理装置の一例)と、複数の端末装置120とを備える。サーバ装置110と端末装置120とは、通信ネットワーク130を介して接続されている。サーバ装置110は、製品を製造する作業のスケジュールを作成する。端末装置120は、作業者や管理者等のユーザに用いられ、サーバ装置110が作成したスケジュールを表示する。
【0023】
図2は、サーバ装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置110は、メモリ111と、プロセッサ112と、ストレージ113と、通信インターフェース114とを備える。これらのハードウェア要素は、バス115を介して互いに接続されている。
【0024】
メモリ111は、プロセッサ112により実行されるプログラムを記憶する。メモリ111には、例えばROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)が用いられてもよい。プロセッサ112は、メモリ111に記憶されたプログラムを実行することにより、サーバ装置110の各部を制御し、製品を製造する作業のスケジュールを作成する処理を行う。プロセッサ112には、例えばCPU(Central Processing Unit)が用いられてもよい。ストレージ113は、製品を製造する作業のスケジュールの作成や表示に用いられる各種のデータを記憶する。ストレージ113には、例えばハードディスクドライブ又はSSD(Solid State Drive)が用いられてもよい。通信インターフェース114は、通信ネットワーク130に接続され、通信ネットワーク130を介してサーバ装置110と各種のデータをやり取りする。
【0025】
図1に戻り、端末装置120は、サーバ装置110と同様の構成に加え、表示部121と、操作部122とを備える。表示部121は、製品を製造する作業のスケジュールを示す各種の画面を表示する。表示部121には、例えば液晶ディスプレイが用いられてもよい。操作部122は、表示部121に表示された画面を介してユーザによる各種の操作を受け付ける。操作部122には、例えばキーボード及びマウス、又はタッチパネルが用いられてもよい。なお、図1では、端末装置120がパーソナルコンピュータである例が示されているが、端末装置120はパーソナルコンピュータに限定されず、タブレット端末やスマートフォン等、サーバ装置110から提供される画面を表示可能な装置であればどのような装置であってもよい。
【0026】
図3は、サーバ装置110の機能構成の一例を示す図である。サーバ装置110は、取得部116と、グループ作成部117と、スケジュール作成部118と、表示制御部119として機能する。これらの機能は、メモリ111に記憶されたプログラムと、このプログラムを実行するプロセッサ112との協働により、プロセッサ112が演算を行い又は他のハードウェア要素の動作を制御することにより実現される。
【0027】
取得部116は、製品を製造するスケジュールの作成又はこのスケジュールを示す画面の作成に用いられる各種の情報を取得する。取得部116は、ストレージ113から情報を取得してもよいし、外部装置から情報を取得してもよい。取得部116が取得する情報には、ストレージ113に記憶されたデータベース140に含まれる情報が含まれる。
【0028】
図4は、データベース140の一例を示す図である。なお、図4に示す例では、データベース140は単一のテーブルにより構成されているが、複数のテーブルにより構成されてもよい。データベース140のデータ構造は、図4に示す例に限定されず、どのようなデータ構造であってもよい。データベース140には、顧客から受注した業務を表すマスターデータが格納される。例えば顧客から注文を受けると、ユーザは操作部122を操作してマスターデータを入力する。入力されたマスターデータは、端末装置120からサーバ装置110に送信され、データベース140に格納される。なお、マスターデータの一部のデータは、他のデータベースから取得されてもよい。
【0029】
マスターデータには、注文番号と、製造番号と、図面番号と、数量と、客先名(納入先の一例)と、納期と、工程情報と、経過情報とが含まれる。注文番号は、顧客の注文を一意に識別する情報である。製造番号は、顧客から注文された製品を一意に識別する情報である。図面番号は、顧客から注文された製品の製造に用いられる図面を一意に識別する情報である。数量は、顧客から注文された製品の数である。客先名は、注文を行った顧客を一意に識別する情報である。納期は、顧客から注文された製品を顧客に納品する期日である。工程情報は、顧客から注文された製品を製造する工程を示す情報である。経過情報は、顧客から注文された製品を製造する作業の経過を示す情報である。
【0030】
例えば顧客Xから2019月5月20日までに製品を1個納入する注文を受けた場合、データベース140には、この注文に対して付与された注文番号「1001」と、この製品に対して付与された製造番号「101」と、この製品を製造するのに用いられる図面に対して付与された図面番号「201」と、数量「1」と、客先名「顧客X」と、納期「2019/05/20」と、この製品を製造するのに必要な受注工程、曲げ工程、溶接工程、……を示す工程情報「受注→曲げ→溶接→……」とが互いに関連付けられて格納される。
【0031】
また、この注文に関する受注工程の作業が行われると、ユーザは操作部122を操作して受注工程の作業が行われたことを示す経過情報を入力する。この経過情報には、例えば受注工程の作業名と、受注工程の作業を行った作業者名と、受注工程の作業日とが含まれてもよい。入力された経過情報は、端末装置120からサーバ装置110に送信され、注文番号「1001」と関連付けてデータベース140に格納される。他の工程の作業が行われたときも同様に、ユーザの操作に応じて経過情報が入力され、データベース140に格納される。
【0032】
図3に戻り、グループ作成部117は、所定の条件に従って、製造の対象となる複数の製品のうち少なくとも1の製品を含むグループを作成する。所定の条件は、生産管理をまとめて行った方がよいと考えられる少なくとも1の製品を示す。例えば所定の条件には、納入先及び納期が同一であることが含まれる。この場合、所定の条件を満たす製品、すなわち納入先及び納期が同一である製品を含むグループが作成される。
【0033】
例えば図4に示すデータベース140では、製造番号が「101」の製品及び製造番号が「102」の製品は、いずれも顧客名が「顧客X」、納期が「2019/05/20」で同一である。この場合、これらの製品が単一のグループにまとめられ、このグループを一意に識別するグループ番号「001」が付与される。そして、データベース140に格納された注文番号「1001」及び「1002」を含むマスターデータとこのグループ番号「001」とが関連付けられる。
【0034】
また、所定の条件には、納入先及び納期が同一であり、且つ、作業者が過去に行った作業により製造された製品と同一の図面を用いて製造されることを含んでもよい。この場合、所定の条件を満たす製品、すなわち納入先及び納期が同一であり、且つ、作業者が過去に行った作業により製造された製品と同一の図面を用いて製造される製品を含むグループが作成される。
【0035】
例えば図4に示すデータベース140では、製造番号が「103」〜「106」の製品は、いずれも顧客名が「顧客Y」、納期が「2019/05/17」で同一である。ここで、製造番号が「103」〜「106」の製品の製造には、それぞれ図面番号が「203」〜「206」の図面が用いられる。これらの図面のうち、図面番号が「203」の図面は新規図面である。一方、図面番号が「204」〜「206」の図面は、過去に同一の図面を用いて製品が製造されたことがある既知図面である。なお、図面が新規図面であるか既知図面であるかは、例えば作業履歴に基づいて判定されてもよい。この場合、製造番号が「103」の製品が単一のグループにまとめられ、このグループを一意に識別するグループ番号「002」が付与される。そして、データベース140に格納された注文番号「1003」を含むマスターデータとこのグループ番号「002」とが関連付けられる。また、製造番号が「104」〜「106」の製品が単一のグループにまとめられ、このグループを一意に識別するグループ番号「003」が付与される。そして、データベース140に格納された注文番号「1004」〜「1006」を含むマスターデータとこのグループ番号「003」とが関連付けられる。
【0036】
スケジュール作成部118は、グループ作成部117が作成したグループ単位で、製品を製造するスケジュール141を作成する。スケジュール作成部118が作成したスケジュール141は、ストレージ113に記憶される。ここでいう「スケジュール」とは、製品の生産計画をいう。スケジュール141の作成には、グループ単位の作業者の割り当て及び日程計画が含まれる。作業者の割り当て及び日程計画は、納期に間に合うように行われる。
【0037】
図5は、スケジュール141の一例を示す図である。スケジュール141は、工程別に作成される。なお、図5には、溶接工程のスケジュール141だけが示されているが、他の工程についても同様のスケジュール141が作成される。スケジュール141には、グループ番号と、数量と、客先納期と、開始予定日時と、遅延日数と、作業者名と、工数[分]と、工数[日]と、優先日と、優先度と、外注入荷日と、着手日とが含まれる。
【0038】
グループ番号は、グループを一意に識別する情報である。数量は、グループの数である。客先納期は、グループを顧客に納品する期日である。この客先納期には、グループに含まれる製品の納期が用いられる。開始予定日時は、グループを製造する作業を開始する予定の日時である。遅延日数は、納期から遅延した日数を示す。遅延日数は、開始予定日時が納期より後に設定されたときに入力される。この遅延日数には、開始予定日時と納期との日数の差が用いられる。作業者名は、グループを製造する作業が割り当てられた作業者を識別する情報である。工数[分]は、グループを製造する作業の所要時間である。工数[分]には、例えば対象のグループに含まれる製品を製造する作業の所要時間の合計が用いられる。各製品を製造する作業の所要時間は、工程や作業内容毎に予め定められていてもよいし、作業履歴に基づいて作業者別に算出されてもよいし、作業者自身により予め設定されてもよい。工数[日]は、グループを製造する作業の所要日数である。工数[日]は、グループを製造する作業の所要時間に基づいて算出される。
【0039】
優先日は、納期に応じて定められた作業開始期限である。例えばグループ番号が「001」のグループを製造する作業を納期までに完了するには、溶接工程の作業を遅くとも2019年5月2日に開始する必要がある場合、このグループの優先日は2019年5月2日になる。優先度は、グループの作業の優先度である。例えば優先度には、0〜50の値が用いられる。0は最も優先度が高いことを示し、値が大きくなる程、優先度が低くなることを示す。外注入荷日は、外注先から作業に必要な部品が到着する日付である。外注入荷日は、作業に必要な部品を外注している場合に入力される。着手日は、作業者が実際に作業に着手した日付である。優先日、優先度、外注入荷日、及び着手日は、例えばユーザによる操作部122の操作に応じて入力され、端末装置120からサーバ装置110に送信されて、スケジュール141に格納される。
【0040】
作業者の割り当ては、既知の技術を用いて行われてもよい。例えば作業者の割り当ては、各作業者の能力と負荷状況とに応じた余力に基づいて行われる。ただし、1のグループの作業と並行して行われる他のグループの作業については、互いに異なる担当者に割り当てられる。例えば溶接工程の作業者Aに空き時間がある場合、図5に示すグループ番号が「001」のグループの溶接工程の作業は作業者Aに割り当てられる。この場合、図5に示すように、グループ番号「001」に関連付けて作業者名「作業者A」が格納される。
【0041】
また、過去に同一の図面を用いて製品を製造する作業が行われている場合には、その作業を行った作業者に作業が割り当てられてもよい。例えば図5に示すグループ番号が「003」のグループには、図4に示されるように製造番号が「104」から「106」の製品が含まれるが、上述したようにこれらの製品の製造には既知図面が用いられる。例えば過去に作業者Aが既知図面を用いて溶接工程の作業を行った場合、グループ番号が「003」のグループの溶接工程の作業は作業者Aに割り当てられる。この場合、図5に示すように、グループ番号「003」に関連付けて作業者名「作業者A」が格納される。
【0042】
さらに、一部の作業については、個々の作業者ではなく、複数の作業者のグループに割り当てられてもよい。例えばどの作業者が行っても作業結果や作業効率があまり変わらない作業については、その作業を行う能力がある複数の作業者のグループに割り当てられてもよい。この場合、このグループに属するいずれかの作業者がこの作業を行うことになる。
【0043】
日程計画は、既知の技術を用いて行われてもよい。例えば日程計画では、各グループの作業の開始予定日時が設定される。このとき、各グループの各工程の作業の開始予定日時は、そのグループの前の工程の作業が終了してから次の工程の作業が開始されるように設定される。例えば図4に示すデータベース140は、グループ番号が「001」のグループに対して受注工程、曲げ工程の後、溶接工程が行われることを示す。この場合、グループ番号が「001」のグループの溶接工程の作業の開始予定日時は、曲げ工程の作業の終了予定日時以降に設定される。また、図5に示すスケジュール141は、グループ番号が「003」のグループの外注入荷日が2019年4月15日であることを示す。この場合、グループ番号が「003」のグループの作業の開始予定日時は、2019年4月15日以降に設定される。
【0044】
さらに、各グループの作業の開始予定日時は、そのグループの作業が割り当てられた作業者が実際に稼働する実働時間帯内に設定される。すなわち、各グループの作業の開始予定日時は、そのグループの作業が割り当てられた作業者の休憩時間や休日の時間帯には設定されない。例えばグループ番号が「001」のグループの作業が割り当てられた作業者Aの実働時間帯内に2019年4月25日12時20分が含まれる場合、このグループの溶接工程の作業の開始予定日時は2019年4月25日12時20分に設定される。この場合、図5に示すように、グループ番号「001」と関連付けて開始予定日時「2019/04/25 12:20」が格納される。
【0045】
なお、グループの作業の開始予定日時から作業を開始した場合に、そのグループの作業が割り当てられた作業者の実働時間帯内にこの作業が終了しない場合には、例えば国際公開第2019/142743号に記載された方法を用いて、グループの作業が実働時間帯に分割して割り当てられてもよい。
【0046】
さらに、各グループの作業の開始予定日時は、同一の作業者に割り当てられた1のグループの作業が行われる時間と他のグループの作業が行われる時間とが重複しないように設定される。例えば図5に示すように、作業者Aに割り当てられたグループ番号が「001」のグループの溶接工程の作業の開始予定日時が2019年4月25日12時20分に設定された場合、このグループの溶接工程の工数が7分であるため、作業者Aに割り当てられたグループ番号が「003」のグループの溶接工程の作業の開始予定日時は、2019年4月25日12時27分に設定される。この場合、図5に示すように、グループ番号「003」と関連付けて開始予定日時「2019/04/25 12:27」が格納される。
【0047】
表示制御部119は、スケジュール作成部118が作成したスケジュール141及び取得部116が取得した情報に基づいて作成された各種の画面を端末装置120に表示させる。例えば表示制御部119は、画面を表示させるための表示データを端末装置120に送信することにより、この表示データに応じた画面を表示部121に表示させる。この各種の画面には、全体スケジュール画面150と、個別スケジュール画面160とが含まれる。全体スケジュール画面150は、全ての作業者が行う作業の日程を示す。個別スケジュール画面160は、個々の作業者が行う作業の日程を示す。
【0048】
図6は、全体スケジュール画面150の一例を示す図である。全体スケジュール画面150には、領域151及び153〜155が含まれる。領域151には、ガントチャート(グループ単位のスケジュールの一例)が表示される。ガントチャートは、グループ単位のスケジュール141を作業者別に表す。ガントチャートの横軸は時間を示す。ガントチャートの縦軸には、作業者又は作業者のグループが配置される。ガントチャートの横棒152は、グループの作業日程を示す。横棒152は、顧客によって色分けされている。
【0049】
例えば図5に示すスケジュール141は、グループ番号が「001」のグループの作業が作業者Aに割り当てられており、この作業の開始予定日時は2019年4月25日12時20分であり、この作業の工数は7分であることを示す。この場合、ガントチャートには、図6に示すように、作業者Aのスケジュール欄に2019年4月25日12時20分に対応する位置から7分に対応する長さだけ延びる横棒152aが配置される。また、図5に示すスケジュール141は、グループ番号が「003」のグループの作業が作業者Aに割り当てられており、その作業の開始予定日時は2019年4月25日12時27分であり、その作業の工数は250分であることを示す。この場合、ガントチャートには、図6に示すように、作業者Aのスケジュール欄に2019年4月25日12時27分に対応する位置から250分に対応する長さだけ延びる横棒152bが配置される。また、図4に示すように、グループ番号が「001」のグループとグループ番号が「003」のグループとは顧客が異なるため、横棒152aと横棒152bとは異なる色を有する。
【0050】
なお、グループの作業が分割して割り当てられた場合、ガントチャートは、例えば国際公開第2019/142743号に記載された方法を用いて、分割された作業が割り当てられた複数の時間帯を示す横棒に加えて、これらの時間帯に挟まれた時間帯を表す横棒が表示されてもよい。
【0051】
領域153には、生産管理情報が表示される。生産管理情報には、例えば遅延が発生している件数、割り込み件数、今日から期間工程別の稼働率期間[日]が含まれる。領域154には、経過情報が表示される。例えばユーザによる操作部122の操作に応じて製造番号が「001」という製品が選択されると、領域154には、図4に示すデータベース140において製造番号「001」と関連付けられた経過情報が表示される。
【0052】
領域155には、プロパティ情報が表示される。領域155には、タブ156〜159が設けられている。ユーザによる操作部122の操作に応じてタブ156が選択されると、領域155には作業情報が表示される。作業情報には、例えば作業が割り当てられた作業者名と作業時間とが含まれる。この作業時間には、工数[分]が用いられてもよい。
【0053】
ユーザによる操作部122の操作に応じてタブ157が選択されると、領域155にはスケジュール一覧(グループ単位のスケジュールの一例)が表示される。図7は、スケジュール一覧の一例を示す図である。なお、図7では、全体スケジュール画面150のうち領域155以外の部分については図示を省略している。スケジュール一覧には、例えば図5に示すスケジュール141に格納された情報が含まれる。なお、スケジュール一覧には、図5に示すスケジュール141に含まれる全ての項目の情報が含まれてもよいし、一部の項目の情報だけが含まれてもよい。
【0054】
スケジュール一覧は、作業者単位、日単位、又は作業者及び日単位で構成される。例えばユーザによる操作部122の操作に応じて「作業者A」という作業者が選択されると、領域155には、作業者Aに割り当てられた全てのグループの作業のスケジュール一覧が表示される。具体的には、図5に示すスケジュール141において作業者名「作業者A」に関連付けられた情報が領域155に表示される。また、ユーザによる操作部122の操作に応じて2019年4月25日という日付が選択されると、領域155には、2019年4月25日に行われる予定の全てのグループの作業のスケジュール一覧が表示される。具体的には、図5に示すスケジュール141において「2019/04/25」を含む開始予定日時に関連付けられた情報が領域155に表示される。
【0055】
ユーザによる操作部122の操作に応じてタブ158が選択されると、領域155には製品別の詳細情報(個々の製品を製造する作業に関する情報の一例)が表示される。図8は、詳細情報の一例を示す図である。なお、図8では、図7と同様に、全体スケジュール画面150のうち領域155以外の部分については図示を省略している。詳細情報には、例えば図4に示すデータベース140に格納された情報が含まれる。なお、詳細情報には、図4に示すデータベース140に格納された全ての項目の情報が含まれてもよいし、一部の項目の情報だけが含まれてもよい。
【0056】
詳細情報は、図7に示すスケジュールの一覧と同様に、作業者単位、日単位、又は作業者及び日単位で構成される。例えばユーザによる操作部122の操作に応じて「作業者A」という作業者が選択されると、領域155には、作業者Aに作業が割り当てられた全てのグループに含まれる製品を製造する作業に関する情報が表示される。具体的には、図5に示すスケジュール141から作業者名「作業者A」に関連付けられたグループ番号が選択され、図4に示すデータベース140においてこのグループ番号に関連付けられた情報が領域155に表示される。また、ユーザによる操作部122の操作に応じて2019年4月25日という日付が選択されると、領域155には、2019年4月25日に行われる予定の全てのグループに含まれる製品を製造する作業に関する情報が表示される。具体的には、図5に示すスケジュール141から「2019/04/25」を含む開始予定日時に関連付けられたグループ番号が選択され、図4に示すデータベース140においてこのグループ番号に関連付けられた情報が領域155に表示される。
【0057】
ユーザによる操作部122の操作に応じてタブ159が選択されると、領域155には各作業者の実績情報が表示される。図9は、実績情報の一例を示す図である。実績情報には、例えば最終割付日、工数、稼働率、期間稼働率が含まれてもよい。実績情報は、例えば各作業者の作業履歴に基づいて求められ、ストレージ113に記憶されてもよい。また、実績情報は、ユーザによる操作部122の操作に応じて変更されてもよい。ストレージ113に記憶されたこれらの情報は、取得部116により取得され、全体スケジュール画面150の作成に用いられる。
【0058】
図6に戻り、全体スケジュール画面150において、ユーザが操作部122を用いて作業者を指定して作業時間の設定画面180の表示を指示する作業を行うと、指定された作業者の作業時間の設定に用いられる設定画面180が表示される。図10は、作業時間の設定画面180の一例を示す図である。設定画面180には、基本作業時間181と、基本工数倍率182と、カレンダー183とが表示される。
【0059】
基本作業時間181は、作業者毎に定められた基本の作業時間である。基本工数倍率182は、作業の速さを示す値である。基本工数倍率182は、通常は1倍に設定されるが、通常よりも作業が早い場合や複数人で作業を行う場合には、1より大きい値に設定される。カレンダー183の各日付欄には、その日付の作業予定時間184と、工数倍率185と、実際の作業時間186と、遅延日数187とが表示される。
【0060】
出勤日の作業予定時間184及び工数倍率185には、基本的には、基本作業時間181及び基本工数倍率182がそれぞれ用いられる。ただし、作業予定時間184及び工数倍率185は、ユーザによる操作部122の操作に応じて変更されてもよい。例えば5月7日の作業予定時間184を500分から400分に変更したい場合、ユーザは操作部122を用いた操作により5月7日の作業予定時間184を500分から400分に変更してもよい。また、例えば5月8日に休日出勤をする場合には、ユーザは操作部122を用いた操作により5月8日の作業予定時間184を0分から500分に変更してもよい。
【0061】
実際の作業時間186は、対象の日付に作業者に割り当てられた作業の所要時間の合計である。遅延日数187は、作業者に割り当てられた作業に発生している遅延の日数である。作業予定時間184や工数倍率185が変更されると、ユーザの余力及び実働時間帯が変わるため、変更後のユーザの余力及び実働時間帯に基づいてスケジュール141が修正されてもよい。この場合、修正後のスケジュール141に基づいて、遅延日数187が変更される。例えば作業者の作業予定時間184の変更に伴う遅延日数187の変化をシミュレーションするために、管理者が作業者の作業予定時間184を変更してもよい。これにより、管理者は、作業予定時間184の変更に伴う遅延日数187を容易に把握することができる。
【0062】
図6に戻り、全体スケジュール画面150において、ユーザが操作部122を用いて作業者を指定して個別スケジュール画面160の表示を指示する操作を行うと、指定された作業者が行う作業のスケジュールを示す個別スケジュール画面160が表示される。ここでは、ユーザの操作により作業者Aが指定された場合を想定する。
【0063】
図11は、個別スケジュール画面160の一例を示す図である。個別スケジュール画面160には、領域161〜163が含まれる。領域161には、作業者Aに割り当てられたグループ(対象のグループの一例)の作業の個別スケジュール一覧(グループ単位のスケジュールの一例)が表示される。例えば個別スケジュール一覧には、図5に示すスケジュール141において作業者名「作業者A」に関連付けられた情報が含まれる。なお、個別スケジュール一覧には、図5に示すスケジュール141において作業者名「作業者A」に関連付けられた全ての項目の情報が含まれてもよいし、一部の項目の情報だけが含まれてもよい。また、顧客が指定した納期の他に、受注した会社において社内納期が定められている場合、個別スケジュール一覧にはこの社内納期が含まれてもよい。
【0064】
個別スケジュール一覧に緊急の作業が含まれる場合には、緊急の作業を容易に認識できるように、その旨を示す情報が追加されてもよい。例えば個別スケジュール一覧に含まれる緊急の作業の遅延日数の欄に、緊急の作業を示す文字又は記号が表示されてもよい。なお、緊急の作業は、ユーザによる操作部122の操作に応じて指定されてもよい。
【0065】
個別スケジュール一覧は、着手日、外注入荷日、優先日、優先度のうち少なくともいずれかに応じた順番で並べられる。この順番の決定には、着手日、外注入荷日、優先日、優先度がこの順番で優先して用いられる。例えば着手日が入力されている場合、個別スケジュール一覧は着手日が早い順に並べられる。着手日が入力されていない又は同じである場合、個別スケジュール一覧は外注入荷日が早い順に並べられる。着手日及び外注入荷日が入力されていない又は同じである場合、個別スケジュール一覧は優先日が早い順に並べられる。着手日及び外注入荷日が入力されておらず、優先日が同じである場合、個別スケジュール一覧は優先度が高い順に並べられる。また、個別スケジュール画面160には、「再予定」ボタン164が設けられている。例えばユーザが操作部122を用いて着手日又は外注入荷日を入力する操作を行った後、「再予定」ボタン164を押すと、着手日又は外注入荷日が確定され、確定された着手日又は外注入荷日に応じて個別スケジュール一覧が並び替えられる。
【0066】
領域162には、作業者Aに作業が割り当てられたグループの製品別の詳細情報(個々の製品を製造する作業に関する情報の一例)が表示される。例えばユーザによる操作部122の操作に応じてグループ番号が「001」のグループが選択された場合、詳細情報には、図4に示すデータベース140においてグループ番号「001」に関連付けられた情報、すなわち製品番号が「001」及び「002」の製品のマスターデータの情報が含まれる。なお、詳細情報には、図4に示すデータベース140においてグループ番号「001」に関連付けられたマスターデータの全ての項目の情報が含まれてもよいし、一部の項目の情報だけが含まれてもよい。また、詳細情報には、図4に示すデータベース140においてグループ番号「001」に関連付けられた情報に加え、そのグループに含まれる製品の工数が含まれてもよい。
【0067】
詳細情報が示す製品の作業の中に緊急の作業が含まれる場合には、緊急の作業を容易に認識できるように、その旨を示す情報が追加されてもよい。例えば製造番号が「101」の製品の作業が緊急である場合には、この製造番号の欄の背景色が赤色に変更されてもよい。また、詳細情報が示す製品の作業の中に仕掛り中の作業が含まれる場合には、その旨を示す情報が追加されてもよい。例えば製造番号が「102」の製品の作業が仕掛り中である場合には、この製造番号を含む行の背景色が黄色に変更されてもよい。なお、緊急の作業及び仕掛中の作業は、ユーザによる操作部122の操作に応じて指定されてもよい。
【0068】
個別スケジュール画面160には、「現場図」ボタン165が設けられている。「現場図」ボタン165は、現場図を表示させる操作に用いられる。この「現場図」とは、作業で実際に用いられる図面をいう。図12及び図13は、現場図の一例を示す図である。例えばユーザが操作部122を用いて製造番号が「101」の製品が選択する操作を行った後、「現場図」ボタン165が押すと、図面番号が「201」の図面が表示部121に表示される。具体的には、この図面を示す図面データは、サーバ装置110のストレージ113に予め記憶されており、サーバ装置110から端末装置120に送信される。そして、この図面データに応じた図面が表示部121に表示される。なお、現場図を表示させる操作は、「現場図」ボタン165を押す操作に限定されず、例えば領域162において対象の製品に対応する領域をダブルクリックする操作であってもよい。
【0069】
個別スケジュール画面160には、「図面選択表示」ボタン166が設けられている。この「図面選択表示」ボタン166は、製品の製造を支援するための図面を表示させる操作に用いられる。この製品の製造を支援するための図面には、例えば図14及び図15に示す展開図、図16に示す工程指示図、図17に示す作業手順を示す図、作業の注意事項を示す図、外注図面、及び外注注文書のうち少なくともいずれかが含まれてもよい。例えばユーザが操作部122を用いて製造番号が「101」の製品を選択する操作を行った後、「図面選択表示」ボタン166を押すと、製造番号が「101」の製品の製造を支援するための図面の一覧が表示される。ユーザが操作部122を用いて図面の一覧から所望の図面を選択する操作を行うと、上述した現場図と同様に、所望の図面が表示部121に表示される。
【0070】
領域163には、作業者Aに作業が割り当てられたグループに含まれる製品の作業経過を示す経過情報が表示される。例えばユーザが操作部122を用いて製造番号が「101」の製品を選択する操作を行うと、領域163には、図4に示すデータベース140において製造番号「101」と関連付けられた経過情報が表示される。例えば作業者が端末装置120を用いてこの経過情報を閲覧することにより、製造番号が「101」の製品の前工程の作業が終了しているか否かを把握することができるため、この製品を製造する作業に着手できるかを容易に判断することができる。
【0071】
個別スケジュール画面160には、「最新状況」ボタン167が設けられている。「最新状況」ボタン167は、情報を更新する操作に用いられる。例えばユーザが操作部122を用いて「最新状況」ボタン167を押すと、個別スケジュール画面160に表示された情報が最新の情報に更新される。
【0072】
個別スケジュール画面160には、「作業者変更」ボタン168が設けられている。「作業者変更」ボタン168は、作業者を変更する操作に用いられる。例えばユーザが操作部122を用いてグループ番号が「001」のグループを選択する操作を行った後、「作業者変更」ボタン168を押すと、作業者の変更画面170が表示される。
【0073】
図18は、作業者の変更画面170の一例を示す図である。変更画面170には、作業者の一覧が表示される。また、変更画面170には、「変更」ボタン171が設けられている。例えばユーザが操作部122を用いて作業者の一覧の中から「作業者B」を選択する操作を行った後、「変更」ボタン171を押すと、グループ番号が「001」のグループの作業の作業者が「作業者A」から「作業者B」に変更される。
【0074】
また、変更画面170には、「マスタ」タブ172が設けられてもよい。例えばユーザが操作部122を用いて「マスタ」タブ172を選択する操作を行うと、グループ番号が「001」のグループの製品を注文した顧客Xの住所に対して予め登録された作業者が表示される。ユーザは、グループ番号が「001」のグループの作業の作業者を予め登録された作業者に変更してもよい。
【0075】
図11に戻り、個別スケジュール画面160にはタブ169が設けられる。ユーザが操作部122を用いてタブ169を選択する操作を行うと、作業者が割り当てられていない作業について、図11と同様の個別スケジュール一覧、詳細情報、及び経過情報が表示される。具体的には、図5に示すスケジュール141から作業者が割り当てられていないことを示す作業者名「−」に関連付けられたグループ番号が選択され、選択されたグループ番号に関連付けられた情報が表示される。
【0076】
タブ169の選択に応じて表示された個別スケジュール一覧に含まれる作業に新規図面が用いられる場合には、新規図面を用いた作業があることを容易に認識できるように、その旨を示す情報が追加されてもよい。例えば個別スケジュール一覧に含まれる対象の作業の項番の欄に、新規図面を表す文字又は記号が表示されてもよい。
【0077】
上述した実施形態によれば、製造の対象となる少なくとも1の製品を含むグループが作成され、製品を製造する作業のスケジュールがグループ単位で表示されるため、製造の対象となる製品の点数や種類が多い場合にも、製品を製造する作業のスケジュールが見易くなる。また、グループ単位のスケジュールと併せて、グループに含まれる個々の製品を製造する作業に関する情報が表示されるため、製品を製造する作業の効率が上がる。
【0078】
また、全体スケジュール画面150には、全体のスケジュール141を示すガントチャートが表示されるため、例えば管理者は端末装置120を用いてガントチャートを閲覧することにより、全体の作業計画を把握することができる。さらに、全体スケジュール画面150には、このガントチャートとともに、生産管理情報、経過情報、及びプロパティ情報が表示されるため、例えば管理者は端末装置120を用いてこれらの情報を閲覧することによりスケジュール141をより適切な内容に変更することができる。さらに、例えば図8に示す領域155に図11に示す個別スケジュール画面160と同様の「現場図」ボタン165を設け、全体スケジュール画面150から各製品の現場図が表示されるようにすれば、管理者は、作業者が割り当てられていない作業について、現場図を見て適切な作業者を割り当てることができる。
【0079】
また、個別スケジュール画面160には、個別スケジュール一覧、詳細情報、及び経過情報が表示されるため、作業者が端末装置120を用いて自分に割り当てられた作業のスケジュールと個々の製品の図面とを見ながら作業を行うことができる。これにより、作業者は、自分がこれから行う作業の予定が容易に把握できるため、作業予定を確認するための打ち合わせの回数を減らすことができる。
【0080】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。また、上述した実施形態が以下の例のように変形して実施されてもよい。このとき、以下の2以上の変形例が組み合わせて用いられてもよい。
【0081】
上述した実施形態において、グループの作成に用いられる所定の条件には、顧客が指定した納期に代えて、ユーザが指定した指定納期が用いられてもよい。例えばユーザは、顧客が同一であり、顧客が指定した納期が近い複数の製品について同一の指定納期を設定してもよい。この場合、これらの製品が単一のグループにまとめられてもよい。
【0082】
上述した実施形態において、作業工程の作業を機械が行う場合、作業者に代えて又は作業者とともに機械に作業が割り当てられてもよい。
【0083】
上述した実施形態において、個別スケジュール一覧の並び順は、着手日、外注入荷日、優先日、優先度のうち少なくともいずれかに応じた順番に限定されない。個別スケジュール一覧の並び順は、どのような順番であってもよい。例えば個別スケジュール一覧は、客先納期が早い順に並べられてもよい。
【0084】
上述した実施形態において、前工程の作業の終了予定日が次の工程の外注入荷日として用いられてもよい。
【0085】
上述した実施形態において、サーバ装置110及び端末装置120の構成は、図1〜3に示す例に限定されない。サーバ装置110は、他のハードウェア要素を備えてもよいし、サーバ装置110の一部のハードウェア要素が他の装置に設けられてもよい。また、サーバ装置110の少なくとも一部の機能が端末装置120又は他の装置により実現されてもよい。例えばサーバ装置110の全ての機能が端末装置120により実現されてもよい。この場合、サーバ装置110は設けられなくてもよい。
【0086】
本発明は、サーバ装置110又は端末装置120において実行されるプログラムとして提供されてもよい。このプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよいし、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよい。
【0087】
サブグループに関する変形例
上述した実施形態において、上述したグループの他にサブグループが作成され、サブグループ単位でスケジュールが作成及び表示されてもよい。このサブグループは、例えば実際に現場で作業する際の作業単位を示す。サブグループに含まれる製品は、納入先及び納期のうち少なくともいずれかが異なっていてもよい。この場合、グループ作成部117は、グループの作成に用いられる所定の条件とは異なる他の条件に従って、少なくとも1の製品を含むサブグループを作成する。他の条件は、作業工程によって異なってもよい。例えば他の条件には、少なくとも1の製品の色又は材料が同一であることが含まれる。スケジュール作成部118は、スケジュールをサブグループ単位で作成する。表示制御部119は、サブグループ単位のスケジュールを表示部121に表示させる。
【0088】
例えば塗装工程においては、塗色の色替えに手間がかかるため、同一色の塗装についてはまとめて作業した方が効率がよい場合がある。従って、塗装工程においては、製品の色が同一であることを示す他の条件に従って、サブグループが作成されてもよい。例えば塗装工程の作業に着手可能な製品のうち、白色の塗装を施す製品が一のグループにまとめられ、黄色の塗装を施す製品が他のグループにまとめられてもよい。なお、サブグループを作成する具体的な方法は、上述した実施形態において説明したグループを作成する方法と同様である。
【0089】
ここで、塗色は、例えば受注時に顧客から指定され、図4に示されるデータベース140に格納される。しかし、同一の塗色であっても顧客によって異なる表現が用いられる場合がある。例えば白色であっても、顧客によって「ホワイト粉体」、「ウレタンホワイト」、「アイボリーホワイト」と呼ばれる場合がある。また、黄色であっても、顧客によって「イエロー」、「危険色」と呼ばれる場合がある。しかし、表現は異なっていても同一の塗色で塗装を行う場合には、同一のサブグループにまとめられるのが好ましい。そこで、顧客により指定された塗色の名称が実際に用いられる塗色の名称に変換されてから、変換後の塗色の名称に基づいてサブグループが作成されてもよい。この塗色の名称の変換には、例えば変換前の塗色の名称と変換後の塗色の名称とを対応付けたテーブルが用いられる。例えば「ホワイト粉体」、「ウレタンホワイト」、「アイボリーホワイト」という塗色の名称はいずれも「白色」に変換され、変換後の塗色が「白色」である製品が単一のサブグループにまとめられる。また、「イエロー」、「危険色」という塗色の名称はいずれも「黄色」に変換され、変換後の塗色が「黄色」である製品が単一のサブグループにまとめられる。
【0090】
このようにして作成されたサブグループ毎にスケジュールが作成される。例えば複数の塗装ラインが存在する場合、或る日の第1塗装ラインには塗色が「白色」である製品のサブグループが割り当てられ、第2塗装ラインには塗色が「黄色」である製品のサブグループが割り当てられる。一般に塗色の変更は、前後の色が混じらないようにするために一定の処理が必要なことがあり、色替えのたびに効率が低下することがある。しかし、各塗装ラインにサブグループを割り当てることにより、例えば塗色が「白色」である製品については、塗色が「白色」である他の製品と併せて一の塗装ラインで塗装が行われるため、仮に過去に他の塗装ラインで「白色」の塗装が行われていても、他の塗装ラインに割り当てられずに済む。そのため、例えば或る塗装ラインにおいて黄色の塗装を行っている間に、1個だけ白色の塗装を行うようなスケジュールが作成されるのが防止される。
【0091】
そして、サブグループ単位のスケジュールが表示される。例えば図11に示される個別スケジュール画面160には、各塗装ライン又は各作業者に対応するタブが設けられる。例えばユーザが操作部122を用いて第1塗装ラインに対応するタブを選択する操作を行うと、第1塗装ラインに割り当てられた作業について、図11と同様の個別スケジュール一覧、詳細情報、及び経過情報が表示される。一方、ユーザが操作部122を用いて第2塗装ラインに対応するタブを選択する操作を行うと、第2塗装ラインに割り当てられた作業について、図11と同様の個別スケジュール一覧、詳細情報、及び経過情報が表示される。
【0092】
また、例えば抜き工程においては、同じ材料の製品についてはまとめて切断した方が歩留まりが高くなる。従って、抜き工程においては、製品の材料が同一であることを示す他の条件に従って、サブグループが作成されてもよい。例えば抜き工程の作業に着手可能な製品のうち、同一の材料から製造される製品が単一のサブグループにまとめられてもよい。この同一の材料とは、例えば材質及び板厚が同一であることをいう。
【0093】
このようにして作成されたサブグループ毎にスケジュールが作成される。例えば抜き加工を行う複数の加工機が存在する場合には、或る日時の第1加工機には或る材料から製造される製品のサブグループが割り当てられ、第2加工機にはこの材料とは異なる他の材料から製造される製品のサブグループが割り当てられる。この場合、抜き加工に用いられる加工データも、サブグループに応じて作成されてもよい。例えば、サブグループに含まれる製品が一枚の材料から得られるように、加工データが作成されてもよい。
【0094】
そして、サブグループ単位のスケジュールが表示される。例えば図11に示される個別スケジュール画面160には、各加工機又は各作業者に対応するタブが設けられる。例えばユーザが操作部122を用いて第1加工機に対応するタブを選択する操作を行うと、第1加工機に割り当てられた作業について、図11と同様の個別スケジュール一覧、詳細情報、及び経過情報が表示される。一方、ユーザが操作部122を用いて第2加工機に対応するタブを選択する操作を行うと、第2加工機に割り当てられた作業について、図11と同様の個別スケジュール一覧、詳細情報、及び経過情報が表示される。この変形例によれば、各製造工程の作業に応じたサブグループ毎のスケジュールが分かる。また、製造工程毎に作業単位が異なる場合にも、元のグループを変更することなく、その作業単位毎のスケジュールが分かる。
【0095】
作業者の割当てに関する変形例
上述した実施形態において、作業者に作業を割り当てる方法は、上述した例に限定されない。例えば過去の作業履歴に基づいて作業者に作業が割り当てられてもよい。例えば過去に同一の製品を製造する作業が行われている場合には、過去にこの作業を行った作業者にその製品を製造する作業が割り当てられてもよい。また、製品によっては顧客により作業者が指定される場合がある。このような製品を製造する作業については、顧客により指定された作業者に割り当てられてもよい。例えば、顧客により或る製品の溶接工程の作業者として作業者Aが指定されている場合には、この製品の溶接工程の作業は作業者Aに割り当てられる。ここで、何らかの事情によりこの製品の溶接工程の作業が一時的に作業者A以外の作業者により行われた場合にも、次にこの製品の溶接工程の作業が行われる場合には、再び作業者Aにこの作業が割り当てられる。
【0096】
作業状況を示す情報に関する変形例
上述した実施形態において、個別スケジュール一覧には、複数の製造工程のうち指定された作業者が行う対象の製造工程の一つ前の製造工程の作業状況を示す状況情報(以下、「前工程の状況情報」という。)と、対象の製造工程の作業状況を示す状況情報(以下、「対象工程の状況情報」という。)とが含まれてもよい。例えば図4に示されるデータベース140又は図5に示されるスケジュール141には、前工程の状況情報と対象情報の状況情報とが含まれる。これらの状況情報は、例えばユーザによる操作部122を用いた操作に応じて入力される。そして、図11に示される個別スケジュール画面160の個別スケジュール一覧には、前工程の状況情報と対象情報の状況情報とが含まれる。
【0097】
例えば板金加工品の製造工程には、曲げ工程、溶接工程等の複数の製造工程が含まれる。図11に示される個別スケジュール一覧は、溶接工程の作業を行う作業者Aに割り当てられたグループの作業のスケジュールを示すため、溶接工程が対象の工程となる。この場合、この個別スケジュール一覧に含まれる前工程の状況情報は、溶接工程の一つ前の工程である曲げ工程の作業状況を示す。前工程の状況情報には、グループに含まれる製品のうち前工程が完了した製品の占める比率が用いられてもよい。例えば或るグループに5つの製品が含まれる場合において、そのうちの1つの製品について曲げ工程の作業が完了しており、残りの4つの製品について曲げ工程が完了していないときは、このグループの前工程の状況情報は「1/5」となる。加えて、前工程の状況情報が前工程の作業が完了していないことを示すときは、その前工程の状況情報の背景色がオレンジ色等の目立つ色に変更されてもよい。また、この場合、対象工程の状況情報は、溶接工程の作業状況を示す。対象工程の状況情報には、グループに含まれる製品のうち対象工程が完了した製品の占める比率が用いられてもよい。例えば或るグループに2つの製品が含まれる場合において、そのうちの1つの製品について溶接工程の作業が完了しており、残りの1つの製品について溶接工程が完了していないときは、このグループの対象工程の状況情報は「1/2」となる。この変形例によれば、前工程の状況情報を見ることにより、対象の工程に着手できるか否かが分かる。また、対象の工程情報を見ることにより、対象の工程の作業状況が分かる。
【0098】
遅延の警告に関する変形例
上述した実施形態において、対象の製造工程のスケジュールに遅延がある場合には、対象の製造工程より前の製造工程のスケジュール上に警告が表示されてもよい。この場合、表示制御部119は、複数の製造工程のうちグループに含まれる少なくとも1の製品を製造する対象の製造工程のスケジュールに遅延がある場合には、対象の製造工程より前の製造工程のスケジュール上に警告を表示させる。
【0099】
例えば顧客から短納期且つ納期厳守で製品を製造する注文を受ける場合がある。このような注文を受けた場合には、ユーザによる操作部122を用いた操作に応じて、注文された製品が緊急リストに登録される。この緊急リストは、例えばストレージ113に記憶される。この場合、緊急リストに登録された製品の作業を容易に認識できるように、例えば図11に示されるように、個別スケジュール一覧に含まれる緊急の作業の遅延日数の欄に、緊急の作業を示す文字又は記号が表示される。また、緊急リストに登録された製品の作業のうち、対象の工程の作業の開始予定日時に遅延が発生している場合には、対象の工程より前の工程のスケジュールに作業を急ぐよう促す警告情報が表示されてもよい。例えば板金加工品の製造工程には、曲げ工程、溶接工程等の複数の製造工程が含まれる。ここでは、溶接工程において或るグループの作業の開始予定日時に遅延が発生している場合を想定する。この場合において、溶接工程の一つ前の曲げ工程の作業が完了していないときは、曲げ工程においてこのグループが割り当てられた作業者の個別スケジュール画面160に、そのグループの作業を急ぐよう促す警告情報が表示されてもよい。さらに、警告が表示される製品は、短納期且つ納期厳守で注文された製品に限定されない。通常の納期で注文された製品であっても、製品を製造する作業の予定に遅延が発生している場合には、スケジュールに警告が表示されてもよい。この変形例によれば、作業の予定に遅延が発生している製品が分かる。
【0100】
納期シミュレーションに関する変形例
上述した実施形態において、顧客から注文を受ける際に、ユーザが注文の内容をデータベース140に仮入力することにより、注文された製品を製造するスケジュールが表示部121に表示されてもよい。例えば仮入力された注文の内容に基づいて仮のマスターデータが入力され、図4に示されるデータベース140に格納される。また、仮のマスターデータに基づいて図5に示されるような仮のスケジュール141が作成される。そして、仮のスケジュール141に基づいて、図6から図11に示される各種の画面が表示される。これらの画面を見ることにより、ユーザは、例えば顧客の希望納期通りに製品を製造できるか否かが分かる。また、ユーザは、顧客の希望納期通りに製品を製造できない場合にも、製造可能な最短納期が分かる。このような情報を元に顧客と注文の条件を調整することにより、顧客満足を高めることができる。このように、本発明に係る管理システム100は、製品の生産管理だけでなく、製品を製造する納期をシミュレーションする営業支援ツールとして用いられてもよい。
【符号の説明】
【0101】
100:管理システム、110:サーバ装置、111:メモリ、112:プロセッサ、113:ストレージ、114:通信インターフェース、115:バス、116:取得部、117:グループ作成部、118:スケジュール作成部、119:表示制御部、120:端末装置、121:表示部、122:操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2020年8月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正の内容】
図12
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
図13
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正の内容】
図14
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正の内容】
図15
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正の内容】
図16
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正の内容】
図17