【解決手段】モバイル制御ユニット100は、複数の施設900に移動するように構成される。モバイル制御ユニットは、複数の施設のそれぞれのファシリティシステム920と通信する中央監視システム110を備える。モバイル制御ユニットは、複数の施設のうちの1つのファシリティシステムによって警告されると複数の施設のうちの当該1つに移動するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
背景
たとえばオフィスビルや工場などの施設は、今日では警備を目的として、またビルサービスや設備の中断を検知するために監視されている。
【0003】
以前は、施設は主にたとえば警備員や整備員などの人員による施設のパトロールおよび調査によって監視していた。
技術の向上により、今日では施設はたとえば警備、ビルサービスなどの、施設の設備を監視するための監視システムを備えている。監視システムは、警備監視システムと、たとえば火災監視システムや昇降機監視システムなどの設備監視システムとを含むことがある。
【0004】
たとえばビルなどの大規模施設内のたとえばオフィスなどの小規模施設内においては、ビルの所有者により監視される可能性があるため、設備監視システムよりも警備監視システムのみを設置することが施設所有者にとってより一般的である。たとえばビルや工場などの大規模施設内において、警備員を施設のパトロールに従事させ、整備員をビルサービスのあらゆる中断を監視してそれに対応するために待機させることがある。一般的に、コントロールセンターはサービスの監視のために施設内に設置されることがある。
【0005】
警備監視システムおよび設備監視システムは通常、コントロールパネルと、コントロールパネルに接続された検知システムと、送信ユニットとを備え、設備の状態を報告するためにコントロールセンターに信号を送信するようになっている。たとえば、火災監視システムは火災コントロールパネルと、たとえばセンサなどの火災検知システムとを含むことがあり、火災の場合にはセンサが煙または熱を検知して信号を火災コントロールパネルに送信することができ、その後、火災コントロールパネルがたとえば火災指令センターなどのコントロールセンターに警報信号を送信することがある。通常、警備監視システムは警備コントロールパネル、閉回路カメラ、カードアクセスシステム、センサ、インターコムシステム、バリアシステム、および動作検知システムを含むことがあり、これらは全て警備コントロールパネルに接続されることがある。同様に、たとえば警備の侵害のような事態が発生した場合には、警備信号が警備コントロールパネルに送信され、その後、警備コントロールパネルがたとえば火災指令センターや警備指令センターなどの制御指令センターに警備警報信号を送信することがある。
【0006】
一般的に、施設の監視に人員を従事させることが今なお、より好まれている。多くの施設内において、施設所有者は、既に人員の雇用に相当額の費用を費やしており、監視システムにさらなる費用をかけることを望まないため、人員に加えて、たとえば閉回路カメラなどの基本的な設備監視システムのみを設置している。たとえば警備の侵害やビルサービスの中断などへの迅速な対応を必要とする施設において、施設所有者は通常、施設内に警備員および/または整備員を配置してその状況に迅速に対応できるようにすることを選択する。したがって、施設所有者は通常、この人員と監視システムとの混合配置に満足している。いくつかの例において、施設所有者は通常、監視システムの設置に余分な費用をかけることを好まず、人員の存在で十分であると容認することを選択するため、設備監視システムの設置を行わないことを選択する。
【0007】
人員の雇用に要する費用は比較的高額となる可能性がある。
図1は、道路990に沿った12つの施設900を有するエリアの例示的な地図である。24時間の警備監視業務を行うために、警備員を各施設で12時間シフトで勤務するように雇用することがある。一般的に、昼間には少なくとも1人の警備員、夜間には少なくとも1人の警備員を配置することがある。したがって、施設内に合計約24人の警備員が必要となる可能性がある。通常、各シフトには2人以上の警備員が配置され、したがって、警備員のたとえば給料などの費用は比較的高額となると考えられる。さらに、ビルサービスのあらゆる中断に対応するために各施設に少なくとも1人の整備員を物理的に存在させることがある。特定の場合、いくつかの重要なビルサービスのための整備チームが必要となる可能性がある。明らかに、警備員および整備員の雇用に要する費用は高額となると考えられる。上述のように、人員を確保するために各施設には通常、コントロールセンターが設置される。したがって、
図1に示すように多数の施設を有するエリアにおいて、各施設を監視するためには同じ数のコントロールセンターを設置しなければならない。コントロールセンターを設置する費用もまた高額となると考えられる。
【0008】
施設監視の費用を削減する試みにおいて、施設所有者は施設内の警備およびビルサービスの監視のために第三者企業と契約を結ぶことがある。これは技術の利用により可能である。しかし、施設での出来事に対処するための第三者企業による対応時間は遅くなる可能性がある。第三者企業は施設から離れた場所にある場合があり、たとえばコントロールパネル、カードアクセスシステム、センサ、閉回路カメラ、インターコムシステム、バリアシステム、動作検知システムなどの施設に配置された監視システムとの間の通信を介して遠隔的に監視を行ってている。たとえば警備の侵害やビルサービスの中断などの事象が発生した場合、企業はその事象を検証またはそれに対応するために、たとえば警備員および/または整備員などの関連する人員を派遣すると考えられる。人員は施設までの移動時間を必要とし、たとえば数分などの短時間のうちに事象に対応することができないと考えられる。たとえば強盗の押し入りなどの警備関連の事象の場合であれば、盗品を持って逃亡する時間を強盗に与えることになると考えられる。たとえば昇降機の故障などの非警備関連の事象の場合であれば、昇降機内に閉じ込められておびえた乗員は実質的に長時間、少なくとも整備員が企業から施設まで移動する時間の間、待たなければならないと考えられる。
【0009】
したがって、上述の不利益に対応する解決策は極めて有用であると考えられる。
【発明の概要】
【0010】
概要
種々の実施形態によれば、複数の施設に移動するように構成されたモバイル制御ユニットを提供することができる。モバイル制御ユニットは、複数の施設のそれぞれのファシリティシステムと通信するように構成された中央監視システムを備えていてもよく、モバイル制御ユニットは複数の施設のうちの1つのファシリティシステムによって警告されると複数の施設のうちの当該1つに移動するように構成されている。
【0011】
種々の実施形態によれば、モバイル制御ユニットは車両型制御ユニットからなるものであってもよい。
種々の実施形態によれば、車両型制御ユニットはバンからなるものであってもよい。
【0012】
種々の実施形態によれば、モバイル制御ユニットは、モバイル制御ユニットの位置を判定するように構成されたグローバルポジショニングシステム装置を含んでいてもよい。
種々の実施形態によれば、中央監視システムは、ファシリティシステムの少なくとも1つの警備システムを監視するように構成された警備監視システムまたはファシリティシステムのビルサービスシステムを監視するように構成されたビルサービス監視システムを含んでいてもよい。
【0013】
種々の実施形態によれば、中央監視システムとファシリティシステムとの間の通信は、ワイドエリアネットワークまたは無線ローカルエリアネットワークのうちの少なくとも1つを介していてもよい。
【0014】
種々の実施形態によれば、モバイル制御ユニットは、複数の施設のうちの少なくとも1つをパトロールするように構成されていてもよい。
種々の実施形態によれば、複数の施設のうちの少なくとも1つを管理するように構成されたファシリティ管理システムを提供することができる。ファシリティ管理システムは、上記の実施形態のうちの1つによるモバイル制御ユニットと、それぞれ複数の施設のうちの1つを監視するように構成された複数のファシリティシステムとを備えていてもよい。
【0015】
種々の実施形態によれば、ファシリティシステムは警備システムを含んでいてもよく、警備システムは必要に応じて中央監視システムに警備信号を送信するように構成されていてもよい。
【0016】
種々の実施形態によれば、ファシリティシステムはビルサービスシステムを含んでいてもよく、ビルサービスシステムは必要に応じて中央監視システムに警報信号を送信するように構成されていてもよい。
【0017】
種々の実施形態によれば、モバイル制御ユニットを用いて複数の施設の監視を行うファシリティ管理方法を提供することができる。複数の施設のそれぞれがファシリティシステムを備えていてもよい。この方法は、ファシリティシステムのうちの少なくとも1つを監視することと、モバイル制御ユニットの中央監視システムと複数の施設のファシリティシステムのうちの少なくとも1つとの間で通信することと、複数の施設のうちの1つのファシリティシステムのうちの1つによって警告されるとファシリティシステムのうちの当該1つの施設にモバイル制御ユニットを移動させることとを含んでいてもよい。
【0018】
種々の実施形態によれば、ファシリティシステムの監視は、ファシリティシステムの警備システムを監視することを含んでいてもよい。
種々の実施形態によれば、ファシリティシステムの監視は、ファシリティシステムのビルサービスシステムを監視することを含む。
【0019】
種々の実施形態によれば、前記方法はさらに、複数の施設のうちの少なくとも1つをパトロールすることを含む。
種々の実施形態によれば、モバイルユニット制御システムを提供することができる。モバイルユニット制御システムは、上記の種々の実施形態による複数のモバイル制御ユニットを含んでいてもよく、メイン制御ユニットは複数のモバイル制御ユニットの位置を監視するように構成されていてもよく、メイン制御ユニットは複数のモバイル制御ユニットと通信して複数のモバイル制御ユニットを制御するように構成されていてもよい。
【0020】
種々の実施形態によれば、モバイルユニット制御方法を提供することができる。モバイルユニット制御方法は、上記の実施形態の何れか1つによる複数のモバイル制御ユニットの、メイン制御ユニットからの位置を監視することと、メイン制御ユニットと複数のモバイル制御ユニットとの間で通信することとを含んでいてもよい。
【0021】
モバイル制御ユニットは、施設を監視するためのリソースを統合することによる必要な人員の削減と、さらに必要に応じて比較的より迅速な対応時間を提供する。人員の削減により、費用が削減され、さらに施設の監視がより有効かつ効率的となる可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
図2は、複数の施設900に移動するように構成されたモバイル制御ユニット100の例示的な実施形態を示す。モバイル制御ユニット100は、複数の施設900のそれぞれのファシリティシステム920と通信するように構成された中央監視システム110を有している。モバイル制御ユニット100は、複数の施設900のうちの1つのファシリティシステム920によって警告されたときに複数の施設900のうちの1つへ移動するように構成されている。
【0024】
モバイル制御ユニット100は、施設900から複数の施設のうちの他の施設に移動可能および/または複数の施設のそれぞれを回って移動可能な制御ユニットであってもよい。モバイル制御ユニット100は、たとえばトレーラー、バン、自動車、オートバイ、バギーなどの車両型制御ユニットであってもよい。車両型制御ユニットは中央監視システム110を備えるように改良された車両であってもよい。モバイル制御ユニット100は、たとえば手持ちのスマートフォンまたはタブレットなどの携帯型の中央監視システム110を持ち歩く人であってもよい。
【0025】
図3は、中央監視システム110の概略図である。中央監視システム110は、ファシリティシステム920の警備システム930(
図3に図示せず)のうちの少なくとも1つを監視するように構成された警備監視システム120か、あるいは施設900のファシリティシステム920のビルサービスシステム950(
図3に図示せず)を監視するように構成されたビルサービス監視システム130を含んでいてもよい。
【0026】
ビルサービスは、電気設備のサービス、エスカレータおよび昇降機のサービス、火災検知サービス、暖房、換気および空調(HVAC)サービス、水道、下水および配管サービス、通信ライン、電話、およびITネットワークサービスなどを含んでいてもよい。
【0027】
警備監視システム120および/またはビルサービス監視システム130は、以下のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。コントロールパネル、閉回路カメラ、カードアクセスシステム、センサ、インターコムシステム、バリアシステム、動作検知システム、表示モニタ、サーバ、ルータ、信号暗号化装置、テレコミュニケーションシステム、モデム、DVR、およびビルサービス監視システム。
【0028】
モバイル制御ユニット100は、少なくとも2人または少なくとも3人の人員を配置してもよい。少なくとも2人または少なくとも3人の人員のうちの何れかは、ビルシステムから受信したビルサービス信号に対応することができる技術者であってもよい。
【0029】
図4に示すように、ファシリティシステム920は少なくとも1つの警備システム930を含んでいてもよい。警備システム930は、警備処理ユニット932と、警備処理ユニット932に接続された警備検知システム934および/または警備警報システム936とを含んでいてもよい。警備処理ユニット932は、警備検知システム934が送信した警備検知信号938を受信して処理するように構成されていてもよい。警備処理ユニット932は、警備警報システム936を介して中央監視システム110に警備警報信号940を送信してもよい。
【0030】
警備検知システム934は、たとえばビデオ監視カメラや動作センサなどの警備検知装置を含んでいてもよい。検知装置は、施設900への侵入を検知するために、たとえば重要なところなどの所定の位置に設置することができる。
【0031】
ファシリティシステム920はさらに、少なくとも1つのビルサービスシステム950を含んでいてもよい。ビルサービスシステムは、ビルサービス処理ユニット952と、ビルサービス処理ユニット952に接続されたビルサービス検知システム954および/またはビルサービス警報システム956とを含んでいてもよい。ビルサービス処理ユニット952は、ビルサービス検知システム954が送信したビルサービス検知信号958を受信して処理するように構成されていてもよい。ビルサービス処理ユニット952は、ビル警報システム956を介して中央監視システム110にビルサービス警報信号960を送信してもよい。
【0032】
ビルサービス処理ユニット952は、火災警報パネル、昇降機コントロールパネル、電気パネルなどを含んでいてもよい。
ビルサービス検知システム954は、配管の破裂に起因する可能性のある突然の水圧の低下を検知するために、たとえばスプリンクラーシステムなどのビルサービスのためのビルサービス検知装置(たとえばセンサや圧力計など)を含んでいてもよい。警備検知装置934およびビルサービス検知装置954は、それぞれのサービスを検知する目的で使用してもよく、たとえば、警備検知システム954のための閉回路カメラはビルサービスの検知のために使用してもよい。
【0033】
ビルサービス検知システム954は、たとえば火災警報システム、昇降機、交換機械室、スプリンクラーおよびエゼクタポンプ室、水槽区画室、発電機室、排水ポンプ、ブースターポンプ、駐車場バリアシステム、インターコムシステム、加圧および排出ファンコントロールパネル、ホースリールタンク、冷却塔、エアコンユニット/AHU、送風ファンなどの設備の検知を行ってもよい。
【0034】
モバイル制御ユニット100は、リモート制御システム112を含んでいてもよい。リモート制御システム112は、ファシリティシステム920を制御するように構成されていてもよい。リモート制御システム112は、警備システム930および/またはビルサービスシステム950を制御するように構成されていてもよい。
【0035】
リモート制御システム112は、警備システム930を制御するように構成された警備リモート制御システム122および/またはビルサービスシステム950を制御するように構成されたビルサービスリモート制御システム132を含んでいてもよい。
【0036】
図4Aに示すように、警備リモート制御システム122を警備処理ユニット932と通信させて、それによりたとえばカードアクセスシステムなどの関連するシステムを制御するために警備リモート制御システム122が警備処理ユニット932に制御信号を送信するように構成されていてもよい。
【0037】
ビルサービスリモート制御システム132をビルサービス処理ユニット952と通信させて、それによりたとえば火災警報器などの関連するシステムを制御するためにビルサービスリモート制御システム132がビルサービス処理ユニット952に制御信号を送信するように構成されていてもよい。
【0038】
たとえば、施設900において火災警報器の誤作動が発生した場合、ビル処理ユニット952は、たとえば火災警報信号などのビル警報信号960をビルサービス監視システム130に送信してもよい。担当者が警報の原因を調査し、誤作動した警報器を特定した後に、施設900の火災警報器を停止するためにリモート制御システム132がビル処理ユニット952に制御信号を送信するようにしてもよい。他の実施例では、訪問者が施設900への入場を要求する可能性があり、認証した後、モバイル制御ユニット100が施設900に移動せずに訪問者を入場させるために遠隔操作によりドアを解錠するようにしてもよい。他の実施例では、モバイル制御ユニット100は、施設900内の点灯されたままの照明を監視および検知してもよい。モバイル制御ユニット100は遠隔操作により、施設900内の照明のスイッチを切るようにしてもよい。このように、モバイル制御ユニット100は施設900へ移動する必要が無く、それにより時間および資源が節約される。警備リモート制御システム122および警備処理ユニット932にも同様の実施例を適用してもよい。
【0039】
モバイル制御ユニット100は、
図5に示すように、モバイル制御ユニット100の位置を判定するように構成されたグローバルポジショニングシステム(GPS)装置140を含んでいてもよい。GPS140は、モバイル制御ユニット100の移動、さらには全モバイル制御ユニット100の移動の追跡を可能にする。追跡により、モバイル制御ユニット100または人員がとるパトロールのルートに対する情報も提供される。モバイル制御ユニット100は、中央監視システム110が収集したデータをバックアップするように構成されたデータベースを含んでいてもよい。
【0040】
モバイル制御ユニット100の中央監視システム110は、たとえば発電器、バッテリーパックなどの電源150によって電力供給してもよい。バッテリーパックは充電式であってもよい。車両型制御ユニットの場合は、中央監視システム110は車両のたとえばバッテリーなどの電源から電力供給してもよい。モバイル制御ユニット100は、中央監視システムに無停電電源供給を行うために中央監視システム110に接続された無停電電源(UPS)160を含んでいてもよく、それにより電力不足であっても電力供給が中断されないと考えられる。UPSはまた、故障したモバイル制御ユニット100を交換するために、あるいは電源の修理または交換を可能とするために、他のモバイル制御ユニット100を急派(despatch)するためのいくらかの時間も提供すると考えられる。モバイル制御ユニット100は、バッテリーパックの再充電のために移動した後、充電ステーション(図示せず)へ戻るようにしてもよい。
【0041】
中央監視システム110およびファシリティシステムは無線通信を行うようにしてもよい。中央監視システム110およびファシリティシステムは、ワイドエリアネットワーク(WAN)または無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のうちの少なくとも1つを介して通信するようにしてもよい。他の形態の無線通信は、無線網、セルラ通信網を含んでいてもよい。
【0042】
図6は、ファシリティ管理システム200の概略図である。施設900はファシリティシステム920を含んでいてもよい。ファシリティシステム920は、警備システム930およびビルサービスシステム950を含んでいてもよい。施設900は施設ネットワーク942を含んでいてもよい。同様に、他の施設においても同じ装備となっていてもよい。施設ネットワーク942は、通信を目的としてインターネットサービスプロバイダ(ISP)ネットワーク944までリンクされていてもよい。モバイル制御ユニット100は、警備監視システム120およびビルサービス監視システム130を含んでいてもよい。モバイル制御ユニット100は、ISPネットワーク944に接続されたモバイルネットワーク946を含んでいてもよく、それにより施設900とモバイル制御ユニット100との間の通信が確立されてもよい。
【0043】
モバイル制御ユニット100は、複数の施設900のそれぞれをパトロールするように構成されていてもよい。モバイル制御ユニット100が施設900を監視している間、モバイル制御ユニット100は1つの施設から他の施設への施設間を移動するための可動性を有しているため、施設のうちの少なくとも1つをパトロールしてもよい。モバイル制御ユニット100は複数の施設をパトロールしてもよい。
【0044】
図7は、モバイル制御ユニット100を用いて複数の施設900を監視するファシリティ管理方法1000を示しており、複数の施設900はそれぞれファシリティシステム920を備えている。方法1000は、ファシリティシステム920を監視するステップ1100を含んでいる。ステップ1200において、モバイル制御ユニット100の中央監視システム110は、複数の施設900のうちの少なくとも1つのファシリティシステム920のうちの少なくとも1つと通信する。ステップ1300において、モバイル制御ユニット100は、複数の施設900のうちの1つのファシリティシステムのうちの1つによって警告されると、ファシリティシステムのうちの1つの施設に移動させられる。
【0045】
複数の施設900のそれぞれのファシリティシステム920は、警備検知システム934および/またはビルサービス検知システム954を介して、複数の施設内の任意の事象または施設からの要求を検知するために使用される。中央監視システム110は、ファシリティシステム920との通信によってファシリティシステム920を監視し、たとえば警備監視システムは警備処理ユニット932内の状況を確認するために信号を送信してもよく、警備監視システム120は警備警報システム936から送信された警備警報信号940を受信してもよい。警報信号を受信した後、調査または要求への対応を行うために警備警報信号940が送信された施設900へモバイル制御ユニット100を移動させてもよい。同じステップをビルサービス検知システム954によって行ってもよい。
【0046】
ステップ1100におけるファシリティシステム920の監視は、警備システム930の監視のステップを含んでいてもよい。必要に応じて、警備処理ユニット932が警備検知システム934から送信された警備検知信号938を受信して処理するようにしてもよい。警備処理ユニット932は、警備警報信号940を中央監視システム110に送信してもよい。中央監視システム110の警備システム930は、警備警報信号940を受信して担当の警備員に警告してもよい。警備警報信号940が送信された施設にモバイル制御ユニット100をたとえば運転するなどして移動させてもよい。方法1000は複数の施設900をパトロールすることを含んでいてもよい。
【0047】
ステップ1100は、ビルサービスシステム950を監視することを含んでいてもよい。必要に応じて、ビルサービス処理ユニット952がビルサービス検知システム954から送信されたビルサービス検知信号958を受信して処理するようにしてもよい。ビルサービス処理ユニット952は、ビルサービス警報信号960を中央監視システム110に送信してもよい。中央監視システム110のビルサービスシステム950は、ビルサービス警報信号960を受信して担当の整備員に警告してもよい。ビルサービス警報信号960が送信された施設にモバイル制御ユニット100をたとえば運転するなどして移動させてもよい。
【0048】
図8は、複数の施設900のうちの少なくとも1つを管理するように構成されたファシリティ管理システム200を示している。ファシリティ管理システム200は、モバイル制御ユニット100と、施設900を監視するように構成されたファシリティシステム920とを含んでいる。ファシリティ管理システム200は、複数の施設900のうちの少なくとも1つで監視を行うように構成された少なくとも1つのファシリティシステム920を含んでいてもよい。
【0049】
ファシリティシステム920は、上述の警備システム930を含んでいてもよい。警備システム930は、必要に応じて中央監視システム110に警備信号940を送信するように構成されていてもよい。ファシリティシステムは、上述のビルサービスシステム950を含んでいてもよい。ビルサービスシステム950は、必要に応じて中央監視システム110にビルサービス警報信号960を送信するように構成されていてもよい。
【0050】
図9に示すように、モバイルユニット制御システム300は、複数のモバイル制御ユニット100と、複数のモバイル制御ユニット100の位置を監視するように構成されたメイン制御ユニット302とを含んでいてもよい。メイン制御ユニット100は、複数のモバイル制御ユニット100と通信するように構成されていてもよい。
【0051】
モバイルユニット制御システム300は、たとえば本部オフィスなどのメイン制御ユニット302によって管理されていてもよい。メイン監視システム310は、中央監視システム110と同じように、メイン制御ユニット302内に配置されていてもよい。メイン制御ユニット302は、中央監視システム110が収集したデータをバックアップするように構成されたデータベースを含んでいてもよい。さらに、メイン制御ユニット302は、モバイル制御ユニット100の移動を監視するように構成されたGPS監視システム320を含んでいてもよい。GPS監視システム320は、警備員および/または整備員の位置を監視するように構成されていてもよい。施設900はファシリティシステム920からのデータをバックアップするためのデータベースを含んでいてもよい。
【0052】
図10は、モバイルユニット制御方法3000を示している。ファシリティ監視方法3000は、ステップ3100に示すように、メイン制御ユニット302からの複数のモバイル制御ユニット100の位置を監視することを含む。ステップ3200は、メイン制御ユニット302と複数のモバイル制御ユニット100の間で通信することを含む。
【0053】
図11は、モバイル制御ユニット100の例示的な実施形態を示している。
図12は、モバイル制御ユニット100の例示的な実施形態を別方向から見た図である。
【0054】
2つ以上のモバイル制御ユニット100を一度に動作させてもよい。2つ以上のモバイル制御ユニット100が存在する場合は、モバイル制御ユニット100を互いに通信させてもよい。モバイル制御ユニット100はGPSを介して互いの位置を認識するようにしてもよい。したがって、各モバイル制御ユニット100の移動および位置を互いに認識可能としてもよい。同様に、全てのモバイル制御ユニット100の移動および位置をメイン制御ユニット302によって監視するようにしてもよい。モバイル制御ユニット100内の任意の人員の移動を、たとえばGPSなどの位置検知システムを介して、メイン制御ユニット302によって監視することも可能である。たとえば、警備員が何らかの事象への対応またはパトロールの実施のためにモバイル制御ユニット100を離れる必要がある場合、安全のために警備員の位置を監視するようにしてもよい。
【0055】
ファシリティ管理システム200は、サービスの様々な態様の全てについての定期報告を作成するようにしてもよい。あらゆる支援の要請を受けるために、モバイル制御ユニット100内に車両ホットラインを備えていてもよい。
【0056】
上述のファシリティ管理システム200およびファシリティ管理方法1000は、施設900の設備を監視する効率的かつ費用効果に優れたシステムおよび方法を提供する可能性がある。ファシリティ管理システム200およびファシリティ管理方法1000は、施設を監視するために必要な人員数を、たとえば2人の警備員および1人の整備員のように必須の人員数に削減してもよいため、複数の施設900の監視に必要な人員の削減を支援する。特に、人件費が比較的高額となる国において、ファシリティ管理システム200およびファシリティ管理方法1000は大幅な人員削減および経費削減を可能にすると考えられる。
【0057】
さらに、ファシリティ管理システム200およびファシリティ管理方法1000は、より確実かつ効率的なビルサービスの監視方法を獲得するために、施設900内の警備およびビルサービスのより良い監視を提供する。ファシリティ管理システム200およびファシリティ管理方法1000は、分散されているが局所化されているため、より少ない人員資源を可能にし、さらにファシリティシステム920から受信したあらゆる警報への迅速な対応を可能にする。特に、施設900にモバイル制御ユニット100が物理的に存在するために、施設への対応チームの派遣を必要として、それにより本発明のファシリティ管理システム200およびファシリティ管理方法1000よりも長い時間を必要とする上述の遠隔監視を行う企業が使用する遠隔監視システムとは異なり、迅速な対応を提供する。遠隔監視を行う企業がたとえば警察や消防などの政府機関から支援を要請されたとしても、始動時から施設到着までの時間を必要とすると考えられる。
【0058】
昼間に警備員が施設に継続して存在する必要のない施設については、ファシリティ管理システム200およびファシリティ管理方法1000を採用することにより、2人の警備員および1人の整備員のように必須の人員数のみを維持しながら、たとえば訪問者による施設900への入場の要求などの警備員の対応が必要な場合には警備員による迅速な対応が可能になる。人の往来および活動が少なくなる夜間は、ファシリティ管理システム200およびファシリティ管理方法1000は施設の継続的な監視および施設900のパトロールチームを有する利益を提供してもよい。
【0059】
ファシリティ管理システム200およびファシリティ管理方法1000はまた、万一、中央監視システム110がダウンした場合、中央監視システム110の迅速かつ効果的なバックアップを提供し、それにより施設の監視の中断時間を最小にするようにしてもよい。たとえば電力不足または攻撃などにより施設内の一般的なコントロールセンターがダウンした場合、コントロールセンターがたとえば数時間以内などの迅速に施設の監視を回復することはほぼ不可能である。モバイル制御ユニット100が何らかの理由によりダウンした場合、近傍の他のモバイル制御ユニット100またはバックアップのモバイル制御ユニット100を、ダウンしたモバイル制御ユニット100と交代するように派遣して、たとえば数分以内など、ほぼ即座に監視動作を回復して、それにより施設900の設備の監視の中断時間を最小にするようにしてもよい。
【0060】
モバイル制御ユニットのファシリティ管理システム200の設置には、たとえばコントロールパネル、閉回路カメラ、カードアクセスシステム、センサ、インターコムシステム、バリアシステム、および/または動作検知システムの設置などの初期設置費用を必要とする可能性があるが、長期的には、各月の人件費からの経費削減により投資の回収が可能になると考えられる。
【0061】
ファシリティ管理システム200があれば、監視システムの設置により、ビルの施設内に警備員および/または整備員を配置せずに施設900を監視することも可能になる可能性がある。このように、警備員および/または整備員を維持するための費用が大幅に削減でき、ファシリティ管理システム200の設置費用はたとえば数か月内などの早期に取り戻すことができる可能性がある。
【0062】
[付記1]
複数の施設に移動するように構成されたモバイル制御ユニットであって、
前記複数の施設のそれぞれのファシリティシステムと通信するように構成された中央監視システムを備え、
前記モバイル制御ユニットは、前記複数の施設のうちの1つのファシリティシステムによって警告されると前記複数の施設のうちの当該1つに移動するように構成されているモバイル制御ユニット。
【0063】
[付記2]
前記モバイル制御ユニットは車両型制御ユニットからなる、付記1に記載のモバイル制御ユニット。
【0064】
[付記3]
前記車両型制御ユニットはバンからなる、付記2に記載のモバイル制御ユニット。
[付記4]
前記モバイル制御ユニットは、前記モバイル制御ユニットの位置を判定するように構成されたグローバルポジショニングシステム装置を含む、付記1〜付記3の何れか一項に記載のモバイル制御ユニット。
【0065】
[付記5]
前記中央監視システムは、前記ファシリティシステムの少なくとも1つの警備システムを監視するように構成された警備監視システムまたは前記ファシリティシステムのビルサービスシステムを監視するように構成されたビルサービス監視システムを含む、付記1〜付記4の何れか一項に記載のモバイル制御ユニット。
【0066】
[付記6]
前記中央監視システムとファシリティシステムとの間の通信は、ワイドエリアネットワークまたは無線ローカルエリアネットワークのうちの少なくとも1つを介している、付記1〜付記5の何れか一項に記載のモバイル制御ユニット。
【0067】
[付記7]
前記モバイル制御ユニットは、前記複数の施設のうちの少なくとも1つをパトロールするように構成されている、付記1〜付記6の何れか一項に記載のモバイル制御ユニット。
【0068】
[付記8]
前記複数の施設のうちの少なくとも1つを管理するように構成されたファシリティ管理システムであって、
付記1〜付記7の何れか一項に記載のモバイル制御ユニットと、
それぞれ前記複数の施設のうちの1つを監視するように構成された複数のファシリティシステムと
を備えるファシリティ管理システム。
【0069】
[付記9]
各ファシリティシステムは警備システムを含み、前記警備システムは必要に応じて前記中央監視システムに警備信号を送信するように構成されている、付記8に記載のファシリティ管理システム。
【0070】
[付記10]
前記ファシリティシステムはビルサービスシステムを含み、前記ビルサービスシステムは必要に応じて前記中央監視システムに警報信号を送信するように構成されている、付記8または付記9に記載のファシリティ管理システム。
【0071】
[付記11]
モバイル制御ユニットを用いて複数の施設の監視を行うファシリティ管理方法であって、前記複数の施設のそれぞれがファシリティシステムを備えており、
前記ファシリティシステムのうちの少なくとも1つを監視することと、
前記モバイル制御ユニットの中央監視システムと前記複数の施設の前記ファシリティシステムのうちの少なくとも1つとの間で通信することと、
前記複数の施設のうちの1つの前記ファシリティシステムのうちの1つによって警告されると前記ファシリティシステムのうちの当該1つの前記施設に前記モバイル制御ユニットを移動させることと
を含む方法。
【0072】
[付記12]
前記ファシリティシステムの監視は、前記ファシリティシステムの警備システムを監視することを含む、付記11に記載の方法。
【0073】
[付記13]
前記ファシリティシステムの監視は、前記ファシリティシステムのビルサービスシステムを監視することを含む、付記11または付記12に記載の方法。
【0074】
[付記14]
前記方法はさらに、前記複数の施設のうちの少なくとも1つをパトロールすることを含む、付記11〜付記13の何れか一項に記載の方法。
【0075】
[付記15]
モバイルユニット制御システムであって、
付記1〜付記7の何れか一項に記載の複数のモバイル制御ユニットと、
前記複数のモバイル制御ユニットの位置を監視するように構成されており、前記複数のモバイル制御ユニットと通信して前記複数のモバイル制御ユニットを制御するように構成されているメイン制御ユニットと
を備えるモバイルユニット制御システム。
【0076】
[付記16]
モバイルユニット制御方法であって、
付記1〜付記7の何れか一項に記載の複数のモバイル制御ユニットの、メイン制御ユニットからの位置を監視することと、
前記メイン制御ユニットと前記複数のモバイル制御ユニットとの間で通信することと
を含むモバイルユニット制御方法。